JP3564135B2 - タキソールおよびその誘導体の合成 - Google Patents
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Description
発明の背景
本発明は、タキソール(taxol)、および他の三環および四環タキサンの製法、並びにそれらの新規中間体に関する。
タキサン類のテルペン(タキソールはその一種である)は、生物学および化学の両分野で高い関心が持たれている。タキソールは、抗白血病および腫瘍抑制活性スペクトルの広い、有望な癌化学療法剤である。タキソールは構造式:
[式中、Acはアセチルである。]
で示される。
タキソールは、タクサス・ブレビフォリア(Taxus brevifollia)(西洋イチイ)の樹皮から現在供給されている。しかし、タキソールは、そのような成長の遅い常緑樹の樹皮中に少量しか存在しない。そこで近年、化学者は、タキソールの可能な合成経路の発見に力を注いでいる。これまでのところ、その成果は充分満足できるものではない。
タキソール合成のための半合成方法が、グリーン(Greene)らのザ・ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(JACS)110、5917(1988)に記載されており、それによると、式II:
で示される、タキソール同種化合物の10−デアセチルバッカチンIII(10−deacetyl baccatin III)を使用する。10−デアセチルバッカチンIIIは、タクサス・バッカータ(Taxus baccata)の針葉から得られるので、タキソールよりも入手し易い。グリーンらの方法によると、10−デアセチルバッカチンIII(「10−DAB」)に、C−10アセチル基を結合し、C−13アルコールをβ−アミドカルボン酸単位でエステル化することによってC−13β−アミドエステル側鎖を結合して、タキソールに変換する。
デニス(Denis)らの米国特許第4924011号には、式:
[式中、R'は水素またはアセチルである。]
で示されるバッカチンIIIまたは10−デアセチルバッカチンIIIの誘導体を合成する別法が開示されている。それによると、式:
[式中、R1はヒドロキシ保護基である。]
で示される酸を、式:
[式中、R2はアセチルヒドロキシ保護基であり、R3はヒドロキシ保護基である。]
で示されるタキサン誘導体と縮合させ、次いで保護基R1、R3および場合によりR2を、水素と置き替える。
近年、腫瘍抑制作用を有するタキソールおよびタキサンの半合成的製法が他にも報告されているが、それらはいずれも、10−DABまたはバッカチンIIIを出発物質として必要とする。従って、タキソールおよび他のタキサン誘導体の供給は、遠隔地からの種々の植物部位の収集と、そこからの10−DABおよび/またはバッカチンIIIの抽出とに、少なくともある程度依存している。
発明の概要
本発明の目的は、タキソールおよび他の四環タキサンの合成法を提供すること;高ジアステレオ選択的なそのような方法を提供すること;比較的高収率のそのような方法を提供すること;並びに重要な中間体およびその合成法を提供することを包含する。
すなわち、本発明は、タキソール、並びに他の三環および四環タキサンの製法に関する。
本発明の一態様においては、本発明の方法は、式:
で示される化合物と、BrMgN(iPr)2、アルデヒド(またはケトン)、および次いでホスゲンおよびアルコールと反応させて、式:
で示される化合物を生成することを含んで成る
[式中、
R1は水素または保護ヒドロキシ;
R2は水素または保護ヒドロキシ;
R3はオキソ;
R7bは水素、アルキル、シアノ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、または−OCOR36;
R7cおよびR7dはそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
R9は水素、保護ヒドロキシ、またはオキソ;
R10は−OP10;
R13は−OP13;
R36は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
P10およびP13はヒドロキシ保護基。]。
本発明の他の態様においては、本発明の方法は、式:
で示される化合物と、リチウムテトラメチルピペリジドとを反応させて、式:
で示される化合物を生成することを含んで成る
[式中、
R1は水素または保護ヒドロキシ;
R7cは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
R9は水素、保護ヒドロキシ、またはオキソ;
P10およびP13はヒドロキシ保護基。]。
本発明の他の態様においては、本発明の方法は、式:
で示される化合物と、リチウムテトラメチルピペリジドおよびショウノウスルホニルオキサジリジンとを反応させて、式:
で示される化合物を生成することを含んで成る
[式中、
R9は水素、保護ヒドロキシ、またはオキソ;
R7cは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
P10およびP13はヒドロキシ保護基。]。
本発明の他の態様においては、本発明の方法は、式:
で示される化合物と、水素化物還元剤、好ましくはRed−Alとを反応させて、式:
で示される化合物を生成することを含んで成る
[式中、
R9は水素、保護ヒドロキシ、またはオキソ;
R7cは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
P10およびP13はヒドロキシ保護基。]。
本発明の他の態様においては、本発明の方法は、式:
で示される化合物と、リチウムジイソプロピルアミドとを反応させて、式:
で示される化合物を生成することを含んで成る
[式中、
Rは低級アルキル、
R1は水素、保護ヒドロキシ、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、保護ヒドロキシ、またはR1と共にカーボネートを形成;
R9は水素、保護ヒドロキシ、またはオキソ;
P10およびP13はヒドロキシ保護基。]。
本発明の他の態様においては、本発明の方法は、式:
で示される化合物と、DBUとを反応させて、式:
で示される化合物を生成することを含んで成る
[式中、
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR30、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR31、またはR1と共にカーボネートを形成;
R4aは水素、アルキル、ヒドロキシ、もしくは保護ヒドロキシ、またはR2と共にカーボネートを形成;
R4bはヒドロキシメチレン;
R5は−OMs、−OTs、またはブロミド;
R7aは水素、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR34、またはR9と共にカーボネートを形成;
R9は水素、オキソ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR33、またはR7aもしくはR10と共にカーボネートを形成;
R10は水素、オキソ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR29、またはR9と共にカーボネートを形成;
R13はヒドロキシ保護基;
R29、R30、R31、R33およびR34はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール。]。
本発明の他の態様においては、本発明の方法は、式:
で示される化合物と、KOtBuおよび(PhSeO)2Oとを反応させて、式:
で示される化合物を生成し、これを、更なるKOtBu、シリカゲル、または他の酸もしくは塩基の存在下に、あるいは加熱によって転位して、式:
で示される化合物を生成することを含んで成る
[式中、
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR30、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR31、またはR1もしくはR4aと共にカーボネートを形成;
R4aは水素、アルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR27、R4bと共にオキソを形成、またはR2、R4bもしくはR5と共にカーボネートを形成;
R4bは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、R4aと共にオキソを形成、R4aもしくはR5と共にカーボネートを形成、またはR5およびそれらの結合する炭素と共にオキセタン環を形成;
R5は水素、保護ヒドロキシ、−OCOR37、R4aもしくはR4bと共にカーボネートを形成、またはR4bおよびそれらの結合する炭素と共にオキセタン環を形成;
R7aは水素、ハロゲン、保護ヒドロキシ、または−OCOR34;
R13はヒドロキシ保護基;
R27、R30、R31、R34およびR37はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール。]。
本発明の方法は、下記式(1)で示されるタキサンの合成に適用し得る:
[式中、
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、または−OCOR30;
R2は水素、ヒドロキシ、−OCOR31、またはオキソ;
R4aは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ヒドロキシ、−OCOR27、またはR4bと共にオキソ、オキシランもしくはメチレンを形成;
R4bは水素、R4aと共にオキソ、オキシランもしくはメチレンを形成、またはR5およびそれらが結合する炭素原子と共にオキセタン環を形成;
R5は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR37、オキソ、またはR4bおよびそれらが結合する炭素原子と共にオキセタン環を形成;
R7aは水素、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR34、オキソ、または−OR28;
R9は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシルオキシまたはオキソ;
R10は水素、−OCOR29、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはオキソ;
R13はヒドロキシ、保護ヒドロキシ、MO−または
R28はタキサンの溶解性を高める官能基;
R27、R29、R30、R31、R34およびR37はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X1は−OX6、−SX7または−NX8X9;
X2は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
X3およびX4はそれぞれ、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
X5は−COX10、−COOX10、−COSX10、−CONX8X10または−SO2X11;
X6は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ保護基、またはタキサン誘導体の水溶性を高める官能基;
X7はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはスルフヒドリル保護基;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール;
X9はアミノ保護基;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール;
X11はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−OX10または−NX8X14;
X14は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
Mはアンモニウムを含んで成るか、または金属。]。
本発明は更に、三環または四環タキサンの合成に使用する下記式(5)で示される中間体にも関する:
[式中、
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR30、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR31、またはR1と共にカーボネートを形成;
R3は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR32、またはオキソ;
R8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
R9は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソもしくは−OCOR33、またはR10と共にカーボネートを形成;
R10は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソもしくは−OCOR29、またはR9と共にカーボネートを形成;
R13は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR35、またはMO−;
R29、R30、R31、R32、R33およびR35はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
Mはアンモニウムを含んで成るか、または金属。]。
本発明は更に、三環または四環タキサンの合成に使用する下記式(8)で示される中間体にも関する:
[式中、
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR30、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR31、またはR1と共にカーボネートを形成;
R3は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR32、もしくはオキソ、またはR7bと共にカーボネートを形成;
R7bは水素、アルキル、シアノ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR36、またはR3もしくはR9と共にカーボネートを形成;
R7cおよびR7dはそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
R9は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR33、またはR7bもしくはR10と共にカーボネートを形成;
R10は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR29、またはR9と共にカーボネートを形成;
R13は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR35、またはMO−;
R29、R30、R31、R32、R33、R35およびR36はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
Mはアンモニウムを含んで成るか、または金属。]。
本発明は更に、三環または四環タキサンの合成に使用する下記式(11)で示される中間体にも関する:
[式中、
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR30、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR31、またはR1と共にカーボネートを形成;
R3は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、または−OCOR32;
R7bは水素、アルキル、シアノ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、または−OCOR36;
R7cは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
R9は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR33、またはR10と共にカーボネートを形成;
R10は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR29、またはR9と共にカーボネートを形成;
R13は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR35、またはMO−;
R29、R30、R31、R32、R33、R35およびR36はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
Mはアンモニウムを含んで成るか、または金属。]。
本発明は更に、三環または四環タキサンの合成に使用する下記式(16)で示される中間体にも関する:
[式中、
RはC1−C8アルキル;
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR30、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR31、またはR1と共にカーボネートを形成、もしくはR4aと共にカーボネートを形成;
R4aは水素、アルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR27、またはR2と共にカーボネートを形成;
R7aは水素、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OR28、−OCOR34、またはR9と共にカーボネートを形成;
R9は水素、オキソ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OR28、もしくは−OCOR33、またはR7aもしくはR10と共にカーボネートを形成;
R10は水素、オキソ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OR28、もしくは−OCOR29、またはR9と共にカーボネートを形成;
R13は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR35、またはMO−;
R28はタキサン誘導体の溶解性を高める官能基;
R27、R29、R30、R31、R33、R34およびR35はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
Mはアンモニウムを含んで成るか、または金属。]。
本発明は更に、三環または四環タキサンの合成に使用する下記式(26a)で示される中間体にも関する:
[式中、
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR30、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR31、またはR1もしくはR4aと共にカーボネートを形成;
R4aは水素、アルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR27、R4bと共にオキソを形成、またはR2、R4bもしくはR5と共にカーボネートを形成;
R4bは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、もしくはシアノ、R4aと共にオキソを形成、R4aもしくはR5と共にカーボネートを形成、またはR5およびそれらが結合する炭素原子と共にオキセタン環を形成;
R5は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR37、オキソ、R4aもしくはR4bと共にカーボネートを形成、またはR4bおよびそれらが結合する炭素原子と共にオキセタン環を形成;
R7aは水素、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OR28、もしくは−OCOR34、またはR9と共にカーボネートを形成;
R9は水素、オキソ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OR28、もしくは−OCOR33、またはR7aもしくはR10と共にカーボネートを形成;
R10は水素、オキソ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OR28、もしくは−OCOR29、またはR9と共にカーボネートを形成;
R13は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR35、MO−、または
R28はタキサン誘導体の溶解性を高める官能基;
R27、R29、R30、R31、R33、R34、R35およびR37はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X1は−OX6、−SX7または−NX8X9;
X2は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
X3およびX4はそれぞれ、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
X5は−COX10、−COOX10、−COSX10、−CONX8X10または−SO2X11;
X6は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ保護基、またはタキサン誘導体の水溶性を高める官能基;
X7はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはスルフヒドリル保護基;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X9はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X11はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−OX10または−NH8X14;
X14は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
Mはアンモニウムを含んで成るか、または金属。]。
本発明の他の目的および特徴は、部分的には自明であり、部分的には以下の説明において示す。
好ましい態様の詳細な説明
本発明において、“Ar"はアリール;“Ph"はフェニル;“Me"はメチル;“Et"はエチル;“iPr"はイソプロピル;“tBu"および“t−Bu"はt−ブチル;“R"は特記しない限り低級アルキル;“Ac"はアセチル;“py"はピリジン;“TES"はトリエチルシリル;“TMS"はトリメチルシリル;“TBS"はMe2t−BuSi−;“Tf"は−SO2CF3;“BMDA"はBrMgNiPr2;“Swern"は(COCl)2,Et3N;“LTMP"はリチウムテトラメチルピペリジド;“MOP"は2−メトキシ−2−プロピル;“BOM"はベンジルオキシメチル;“LDA"はリチウムジイソプロピルアミド;“LAH"は水素化アルミニウムリチウム;“Red−Al"は水素化ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム;“Ms"はCH3SO2−;“TASF"はトリス(ジエチルアミノ)スルホニウムジフルオロトリメチルシリケート;“Ts"はトルエンスルホニル;“TBAF"は水素化テトラブチルアンモニウム;“TPAP"は過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム;“DBU"はジアザビシクロウンデカン;“DMAP"はp−ジメチルアミノピリジン;“LHMDS"はリチウムヘキサメチルジシラジド;“DMF"はジメチルホルムアミド;“AIBN"はアゾ−(ビス)−イソブチロニトリル;“10−DAB"は10−デスアセチルバッチカンIII;“FAR"は2−クロロ−1,1,2−トリフルオロトリエチルアミン;“mCPBA"はメタクロロ過安息香酸;“DDQ"はジシアノジクロロキノンである。“スルフヒドリル保護基”はヘミチオアセタール、例えば1−エトキシエチルおよびメトキシメチル、チオエステル、またはチオカーボネートを包含するが、それらに限定されない。“アミン保護基”はカルバメート、例えば2,2,2−トリクロロエチルカルバメートまたはt−ブチルカルバメートを包含するが、それらに限定されない。“保護ヒドロキシ”は−OP(Pはヒドロキシ保護基)である。“ヒドロキシ保護基”は炭素数2〜10のアセタール;炭素数2〜10のケタール;エーテル、例えばメチル、t−ブチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、アリル、トリチル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、エトキシエチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、およびトリアルキルシリルエーテル(例えばトリメチルシリルエーテル、トリエチルシリルエーテル、ジメチルアリールシリルエーテル、トリイソプロピルシリルエーテルおよびt−ブチルジメチルシリルエーテル);エステル、例えばベンゾイル、アセチル、フェニルアセチル、ホルミル、モノ−、ジ−およびトリハロアセチル(例えばクロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル);カーボネート、例えば炭素原子数1〜6のアルキルカーボネート(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチルおよびn−ペンチル)、炭素原子数1〜6で、1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルカーボネート(例えば2,2,2−トリクロロエトキシメチルおよび2,2,2−トリクロロ−エチル)、炭素原子数2〜6のアルケニルカーボネート(例えばビニルおよびアリル)、炭素原子数3〜6のシクロアルキルカーボネート(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル)、1個またはそれ以上のC1-6アルコキシまたはニトロで環が置換されていることもあるフェニルまたはベンジルカーボネートを包含するが、それらに限定されない。他のヒドロキシ、スルフヒドリルおよびアミン保護基は、「プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)」、ティ・ダブリュ・グリーン(T.W.Greene)、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、1981を参照し得る。
アルキル基は、好ましくは、主鎖の炭素原子数1〜6で、炭素原子数15までの低級アルキルである。アルキル基は直鎖または分枝状であってよく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシルなどを包含する。アルキル基は、本明細書中に記載の種々の置換基(ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロ置換ヘテロアリールを包含する)で、炭化水素またはヘテロ置換されていてよい。
アルケニル基は、好ましくは、主鎖の炭素原子数2〜6で、炭素原子数15までの低級アルケニルである。アルケニル基は直鎖または分枝状であってよく、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ヘキセニルなどを包含する。アルケニル基は、本明細書中に記載の種々の置換基(アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロ置換ヘテロアリールを包含する)で、炭化水素またはヘテロ置換されていてよい。
アルキニル基は、好ましくは、主鎖の炭素原子数2〜6で、炭素原子数15までの低級アルキニルである。アルキニル基は直鎖または分枝状であってよく、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ヘキシニルなどを包含する。アルキニル基は、本明細書中に記載の種々の置換基(アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロ置換ヘテロアリールを包含する)で、炭化水素またはヘテロ置換されていてよい。
アリール基は、炭素原子数6〜15で、フェニルを包含する。アリール基は、本明細書中に記載の種々の置換基(アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアリール、およびヘテロ置換ヘテロアリールを包含する)で、炭化水素またはヘテロ置換されていてよい。フェニルが好ましいアリールである。
ヘテロアリール基は、炭素原子数5〜15で、フリル、チエニル、ピリジルなどを包含する。ヘテロアリール基は、本明細書中に記載の種々の置換基(アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、アリール、およびヘテロ置換ヘテロアリールを包含する)で、炭化水素またはヘテロ置換されていてよい。
アシル基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール基を有する。
アルコキシカルボニルオキシ基は、低級アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリール基を有する。
炭化水素置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールであり得る。ヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールおよびヘテロアリール基のヘテロ置換基は、窒素、酸素、イオウ、ハロゲン、および/または1〜6個の炭素を含み、低級アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ)、ハロゲン(例えばクロロまたはフルオロ)、およびニトロ、ヘテロアリール(例えばフリルまたはチエニル)、アルカンオキシ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、ニトロ、アミノ、およびアミドを包含する。
バッカチンIIIまたは10−DABの合成例を、下記反応式Aに示す。出発物質であるジオール(2)は、市販のパチノ(patchino)(通常、B−パチュリンエポキシド(B−patchouline epoxide)として知られる)から合成し得る。パチノをまず、有機金属試薬、例えばt−ブチルリチウムと反応させ、次いで有機過酸化物、例えばt−ブチルパーオキシドで、チタンテトライソプロポキシドの存在下に酸化して、第三級アルコールを生成する。この第三級アルコールを次いでルイス酸(例えば三フッ化ホウ素)と、40〜−100℃の低温で、酸(例えばトリフルオロメタンスルホン酸)の存在下に反応させる。ジオール(2)の合成のための反応式および実験的記述は、米国特許第4876399号に示されている。
反応式A中、P5はTMS、P7はMOPまたはBOM、P10はTES、P13はTBS、Rは化合物(6)および(7)においてはエチル、化合物(15)、(16)、(17)においてはメチル、化合物(24aa)および(26a)においてはMs、化合物(26aa)においてはTsである。P5、P7、P10およびP13は他のヒドロキシ保護基であってもよく、Rは、化合物(6)、(7)、(15)、(16)および(17)において他の低級アルキル置換基を包含し得ると理解すべきである。
反応式Aに示すように化合物(18)を導く反応および化合物(29)以降の反応を行い、化合物(18)から(29)への反応を、反応式Aとは異なり、反応式A'に示すように行うこともできる。
反応式A'中、P5はTMSまたはAc、P7はMOPまたはBOM、P10はTES、P13はTBS、P520はアセタールまたはケタール(好ましくはアセトニド)である。P5、P7、P10、P13およびP520は、他のヒドロキシ保護基であってもよいと理解すべきである。
C13側鎖を有する三環および四環タキサンは通例、β−ラクタムと、タキサン三環または四環核およびC−13金属オキシド置換基を有するアルコキシドとを反応させて、β−アミドエステル置換基をC−13に有する化合物を形成することによって合成し得る。β−ラクタムは、構造式:
[式中、X1〜X5は前記と同意義である。]
で示される。三環または四環タキサン核、およびC−13金属オキシドまたはアンモニウムオキシド置換基を有するアルコキシドは、構造式:
[式中、R1、R2、R4a、R4b、R5、R6、R6a、R7a、R9およびR10は前記と同意義であり、R13は−OMであり、Mはアンモニウムを含んで成るか、またはI A族、II A族、遷移金属(ランタニドおよびアクチニドを包含する)、II B族、III A族、IV A族、V A族またはVI A族(CAS版)から成る群から場合により選択する金属である。]
で示される。Mがアンモニウムを含んで成る場合、Mは好ましくはテトラアルキルアンモニウムであり、テトラアルキルアンモニウム置換基のアルキル成分は、好ましくはC1−C10アルキル、例えばメチルまたはブチルである。最も好ましくは、アルコキシドは四環タキサン核を有し、構造式:
[式中、M、R2、M4a、R7a、R9およびR10は前記と同意義である。]
で示される。
反応式Aに示したように、7−保護バッカチンIII(35)を対応するアルコキシドに変換し、そのアルコキシドをβ−ラクタム(X1は保護ヒドロキシ、X3はフェニル、X5はベンゾイル)と反応させることによって、タキソールが得られる。2−メトキシプロピル(「MOP」)、1−エトキシエチル(「EE」)のような保護基が好ましいが、種々の他の通常の保護基、例えばトリエチルシリル基または他のトリアルキル(またはアリール)シリル基を使用してもよい。側鎖置換基の異なるタキサンは、置換基の異なるβ−ラクタムを使用することによって得られる。
C9置換基の異なるタキサンは、タキソール、10−DAB、バッチカンIII、または本明細書中に記載の他の中間体のC9ケト置換基を選択的に還元して、対応するC9β−ヒドロキシ誘導体とすることによって得ることができる。還元剤は、好ましくはボロハイドライド、最も好ましくはテトラブチルアンモニウムボロハイドライド(Bu4NBH4)またはトリアセトキシボロハイドライドである。
反応式1に示すように、バッカチンIIIとBu4NBH4とを塩化メチレン中で反応させて、9−デスオキソ−9β−ヒドロキシバッカチンIII(5)を得る。C7ヒドロキシル基を、例えばトリエチルシリル保護基で保護した後、本明細書中に説明するように適当な側鎖を7−保護−9β−ヒドロキシ誘導体(6)に結合し得る。残った保護基を除去すると、9β−ヒドロキシ−デスオキソタキソール、または他のC13側鎖を有する9β−ヒドロキシ四環タキサンが得られる。
反応式2に示すように、7−保護−9β−ヒドロキシ誘導体(6)のC13ヒドロキシル基を、トリメチルシリルまたは他の保護基(C7ヒドロキシ保護基に対し相対的に選択的除去することができる)で保護し、タキサンの種々の置換基を更に選択的に変更することができる。例えば、7,13−保護−9β−ヒドロキシ誘導体(7)とKHとの反応により、アセテート基がC10からC9へ、ヒドロキシル基がC9からC10へ移り、10−デスアセチル誘導体(8)が生成する。10−デスアセチル誘導体(8)のC10ヒドロキシル基をトリエチルシリルで保護して、誘導体(9)を得る。誘導体(9)からC13ヒドロキシ保護基を選択的に除去して、誘導体(10)を得、これに適当な側鎖を前記のように結合し得る。
反応式3に示すように、10−デスアセチル誘導体(8)の酸化により、10−オキソ誘導体(11)を得ることができる。次いで、C13ヒドロキシ保護基を選択的除去した後、前記のように側鎖を結合して、9−アセトキシ−10−オキソ−タキソール、または他のC13側鎖を有する9−アセトキシ−10−オキソ四環タキサンを得ることができる。また、10−オキソ誘導体(11)を、二ヨウ化サマリウムのような還元剤で還元することにより、C9アセテート基を選択的除去して、9−デスオキソ−10−オキソ誘導体(12)を得、そのC13ヒドロキシ保護基を選択的除去した後、前記のように側鎖を結合して、9−デスオキソ−10−オキソタキソール、または他のC13側鎖を有する9−デスオキソ−10−オキソ四環タキサンを合成することができる。
反応式4に示すように、10−DABを還元してペンタオール(13)を得ることができる。次いで、ペンタオール(13)のC7およびC10ヒドロキシル基を、トリエチルシリルまたは他の保護基で選択的保護して、トリオール(14)を得、これに、場合により更に四環置換基に変更を加えた後、前記のようにC13側鎖を結合することができる。
C9および/またはC10にアセテート以外のアシルオキシ置換基を有するタキサンは、反応式5に示すように、10−DABを出発物質として合成することができる。ピリジン中で10−DABとトリエチルシリルクロリドとを反応させることにより、7−保護10−DAB(15)を得る。次いで、7−保護10−DAB(15)のC10ヒドロキシ置換基を、通常のアシル化剤で容易にアシル化して、新しいC10アシルオキシ置換基を有する誘導体(16)を得ることができる。誘導体(16)のC9ケト置換基の選択的還元により、9β−ヒドロキシ誘導体(17)を得、それにC13側鎖を結合し得る。また、前記反応式2と同様に、C10およびC9基の転移も行い得る。
別のC2および/またはC4エステル基を有するタキサンは、バッカチンIIIおよび10−DABを出発物質として合成し得る。バッカチンIIIおよび10−DABのC2および/またはC4エステルを、LAHまたはRed−Alのような還元剤を用いて、対応するアルコールに選択的還元し、次いで、無水物および酸クロリドのような通常のアシル化剤を、ピリジン、トリエチルアミン、DMAPまたはジイソプロピルエチルアミンのようなアミンと組み合わせて使用して、新しいエステルを形成し得る。また、C2および/またはC4アルコールを、新しいC2および/またはC4エステルに変換するために、アルコールをLDAのような適当な塩基で処理して対応するアルコキシドを形成後、酸クロリドのようなアシル化剤で処理してもよい。
C2および/またはC4に種々の置換基を有するバッカチンIIIおよび10−DAB類似体は、反応式6〜10に示すように合成し得る。説明を単純化するために、10−DABを出発物質として使用する。しかし、単に10−DABの代わりにバッカチンIIIを出発物質として使用することにより、バッカチンIII誘導体または類似体も同様の反応経路(C10ヒドロキシル基の保護を除く)で合成し得ると理解すべきである。C2および/またはC4に種々の置換基を有するバッカチンIIIおよび10−DAB類似体の9−デスオキソ誘導体は、該類似体のC9ケト置換基の還元、および他の前記反応を行うことによって合成し得る。
反応式6においては、保護10−DAB(3)を水素化アルミニウムリチウムでトリオール(18)に変換する。その後、Cl2CO/ピリジン、次いで求核剤(例えばグリニヤール試薬またはアルキルリチウム試薬)を用いて、トリオール(18)を対応するC4エステルに変換する。
トリオール(18)をLDAで脱プロトン化し、次で酸クロリドを導入すると、C4エステルが選択的に生成する。例えば、塩化アセチルを使用して、トリオール(18)を1,2−ジオール(4)に変換した(反応式7参照)。
トリオール(18)は、1,2−カーボネート(19)にも容易に変換し得る。反応式8に示すように、通常の激しい条件下にカーボネート(19)をアセチル化して、カーボネート(21)を得る;反応式6に示すように、カーボネート(19)にアルキルリチウムまたはグリニヤール試薬を付加すると、C4に遊離ヒドロキシル基を有するC2エステルが生成する。
反応式9に示すように、他のC4置換基を導入するには、カーボネート(19)と、酸クロリドおよび第三級アミンとの反応により、カーボネート(22)を得、それをアルキルリチウムまたはグリニヤール試薬と反応させて、C2に新しい置換基を有する10−DAB誘導体を生成すればよい。
また、バッカチンIIIを出発物質として使用して、反応式10に示すように反応させることもできる。バッカチンIIIを、C7およびC13において保護した後、LAHで還元して、1,2,4,10−テトラオール(24)を得る。テトラオール(24)を、Cl2COおよびピリジンを用いてカーボネート(25)に変換し、カーボネート(25)を、C10において酸クロリドおよびピリジンでアシル化してカーボネート(26)(反応式に示す)を得るか、または無水酢酸およびピリジンと反応させる(反応式に示さず)。カーボネート(26)を通常の激しい条件下にアセチル化してカーボネート(27)を得、これをアルキルリチウムと反応させて、C2およびC10に新しい置換基を有するバッカチンIII誘導体を得る。
バッカチンIIIの10−デスアセトキシ誘導体、および10−DABの10−デスオキシ誘導体は、バッカチンIIIまたは10−DAB(またはそれらの誘導体)と、二ヨウ化サマリウムとの反応によって合成し得る。C10脱離基を有する四環タキサンと、二ヨウ化サマリウムとの反応は、テトラヒドロフランのような溶媒中、0℃で行い得る。二ヨウ化サマリウムは、C10脱離基を好都合に選択的に脱離する;C13側鎖、および四環核上の他の置換基は損なわれない。その後、本明細書中に説明するように、C9ケト置換基を還元して、対応する9−デスオキソ−9β−ヒドロキシ−10−デスアセトキシまたは10−デスオキシ誘導体を生成し得る。
C7ジヒドロおよび他のC7置換タキサンは、反応式11、12および12aに示すように合成し得る。
反応式12に示すように、バッカチンIIIをTHF溶液中、室温でFARにより処理して、7−フルオロバッカチンIIIに変換し得る。遊離C7ヒドロキシル基を有する他のバッカチン誘導体も、同様に反応する。7−クロロバッカチンIIIは、バッカチンIIIを、過剰のトリエチルアミンヒドロクロリドを含有する塩化メチレン溶液中で、メタンスルホニルクロリドおよびトリエチルアミンで処理することによって合成し得る。
C7アシルオキシ置換基を有するタキサンは、反応式12aに示すように合成し得る。7,13−保護10−オキソ−誘導体(11)を、そのC13保護基を選択的除去して金属(例えばリチウム)に交換することによって、対応するC13アルコキシドに変換する。次いで、アルコキシドを、β−ラクタムまたは他の側鎖前駆物質と反応させる。その後、C7保護基を加水分解すると、C7ヒドロキシ置換基がC10に、C10オキソ置換基がC9に、C9アシルオキシ置換基がC7に転移する。
反応式13に示すように、7−O−トリエチルシリルバッカチンIIIを、塩化メチレン溶液中、テトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウムの作用により、三環タキサンに変換し得る。次いで、生成したジオールを四酢酸鉛と反応させて、対応するC4ケトンを得ることができる。
反応式Aのサブプロセスを、種々の段階で適用し得る。例えば、化合物(30)を化合物(33)に変換する工程を、C−10にヒドロキシル基と、C−9に2個の水素とを有するいずれの中間体に適用してもよく、C9およびC10カルボニルおよびヒドロキシル基を導入する工程は、適当に保護した中間体(4)〜(29)に適用し得る。
同様に、C1およびC2酸素含有官能基を導入する工程(反応式Aにおける(6)から(13)への変換)は、C3カルボニル基を有するいずれの中間体に適用してもよい。
また、反応式6〜10に示すようなC2およびC4アシル基を導入する工程は、C1,C2カーボネートを有するいずれの中間体に適用してもよい。
反応式A中の(24a)から(27a)への変換において示すような、オキセタン環を形成する工程は、C4カルボニル基を有する種々の中間体に適用し得る。
反応式A中の(5)から(6)への変換において示すアルドール法は、C3カルボニル基およびC8a水素を有する適当に保護した中間体のいずれに適用してもよい。この方法において、種々のケトンまたはアルデヒドを反応物質として使用し得る。
中間体における1,2または1,3−ジオールサブユニットからの環状カーボネートの生成は、ホスゲンを反応物質として使用して行い得る。カルボニル基は、水素化物試薬または金属試薬により還元して、対応するアルコールとし得る。アルコールは、反応式に示すような種々の酸化剤で酸化して、対応するカルボニル基とし得る。
本発明において開示する化合物は複数の不斉炭素を有し、ジアステレオマー、ラセミ体、または光学活性形態で存在し得る。それらいずれの形態も、本発明に包含される。とりわけ、本発明は、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ混合物、および本明細書中に開示する化合物の他の混合物を包含する。
以下の実施例は、本発明を説明するものである。
実施例
反応式A
トリエチルシリルオキシアルコール(3)
CH2Cl2(65ml)中の、ジオール(2)(3.16g、13.4ミリモル)およびDMAP(70mg、0.57ミリモル)の溶液に、室温で、トリエチルアミン(3.7ml、26.6ミリモル)を加え、次いでTESCl(2.7ml、16.1ミリモル)を滴下した。1.75時間後、反応混合物をヘキサン(150ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(100ml)およびヘキサン(150ml)に注いだ。有機相を飽和NaHCO3水溶液(2×100ml)および水(100ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、粗トリエチルシリルオキシアルコール(3)(4.88g)を得た。分析用サンプルは、シリカゲルのショートパッドでプラグ濾過し、ヘキサンで洗い、次いで5%酢酸エチル/ヘキサンで純粋な化合物(3)(P10=TES)(無色油状物)を溶出することによって得た。
3(P10=TES):1H NMR(300MHz,CDCl3)δ0.61(q、J=7.7Hz、6H、TES CH2)、0.89(s、3H、CH3 16)、0.96(t、J=7.7Hz、9H、TES CH3)、1.03(d、J=7.1Hz、3H、CH319)、1.07(s、3H、CH3 17)、1.23(d、J=14.3Hz、1H、H2α)、1.56(dd、J=6.0、6.0Hz、1H、H7)、1.76(ddd、J=5.0、11.0、13.7Hz、1H、H9)、1.90(ddd、J=2.2、8.8、15.4Hz、1H、H9)、1.96(m、1H、H14α)、2.37(m、2H、H2β、H14β)、2.51(ddd、J=7.7、7.7、10.4Hz、1H、H8α)、2.94(s、1H、OH−3)、4.21(ddd、J=2.2、5.0Hz、1H、H10)、5.43(dd、J=2.8、2.8Hz、1H、H13)。13C NMR(75MHz,CDCl3)δ(ppm)4.8(TES CH2)、6.7(TES CH3)、15.02(CH3 19)、23.0(CH3 17)、26.2(CH3 18)、28.0(CH3 16)、33.6(C14)、41.5(C8)、44.2(C2)、45.0(C1)、45.2(C15)、45.8(C9)、69.6(C11)、74.9(C10)、96.0(C3)、123.0(C13)、143.7(C12);IR(CHCl3)υ3530、2970、2930、2900、1460、1340、1140、1100、1080、1045、1010、970、915、650cm-1;MS(CI)351(M+1、58)、333(100)、219(34)。
ヒドロキシケトン(4)
無水CH2Cl2(30ml)中の粗化合物(3)(P10=TES)の激しく攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、Ti(OiPr)4(13.5ml、43.1ミリモル)を加え、次いでヘキサン中の無水2M−tBuOOH(18ml、36ミリモル)を滴下した。45分後、ジメチルスルフィド(15ml)を、5分間にわたってゆっくり加えた。溶液を0℃で10分間、次いで室温で15分間攪拌した後、55℃の浴に移し、8時間加熱還流した。溶媒を減圧下に蒸発させ、得られた粘性のシロップ状物を酢酸エチル(850ml)に溶解し、H2O(3.5ml)を激しく攪拌しながら滴下した。得られた混合物を室温で1時間攪拌した後、セライトのパッドで濾過し、それを更に酢酸エチル(2×100ml)で洗った。溶媒を減圧下に蒸発して油状物を得、シリカゲルのショートパッドで濾過し、10%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して、純粋なヒドロキシケトン(4)(P10=TES)(無色油状物)(4.78g)を得た。
4(P10=TES):1H NMR(300MHz,CDCl3)δ0.58(q、J=7.7Hz、6H、TES CH2)、0.94(t、J=7.7Hz、12H、CH3 19、TES CH3)、0.98(s、3H、CH3 17)、1.31(s、3H、CH3 16)、1.71(dd、J=5.0、11.5Hz、1H、H2α)、1.85(m、3H、H1、H9β、H14β)、1.96(s、3H、CH3 18)、2.15(d、J=12.1、1H、OH−13)、2.22(ddd、J=4.9、13.2、15.9Hz、1H、H9α)、2.56(dddd、J=3.8、7.1、13.7、13.7Hz、1H、H8α)、2.75(dd、J=2.2、11.0Hz、1H、H2β)、2.80(ddd、J=4.4、7.7、11.0Hz、1H、H14β)、4.10(t、J=11.0Hz、1H、H13β)、4.56(d、J=5.0Hz、1H、H10β);13C NMR(75MHz,CDCl3)δ(ppm)4.3(TES CH2)、6.5(TES CH3)、13.4(CH3 18)、18.4(CH3 19)、25.8(CH3 17)、27.1(CH3 16)、34.7(C14)、38.2(C15)、38.8(C2)、44.0(C8)、44.2(C9)、47.8(C1)、67.3(C13)、69.7(C10)、137.3(C11)、138.8(C12)、219.2(C3);IR(CHCl3)υ3550、2960、2880、1660、1460、1410、1240、1200、1160、1140、1080、1050、1000、980、900、810cm-1;MS(CI)367(M+1、2)、349(100)、331(55)。
ケトン(5)
無水ピリジン(25ml)中のヒドロキシケトン(4)(P10=TES)の溶液に、窒素雰囲気中、−23℃で、TBSOTf(3.2ml、13.9ミリモル)を滴下した。5分後、フラスコを氷浴に移し、1.75時間攪拌した。溶液を0℃でヘキサン(75ml)で希釈し、不溶性油状物を残して、飽和NaHCO3水溶液(200ml)にデカントした。残留物状物をヘキサン(3×75ml)で抽出した。合した有機相を飽和NaHCO3水溶液(2×50ml)、および次いで水(50ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。黄色がかった油状残渣を、シリカゲルのショートパッドで濾過し、10%酢酸エチル/ヘキサンで溶出することによって精製して、純粋なケトン(5)(P10=TES、P13=TBS)(4.78g、(2)に対する収率94%)を得た。
5(P10=TES、P13=TES):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.03(s、3H、TBS CH3)、0.05(s、3H、TBS CH3)、0.57(q、J=8.2Hz、6H、TES CH2)、0.93(t、J=8.2Hz、9H、TES CH3)、0.93(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(d、J=1.8Hz、3H、CH3 19)、1.06(s、3H、CH3 17)、1.33(s、3H、CH3 16)、1.68(dd、J=5.5、11.5Hz、1H、H2α)、1.84(m、2H、H1、H9β)、1.89(s、3H、CH3 18)、1.92(dd、J=6.0、14.3Hz、1H、H14α)、2.21(ddd、J=5.5、13.2、15.4Hz、1H、H9α)、2.39(ddd、J=8.2、10.4、14.3Hz、1H、H14β)、2.52(ddd、J=3.9、7.1、13.6Hz、1H、H8α)、2.66(dd、J=2.8、11.5Hz、1H、H2β)、4.45(dd、J=5.5、10.4Hz、1H、H13β)、4.61(d、J=5.0Hz、1H、H10β);13C NMRδ(ppm)−5.4(TBS CH3)、−4.6(TBS CH3)、4.3(TES CH2)、6.5(TES CH3)、14.1(CH3 18)、17.9(TBS C(CH3)3)、19.1(CH3 19)、25.4(CH3 17)、25.8(TBS C(CH3)3)、26.8(CH3 16)、33.5(C14)、38.6(C15)、39.4(C2)、43.7(C8)、44.4(C9)、47.5(C1)、67.5(C13)、69.5(C10)、136.8(C11)、138.8(C12)、213.5(C3);IR(CHCl3)υ2950、2900、1680、1460、1420、1395、1365、1250、1200、1110、1080、1000、900、860、840cm-1;MS(CI)481(M+1、3)、463(16)、349(100)、331(50);元素分析計算値C27H52O3Si2として:C67.44;H10.90、実測値:C67.31;H10.78。
ケトカーボネート(6)
THF(11ml)中のジイソプロピルアミン(0.60ml、4.28ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、エーテル中のMeMgBrの3.1M溶液(1.26ml、3.89ミリモル)を加えた。3時間後、THF(3.5ml)中のケトン(5)(P10=TES、P13=TBS)(750mg、1.56ミリモル)の溶液を、室温で滴下した。1.5時間後、反応混合物を−23℃に冷却し、THF(4ml)中の4−ペンテナール(327mg、3.89ミリモル)の溶液を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。1時間後、飽和NH4Cl水溶液(10ml)を加えた。2分後、反応混合物をヘキサン(100ml)で希釈した後、H2O(100ml)に注いだ。有機相をH2O(100ml)および塩水(100ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、黄色油状物(0.92g)を得た。この粗混合物の、CH2Cl2(10ml)およびピリジン(10ml)中の溶液に、窒素雰囲気中、−23℃で、トルエン中の4Mホスゲン溶液(2.3ml、9.36ミリモル)を滴下し、反応混合物を−10℃に昇温した。30分後、エタノール(3.7ml)を加え、得られた混合物を30分間攪拌した。次いで、反応混合物をヘキサン(300ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(200ml)、10%CuSO4水溶液(200ml)、H2O(200ml)、飽和NaHCO3水溶液(200ml)および塩水(200ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、黄色固体(1.05g)を得た。この粗混合物を、10%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルで濾過して、白色固体(965mg)を得、これを更にシリカゲルクロマトグラフィー(2%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、ケトカーボネート(6)(P10=TES、P13=TBS、R=Et)(745mg、75%)を白色固体として得た。生成物を、6:1比の配座異性体として分離した。下記NMRデータは、主な配座異性体のものである。
6(P10=TES、P13=TES、R=Et):mp103−104℃、1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.08(s、3H、TBS CH3)、0.08(s、3H、TBS CH3)、0.56(q、J=7.8Hz、6H、TES CH2)、0.94(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、0.96(s、9H、TBS t−Bu)、1.08(s、3H、CH3 17)、1.29(m、1H、H6)、1.38(s、3H、CH3 19)、1.42(s、3H、CH3 16)、1.66(dd、J=4.6、12.5Hz、1H、H9α)、1.83(s、3H、CH3 18)、1.85(dd、J=4.5、4.5Hz、1H、H14α)、2.05(m、1H、H5)、2.06(dd、J=6.4、14.2Hz、1H、H5)、2.47(m、2H、H9α、H6)、3.01(dd、J=3.7、12.3Hz、1H、H14β)、4.20(m、2H、H2α、H2β)、4.47(d、J=7.3Hz、1H、H13β)、4.50(dd、J=4.6、11.4Hz、1H、H10β)、4.91(dd、J=1.83、10.1Hz、1H、H20)、4.97(dd、J=1.8、16.9Hz、1H、H20)、5.29(dd、J=0.9、10.1Hz、1H、H7)、5.73(dddd、J=6.9、6.9、10.5、16.9Hz、1H、H4);13C NMRδ(ppm)−5.3(TBS CH3)、−4.5(TBS CH3)、4.8(TES CH2)、6.5(TES CH3)、14.0(OEt CH3)、15.5(CH3 19)、15.9(CH3 18)、18.1(TBS C(CH3)3)、25.8(TBS C(CH3)3)、27.6(CH3 17)、28.2(CH3 16)、30.4、30.5(C5、C6)、34.1(C14)、39.0(C15)、41.1(C2)、47.1(C1)、47.5(C9)、55.1(C8)、63.8(OEt CH2)、66.3(C13)、68.3(C10)、84.0(C7)、114.8(C20)、134.8(C11)、138.1(C4')、144.9(C12)、155.7(エチルカーボネート C=O)、214.8(C3);IR(CCl4)υ3000、2950、2900、1770、1700、1490、1390、1280、1140、1100、1030、910、880、860cm-1;MS(EI)636(M、100)、593(20)、538(34)、409(33);元素分析計算値C35H64O6Si2として:C65.99;H10.13。実測値:C65.88、H10.17。
ヒドロキシケトン(7)
THF(65ml)中のケトカーボネート(6)(P10=TES、P13=TBS、R=Et)(4.00g、6.28ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−35℃で、THF中のLDAの0.2M溶液(50ml、10ミリモル)を、フラスコ壁に沿わせて10分間にわたって加えた。30分後、反応混合物を−78℃に冷却し、THF(18ml)中の(R)−ショウノウスルホニルオキサジリジン(2.29g、10ミリモル)を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。30分後、反応混合物に飽和NaHCO3水溶液(300ml)を加えて反応を停止し、25%酢酸エチル/ヘキサン(500ml、次いで150ml)で抽出した。合した有機相を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、蝋状固体(7g)を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(3%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、ヒドロキシケトン(7)(P10=TES、P13=TBS、R=Et)(3.50g、85%)を得た。
7(P10=TES、P13=TBS、R=Et):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.01(s、3H、TBS CH3)、0.03(s、3H、TBS CH3)、0.50(q、J=7.8Hz、6H、TES CH2)、0.87(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、0.90(s、9H、TBS t−Bu)、1.03(s、3H、CH3 17)、1.25(t、J=7.0Hz、3H、OEt CH3)、1.35(s、3H、CH3 19)、1.40(m、1H、H6)、1.41(s、3H、CH3 16)、1.66(dd、J=4.6、12.8Hz、1H、H9β)、1.77(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、1.83(dd、J=6.0、14.7Hz、1H、H14α)、1.97(dd、J=4.1、8.5Hz、1H、H1)、2.02(m、2H、H5、H5)、2.44(dd、J=11.9、11.9Hz、1H、H9α)、2.75(d、J=10.5Hz、1H、OH−2)、4.14(q、J=14.2Hz、2H、OEt CH2)、4.35(dd、J=6.0、8.7Hz、1H、H13)、4.42(dd、J=4.6、11.0Hz、1H、H10)、4.49(dd、J=4.1、10.1Hz、1H、H2)、4.86(dd、J=1.8、10.3Hz、1H、H20)、4.92(dd、J=1.8、16.9Hz、1H、H20)、5.23(dd、J=1.4、10.1Hz、1H、H7)、5.67(dddd、J=6.9、6.9、10.5、16.9Hz、1H、H4);13C NMRδ(ppm)−5.3(TBS CH3)、−4.5(TBS CH3)、4.7(TES CH2)、6.5(TES CH3)、14.0(OEt CH3)、15.0(CH3 19)、16.0(CH3 18)、18.0(TBS C(CH3)3)、25.8(TBS C(CH3)3)、27.5、27.8(CH3 17)、28.1(CH3 16)、30.4、30.5(C5、C6)、36.9(C15)、47.3(C9)、54.5(C1)、54.7(C8)、63.9(OEt CH2)、66.2(C13)、67.8(C10)、70.3(C2)、83.6(C7)、114.9(C20)、135.4(C11)、137.9(C4')、144.5(C12)、155.6(エチルカーボネートC=O)、217.8(C3);IR(CCl4)υ3600、2950、2900、1750、1700、1660、1470、1400、1370、1240、1080、1050、1000、840、680cm-1;MS(CI)653(M+1、8)、564(100)、431(69)、389(67)。
ヒドロキシカーボネート(8)
トルエン(117ml)中のヒドロキシケトン(7)(P10=TES、P13=TBS、R=Et)(2.69g、4.12ミリモル)の激しく攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、トルエン中のRed−Alの0.97M溶液(85ml、82.4ミリモル)を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。−78℃で6時間後、溶液を6時間にわたって徐々に室温に昇温した。混合物を−10℃に再冷却し、THF中の2M酢酸溶液(125ml、250ミリモル)を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。濁った混合物を10分間攪拌後、50%酢酸エチル/ヘキサン(1200ml)に注ぎ、飽和NaHCO3水溶液(1l)で洗った。水相を酢酸エチル(4×500ml)で抽出し、合した有機相を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、2,3,7−トリオール(2.29g)を白色固体として得た。これを更に精製することなく使用した。
CH2Cl2(157ml)およびピリジン(15.7ml)中のトリオール(2.29g、3.93ミリモル)の激しく攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、トルエン中の3.0Mホスゲン溶液(7.6ml、23ミリモル)を短時間で加えた。溶液を1時間にわたって室温に昇温した後、酢酸エチル(250ml)に注ぎ、飽和NaHCO3水溶液(2×125ml)および塩水(100ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、黄色油状物(2.52g)を得た。これを、50%酢酸エチル/ヘキサンを用いて、シリカゲルの2インチパッドで濾過し、減圧下に濃縮して、ヒドロキシカーボネート(8)(P10=TES、P13=TBS)(2.39g、(7)に対して95%)を白色固体として得た。
8(P13=TES、P13=TBS):mp155−157℃;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.09(s、3H、TBS CH3)、0.10(s、3H、TBS CH3)、0.59(q、J=8.2Hz、6H、TES CH2)、0.96(t、J=8.2Hz、9H、TES CH3)、0.97(s、9H、TBS t−Bu)、1.11(s、3H、CH3 19)、1.14(s、3H、CH3 17)、1.30(s、3H、CH3 16)、1.39(dd、J=4.1、13.3Hz、1H、H9β)、1.65(m、2H、H6、H6)、1.99(dd、J=6.4、15.1Hz、1H、H14α)、2.01(d、J=.9Hz、3H、CH3 18)、2.04(d、J=3.7Hz、1H、H1)、2.11(ddd、J=7.8、15.6、15.6Hz、1H、H5)、2.28(ddd、J=9.6、9.6、14.2Hz、1H、H14β)、2.34(dd、J=12.4、13.3Hz、1H、H9β)、2.41(m、1H、H5)、3.87(dd、J=0.9、10.5Hz、1H、H7)、3.95(d、J=3.7Hz、1H、H2)、4.59(dd、J=3.7、11.4Hz、1H、H10β)、4.40(s、1H、H3)、4.55(dd、J=6.4、8.7Hz、1H、H13)、5.03(d、J=10.5Hz、1H、H20)、5.07(dd、J=1.5、17.0Hz、1H、H20)、5.77(m、1H、H4);13C NMRδ(ppm)−5.4(TBS CH3)、−4.4(TBS CH3)、4.8(TES CH2)、6.5(TES CH3)、15.5(CH3 18)、17.9(TBS C(CH3)3)、18.2(CH3 19)、25.6(TBS C(CH3)3)、25.9(CH3 16)、27.5(CH3 17)、28.3(C6)、28.4(C5)、29.8(C14)、30.8(C15)、36.5(C8)、36.8(C9)、37.3、50.8(C1)、66.6(C10)、67.8(C13)、70.5(C2)、91.9(C3)、91.9(C7)、116.3(C20)、133.7(C11)、137.9(C4')、142.6(C12)、148.0(環状カーボネートC=O):IR(CCl4)υ3450、2950、2870、1750、1460、1380、1350、1220、1120、1080、1040,980、900、820、710cm-1;MS(CI)625(M+1−H2O、6)、551(11)、477(100)、459(12)、433(8)、344(90);元素分析計算値C33H60O6Si2として:C64.92;H9.90;実測値:C65.13;H9.88。
ケトカーボネート(9)
CH2Cl2(57ml)中のジメチルスルホキシド(2.41ml、34ミリモル)の激しく攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、CH2Cl2中の2.0M塩化オキサリル溶液(8.5ml、17.0ミリモル)を加えた。10分後、CH2Cl2(16ml)中のヒドロキシカーボネート(8)(P10=TES、P13=TBS)(3.45g、5.67ミリモル)の溶液を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。−78℃で30分後、トリエチルアミン(6.8ml、49ミリモル)を加え、混合物を室温に昇温した。混合物をヘキサン(200ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(2×75ml)および塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、黄色固体(3.45g)を得た。これを、10%酢酸エチル/ヘキサンを用いて、シリカゲルの1インチパッドで濾過した後、ヘキサンから再結晶して、ケトカーボネート(9)(2.62g)を白色結晶として得た。母液をシリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製した後、ヘキサンから再結晶して、更に0.58gのケトカーボネート(9)(P10=TES、P13=TBS)を得た。(総収量3.20g、93%)。
9(P10=TES、P13=TBS):mp140.0−141.5℃;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.11(s、3H、TBS CH3)、0.12(s、3H、TBS CH3)、0.60(q、J=7.8Hz、6H、TES CH2)、0.96(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、0.98(s、9H、TBS t−Bu)、1.06(s、3H、CH3 19)、1.17(s、6H、CH3 16、CH3 19)、1.42(dd、J=3.7、14.2Hz、1H、H9β)、1.63(m、2H、H6、H6)、2.12(m、1H、H5)、2.38(d、J=0.9Hz、3H、CH3 18)、2.47(dd、J=11.4、13.3Hz、1H、H9α)、2.65(d、J=8.2、1H、H1)、3.94(dd、J=1.4、10.4Hz、1H、H7)、4.44(dd、J=3.7、11.4Hz、1H、H10)、4.49(s、1H、H3)、4.64(dd、J=6.9、7.8Hz、1H、H13)、5.04(dd、J=1.4、11.9Hz、1H、H20)、5.07(dd、J=1.8、17.4Hz、1H、H20)、5.76(m、1H、H4);13C NMRδ(ppm)−5.4(TBS CH3)、−4.5(TBS CH3)、4.8(TES CH2)、6.5(TES CH3)、15.7(CH3 18)、17.8(CH3 19)、17.9(TBS C(CH3)3)、25.5(TBS C(CH3)3)、28.2(CH3 16)、28.3(CH3 17)、28.3(C6)、29.6(C5)、30.4(C14)、37.7(C15)、38.0(C8、C9)、62.1(C1)、66.5(C10)、67.5(C13)、91.3(C3)、91.5(C7)、116.4(C20)、132.8(C11)、137.0(C4')、145.4(C12)、146.6(環状カーボネートC=O)、206.8(C2);IR(CCl4)υ2930、2860、1760、1670、1450、1380、1340、1240、1180、1170、1120、1090、1060、1040、980、890、860、820、700、650cm-1;MS(CI)607(M+1、6)、549(11)、475(100)、431(4)、347(45);元素分析計算値C33H58O6Si2として:C65.30;H9.63;実測値:C65.23;H9.66。
2−ケト−3−ヒドロキシ−ラクトン(10)
THF(9ml)中の3,7−環状カーボネート(9)(P10=TES、P13=TBS)(2.246g、3.70ミリモル)の攪拌した溶液に、THF中の0.2M−LTMP(19.4ml、3.88ミリモル)を、−25℃でフラスコ壁に沿わせて滴下した。反応混合物を30分間かけて−10℃に昇温した。冷反応混合物を10%酢酸水溶液(100ml)に注ぎ、10%酢酸エチル/ヘキサン(100ml)で抽出した。有機相を、飽和NaHCO3水溶液(50ml)および塩水(50ml)で洗った。合した水相を、10%酢酸エチル/ヘキサン(2×20ml)で抽出した。有機相を合し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、黄色油状物(2.4g)を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(5%、次いで10%の酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、ヒドロキシラクトン(10)(P10=TES、P13=TBS)(2.033g、90%)を泡状固体として、および3−カルバメート(0.207g、7.2%)を得た。
10(P10=TES、P13=TBS):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.12(s、3H、TBS CH3)、0.14(s、3H、TBS CH3)、0.61(q、J=7.8Hz、6H、TES CH2)、0.92(s、9H、TBS t−Bu)、0.97(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、1.11(s、3H、CH3 17)、1.22(s、3H、CH3 19)、1.27(s、3H、CH3 16)、1.32(dd、J=3.2、13.3Hz、1H、H9β)、1.64(ddd、J=2.3、6.9、9.2Hz、1H、H6)、2.07(m、2H、H6、H5)、2.17(m、1H、H14α)、2.33(m、1H、H5)、2.65(m、2H、H14β、H1)、2.74(dd、J=12.4、12.4Hz、1H、H9α)、3.92(dd、J=2.8、11.5Hz、1H、H7)、4.47(dd、J=3.2、11.0Hz、1H、H10)、4.55(dd、J=2.8、9.6Hz、1H、H13)、5.02(d、J=10.1Hz、1H、H20)、5.07(dd、J=1.4、16.9Hz、1H、H20)、5.81(dddd、J=6.9、6.9、10.5、16.9Hz、1H、H4);13C NMRδ(ppm)−5.2(TBS CH3)、−4.5(TBS CH3)、4.8(TES CH2)、6.6(TES CH3)16.4(CH3 18)、17.9(TBS C(CH3)3)、24.2(CH3 19)、25.7(TBS C(CH3)3)、26.9(CH3 16)、30.1(CH3 17)、30.4(C5)、32.7(C6)、32.9(C14)、39.1(C15)、40.6(C9)、48.1(C8)、62.0(C1)、67.3(C10)、67.6(C13)、87.9(C3)、91.1(C7)、115.8(C20)、137.7(C11)、138.5(C4')、143.0(C12)、173.5(C4)、207.6(C2);IR(CCl4)υ3500、2970、2900、1780、1700、1480、1360、1260、1210、1160、1070、1010、910、890、840cm-1;MS(EI)606(M、100)、549(69)、474(27)、431(65)、417(40);元素分析計算値C33H58O6Si2として:C65.30;H9.63;実測値C65.38;H9.64。
ケトラクトン(11)
2−ケト−3−ヒドロキシラクトン(10)(P10=TES、P13=TBS)(1.10g、1.83ミリモル)に、THF中のSmI2の0.1M溶液(82ml、8.2ミリモル)を加えた。得られた濃青色溶液を、N2雰囲気中、室温で4時間攪拌した。0℃に冷却後、HClのエーテル溶液(0.66M;4.2ml、2.77ミリモル)を加えた。5分後、フラスコを空気に開放し、反応混合物を冷酢酸エチル(200ml)で希釈した後、氷冷0.2N−HCl水溶液(50ml)に注いだ。有機相を分離し、5%クエン酸水溶液(50ml)、飽和NaHCO3水溶液(2×50ml)および塩水(50ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた物質をヘキサン(100ml)に溶解し、次いでシリカゲル(230〜400メッシュ、4.3g)を加え、混合物を室温で65分間激しく攪拌した後、シリカゲルの1インチパッドで濾過し、20%酢酸エチル/ヘキサン(300ml)で溶出した。溶媒を減圧下に蒸発させ、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、シス−ケトラクトン(11)(822mg、77%)およびそのトランス異性体(164mg、15%)を得た。
THF(10ml)中のトランス−2−ケトラクトン(611mg、1.03ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、THF中のt−BuOKの0.6M溶液(6.8ml、4.1ミリモル)を、フラスコ壁に沿わせて加えた。得られた溶液を1.5時間攪拌した後、THF中の10%酢酸溶液(10ml)を、フラスコ壁に沿わせて加えた。5分間攪拌後、混合物をヘキサン(200ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(100ml)に注いだ。有機相を水および塩水で洗った後、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡褐色油状物(615mg)を得た。この油状物をヘキサン(10ml)に溶解し、シリカゲル(3.0g)を加えた。混合物を15分間激しく攪拌後、20%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルの1/2インチプラグで濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(576mg)を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(10%、次いで20%の酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、純粋なシス−2−ケトラクトン(11)(P10=TES、P13=TBS)(472mg、77%)、純粋なトランス異性体(84mg、13%)、およびシス:トランス異性体の6:1混合物(24mg)を得た。
11(P10=TES、P13=TBS):mp=86.5−88.0℃;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.05(s、3H、TBS CH3)、0.07(s、3H、TBS CH3)、0.54(q、J=7.8Hz、6H、TES CH2)、0.84(s、9H、TBS t−Bu)、0.90(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、1.03(s、3H、CH3 17)、1.11(s、3H、CH3 16)、1.15(s、3H、CH3 19)、1.35(dddd、J=4.6、4.6、7.3、14.2Hz、1H、H6)、1.43(dd、J=3.7、12.8Hz、1H、H9β)、1.67(dddd、J=3.2、7.3、10.1、13.7Hz、1H、H6)、1.83(dd、J=4.6、16.0Hz、1H、H14α)、2.03(m、1H、H5)、2.07(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、2.25(m、1H、H5)、2.30(dd、J=11.9、12.3Hz、1H、H9α)、2.45(d、J=8.2Hz、1H、H1)、2.58(ddd、J=8.7、9.2、16.0Hz、1H、H14β)、3.93(dd、J=2.8、11.4Hz、1H、H7β)、4.03(s、1H、H3α)、4.37(dd、J=3.7、11.0Hz、1H、H10β)、4.46(ddd、J=1.4、4.6、9.2Hz、1H、H13β)、4.96(dd、J=1.4、10.1Hz、1H、H20)、5.01(dd、J=1.4、17.4Hz、1H、H20)、5.73(dddd、J=6.4、7.3、10.5、16.9Hz、1H、H4);13C NMRδ(ppm)−5.3(TBS CH3)、−4.6(TBS CH3)、4.5(TES CH2)、6.5(TES CH3)、15.0(CH3 18)、18.0(TBS C(CH3)3)、25.7(TBS C(CH3)3)、28.9(CH3 19)、29.2(CH3 16)、29.8(C5)、29.9(CH3 17)、30.3(C6)、32.8(C14)、38.5(C15)、44.2(C8)、44.9(C9)、60.6(C3)、61.2(C1)、66.9(C10)、67.8(C13)、91.9(C7)、115.7(C20)、137.7(C11)、138.5(C4')、142.4(C12)、174.7(C4)、204.8(C2);IR(CCl4)υ2975、2899、1780、1705、1460、1355、1260、1180、1070、1060、1000、830cm-1;MS(CI)591(M+1、5)、523(6)、459(100)、441(5);元素分析計算値C33H58O5Si2として:C66.07;H9.89;実測値:C66.97;H9.91。
1−ヒドロキシ−2−ケト−ラクトン(12)
THF中のLTMPの攪拌した0.2M溶液(34.2ml、6.84ミリモル)に、窒素雰囲気中、−10℃で、THF(10ml)中のケトラクトン(11)(P10=TES、P13=TBS)(1.008g、1.71ミリモル)の溶液を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。0.5時間後、反応混合物を−40℃に冷却し、THF(10ml)中の(±)−ショウノウスルホニルオキサゾリジン(1.96g、8.55ミリモル)の溶液を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。20分後、反応混合物を−78℃に冷却し、ヘキサン(200ml)で希釈し、激しく攪拌した飽和NH4Cl水溶液(250ml)に短時間で注いだ。水相をヘキサン(2×50ml)で抽出し、合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、蝋状固体(1.4g)を得た。これをクロマトグラフィー(CH2Cl2、次いで0〜10%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、ヒドロキシケトラクトン(12)(P10=TES、P13=TBS)(0.882g、85%)を白色固体として、および対応するトランス−ヒドロキシケトラクトン(0.083g、8%)を固体として得、ケトラクトン(11)(31mg、3%)を回収した。
12(P10=TES、P13=TBS):mp124−126℃;1H NMR(C6D6)δ(ppm)0.09(s、3H、TBDMS CH3)、0.17(s、3H、TBDMS CH3)、0.62(q、J=7.78Hz、6H、TES CH2)、1.03(t、J=7.78、9H、TES CH3)、1.05(s、3H、CH3 19)、1.13(s、9H、TBS t−Bu)、1.20(s、3H、CH3 17)、1.39(m、1H、H6)、1.42(s、3H、CH3 16)、1.44(dd、J=0.92、13.28Hz、1H、H9β)、1.98(dd、J=9.61、12.82Hz、1H、H14β)、2.05(m、1H、H5)、2.06(broad、1H、OH1、D2O exchangable)、2.25(m、1H、H6)、2.27(d、J=0.91Hz、3H、CH3 18)、2.29(m、1H、H5)、2.41(dd、J=10.98、13.28Hz、1H、H9α)、2.56(dd、J=3.21、12.82Hz、1H、H14α)、3.83(dd、J=2.75、11.90Hz、1H、H7)、4.04(s、1H、H3)、4.47(dd、J=0.92、10.98Hz、1H、H10)、4.60(ddq、J=0.91、3.21、9.61Hz、1H、H13)、5.11(br d、J=10.53Hz、1H、H20)、5.18(br d、J=17.40Hz、1H、H20)、5.77(m、1H、H4);13C NMR(CDCl3)δ(ppm)−5.4(TBS CH3)、−4.7(TBS CH3)、4.5(TES CH2)、6.5(TES CH3)、15.5(CH3 18)、17.9(TBS C(CH3)3)、22.5(CH3 19)、25.7(TBS C(CH3)3)、26.3(CH3 16)、29.8(CH3 17)、29.8(C5)、30.4(C6)、39.6(C14)、41.3(C15)、44.5(C9)、45.0(C8)、58.1(C3)、66.5(C10)、68.2(C13)、83.0(C1)、91.7(C7)、115.7(C20)、137.0(C11)、137.6(C4')、145.5(C12)、175.0(C4)、202.4(C2);IR(CCl4)υ3500、3000、1780、1720、1100cm-1;MS(CI)607(M+1、10)、589(56)、475(100)、457(61);元素分析計算値C33H58O6Si2として:C65.30;H9.63。実測値:C65.19;H9.60。
1,2−ヒドロキシ−トランス−ラクトン(13)
THF中のRed−Alの攪拌した1.23M溶液(4.6ミリモル、5.6ミリモル)に、窒素雰囲気中、−78℃で、THF(25ml)中のシス−ヒドロキシケトン(12)(P10=TES、P13TBS)(342mg、0.563ミリモル)の溶液を短時間で加えた。1.5時間後、15%NaOH水溶液(25ml)を、反応混合物に直接滴下した。反応混合物を室温で3時間後激しく攪拌した後、H2O(100ml)に注ぎ、エーテル(2×100ml)で抽出した。有機相を合し、H2O(100ml)および塩水(100ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色固体(0.35g)を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(10%エーテル/ヘキサン、次いで25%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、トランス−ジオール(13)(290mg)を無色針状物として、トランス−ヒドロキシケトン(14.5mg、4.2%)、およびシス−ジオールと未確認副生成物との混合物(20mg)を得た。シス−ジオールを含有する混合物のTHF(1ml)中の溶液に、窒素雰囲気中、室温で、30%NaOH水溶液(0.5ml)を加えた。2.5時間後、反応混合物をH2O(30ml)に注ぎ、エーテル(30ml)で抽出した。有機相をH2O(30ml)および塩水(30ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、黄色固体(0.02g)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、更に12mgのトランス−ジオール(13)(P10=TES、P13=TBS)を得た。(総収量302mg、88%)
13(P10=TES、P13=TBS):mp127−128℃、1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.09(s、3H、TBS CH3)、0.11(s、3H、TBS CH3)、0.60(q、J=8.1Hz、6H、TES CH2)、0.87(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(t、J=8.1Hz、9H、TES CH3)、1.13(s、3H、CH3 17)、1.23(s、3H、CH3 16)、1.31(s、3H、CH3 19)、1.42(dd、J=3.7、12.8Hz、1H、H9β)、1.46(ddd、J=4.8、8.8、11.4Hz、1H、H6)、1.74(dddd、J=3.3、7.3、9.9、12.4Hz、1H、H6)、1.99(d、J=1.5Hz、3H、CH3 18)、2.10(m、1H、H5)、2.21(dd、J=3.7、5.4Hz、1H、H14α)、2.26(m、3H、H5、H9α、H14β)、2.92(d、J=7.7Hz、1H、H3)、3.84(dd、J=2.2、7.7Hz、1H、H2)、3.85(s、1H、OH1)、3.97(dd、J=2.9、11.4Hz、1H、H7)、4.47(dd、J=3.7、11.4Hz、2H、H13、H10)、5.01(dd、J=1.8、12.2Hz、1H、H20)、5.07(dd、J=1.7、17.0Hz、1H、H20)、5.78(dddd、J=7.3、7.3、10.1、16.5Hz、1H、H4)、6.87(d、J=2.9Hz、1H、OH2)、13C NMR(CDCl3)δ(ppm)−5.31、−4.59、4.79、6.55、16.60、17.68、21.24、24.70、25.62、28.50、29.52、30.05、40.20、40.41、44.18、45.18、45.60、66.62、69.25、71.32、88.91、116.09、136.96、138.63、139.93、180.10、IR(CHCl3)υ3050、1730、1460、1350cm-1、MS(EI)608(M、13)、590(26)、267(100)、元素分析計算値C33H60O6Si2として:C65.08;H9.92、実測値C65.06;H9.98。
カーボネート(14)
CH2Cl2(58ml)およびピリジン(5.8ml)中のジオール(13)(P10=TES、P13=TBS)(1.00g、1.64ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、トルエン中の2Mホスゲン溶液(8.2ml、16.4ミリモル)を滴下した。次いで、反応混合物を−23℃に昇温し、30分間攪拌した。得られた混合物に、飽和NaHCO3水溶液(50ml)を加えた。室温に10分間昇温後、反応混合物を10%酢酸エチル/ヘキサン(200ml)で抽出した。有機相を10%CuSO4水溶液(100ml)、飽和NaHCO3水溶液(2×200ml)、および塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色固体(1.1g)を得た。これを、15%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルの3インチパッドで濾過して、カーボネート(14)(P10=TES、P13=TBS)(1.045g、100%)を白色固体として得た。
14(P10=TES、P13=TBS):mp146−147℃、1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.11(s、3H、TBS CH3)、0.12(s、3H、TBS CH3)、0.61(q、J=7.8Hz、6H、TES CH2)、0.88(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、1.20(s、3H、CH3 17)、1.30(s、3H、CH3 16)、1.32(s、3H、CH3 19)、1.40(ddd、J=2.7、4.5、9.2Hz、1H、H6)、1.44(d、J=3.7、13.3Hz、1H、H9β)、1.71(dddd、J=2.7、6.9、9.6、12.8Hz、1H、H6)、2.11(ddd、J=7.8、15.3、15.3Hz、1H、H5)、2.29(dd、J=3.2、15.6Hz、1H、H14α)、2.31(m、2H、H5、H9α)、2.59(dd、J=9.2、15.6Hz、1H、H14β)、2.99(d、J=7.3Hz、1H、H3α)、4.02(dd、J=2.7、11.4Hz、1H、H7β)、4.38(dd、J=3.7、11.0Hz、1H、H10β)、4.47((d、J=7.3Hz、1H、H2β)、4.57(dd、J=2.1、9.2Hz、1H、H13β)、5.02(dd、J=1.4、10.1Hz、1H、H20)、5.06(dd、J=1.4、16.9Hz、1H、H20)、5.77(dddd、J=6.9、6.9、10.1、17.0Hz、1H、H4)、13C NMR(CDCl3)δ(ppm)−5.37、−4.60、4.75、6.51、17.02、17.60、21.24、24.64、25.55、27.36、29.50、30.11、37.56、39.96、42.89、43.75、45.39、66.54、68.29、87.37、90.05、116.15、136.54、136.94、144.93、153.32、169.89、IR(CHCl3)υ3070、1800cm-1、MS(EI)634(M、12)、577(100)、元素分析計算値C34H58O7Si2として:C64.31;H9.21。実測値C64.41;H9.22。
ケトエステル(15)
メタノール(70ml)中のラクトン(14)(P10=TES、P13=TBS)(1.05g、1.65ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、塩化メチレン中のオゾンの飽和溶液(50ml、40ml、次いで8ml)を、TLC分析により出発物質が検出されなくなるまで加えた。得られた混合物に−78℃で、トリエチルアミン(4.8ml)およびトリメチルホスファイト(3.1ml)を順次加えた。5分間攪拌後、溶液を0℃に昇温し、2時間攪拌した。得られた溶液を飽和NaHCO3水溶液(250ml)に注ぎ、CH2Cl2(3×200ml)で抽出した。合した有機相を飽和NaHCO3溶液(150ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、アルデヒド(1.10g)を無色油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
t−ブタノール(30.8ml)、アセトン(10.3ml)およびKH2PO4の1.25M水溶液(8ml、10ミリモル)中の、アルデヒド(1.10g)の攪拌した溶液に、0℃で、KMnO4の1M水溶液(11.3ml、11.3ミリモル)を2分間かけて加えた。反応混合物を0℃で30分間攪拌し、10%Na2S2O3水溶液(200ml)に注ぎ、酢酸エチル(3×200ml)で抽出した。合した有機相を水(50ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。油状残渣の撹拌したエーテル(30ml)溶液に、室温で、CH2N2のエーテル溶液(20ml)を加えた。溶液を減圧下に濃縮して、無色油状物(1.15g)を得た。これを、40%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルの2インチパッドで濾過し、減圧下に濃縮して、ラクトンエステル(15)(P10=TES、P13=TBS、R=Me)(1.01g、91%)を得た。
15(P10=TES、P13=TBS、R=Me):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.12(s、3H、TBS CH3)、0.12(s、3H、TBS CH3)、0.60(q、J=8.1Hz、6H、TES CH2)、0.88(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(t、J=8.1Hz、9H、TES CH3)、1.21(s、3H、CH3)、1.30(s、3H、CH3)、1.33(s、3H、CH3)、1.51(dd、J=3.7、13.2Hz、1H、H9β)、1.53(m、1H、H6)、2.06(d、J=1.1Hz、3H、CH3 18)、2.07(ddd、J=2.9、7.7、21.6Hz、1H、H6)、2.29(dd、J=3.7、15.8Hz、1H、H14α)、2.31(dd、J=13.2、13.2Hz、1H、H9α)、2.46(ddd、J=7.7、16.8、24.5Hz、1H、H5)、2.53(ddd、J=5.5、7.7、16.8Hz、1H、H5)、2.60(dd、J=9.2、15.8Hz、1H、H14β)、2.99(d、J=7.3Hz、1H、H3α)、3.68(s、3H、CO2Me)、4.09(dd、J=2.6、12.1Hz、1H、H7β)、4.39(dd、J=3.7、11.0Hz、1H、H10β)、4.47(d、J=7.3Hz、1H、H2β)、4.59(dd、J=1.8、9.2Hz、1H、H13β)、元素分析計算値C34H58O9Si2として:C61.22;H8.77。実測値C61.30;H8.79。
エノールエステル(16)
THF(24.5ml)中のラクトンエステル(15)(P10=TES、P13=TBS、R=Me)(1.01g、1.51ミリモル)の攪拌した溶液に、−78℃で、THF中のLDAの0.2M溶液(19.4ml、3.88ミリモル)をフラスコ壁に沿わせて3分間かけてゆっくりと加えた。35分間攪拌後、THF中の33%酢酸溶液(10ml)を短時間で加えた。5分後、混合物を飽和NaHCO3水溶液(150ml)に注ぎ、CHCl3(3×200ml)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、粗エノールエステル(16)(P10=TES、P13=TBS、R=Me)(1.02g)を無色油状物として得た。未反応エステルラクトン(15)がまだ約3%存在したが、生成物を更に精製することなく使用した。
16(P10=TES、P13=TBS、R=Me):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.09(s、3H、TBS CH3)、0.10(s、3H、TBS CH3)、0.61(q、6H、TES CH2)、0.87(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(t、J=8.0Hz、TES CH3)、1.08(s、3H、CH3)、1.21(s、3H、CH3)、1.33(s、3H、CH3)、1.61(d、J=4.3Hz、1H、OH−7)、1.89(dd、J=4.3、13.9Hz、1H、H9α)、1.95(dd、J=11.2、11.2Hz、1H、H9β)、2.01(d、J=1.1Hz、3H、CH3 18)、2.22(ddd、J=2.7、10.7、15.5Hz、1H、H6β)、2.45(dd、J=4.8、15.5Hz、1H、H6α)、2.54(dd、J=9.1、15.0Hz、1H、H14β)、2.86(dd、J=3.7、15.0Hz、1H、H14α)、3.07(s、1H、H3α)、3.40(ddd、J=4.8、4.8、9.6Hz、1H、H7α)、3.75(s、3H、CO2Me)、4.39(dd、J=4.3、11.2Hz、1H、H10β)、4.60(d、J=4.3、11.2Hz、1H、H2β)、4.67(dd、J=2.1、9.1Hz、1H、H13β)、12.24(s、1H、OH4)。
エノールエステル(17)
THF(13ml)および2−メトキシプロペン(13ml)中の、粗エノールエステル(16)(P10=TES、P13=TBS、R=Me)(1.02g)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、THF中のp−トルエンスルホン酸の0.1M溶液(0.48ml、0.048ミリモル)を加えた。混合物を0℃で10分間攪拌後、トリエチルアミン(0.66ml)を加えた。混合物を減圧下に濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(7.5%〜30%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、エノールエステル(17)(P7=MOP、P10=TES、P13=TBS、R=Me)(938mg、(15)に対して84%)を得、ラクトンエステル(15)(30mg、3%)を回収した。
17(P7=MOP、P10=TES、R13=TBS、R=Me):mp95−97℃、1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.08(s、3H、TBS CH3)、0.10(s、3H、TBS CH3)、0.59(q、J=7.7Hz、6H、TES CH3)、0.87(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=7.7Hz、9H、TES CH3)、1.10(s、3H、CH3)、1.19(s、3H、CH3)、1.30(s、3H、CH3)、1.34(s、3H、MOP CH3)、1.37(s、3H、MOP CH3)、1.84(m、2H、H9α、H9β)、1.98(s、3H、CH3 18)、(2.17(ddd、J=2.8、10.4、15.9Hz、1H、H6β)、2.52(dd、J=9.3、15.4Hz、1H、H14β)、2.63(dd、J=4.4、15.9Hz、1H、H6α)、2.88(dd、J=3.8、15.4Hz、1H、H14α)、3.06(s、1H、H3α)、3.26(s、3H、MOP OMe)、3.37(dd、J=4.4、10.4Hz、1H、H7α)、3.72(s、3H、CO2Me)、4.36(dd、J=6.0、9.3Hz、1H、H10β)、4.57(d、J=2.2Hz、1H、H2β)、4.67(dd、J=2.8、9.3Hz、1H、H13β)、12.24(s、1H、OH4)。
エノールエステル(17)
ピリジン(0.6ml)中の、エノールエステル(16)(P10=TES、P13=TBS、R=Me)(9mg、0.0137ミリモル)およびDMAP(3.5mg、0.0286ミリモル)の溶液に、0℃で、トリエチルシリルクロリド(0.025ml、0.14ミリモル)を加えた。溶液を室温で16時間攪拌し、酢酸エチル(10ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)に注ぎ、20%酢酸エチル/ヘキサン(20ml×3)で抽出した。合した有機相を無水NaSO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、粗(17)(25mg)を得た。カラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)により、純粋なエノールエステル(17)(P7=P10=TES、P13=TBS、R=Me)(10mg、95%)を得た。
17(P7=P10=TES、P13=TBS、R=Me):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.08(s、3H、TBS CH3)、0.10(s、3H、TBS CH3)、0.59(q、J=8.1Hz、12H、TES CH2)、0.87(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=7.7Hz、18H、TES CH3)、1.05(s、3H、CH3)、1.19(s、3H、CH3)、1.30(s、3H、CH3)、1.84(m、2H、H9α、H9β)、1.98(s、3H、CH3 18)、2.17(ddd、J=2.8、10.4、15.9Hz、1H、H6β)、2.31(dd、J=4.4、15.9Hz、1H、H6α)、2.52(dd、J=9.3、15.4Hz、1H、H14β)、2.85(dd、J=3.8、15.4Hz、1H、H14α)、3.03(br s、1H、H3α)、3.34(dd、J=5.0、10.4Hz、1H、H7α)、3.75(s、3H、CO2Me OMe)、4.36(dd、J=5.0、10.4Hz、1H、H10β)、4.58(d、J=2.7Hz、1H、H2β)、4.66(br d、J=11.0Hz、1H、H13β)、12.22(s、1H、OH4)。
ケトン(18)
DMF(30ml)中のエノールエステル(17)(P7=MOP、P10=TES、P13=TBS、R=Me)(963mg、1.3ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、固体カリウムチオフェンオキシド(250mg、1.69ミリモル)および次いでチオフェノール(0.4ml、3.9ミリモル)を加えた。溶液を86℃に3.5時間加熱した。溶液を室温に冷却後、飽和NaHCO3水溶液(250ml)に直接注ぎ、30%酢酸エチル/ヘキサン(3×150ml)で抽出した。合した有機相を2インチシリカゲルパッドで濾過した後、減圧下に濃縮して、粗生成物(1.29g)を得た。ラジアルクロマトグラフィー(15%、次いで20%、最後に25%の酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、ケトン(18)(P7=MOP、P10=TES、P13=TBS)(763mg、86%)を得た。
18(P7=MOP、P10=TES、P13=TBS):1H NMR(300NHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.14(s、3H、TBS CH3)、0.58(q、J=8.2Hz、6H、TES CH2)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=8.2Hz、9H、TES CH3)、1.22(s、3H、CH3 19)、1.30(s、3H、CH3 17)、1.32(s、6H、MOP CH3)、1.33(s、3H、CH3 16)、1.80(m、1H、H5)、1.81(dd、J=3.8、3.8Hz、1H、H9β)、1.98(m、1H、H5)、1.99(d、J=1.1Hz、3H、CH3 18)、2.21(m、1H、H6β)、2.29(dd、J=10.4、12.1Hz、1H、H9α)、2.43(dd、J=9.3、15.4Hz、1H、H14α)、2.53(m、1H、H6α)、2.63(dd、J=5.0、15.4Hz、1H、H14β)、2.70(d、J=5.0Hz、1H、H3)、3.20(s、3H、MOP OMe)、3.39(dd、J=6.1、10.4Hz、1H、H7)、4.34(dd、J=3.9、10.4Hz、1H、H10)、4.55(d、J=5.5Hz、1H、H2)、4.73(dd、J=5.3、7.7Hz、1H、H13)。元素分析計算値C36H64O8Si2として;C63.49;H9.47。実測値C63.56;H9.55。
18(P7=P10=TES、P13=TBS):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.14(s、3H、TBS CH3)、0.47−0.63(m、12H、TES CH2)、0.90−0.99(m、27H、TBS t−Bu、TES CH3)、1.22(s、3H、CH3)、1.25(s、3H、CH3)、1.33(s、3H、CH3)、1.75(dt、J=11.6、1.6Hz、1H)、1.85(d、J=3.3Hz、1H)、1.90(t、J=3.9Hz、1H)、1.97(t、J=8.1Hz、1H)、2.00(s、3H、CH3)、2.30(m、1H)、2.39−2.60(m、3H)、2.65(m、1H)、3.35(dd、J=9.6、7.8Hz、1H、H7α)、4.35(dd、J=10.8、3.3Hz、1H、H10β)、4.57(d、J=5.1Hz、1H、H2β)、4.72(m、1H、H13β)。
ケトン(18)(P7=BOM)
THF(28.6ml)およびメタノール(9.5ml)中の、ケトン(18)(P7=MOP、P10=TES、P13=TBS)(293mg、0.43ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、CH2Cl2中のPPTSの0.1M溶液(0.20ml、0.02ミリモル)を滴下した。反応混合物を3時間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(100ml)に注ぎ、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合した有機相を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、ヒドロキシケトン(18)(P7=H)(274mg)を無色油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
18(P7=H、P10=TES、P13=TBS):mp75−77℃、1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.13(s、3H、TBS CH3)、0.61(q、J=8.2Hz、6H、TES CH2)、0.93(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=7.7Hz、9H、TES CH3)、1.19(s、3H、CH3 19)、1.22(s、3H、CH3 17)、1.35(s、3H、CH3 16)、1.84(dd、J=13.7、4.1Hz、1H、H9α)、1.88(m、2H、H9β、OH7)、1.92(m、1H、H6β)、2.05(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、2.10(m、1H、H6α)、2.36(dddd、J=1.4、4.1、9.9、14.4Hz、1H、H5α)、2.47(dd、J=8.9、15.4Hz、1H、H14β)、2.51(m、1H、H5β)、2.54(dd、J=4.8、15.4Hz、1H、H14β)、2.86(d、J=5.5Hz、1H、H3)、3.59(ddd、J=4.5、6.2、11.3Hz、1H、H7)、4.38(dd、J=4.1、9.1Hz、1H、H10)、4.56(d、J=5.5Hz、1H、H2)、4.69(ddd、J=1.4、4.8、9.3Hz、1H、H13)。元素分析計算値C32H56O7Si2x.5H2Oとして:C62.19;H9.30。実測値C62.16;H9.22。
CH2Cl2(9.5ml)中のヒドロキシケトン(18)(P7=H)(179mg、0.29ミリモル)の攪拌した溶液、ジイソプロピルアミン(1.49ml、8.6ミリモル)およびテトラブチルアンモニウムヨーダイド(253mg、0.69ミリモル)に、窒素雰囲気中で、ベンジルオキシメチルクロリド(0.42ml、2.86ミリモル)を滴下した。反応混合物を32時間還流し、室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液(100ml)に注ぎ、50%酢酸エチル/ヘキサン(2×100ml)で抽出した。合した有機相を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、ヒドロキシケトン(249mg)を黄色がかった油状物として得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、ケトン(18)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(196mg、92%)を無色油状物として得た。
18(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.13(s、3H、TBS CH3)、0.59(q、J=7.7Hz、6H、TES CH2)、0.94(s、9H TBS t−Bu)、0.94(t、J=7.7Hz、9H、TES CH3)、1.22(s、3H、CH3 17)、1.31(s、3H、CH3 19)、1.33(s、3H、CH3 16)、1.87(dd、J=12.1、3.8Hz、1H、H9α)、1.98(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、1.99(m、2H、H6β、H9β)、2.21(m、1H、H6α)、2.34(dd、J=10.4、12.1Hz、1H、H5α)、2.43(dd、J=9.3、15.4Hz、1H、H14α)、2.55(ddd、J=5.5、11.0、13.7Hz、1H、H5β)、2.62(dd、J=5.0、15.4Hz、1H、H14β)、2.74(d、J=5.0Hz、1H、H3)、3.38(dd、J=6.6、11Hz、1H、H7)、4.38(dd、J=3.8、10.4Hz、1H、H10)、4.56(d、J=5.0Hz、1H、H2)、4.58(d、J=11.5Hz、1H、CH2Ph)、4.64(d、J=11.5Hz、1H、CH2Ph)、4.68(m、2H、H13、OCH2O)、4.82(d、J=7.2Hz、1H、OCH2O)、7.31(m、5H、Ph)。
ケトン(22a)(P5=TMS)
THF(10.5ml)中のケトン(18)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(315mg、0.42ミリモル)の激しく攪拌した溶液、トリエチルアミン(0.88ml、6.3ミリモル)およびトリメチルシリルクロリド(0.53ml、4.2ミリモル)に、窒素雰囲気中、−78℃で、THF中のLDAの0.5M溶液(1.35ml、0.68ミリモル)を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。25分後、飽和NaHCO3水溶液(2ml)を加えた。反応混合物をヘキサン(150ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)および塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた油状物を、ヘキサンを用いてセライトで濾過し、濾液を減圧下に濃縮して、TMSエノールエーテル(21a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P4=TMS)(338mg、99%)を無色油状物として得た。
ヘキサン(2.8ml)中のTMSエノールエーテル(21a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P4=TMS)(224mg、0.274ミリモル)の激しく攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、ヘキサン中のmCPBAの0.02M溶液(14.9ml、0.30ミリモル)を滴下した。5時間後、飽和NaHCO3水溶液(2ml)および10%Na2S2O3水溶液(2ml)を加えた。反応混合物を酢酸エチル(150ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)、10%Na2S2O3水溶液(20ml)、飽和NaHCO3水溶液(20ml)および塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、粗生成物(231mg)を無色油状物として得た。これを更に精製することなく使用するか、またはシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、(22a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=TMS)(168mg、74%)を得、(21a)および(18)の混合物(再使用可)(15%)を回収した。
22a(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=TMS):mp50.5−52℃、1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.13(s、9H、TMS CH3)、0.14(s、3H、TBS CH3)、0.59(q、J=8.2Hz、6H、TES CH2)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、0.94(t、J=8.2Hz、9H、TES CH3)、1.24(s、3H、CH3 17)、1.32(s、3H、CH3 19)、1.33(s、3H、CH3 16)、1.82(dd、J=11.3、13.7Hz、1H、H9α)、1.95(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、1.98(dd、J=3.4、13.7Hz、1H、H9β)、2.16(ddd、J=6.2、7.2、13.3Hz、1H、H6α)、2.40(dt、J=11.4、13.3Hz、6β)、2.43(dd、J=9.2、15.2Hz、1H、H14β)、2.63(dd、J=5.5、15.2Hz、1H、H14α)、2.74(d、J=5.5Hz、1H、H3α)、3.40(dd、J=7.2、10.6Hz、1H、H7α)、4.36(dd、J=3.4、11.3Hz、1H、H10β)、4.40(dd、J=6.2、12.0Hz、1H、H5α)、4.54(d、J=5.5hz、1H、H2β)、4.57(d、J=11.7Hz、1H、CH2Ph)、4.64(d、J=11.7Hz、1H、CH2Ph)、4.68(d、J=7.0Hz、1H、OCH2O)、4.74(m、1H、H13)、4.78(d、J=7.0Hz、1H、OCH2O)、7.31(m、5H、Ph)。元素分析計算値C43H72O9Si3として:C63.19;H8.88。実測値C63.19;H8.92。
ケトン(22a)(P5=H)
アセトニトリル(7ml)中の粗(22a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=TMS)(231mg、0.274ミリモル)の激しく攪拌した溶液に、0℃で、48%HF水溶液:ピリジン:アセトニトリルの1:10:10(体積比)混合物(7ml)を滴下した。20分間攪拌後、飽和NaHCO3水溶液(2ml)を加えた。反応混合物を酢酸エチル(150ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(30ml)および塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、粗アルコール(223mg)を無色油状物として得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、ケトン(22a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=H)(155mg、74%)、5β−ヒドロキシケトン(15mg、7%)、およびTMSエノールエーテル(21a)とケトン(18)との1:1混合物(33mg、14%回収可能物質)を得た。
22a(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=H):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.14(s、3H、TBS CH3)0.59(q、J=8.2Hz、6H、TES CH2)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、0.94(t、J=8.2Hz、9H、TES CH3)、1.23(s、3H、CH3 19)、1.32(s、3H、CH3 17)、1.33(s、3H、CH3 16)、1.83(dd、J=11.0、13.7Hz、1H、H6β)、1.97(d、J=1.4Hz、3H、H18)、2.01(dd、J=3.2、13.7Hz、1H、H9β)、2.11(ddd、J=5.5、7.7、13.7Hz、1H、H6α)、2.47(dd、J=8.7、15.4Hz、1H、H14β)、2.57(m、2H、H14α、H9α)、2.88(d、J=5.5Hz、1H、H3α)、3.39(dd、J=7.7、11.0Hz、1H、H7α)、3.41(d、J=3.3Hz、1H、OH−5)、4.38(m、2H、H5β、H10)、4.55(d、J=5.5Hz、1H、H2β)、4.57(d、J=11.5Hz、1H、CH2Ph)、4.62(d、J=11.5Hz、1H、CH2Ph)、4.72(m、2H、H13β、OCH2O)、4.80(d、J=7.1Hz、1H、OCH2O)、7.31(m、5H、Ph)。
ケトン(22a)(P5=H)からのケトン(22a)(P5=TMS)の生成
CH2Cl2(2.2ml)およびトリエチルアミン(0.14ml、1.0ミリモル)中の、5−ヒドロキシ−4−ケトン(22a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=H)(51mg、0.067ミリモル)の激しく攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、トリメチルシリルクロリド(0.041ml、0.34ミリモル)を加えた。0.5時間後、反応混合物に飽和NaHCO3水溶液(5ml)を加えて反応を停止し、ヘキサン(150ml)で抽出した。有機相を飽和NaHCO3水溶液(50ml)および塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、無色油状物(56mg)を得た。これをシリカゲルで濾過し、濾液を減圧下に濃縮して、ケトン(22a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=TMS)(54mg、96%)を得た。
アルコール(23a)
CH2Cl2(4ml)中のケトン(22a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=TMS)(18.9mg、0.023ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−65℃で、エーテル中のMeMgBrの3.1M溶液(0.073ml、0.23ミリモル)を滴下した。反応混合物を−48℃に昇温し、16.5時間攪拌し、THF中のAcOHの2.0M溶液(0.13ml、0.25ミリモル)を加えて反応を停止した後、飽和NaHCO3水溶液(50ml)と酢酸エチル(50ml)との攪拌した混合物に注いだ。水相を酢酸エチル(50ml)で抽出した。合した有機相を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、無色油状物(20.5mg)を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、アルコール(23a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=TMS)(18.4mg、95%)を無色油状物として得た。
23a(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=TMS):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.09(s、9H、TMS)、0.11(s、3H、TBS CH3)、0.12(s、3H、TBS CH3)、0.56(q、J=7.9Hz、6H、TES CH2)、0.92(t、J=7.9Hz、9H、TES CH3)、0.93(s、9H、TBS t−Bu)、1.25(s、3H、CH3 17)、1.28(s、3H、CH3 19)、1.33(s、3H、CH3 20)、1.34(s、3H、CH3 16)、1.74(ddd、J=3.8、4.1、13.0Hz、1H、H6α)、1.99(d、J=1.4Hz、3H、H18)、2.01(dd、J=11.3、13.0Hz、1H、H9α)、2.06(m、2H、H3、H9β)、2.13(ddd、J=1.7、12.3、13.0Hz、1H、H6β)、2.37(dd、J=5.5、15.3Hz、1H、H14α)、2.54(dd、J=9.2、15.0Hz、1H、H14β)、2.96(s、1H、OH−4)、3.51(dd、J=1.7、4.1Hz、1H、H5)、3.73(dd、J=3.8、12.3Hz、1H、H7α)、4.32(dd、J=4.1、11.3Hz、1H、H10β)、4.64(s、2H、CH2Ph)、4.72(d、J=6.8Hz、1H、OCH2O)、4.80(m、3H、H2、H13、OCH2O)、7.31(m、5H、Ph)。元素分析計算値C44H76O9Si3として:C63.42;H9.19。実測値C63.40;H9.15。
ヒドロキシオレフィン(24a)
トルエン(1.1ml)中のアルコール(23a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=TMS)(46.7mg、0.055ミリモル)の還流した溶液に、トルエン中の0.1Mバーゲス(Burgess)試薬溶液(1.1ml、0.11ミリモル)を加えた。混合物を20分間還流後、室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3溶液および塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、粗オレフィン(46mg)を得た。これを更に精製することなく使用した。
この粗オレフィン(46mg、0.055ミリモル)の、アセトニトリル(2.5ml)中の攪拌した溶液に、0℃で、48%HF水溶液:ピリジン:アセトニトリルの1:10:10(体積比)混合物(2.5ml)を加えた。混合物を0℃で20分間攪拌し、飽和NaHCO3溶液を加えて反応を停止し、酢酸エチルで2回抽出した。合した有機相を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、無色油状物(48mg)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、ヒドロキシオレフィン(24a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=H)(25.9mg、62%)および未反応アルコール(23a)(2.1mg、4%)を得た。
24a(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=H):mp66−68℃ 1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.12(s、3H、TBS CH3)、0.13(s、3H、TBS CH3)、0.59(q、J=7.9Hz、6H、TES CH2)、0.94(t、J=7.9Hz、9H、TES CH3)、0.95(s、9H、TBS t−Bu)、1.18(s、3H、CH3 19)、1.23(s、3H、CH3 17)、1.35(s、3H、CH3 16)、1.73(d、1H、J=3.4Hz、OH5)、1.83(dd、J=9.9、10.5Hz、1H、H9α)、1.91(ddd、J=7.2、7.5、13.4Hz、1H、H6α)、1.97(dd、J=3.8、9.9Hz、1H、H9β)、2.03(d、J=1.4Hz、3H、18)、2.14(ddd、J=9.6、9.6、13.4Hz、1H、H6β)、2.35(dd、J=5.1、15.4Hz、1H、H14α)、2.50(dd、J=9.6、15.4Hz、1H、H14β)、3.03(d、J=5.8Hz、1H、H3α)、3.44(dd、J=7.5、9.6Hz、1H、H7α)、4.38(m、2H、H10、H5)、4.54(d、J=5.8Hz、1H、H2)、4.58(d、J=11.6Hz、1H、CH2Ph)、4.62(d、J=11.6Hz、1H、CH2Ph)、4.73(d、J=7.0Hz、1H、OCH2O)、4.75(m、1H、H13)、4.79(d、J=7.0Hz、1H、OCH2O)、5.00(s、1H、H20E)、5.18(s、1H、H20Z)、7.31(m、5H、Ph)、元素分析計算値C41H66O8Si2x0.5H2Oとして:C65.47;H8.98。実測値C65.63;H8.97。
アリルメシレート(24aa)
ピリジン(0.6ml)中のアリルアルコール(24a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=H)(11.5mg、0.0154ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、メタンスルホニルクロリド(0.02ml、0.258ミリモル)を滴下した。45分後、飽和NaHCO3水溶液(0.05ml)を加えた。混合物を10分間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、40%酢酸エチル/ヘキサン(20ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、(24aa)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ms)(13mg)を無色油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
24aa(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ms):1H NMR(300MHz、CDCl3);δ0.12(s、3H、TBS CH3)、δ0.13(s、3H、TBS CH3)、0.58(q、J=7.9Hz、6H、TES CH2)、0.93(s、9H、TBS t−Bu)、0.94(t、J=7.9Hz、9H、TES CH3)、1.23(s、3H、CH3 17)、1.22(s、3H、CH3 19)、1.34(s、3H、CH3 16)、1.80(br t、J=13Hz、1H、H9α)、1.98(m、1H、H6)、1.79(ddd、J=2.2、5.5、15.1Hz、1H、H14α)、2.01(d、J=1.1Hz、1H、CH3 18)、2.06(dd、J=3.3、13.7Hz、1H、H9β)、2.01(br s、3H、CH3 18)、2.22−2.32(m、3H、H14α、H6α、H6β)、2.54(dd、J=9.9、15.4Hz、1H、H14β)、3.02(s、3H、OSO2CH3)、3.05(d、J=6.0Hz、1H、H3α)、3.45(t、J=8.5Hz、1H、H7α)、4.37(dd、J=3.6、11.0Hz、1H、H10β)、4.57(d、J=6.0Hz、1H、H2β)、4.59(q、2H、PhCH2O)、4.69(d、J=7.1Hz、1H、OCH2O)、4.74(m、1H、H13β)、4.76(d、J=7.1Hz、1H、OCH2O)、5.03(br t、J=8.5Hz、1H、H5β)、5.09(br s、1H、H20)、5.24(br s、1H、H20)、7.35(m、5H、Ph)。
トリオール(25a)
ピリジン(0.32ml)およびエーテル(3.2ml)の混合物中のアリルアルコール(24a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=H)(45mg、0.0606ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、THF中のOsO4の0.15M溶液(0.42ml、0.066ミリモル)を加えた。0℃で12時間後、NaHCO3(530mg)、ピリジン(0.3ml)、THF(2ml)および水(3ml)を加えた。混合物を室温で14時間激しく攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(50ml)に注ぎ、酢酸エチル(40ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(60mg)を得、これをカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、トリオール(25a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(34.3mg、73%)を得た。
25a(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS):1H NMR(500MHz、CDCl3);δ0.11(s、6H、TBS CH3)、0.60(ddd、J=9.0Hz、6H、TES CH2)、0.79(s、3H、CH3 19)、0.93(s、9H、TBS t−Bu)、0.94(dd、J=9.0Hz、9H、TES CH3)、1.22(s、3H、CH3 17)、1.35(s、3H、CH3 16)、1.64(dd、J=5.6、16.4Hz、1H、H9β)、1.70(m、1H、H6β)、2.22(dd、J=2.7、16.8Hz、1H、H9α)、2.23(d、J=0.7Hz、3H、CH3 18)、2.36(dd、J=9.2、15.0Hz、1H、H14β)、2.45(m、1H、H6α)、2.96(s、1H、OH5)、3.21(dd、6.9、15.0Hz、1H、H14α)、3.42(d、J=5.0Hz、1H、H3α)、3.53(m、1H、H20)、3.38(s、1H、OH4)、3.70(t、J=3.0Hz、1H、H5β)、4.04(br d、J=11Hz、1H、H20)、4.06(dd、J=11.5、5.0Hz、1H、H7α)、4.48(d、J=5.0Hz、1H、H2β)、4.49(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.53(br s、1H、H10β)、4.71(m、1H、H13β)、4.72(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.85(d、J=6.8Hz、1H、OCH2O)、4.98(d、J=6.8Hz、1H、OCH2O)、7.34(m、5H、Ph)。元素分析計算値C41H68O10Si2として:C63.36;H8.82。実測値C63.19;H8.75。
ジオールメシレート(26a)
ピリジン(0.4ml)およびTHF(0.4ml)の混合物中のアリルメシレート(24aa)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ms)(5mg、0.0064ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、THF中のOsO4の0.157M溶液(0.06ml)を加えた。7時間後、NaHCO3(150mg)および水(0.2ml)を加えた。混合物を14時間激しく攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(20mlに注ぎ、酢酸エチル(20ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(6mg)を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(40%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、ジオールメシレート(26a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ms)(2.7mg、50%)を得た。
26a(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ms):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.14(s、6H、TBS CH3)、0.58(ddd、J=8.0Hz、6H、TES CH2)、0.89(s、3H、CH3 19)、0.93(s、9H、TBS t−Bu)、0.94(dd、J=8.0Hz、9H、TES CH3)、1.31(s、3H、CH3 17)、1.37(s、3H、CH3 16)、1.76(dd、J=5.5、15.1、1Hz、H9β)、1.95(m、1H、H6β)、2.23(d、J=0.7Hz、3H、CH3 18)、2.25(dd、J=4.8、15.1Hz、1H、H9α)、2.39(dd、J=9.2、15.1Hz、1H、H14β)、2.45(m、1H、H6α)、2.89(dd、6.8、15.1Hz、1H、H14α)、3.05(d、J=3.4Hz、1H、H3α)、3.06(s、3H、OSO2CH3)、3.35(s、1H、OH4)、3.52(m、1H、H20)、3.92(ss、J=4.5、11.6Hz、1H、H7α)、4.13(dd、J=1.0、11.3Hz、1H、H20)、4.46(br d、J=4.5Hz、1H、H10)、4.52(d、J=3.4Hz、1H、H2)、4.54(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.70(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.83(d、J=6.9Hz、1H、OCH2O)、4.84(m、1H、H5β)、4.92(m、1H、H13β)、4.93(d、J=6.9Hz、1H、OCH2O)、7.34(m、5H、Ph)。
ジオールトシレート(26aa)
CH2Cl2(0.4ml)中のトリオール(25a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(37mg、0.0476ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、トリエチルアミン(0.25ml)、および次いでトリメチルクロロシラン(0.075ml)を加えた。溶液を−78℃で1時間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、クロロホルム(30ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、無色油状物(38.2mg)を得た。この油状物をTHF(0.5ml)に溶解し、−78℃に冷却した。この溶液に、THF中のLDAの0.2M溶液(0.9ml、0.18ミリモル)を加えた。−78℃で20分後、p−トルエンスルホニルクロリド(35mg、0.183ミリモル)を加えた。−35℃で3時間後、MeOH(0.2ml)およびジエチルアミン(0.3ml)を加えた。溶液を−35℃で30分間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(30ml)に注ぎ、クロロホルム(40ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、無色油状物(58mg)を得た。この油状物をアセトニトリル(3.6ml)およびピリジン(3.6ml)に溶解した。この溶液に0℃で、48%HF水溶液(0.36ml)を加えた。溶液を0℃で15分間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(30ml)に注ぎ、クロロホルム(40ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、粗ジオールトシレート(26aa)(56mg)を得た。カラムクロマトグラフィー(40%酢酸エチル/ヘキサン)により、ジオールトシレート(26aa)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ts)(34mg、80%)を得た。
26aa(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ts)。1H NMR(300MHz、CDCl3);δ0.18(s、6H、TBS CH3)、0.58(d、J=12.5Hz、6H、TES CH2)、0.82(s、3H、CH3 19)、0.94(dd、J=13.0Hz、9H、TES CH3)、0.97(s、9H、TBS t−Bu)、1.28(s、3H、CH317)、1.34(s、3H、CH3 16)、1.67(dd、J=16.5、4.4Hz、1H、H9β)、1.80(m、1H、H6β)、2.13(dd、J=16.5、4.4Hz、1H、H9α)、2.18(m、1H、H6α)、2.24(s、3H、CH3 18)、2.33(s、3H、CH3Ph)、2.42(dd、J=14.8、9.3Hz、1H、H14β)、2.90(m、1H、H14α)、2.93(br s、1H、OH4)、3.08(br d、J=3.3Hz、1H、H3α)、3.38(br t、J=11.0Hz、1H、H7α)、3.87(m、1H、H20)、4.09(br d、J=9.9Hz、1H、H20)、4.52(d、J=3.3Hz、1H、H2β)、4.45(br d、J=4.4Hz、1H、H10β)、4.46(d、J=12.1Hz、1H、PhCH2O)、4.59(d、J=12.1Hz、1H、PhCH2O)、4.66(br t、J=3.8Hz、1H、H5β)、4.75(d、J=7.1Hz、1H、OCH2O)、4.83(d、J=7.1Hz、1H、OCH2O)、4.89(br dd、J=7.7、6.6Hz、1H、H13β)、7.14(d、J=8.2Hz、2H、SO2Ph)、7.34(m、5H、OCH2Ph)、7.75(d、J=8.2Hz、2H、SO2Ph)。
ジオールメシレート(26a)からのオキセタン(27a)の生成
トルエン(0.4ml)中のジオールメシレート(26a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ms)(2.7mg)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、ジイソプロピルエチルアミン(0.008ml)を加えた。溶液を3.5時間還流し、室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、酢酸エチル(20ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(3mg)を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、オキセタン(27a)(1mg、42%)を得た。
27a(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS):1H NMR(500MHz、CDCl3);δ0.10(s、6H、TBS CH3)、0.59(dd、J=8.0Hz、6H、TES CH2)、0.92(s、9H、TBS t−Bu)、0.94(dd、J=8.0Hz、9H、TES CH3)、1.20(s、3H、CH3 17)、1.26(s、3H、CH3 19)、1.32(s、3H、CH3 16)、1.93(dd、J=11.3、13.4Hz、1H、H9α)、1.98(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、2.06(dd、J=6.0、18.6Hz、1H、H6β)、2.11(dd、J=4.5、13.4Hz、1H、H9β)、2.14(d、J=5.5Hz、1H、H3α)、2.41(dd、J=9.2、15.1Hz、1H、H14β)、2.43(m、1H、H6α)、2.54(s、1H、OH4)、2.76(dd、J=5.2、15.1Hz、H14α)、3.21(dd、J=3.4、13.0Hz、1H、H7α)、4.36(d、J=8.6Hz、1H、H20α)、4.37(dd、J=4.1、11.3Hz、1H、H10β)、4.40(br d、J=8.2Hz、1H、H5α)、4.60(d、J=5.5Hz、1H、H2β)、4.61(d、J=12.6Hz、1H、PhCH2O)、4.67(m、1H、H13β)、4.69(d、J=12.6Hz、1H、PhCH2O)、4.75(d、J=7.5Hz、1H、OCH2O)、4.86(d、J=7.5Hz、1H、OCH2O)、4.91(dd、J=0.7、8.6Hz、1H、H20β)、7.34(m、5H、Ph)。元素分析計算値C41H66O9Si2として:C64.87;H8.76。実測値C64.61;H8.78。
ジオールトシレート(26aa)からのオキセタン(27a)の生成
トルエン(3.3ml)中のジオールトシレート(26aa)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ts)(33mg、0.0354ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、DBU(0.11ml、0.73ミリモル)を加えた。溶液を80℃に10分間加熱後、40分間にわたって110℃に昇温し、110℃に更に30分間保ち、室温に冷却した。溶液を、30%酢酸エチル/ヘキサンを溶出剤として使用してシリカゲルのショートパッドで濾過した。濾液を濃縮して粗(27a)(25mg)を得、これをカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、オキセタン(27a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(21mg、78%)を得た。
オキセタン(29)
ピリジン(110μl、1.37ミリモル)中の、オキセタン(27a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(21mg、0.0276ミリモル)およびジメチルアミノピリジン(3.4mg、0.0278ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、無水酢酸(26μl、0.276ミリモル)を加えた。溶液を25時間攪拌し、酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、酢酸エチル(20ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(26mg)を得、これをカラムクロマトグラフィー(25%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、オキセタン(29)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(16mg、72%)を得た。
29(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS):1H NMR(500MHz、CDCl3);δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.12(s、3H、TBS CH3)、0.56(q、6H、TES CH2)、0.92(t、9H、TES CH3)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、1.35(s、3H、CH3 16)、1.30(s、3H、CH3 17)、1.29(s、3H、CH3 19)、1.96(br t、J=13.0Hz、1H、H9α)、1.98(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、2.02(dd、J=7.5、13.0、1H、H9β)、2.07(dt、J=8.0、13.0Hz、1H、H6β)、2.13(s、3H、OAc)、2.24(dd、J=3.4、15.0Hz、1H、H14α)、2.40(dd、J=8.6、15.0Hz、1H、H14β)、2.51(ddd、J=4.1、9.2、15.0Hz、1H、H6α)、2.63(d、J=6.5Hz、1H、H3α)、3.69(dd、J=4.1、13.0Hz、H7α)、4.35(dd、J=3.4、11.3Hz、1H、H10β)、4.64(m、4H、PhCH2O、H2β、H5α)、4.75(d、J=7.2Hz、1H、OCH2O)、4.76(br d、J=9.2Hz、1H、H20)、4.83(d、J=7.2Hz、1H、OCH2O)、4.85(br d、J=9.2Hz、1H、H20)、4.88(br t、J=8.2Hz、1H、H13β)、7.35(m、5H、Ph)。
ベンゾエート(30)
THF(0.5ml)中のオキセタン(29)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(6mg、0.075ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、エーテル中の0.3Mフェニルリチウム溶液(44μl、0.013ミリモル)を加えた。溶液を−78℃で15分間攪拌し、THF中の10%酢酸溶液を加えて反応停止した。溶液を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、酢酸エチル(20ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(8mg)を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(25%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、ベンゾエート(30)(P7=BOM、P13=TBS、R=TES)(6.2mg、94%)を得た。
30(P7=BOM、P13=TBS、R=TES):1H NMR(500MHz、CDCl3);δ0.09(s、3H、TBS CH3)、0.14(s、3H、TBS CH3)、0.60(ddd、6H、TES CH2)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(t、6H、TES CH3)、1.23(s、3H、CH3 17)、1.38(s、3H、CH3 19)、1.46(s、3H、CH3 16)、1.69(s、1H、OH1)、1.97(ddd、J=14.5、10.0、3.1Hz、1H、H6β)、2.05(dd、J=16.1、5.1Hz、1H、H9β)、2.09(dd、J=15.1、6.2Hz、1H、H14β)、2.13(s、3H、CH3 18)、2.22(dd、J=15.1、8.2Hz、1H、H14α)、2.23(dd、J=15.0、8.5Hz、1H、H9β)、2.24(s、1H、OAc4)、2.38(dd、J=16.1、4.1Hz、1H、H9α)、2.67(m、1H、H6α)、3.40(d、J=6.2Hz、1H、H3α)、3.99(dd、J=10.1、6.8Hz、1H、H7α)、4.20(d、J=8.2Hz、1H、H20β)、4.29(d、J=8.2Hz、1H、H20α)、4.49(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.63(br t、1H、H10β)、4.74(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.92(d、J=6.9Hz、1H、OCH2O)、4.91−4.95(m、2H、H13βおよびH5α)、5.01(d、J=6.9Hz、1H、OCH2O)、5.66(d、J=6.2Hz、1H、H2β)、7.28(m、1H、PhCH2)、7.35(m、4H、PhCH2)、7.48(m、2H、PhCOO−m)、7.59(m、1H、PhCOO−p)、8.11(m、2H、PhCOO−o)。
アルコール(31)
THF(2ml)中のベンゾエート(30)(P7=BOM、P13=TBS、R=TES)(6.2mg、0.007ミリモル)の溶液に、THF中のTBAFの0.1M溶液(0.1ml)を加えた。混合物を窒素雰囲気中、25℃で2時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(10ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(10ml)に注いだ。有機相を飽和NaHCO3水溶液(10ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、アルコール(31)(P7=BOM、P13=TBS、R=H)(4.5mg、93%)を得た。
31(P7=BOM、P13=TBS、R=H):mp213−216℃ 1H NMR(500MHz、CDCl3);δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.15(s、3H、TBS CH3)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、1.26(s、3H、CH3 17)、1.39(s、3H、CH3 19)、1.45(s、3H、CH3 16)、1.68(s、1H、OH1)、1.89(ddd、J=14.5、10.0、2.5Hz、1H、H6β)、2.10(dd、J=15.0、9.0Hz、1H、H14β)、2.15(dd、J=15.0、8.0Hz、1H、H14α)、2.18(s、3H、CH3 18)、2.23(dd、J=15.0、8.5Hz、1H、H9β)、2.26(s、1H、OAc4)、2.40(dd、J=15.0、3.5Hz、1H、H9α)、2.68(m、1H、H6α)、2.90(br s、1H、OH10)、3.54(d、J=6.0Hz、1H、H3α)、4.16(d、J=8.0Hz、1H、H20β)、4.23(dd、J=10.0、7.0Hz、1H、H7α)、4.30(d、J=8.0Hz、1H、H20α)、4.68(dd、J=15Hz、2H、PhCH2O)、4.78(m、1H、H10β)、4.87(d、J=6.5Hz、1H、OCH2O)、4.95(t、J=2.0Hz、1H、H20α)、4.92(d、J=7.0Hz、1H、OCH2O)、4.93(br d、J=2.0Hz、1H、H13β)、4.96(br d、J=6.5Hz、1H、H5α)、4.97(d、J=6.5Hz、1H、OCH2O)、5.68(d、J=6.0Hz、1H、H2β)、7.28(m、1H、PhCH2O)、7.35(m、4H、PhCH2O)、7.40(m、2H、PhCOO−m)、7.59(m、1H、PhCOO−p)、8.13(m、2H、PhCOO−o)。元素分析計算値C43H60O10Six0.5H2Oとして:C66.72;H7.94。実測値C66.75;H7.96。
アルコール(30a)を経たアルコール(31)の生成
アセトニトリル(0.33ml)中のオキセタン(29)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(16mg、0.02ミリモル)の攪拌した溶液に、0℃で、アセトニトリル(0.8ml)中のHF−ピリジン複合体の4%溶液(0.8ml)を加えた。溶液を0℃で11時間攪拌し、酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、CHCl3(30ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、(30a)(13.5mg、0.0196ミリモル)を油状物として得た。この油状物をTHF(1ml)に溶解し、−78℃に冷却した。この溶液に−78℃で、THF中の0.285Mフェニルリチウム溶液(0.144ml、2.1当量)を加えた。10分後、溶液を飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、CHCl3(30ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(16mg)を得、これを結晶化して、ベンゾエート(31)(P7=BOM、P13=TBS、R=H)(12.7mg、85%)を得た。
ケトン(32)
CH2Cl2(2.6ml)中の、ベンゾエート(31)(P7=BOM、P13=TBS、R=H)(18mg、0.235ミリモル)および4−メチルモルホリンN−オキシド(18mg、0.154ミリモル)の溶液に、室温で、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(6mg、0.017ミリモル)を加えた。溶液を室温で15分間攪拌し、30%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルで濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、ケトベンゾエート(32)(P7=BOM、P13=TBS)(18mg、100%)を得た。
32(P7=BOM、P13=TBS):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.12(s、3H、TBS CH3)、0.16(s、3H、TBS CH3)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、1.25(s、3H、CH3)、1.42(s、3H、CH3)、1.44(s、6H、MOP CH3)、1.49(s、3H、CH3)、1.75(s、1H、OH1)、1.76(m、1H、H6)、1.83(s、3H、CH3 18)、2.21(dd、J=7.15Hz、1H、H14)、2.25(s、3H、OAc)、2.29(dd、J=8.15Hz、1H、H14)、2.61(d、J=16Hz、1H、H9)、2.74(ddd、J=8.9、17Hz、1H、H6)、3.19(s、3H、MOP OCH3)、3.20(d、J=6Hz、1H、H3α)、3.32(d、J=16Hz、1H、H9)、3.78(dd、J=8.10Hz、1H、H7)、4.15(d、J=8Hz、1H、H20)、4.34(d、J=8Hz、1H、H20)、4.89(d、J=9Hz、1H、H5)、5.04(m、1H、H13)、5.90(d、J=6Hz、1H、H2)、7.50(m、2H、PhCOO−m)、7.62(m、1H、PhCOO−p)、8.24(m、2H、PhCOO−o)。
32(P7=TES、P13=TBS):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.12(s、3H、TBS CH3)、0.16(s、3H、TBS CH3)、0.65(q、J=8Hz、3H、TES CH3)、0.66(q、J=8Hz、3H、TES CH3)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、1.00(t、J=8Hz、3H、TES CH2)、1.24(s、3H、CH3)、1.38(s、3H、CH3)、1.49(s、3H、CH3)、1.75(s、1H、OH1)、1.80(m、1H、H6)、1.81(s、3H、CH318)、2.20(dd、J=9、15Hz、1H、H14)、2.26(s、3H、OAc CH3)、2.29(dd、J=8、15Hz、1H、H14)、2.48(ddd、J=8、9、17Hz、1H、H6)、2.58(d、J=17Hz、1H、H9)、3.15(d、J=6Hz、1H、H3α)、3.36(d、J=17Hz、1H、H9)、3.79(dd、J=7.9Hz、1H、H7)、4.14(d、J=8Hz、1H、H20)、4.33(d、J=8Hz、1H、H20)、4.90(d、J=9Hz、1H、H5)、5.04(m、1H、H13)、5.90(d、J=6Hz、1H、H2)、7.49(m、2H、PhCOO−m)、7.61(m、1H、PhCOO−p)、8.13(m、2H、PhCOO−o)。
32(P7=BOM、P13=TBS):1H NMR(500MHz、CDCl3);δ0.16(s、3H、TBS CH3)、0.18(s、3H、TBS CH3)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、1.26(s、3H、CH3 17)、1.47(s、3H、CH3 19)、1.52(s、3H、CH3 16)、1.76(s、1H、OH1)、1.83(d、3H、J=0.5Hz、CH3 18)、1.89(ddd、J=15.0、9.5、1.5Hz、1H、H6β)、2.21(dd、J=15.0、9.0Hz、1H、H14β)、2.26(s、1H、OAc4)、2.29(dd、J=15.0、8.0Hz、1H、H14α)、2.72(m、1H、H6α)、2.75(d、J=16Hz、1H、H9α)、3.18(d、J=6.5Hz、1H、H3α)、3.26(d、J=16.5Hz、H9α)、3.65(dd、J=9.0、7.5Hz、1H、H7α)、4.15(d、J=7.5Hz、1H、H20β)、4.34(d、J=7.5Hz、1H、H20α)、4.61(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.72(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.81(d、J=7.0Hz、1H、OCH2O)、4.92(d、J=7.0Hz、1H、OCH2O)、4.93(br d、J=6.5Hz、1H、H5α)、5.05(br t、J=6.5Hz、1H、H13β)、5.91(d、J=6.0Hz、1H、H2β)、7.28(m、1H、PhCH2O)、7.35(m、4H、PhCH2O)、7.50(m、2H、PhCOO−m)、7.62(m、1H、PhCOO−p)、8.13(m、2H、PhCOO−o)。
ヒドロキシケトン(33)
THF(1.3ml)中の(32)(P7=BOM、P13=TBS)(16.2mg、0.02ミリモル)の溶液に、−78℃で、THF中のt−BuOKの0.24M溶液(0.33ml、0.08ミリモル、4当量)を加えた。溶液を40分間−20℃に昇温し、次いで短時間0℃に昇温後、THF(1.3ml)中の無水ベンゼンセレニン酸(57mg、0.16ミリモル)の0℃の懸濁液にカニューレから加えた。反応混合物を0℃で40分間攪拌後、酢酸エチル(20ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(50ml)に注いだ。次いで、有機相を飽和Na2S2O3水溶液(50ml)およびその後に飽和NaHCO3水溶液(50ml)で洗った。次いで、有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発して、ヒドロキシケトン(18.8mg)を油状物として得た。THF(1.3ml)中の粗ヒドロキシケトン(18.8mg)の溶液に、t−BuOKの0.24M溶液(0.33ml、0.08ミリモル)を−78℃で加えた。反応混合物を20分間攪拌後、THF中のAcOHの0.8M溶液(0.25ml)を−78℃で加え、5分間攪拌した。混合物を酢酸エチル(20ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(50ml)に注いだ。次いで、有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発して、黄色固体(18.6mg)を得、これを2%酢酸エチル/ヘキサン、および次いで30%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルでプラグ濾過して、(33)(P7=BOM、P13=TBS)(15.9mg、96%)を得た。
33(P7=BOM、P13=TBS):m.p.:234−236℃、1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.13(s、3H、TBS CH3)、0.15(s、3H、TBS CH3)、0.95(s、9H、TBS t−Bu)、1.11(s、3H、CH3 16)、1.18(s、3H、CH3 17)、1.59(s、1H、OH1)、1.82(s、3H、CH3 18)、1.89(ddd、J=2.1、12.4、14.4Hz、1H、H6β)、1.97(d、J=2.0Hz、3H、CH3 18)、2.14(dd、J=8.6、15.4Hz、1H、H14β)、2.21(dd、J=8.9、15.4Hz、1H、H14α)、2.29(s、3H、Ac)、2.70(ddd、J=6.5、9.6、14.4Hz、1H、H6α)、3.93(d、J=6.9Hz、1H、H3α)、4.17(d、J=8.6Hz、1H、H20β)、4.28(d、J=2.4Hz、1H、OH10β)、4.31(dd、J=6.5、12.4Hz、1H、H7α)、4.32(d、J=8.6Hz、1H、H20α)、4.45(d、J=12.2Hz、1H、PhCH2O)、4.60(d、J=12.2Hz、1H、PhCH2O)、4.60(d、J=7.3Hz、1H、OCH2O)、4.73(d、J=7.3Hz、1H、OCH2O)、4.97(dd、J=2.1、9.6Hz、1H、H5α)、5.01(ddd、J=2.0、8.6、8.9Hz、1H、H13β)、5.35(d、J=2.4Hz、1H、H10α)、5.64(d、J=6.9Hz、1H、H2β)、7.3(m、5H、PhCH2)、7.49(tt、J=1.7、7.9Hz、2H、PhCOO−m)、7.61(tt、J=1.7、7.6Hz、1H、PhCOO−p)、8.10(dd、J=1.2、7.9Hz、PhCOO−o)。
33(P7=MOP、P13=TBS):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.13(s、3H、TBS CH3)、0.15(s、3H、TBS CH3)、0.95(s、9H、TBS t−Bu)、1.00(s、3H、CH3 16)、1.09(s、3H、CH3 17)、1.23(s、3H、MOP CH3)、1.37(s、3H、MOP CH3)、1.58(s、1H、OH1)、1.79(s、3H、CH3 19)、1.90(ddd、J=2.6、8.8、13.7Hz、1H、H6β)、2.04(s、3H、CH3 18)、2.13(dd、J=8.8、15.5Hz、1H、H14β)、2.22(dd、J=8.8、15.5Hz、1H、H14α)、2.29(s、3H、OAc)、2.79(ddd、6.3、9.9、14.8Hz、1H、H6α)、3.17(s、3H、MOP OCH3)、3.90(d、J=7.1Hz、1H、H3α)、4.16(d、J=8.2Hz、1H、H20α)、4.25(d、J=2.2Hz、1H、OH4)、4.32(d、J=8.8Hz、1H、H20β)、4.41(dd、J=6.6、11.0Hz、1H、H7α)、4.94(dd、J=2.2、9.9Hz、1H、H5α)、5.03(ddd、J=1.1、8.2、8.8Hz、1H、H13β)、5.20(d、J=6.2Hz、1H、H10α)、5.60(d、J=7.2Hz、1H、H2β)、7.48(t、J=7.7Hz、2H、PhCOO−m)、7.61(t、J=7.7Hz、1H、PhCOO−p)、8.10(d、J=7.1Hz、2H、PhCOO−o)。
アセテート)(34)
ピリジン(0.1ml)中の33(P7=BOM、P13=TBS)(15.9mg、0.02ミリモル)およびDMAP(1.2mg、0.01ミリモル)の溶液に、室温で、無水酢酸(38μl、0.4ミリモル)を加え、反応混合物を19時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(20ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(50ml)に注いだ。有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発して、粗生成物(18.1mg)を得た。これを20%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルでプラグ濾過して、34(P7=BOM、P13=TBS)(16.8mg、100%)を得た。
34(P7=BOM、P13=TBS):1HNMR(500MHz、CDCl3)δ0.14(s、3H、TBS Me)、0.16(s、3H、TBS Me)、0.95(s、9H、TBS t−Bu)、1.17(s、3H、CH3 17)、1.18(s、3H、CH3 16)、1.63(s、1H、OH1)、1.76(s、3H、CH3 19)、1.99(ddd、J=2.1、10.6、14.7Hz、1H、H6β)、2.04(d、J=1.0Hz、3H、CH3 18)、2.17(dd、J=8.6、15.1Hz、1H、H14β)、2.19(s、3H、AcO10)、2.24(dd、J=8.6、15.1Hz、1H、H14α)、2.28(s、3H、AcO4)、2.88(ddd、J=6.5、9.8、14.7Hz、1H、H6α)、3.87(d、J=7.0Hz、1H、H3α)、4.15(d、J=8.2Hz、1H、H20β)、4.24(dd、J=6.5、10.6Hz、1H、H7α)、4.31(d、J=8.2Hz、1H、H20α)、4.44(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.68(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.85(s、2H、OCH2O)、4.95(dd、J=2.1、9.8Hz、1H、H5α)、5.65(d、J=7.0Hz、1H、H2β)、6.39(s、1H、H10α)、7.30(m、5H、PhCH2)、7.49(tt、J=1.4、8.2Hz、2H、PhCOO−m)、7.61(tt、J=1.4、7.2Hz、1H、PhCOO−p)、8.05(dd、J=1.2、8.2Hz、1H、PhCOO−o)。IR(CHCl3)υ3600、3050、2975、2880、1750、1730、1460、1379、1250、1100、1020、860cm-1。
34(P7=P13=TES):1HNMR(300MHz、CDCl3)δ0.57(q、J=7.7Hz、6H、TES CH2)、0.67(q、J=7.7Hz、TES CH2)、0.92(t、J=7.7Hz、9H、TES CH3)、1.01(t、J=7.7Hz、9H、TES CH3)、1.11(s、3H、CH3 17)、1.19(s、3H、CH3 19)、1.61(s、1H、OH1)、1.67(s、3H、CH3 16)、1.86(ddd、J=2.2、10.4、14.3Hz、1H、H6β)、2.11(d、J=1.1Hz、3H、CH3 18)、2.12(m、1H、H14β)、2.17(s、3H、OAc10)、2.23(dd、J=7.6、14.9Hz、1H、H14α)、2.28(s、3H、OAc4)、2.51(ddd、J=6.9、9.6、14.3Hz、1H、H6α)、3.82(d、J=7.2Hz、1H、H3α)、4.14(d、J=8.3Hz、1H、H20β)、4.30(d、J=8.3Hz、1H、H20α)、4.48(dd、J=6.6、10.4Hz、1H、H7α)、4.92(dd、J=7.7、8.8Hz、1H、H5α)、4.96(d、J=8.2Hz、1H、H13β)、5.63(d、J=6.6Hz、1H、H2α)、6.47(s、1H、H10α)、7.47(t、J=7.1Hz、2H、PhCOO−m)、7.60(t、J=7.1Hz、PhCOO−p)、8.10(d、J=7.1Hz、PhCOO−o)。
ジオール(35)
THF(0.5ml)中の(34)(P7=BOM、P13=TBS)(16.3mg、0.0199ミリモル)の溶液を、窒素雰囲気中、室温で、トリス(ジエチルアミノ)スルホニウムジフルオロトリメチルシリケート(TASF)(37mg、0.134ミリモル)に加えた。溶液を40分間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、CHCl3(30ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO3で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(16mg)を得、これを70%酢酸エチル/ヘキサンを溶出剤として使用して、シリカゲルのパッドで濾過した。濾液を濃縮して、7−BOM−B III(35)(13.5mg、94%)を得た。
35(P7=BOM)mp.224〜225℃、1H NMR(500MHz、CDCl3)、δ1.08(s、3H、CH3 17)、1.18(s、3H、CH3 16)、1.61(s、1H、OH1)、1.77(s、3H、CH3 19)、1.99(ddd、J=2、10.5、14.5Hz、1H、H6β)、2.02(d、J=5Hz、1H、OH13)、2.10(d、J=1.5Hz、3H、CH3 18)、2.20(s、3H、AcO)、2.28(s、3H、AcO)、2.27〜2.29(m、2H、H14)、2.89(ddd、J=7、10、16.5Hz、1H、H6α)、3.94(d、J=7Hz、1H、H3)、4.16(dd、J=1、8.5Hz、1H、H20β)、4.24(dd、J=6.5、10.5Hz、1H、H7)、4.31(d、J=8Hz、1H、H20α)、4.45(d、J=12.0Hz、1H、OCH2Ph)、4.67(d、J=12.0Hz、1H、OCH2Ph)、4.84(d、J=5Hz、1H、OCH2O)、4.86(d、J=5Hz、1H、OCH2O)、4.87(m、1H、H13β)、4.95(dd、J=2.0、9.5Hz、1H、H5α)、5.63(d、J=7Hz、1H、H2β)、6.40(s、1H、H10α)、7.30(m、5H、PhCH2)、7.48(m、2H、PhCOO−m)、7.61(m、1H、PhCOO−p)、8.10(2H、m、PhCOO−o)。13C NMR(CDCl3)δ(ppm)10.3、14.9、20.0、20.7、22.4、26.6、35.3、38.4、42.7、47.2、57.4、67.8、69.9、74.6、75.8、76.4、78.7、80.3、80.3、80.9、84.4、96.7、127.7、127.9、128.5、128.8、129.6、130.3、132.4、133.8、138.0、144.4、167.3、169.8、171.0、203.0。IR(CHCl3)υ1720、1460cm-1。元素分析計算値C39H46O12として:C66.28;H6.56。実測値C66.09;H6.59。
7−BOM−タキソール
THF(0.25ml)中の7−BOM−バッカチンIII(35)(13.2mg、0.018ミリモル)の溶液に、−45℃で、THF中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1.03M溶液(21μl)を滴下した。−45℃で1時間後、THF(0.25ml)中の(S)−シス−1−ベンゾイル−3−トリエチルシリルオキシ−4−アゼチジン−2−オン(15mg、0.039ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(0.2ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60%酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、粗(2'R,3'S)−2'−トリエチルシリル−7−BOM−タキソール(20.2mg)を得た。
アセトニトリル(0.8ml)およびピリジン(0.3ml)中の(2'R,3'S)−2'−トリエチルシリル−7−BOM−タキソール(20.2mg、0.018ミリモル)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.10ml)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣(17.7mg)を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、7−BOM−タキソール(15.4mg、86%)を得た。
7−BOM−タキソール:m.p 169〜172℃、1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.11(d、J=7.1Hz、2H、ベンゾエート オルト)、7.76(d、J=7.1Hz、1H、ベンズアミド オルト)、7.61〜7.26(m、11H、芳香環)、7.06(d、J=8.8Hz、1H、NH)、6.33(s、1H、H10)、6.17(dd、J=8.8、8.8Hz、1H、H13)、5.79(dd、J=8.8、2.2Hz、1H、H3')、5.67(d、J=6.6Hz、1H、H2b)、4.91(d、J=8.8Hz、1H、H5)、4.87〜4.77(m、3H、H2'、OCH2Ph)、4.67(d、J=12Hz、OCH2O)、4.43(d、J=12Hz、OCH2O)、4.30(d、J=8.2Hz、1H、H20a)、4.19(d、J=8.2Hz、1H、H20b)、4.15(m、1H、H7)、3.70(d、J=6.6Hz、1H、H3)、3.61(d、J=2.5Hz、1H、2'OH)、2.85(m、1H、H6a)、2.35(s、3H、4Ac)、2.30(m、2H、H14)、2.19(s、3H、10Ac)、2.05(m、1H、H6b)、1.78(br s、6H、Me18、Me19)、1.72(s、1H、1OH)、1.19(br s、6H、Me16、Me17)。元素分析計算値C55H59O15x0.5H2Oとして:C67.20;H6.15。実測値C67.08;H6.16。
タキソール
水素で飽和したエタノール(0.6ml)中の10%Pd/カーボン(50mg)の懸濁液に、室温で、エタノール(0.2ml×4)の7−BOM−タキソール(14.4mg、0.0148ミリモル)の溶液を加えた。反応混合物を水素雰囲気中で45分間還流後、酢酸エチルを溶出剤としてシリカゲルで濾過した。減圧下に溶媒を蒸発して、タキソール(11.9mg、94%)を無色針状物として得た。これは、既に同定されているタキソールのサンプルと同じスペクトルを示した。
タキソール:mp.210〜212℃。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ1.15(s、3H、CH3 16)、1.24(s、3H、CH3 17)、1.68(s、3H、CH3 19)、1.75(s、1H、OH1)、1.79(s、3H、CH3 18)、1.90(ddd、J=14.6、11.0、2.3Hz、1H、H6β)、2.26(s、3H、AcO10)、2.33(dd、J=15.4、8.9Hz、1H、H14β)、2.38(dd、J=15.4、8.9Hz、1H、H14α)、2.41(s、3H、AcO4)、2.46(d、J=4.1Hz、1H、OH7)、2.57(ddd、J=10.0、14.6、6.5Hz、1H、H6α)、3.54(d、J=5.0Hz、1H、OH2')、3.82(d、J=6.9Hz、1H、H3α)、4.22(d、J=8.5Hz、1H、H20α)、4.32(d、J=8.5Hz、1H、H20β)、4.42(ddd、J=11.0、6.5、4.1Hz、1H、H7α)、4.81(dd、J=5.0、2.5Hz、1H、H2')、4.96(dd、J=10.0、2.3Hz、1H、H5α)、5.69(d、J=6.9Hz、1H、H2β)、5.81(dd、J=8.7、2.5Hz、1H、H3')、6.25(dd、J=8.9、8.9Hz、1H、H13β)、6.29(s、1H、H10α)、6.98(d、J=8.7Hz、1H、NH)、7.37(m、1H、PhCON−p)、7.46(m、9H、Ph3'、PhCOO2'−m、PhCON−m)、7.62(m、1H、PhCOO−p)、7.76(br d、J=8.7Hz、1H、PhCON−o)、8.16(br d、J=7.3Hz、1H、PhCOO−o)。IR(CHCl3)υ1730、1650cm-1。
10−デアセチルバッカチンIII(36)
ピリジン(30μl、0.36ミリモル)およびアセトニトリル(20μl)中のケトン(33)(P7=MOP、P13=TES)(2.2mg、0.003ミリモル)の混合物に、0℃で、48%HF水溶液(12μl、0.32ミリモル)を加え、溶液を室温に昇温し、36時間撹拌した。次いで、混合物を酢酸エチル(2ml)で希釈し、飽和Na2CO3水溶液(30ml)および酢酸エチル(20ml)を入れた分液漏斗に入れた。水相を酢酸エチル(2×20ml)で抽出し、有機相を合し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、黄色油状物(2.7mg)を得た。これをプラグシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン混合物、および次いで酢酸エチルで溶出)により精製して、(36)(1.5mg)を得た。これは、既に同定されている10−DABのサンプルと同じスペクトルを示した。
バッカチンIII(37)
ピリジン(30μl、0.36ミリモル)およびアセトニトリル(20μl)中のケトン(34)(P7=MOP)(2.1mg、0.003ミリモル)の混合物に、0℃で、48%HF水溶液(12μl、0.32ミリモル)を加え、溶液を室温に昇温し、36時間撹拌した。次いで、混合物を酢酸エチル(2ml)で希釈し、飽和Na2CO3水溶液(30ml)および酢酸エチル(20ml)を入れた分液漏斗に入れた。水相を酢酸エチル(2×20ml)で抽出し、有機相を合し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、黄色油状物(2.7mg)を得た。これをプラグシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン混合物で溶出)により精製して、(37)(1.7mg)を得た。これは、既に同定されているバッカチンIIIのサンプルと同じスペクトルを示した。
反応式A'
ヒドロキシケトン(19)
THF(2.2ml)中のケトン(18)(P7=MOP)(181mg、0.265ミリモル)の激しく撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、THF中のLDAの0.2M溶液(2.13ml、0.426ミリモル)を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。10分後、THF(1.5ml)中の(S)−ショウノウスルホニルオキサジリジン(116mg、0.396ミリモル)の溶液を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。反応混合物を−40℃に冷却し、1時間撹拌後、飽和NaHCO3水溶液(2ml)を加えた。反応混合物を30%酢酸エチル/ヘキサン(50ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)および塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた油状物を、30%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルで濾過し、濃縮して、無色油状物(210mg)を得た。これをラジアルクロマトグラフィー(25%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、5β−ヒドロキシケトン(19)(150mg、81%)を白色固体として、未反応のケトン出発物質(18)(15mg、8%)、および対応する5α−ヒドロキシケトン(10mg、5%)を得た。
19(P7=MOP):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.08(s、3H、TBS CH3)、0.12(s、3H、TBS CH3)、0.62(q、J=8.2Hz、6H、TES CH2)、0.90(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(t、J=8.2Hz、9H、TES CH3)、1.05(s、3H、CH3 19)、1.19(s、3H、CH3 17)、1.33(s、3H、CH3 16)、1.35(s、3H、MOP CH3)、1.43(s、3H、MOP CH3)、1.67(dd、J=5.0、14.7Hz、1H、H9β)、1.87(m、1H、H6β)、2.12(dd、J=4.1、15.1Hz、1H、H14α)、2.14(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、2.23(dd、J=7.3、14.7Hz、1H、H9α)、2.55(dd、J=9.2、15.1Hz、1H、H14β)、2.76(ddd、J=3.7、7.3、13.7Hz、1H、H6α)、3.22(s、3H、MOP OCH3)、3.24(d、J=4.1Hz、1H、OH5)、3.28(d、J=6.0Hz、1H、H3α)、3.83(dd、J=3.7、9.2Hz、1H、H7α)、4.06(ddd、J=4.1、7.3、7.3Hz、1H、H5α)、4.46(dd、J=5.0、7.3Hz、1H、H10β)、4.53(d、J=6.0Hz、1H、H2β)、4.63(dd、J=2.8、9.2Hz、1H、H13β)。
ケトン(20)
CH2Cl2(20ml)およびトリエチルアミン(1.18ml、8.5ミリモル)中の5−ヒドロキシ−4−ケトン(19)(P7=MOP)(420mg、0.602ミリモル)の激しく撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、トリメチルシリルクロリド(0.40ml、3.3ミリモル)を加えた。0.5時間後、反応混合物に飽和NaHCO3水溶液(5ml)を加えて反応を停止し、CHCl3(50ml)で抽出した。有機相を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、ケトン(20)(453mg、98%)を無色油状物とした。これを更に精製することなく使用した。
20(P7=MOP):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.11(s、6H、TBS CH3)、0.12(s、9H、TMS CH3)、0.59(q、J=7.8Hz、6H、TES CH2)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、1.23(s、3H、CH3 17)、1.32(s、3H、CH3 19)、1.33(s、3H、MOP CH3)、1.35(s、3H、CH3 16)、1.37(s、3H、MOP CH3)、1.86(m、3H、H6β、H9α、H9β)、2.05(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、2.43(d、J=3.7Hz、1H、H14β)、2.45(d、J=4.6Hz、1H、H14α)、2.59(ddd、J=6.0、8.2、14.2Hz、1H、H6α)、2.84(d、J=6.0Hz、1H、H3α)、3.21(s、3H、MOP OMe)、3.51(dd、J=6.0、11.0Hz、1H、H7α)、3.94(dd、J=4.1、8.2Hz、1H、H5α)、4.38(dd、J=5.0、8.7Hz、1H、H10β)、4.54(d、J=6.0Hz、1H、H2β)、4.74(dd、J=6.4、6.4Hz、1H、H13β)。
ジオール(21)
THF(23ml)中のケトン(20)(P7=MOP)(453mg、0.588ミリモル)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、エーテル中のMeMgBrの3M溶液(1.95ml、5.85ミリモル)を滴下した。反応混合物を5.5時間撹拌し、飽和NaHCO3水溶液(100ml)に注ぎ、CHCl3(3×100ml)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、ヒドロキシトリメチルシリルエーテル(453mg)を無色油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
ピリジン(8ml)およびアセトニトリル(8ml)中のトリメチルシリルエーテル(453mg)の撹拌した溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.8ml)を加えた。20分間撹拌後、得られた混合物を飽和NaHCO3水溶液(100ml)に注ぎ、CHCl3(3×150ml)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、ジオール(21)(422mg)を得た。これを更に精製することなく使用した。
21(P7=MOP):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.08(s、3H、TBS CH3)、0.10(s、3H、TBS CH3)、0.56(q、J=7.7Hz、6H、TES CH2)、0.90(s、9H、TBS t−Bu)、0.93(t、J=7.7Hz、9H、TES CH3)、1.16(s、3H、CH3 17)、1.25(s、3H、CH3 16)、1.29(s、3H、CH3 19)、1.31(s、3H、CH3 20)、1.38(s、3H、MOP CH3)、1.46(s、3H、MOP CH3)、1.81(d、J=3.8Hz、1H、H3α)、1.86(d、J=9.9Hz、1H、H9β)、1.90(dd、J=6.1、8.3Hz、1H、H9α)、1.96(s、3H、CH3 18)、2.12(ddd、J=3.3、3.3、10.4Hz、1H、H6α)、2.30(m、1H、H6β)、2.42(dd、J=3.9、15.4Hz、1H、H14α)、2.61(dd、J=9.3、15.4Hz、1H、H14β)、2.81(s、1H、OH4)、3.04(m、1H、OH5)、3.40(dd、J=3.9、15.8Hz、1H、H7α)、4.28(dd、J=6.6、8.2Hz、1H、H10β)、4.62(dd、J=1.6、7.8Hz、1H、H13β)、4.66(d、J=3.8Hz、1H、H2β)。
アセテート(22)
ピリジン(12ml)中のジオール(21)(P7=MOP)(470mg、0.66ミリモル)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、無水酢酸(4.5ml)を加えた。11時間後、反応混合物をCHCl3(50ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)に注いだ。水相をCHCl3で抽出後、合した抽出物を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、粗生成物(470mg、(20)に対して94%)を得た。これは、1H−NMRおよびTLC分析によると、純粋なアセテート(22)であった。
22(P5=Ac、P7=MOP):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.13(s、3H、TBS CH3)、0.59(q、J=7.8Hz、6H、TES CH2)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、1.18(s、3H、CH3 17)、1.30(s、3H、CH3 16)、1.32(s、3H、CH3 19)、1.33(s、6H、CH3 20、MOP CH3)、1.41(s、3H、MOP CH3)、1.91(d、J=3.4Hz、1H、H3α)、1.94(m、2H、H9、H9)、2.00(d、J=1.5Hz、3H、CH3 18)、2.06(ddd、J=3.9、3.9、11.7Hz、1H、H6α)、2.10(s、3H、OAc)、2.14(dd、J=11.7、23.9Hz、1H、H6β)、2.38(dd、J=3.9、15.1Hz、1H、H14α)、2.63(dd、J=9.3、15.1Hz、1H、H14β)、2.78(d、J=1.5Hz、1H、OH4)、3.20(s、3H、OMe CH3)、3.38(dd、J=3.9、11.7Hz、1H、H7α)、4.30(dd、J=4.9、10.3Hz、1H、H10β)、4.50(ddd、J=1.5、3.9、12.2Hz、1H、H5α)、4.64(dd、J=1.5、1.5Hz、1H、H13β)、4.66(d、J=3.4Hz、1H、H2β)。
オレフィン(23)
CH2Cl2(1.48ml)およびピリジン(0.37ml)中のアルコール(22)(P5=Ac、P7=MOP)(26mg、0.034ミリモル)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、10℃で、SOCl2(0.037ml、5.1ミリモル)を3分間にわたって加えた。混合物を室温に昇温し、2.3時間撹拌後、CHCl3で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注いだ。水相をCHCl3で抽出後、合した抽出物を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、粗生成物(24)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、7−MOP−エキソ:エンド環式オレフィンの4:1混合物(13mg、52%)、および7−ヒドロキシ−エキソ:エンド環式オレフィンの4:1混合物(6mg、27%)を得た。
23(P5=Ac、P7=MOP):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.12(s、3H、TBS CH3)、0.59(q、J=7.9、6H、TES CH2)、0.93(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(t、J=7.9、9H、TES CH2)、1.21(s、3H、CH3 17)、1.30(s、3H、CH3 19)、1.32(s、3H、MOP CH3)、1.34(s、3H、MOP CH3)、1.37(s、3H、CH3 16)、1.72(m、2H、H6β、H9β)、1.89(dd、J=3.8、13.4Hz、1H、H9β)、2.03(d、J=1.37Hz、3H、CH3 18)、2.05(s、3H、OAc CH3)、2.33(dd、J=5.1、15.4Hz、1H、H14α)、2.47(m、2H、H6α、H14β)、3.06(d、J=5.8Hz、1H、H3α)、3.20(s、3H、MOP OMe)、3.38(dd、J=6.9、11.0Hz、1H、H7α)、4.37(dd、J=3.8、11.0Hz、1H、H10β)、4.53(d、J=5.8Hz、1H、H2β)、4.74(m、1H、H13β)、5.15(s、1H、H20E)、5.21(d、J=1.37Hz、1H、H20Z)、5.36(d、J=9.3Hz、1H、H5α)。
ジオール(24)
ピリジン(4.6ml)中のエキソ:エンド環式オレフィンの4:1混合物(23)(P5=Ac、P7=MOP)(249mg、0.337ミリモル)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、THF中のOsO4の0.157M溶液(2.35ml、0.368ミリモル)を加えた。1時間後、NaHSO3を水(0.2ml)と共に加え、混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注いだ。水相を酢酸エチルで抽出し、合した抽出物を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、粗生成物(281mg)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、純粋なジオール(24)(190mg、73%)およびエノールアセテート(48mg、19%)を得た。
24(P5=Ac、P7=MOP):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.11(s、3H、TBS CH3)、0.60(dq、J=1.5、7.8Hz、6H、TES CH2)、0.87(s、3H、CH3 19)、0.93(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、1.20(s、3H、CH3 17)、1.31(s、3H、CH3 16)、1.33(s、3H、MOP CH3)、1.47(s、3H、MOP CH3)、1.54(dd、J=12.3、25.0Hz、1H、H6β)、1.63(dd、J=5.5、15.1Hz、1H、H9β)、2.05(s、3H、OAc)、2.15(s、3H、CH3 18)、2.26(m、2H、H9α、OH20)、2.37(dd、J=9.2、14.7Hz、1H、H14β)、2.46(ddd、J=4.8、4.8、13.4Hz、1H、H6α)、2.69(d、J=4.5Hz、1H、H3α)、3.18(s、3H、MOP CH3)、3.28(dd、J=3.8、14.7Hz、1H、H14α)、3.76(dd、J=4.0、11.6Hz、1H、H7α)、3.84(m、2H、H20、H20)、3.95(s、1H、OH4)、4.42(dd、J=5.1、5.8Hz、1H、H10β)、4.44(d、J=4.1Hz、1H、H2β)、4.63(dd、J=4.1、12.3Hz、1H、H5α)、4.67(dd、J=4.1、9.2Hz、1H、H13β)。
24(P7=BOM):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.9(s、3H、TBS CH3)、0.10(s、3H、TBS CH3)、0.58(q、J=7.9Hz、2H、TES CH2)、0.83(s、3H、CH3 19)、0.92(s、9H、TBS t−Bu)、0.93(t、J=7.9Hz、TES CH3)、1.20(s、3H、CH3 17)、1.33(s、3H、CH3 16)、1.58(q、J=13.2Hz、1H、H6β)、1.71(dd、J=10.4、5.5Hz、H9β)、2.04(s、3H、OAc)、2.17(br s、3H、CH3 18)、2.20(dd、J=10.4、3.8Hz、1H、H9α)、2.35(dd、J=14.8、9.1Hz、1H、H14β)、2.43(dt、J=13.2、5.0Hz、1H、H6α)、2.80(d、J=4.6Hz、1H、H3α)、3.31(dd、J=4.4、14.8Hz、1H、H14α)、3.71(dd、J=4.9、13.0Hz、1H、H7α)、3.83(m、2H、H20)、3.98(s、1H、OH1)、4.46(d、J=4.8Hz、1H、H2β)、4.48(m、1H、H10β)、4.51(d、J=12.1Hz、1H、PhCH2O)、4.64(dd、J=13.2、5.0Hz、1H、H5α)、4.66(m、1H、H13β)、4.70(d、J=12.1Hz、1H、PhCH2O)、4.83(d、J=7.1Hz、1H、OCH2O)、4.94(d、J=7.1Hz、1H、OCH2O)、7.33(m、5H、Ph)。
トリオール(25)
無水メタノール(0.9ml)中のアセトキシジオール(24)(P5=Ac、P7=MOP)(26.5mg、0.035ミリモル)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、−5℃で、ナトリウムメトキシドの0.166Mメタノール溶液(0.060ml、0.01ミリモル)を加えた。2.5時間後、反応混合物を酢酸エチル(10ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(10ml)に注いだ。有機相を飽和NaHCO3水溶液(10ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、純粋なトリオール(25)(25mg、100%)を得た。
25(P7=MOP):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.11(s、3H、TBS CH3)、0.60(q、J=8.06Hz、6H、TES CH2)、0.87(s、3H、CH3 19)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=8.1Hz、9H、TES CH3)、1.19(s、3H、CH3 17)、1.31(s、3H、CH3 16)、1.33(s、3H、MOP CH3)、1.47(s、3H、MOP CH3)、1.59(dd、J=11.7、11.7Hz、1H、H6β)、1.62(dd、J=5.5、16.1Hz、1H、H9β)、2.11(d、J=0.7Hz、3H、CH3 18)、2.24(dd、J=5.5、16.1Hz、1H、H9α)、2.38(dd、J=9.5、15.0Hz、1H、H14β)、2.45(ddd、J=4.4、4.4、13.6Hz、1H、H6α)、2.60(d、J=4.4Hz、1H、H3α)、3.21(s、3H、MOP OMe)、3.25(dd、J=4.4、15.0Hz、1H、H14α)、3.52(dd、J=4.4、12.8Hz、1H、H7α)、3.72(dd、J=4.4、11.4Hz、1H、H5α)、3.79(s、1H、OH4)、3.86(d、J=11.0、1H、H20)、3.93(d、J=11.4Hz、1H、H20)、4.42(dd、J=5.1、5.1Hz、1H、H10β)、4.45(d、J=4.4Hz、1H、H2β)、4.66(dd、J=4.0、9.2Hz、1H、H13β)。
p−メトキシベンジリデンアセタール(25b)
CH2Cl2中の、ジオール(24)(P5=Ac、P7=BOM)(6.5mg、0.0079ミリモル)およびアニスアルデヒドジメチルアセタール(0.013ml、0.076ミリモル)の撹拌した溶液に、p−トルエンスルホン酸溶液(0.002ml、THF中0.1M、0.0002ミリモル)を加えた。得られた溶液を室温で15分間撹拌後、トリエチルアミン(0.1ml)を加え、10分間撹拌を続けた。混合物を30%酢酸エチル/ヘキサン(15ml)に濯ぎ入れた後、水相を30%酢酸エチル/ヘキサン(2×5ml)で抽出した。合した抽出物を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、無色油状物(12mg)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、p−メトキシベンジリデンアセタール(25b)(6.9mg、96%)をジアステレオマーの5:1混合物として得た。
25b(P5=Ac、P7=BOM、主なジアステレオマー):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ−0.05(s、3H、TBS CH3)、0.07(s、3H、TBS CH3)、0.60(q、J=7.9Hz、2H、TES CH2)、0.78(s、3H、CH3 19)、0.82(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=7.9Hz、TES CH3)、1.25(s、3H、CH3 17)、1.37(s、3H、CH3 16)、1.58(m、H6β)、1.70(dd、J=16.8、5.8Hz、H9β)、1.74(s、3H、OAc)、2.26(s、3H、CH3 18)、2.28(dd、J=16.8、1.4Hz、1H、H9α)、2.38(dd、J=15.1、9.7Hz、1H、H14β)、2.57(dt、J=5.1、9.9Hz、1H、H6α)、3.10(dd、J=5.1、14.7Hz、1H、H14α)、3.11(d、J=4.8Hz、1H、H3α)、3.79(s、3H、OCH3)、3.84(dd、J=5.0、11.5Hz、1H、H7α)、4.15(d、J=8.2Hz、1H、H20)、4.20(d、J=8.2Hz、1H、H20)、4.48(d、J=12.0Hz、1H、OCH2Ph)、4.55(d、J=4.8Hz、1H、H2β)、4.57(m、1H、H10β)、4.71(d、J=12.0Hz、1H、OCH2Ph)、4.73(m、1H、H13β)、4.78(dd、J=12.4、4.9Hz、1H、H5α)、4.84(d、J=6.7Hz、1H、OCH2O)、4.99(d、J=6.7Hz、1H、OCH2O)、6.05(s、1H、アセタールCH)、6.80(d、J=7.5Hz、2H、p−MeOPh−o)、7.27〜7.36(m、7H、p−MeOPh−mおよびPh)。
アセトニド(26b)
トルエン(0.4ml)中のp−メトキシベンジリデンアセタール(25b)(P5=Ac、P7=BOM)(11.5mg、0.012ミリモル)の撹拌した溶液に、0℃で、水素化ジイソブチルアルミニウム溶液(0.082ml、トルエン中2.0M、0.12ミリモル)を加えた。得られた溶液を3.5時間撹拌後、メタノール(0.1ml)を加えた。混合物を酢酸エチル(5ml)で希釈し、飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液と共に1.5時間撹拌した。水相を分離し、酢酸エチル(2×10ml)で抽出した後、合した抽出物を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。濾過し、濾液を減圧下に濃縮して、粗生成物(12mg)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、ホルメートアセタール混合物(4.7mg)、4−MPM−1,2,5,20−テトラオール(1.1mg)、およびホルメートp−メトキシベンジルエーテル混合物(5.2mg)を得た。
ホルメートアセタール混合物をメタノール(0.1ml)に溶解し、3%NH4OH水溶液を加えた。濁った混合物を室温で30分間撹拌した後、酢酸エチルおよび飽和NaHCO3水溶液に濯ぎ入れた。水相を酢酸エチル(2×10ml)で抽出し、合した抽出物を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、p−メトキシベンジリデンアセタールの混合物を得た。このアセタール混合物をトルエン(0.4ml)に溶解し、0℃に冷却後、水素化ジイソブチルアルミニウム溶液(0.02ml、トルエン中2.0M、0.08ミリモル)を加えた。得られた溶液を3.5時間撹拌後、メタノール(0.1ml)を加えた。混合物を酢酸エチル(5ml)で希釈し、飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液と共に1.5時間撹拌した。水相を分離し、酢酸エチル(2×10ml)で抽出した後、合した抽出物を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。濾過し、濾液を減圧下に濃縮して、粗生成物(4.5mg)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、4−MPM−1,2,5,20−テトラオール(2.8mg)を得た。
ホルメートp−メトキシベンジルエーテル混合物をメタノール(0.1ml)に溶解し、3%NH4OH水溶液(0.1ml)を加えた。濁った混合物を室温で30分間撹拌した後、酢酸エチルおよび飽和NaHCO3水溶液に濯ぎ入れた。水相を酢酸エチル(2×10ml)で抽出し、合した抽出物を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、粗生成物(4.8mg)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、4−MPM−1,2,5,20−テトラオール(3.2mg)を得た。4−MPM−1,2,5,20−テトラオールの総収率は、(25b)に対して68%であった。
4−MPM−1,2,5,20−テトラオール:1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.13(s、3H、TBS CH3)、0.06(s、3H、TBS CH3)、0.60(q、J=8.0Hz、2H、TES CH2)、0.89(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=8.0Hz、TES CH3)、0.97(s、3H、CH3 19)、1.22(s、3H、CH3 17)、1.30(s、3H、CH3 16)、1.83(dd、J=16.8、5.8Hz、H9α)、1.91(q、J=12.4Hz、1H、H6β)、2.12(m、2H、H9αおよび14β)、2.18(s、3H、CH3 18)、2.55(m、2H、H14βおよび6α)、2.79(d、J=5.3Hz、1H、H3α)、2.95(d、J=3.0Hz、1H、OH5)、3.54(m、1H、OH20)、3.66(dd、J=10.3、5.3Hz、1H、H2β)、3.81(s、3H、OCH3)、3.85(dd、J=5.2、11.6Hz、1H、H7α)、3.91(dt、J=5.9、12.4Hz、1H、H5α)、4.18(s、1H、OH1)、4.13(d、J=13Hz、1H、H20)、4.20(dd、J=7.22、12.9Hz、1H、H20)、4.47(d、J=11.8Hz、1H、OCH2Ph)、4.58(m、1H、H10β)、4.79(g、J=11.8Hz、1H、OCH2Ph)、4.85(m、1H、H13β)、4.87(d、J=6.8Hz、1H、OCH2O)、5.01(d、J=10.6Hz、1H、MPM CH2)、5.10(d、J=6.8Hz、1H、OCH2O)、5.11(d、J=10.6Hz、1H、MPM CH2)、5.49(d、J=10.5Hz、1H、OH2)、6.87(d、J=8.7Hz、2H)、7.30(d、J=8.7Hz、2H、p−MeOPh−o)、7.27〜7.36(m、5H、p−MeOPh−mおよびPhCH2)。
CH2Cl2(0.2ml)および2,2−ジメトキシプロパン(0.02ml)中で撹拌した4−MPM−1,2,5,20−テトラオール(2.0mg、0.0023ミリモル)の溶液に、0℃で、p−トルエンスルホン酸溶液(0.002ml、THF中0.1M、0.0002ミリモル)を加えた。得られた溶液を20分間撹拌後、トリエチルアミン(0.1ml)を加え、10分間撹拌を続けた。混合物を酢酸エチル(10ml)および飽和NaHCO3水溶液に濯ぎ入れ、水相を酢酸エチル(2×5ml)で抽出した。合した抽出物を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、粗生成物(2.1mg)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、アセトニド(26b)(1.1mg)を得た。
26b(P520=C(CH3)2、P7=BOM):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ−0.073(s、3H、TBS CH3)、0.008(s、3H、TBS CH3)、0.60(q、J=7.9Hz、6H、TES CH2)、0.79(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=7.9Hz、9H、TES CH3)、1.10(s、3H、CH3 19)、1.25(s、3H、CH3 17)、1.34(s、3H、CH3 16)、1.41(s、3H、CH3アセトニド)、1.46(s、3H、CH3アセトニド)、1.88(dd、J=16.7、5.5Hz、H9β)、2.08(dd、J=14.3、9.2Hz、1H、H14β)、2.17(s、3H、CH3 18)、2.21(dd、J=17.1、1.7Hz、1H、H9α)、2.42(dd、J=14.3、7.2Hz、1H、H14α)、2.61(d、J=5.1Hz、1H、H3α)、2.62(m、1H、H6β)、3.71(dd、J=11.3、5.1Hz、1H、H2β)、3.75(dd、J=5.0、11.3Hz、1H、H7α)、3.80(s、3H、OCH3)、3.99(dd、J=12.0、6.2Hz、1H、H5α)、4.01(d、J=14.2Hz、1H、H20)、4.17(s、1H、OH1)、4.44(d、J=14.2Hz、1H、H20)、4.47(d、J=11.6Hz、1H、OCH2Ph)、4.58(m、1H、H10β)、4.80(d、J=11.6Hz、1H、OCH2Ph)、4.84(d、J=11.3Hz、1H、OH2)、4.85(m、1H、H13β)、4.88(d、J=10.3Hz、1H、OCH2O)、4.89(d、J=6.8Hz、1H、MPM CH2)、5.00(d、J=10.3Hz、1H、OCH2Ph)、5.10(d、J=6.8Hz、1H、MPM CH2)、6.85(d、J=8.9Hz、2H、p−MeOPh−o)、7.27(d、J=8.9Hz、2H、p−MeOPh−m)、7.27〜7.36(m、5H、PhCH2)。
ジオールカーボネート(27b)
CH2Cl2(0.2ml)およびピリジン(0.02ml)中のジオール(26b)(P520=C(CH3)2、P7=BOM)(1.1mg)の撹拌した溶液に、−78℃で、ホスゲン溶液(0.010ml、トルエン中2M、0.02ミリモル)を加えた。得られた溶液を−78℃で10分間撹拌後、0℃に3時間昇温した。混合物を30%酢酸エチル/ヘキサン(5ml)で希釈後、30%酢酸エチル/ヘキサン(10ml)および飽和NaHCO3水溶液に注いだ。水相を30%酢酸エチル/ヘキサン(2×5ml)で抽出後、合した抽出物を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、粗生成物(1.3mg)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、純粋な1,2−環状カーボネート(0.9mg)を得た。
THF(0.1ml)およびメタノール(0.05ml)中で撹拌したカーボネートの溶液に、ピリジニウムトシレート溶液(0.005ml、CH2Cl2中0.1M)を加えた。混合物を室温で24時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウムおよび酢酸エチルに分配した。酢酸エチル相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発して、ジオール(27b)(0.9mg)を得た。
27b(P7=BOM):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ−0.24(s、3H、TBS CH3)、−0.038(s、3H、TBS CH3)、0.58(q、J=8.1Hz、6H、TES CH2)、0.84(s、9H、TBS t−Bu)、0.93(t、J=8.1Hz、9H、TES CH3)、1.14(s、3H、CH3 19)、1.19(s、3H、CH3 17)、1.34(s、3H、CH3 16)、1.88(br d、J=17Hz、H9β)、2.00(br q、J=12Hz、1H、H6β)、2.08(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、2.2(m、2H、H9αおよび14β)、2.35(br s、1H、H3α)、2.39(dt、J=4.8、13Hz、H6α)、2.74(br s、1H、20 OH)、2.87(dd、J=15.1、5.1Hz、1H、H14α)、3.71(dd、J=11.3、5.1Hz、1H、H2β)、3.58(br s、2H、H7αおよび20 OH)、3.78(s、3H、OCH3)、3.78(br m、1H、H5α)、4.37(dd、J=13.0、5.8Hz、1H、H20)、4.39(dd、J=4.8、5.8Hz、1H、H10β)、4.47(m、2H、H20および2β)、4.59(d、J=11.6Hz、1H、OCH2Ph)、4.63(br m、1H、H13β)、4.71(d、J=11.6Hz、1H、OCH3Ph)、4.88(d、J=7.2Hz、1H、OCH2O)、4.91(d、J=7.2Hz、1H、OCH2O)、4.93(m、2H、MPM CH2)、6.84(d、J=8.6Hz、2H、p−MeOPh−o)、7.23(d、J=8.6Hz、2H、p−MeOPh−m)、7.27〜7.36(m、5H、PhCH2)。
メシレート(28b)
ピリジン(0.6ml)中のジオール(27b)(0.9mg)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、メタンスルホニルクロリド(0.02ml)を滴下した。12時間後、飽和NaHCO3水溶液(0.05ml)を加えた。混合物を10分間撹拌し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、40%酢酸エチル/ヘキサン(3×20ml)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、(28b)(1mg)を無色油状物として得た。
オキセタン(29)
トルエン(0.4ml)中のメシレート(28b)(1mg)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、ジイソプロピルエチルアミン(0.008ml)を加えた。溶液を3.5時間還流し、室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(1.5mg)を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、MPMオキセタン(1mg)を得た。これを塩化メチレン(1mg)に溶解し、0.1Mホスフェート緩衝液(0.1ml)およびDDQ(1mg)を加え、混合物を周囲温度で2時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、油状物(1.0mg)を得た。この物質(1mg)とジメチルアミノピリジン(1.5mg)とをピリジン(10μl)に溶解し、窒素雰囲気中、室温で撹拌しながら、無水酢酸(5μl)を加えた。溶液を15時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、10%CuSO4水溶液(20ml)に注ぎ、酢酸エチル(20ml×3)で抽出した。合した有機相を飽和NaHCO3水溶液で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(2mg)を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(25%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、オキセタン(29)(0.6mg)を得た。
以上のような記載により、本発明の目的が達成されることがわかるであろう。
以上の記載において、本発明の範囲を外れることなく種々の変更を加え得るので、以上の記載は説明のためのもので、本発明を制限するものではない。
本発明は、タキソール(taxol)、および他の三環および四環タキサンの製法、並びにそれらの新規中間体に関する。
タキサン類のテルペン(タキソールはその一種である)は、生物学および化学の両分野で高い関心が持たれている。タキソールは、抗白血病および腫瘍抑制活性スペクトルの広い、有望な癌化学療法剤である。タキソールは構造式:
[式中、Acはアセチルである。]
で示される。
タキソールは、タクサス・ブレビフォリア(Taxus brevifollia)(西洋イチイ)の樹皮から現在供給されている。しかし、タキソールは、そのような成長の遅い常緑樹の樹皮中に少量しか存在しない。そこで近年、化学者は、タキソールの可能な合成経路の発見に力を注いでいる。これまでのところ、その成果は充分満足できるものではない。
タキソール合成のための半合成方法が、グリーン(Greene)らのザ・ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(JACS)110、5917(1988)に記載されており、それによると、式II:
で示される、タキソール同種化合物の10−デアセチルバッカチンIII(10−deacetyl baccatin III)を使用する。10−デアセチルバッカチンIIIは、タクサス・バッカータ(Taxus baccata)の針葉から得られるので、タキソールよりも入手し易い。グリーンらの方法によると、10−デアセチルバッカチンIII(「10−DAB」)に、C−10アセチル基を結合し、C−13アルコールをβ−アミドカルボン酸単位でエステル化することによってC−13β−アミドエステル側鎖を結合して、タキソールに変換する。
デニス(Denis)らの米国特許第4924011号には、式:
[式中、R'は水素またはアセチルである。]
で示されるバッカチンIIIまたは10−デアセチルバッカチンIIIの誘導体を合成する別法が開示されている。それによると、式:
[式中、R1はヒドロキシ保護基である。]
で示される酸を、式:
[式中、R2はアセチルヒドロキシ保護基であり、R3はヒドロキシ保護基である。]
で示されるタキサン誘導体と縮合させ、次いで保護基R1、R3および場合によりR2を、水素と置き替える。
近年、腫瘍抑制作用を有するタキソールおよびタキサンの半合成的製法が他にも報告されているが、それらはいずれも、10−DABまたはバッカチンIIIを出発物質として必要とする。従って、タキソールおよび他のタキサン誘導体の供給は、遠隔地からの種々の植物部位の収集と、そこからの10−DABおよび/またはバッカチンIIIの抽出とに、少なくともある程度依存している。
発明の概要
本発明の目的は、タキソールおよび他の四環タキサンの合成法を提供すること;高ジアステレオ選択的なそのような方法を提供すること;比較的高収率のそのような方法を提供すること;並びに重要な中間体およびその合成法を提供することを包含する。
すなわち、本発明は、タキソール、並びに他の三環および四環タキサンの製法に関する。
本発明の一態様においては、本発明の方法は、式:
で示される化合物と、BrMgN(iPr)2、アルデヒド(またはケトン)、および次いでホスゲンおよびアルコールと反応させて、式:
で示される化合物を生成することを含んで成る
[式中、
R1は水素または保護ヒドロキシ;
R2は水素または保護ヒドロキシ;
R3はオキソ;
R7bは水素、アルキル、シアノ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、または−OCOR36;
R7cおよびR7dはそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
R9は水素、保護ヒドロキシ、またはオキソ;
R10は−OP10;
R13は−OP13;
R36は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
P10およびP13はヒドロキシ保護基。]。
本発明の他の態様においては、本発明の方法は、式:
で示される化合物と、リチウムテトラメチルピペリジドとを反応させて、式:
で示される化合物を生成することを含んで成る
[式中、
R1は水素または保護ヒドロキシ;
R7cは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
R9は水素、保護ヒドロキシ、またはオキソ;
P10およびP13はヒドロキシ保護基。]。
本発明の他の態様においては、本発明の方法は、式:
で示される化合物と、リチウムテトラメチルピペリジドおよびショウノウスルホニルオキサジリジンとを反応させて、式:
で示される化合物を生成することを含んで成る
[式中、
R9は水素、保護ヒドロキシ、またはオキソ;
R7cは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
P10およびP13はヒドロキシ保護基。]。
本発明の他の態様においては、本発明の方法は、式:
で示される化合物と、水素化物還元剤、好ましくはRed−Alとを反応させて、式:
で示される化合物を生成することを含んで成る
[式中、
R9は水素、保護ヒドロキシ、またはオキソ;
R7cは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
P10およびP13はヒドロキシ保護基。]。
本発明の他の態様においては、本発明の方法は、式:
で示される化合物と、リチウムジイソプロピルアミドとを反応させて、式:
で示される化合物を生成することを含んで成る
[式中、
Rは低級アルキル、
R1は水素、保護ヒドロキシ、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、保護ヒドロキシ、またはR1と共にカーボネートを形成;
R9は水素、保護ヒドロキシ、またはオキソ;
P10およびP13はヒドロキシ保護基。]。
本発明の他の態様においては、本発明の方法は、式:
で示される化合物と、DBUとを反応させて、式:
で示される化合物を生成することを含んで成る
[式中、
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR30、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR31、またはR1と共にカーボネートを形成;
R4aは水素、アルキル、ヒドロキシ、もしくは保護ヒドロキシ、またはR2と共にカーボネートを形成;
R4bはヒドロキシメチレン;
R5は−OMs、−OTs、またはブロミド;
R7aは水素、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR34、またはR9と共にカーボネートを形成;
R9は水素、オキソ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR33、またはR7aもしくはR10と共にカーボネートを形成;
R10は水素、オキソ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR29、またはR9と共にカーボネートを形成;
R13はヒドロキシ保護基;
R29、R30、R31、R33およびR34はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール。]。
本発明の他の態様においては、本発明の方法は、式:
で示される化合物と、KOtBuおよび(PhSeO)2Oとを反応させて、式:
で示される化合物を生成し、これを、更なるKOtBu、シリカゲル、または他の酸もしくは塩基の存在下に、あるいは加熱によって転位して、式:
で示される化合物を生成することを含んで成る
[式中、
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR30、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR31、またはR1もしくはR4aと共にカーボネートを形成;
R4aは水素、アルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR27、R4bと共にオキソを形成、またはR2、R4bもしくはR5と共にカーボネートを形成;
R4bは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、R4aと共にオキソを形成、R4aもしくはR5と共にカーボネートを形成、またはR5およびそれらの結合する炭素と共にオキセタン環を形成;
R5は水素、保護ヒドロキシ、−OCOR37、R4aもしくはR4bと共にカーボネートを形成、またはR4bおよびそれらの結合する炭素と共にオキセタン環を形成;
R7aは水素、ハロゲン、保護ヒドロキシ、または−OCOR34;
R13はヒドロキシ保護基;
R27、R30、R31、R34およびR37はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール。]。
本発明の方法は、下記式(1)で示されるタキサンの合成に適用し得る:
[式中、
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、または−OCOR30;
R2は水素、ヒドロキシ、−OCOR31、またはオキソ;
R4aは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ヒドロキシ、−OCOR27、またはR4bと共にオキソ、オキシランもしくはメチレンを形成;
R4bは水素、R4aと共にオキソ、オキシランもしくはメチレンを形成、またはR5およびそれらが結合する炭素原子と共にオキセタン環を形成;
R5は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR37、オキソ、またはR4bおよびそれらが結合する炭素原子と共にオキセタン環を形成;
R7aは水素、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR34、オキソ、または−OR28;
R9は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシルオキシまたはオキソ;
R10は水素、−OCOR29、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはオキソ;
R13はヒドロキシ、保護ヒドロキシ、MO−または
R28はタキサンの溶解性を高める官能基;
R27、R29、R30、R31、R34およびR37はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X1は−OX6、−SX7または−NX8X9;
X2は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
X3およびX4はそれぞれ、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
X5は−COX10、−COOX10、−COSX10、−CONX8X10または−SO2X11;
X6は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ保護基、またはタキサン誘導体の水溶性を高める官能基;
X7はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはスルフヒドリル保護基;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール;
X9はアミノ保護基;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール;
X11はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−OX10または−NX8X14;
X14は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
Mはアンモニウムを含んで成るか、または金属。]。
本発明は更に、三環または四環タキサンの合成に使用する下記式(5)で示される中間体にも関する:
[式中、
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR30、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR31、またはR1と共にカーボネートを形成;
R3は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR32、またはオキソ;
R8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
R9は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソもしくは−OCOR33、またはR10と共にカーボネートを形成;
R10は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソもしくは−OCOR29、またはR9と共にカーボネートを形成;
R13は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR35、またはMO−;
R29、R30、R31、R32、R33およびR35はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
Mはアンモニウムを含んで成るか、または金属。]。
本発明は更に、三環または四環タキサンの合成に使用する下記式(8)で示される中間体にも関する:
[式中、
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR30、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR31、またはR1と共にカーボネートを形成;
R3は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR32、もしくはオキソ、またはR7bと共にカーボネートを形成;
R7bは水素、アルキル、シアノ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR36、またはR3もしくはR9と共にカーボネートを形成;
R7cおよびR7dはそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
R9は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR33、またはR7bもしくはR10と共にカーボネートを形成;
R10は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR29、またはR9と共にカーボネートを形成;
R13は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR35、またはMO−;
R29、R30、R31、R32、R33、R35およびR36はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
Mはアンモニウムを含んで成るか、または金属。]。
本発明は更に、三環または四環タキサンの合成に使用する下記式(11)で示される中間体にも関する:
[式中、
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR30、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR31、またはR1と共にカーボネートを形成;
R3は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、または−OCOR32;
R7bは水素、アルキル、シアノ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、または−OCOR36;
R7cは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
R9は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR33、またはR10と共にカーボネートを形成;
R10は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR29、またはR9と共にカーボネートを形成;
R13は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR35、またはMO−;
R29、R30、R31、R32、R33、R35およびR36はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
Mはアンモニウムを含んで成るか、または金属。]。
本発明は更に、三環または四環タキサンの合成に使用する下記式(16)で示される中間体にも関する:
[式中、
RはC1−C8アルキル;
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR30、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR31、またはR1と共にカーボネートを形成、もしくはR4aと共にカーボネートを形成;
R4aは水素、アルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR27、またはR2と共にカーボネートを形成;
R7aは水素、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OR28、−OCOR34、またはR9と共にカーボネートを形成;
R9は水素、オキソ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OR28、もしくは−OCOR33、またはR7aもしくはR10と共にカーボネートを形成;
R10は水素、オキソ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OR28、もしくは−OCOR29、またはR9と共にカーボネートを形成;
R13は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR35、またはMO−;
R28はタキサン誘導体の溶解性を高める官能基;
R27、R29、R30、R31、R33、R34およびR35はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
Mはアンモニウムを含んで成るか、または金属。]。
本発明は更に、三環または四環タキサンの合成に使用する下記式(26a)で示される中間体にも関する:
[式中、
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR30、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR31、またはR1もしくはR4aと共にカーボネートを形成;
R4aは水素、アルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR27、R4bと共にオキソを形成、またはR2、R4bもしくはR5と共にカーボネートを形成;
R4bは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、もしくはシアノ、R4aと共にオキソを形成、R4aもしくはR5と共にカーボネートを形成、またはR5およびそれらが結合する炭素原子と共にオキセタン環を形成;
R5は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR37、オキソ、R4aもしくはR4bと共にカーボネートを形成、またはR4bおよびそれらが結合する炭素原子と共にオキセタン環を形成;
R7aは水素、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OR28、もしくは−OCOR34、またはR9と共にカーボネートを形成;
R9は水素、オキソ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OR28、もしくは−OCOR33、またはR7aもしくはR10と共にカーボネートを形成;
R10は水素、オキソ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OR28、もしくは−OCOR29、またはR9と共にカーボネートを形成;
R13は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR35、MO−、または
R28はタキサン誘導体の溶解性を高める官能基;
R27、R29、R30、R31、R33、R34、R35およびR37はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X1は−OX6、−SX7または−NX8X9;
X2は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
X3およびX4はそれぞれ、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
X5は−COX10、−COOX10、−COSX10、−CONX8X10または−SO2X11;
X6は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ保護基、またはタキサン誘導体の水溶性を高める官能基;
X7はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはスルフヒドリル保護基;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X9はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X11はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−OX10または−NH8X14;
X14は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
Mはアンモニウムを含んで成るか、または金属。]。
本発明の他の目的および特徴は、部分的には自明であり、部分的には以下の説明において示す。
好ましい態様の詳細な説明
本発明において、“Ar"はアリール;“Ph"はフェニル;“Me"はメチル;“Et"はエチル;“iPr"はイソプロピル;“tBu"および“t−Bu"はt−ブチル;“R"は特記しない限り低級アルキル;“Ac"はアセチル;“py"はピリジン;“TES"はトリエチルシリル;“TMS"はトリメチルシリル;“TBS"はMe2t−BuSi−;“Tf"は−SO2CF3;“BMDA"はBrMgNiPr2;“Swern"は(COCl)2,Et3N;“LTMP"はリチウムテトラメチルピペリジド;“MOP"は2−メトキシ−2−プロピル;“BOM"はベンジルオキシメチル;“LDA"はリチウムジイソプロピルアミド;“LAH"は水素化アルミニウムリチウム;“Red−Al"は水素化ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム;“Ms"はCH3SO2−;“TASF"はトリス(ジエチルアミノ)スルホニウムジフルオロトリメチルシリケート;“Ts"はトルエンスルホニル;“TBAF"は水素化テトラブチルアンモニウム;“TPAP"は過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム;“DBU"はジアザビシクロウンデカン;“DMAP"はp−ジメチルアミノピリジン;“LHMDS"はリチウムヘキサメチルジシラジド;“DMF"はジメチルホルムアミド;“AIBN"はアゾ−(ビス)−イソブチロニトリル;“10−DAB"は10−デスアセチルバッチカンIII;“FAR"は2−クロロ−1,1,2−トリフルオロトリエチルアミン;“mCPBA"はメタクロロ過安息香酸;“DDQ"はジシアノジクロロキノンである。“スルフヒドリル保護基”はヘミチオアセタール、例えば1−エトキシエチルおよびメトキシメチル、チオエステル、またはチオカーボネートを包含するが、それらに限定されない。“アミン保護基”はカルバメート、例えば2,2,2−トリクロロエチルカルバメートまたはt−ブチルカルバメートを包含するが、それらに限定されない。“保護ヒドロキシ”は−OP(Pはヒドロキシ保護基)である。“ヒドロキシ保護基”は炭素数2〜10のアセタール;炭素数2〜10のケタール;エーテル、例えばメチル、t−ブチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、アリル、トリチル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、エトキシエチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、およびトリアルキルシリルエーテル(例えばトリメチルシリルエーテル、トリエチルシリルエーテル、ジメチルアリールシリルエーテル、トリイソプロピルシリルエーテルおよびt−ブチルジメチルシリルエーテル);エステル、例えばベンゾイル、アセチル、フェニルアセチル、ホルミル、モノ−、ジ−およびトリハロアセチル(例えばクロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル);カーボネート、例えば炭素原子数1〜6のアルキルカーボネート(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチルおよびn−ペンチル)、炭素原子数1〜6で、1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルカーボネート(例えば2,2,2−トリクロロエトキシメチルおよび2,2,2−トリクロロ−エチル)、炭素原子数2〜6のアルケニルカーボネート(例えばビニルおよびアリル)、炭素原子数3〜6のシクロアルキルカーボネート(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル)、1個またはそれ以上のC1-6アルコキシまたはニトロで環が置換されていることもあるフェニルまたはベンジルカーボネートを包含するが、それらに限定されない。他のヒドロキシ、スルフヒドリルおよびアミン保護基は、「プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)」、ティ・ダブリュ・グリーン(T.W.Greene)、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、1981を参照し得る。
アルキル基は、好ましくは、主鎖の炭素原子数1〜6で、炭素原子数15までの低級アルキルである。アルキル基は直鎖または分枝状であってよく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシルなどを包含する。アルキル基は、本明細書中に記載の種々の置換基(ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロ置換ヘテロアリールを包含する)で、炭化水素またはヘテロ置換されていてよい。
アルケニル基は、好ましくは、主鎖の炭素原子数2〜6で、炭素原子数15までの低級アルケニルである。アルケニル基は直鎖または分枝状であってよく、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ヘキセニルなどを包含する。アルケニル基は、本明細書中に記載の種々の置換基(アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロ置換ヘテロアリールを包含する)で、炭化水素またはヘテロ置換されていてよい。
アルキニル基は、好ましくは、主鎖の炭素原子数2〜6で、炭素原子数15までの低級アルキニルである。アルキニル基は直鎖または分枝状であってよく、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ヘキシニルなどを包含する。アルキニル基は、本明細書中に記載の種々の置換基(アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロ置換ヘテロアリールを包含する)で、炭化水素またはヘテロ置換されていてよい。
アリール基は、炭素原子数6〜15で、フェニルを包含する。アリール基は、本明細書中に記載の種々の置換基(アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアリール、およびヘテロ置換ヘテロアリールを包含する)で、炭化水素またはヘテロ置換されていてよい。フェニルが好ましいアリールである。
ヘテロアリール基は、炭素原子数5〜15で、フリル、チエニル、ピリジルなどを包含する。ヘテロアリール基は、本明細書中に記載の種々の置換基(アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、アリール、およびヘテロ置換ヘテロアリールを包含する)で、炭化水素またはヘテロ置換されていてよい。
アシル基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール基を有する。
アルコキシカルボニルオキシ基は、低級アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリール基を有する。
炭化水素置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールであり得る。ヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールおよびヘテロアリール基のヘテロ置換基は、窒素、酸素、イオウ、ハロゲン、および/または1〜6個の炭素を含み、低級アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ)、ハロゲン(例えばクロロまたはフルオロ)、およびニトロ、ヘテロアリール(例えばフリルまたはチエニル)、アルカンオキシ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、ニトロ、アミノ、およびアミドを包含する。
バッカチンIIIまたは10−DABの合成例を、下記反応式Aに示す。出発物質であるジオール(2)は、市販のパチノ(patchino)(通常、B−パチュリンエポキシド(B−patchouline epoxide)として知られる)から合成し得る。パチノをまず、有機金属試薬、例えばt−ブチルリチウムと反応させ、次いで有機過酸化物、例えばt−ブチルパーオキシドで、チタンテトライソプロポキシドの存在下に酸化して、第三級アルコールを生成する。この第三級アルコールを次いでルイス酸(例えば三フッ化ホウ素)と、40〜−100℃の低温で、酸(例えばトリフルオロメタンスルホン酸)の存在下に反応させる。ジオール(2)の合成のための反応式および実験的記述は、米国特許第4876399号に示されている。
反応式A中、P5はTMS、P7はMOPまたはBOM、P10はTES、P13はTBS、Rは化合物(6)および(7)においてはエチル、化合物(15)、(16)、(17)においてはメチル、化合物(24aa)および(26a)においてはMs、化合物(26aa)においてはTsである。P5、P7、P10およびP13は他のヒドロキシ保護基であってもよく、Rは、化合物(6)、(7)、(15)、(16)および(17)において他の低級アルキル置換基を包含し得ると理解すべきである。
反応式Aに示すように化合物(18)を導く反応および化合物(29)以降の反応を行い、化合物(18)から(29)への反応を、反応式Aとは異なり、反応式A'に示すように行うこともできる。
反応式A'中、P5はTMSまたはAc、P7はMOPまたはBOM、P10はTES、P13はTBS、P520はアセタールまたはケタール(好ましくはアセトニド)である。P5、P7、P10、P13およびP520は、他のヒドロキシ保護基であってもよいと理解すべきである。
C13側鎖を有する三環および四環タキサンは通例、β−ラクタムと、タキサン三環または四環核およびC−13金属オキシド置換基を有するアルコキシドとを反応させて、β−アミドエステル置換基をC−13に有する化合物を形成することによって合成し得る。β−ラクタムは、構造式:
[式中、X1〜X5は前記と同意義である。]
で示される。三環または四環タキサン核、およびC−13金属オキシドまたはアンモニウムオキシド置換基を有するアルコキシドは、構造式:
[式中、R1、R2、R4a、R4b、R5、R6、R6a、R7a、R9およびR10は前記と同意義であり、R13は−OMであり、Mはアンモニウムを含んで成るか、またはI A族、II A族、遷移金属(ランタニドおよびアクチニドを包含する)、II B族、III A族、IV A族、V A族またはVI A族(CAS版)から成る群から場合により選択する金属である。]
で示される。Mがアンモニウムを含んで成る場合、Mは好ましくはテトラアルキルアンモニウムであり、テトラアルキルアンモニウム置換基のアルキル成分は、好ましくはC1−C10アルキル、例えばメチルまたはブチルである。最も好ましくは、アルコキシドは四環タキサン核を有し、構造式:
[式中、M、R2、M4a、R7a、R9およびR10は前記と同意義である。]
で示される。
反応式Aに示したように、7−保護バッカチンIII(35)を対応するアルコキシドに変換し、そのアルコキシドをβ−ラクタム(X1は保護ヒドロキシ、X3はフェニル、X5はベンゾイル)と反応させることによって、タキソールが得られる。2−メトキシプロピル(「MOP」)、1−エトキシエチル(「EE」)のような保護基が好ましいが、種々の他の通常の保護基、例えばトリエチルシリル基または他のトリアルキル(またはアリール)シリル基を使用してもよい。側鎖置換基の異なるタキサンは、置換基の異なるβ−ラクタムを使用することによって得られる。
C9置換基の異なるタキサンは、タキソール、10−DAB、バッチカンIII、または本明細書中に記載の他の中間体のC9ケト置換基を選択的に還元して、対応するC9β−ヒドロキシ誘導体とすることによって得ることができる。還元剤は、好ましくはボロハイドライド、最も好ましくはテトラブチルアンモニウムボロハイドライド(Bu4NBH4)またはトリアセトキシボロハイドライドである。
反応式1に示すように、バッカチンIIIとBu4NBH4とを塩化メチレン中で反応させて、9−デスオキソ−9β−ヒドロキシバッカチンIII(5)を得る。C7ヒドロキシル基を、例えばトリエチルシリル保護基で保護した後、本明細書中に説明するように適当な側鎖を7−保護−9β−ヒドロキシ誘導体(6)に結合し得る。残った保護基を除去すると、9β−ヒドロキシ−デスオキソタキソール、または他のC13側鎖を有する9β−ヒドロキシ四環タキサンが得られる。
反応式2に示すように、7−保護−9β−ヒドロキシ誘導体(6)のC13ヒドロキシル基を、トリメチルシリルまたは他の保護基(C7ヒドロキシ保護基に対し相対的に選択的除去することができる)で保護し、タキサンの種々の置換基を更に選択的に変更することができる。例えば、7,13−保護−9β−ヒドロキシ誘導体(7)とKHとの反応により、アセテート基がC10からC9へ、ヒドロキシル基がC9からC10へ移り、10−デスアセチル誘導体(8)が生成する。10−デスアセチル誘導体(8)のC10ヒドロキシル基をトリエチルシリルで保護して、誘導体(9)を得る。誘導体(9)からC13ヒドロキシ保護基を選択的に除去して、誘導体(10)を得、これに適当な側鎖を前記のように結合し得る。
反応式3に示すように、10−デスアセチル誘導体(8)の酸化により、10−オキソ誘導体(11)を得ることができる。次いで、C13ヒドロキシ保護基を選択的除去した後、前記のように側鎖を結合して、9−アセトキシ−10−オキソ−タキソール、または他のC13側鎖を有する9−アセトキシ−10−オキソ四環タキサンを得ることができる。また、10−オキソ誘導体(11)を、二ヨウ化サマリウムのような還元剤で還元することにより、C9アセテート基を選択的除去して、9−デスオキソ−10−オキソ誘導体(12)を得、そのC13ヒドロキシ保護基を選択的除去した後、前記のように側鎖を結合して、9−デスオキソ−10−オキソタキソール、または他のC13側鎖を有する9−デスオキソ−10−オキソ四環タキサンを合成することができる。
反応式4に示すように、10−DABを還元してペンタオール(13)を得ることができる。次いで、ペンタオール(13)のC7およびC10ヒドロキシル基を、トリエチルシリルまたは他の保護基で選択的保護して、トリオール(14)を得、これに、場合により更に四環置換基に変更を加えた後、前記のようにC13側鎖を結合することができる。
C9および/またはC10にアセテート以外のアシルオキシ置換基を有するタキサンは、反応式5に示すように、10−DABを出発物質として合成することができる。ピリジン中で10−DABとトリエチルシリルクロリドとを反応させることにより、7−保護10−DAB(15)を得る。次いで、7−保護10−DAB(15)のC10ヒドロキシ置換基を、通常のアシル化剤で容易にアシル化して、新しいC10アシルオキシ置換基を有する誘導体(16)を得ることができる。誘導体(16)のC9ケト置換基の選択的還元により、9β−ヒドロキシ誘導体(17)を得、それにC13側鎖を結合し得る。また、前記反応式2と同様に、C10およびC9基の転移も行い得る。
別のC2および/またはC4エステル基を有するタキサンは、バッカチンIIIおよび10−DABを出発物質として合成し得る。バッカチンIIIおよび10−DABのC2および/またはC4エステルを、LAHまたはRed−Alのような還元剤を用いて、対応するアルコールに選択的還元し、次いで、無水物および酸クロリドのような通常のアシル化剤を、ピリジン、トリエチルアミン、DMAPまたはジイソプロピルエチルアミンのようなアミンと組み合わせて使用して、新しいエステルを形成し得る。また、C2および/またはC4アルコールを、新しいC2および/またはC4エステルに変換するために、アルコールをLDAのような適当な塩基で処理して対応するアルコキシドを形成後、酸クロリドのようなアシル化剤で処理してもよい。
C2および/またはC4に種々の置換基を有するバッカチンIIIおよび10−DAB類似体は、反応式6〜10に示すように合成し得る。説明を単純化するために、10−DABを出発物質として使用する。しかし、単に10−DABの代わりにバッカチンIIIを出発物質として使用することにより、バッカチンIII誘導体または類似体も同様の反応経路(C10ヒドロキシル基の保護を除く)で合成し得ると理解すべきである。C2および/またはC4に種々の置換基を有するバッカチンIIIおよび10−DAB類似体の9−デスオキソ誘導体は、該類似体のC9ケト置換基の還元、および他の前記反応を行うことによって合成し得る。
反応式6においては、保護10−DAB(3)を水素化アルミニウムリチウムでトリオール(18)に変換する。その後、Cl2CO/ピリジン、次いで求核剤(例えばグリニヤール試薬またはアルキルリチウム試薬)を用いて、トリオール(18)を対応するC4エステルに変換する。
トリオール(18)をLDAで脱プロトン化し、次で酸クロリドを導入すると、C4エステルが選択的に生成する。例えば、塩化アセチルを使用して、トリオール(18)を1,2−ジオール(4)に変換した(反応式7参照)。
トリオール(18)は、1,2−カーボネート(19)にも容易に変換し得る。反応式8に示すように、通常の激しい条件下にカーボネート(19)をアセチル化して、カーボネート(21)を得る;反応式6に示すように、カーボネート(19)にアルキルリチウムまたはグリニヤール試薬を付加すると、C4に遊離ヒドロキシル基を有するC2エステルが生成する。
反応式9に示すように、他のC4置換基を導入するには、カーボネート(19)と、酸クロリドおよび第三級アミンとの反応により、カーボネート(22)を得、それをアルキルリチウムまたはグリニヤール試薬と反応させて、C2に新しい置換基を有する10−DAB誘導体を生成すればよい。
また、バッカチンIIIを出発物質として使用して、反応式10に示すように反応させることもできる。バッカチンIIIを、C7およびC13において保護した後、LAHで還元して、1,2,4,10−テトラオール(24)を得る。テトラオール(24)を、Cl2COおよびピリジンを用いてカーボネート(25)に変換し、カーボネート(25)を、C10において酸クロリドおよびピリジンでアシル化してカーボネート(26)(反応式に示す)を得るか、または無水酢酸およびピリジンと反応させる(反応式に示さず)。カーボネート(26)を通常の激しい条件下にアセチル化してカーボネート(27)を得、これをアルキルリチウムと反応させて、C2およびC10に新しい置換基を有するバッカチンIII誘導体を得る。
バッカチンIIIの10−デスアセトキシ誘導体、および10−DABの10−デスオキシ誘導体は、バッカチンIIIまたは10−DAB(またはそれらの誘導体)と、二ヨウ化サマリウムとの反応によって合成し得る。C10脱離基を有する四環タキサンと、二ヨウ化サマリウムとの反応は、テトラヒドロフランのような溶媒中、0℃で行い得る。二ヨウ化サマリウムは、C10脱離基を好都合に選択的に脱離する;C13側鎖、および四環核上の他の置換基は損なわれない。その後、本明細書中に説明するように、C9ケト置換基を還元して、対応する9−デスオキソ−9β−ヒドロキシ−10−デスアセトキシまたは10−デスオキシ誘導体を生成し得る。
C7ジヒドロおよび他のC7置換タキサンは、反応式11、12および12aに示すように合成し得る。
反応式12に示すように、バッカチンIIIをTHF溶液中、室温でFARにより処理して、7−フルオロバッカチンIIIに変換し得る。遊離C7ヒドロキシル基を有する他のバッカチン誘導体も、同様に反応する。7−クロロバッカチンIIIは、バッカチンIIIを、過剰のトリエチルアミンヒドロクロリドを含有する塩化メチレン溶液中で、メタンスルホニルクロリドおよびトリエチルアミンで処理することによって合成し得る。
C7アシルオキシ置換基を有するタキサンは、反応式12aに示すように合成し得る。7,13−保護10−オキソ−誘導体(11)を、そのC13保護基を選択的除去して金属(例えばリチウム)に交換することによって、対応するC13アルコキシドに変換する。次いで、アルコキシドを、β−ラクタムまたは他の側鎖前駆物質と反応させる。その後、C7保護基を加水分解すると、C7ヒドロキシ置換基がC10に、C10オキソ置換基がC9に、C9アシルオキシ置換基がC7に転移する。
反応式13に示すように、7−O−トリエチルシリルバッカチンIIIを、塩化メチレン溶液中、テトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウムの作用により、三環タキサンに変換し得る。次いで、生成したジオールを四酢酸鉛と反応させて、対応するC4ケトンを得ることができる。
反応式Aのサブプロセスを、種々の段階で適用し得る。例えば、化合物(30)を化合物(33)に変換する工程を、C−10にヒドロキシル基と、C−9に2個の水素とを有するいずれの中間体に適用してもよく、C9およびC10カルボニルおよびヒドロキシル基を導入する工程は、適当に保護した中間体(4)〜(29)に適用し得る。
同様に、C1およびC2酸素含有官能基を導入する工程(反応式Aにおける(6)から(13)への変換)は、C3カルボニル基を有するいずれの中間体に適用してもよい。
また、反応式6〜10に示すようなC2およびC4アシル基を導入する工程は、C1,C2カーボネートを有するいずれの中間体に適用してもよい。
反応式A中の(24a)から(27a)への変換において示すような、オキセタン環を形成する工程は、C4カルボニル基を有する種々の中間体に適用し得る。
反応式A中の(5)から(6)への変換において示すアルドール法は、C3カルボニル基およびC8a水素を有する適当に保護した中間体のいずれに適用してもよい。この方法において、種々のケトンまたはアルデヒドを反応物質として使用し得る。
中間体における1,2または1,3−ジオールサブユニットからの環状カーボネートの生成は、ホスゲンを反応物質として使用して行い得る。カルボニル基は、水素化物試薬または金属試薬により還元して、対応するアルコールとし得る。アルコールは、反応式に示すような種々の酸化剤で酸化して、対応するカルボニル基とし得る。
本発明において開示する化合物は複数の不斉炭素を有し、ジアステレオマー、ラセミ体、または光学活性形態で存在し得る。それらいずれの形態も、本発明に包含される。とりわけ、本発明は、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ混合物、および本明細書中に開示する化合物の他の混合物を包含する。
以下の実施例は、本発明を説明するものである。
実施例
反応式A
トリエチルシリルオキシアルコール(3)
CH2Cl2(65ml)中の、ジオール(2)(3.16g、13.4ミリモル)およびDMAP(70mg、0.57ミリモル)の溶液に、室温で、トリエチルアミン(3.7ml、26.6ミリモル)を加え、次いでTESCl(2.7ml、16.1ミリモル)を滴下した。1.75時間後、反応混合物をヘキサン(150ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(100ml)およびヘキサン(150ml)に注いだ。有機相を飽和NaHCO3水溶液(2×100ml)および水(100ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、粗トリエチルシリルオキシアルコール(3)(4.88g)を得た。分析用サンプルは、シリカゲルのショートパッドでプラグ濾過し、ヘキサンで洗い、次いで5%酢酸エチル/ヘキサンで純粋な化合物(3)(P10=TES)(無色油状物)を溶出することによって得た。
3(P10=TES):1H NMR(300MHz,CDCl3)δ0.61(q、J=7.7Hz、6H、TES CH2)、0.89(s、3H、CH3 16)、0.96(t、J=7.7Hz、9H、TES CH3)、1.03(d、J=7.1Hz、3H、CH319)、1.07(s、3H、CH3 17)、1.23(d、J=14.3Hz、1H、H2α)、1.56(dd、J=6.0、6.0Hz、1H、H7)、1.76(ddd、J=5.0、11.0、13.7Hz、1H、H9)、1.90(ddd、J=2.2、8.8、15.4Hz、1H、H9)、1.96(m、1H、H14α)、2.37(m、2H、H2β、H14β)、2.51(ddd、J=7.7、7.7、10.4Hz、1H、H8α)、2.94(s、1H、OH−3)、4.21(ddd、J=2.2、5.0Hz、1H、H10)、5.43(dd、J=2.8、2.8Hz、1H、H13)。13C NMR(75MHz,CDCl3)δ(ppm)4.8(TES CH2)、6.7(TES CH3)、15.02(CH3 19)、23.0(CH3 17)、26.2(CH3 18)、28.0(CH3 16)、33.6(C14)、41.5(C8)、44.2(C2)、45.0(C1)、45.2(C15)、45.8(C9)、69.6(C11)、74.9(C10)、96.0(C3)、123.0(C13)、143.7(C12);IR(CHCl3)υ3530、2970、2930、2900、1460、1340、1140、1100、1080、1045、1010、970、915、650cm-1;MS(CI)351(M+1、58)、333(100)、219(34)。
ヒドロキシケトン(4)
無水CH2Cl2(30ml)中の粗化合物(3)(P10=TES)の激しく攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、Ti(OiPr)4(13.5ml、43.1ミリモル)を加え、次いでヘキサン中の無水2M−tBuOOH(18ml、36ミリモル)を滴下した。45分後、ジメチルスルフィド(15ml)を、5分間にわたってゆっくり加えた。溶液を0℃で10分間、次いで室温で15分間攪拌した後、55℃の浴に移し、8時間加熱還流した。溶媒を減圧下に蒸発させ、得られた粘性のシロップ状物を酢酸エチル(850ml)に溶解し、H2O(3.5ml)を激しく攪拌しながら滴下した。得られた混合物を室温で1時間攪拌した後、セライトのパッドで濾過し、それを更に酢酸エチル(2×100ml)で洗った。溶媒を減圧下に蒸発して油状物を得、シリカゲルのショートパッドで濾過し、10%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して、純粋なヒドロキシケトン(4)(P10=TES)(無色油状物)(4.78g)を得た。
4(P10=TES):1H NMR(300MHz,CDCl3)δ0.58(q、J=7.7Hz、6H、TES CH2)、0.94(t、J=7.7Hz、12H、CH3 19、TES CH3)、0.98(s、3H、CH3 17)、1.31(s、3H、CH3 16)、1.71(dd、J=5.0、11.5Hz、1H、H2α)、1.85(m、3H、H1、H9β、H14β)、1.96(s、3H、CH3 18)、2.15(d、J=12.1、1H、OH−13)、2.22(ddd、J=4.9、13.2、15.9Hz、1H、H9α)、2.56(dddd、J=3.8、7.1、13.7、13.7Hz、1H、H8α)、2.75(dd、J=2.2、11.0Hz、1H、H2β)、2.80(ddd、J=4.4、7.7、11.0Hz、1H、H14β)、4.10(t、J=11.0Hz、1H、H13β)、4.56(d、J=5.0Hz、1H、H10β);13C NMR(75MHz,CDCl3)δ(ppm)4.3(TES CH2)、6.5(TES CH3)、13.4(CH3 18)、18.4(CH3 19)、25.8(CH3 17)、27.1(CH3 16)、34.7(C14)、38.2(C15)、38.8(C2)、44.0(C8)、44.2(C9)、47.8(C1)、67.3(C13)、69.7(C10)、137.3(C11)、138.8(C12)、219.2(C3);IR(CHCl3)υ3550、2960、2880、1660、1460、1410、1240、1200、1160、1140、1080、1050、1000、980、900、810cm-1;MS(CI)367(M+1、2)、349(100)、331(55)。
ケトン(5)
無水ピリジン(25ml)中のヒドロキシケトン(4)(P10=TES)の溶液に、窒素雰囲気中、−23℃で、TBSOTf(3.2ml、13.9ミリモル)を滴下した。5分後、フラスコを氷浴に移し、1.75時間攪拌した。溶液を0℃でヘキサン(75ml)で希釈し、不溶性油状物を残して、飽和NaHCO3水溶液(200ml)にデカントした。残留物状物をヘキサン(3×75ml)で抽出した。合した有機相を飽和NaHCO3水溶液(2×50ml)、および次いで水(50ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。黄色がかった油状残渣を、シリカゲルのショートパッドで濾過し、10%酢酸エチル/ヘキサンで溶出することによって精製して、純粋なケトン(5)(P10=TES、P13=TBS)(4.78g、(2)に対する収率94%)を得た。
5(P10=TES、P13=TES):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.03(s、3H、TBS CH3)、0.05(s、3H、TBS CH3)、0.57(q、J=8.2Hz、6H、TES CH2)、0.93(t、J=8.2Hz、9H、TES CH3)、0.93(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(d、J=1.8Hz、3H、CH3 19)、1.06(s、3H、CH3 17)、1.33(s、3H、CH3 16)、1.68(dd、J=5.5、11.5Hz、1H、H2α)、1.84(m、2H、H1、H9β)、1.89(s、3H、CH3 18)、1.92(dd、J=6.0、14.3Hz、1H、H14α)、2.21(ddd、J=5.5、13.2、15.4Hz、1H、H9α)、2.39(ddd、J=8.2、10.4、14.3Hz、1H、H14β)、2.52(ddd、J=3.9、7.1、13.6Hz、1H、H8α)、2.66(dd、J=2.8、11.5Hz、1H、H2β)、4.45(dd、J=5.5、10.4Hz、1H、H13β)、4.61(d、J=5.0Hz、1H、H10β);13C NMRδ(ppm)−5.4(TBS CH3)、−4.6(TBS CH3)、4.3(TES CH2)、6.5(TES CH3)、14.1(CH3 18)、17.9(TBS C(CH3)3)、19.1(CH3 19)、25.4(CH3 17)、25.8(TBS C(CH3)3)、26.8(CH3 16)、33.5(C14)、38.6(C15)、39.4(C2)、43.7(C8)、44.4(C9)、47.5(C1)、67.5(C13)、69.5(C10)、136.8(C11)、138.8(C12)、213.5(C3);IR(CHCl3)υ2950、2900、1680、1460、1420、1395、1365、1250、1200、1110、1080、1000、900、860、840cm-1;MS(CI)481(M+1、3)、463(16)、349(100)、331(50);元素分析計算値C27H52O3Si2として:C67.44;H10.90、実測値:C67.31;H10.78。
ケトカーボネート(6)
THF(11ml)中のジイソプロピルアミン(0.60ml、4.28ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、エーテル中のMeMgBrの3.1M溶液(1.26ml、3.89ミリモル)を加えた。3時間後、THF(3.5ml)中のケトン(5)(P10=TES、P13=TBS)(750mg、1.56ミリモル)の溶液を、室温で滴下した。1.5時間後、反応混合物を−23℃に冷却し、THF(4ml)中の4−ペンテナール(327mg、3.89ミリモル)の溶液を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。1時間後、飽和NH4Cl水溶液(10ml)を加えた。2分後、反応混合物をヘキサン(100ml)で希釈した後、H2O(100ml)に注いだ。有機相をH2O(100ml)および塩水(100ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、黄色油状物(0.92g)を得た。この粗混合物の、CH2Cl2(10ml)およびピリジン(10ml)中の溶液に、窒素雰囲気中、−23℃で、トルエン中の4Mホスゲン溶液(2.3ml、9.36ミリモル)を滴下し、反応混合物を−10℃に昇温した。30分後、エタノール(3.7ml)を加え、得られた混合物を30分間攪拌した。次いで、反応混合物をヘキサン(300ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(200ml)、10%CuSO4水溶液(200ml)、H2O(200ml)、飽和NaHCO3水溶液(200ml)および塩水(200ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、黄色固体(1.05g)を得た。この粗混合物を、10%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルで濾過して、白色固体(965mg)を得、これを更にシリカゲルクロマトグラフィー(2%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、ケトカーボネート(6)(P10=TES、P13=TBS、R=Et)(745mg、75%)を白色固体として得た。生成物を、6:1比の配座異性体として分離した。下記NMRデータは、主な配座異性体のものである。
6(P10=TES、P13=TES、R=Et):mp103−104℃、1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.08(s、3H、TBS CH3)、0.08(s、3H、TBS CH3)、0.56(q、J=7.8Hz、6H、TES CH2)、0.94(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、0.96(s、9H、TBS t−Bu)、1.08(s、3H、CH3 17)、1.29(m、1H、H6)、1.38(s、3H、CH3 19)、1.42(s、3H、CH3 16)、1.66(dd、J=4.6、12.5Hz、1H、H9α)、1.83(s、3H、CH3 18)、1.85(dd、J=4.5、4.5Hz、1H、H14α)、2.05(m、1H、H5)、2.06(dd、J=6.4、14.2Hz、1H、H5)、2.47(m、2H、H9α、H6)、3.01(dd、J=3.7、12.3Hz、1H、H14β)、4.20(m、2H、H2α、H2β)、4.47(d、J=7.3Hz、1H、H13β)、4.50(dd、J=4.6、11.4Hz、1H、H10β)、4.91(dd、J=1.83、10.1Hz、1H、H20)、4.97(dd、J=1.8、16.9Hz、1H、H20)、5.29(dd、J=0.9、10.1Hz、1H、H7)、5.73(dddd、J=6.9、6.9、10.5、16.9Hz、1H、H4);13C NMRδ(ppm)−5.3(TBS CH3)、−4.5(TBS CH3)、4.8(TES CH2)、6.5(TES CH3)、14.0(OEt CH3)、15.5(CH3 19)、15.9(CH3 18)、18.1(TBS C(CH3)3)、25.8(TBS C(CH3)3)、27.6(CH3 17)、28.2(CH3 16)、30.4、30.5(C5、C6)、34.1(C14)、39.0(C15)、41.1(C2)、47.1(C1)、47.5(C9)、55.1(C8)、63.8(OEt CH2)、66.3(C13)、68.3(C10)、84.0(C7)、114.8(C20)、134.8(C11)、138.1(C4')、144.9(C12)、155.7(エチルカーボネート C=O)、214.8(C3);IR(CCl4)υ3000、2950、2900、1770、1700、1490、1390、1280、1140、1100、1030、910、880、860cm-1;MS(EI)636(M、100)、593(20)、538(34)、409(33);元素分析計算値C35H64O6Si2として:C65.99;H10.13。実測値:C65.88、H10.17。
ヒドロキシケトン(7)
THF(65ml)中のケトカーボネート(6)(P10=TES、P13=TBS、R=Et)(4.00g、6.28ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−35℃で、THF中のLDAの0.2M溶液(50ml、10ミリモル)を、フラスコ壁に沿わせて10分間にわたって加えた。30分後、反応混合物を−78℃に冷却し、THF(18ml)中の(R)−ショウノウスルホニルオキサジリジン(2.29g、10ミリモル)を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。30分後、反応混合物に飽和NaHCO3水溶液(300ml)を加えて反応を停止し、25%酢酸エチル/ヘキサン(500ml、次いで150ml)で抽出した。合した有機相を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、蝋状固体(7g)を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(3%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、ヒドロキシケトン(7)(P10=TES、P13=TBS、R=Et)(3.50g、85%)を得た。
7(P10=TES、P13=TBS、R=Et):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.01(s、3H、TBS CH3)、0.03(s、3H、TBS CH3)、0.50(q、J=7.8Hz、6H、TES CH2)、0.87(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、0.90(s、9H、TBS t−Bu)、1.03(s、3H、CH3 17)、1.25(t、J=7.0Hz、3H、OEt CH3)、1.35(s、3H、CH3 19)、1.40(m、1H、H6)、1.41(s、3H、CH3 16)、1.66(dd、J=4.6、12.8Hz、1H、H9β)、1.77(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、1.83(dd、J=6.0、14.7Hz、1H、H14α)、1.97(dd、J=4.1、8.5Hz、1H、H1)、2.02(m、2H、H5、H5)、2.44(dd、J=11.9、11.9Hz、1H、H9α)、2.75(d、J=10.5Hz、1H、OH−2)、4.14(q、J=14.2Hz、2H、OEt CH2)、4.35(dd、J=6.0、8.7Hz、1H、H13)、4.42(dd、J=4.6、11.0Hz、1H、H10)、4.49(dd、J=4.1、10.1Hz、1H、H2)、4.86(dd、J=1.8、10.3Hz、1H、H20)、4.92(dd、J=1.8、16.9Hz、1H、H20)、5.23(dd、J=1.4、10.1Hz、1H、H7)、5.67(dddd、J=6.9、6.9、10.5、16.9Hz、1H、H4);13C NMRδ(ppm)−5.3(TBS CH3)、−4.5(TBS CH3)、4.7(TES CH2)、6.5(TES CH3)、14.0(OEt CH3)、15.0(CH3 19)、16.0(CH3 18)、18.0(TBS C(CH3)3)、25.8(TBS C(CH3)3)、27.5、27.8(CH3 17)、28.1(CH3 16)、30.4、30.5(C5、C6)、36.9(C15)、47.3(C9)、54.5(C1)、54.7(C8)、63.9(OEt CH2)、66.2(C13)、67.8(C10)、70.3(C2)、83.6(C7)、114.9(C20)、135.4(C11)、137.9(C4')、144.5(C12)、155.6(エチルカーボネートC=O)、217.8(C3);IR(CCl4)υ3600、2950、2900、1750、1700、1660、1470、1400、1370、1240、1080、1050、1000、840、680cm-1;MS(CI)653(M+1、8)、564(100)、431(69)、389(67)。
ヒドロキシカーボネート(8)
トルエン(117ml)中のヒドロキシケトン(7)(P10=TES、P13=TBS、R=Et)(2.69g、4.12ミリモル)の激しく攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、トルエン中のRed−Alの0.97M溶液(85ml、82.4ミリモル)を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。−78℃で6時間後、溶液を6時間にわたって徐々に室温に昇温した。混合物を−10℃に再冷却し、THF中の2M酢酸溶液(125ml、250ミリモル)を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。濁った混合物を10分間攪拌後、50%酢酸エチル/ヘキサン(1200ml)に注ぎ、飽和NaHCO3水溶液(1l)で洗った。水相を酢酸エチル(4×500ml)で抽出し、合した有機相を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、2,3,7−トリオール(2.29g)を白色固体として得た。これを更に精製することなく使用した。
CH2Cl2(157ml)およびピリジン(15.7ml)中のトリオール(2.29g、3.93ミリモル)の激しく攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、トルエン中の3.0Mホスゲン溶液(7.6ml、23ミリモル)を短時間で加えた。溶液を1時間にわたって室温に昇温した後、酢酸エチル(250ml)に注ぎ、飽和NaHCO3水溶液(2×125ml)および塩水(100ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、黄色油状物(2.52g)を得た。これを、50%酢酸エチル/ヘキサンを用いて、シリカゲルの2インチパッドで濾過し、減圧下に濃縮して、ヒドロキシカーボネート(8)(P10=TES、P13=TBS)(2.39g、(7)に対して95%)を白色固体として得た。
8(P13=TES、P13=TBS):mp155−157℃;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.09(s、3H、TBS CH3)、0.10(s、3H、TBS CH3)、0.59(q、J=8.2Hz、6H、TES CH2)、0.96(t、J=8.2Hz、9H、TES CH3)、0.97(s、9H、TBS t−Bu)、1.11(s、3H、CH3 19)、1.14(s、3H、CH3 17)、1.30(s、3H、CH3 16)、1.39(dd、J=4.1、13.3Hz、1H、H9β)、1.65(m、2H、H6、H6)、1.99(dd、J=6.4、15.1Hz、1H、H14α)、2.01(d、J=.9Hz、3H、CH3 18)、2.04(d、J=3.7Hz、1H、H1)、2.11(ddd、J=7.8、15.6、15.6Hz、1H、H5)、2.28(ddd、J=9.6、9.6、14.2Hz、1H、H14β)、2.34(dd、J=12.4、13.3Hz、1H、H9β)、2.41(m、1H、H5)、3.87(dd、J=0.9、10.5Hz、1H、H7)、3.95(d、J=3.7Hz、1H、H2)、4.59(dd、J=3.7、11.4Hz、1H、H10β)、4.40(s、1H、H3)、4.55(dd、J=6.4、8.7Hz、1H、H13)、5.03(d、J=10.5Hz、1H、H20)、5.07(dd、J=1.5、17.0Hz、1H、H20)、5.77(m、1H、H4);13C NMRδ(ppm)−5.4(TBS CH3)、−4.4(TBS CH3)、4.8(TES CH2)、6.5(TES CH3)、15.5(CH3 18)、17.9(TBS C(CH3)3)、18.2(CH3 19)、25.6(TBS C(CH3)3)、25.9(CH3 16)、27.5(CH3 17)、28.3(C6)、28.4(C5)、29.8(C14)、30.8(C15)、36.5(C8)、36.8(C9)、37.3、50.8(C1)、66.6(C10)、67.8(C13)、70.5(C2)、91.9(C3)、91.9(C7)、116.3(C20)、133.7(C11)、137.9(C4')、142.6(C12)、148.0(環状カーボネートC=O):IR(CCl4)υ3450、2950、2870、1750、1460、1380、1350、1220、1120、1080、1040,980、900、820、710cm-1;MS(CI)625(M+1−H2O、6)、551(11)、477(100)、459(12)、433(8)、344(90);元素分析計算値C33H60O6Si2として:C64.92;H9.90;実測値:C65.13;H9.88。
ケトカーボネート(9)
CH2Cl2(57ml)中のジメチルスルホキシド(2.41ml、34ミリモル)の激しく攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、CH2Cl2中の2.0M塩化オキサリル溶液(8.5ml、17.0ミリモル)を加えた。10分後、CH2Cl2(16ml)中のヒドロキシカーボネート(8)(P10=TES、P13=TBS)(3.45g、5.67ミリモル)の溶液を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。−78℃で30分後、トリエチルアミン(6.8ml、49ミリモル)を加え、混合物を室温に昇温した。混合物をヘキサン(200ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(2×75ml)および塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、黄色固体(3.45g)を得た。これを、10%酢酸エチル/ヘキサンを用いて、シリカゲルの1インチパッドで濾過した後、ヘキサンから再結晶して、ケトカーボネート(9)(2.62g)を白色結晶として得た。母液をシリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製した後、ヘキサンから再結晶して、更に0.58gのケトカーボネート(9)(P10=TES、P13=TBS)を得た。(総収量3.20g、93%)。
9(P10=TES、P13=TBS):mp140.0−141.5℃;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.11(s、3H、TBS CH3)、0.12(s、3H、TBS CH3)、0.60(q、J=7.8Hz、6H、TES CH2)、0.96(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、0.98(s、9H、TBS t−Bu)、1.06(s、3H、CH3 19)、1.17(s、6H、CH3 16、CH3 19)、1.42(dd、J=3.7、14.2Hz、1H、H9β)、1.63(m、2H、H6、H6)、2.12(m、1H、H5)、2.38(d、J=0.9Hz、3H、CH3 18)、2.47(dd、J=11.4、13.3Hz、1H、H9α)、2.65(d、J=8.2、1H、H1)、3.94(dd、J=1.4、10.4Hz、1H、H7)、4.44(dd、J=3.7、11.4Hz、1H、H10)、4.49(s、1H、H3)、4.64(dd、J=6.9、7.8Hz、1H、H13)、5.04(dd、J=1.4、11.9Hz、1H、H20)、5.07(dd、J=1.8、17.4Hz、1H、H20)、5.76(m、1H、H4);13C NMRδ(ppm)−5.4(TBS CH3)、−4.5(TBS CH3)、4.8(TES CH2)、6.5(TES CH3)、15.7(CH3 18)、17.8(CH3 19)、17.9(TBS C(CH3)3)、25.5(TBS C(CH3)3)、28.2(CH3 16)、28.3(CH3 17)、28.3(C6)、29.6(C5)、30.4(C14)、37.7(C15)、38.0(C8、C9)、62.1(C1)、66.5(C10)、67.5(C13)、91.3(C3)、91.5(C7)、116.4(C20)、132.8(C11)、137.0(C4')、145.4(C12)、146.6(環状カーボネートC=O)、206.8(C2);IR(CCl4)υ2930、2860、1760、1670、1450、1380、1340、1240、1180、1170、1120、1090、1060、1040、980、890、860、820、700、650cm-1;MS(CI)607(M+1、6)、549(11)、475(100)、431(4)、347(45);元素分析計算値C33H58O6Si2として:C65.30;H9.63;実測値:C65.23;H9.66。
2−ケト−3−ヒドロキシ−ラクトン(10)
THF(9ml)中の3,7−環状カーボネート(9)(P10=TES、P13=TBS)(2.246g、3.70ミリモル)の攪拌した溶液に、THF中の0.2M−LTMP(19.4ml、3.88ミリモル)を、−25℃でフラスコ壁に沿わせて滴下した。反応混合物を30分間かけて−10℃に昇温した。冷反応混合物を10%酢酸水溶液(100ml)に注ぎ、10%酢酸エチル/ヘキサン(100ml)で抽出した。有機相を、飽和NaHCO3水溶液(50ml)および塩水(50ml)で洗った。合した水相を、10%酢酸エチル/ヘキサン(2×20ml)で抽出した。有機相を合し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、黄色油状物(2.4g)を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(5%、次いで10%の酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、ヒドロキシラクトン(10)(P10=TES、P13=TBS)(2.033g、90%)を泡状固体として、および3−カルバメート(0.207g、7.2%)を得た。
10(P10=TES、P13=TBS):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.12(s、3H、TBS CH3)、0.14(s、3H、TBS CH3)、0.61(q、J=7.8Hz、6H、TES CH2)、0.92(s、9H、TBS t−Bu)、0.97(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、1.11(s、3H、CH3 17)、1.22(s、3H、CH3 19)、1.27(s、3H、CH3 16)、1.32(dd、J=3.2、13.3Hz、1H、H9β)、1.64(ddd、J=2.3、6.9、9.2Hz、1H、H6)、2.07(m、2H、H6、H5)、2.17(m、1H、H14α)、2.33(m、1H、H5)、2.65(m、2H、H14β、H1)、2.74(dd、J=12.4、12.4Hz、1H、H9α)、3.92(dd、J=2.8、11.5Hz、1H、H7)、4.47(dd、J=3.2、11.0Hz、1H、H10)、4.55(dd、J=2.8、9.6Hz、1H、H13)、5.02(d、J=10.1Hz、1H、H20)、5.07(dd、J=1.4、16.9Hz、1H、H20)、5.81(dddd、J=6.9、6.9、10.5、16.9Hz、1H、H4);13C NMRδ(ppm)−5.2(TBS CH3)、−4.5(TBS CH3)、4.8(TES CH2)、6.6(TES CH3)16.4(CH3 18)、17.9(TBS C(CH3)3)、24.2(CH3 19)、25.7(TBS C(CH3)3)、26.9(CH3 16)、30.1(CH3 17)、30.4(C5)、32.7(C6)、32.9(C14)、39.1(C15)、40.6(C9)、48.1(C8)、62.0(C1)、67.3(C10)、67.6(C13)、87.9(C3)、91.1(C7)、115.8(C20)、137.7(C11)、138.5(C4')、143.0(C12)、173.5(C4)、207.6(C2);IR(CCl4)υ3500、2970、2900、1780、1700、1480、1360、1260、1210、1160、1070、1010、910、890、840cm-1;MS(EI)606(M、100)、549(69)、474(27)、431(65)、417(40);元素分析計算値C33H58O6Si2として:C65.30;H9.63;実測値C65.38;H9.64。
ケトラクトン(11)
2−ケト−3−ヒドロキシラクトン(10)(P10=TES、P13=TBS)(1.10g、1.83ミリモル)に、THF中のSmI2の0.1M溶液(82ml、8.2ミリモル)を加えた。得られた濃青色溶液を、N2雰囲気中、室温で4時間攪拌した。0℃に冷却後、HClのエーテル溶液(0.66M;4.2ml、2.77ミリモル)を加えた。5分後、フラスコを空気に開放し、反応混合物を冷酢酸エチル(200ml)で希釈した後、氷冷0.2N−HCl水溶液(50ml)に注いだ。有機相を分離し、5%クエン酸水溶液(50ml)、飽和NaHCO3水溶液(2×50ml)および塩水(50ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた物質をヘキサン(100ml)に溶解し、次いでシリカゲル(230〜400メッシュ、4.3g)を加え、混合物を室温で65分間激しく攪拌した後、シリカゲルの1インチパッドで濾過し、20%酢酸エチル/ヘキサン(300ml)で溶出した。溶媒を減圧下に蒸発させ、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、シス−ケトラクトン(11)(822mg、77%)およびそのトランス異性体(164mg、15%)を得た。
THF(10ml)中のトランス−2−ケトラクトン(611mg、1.03ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、THF中のt−BuOKの0.6M溶液(6.8ml、4.1ミリモル)を、フラスコ壁に沿わせて加えた。得られた溶液を1.5時間攪拌した後、THF中の10%酢酸溶液(10ml)を、フラスコ壁に沿わせて加えた。5分間攪拌後、混合物をヘキサン(200ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(100ml)に注いだ。有機相を水および塩水で洗った後、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡褐色油状物(615mg)を得た。この油状物をヘキサン(10ml)に溶解し、シリカゲル(3.0g)を加えた。混合物を15分間激しく攪拌後、20%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルの1/2インチプラグで濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(576mg)を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(10%、次いで20%の酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、純粋なシス−2−ケトラクトン(11)(P10=TES、P13=TBS)(472mg、77%)、純粋なトランス異性体(84mg、13%)、およびシス:トランス異性体の6:1混合物(24mg)を得た。
11(P10=TES、P13=TBS):mp=86.5−88.0℃;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.05(s、3H、TBS CH3)、0.07(s、3H、TBS CH3)、0.54(q、J=7.8Hz、6H、TES CH2)、0.84(s、9H、TBS t−Bu)、0.90(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、1.03(s、3H、CH3 17)、1.11(s、3H、CH3 16)、1.15(s、3H、CH3 19)、1.35(dddd、J=4.6、4.6、7.3、14.2Hz、1H、H6)、1.43(dd、J=3.7、12.8Hz、1H、H9β)、1.67(dddd、J=3.2、7.3、10.1、13.7Hz、1H、H6)、1.83(dd、J=4.6、16.0Hz、1H、H14α)、2.03(m、1H、H5)、2.07(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、2.25(m、1H、H5)、2.30(dd、J=11.9、12.3Hz、1H、H9α)、2.45(d、J=8.2Hz、1H、H1)、2.58(ddd、J=8.7、9.2、16.0Hz、1H、H14β)、3.93(dd、J=2.8、11.4Hz、1H、H7β)、4.03(s、1H、H3α)、4.37(dd、J=3.7、11.0Hz、1H、H10β)、4.46(ddd、J=1.4、4.6、9.2Hz、1H、H13β)、4.96(dd、J=1.4、10.1Hz、1H、H20)、5.01(dd、J=1.4、17.4Hz、1H、H20)、5.73(dddd、J=6.4、7.3、10.5、16.9Hz、1H、H4);13C NMRδ(ppm)−5.3(TBS CH3)、−4.6(TBS CH3)、4.5(TES CH2)、6.5(TES CH3)、15.0(CH3 18)、18.0(TBS C(CH3)3)、25.7(TBS C(CH3)3)、28.9(CH3 19)、29.2(CH3 16)、29.8(C5)、29.9(CH3 17)、30.3(C6)、32.8(C14)、38.5(C15)、44.2(C8)、44.9(C9)、60.6(C3)、61.2(C1)、66.9(C10)、67.8(C13)、91.9(C7)、115.7(C20)、137.7(C11)、138.5(C4')、142.4(C12)、174.7(C4)、204.8(C2);IR(CCl4)υ2975、2899、1780、1705、1460、1355、1260、1180、1070、1060、1000、830cm-1;MS(CI)591(M+1、5)、523(6)、459(100)、441(5);元素分析計算値C33H58O5Si2として:C66.07;H9.89;実測値:C66.97;H9.91。
1−ヒドロキシ−2−ケト−ラクトン(12)
THF中のLTMPの攪拌した0.2M溶液(34.2ml、6.84ミリモル)に、窒素雰囲気中、−10℃で、THF(10ml)中のケトラクトン(11)(P10=TES、P13=TBS)(1.008g、1.71ミリモル)の溶液を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。0.5時間後、反応混合物を−40℃に冷却し、THF(10ml)中の(±)−ショウノウスルホニルオキサゾリジン(1.96g、8.55ミリモル)の溶液を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。20分後、反応混合物を−78℃に冷却し、ヘキサン(200ml)で希釈し、激しく攪拌した飽和NH4Cl水溶液(250ml)に短時間で注いだ。水相をヘキサン(2×50ml)で抽出し、合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、蝋状固体(1.4g)を得た。これをクロマトグラフィー(CH2Cl2、次いで0〜10%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、ヒドロキシケトラクトン(12)(P10=TES、P13=TBS)(0.882g、85%)を白色固体として、および対応するトランス−ヒドロキシケトラクトン(0.083g、8%)を固体として得、ケトラクトン(11)(31mg、3%)を回収した。
12(P10=TES、P13=TBS):mp124−126℃;1H NMR(C6D6)δ(ppm)0.09(s、3H、TBDMS CH3)、0.17(s、3H、TBDMS CH3)、0.62(q、J=7.78Hz、6H、TES CH2)、1.03(t、J=7.78、9H、TES CH3)、1.05(s、3H、CH3 19)、1.13(s、9H、TBS t−Bu)、1.20(s、3H、CH3 17)、1.39(m、1H、H6)、1.42(s、3H、CH3 16)、1.44(dd、J=0.92、13.28Hz、1H、H9β)、1.98(dd、J=9.61、12.82Hz、1H、H14β)、2.05(m、1H、H5)、2.06(broad、1H、OH1、D2O exchangable)、2.25(m、1H、H6)、2.27(d、J=0.91Hz、3H、CH3 18)、2.29(m、1H、H5)、2.41(dd、J=10.98、13.28Hz、1H、H9α)、2.56(dd、J=3.21、12.82Hz、1H、H14α)、3.83(dd、J=2.75、11.90Hz、1H、H7)、4.04(s、1H、H3)、4.47(dd、J=0.92、10.98Hz、1H、H10)、4.60(ddq、J=0.91、3.21、9.61Hz、1H、H13)、5.11(br d、J=10.53Hz、1H、H20)、5.18(br d、J=17.40Hz、1H、H20)、5.77(m、1H、H4);13C NMR(CDCl3)δ(ppm)−5.4(TBS CH3)、−4.7(TBS CH3)、4.5(TES CH2)、6.5(TES CH3)、15.5(CH3 18)、17.9(TBS C(CH3)3)、22.5(CH3 19)、25.7(TBS C(CH3)3)、26.3(CH3 16)、29.8(CH3 17)、29.8(C5)、30.4(C6)、39.6(C14)、41.3(C15)、44.5(C9)、45.0(C8)、58.1(C3)、66.5(C10)、68.2(C13)、83.0(C1)、91.7(C7)、115.7(C20)、137.0(C11)、137.6(C4')、145.5(C12)、175.0(C4)、202.4(C2);IR(CCl4)υ3500、3000、1780、1720、1100cm-1;MS(CI)607(M+1、10)、589(56)、475(100)、457(61);元素分析計算値C33H58O6Si2として:C65.30;H9.63。実測値:C65.19;H9.60。
1,2−ヒドロキシ−トランス−ラクトン(13)
THF中のRed−Alの攪拌した1.23M溶液(4.6ミリモル、5.6ミリモル)に、窒素雰囲気中、−78℃で、THF(25ml)中のシス−ヒドロキシケトン(12)(P10=TES、P13TBS)(342mg、0.563ミリモル)の溶液を短時間で加えた。1.5時間後、15%NaOH水溶液(25ml)を、反応混合物に直接滴下した。反応混合物を室温で3時間後激しく攪拌した後、H2O(100ml)に注ぎ、エーテル(2×100ml)で抽出した。有機相を合し、H2O(100ml)および塩水(100ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色固体(0.35g)を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(10%エーテル/ヘキサン、次いで25%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、トランス−ジオール(13)(290mg)を無色針状物として、トランス−ヒドロキシケトン(14.5mg、4.2%)、およびシス−ジオールと未確認副生成物との混合物(20mg)を得た。シス−ジオールを含有する混合物のTHF(1ml)中の溶液に、窒素雰囲気中、室温で、30%NaOH水溶液(0.5ml)を加えた。2.5時間後、反応混合物をH2O(30ml)に注ぎ、エーテル(30ml)で抽出した。有機相をH2O(30ml)および塩水(30ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、黄色固体(0.02g)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、更に12mgのトランス−ジオール(13)(P10=TES、P13=TBS)を得た。(総収量302mg、88%)
13(P10=TES、P13=TBS):mp127−128℃、1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.09(s、3H、TBS CH3)、0.11(s、3H、TBS CH3)、0.60(q、J=8.1Hz、6H、TES CH2)、0.87(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(t、J=8.1Hz、9H、TES CH3)、1.13(s、3H、CH3 17)、1.23(s、3H、CH3 16)、1.31(s、3H、CH3 19)、1.42(dd、J=3.7、12.8Hz、1H、H9β)、1.46(ddd、J=4.8、8.8、11.4Hz、1H、H6)、1.74(dddd、J=3.3、7.3、9.9、12.4Hz、1H、H6)、1.99(d、J=1.5Hz、3H、CH3 18)、2.10(m、1H、H5)、2.21(dd、J=3.7、5.4Hz、1H、H14α)、2.26(m、3H、H5、H9α、H14β)、2.92(d、J=7.7Hz、1H、H3)、3.84(dd、J=2.2、7.7Hz、1H、H2)、3.85(s、1H、OH1)、3.97(dd、J=2.9、11.4Hz、1H、H7)、4.47(dd、J=3.7、11.4Hz、2H、H13、H10)、5.01(dd、J=1.8、12.2Hz、1H、H20)、5.07(dd、J=1.7、17.0Hz、1H、H20)、5.78(dddd、J=7.3、7.3、10.1、16.5Hz、1H、H4)、6.87(d、J=2.9Hz、1H、OH2)、13C NMR(CDCl3)δ(ppm)−5.31、−4.59、4.79、6.55、16.60、17.68、21.24、24.70、25.62、28.50、29.52、30.05、40.20、40.41、44.18、45.18、45.60、66.62、69.25、71.32、88.91、116.09、136.96、138.63、139.93、180.10、IR(CHCl3)υ3050、1730、1460、1350cm-1、MS(EI)608(M、13)、590(26)、267(100)、元素分析計算値C33H60O6Si2として:C65.08;H9.92、実測値C65.06;H9.98。
カーボネート(14)
CH2Cl2(58ml)およびピリジン(5.8ml)中のジオール(13)(P10=TES、P13=TBS)(1.00g、1.64ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、トルエン中の2Mホスゲン溶液(8.2ml、16.4ミリモル)を滴下した。次いで、反応混合物を−23℃に昇温し、30分間攪拌した。得られた混合物に、飽和NaHCO3水溶液(50ml)を加えた。室温に10分間昇温後、反応混合物を10%酢酸エチル/ヘキサン(200ml)で抽出した。有機相を10%CuSO4水溶液(100ml)、飽和NaHCO3水溶液(2×200ml)、および塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色固体(1.1g)を得た。これを、15%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルの3インチパッドで濾過して、カーボネート(14)(P10=TES、P13=TBS)(1.045g、100%)を白色固体として得た。
14(P10=TES、P13=TBS):mp146−147℃、1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.11(s、3H、TBS CH3)、0.12(s、3H、TBS CH3)、0.61(q、J=7.8Hz、6H、TES CH2)、0.88(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、1.20(s、3H、CH3 17)、1.30(s、3H、CH3 16)、1.32(s、3H、CH3 19)、1.40(ddd、J=2.7、4.5、9.2Hz、1H、H6)、1.44(d、J=3.7、13.3Hz、1H、H9β)、1.71(dddd、J=2.7、6.9、9.6、12.8Hz、1H、H6)、2.11(ddd、J=7.8、15.3、15.3Hz、1H、H5)、2.29(dd、J=3.2、15.6Hz、1H、H14α)、2.31(m、2H、H5、H9α)、2.59(dd、J=9.2、15.6Hz、1H、H14β)、2.99(d、J=7.3Hz、1H、H3α)、4.02(dd、J=2.7、11.4Hz、1H、H7β)、4.38(dd、J=3.7、11.0Hz、1H、H10β)、4.47((d、J=7.3Hz、1H、H2β)、4.57(dd、J=2.1、9.2Hz、1H、H13β)、5.02(dd、J=1.4、10.1Hz、1H、H20)、5.06(dd、J=1.4、16.9Hz、1H、H20)、5.77(dddd、J=6.9、6.9、10.1、17.0Hz、1H、H4)、13C NMR(CDCl3)δ(ppm)−5.37、−4.60、4.75、6.51、17.02、17.60、21.24、24.64、25.55、27.36、29.50、30.11、37.56、39.96、42.89、43.75、45.39、66.54、68.29、87.37、90.05、116.15、136.54、136.94、144.93、153.32、169.89、IR(CHCl3)υ3070、1800cm-1、MS(EI)634(M、12)、577(100)、元素分析計算値C34H58O7Si2として:C64.31;H9.21。実測値C64.41;H9.22。
ケトエステル(15)
メタノール(70ml)中のラクトン(14)(P10=TES、P13=TBS)(1.05g、1.65ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、塩化メチレン中のオゾンの飽和溶液(50ml、40ml、次いで8ml)を、TLC分析により出発物質が検出されなくなるまで加えた。得られた混合物に−78℃で、トリエチルアミン(4.8ml)およびトリメチルホスファイト(3.1ml)を順次加えた。5分間攪拌後、溶液を0℃に昇温し、2時間攪拌した。得られた溶液を飽和NaHCO3水溶液(250ml)に注ぎ、CH2Cl2(3×200ml)で抽出した。合した有機相を飽和NaHCO3溶液(150ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、アルデヒド(1.10g)を無色油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
t−ブタノール(30.8ml)、アセトン(10.3ml)およびKH2PO4の1.25M水溶液(8ml、10ミリモル)中の、アルデヒド(1.10g)の攪拌した溶液に、0℃で、KMnO4の1M水溶液(11.3ml、11.3ミリモル)を2分間かけて加えた。反応混合物を0℃で30分間攪拌し、10%Na2S2O3水溶液(200ml)に注ぎ、酢酸エチル(3×200ml)で抽出した。合した有機相を水(50ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。油状残渣の撹拌したエーテル(30ml)溶液に、室温で、CH2N2のエーテル溶液(20ml)を加えた。溶液を減圧下に濃縮して、無色油状物(1.15g)を得た。これを、40%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルの2インチパッドで濾過し、減圧下に濃縮して、ラクトンエステル(15)(P10=TES、P13=TBS、R=Me)(1.01g、91%)を得た。
15(P10=TES、P13=TBS、R=Me):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.12(s、3H、TBS CH3)、0.12(s、3H、TBS CH3)、0.60(q、J=8.1Hz、6H、TES CH2)、0.88(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(t、J=8.1Hz、9H、TES CH3)、1.21(s、3H、CH3)、1.30(s、3H、CH3)、1.33(s、3H、CH3)、1.51(dd、J=3.7、13.2Hz、1H、H9β)、1.53(m、1H、H6)、2.06(d、J=1.1Hz、3H、CH3 18)、2.07(ddd、J=2.9、7.7、21.6Hz、1H、H6)、2.29(dd、J=3.7、15.8Hz、1H、H14α)、2.31(dd、J=13.2、13.2Hz、1H、H9α)、2.46(ddd、J=7.7、16.8、24.5Hz、1H、H5)、2.53(ddd、J=5.5、7.7、16.8Hz、1H、H5)、2.60(dd、J=9.2、15.8Hz、1H、H14β)、2.99(d、J=7.3Hz、1H、H3α)、3.68(s、3H、CO2Me)、4.09(dd、J=2.6、12.1Hz、1H、H7β)、4.39(dd、J=3.7、11.0Hz、1H、H10β)、4.47(d、J=7.3Hz、1H、H2β)、4.59(dd、J=1.8、9.2Hz、1H、H13β)、元素分析計算値C34H58O9Si2として:C61.22;H8.77。実測値C61.30;H8.79。
エノールエステル(16)
THF(24.5ml)中のラクトンエステル(15)(P10=TES、P13=TBS、R=Me)(1.01g、1.51ミリモル)の攪拌した溶液に、−78℃で、THF中のLDAの0.2M溶液(19.4ml、3.88ミリモル)をフラスコ壁に沿わせて3分間かけてゆっくりと加えた。35分間攪拌後、THF中の33%酢酸溶液(10ml)を短時間で加えた。5分後、混合物を飽和NaHCO3水溶液(150ml)に注ぎ、CHCl3(3×200ml)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、粗エノールエステル(16)(P10=TES、P13=TBS、R=Me)(1.02g)を無色油状物として得た。未反応エステルラクトン(15)がまだ約3%存在したが、生成物を更に精製することなく使用した。
16(P10=TES、P13=TBS、R=Me):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.09(s、3H、TBS CH3)、0.10(s、3H、TBS CH3)、0.61(q、6H、TES CH2)、0.87(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(t、J=8.0Hz、TES CH3)、1.08(s、3H、CH3)、1.21(s、3H、CH3)、1.33(s、3H、CH3)、1.61(d、J=4.3Hz、1H、OH−7)、1.89(dd、J=4.3、13.9Hz、1H、H9α)、1.95(dd、J=11.2、11.2Hz、1H、H9β)、2.01(d、J=1.1Hz、3H、CH3 18)、2.22(ddd、J=2.7、10.7、15.5Hz、1H、H6β)、2.45(dd、J=4.8、15.5Hz、1H、H6α)、2.54(dd、J=9.1、15.0Hz、1H、H14β)、2.86(dd、J=3.7、15.0Hz、1H、H14α)、3.07(s、1H、H3α)、3.40(ddd、J=4.8、4.8、9.6Hz、1H、H7α)、3.75(s、3H、CO2Me)、4.39(dd、J=4.3、11.2Hz、1H、H10β)、4.60(d、J=4.3、11.2Hz、1H、H2β)、4.67(dd、J=2.1、9.1Hz、1H、H13β)、12.24(s、1H、OH4)。
エノールエステル(17)
THF(13ml)および2−メトキシプロペン(13ml)中の、粗エノールエステル(16)(P10=TES、P13=TBS、R=Me)(1.02g)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、THF中のp−トルエンスルホン酸の0.1M溶液(0.48ml、0.048ミリモル)を加えた。混合物を0℃で10分間攪拌後、トリエチルアミン(0.66ml)を加えた。混合物を減圧下に濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(7.5%〜30%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、エノールエステル(17)(P7=MOP、P10=TES、P13=TBS、R=Me)(938mg、(15)に対して84%)を得、ラクトンエステル(15)(30mg、3%)を回収した。
17(P7=MOP、P10=TES、R13=TBS、R=Me):mp95−97℃、1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.08(s、3H、TBS CH3)、0.10(s、3H、TBS CH3)、0.59(q、J=7.7Hz、6H、TES CH3)、0.87(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=7.7Hz、9H、TES CH3)、1.10(s、3H、CH3)、1.19(s、3H、CH3)、1.30(s、3H、CH3)、1.34(s、3H、MOP CH3)、1.37(s、3H、MOP CH3)、1.84(m、2H、H9α、H9β)、1.98(s、3H、CH3 18)、(2.17(ddd、J=2.8、10.4、15.9Hz、1H、H6β)、2.52(dd、J=9.3、15.4Hz、1H、H14β)、2.63(dd、J=4.4、15.9Hz、1H、H6α)、2.88(dd、J=3.8、15.4Hz、1H、H14α)、3.06(s、1H、H3α)、3.26(s、3H、MOP OMe)、3.37(dd、J=4.4、10.4Hz、1H、H7α)、3.72(s、3H、CO2Me)、4.36(dd、J=6.0、9.3Hz、1H、H10β)、4.57(d、J=2.2Hz、1H、H2β)、4.67(dd、J=2.8、9.3Hz、1H、H13β)、12.24(s、1H、OH4)。
エノールエステル(17)
ピリジン(0.6ml)中の、エノールエステル(16)(P10=TES、P13=TBS、R=Me)(9mg、0.0137ミリモル)およびDMAP(3.5mg、0.0286ミリモル)の溶液に、0℃で、トリエチルシリルクロリド(0.025ml、0.14ミリモル)を加えた。溶液を室温で16時間攪拌し、酢酸エチル(10ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)に注ぎ、20%酢酸エチル/ヘキサン(20ml×3)で抽出した。合した有機相を無水NaSO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、粗(17)(25mg)を得た。カラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)により、純粋なエノールエステル(17)(P7=P10=TES、P13=TBS、R=Me)(10mg、95%)を得た。
17(P7=P10=TES、P13=TBS、R=Me):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.08(s、3H、TBS CH3)、0.10(s、3H、TBS CH3)、0.59(q、J=8.1Hz、12H、TES CH2)、0.87(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=7.7Hz、18H、TES CH3)、1.05(s、3H、CH3)、1.19(s、3H、CH3)、1.30(s、3H、CH3)、1.84(m、2H、H9α、H9β)、1.98(s、3H、CH3 18)、2.17(ddd、J=2.8、10.4、15.9Hz、1H、H6β)、2.31(dd、J=4.4、15.9Hz、1H、H6α)、2.52(dd、J=9.3、15.4Hz、1H、H14β)、2.85(dd、J=3.8、15.4Hz、1H、H14α)、3.03(br s、1H、H3α)、3.34(dd、J=5.0、10.4Hz、1H、H7α)、3.75(s、3H、CO2Me OMe)、4.36(dd、J=5.0、10.4Hz、1H、H10β)、4.58(d、J=2.7Hz、1H、H2β)、4.66(br d、J=11.0Hz、1H、H13β)、12.22(s、1H、OH4)。
ケトン(18)
DMF(30ml)中のエノールエステル(17)(P7=MOP、P10=TES、P13=TBS、R=Me)(963mg、1.3ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、固体カリウムチオフェンオキシド(250mg、1.69ミリモル)および次いでチオフェノール(0.4ml、3.9ミリモル)を加えた。溶液を86℃に3.5時間加熱した。溶液を室温に冷却後、飽和NaHCO3水溶液(250ml)に直接注ぎ、30%酢酸エチル/ヘキサン(3×150ml)で抽出した。合した有機相を2インチシリカゲルパッドで濾過した後、減圧下に濃縮して、粗生成物(1.29g)を得た。ラジアルクロマトグラフィー(15%、次いで20%、最後に25%の酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、ケトン(18)(P7=MOP、P10=TES、P13=TBS)(763mg、86%)を得た。
18(P7=MOP、P10=TES、P13=TBS):1H NMR(300NHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.14(s、3H、TBS CH3)、0.58(q、J=8.2Hz、6H、TES CH2)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=8.2Hz、9H、TES CH3)、1.22(s、3H、CH3 19)、1.30(s、3H、CH3 17)、1.32(s、6H、MOP CH3)、1.33(s、3H、CH3 16)、1.80(m、1H、H5)、1.81(dd、J=3.8、3.8Hz、1H、H9β)、1.98(m、1H、H5)、1.99(d、J=1.1Hz、3H、CH3 18)、2.21(m、1H、H6β)、2.29(dd、J=10.4、12.1Hz、1H、H9α)、2.43(dd、J=9.3、15.4Hz、1H、H14α)、2.53(m、1H、H6α)、2.63(dd、J=5.0、15.4Hz、1H、H14β)、2.70(d、J=5.0Hz、1H、H3)、3.20(s、3H、MOP OMe)、3.39(dd、J=6.1、10.4Hz、1H、H7)、4.34(dd、J=3.9、10.4Hz、1H、H10)、4.55(d、J=5.5Hz、1H、H2)、4.73(dd、J=5.3、7.7Hz、1H、H13)。元素分析計算値C36H64O8Si2として;C63.49;H9.47。実測値C63.56;H9.55。
18(P7=P10=TES、P13=TBS):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.14(s、3H、TBS CH3)、0.47−0.63(m、12H、TES CH2)、0.90−0.99(m、27H、TBS t−Bu、TES CH3)、1.22(s、3H、CH3)、1.25(s、3H、CH3)、1.33(s、3H、CH3)、1.75(dt、J=11.6、1.6Hz、1H)、1.85(d、J=3.3Hz、1H)、1.90(t、J=3.9Hz、1H)、1.97(t、J=8.1Hz、1H)、2.00(s、3H、CH3)、2.30(m、1H)、2.39−2.60(m、3H)、2.65(m、1H)、3.35(dd、J=9.6、7.8Hz、1H、H7α)、4.35(dd、J=10.8、3.3Hz、1H、H10β)、4.57(d、J=5.1Hz、1H、H2β)、4.72(m、1H、H13β)。
ケトン(18)(P7=BOM)
THF(28.6ml)およびメタノール(9.5ml)中の、ケトン(18)(P7=MOP、P10=TES、P13=TBS)(293mg、0.43ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、CH2Cl2中のPPTSの0.1M溶液(0.20ml、0.02ミリモル)を滴下した。反応混合物を3時間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(100ml)に注ぎ、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合した有機相を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、ヒドロキシケトン(18)(P7=H)(274mg)を無色油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
18(P7=H、P10=TES、P13=TBS):mp75−77℃、1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.13(s、3H、TBS CH3)、0.61(q、J=8.2Hz、6H、TES CH2)、0.93(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=7.7Hz、9H、TES CH3)、1.19(s、3H、CH3 19)、1.22(s、3H、CH3 17)、1.35(s、3H、CH3 16)、1.84(dd、J=13.7、4.1Hz、1H、H9α)、1.88(m、2H、H9β、OH7)、1.92(m、1H、H6β)、2.05(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、2.10(m、1H、H6α)、2.36(dddd、J=1.4、4.1、9.9、14.4Hz、1H、H5α)、2.47(dd、J=8.9、15.4Hz、1H、H14β)、2.51(m、1H、H5β)、2.54(dd、J=4.8、15.4Hz、1H、H14β)、2.86(d、J=5.5Hz、1H、H3)、3.59(ddd、J=4.5、6.2、11.3Hz、1H、H7)、4.38(dd、J=4.1、9.1Hz、1H、H10)、4.56(d、J=5.5Hz、1H、H2)、4.69(ddd、J=1.4、4.8、9.3Hz、1H、H13)。元素分析計算値C32H56O7Si2x.5H2Oとして:C62.19;H9.30。実測値C62.16;H9.22。
CH2Cl2(9.5ml)中のヒドロキシケトン(18)(P7=H)(179mg、0.29ミリモル)の攪拌した溶液、ジイソプロピルアミン(1.49ml、8.6ミリモル)およびテトラブチルアンモニウムヨーダイド(253mg、0.69ミリモル)に、窒素雰囲気中で、ベンジルオキシメチルクロリド(0.42ml、2.86ミリモル)を滴下した。反応混合物を32時間還流し、室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液(100ml)に注ぎ、50%酢酸エチル/ヘキサン(2×100ml)で抽出した。合した有機相を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、ヒドロキシケトン(249mg)を黄色がかった油状物として得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、ケトン(18)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(196mg、92%)を無色油状物として得た。
18(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.13(s、3H、TBS CH3)、0.59(q、J=7.7Hz、6H、TES CH2)、0.94(s、9H TBS t−Bu)、0.94(t、J=7.7Hz、9H、TES CH3)、1.22(s、3H、CH3 17)、1.31(s、3H、CH3 19)、1.33(s、3H、CH3 16)、1.87(dd、J=12.1、3.8Hz、1H、H9α)、1.98(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、1.99(m、2H、H6β、H9β)、2.21(m、1H、H6α)、2.34(dd、J=10.4、12.1Hz、1H、H5α)、2.43(dd、J=9.3、15.4Hz、1H、H14α)、2.55(ddd、J=5.5、11.0、13.7Hz、1H、H5β)、2.62(dd、J=5.0、15.4Hz、1H、H14β)、2.74(d、J=5.0Hz、1H、H3)、3.38(dd、J=6.6、11Hz、1H、H7)、4.38(dd、J=3.8、10.4Hz、1H、H10)、4.56(d、J=5.0Hz、1H、H2)、4.58(d、J=11.5Hz、1H、CH2Ph)、4.64(d、J=11.5Hz、1H、CH2Ph)、4.68(m、2H、H13、OCH2O)、4.82(d、J=7.2Hz、1H、OCH2O)、7.31(m、5H、Ph)。
ケトン(22a)(P5=TMS)
THF(10.5ml)中のケトン(18)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(315mg、0.42ミリモル)の激しく攪拌した溶液、トリエチルアミン(0.88ml、6.3ミリモル)およびトリメチルシリルクロリド(0.53ml、4.2ミリモル)に、窒素雰囲気中、−78℃で、THF中のLDAの0.5M溶液(1.35ml、0.68ミリモル)を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。25分後、飽和NaHCO3水溶液(2ml)を加えた。反応混合物をヘキサン(150ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)および塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた油状物を、ヘキサンを用いてセライトで濾過し、濾液を減圧下に濃縮して、TMSエノールエーテル(21a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P4=TMS)(338mg、99%)を無色油状物として得た。
ヘキサン(2.8ml)中のTMSエノールエーテル(21a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P4=TMS)(224mg、0.274ミリモル)の激しく攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、ヘキサン中のmCPBAの0.02M溶液(14.9ml、0.30ミリモル)を滴下した。5時間後、飽和NaHCO3水溶液(2ml)および10%Na2S2O3水溶液(2ml)を加えた。反応混合物を酢酸エチル(150ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)、10%Na2S2O3水溶液(20ml)、飽和NaHCO3水溶液(20ml)および塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、粗生成物(231mg)を無色油状物として得た。これを更に精製することなく使用するか、またはシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、(22a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=TMS)(168mg、74%)を得、(21a)および(18)の混合物(再使用可)(15%)を回収した。
22a(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=TMS):mp50.5−52℃、1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.13(s、9H、TMS CH3)、0.14(s、3H、TBS CH3)、0.59(q、J=8.2Hz、6H、TES CH2)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、0.94(t、J=8.2Hz、9H、TES CH3)、1.24(s、3H、CH3 17)、1.32(s、3H、CH3 19)、1.33(s、3H、CH3 16)、1.82(dd、J=11.3、13.7Hz、1H、H9α)、1.95(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、1.98(dd、J=3.4、13.7Hz、1H、H9β)、2.16(ddd、J=6.2、7.2、13.3Hz、1H、H6α)、2.40(dt、J=11.4、13.3Hz、6β)、2.43(dd、J=9.2、15.2Hz、1H、H14β)、2.63(dd、J=5.5、15.2Hz、1H、H14α)、2.74(d、J=5.5Hz、1H、H3α)、3.40(dd、J=7.2、10.6Hz、1H、H7α)、4.36(dd、J=3.4、11.3Hz、1H、H10β)、4.40(dd、J=6.2、12.0Hz、1H、H5α)、4.54(d、J=5.5hz、1H、H2β)、4.57(d、J=11.7Hz、1H、CH2Ph)、4.64(d、J=11.7Hz、1H、CH2Ph)、4.68(d、J=7.0Hz、1H、OCH2O)、4.74(m、1H、H13)、4.78(d、J=7.0Hz、1H、OCH2O)、7.31(m、5H、Ph)。元素分析計算値C43H72O9Si3として:C63.19;H8.88。実測値C63.19;H8.92。
ケトン(22a)(P5=H)
アセトニトリル(7ml)中の粗(22a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=TMS)(231mg、0.274ミリモル)の激しく攪拌した溶液に、0℃で、48%HF水溶液:ピリジン:アセトニトリルの1:10:10(体積比)混合物(7ml)を滴下した。20分間攪拌後、飽和NaHCO3水溶液(2ml)を加えた。反応混合物を酢酸エチル(150ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(30ml)および塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、粗アルコール(223mg)を無色油状物として得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、ケトン(22a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=H)(155mg、74%)、5β−ヒドロキシケトン(15mg、7%)、およびTMSエノールエーテル(21a)とケトン(18)との1:1混合物(33mg、14%回収可能物質)を得た。
22a(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=H):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.14(s、3H、TBS CH3)0.59(q、J=8.2Hz、6H、TES CH2)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、0.94(t、J=8.2Hz、9H、TES CH3)、1.23(s、3H、CH3 19)、1.32(s、3H、CH3 17)、1.33(s、3H、CH3 16)、1.83(dd、J=11.0、13.7Hz、1H、H6β)、1.97(d、J=1.4Hz、3H、H18)、2.01(dd、J=3.2、13.7Hz、1H、H9β)、2.11(ddd、J=5.5、7.7、13.7Hz、1H、H6α)、2.47(dd、J=8.7、15.4Hz、1H、H14β)、2.57(m、2H、H14α、H9α)、2.88(d、J=5.5Hz、1H、H3α)、3.39(dd、J=7.7、11.0Hz、1H、H7α)、3.41(d、J=3.3Hz、1H、OH−5)、4.38(m、2H、H5β、H10)、4.55(d、J=5.5Hz、1H、H2β)、4.57(d、J=11.5Hz、1H、CH2Ph)、4.62(d、J=11.5Hz、1H、CH2Ph)、4.72(m、2H、H13β、OCH2O)、4.80(d、J=7.1Hz、1H、OCH2O)、7.31(m、5H、Ph)。
ケトン(22a)(P5=H)からのケトン(22a)(P5=TMS)の生成
CH2Cl2(2.2ml)およびトリエチルアミン(0.14ml、1.0ミリモル)中の、5−ヒドロキシ−4−ケトン(22a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=H)(51mg、0.067ミリモル)の激しく攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、トリメチルシリルクロリド(0.041ml、0.34ミリモル)を加えた。0.5時間後、反応混合物に飽和NaHCO3水溶液(5ml)を加えて反応を停止し、ヘキサン(150ml)で抽出した。有機相を飽和NaHCO3水溶液(50ml)および塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、無色油状物(56mg)を得た。これをシリカゲルで濾過し、濾液を減圧下に濃縮して、ケトン(22a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=TMS)(54mg、96%)を得た。
アルコール(23a)
CH2Cl2(4ml)中のケトン(22a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=TMS)(18.9mg、0.023ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−65℃で、エーテル中のMeMgBrの3.1M溶液(0.073ml、0.23ミリモル)を滴下した。反応混合物を−48℃に昇温し、16.5時間攪拌し、THF中のAcOHの2.0M溶液(0.13ml、0.25ミリモル)を加えて反応を停止した後、飽和NaHCO3水溶液(50ml)と酢酸エチル(50ml)との攪拌した混合物に注いだ。水相を酢酸エチル(50ml)で抽出した。合した有機相を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、無色油状物(20.5mg)を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、アルコール(23a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=TMS)(18.4mg、95%)を無色油状物として得た。
23a(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=TMS):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.09(s、9H、TMS)、0.11(s、3H、TBS CH3)、0.12(s、3H、TBS CH3)、0.56(q、J=7.9Hz、6H、TES CH2)、0.92(t、J=7.9Hz、9H、TES CH3)、0.93(s、9H、TBS t−Bu)、1.25(s、3H、CH3 17)、1.28(s、3H、CH3 19)、1.33(s、3H、CH3 20)、1.34(s、3H、CH3 16)、1.74(ddd、J=3.8、4.1、13.0Hz、1H、H6α)、1.99(d、J=1.4Hz、3H、H18)、2.01(dd、J=11.3、13.0Hz、1H、H9α)、2.06(m、2H、H3、H9β)、2.13(ddd、J=1.7、12.3、13.0Hz、1H、H6β)、2.37(dd、J=5.5、15.3Hz、1H、H14α)、2.54(dd、J=9.2、15.0Hz、1H、H14β)、2.96(s、1H、OH−4)、3.51(dd、J=1.7、4.1Hz、1H、H5)、3.73(dd、J=3.8、12.3Hz、1H、H7α)、4.32(dd、J=4.1、11.3Hz、1H、H10β)、4.64(s、2H、CH2Ph)、4.72(d、J=6.8Hz、1H、OCH2O)、4.80(m、3H、H2、H13、OCH2O)、7.31(m、5H、Ph)。元素分析計算値C44H76O9Si3として:C63.42;H9.19。実測値C63.40;H9.15。
ヒドロキシオレフィン(24a)
トルエン(1.1ml)中のアルコール(23a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、P5=TMS)(46.7mg、0.055ミリモル)の還流した溶液に、トルエン中の0.1Mバーゲス(Burgess)試薬溶液(1.1ml、0.11ミリモル)を加えた。混合物を20分間還流後、室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3溶液および塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、粗オレフィン(46mg)を得た。これを更に精製することなく使用した。
この粗オレフィン(46mg、0.055ミリモル)の、アセトニトリル(2.5ml)中の攪拌した溶液に、0℃で、48%HF水溶液:ピリジン:アセトニトリルの1:10:10(体積比)混合物(2.5ml)を加えた。混合物を0℃で20分間攪拌し、飽和NaHCO3溶液を加えて反応を停止し、酢酸エチルで2回抽出した。合した有機相を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、無色油状物(48mg)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、ヒドロキシオレフィン(24a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=H)(25.9mg、62%)および未反応アルコール(23a)(2.1mg、4%)を得た。
24a(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=H):mp66−68℃ 1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.12(s、3H、TBS CH3)、0.13(s、3H、TBS CH3)、0.59(q、J=7.9Hz、6H、TES CH2)、0.94(t、J=7.9Hz、9H、TES CH3)、0.95(s、9H、TBS t−Bu)、1.18(s、3H、CH3 19)、1.23(s、3H、CH3 17)、1.35(s、3H、CH3 16)、1.73(d、1H、J=3.4Hz、OH5)、1.83(dd、J=9.9、10.5Hz、1H、H9α)、1.91(ddd、J=7.2、7.5、13.4Hz、1H、H6α)、1.97(dd、J=3.8、9.9Hz、1H、H9β)、2.03(d、J=1.4Hz、3H、18)、2.14(ddd、J=9.6、9.6、13.4Hz、1H、H6β)、2.35(dd、J=5.1、15.4Hz、1H、H14α)、2.50(dd、J=9.6、15.4Hz、1H、H14β)、3.03(d、J=5.8Hz、1H、H3α)、3.44(dd、J=7.5、9.6Hz、1H、H7α)、4.38(m、2H、H10、H5)、4.54(d、J=5.8Hz、1H、H2)、4.58(d、J=11.6Hz、1H、CH2Ph)、4.62(d、J=11.6Hz、1H、CH2Ph)、4.73(d、J=7.0Hz、1H、OCH2O)、4.75(m、1H、H13)、4.79(d、J=7.0Hz、1H、OCH2O)、5.00(s、1H、H20E)、5.18(s、1H、H20Z)、7.31(m、5H、Ph)、元素分析計算値C41H66O8Si2x0.5H2Oとして:C65.47;H8.98。実測値C65.63;H8.97。
アリルメシレート(24aa)
ピリジン(0.6ml)中のアリルアルコール(24a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=H)(11.5mg、0.0154ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、メタンスルホニルクロリド(0.02ml、0.258ミリモル)を滴下した。45分後、飽和NaHCO3水溶液(0.05ml)を加えた。混合物を10分間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、40%酢酸エチル/ヘキサン(20ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、(24aa)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ms)(13mg)を無色油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
24aa(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ms):1H NMR(300MHz、CDCl3);δ0.12(s、3H、TBS CH3)、δ0.13(s、3H、TBS CH3)、0.58(q、J=7.9Hz、6H、TES CH2)、0.93(s、9H、TBS t−Bu)、0.94(t、J=7.9Hz、9H、TES CH3)、1.23(s、3H、CH3 17)、1.22(s、3H、CH3 19)、1.34(s、3H、CH3 16)、1.80(br t、J=13Hz、1H、H9α)、1.98(m、1H、H6)、1.79(ddd、J=2.2、5.5、15.1Hz、1H、H14α)、2.01(d、J=1.1Hz、1H、CH3 18)、2.06(dd、J=3.3、13.7Hz、1H、H9β)、2.01(br s、3H、CH3 18)、2.22−2.32(m、3H、H14α、H6α、H6β)、2.54(dd、J=9.9、15.4Hz、1H、H14β)、3.02(s、3H、OSO2CH3)、3.05(d、J=6.0Hz、1H、H3α)、3.45(t、J=8.5Hz、1H、H7α)、4.37(dd、J=3.6、11.0Hz、1H、H10β)、4.57(d、J=6.0Hz、1H、H2β)、4.59(q、2H、PhCH2O)、4.69(d、J=7.1Hz、1H、OCH2O)、4.74(m、1H、H13β)、4.76(d、J=7.1Hz、1H、OCH2O)、5.03(br t、J=8.5Hz、1H、H5β)、5.09(br s、1H、H20)、5.24(br s、1H、H20)、7.35(m、5H、Ph)。
トリオール(25a)
ピリジン(0.32ml)およびエーテル(3.2ml)の混合物中のアリルアルコール(24a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=H)(45mg、0.0606ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、THF中のOsO4の0.15M溶液(0.42ml、0.066ミリモル)を加えた。0℃で12時間後、NaHCO3(530mg)、ピリジン(0.3ml)、THF(2ml)および水(3ml)を加えた。混合物を室温で14時間激しく攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(50ml)に注ぎ、酢酸エチル(40ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(60mg)を得、これをカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、トリオール(25a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(34.3mg、73%)を得た。
25a(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS):1H NMR(500MHz、CDCl3);δ0.11(s、6H、TBS CH3)、0.60(ddd、J=9.0Hz、6H、TES CH2)、0.79(s、3H、CH3 19)、0.93(s、9H、TBS t−Bu)、0.94(dd、J=9.0Hz、9H、TES CH3)、1.22(s、3H、CH3 17)、1.35(s、3H、CH3 16)、1.64(dd、J=5.6、16.4Hz、1H、H9β)、1.70(m、1H、H6β)、2.22(dd、J=2.7、16.8Hz、1H、H9α)、2.23(d、J=0.7Hz、3H、CH3 18)、2.36(dd、J=9.2、15.0Hz、1H、H14β)、2.45(m、1H、H6α)、2.96(s、1H、OH5)、3.21(dd、6.9、15.0Hz、1H、H14α)、3.42(d、J=5.0Hz、1H、H3α)、3.53(m、1H、H20)、3.38(s、1H、OH4)、3.70(t、J=3.0Hz、1H、H5β)、4.04(br d、J=11Hz、1H、H20)、4.06(dd、J=11.5、5.0Hz、1H、H7α)、4.48(d、J=5.0Hz、1H、H2β)、4.49(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.53(br s、1H、H10β)、4.71(m、1H、H13β)、4.72(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.85(d、J=6.8Hz、1H、OCH2O)、4.98(d、J=6.8Hz、1H、OCH2O)、7.34(m、5H、Ph)。元素分析計算値C41H68O10Si2として:C63.36;H8.82。実測値C63.19;H8.75。
ジオールメシレート(26a)
ピリジン(0.4ml)およびTHF(0.4ml)の混合物中のアリルメシレート(24aa)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ms)(5mg、0.0064ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、THF中のOsO4の0.157M溶液(0.06ml)を加えた。7時間後、NaHCO3(150mg)および水(0.2ml)を加えた。混合物を14時間激しく攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(20mlに注ぎ、酢酸エチル(20ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(6mg)を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(40%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、ジオールメシレート(26a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ms)(2.7mg、50%)を得た。
26a(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ms):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.14(s、6H、TBS CH3)、0.58(ddd、J=8.0Hz、6H、TES CH2)、0.89(s、3H、CH3 19)、0.93(s、9H、TBS t−Bu)、0.94(dd、J=8.0Hz、9H、TES CH3)、1.31(s、3H、CH3 17)、1.37(s、3H、CH3 16)、1.76(dd、J=5.5、15.1、1Hz、H9β)、1.95(m、1H、H6β)、2.23(d、J=0.7Hz、3H、CH3 18)、2.25(dd、J=4.8、15.1Hz、1H、H9α)、2.39(dd、J=9.2、15.1Hz、1H、H14β)、2.45(m、1H、H6α)、2.89(dd、6.8、15.1Hz、1H、H14α)、3.05(d、J=3.4Hz、1H、H3α)、3.06(s、3H、OSO2CH3)、3.35(s、1H、OH4)、3.52(m、1H、H20)、3.92(ss、J=4.5、11.6Hz、1H、H7α)、4.13(dd、J=1.0、11.3Hz、1H、H20)、4.46(br d、J=4.5Hz、1H、H10)、4.52(d、J=3.4Hz、1H、H2)、4.54(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.70(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.83(d、J=6.9Hz、1H、OCH2O)、4.84(m、1H、H5β)、4.92(m、1H、H13β)、4.93(d、J=6.9Hz、1H、OCH2O)、7.34(m、5H、Ph)。
ジオールトシレート(26aa)
CH2Cl2(0.4ml)中のトリオール(25a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(37mg、0.0476ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、トリエチルアミン(0.25ml)、および次いでトリメチルクロロシラン(0.075ml)を加えた。溶液を−78℃で1時間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、クロロホルム(30ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、無色油状物(38.2mg)を得た。この油状物をTHF(0.5ml)に溶解し、−78℃に冷却した。この溶液に、THF中のLDAの0.2M溶液(0.9ml、0.18ミリモル)を加えた。−78℃で20分後、p−トルエンスルホニルクロリド(35mg、0.183ミリモル)を加えた。−35℃で3時間後、MeOH(0.2ml)およびジエチルアミン(0.3ml)を加えた。溶液を−35℃で30分間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(30ml)に注ぎ、クロロホルム(40ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、無色油状物(58mg)を得た。この油状物をアセトニトリル(3.6ml)およびピリジン(3.6ml)に溶解した。この溶液に0℃で、48%HF水溶液(0.36ml)を加えた。溶液を0℃で15分間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(30ml)に注ぎ、クロロホルム(40ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、粗ジオールトシレート(26aa)(56mg)を得た。カラムクロマトグラフィー(40%酢酸エチル/ヘキサン)により、ジオールトシレート(26aa)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ts)(34mg、80%)を得た。
26aa(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ts)。1H NMR(300MHz、CDCl3);δ0.18(s、6H、TBS CH3)、0.58(d、J=12.5Hz、6H、TES CH2)、0.82(s、3H、CH3 19)、0.94(dd、J=13.0Hz、9H、TES CH3)、0.97(s、9H、TBS t−Bu)、1.28(s、3H、CH317)、1.34(s、3H、CH3 16)、1.67(dd、J=16.5、4.4Hz、1H、H9β)、1.80(m、1H、H6β)、2.13(dd、J=16.5、4.4Hz、1H、H9α)、2.18(m、1H、H6α)、2.24(s、3H、CH3 18)、2.33(s、3H、CH3Ph)、2.42(dd、J=14.8、9.3Hz、1H、H14β)、2.90(m、1H、H14α)、2.93(br s、1H、OH4)、3.08(br d、J=3.3Hz、1H、H3α)、3.38(br t、J=11.0Hz、1H、H7α)、3.87(m、1H、H20)、4.09(br d、J=9.9Hz、1H、H20)、4.52(d、J=3.3Hz、1H、H2β)、4.45(br d、J=4.4Hz、1H、H10β)、4.46(d、J=12.1Hz、1H、PhCH2O)、4.59(d、J=12.1Hz、1H、PhCH2O)、4.66(br t、J=3.8Hz、1H、H5β)、4.75(d、J=7.1Hz、1H、OCH2O)、4.83(d、J=7.1Hz、1H、OCH2O)、4.89(br dd、J=7.7、6.6Hz、1H、H13β)、7.14(d、J=8.2Hz、2H、SO2Ph)、7.34(m、5H、OCH2Ph)、7.75(d、J=8.2Hz、2H、SO2Ph)。
ジオールメシレート(26a)からのオキセタン(27a)の生成
トルエン(0.4ml)中のジオールメシレート(26a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ms)(2.7mg)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、ジイソプロピルエチルアミン(0.008ml)を加えた。溶液を3.5時間還流し、室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、酢酸エチル(20ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(3mg)を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、オキセタン(27a)(1mg、42%)を得た。
27a(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS):1H NMR(500MHz、CDCl3);δ0.10(s、6H、TBS CH3)、0.59(dd、J=8.0Hz、6H、TES CH2)、0.92(s、9H、TBS t−Bu)、0.94(dd、J=8.0Hz、9H、TES CH3)、1.20(s、3H、CH3 17)、1.26(s、3H、CH3 19)、1.32(s、3H、CH3 16)、1.93(dd、J=11.3、13.4Hz、1H、H9α)、1.98(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、2.06(dd、J=6.0、18.6Hz、1H、H6β)、2.11(dd、J=4.5、13.4Hz、1H、H9β)、2.14(d、J=5.5Hz、1H、H3α)、2.41(dd、J=9.2、15.1Hz、1H、H14β)、2.43(m、1H、H6α)、2.54(s、1H、OH4)、2.76(dd、J=5.2、15.1Hz、H14α)、3.21(dd、J=3.4、13.0Hz、1H、H7α)、4.36(d、J=8.6Hz、1H、H20α)、4.37(dd、J=4.1、11.3Hz、1H、H10β)、4.40(br d、J=8.2Hz、1H、H5α)、4.60(d、J=5.5Hz、1H、H2β)、4.61(d、J=12.6Hz、1H、PhCH2O)、4.67(m、1H、H13β)、4.69(d、J=12.6Hz、1H、PhCH2O)、4.75(d、J=7.5Hz、1H、OCH2O)、4.86(d、J=7.5Hz、1H、OCH2O)、4.91(dd、J=0.7、8.6Hz、1H、H20β)、7.34(m、5H、Ph)。元素分析計算値C41H66O9Si2として:C64.87;H8.76。実測値C64.61;H8.78。
ジオールトシレート(26aa)からのオキセタン(27a)の生成
トルエン(3.3ml)中のジオールトシレート(26aa)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS、R=Ts)(33mg、0.0354ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、DBU(0.11ml、0.73ミリモル)を加えた。溶液を80℃に10分間加熱後、40分間にわたって110℃に昇温し、110℃に更に30分間保ち、室温に冷却した。溶液を、30%酢酸エチル/ヘキサンを溶出剤として使用してシリカゲルのショートパッドで濾過した。濾液を濃縮して粗(27a)(25mg)を得、これをカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、オキセタン(27a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(21mg、78%)を得た。
オキセタン(29)
ピリジン(110μl、1.37ミリモル)中の、オキセタン(27a)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(21mg、0.0276ミリモル)およびジメチルアミノピリジン(3.4mg、0.0278ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、無水酢酸(26μl、0.276ミリモル)を加えた。溶液を25時間攪拌し、酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、酢酸エチル(20ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(26mg)を得、これをカラムクロマトグラフィー(25%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、オキセタン(29)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(16mg、72%)を得た。
29(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS):1H NMR(500MHz、CDCl3);δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.12(s、3H、TBS CH3)、0.56(q、6H、TES CH2)、0.92(t、9H、TES CH3)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、1.35(s、3H、CH3 16)、1.30(s、3H、CH3 17)、1.29(s、3H、CH3 19)、1.96(br t、J=13.0Hz、1H、H9α)、1.98(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、2.02(dd、J=7.5、13.0、1H、H9β)、2.07(dt、J=8.0、13.0Hz、1H、H6β)、2.13(s、3H、OAc)、2.24(dd、J=3.4、15.0Hz、1H、H14α)、2.40(dd、J=8.6、15.0Hz、1H、H14β)、2.51(ddd、J=4.1、9.2、15.0Hz、1H、H6α)、2.63(d、J=6.5Hz、1H、H3α)、3.69(dd、J=4.1、13.0Hz、H7α)、4.35(dd、J=3.4、11.3Hz、1H、H10β)、4.64(m、4H、PhCH2O、H2β、H5α)、4.75(d、J=7.2Hz、1H、OCH2O)、4.76(br d、J=9.2Hz、1H、H20)、4.83(d、J=7.2Hz、1H、OCH2O)、4.85(br d、J=9.2Hz、1H、H20)、4.88(br t、J=8.2Hz、1H、H13β)、7.35(m、5H、Ph)。
ベンゾエート(30)
THF(0.5ml)中のオキセタン(29)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(6mg、0.075ミリモル)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、エーテル中の0.3Mフェニルリチウム溶液(44μl、0.013ミリモル)を加えた。溶液を−78℃で15分間攪拌し、THF中の10%酢酸溶液を加えて反応停止した。溶液を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、酢酸エチル(20ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(8mg)を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(25%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、ベンゾエート(30)(P7=BOM、P13=TBS、R=TES)(6.2mg、94%)を得た。
30(P7=BOM、P13=TBS、R=TES):1H NMR(500MHz、CDCl3);δ0.09(s、3H、TBS CH3)、0.14(s、3H、TBS CH3)、0.60(ddd、6H、TES CH2)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(t、6H、TES CH3)、1.23(s、3H、CH3 17)、1.38(s、3H、CH3 19)、1.46(s、3H、CH3 16)、1.69(s、1H、OH1)、1.97(ddd、J=14.5、10.0、3.1Hz、1H、H6β)、2.05(dd、J=16.1、5.1Hz、1H、H9β)、2.09(dd、J=15.1、6.2Hz、1H、H14β)、2.13(s、3H、CH3 18)、2.22(dd、J=15.1、8.2Hz、1H、H14α)、2.23(dd、J=15.0、8.5Hz、1H、H9β)、2.24(s、1H、OAc4)、2.38(dd、J=16.1、4.1Hz、1H、H9α)、2.67(m、1H、H6α)、3.40(d、J=6.2Hz、1H、H3α)、3.99(dd、J=10.1、6.8Hz、1H、H7α)、4.20(d、J=8.2Hz、1H、H20β)、4.29(d、J=8.2Hz、1H、H20α)、4.49(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.63(br t、1H、H10β)、4.74(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.92(d、J=6.9Hz、1H、OCH2O)、4.91−4.95(m、2H、H13βおよびH5α)、5.01(d、J=6.9Hz、1H、OCH2O)、5.66(d、J=6.2Hz、1H、H2β)、7.28(m、1H、PhCH2)、7.35(m、4H、PhCH2)、7.48(m、2H、PhCOO−m)、7.59(m、1H、PhCOO−p)、8.11(m、2H、PhCOO−o)。
アルコール(31)
THF(2ml)中のベンゾエート(30)(P7=BOM、P13=TBS、R=TES)(6.2mg、0.007ミリモル)の溶液に、THF中のTBAFの0.1M溶液(0.1ml)を加えた。混合物を窒素雰囲気中、25℃で2時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(10ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(10ml)に注いだ。有機相を飽和NaHCO3水溶液(10ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、アルコール(31)(P7=BOM、P13=TBS、R=H)(4.5mg、93%)を得た。
31(P7=BOM、P13=TBS、R=H):mp213−216℃ 1H NMR(500MHz、CDCl3);δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.15(s、3H、TBS CH3)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、1.26(s、3H、CH3 17)、1.39(s、3H、CH3 19)、1.45(s、3H、CH3 16)、1.68(s、1H、OH1)、1.89(ddd、J=14.5、10.0、2.5Hz、1H、H6β)、2.10(dd、J=15.0、9.0Hz、1H、H14β)、2.15(dd、J=15.0、8.0Hz、1H、H14α)、2.18(s、3H、CH3 18)、2.23(dd、J=15.0、8.5Hz、1H、H9β)、2.26(s、1H、OAc4)、2.40(dd、J=15.0、3.5Hz、1H、H9α)、2.68(m、1H、H6α)、2.90(br s、1H、OH10)、3.54(d、J=6.0Hz、1H、H3α)、4.16(d、J=8.0Hz、1H、H20β)、4.23(dd、J=10.0、7.0Hz、1H、H7α)、4.30(d、J=8.0Hz、1H、H20α)、4.68(dd、J=15Hz、2H、PhCH2O)、4.78(m、1H、H10β)、4.87(d、J=6.5Hz、1H、OCH2O)、4.95(t、J=2.0Hz、1H、H20α)、4.92(d、J=7.0Hz、1H、OCH2O)、4.93(br d、J=2.0Hz、1H、H13β)、4.96(br d、J=6.5Hz、1H、H5α)、4.97(d、J=6.5Hz、1H、OCH2O)、5.68(d、J=6.0Hz、1H、H2β)、7.28(m、1H、PhCH2O)、7.35(m、4H、PhCH2O)、7.40(m、2H、PhCOO−m)、7.59(m、1H、PhCOO−p)、8.13(m、2H、PhCOO−o)。元素分析計算値C43H60O10Six0.5H2Oとして:C66.72;H7.94。実測値C66.75;H7.96。
アルコール(30a)を経たアルコール(31)の生成
アセトニトリル(0.33ml)中のオキセタン(29)(P7=BOM、P10=TES、P13=TBS)(16mg、0.02ミリモル)の攪拌した溶液に、0℃で、アセトニトリル(0.8ml)中のHF−ピリジン複合体の4%溶液(0.8ml)を加えた。溶液を0℃で11時間攪拌し、酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、CHCl3(30ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、(30a)(13.5mg、0.0196ミリモル)を油状物として得た。この油状物をTHF(1ml)に溶解し、−78℃に冷却した。この溶液に−78℃で、THF中の0.285Mフェニルリチウム溶液(0.144ml、2.1当量)を加えた。10分後、溶液を飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、CHCl3(30ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(16mg)を得、これを結晶化して、ベンゾエート(31)(P7=BOM、P13=TBS、R=H)(12.7mg、85%)を得た。
ケトン(32)
CH2Cl2(2.6ml)中の、ベンゾエート(31)(P7=BOM、P13=TBS、R=H)(18mg、0.235ミリモル)および4−メチルモルホリンN−オキシド(18mg、0.154ミリモル)の溶液に、室温で、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(6mg、0.017ミリモル)を加えた。溶液を室温で15分間攪拌し、30%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルで濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、ケトベンゾエート(32)(P7=BOM、P13=TBS)(18mg、100%)を得た。
32(P7=BOM、P13=TBS):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.12(s、3H、TBS CH3)、0.16(s、3H、TBS CH3)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、1.25(s、3H、CH3)、1.42(s、3H、CH3)、1.44(s、6H、MOP CH3)、1.49(s、3H、CH3)、1.75(s、1H、OH1)、1.76(m、1H、H6)、1.83(s、3H、CH3 18)、2.21(dd、J=7.15Hz、1H、H14)、2.25(s、3H、OAc)、2.29(dd、J=8.15Hz、1H、H14)、2.61(d、J=16Hz、1H、H9)、2.74(ddd、J=8.9、17Hz、1H、H6)、3.19(s、3H、MOP OCH3)、3.20(d、J=6Hz、1H、H3α)、3.32(d、J=16Hz、1H、H9)、3.78(dd、J=8.10Hz、1H、H7)、4.15(d、J=8Hz、1H、H20)、4.34(d、J=8Hz、1H、H20)、4.89(d、J=9Hz、1H、H5)、5.04(m、1H、H13)、5.90(d、J=6Hz、1H、H2)、7.50(m、2H、PhCOO−m)、7.62(m、1H、PhCOO−p)、8.24(m、2H、PhCOO−o)。
32(P7=TES、P13=TBS):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.12(s、3H、TBS CH3)、0.16(s、3H、TBS CH3)、0.65(q、J=8Hz、3H、TES CH3)、0.66(q、J=8Hz、3H、TES CH3)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、1.00(t、J=8Hz、3H、TES CH2)、1.24(s、3H、CH3)、1.38(s、3H、CH3)、1.49(s、3H、CH3)、1.75(s、1H、OH1)、1.80(m、1H、H6)、1.81(s、3H、CH318)、2.20(dd、J=9、15Hz、1H、H14)、2.26(s、3H、OAc CH3)、2.29(dd、J=8、15Hz、1H、H14)、2.48(ddd、J=8、9、17Hz、1H、H6)、2.58(d、J=17Hz、1H、H9)、3.15(d、J=6Hz、1H、H3α)、3.36(d、J=17Hz、1H、H9)、3.79(dd、J=7.9Hz、1H、H7)、4.14(d、J=8Hz、1H、H20)、4.33(d、J=8Hz、1H、H20)、4.90(d、J=9Hz、1H、H5)、5.04(m、1H、H13)、5.90(d、J=6Hz、1H、H2)、7.49(m、2H、PhCOO−m)、7.61(m、1H、PhCOO−p)、8.13(m、2H、PhCOO−o)。
32(P7=BOM、P13=TBS):1H NMR(500MHz、CDCl3);δ0.16(s、3H、TBS CH3)、0.18(s、3H、TBS CH3)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、1.26(s、3H、CH3 17)、1.47(s、3H、CH3 19)、1.52(s、3H、CH3 16)、1.76(s、1H、OH1)、1.83(d、3H、J=0.5Hz、CH3 18)、1.89(ddd、J=15.0、9.5、1.5Hz、1H、H6β)、2.21(dd、J=15.0、9.0Hz、1H、H14β)、2.26(s、1H、OAc4)、2.29(dd、J=15.0、8.0Hz、1H、H14α)、2.72(m、1H、H6α)、2.75(d、J=16Hz、1H、H9α)、3.18(d、J=6.5Hz、1H、H3α)、3.26(d、J=16.5Hz、H9α)、3.65(dd、J=9.0、7.5Hz、1H、H7α)、4.15(d、J=7.5Hz、1H、H20β)、4.34(d、J=7.5Hz、1H、H20α)、4.61(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.72(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.81(d、J=7.0Hz、1H、OCH2O)、4.92(d、J=7.0Hz、1H、OCH2O)、4.93(br d、J=6.5Hz、1H、H5α)、5.05(br t、J=6.5Hz、1H、H13β)、5.91(d、J=6.0Hz、1H、H2β)、7.28(m、1H、PhCH2O)、7.35(m、4H、PhCH2O)、7.50(m、2H、PhCOO−m)、7.62(m、1H、PhCOO−p)、8.13(m、2H、PhCOO−o)。
ヒドロキシケトン(33)
THF(1.3ml)中の(32)(P7=BOM、P13=TBS)(16.2mg、0.02ミリモル)の溶液に、−78℃で、THF中のt−BuOKの0.24M溶液(0.33ml、0.08ミリモル、4当量)を加えた。溶液を40分間−20℃に昇温し、次いで短時間0℃に昇温後、THF(1.3ml)中の無水ベンゼンセレニン酸(57mg、0.16ミリモル)の0℃の懸濁液にカニューレから加えた。反応混合物を0℃で40分間攪拌後、酢酸エチル(20ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(50ml)に注いだ。次いで、有機相を飽和Na2S2O3水溶液(50ml)およびその後に飽和NaHCO3水溶液(50ml)で洗った。次いで、有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発して、ヒドロキシケトン(18.8mg)を油状物として得た。THF(1.3ml)中の粗ヒドロキシケトン(18.8mg)の溶液に、t−BuOKの0.24M溶液(0.33ml、0.08ミリモル)を−78℃で加えた。反応混合物を20分間攪拌後、THF中のAcOHの0.8M溶液(0.25ml)を−78℃で加え、5分間攪拌した。混合物を酢酸エチル(20ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(50ml)に注いだ。次いで、有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発して、黄色固体(18.6mg)を得、これを2%酢酸エチル/ヘキサン、および次いで30%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルでプラグ濾過して、(33)(P7=BOM、P13=TBS)(15.9mg、96%)を得た。
33(P7=BOM、P13=TBS):m.p.:234−236℃、1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.13(s、3H、TBS CH3)、0.15(s、3H、TBS CH3)、0.95(s、9H、TBS t−Bu)、1.11(s、3H、CH3 16)、1.18(s、3H、CH3 17)、1.59(s、1H、OH1)、1.82(s、3H、CH3 18)、1.89(ddd、J=2.1、12.4、14.4Hz、1H、H6β)、1.97(d、J=2.0Hz、3H、CH3 18)、2.14(dd、J=8.6、15.4Hz、1H、H14β)、2.21(dd、J=8.9、15.4Hz、1H、H14α)、2.29(s、3H、Ac)、2.70(ddd、J=6.5、9.6、14.4Hz、1H、H6α)、3.93(d、J=6.9Hz、1H、H3α)、4.17(d、J=8.6Hz、1H、H20β)、4.28(d、J=2.4Hz、1H、OH10β)、4.31(dd、J=6.5、12.4Hz、1H、H7α)、4.32(d、J=8.6Hz、1H、H20α)、4.45(d、J=12.2Hz、1H、PhCH2O)、4.60(d、J=12.2Hz、1H、PhCH2O)、4.60(d、J=7.3Hz、1H、OCH2O)、4.73(d、J=7.3Hz、1H、OCH2O)、4.97(dd、J=2.1、9.6Hz、1H、H5α)、5.01(ddd、J=2.0、8.6、8.9Hz、1H、H13β)、5.35(d、J=2.4Hz、1H、H10α)、5.64(d、J=6.9Hz、1H、H2β)、7.3(m、5H、PhCH2)、7.49(tt、J=1.7、7.9Hz、2H、PhCOO−m)、7.61(tt、J=1.7、7.6Hz、1H、PhCOO−p)、8.10(dd、J=1.2、7.9Hz、PhCOO−o)。
33(P7=MOP、P13=TBS):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.13(s、3H、TBS CH3)、0.15(s、3H、TBS CH3)、0.95(s、9H、TBS t−Bu)、1.00(s、3H、CH3 16)、1.09(s、3H、CH3 17)、1.23(s、3H、MOP CH3)、1.37(s、3H、MOP CH3)、1.58(s、1H、OH1)、1.79(s、3H、CH3 19)、1.90(ddd、J=2.6、8.8、13.7Hz、1H、H6β)、2.04(s、3H、CH3 18)、2.13(dd、J=8.8、15.5Hz、1H、H14β)、2.22(dd、J=8.8、15.5Hz、1H、H14α)、2.29(s、3H、OAc)、2.79(ddd、6.3、9.9、14.8Hz、1H、H6α)、3.17(s、3H、MOP OCH3)、3.90(d、J=7.1Hz、1H、H3α)、4.16(d、J=8.2Hz、1H、H20α)、4.25(d、J=2.2Hz、1H、OH4)、4.32(d、J=8.8Hz、1H、H20β)、4.41(dd、J=6.6、11.0Hz、1H、H7α)、4.94(dd、J=2.2、9.9Hz、1H、H5α)、5.03(ddd、J=1.1、8.2、8.8Hz、1H、H13β)、5.20(d、J=6.2Hz、1H、H10α)、5.60(d、J=7.2Hz、1H、H2β)、7.48(t、J=7.7Hz、2H、PhCOO−m)、7.61(t、J=7.7Hz、1H、PhCOO−p)、8.10(d、J=7.1Hz、2H、PhCOO−o)。
アセテート)(34)
ピリジン(0.1ml)中の33(P7=BOM、P13=TBS)(15.9mg、0.02ミリモル)およびDMAP(1.2mg、0.01ミリモル)の溶液に、室温で、無水酢酸(38μl、0.4ミリモル)を加え、反応混合物を19時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(20ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(50ml)に注いだ。有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発して、粗生成物(18.1mg)を得た。これを20%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルでプラグ濾過して、34(P7=BOM、P13=TBS)(16.8mg、100%)を得た。
34(P7=BOM、P13=TBS):1HNMR(500MHz、CDCl3)δ0.14(s、3H、TBS Me)、0.16(s、3H、TBS Me)、0.95(s、9H、TBS t−Bu)、1.17(s、3H、CH3 17)、1.18(s、3H、CH3 16)、1.63(s、1H、OH1)、1.76(s、3H、CH3 19)、1.99(ddd、J=2.1、10.6、14.7Hz、1H、H6β)、2.04(d、J=1.0Hz、3H、CH3 18)、2.17(dd、J=8.6、15.1Hz、1H、H14β)、2.19(s、3H、AcO10)、2.24(dd、J=8.6、15.1Hz、1H、H14α)、2.28(s、3H、AcO4)、2.88(ddd、J=6.5、9.8、14.7Hz、1H、H6α)、3.87(d、J=7.0Hz、1H、H3α)、4.15(d、J=8.2Hz、1H、H20β)、4.24(dd、J=6.5、10.6Hz、1H、H7α)、4.31(d、J=8.2Hz、1H、H20α)、4.44(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.68(d、J=12.0Hz、1H、PhCH2O)、4.85(s、2H、OCH2O)、4.95(dd、J=2.1、9.8Hz、1H、H5α)、5.65(d、J=7.0Hz、1H、H2β)、6.39(s、1H、H10α)、7.30(m、5H、PhCH2)、7.49(tt、J=1.4、8.2Hz、2H、PhCOO−m)、7.61(tt、J=1.4、7.2Hz、1H、PhCOO−p)、8.05(dd、J=1.2、8.2Hz、1H、PhCOO−o)。IR(CHCl3)υ3600、3050、2975、2880、1750、1730、1460、1379、1250、1100、1020、860cm-1。
34(P7=P13=TES):1HNMR(300MHz、CDCl3)δ0.57(q、J=7.7Hz、6H、TES CH2)、0.67(q、J=7.7Hz、TES CH2)、0.92(t、J=7.7Hz、9H、TES CH3)、1.01(t、J=7.7Hz、9H、TES CH3)、1.11(s、3H、CH3 17)、1.19(s、3H、CH3 19)、1.61(s、1H、OH1)、1.67(s、3H、CH3 16)、1.86(ddd、J=2.2、10.4、14.3Hz、1H、H6β)、2.11(d、J=1.1Hz、3H、CH3 18)、2.12(m、1H、H14β)、2.17(s、3H、OAc10)、2.23(dd、J=7.6、14.9Hz、1H、H14α)、2.28(s、3H、OAc4)、2.51(ddd、J=6.9、9.6、14.3Hz、1H、H6α)、3.82(d、J=7.2Hz、1H、H3α)、4.14(d、J=8.3Hz、1H、H20β)、4.30(d、J=8.3Hz、1H、H20α)、4.48(dd、J=6.6、10.4Hz、1H、H7α)、4.92(dd、J=7.7、8.8Hz、1H、H5α)、4.96(d、J=8.2Hz、1H、H13β)、5.63(d、J=6.6Hz、1H、H2α)、6.47(s、1H、H10α)、7.47(t、J=7.1Hz、2H、PhCOO−m)、7.60(t、J=7.1Hz、PhCOO−p)、8.10(d、J=7.1Hz、PhCOO−o)。
ジオール(35)
THF(0.5ml)中の(34)(P7=BOM、P13=TBS)(16.3mg、0.0199ミリモル)の溶液を、窒素雰囲気中、室温で、トリス(ジエチルアミノ)スルホニウムジフルオロトリメチルシリケート(TASF)(37mg、0.134ミリモル)に加えた。溶液を40分間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、CHCl3(30ml×3)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO3で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(16mg)を得、これを70%酢酸エチル/ヘキサンを溶出剤として使用して、シリカゲルのパッドで濾過した。濾液を濃縮して、7−BOM−B III(35)(13.5mg、94%)を得た。
35(P7=BOM)mp.224〜225℃、1H NMR(500MHz、CDCl3)、δ1.08(s、3H、CH3 17)、1.18(s、3H、CH3 16)、1.61(s、1H、OH1)、1.77(s、3H、CH3 19)、1.99(ddd、J=2、10.5、14.5Hz、1H、H6β)、2.02(d、J=5Hz、1H、OH13)、2.10(d、J=1.5Hz、3H、CH3 18)、2.20(s、3H、AcO)、2.28(s、3H、AcO)、2.27〜2.29(m、2H、H14)、2.89(ddd、J=7、10、16.5Hz、1H、H6α)、3.94(d、J=7Hz、1H、H3)、4.16(dd、J=1、8.5Hz、1H、H20β)、4.24(dd、J=6.5、10.5Hz、1H、H7)、4.31(d、J=8Hz、1H、H20α)、4.45(d、J=12.0Hz、1H、OCH2Ph)、4.67(d、J=12.0Hz、1H、OCH2Ph)、4.84(d、J=5Hz、1H、OCH2O)、4.86(d、J=5Hz、1H、OCH2O)、4.87(m、1H、H13β)、4.95(dd、J=2.0、9.5Hz、1H、H5α)、5.63(d、J=7Hz、1H、H2β)、6.40(s、1H、H10α)、7.30(m、5H、PhCH2)、7.48(m、2H、PhCOO−m)、7.61(m、1H、PhCOO−p)、8.10(2H、m、PhCOO−o)。13C NMR(CDCl3)δ(ppm)10.3、14.9、20.0、20.7、22.4、26.6、35.3、38.4、42.7、47.2、57.4、67.8、69.9、74.6、75.8、76.4、78.7、80.3、80.3、80.9、84.4、96.7、127.7、127.9、128.5、128.8、129.6、130.3、132.4、133.8、138.0、144.4、167.3、169.8、171.0、203.0。IR(CHCl3)υ1720、1460cm-1。元素分析計算値C39H46O12として:C66.28;H6.56。実測値C66.09;H6.59。
7−BOM−タキソール
THF(0.25ml)中の7−BOM−バッカチンIII(35)(13.2mg、0.018ミリモル)の溶液に、−45℃で、THF中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1.03M溶液(21μl)を滴下した。−45℃で1時間後、THF(0.25ml)中の(S)−シス−1−ベンゾイル−3−トリエチルシリルオキシ−4−アゼチジン−2−オン(15mg、0.039ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(0.2ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60%酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、粗(2'R,3'S)−2'−トリエチルシリル−7−BOM−タキソール(20.2mg)を得た。
アセトニトリル(0.8ml)およびピリジン(0.3ml)中の(2'R,3'S)−2'−トリエチルシリル−7−BOM−タキソール(20.2mg、0.018ミリモル)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.10ml)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣(17.7mg)を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、7−BOM−タキソール(15.4mg、86%)を得た。
7−BOM−タキソール:m.p 169〜172℃、1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.11(d、J=7.1Hz、2H、ベンゾエート オルト)、7.76(d、J=7.1Hz、1H、ベンズアミド オルト)、7.61〜7.26(m、11H、芳香環)、7.06(d、J=8.8Hz、1H、NH)、6.33(s、1H、H10)、6.17(dd、J=8.8、8.8Hz、1H、H13)、5.79(dd、J=8.8、2.2Hz、1H、H3')、5.67(d、J=6.6Hz、1H、H2b)、4.91(d、J=8.8Hz、1H、H5)、4.87〜4.77(m、3H、H2'、OCH2Ph)、4.67(d、J=12Hz、OCH2O)、4.43(d、J=12Hz、OCH2O)、4.30(d、J=8.2Hz、1H、H20a)、4.19(d、J=8.2Hz、1H、H20b)、4.15(m、1H、H7)、3.70(d、J=6.6Hz、1H、H3)、3.61(d、J=2.5Hz、1H、2'OH)、2.85(m、1H、H6a)、2.35(s、3H、4Ac)、2.30(m、2H、H14)、2.19(s、3H、10Ac)、2.05(m、1H、H6b)、1.78(br s、6H、Me18、Me19)、1.72(s、1H、1OH)、1.19(br s、6H、Me16、Me17)。元素分析計算値C55H59O15x0.5H2Oとして:C67.20;H6.15。実測値C67.08;H6.16。
タキソール
水素で飽和したエタノール(0.6ml)中の10%Pd/カーボン(50mg)の懸濁液に、室温で、エタノール(0.2ml×4)の7−BOM−タキソール(14.4mg、0.0148ミリモル)の溶液を加えた。反応混合物を水素雰囲気中で45分間還流後、酢酸エチルを溶出剤としてシリカゲルで濾過した。減圧下に溶媒を蒸発して、タキソール(11.9mg、94%)を無色針状物として得た。これは、既に同定されているタキソールのサンプルと同じスペクトルを示した。
タキソール:mp.210〜212℃。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ1.15(s、3H、CH3 16)、1.24(s、3H、CH3 17)、1.68(s、3H、CH3 19)、1.75(s、1H、OH1)、1.79(s、3H、CH3 18)、1.90(ddd、J=14.6、11.0、2.3Hz、1H、H6β)、2.26(s、3H、AcO10)、2.33(dd、J=15.4、8.9Hz、1H、H14β)、2.38(dd、J=15.4、8.9Hz、1H、H14α)、2.41(s、3H、AcO4)、2.46(d、J=4.1Hz、1H、OH7)、2.57(ddd、J=10.0、14.6、6.5Hz、1H、H6α)、3.54(d、J=5.0Hz、1H、OH2')、3.82(d、J=6.9Hz、1H、H3α)、4.22(d、J=8.5Hz、1H、H20α)、4.32(d、J=8.5Hz、1H、H20β)、4.42(ddd、J=11.0、6.5、4.1Hz、1H、H7α)、4.81(dd、J=5.0、2.5Hz、1H、H2')、4.96(dd、J=10.0、2.3Hz、1H、H5α)、5.69(d、J=6.9Hz、1H、H2β)、5.81(dd、J=8.7、2.5Hz、1H、H3')、6.25(dd、J=8.9、8.9Hz、1H、H13β)、6.29(s、1H、H10α)、6.98(d、J=8.7Hz、1H、NH)、7.37(m、1H、PhCON−p)、7.46(m、9H、Ph3'、PhCOO2'−m、PhCON−m)、7.62(m、1H、PhCOO−p)、7.76(br d、J=8.7Hz、1H、PhCON−o)、8.16(br d、J=7.3Hz、1H、PhCOO−o)。IR(CHCl3)υ1730、1650cm-1。
10−デアセチルバッカチンIII(36)
ピリジン(30μl、0.36ミリモル)およびアセトニトリル(20μl)中のケトン(33)(P7=MOP、P13=TES)(2.2mg、0.003ミリモル)の混合物に、0℃で、48%HF水溶液(12μl、0.32ミリモル)を加え、溶液を室温に昇温し、36時間撹拌した。次いで、混合物を酢酸エチル(2ml)で希釈し、飽和Na2CO3水溶液(30ml)および酢酸エチル(20ml)を入れた分液漏斗に入れた。水相を酢酸エチル(2×20ml)で抽出し、有機相を合し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、黄色油状物(2.7mg)を得た。これをプラグシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン混合物、および次いで酢酸エチルで溶出)により精製して、(36)(1.5mg)を得た。これは、既に同定されている10−DABのサンプルと同じスペクトルを示した。
バッカチンIII(37)
ピリジン(30μl、0.36ミリモル)およびアセトニトリル(20μl)中のケトン(34)(P7=MOP)(2.1mg、0.003ミリモル)の混合物に、0℃で、48%HF水溶液(12μl、0.32ミリモル)を加え、溶液を室温に昇温し、36時間撹拌した。次いで、混合物を酢酸エチル(2ml)で希釈し、飽和Na2CO3水溶液(30ml)および酢酸エチル(20ml)を入れた分液漏斗に入れた。水相を酢酸エチル(2×20ml)で抽出し、有機相を合し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、黄色油状物(2.7mg)を得た。これをプラグシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン混合物で溶出)により精製して、(37)(1.7mg)を得た。これは、既に同定されているバッカチンIIIのサンプルと同じスペクトルを示した。
反応式A'
ヒドロキシケトン(19)
THF(2.2ml)中のケトン(18)(P7=MOP)(181mg、0.265ミリモル)の激しく撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、THF中のLDAの0.2M溶液(2.13ml、0.426ミリモル)を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。10分後、THF(1.5ml)中の(S)−ショウノウスルホニルオキサジリジン(116mg、0.396ミリモル)の溶液を、フラスコ壁に沿わせて滴下した。反応混合物を−40℃に冷却し、1時間撹拌後、飽和NaHCO3水溶液(2ml)を加えた。反応混合物を30%酢酸エチル/ヘキサン(50ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)および塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた油状物を、30%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルで濾過し、濃縮して、無色油状物(210mg)を得た。これをラジアルクロマトグラフィー(25%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、5β−ヒドロキシケトン(19)(150mg、81%)を白色固体として、未反応のケトン出発物質(18)(15mg、8%)、および対応する5α−ヒドロキシケトン(10mg、5%)を得た。
19(P7=MOP):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.08(s、3H、TBS CH3)、0.12(s、3H、TBS CH3)、0.62(q、J=8.2Hz、6H、TES CH2)、0.90(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(t、J=8.2Hz、9H、TES CH3)、1.05(s、3H、CH3 19)、1.19(s、3H、CH3 17)、1.33(s、3H、CH3 16)、1.35(s、3H、MOP CH3)、1.43(s、3H、MOP CH3)、1.67(dd、J=5.0、14.7Hz、1H、H9β)、1.87(m、1H、H6β)、2.12(dd、J=4.1、15.1Hz、1H、H14α)、2.14(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、2.23(dd、J=7.3、14.7Hz、1H、H9α)、2.55(dd、J=9.2、15.1Hz、1H、H14β)、2.76(ddd、J=3.7、7.3、13.7Hz、1H、H6α)、3.22(s、3H、MOP OCH3)、3.24(d、J=4.1Hz、1H、OH5)、3.28(d、J=6.0Hz、1H、H3α)、3.83(dd、J=3.7、9.2Hz、1H、H7α)、4.06(ddd、J=4.1、7.3、7.3Hz、1H、H5α)、4.46(dd、J=5.0、7.3Hz、1H、H10β)、4.53(d、J=6.0Hz、1H、H2β)、4.63(dd、J=2.8、9.2Hz、1H、H13β)。
ケトン(20)
CH2Cl2(20ml)およびトリエチルアミン(1.18ml、8.5ミリモル)中の5−ヒドロキシ−4−ケトン(19)(P7=MOP)(420mg、0.602ミリモル)の激しく撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、トリメチルシリルクロリド(0.40ml、3.3ミリモル)を加えた。0.5時間後、反応混合物に飽和NaHCO3水溶液(5ml)を加えて反応を停止し、CHCl3(50ml)で抽出した。有機相を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、ケトン(20)(453mg、98%)を無色油状物とした。これを更に精製することなく使用した。
20(P7=MOP):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.11(s、6H、TBS CH3)、0.12(s、9H、TMS CH3)、0.59(q、J=7.8Hz、6H、TES CH2)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、1.23(s、3H、CH3 17)、1.32(s、3H、CH3 19)、1.33(s、3H、MOP CH3)、1.35(s、3H、CH3 16)、1.37(s、3H、MOP CH3)、1.86(m、3H、H6β、H9α、H9β)、2.05(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、2.43(d、J=3.7Hz、1H、H14β)、2.45(d、J=4.6Hz、1H、H14α)、2.59(ddd、J=6.0、8.2、14.2Hz、1H、H6α)、2.84(d、J=6.0Hz、1H、H3α)、3.21(s、3H、MOP OMe)、3.51(dd、J=6.0、11.0Hz、1H、H7α)、3.94(dd、J=4.1、8.2Hz、1H、H5α)、4.38(dd、J=5.0、8.7Hz、1H、H10β)、4.54(d、J=6.0Hz、1H、H2β)、4.74(dd、J=6.4、6.4Hz、1H、H13β)。
ジオール(21)
THF(23ml)中のケトン(20)(P7=MOP)(453mg、0.588ミリモル)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、−78℃で、エーテル中のMeMgBrの3M溶液(1.95ml、5.85ミリモル)を滴下した。反応混合物を5.5時間撹拌し、飽和NaHCO3水溶液(100ml)に注ぎ、CHCl3(3×100ml)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、ヒドロキシトリメチルシリルエーテル(453mg)を無色油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
ピリジン(8ml)およびアセトニトリル(8ml)中のトリメチルシリルエーテル(453mg)の撹拌した溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.8ml)を加えた。20分間撹拌後、得られた混合物を飽和NaHCO3水溶液(100ml)に注ぎ、CHCl3(3×150ml)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、ジオール(21)(422mg)を得た。これを更に精製することなく使用した。
21(P7=MOP):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.08(s、3H、TBS CH3)、0.10(s、3H、TBS CH3)、0.56(q、J=7.7Hz、6H、TES CH2)、0.90(s、9H、TBS t−Bu)、0.93(t、J=7.7Hz、9H、TES CH3)、1.16(s、3H、CH3 17)、1.25(s、3H、CH3 16)、1.29(s、3H、CH3 19)、1.31(s、3H、CH3 20)、1.38(s、3H、MOP CH3)、1.46(s、3H、MOP CH3)、1.81(d、J=3.8Hz、1H、H3α)、1.86(d、J=9.9Hz、1H、H9β)、1.90(dd、J=6.1、8.3Hz、1H、H9α)、1.96(s、3H、CH3 18)、2.12(ddd、J=3.3、3.3、10.4Hz、1H、H6α)、2.30(m、1H、H6β)、2.42(dd、J=3.9、15.4Hz、1H、H14α)、2.61(dd、J=9.3、15.4Hz、1H、H14β)、2.81(s、1H、OH4)、3.04(m、1H、OH5)、3.40(dd、J=3.9、15.8Hz、1H、H7α)、4.28(dd、J=6.6、8.2Hz、1H、H10β)、4.62(dd、J=1.6、7.8Hz、1H、H13β)、4.66(d、J=3.8Hz、1H、H2β)。
アセテート(22)
ピリジン(12ml)中のジオール(21)(P7=MOP)(470mg、0.66ミリモル)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、無水酢酸(4.5ml)を加えた。11時間後、反応混合物をCHCl3(50ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)に注いだ。水相をCHCl3で抽出後、合した抽出物を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、粗生成物(470mg、(20)に対して94%)を得た。これは、1H−NMRおよびTLC分析によると、純粋なアセテート(22)であった。
22(P5=Ac、P7=MOP):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.13(s、3H、TBS CH3)、0.59(q、J=7.8Hz、6H、TES CH2)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、1.18(s、3H、CH3 17)、1.30(s、3H、CH3 16)、1.32(s、3H、CH3 19)、1.33(s、6H、CH3 20、MOP CH3)、1.41(s、3H、MOP CH3)、1.91(d、J=3.4Hz、1H、H3α)、1.94(m、2H、H9、H9)、2.00(d、J=1.5Hz、3H、CH3 18)、2.06(ddd、J=3.9、3.9、11.7Hz、1H、H6α)、2.10(s、3H、OAc)、2.14(dd、J=11.7、23.9Hz、1H、H6β)、2.38(dd、J=3.9、15.1Hz、1H、H14α)、2.63(dd、J=9.3、15.1Hz、1H、H14β)、2.78(d、J=1.5Hz、1H、OH4)、3.20(s、3H、OMe CH3)、3.38(dd、J=3.9、11.7Hz、1H、H7α)、4.30(dd、J=4.9、10.3Hz、1H、H10β)、4.50(ddd、J=1.5、3.9、12.2Hz、1H、H5α)、4.64(dd、J=1.5、1.5Hz、1H、H13β)、4.66(d、J=3.4Hz、1H、H2β)。
オレフィン(23)
CH2Cl2(1.48ml)およびピリジン(0.37ml)中のアルコール(22)(P5=Ac、P7=MOP)(26mg、0.034ミリモル)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、10℃で、SOCl2(0.037ml、5.1ミリモル)を3分間にわたって加えた。混合物を室温に昇温し、2.3時間撹拌後、CHCl3で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注いだ。水相をCHCl3で抽出後、合した抽出物を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、粗生成物(24)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、7−MOP−エキソ:エンド環式オレフィンの4:1混合物(13mg、52%)、および7−ヒドロキシ−エキソ:エンド環式オレフィンの4:1混合物(6mg、27%)を得た。
23(P5=Ac、P7=MOP):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.12(s、3H、TBS CH3)、0.59(q、J=7.9、6H、TES CH2)、0.93(s、9H、TBS t−Bu)、0.96(t、J=7.9、9H、TES CH2)、1.21(s、3H、CH3 17)、1.30(s、3H、CH3 19)、1.32(s、3H、MOP CH3)、1.34(s、3H、MOP CH3)、1.37(s、3H、CH3 16)、1.72(m、2H、H6β、H9β)、1.89(dd、J=3.8、13.4Hz、1H、H9β)、2.03(d、J=1.37Hz、3H、CH3 18)、2.05(s、3H、OAc CH3)、2.33(dd、J=5.1、15.4Hz、1H、H14α)、2.47(m、2H、H6α、H14β)、3.06(d、J=5.8Hz、1H、H3α)、3.20(s、3H、MOP OMe)、3.38(dd、J=6.9、11.0Hz、1H、H7α)、4.37(dd、J=3.8、11.0Hz、1H、H10β)、4.53(d、J=5.8Hz、1H、H2β)、4.74(m、1H、H13β)、5.15(s、1H、H20E)、5.21(d、J=1.37Hz、1H、H20Z)、5.36(d、J=9.3Hz、1H、H5α)。
ジオール(24)
ピリジン(4.6ml)中のエキソ:エンド環式オレフィンの4:1混合物(23)(P5=Ac、P7=MOP)(249mg、0.337ミリモル)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、THF中のOsO4の0.157M溶液(2.35ml、0.368ミリモル)を加えた。1時間後、NaHSO3を水(0.2ml)と共に加え、混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注いだ。水相を酢酸エチルで抽出し、合した抽出物を塩水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、粗生成物(281mg)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、純粋なジオール(24)(190mg、73%)およびエノールアセテート(48mg、19%)を得た。
24(P5=Ac、P7=MOP):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.11(s、3H、TBS CH3)、0.60(dq、J=1.5、7.8Hz、6H、TES CH2)、0.87(s、3H、CH3 19)、0.93(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=7.8Hz、9H、TES CH3)、1.20(s、3H、CH3 17)、1.31(s、3H、CH3 16)、1.33(s、3H、MOP CH3)、1.47(s、3H、MOP CH3)、1.54(dd、J=12.3、25.0Hz、1H、H6β)、1.63(dd、J=5.5、15.1Hz、1H、H9β)、2.05(s、3H、OAc)、2.15(s、3H、CH3 18)、2.26(m、2H、H9α、OH20)、2.37(dd、J=9.2、14.7Hz、1H、H14β)、2.46(ddd、J=4.8、4.8、13.4Hz、1H、H6α)、2.69(d、J=4.5Hz、1H、H3α)、3.18(s、3H、MOP CH3)、3.28(dd、J=3.8、14.7Hz、1H、H14α)、3.76(dd、J=4.0、11.6Hz、1H、H7α)、3.84(m、2H、H20、H20)、3.95(s、1H、OH4)、4.42(dd、J=5.1、5.8Hz、1H、H10β)、4.44(d、J=4.1Hz、1H、H2β)、4.63(dd、J=4.1、12.3Hz、1H、H5α)、4.67(dd、J=4.1、9.2Hz、1H、H13β)。
24(P7=BOM):1H NMR(300MHz、CDCl3)δ0.9(s、3H、TBS CH3)、0.10(s、3H、TBS CH3)、0.58(q、J=7.9Hz、2H、TES CH2)、0.83(s、3H、CH3 19)、0.92(s、9H、TBS t−Bu)、0.93(t、J=7.9Hz、TES CH3)、1.20(s、3H、CH3 17)、1.33(s、3H、CH3 16)、1.58(q、J=13.2Hz、1H、H6β)、1.71(dd、J=10.4、5.5Hz、H9β)、2.04(s、3H、OAc)、2.17(br s、3H、CH3 18)、2.20(dd、J=10.4、3.8Hz、1H、H9α)、2.35(dd、J=14.8、9.1Hz、1H、H14β)、2.43(dt、J=13.2、5.0Hz、1H、H6α)、2.80(d、J=4.6Hz、1H、H3α)、3.31(dd、J=4.4、14.8Hz、1H、H14α)、3.71(dd、J=4.9、13.0Hz、1H、H7α)、3.83(m、2H、H20)、3.98(s、1H、OH1)、4.46(d、J=4.8Hz、1H、H2β)、4.48(m、1H、H10β)、4.51(d、J=12.1Hz、1H、PhCH2O)、4.64(dd、J=13.2、5.0Hz、1H、H5α)、4.66(m、1H、H13β)、4.70(d、J=12.1Hz、1H、PhCH2O)、4.83(d、J=7.1Hz、1H、OCH2O)、4.94(d、J=7.1Hz、1H、OCH2O)、7.33(m、5H、Ph)。
トリオール(25)
無水メタノール(0.9ml)中のアセトキシジオール(24)(P5=Ac、P7=MOP)(26.5mg、0.035ミリモル)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、−5℃で、ナトリウムメトキシドの0.166Mメタノール溶液(0.060ml、0.01ミリモル)を加えた。2.5時間後、反応混合物を酢酸エチル(10ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(10ml)に注いだ。有機相を飽和NaHCO3水溶液(10ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、純粋なトリオール(25)(25mg、100%)を得た。
25(P7=MOP):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.10(s、3H、TBS CH3)、0.11(s、3H、TBS CH3)、0.60(q、J=8.06Hz、6H、TES CH2)、0.87(s、3H、CH3 19)、0.94(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=8.1Hz、9H、TES CH3)、1.19(s、3H、CH3 17)、1.31(s、3H、CH3 16)、1.33(s、3H、MOP CH3)、1.47(s、3H、MOP CH3)、1.59(dd、J=11.7、11.7Hz、1H、H6β)、1.62(dd、J=5.5、16.1Hz、1H、H9β)、2.11(d、J=0.7Hz、3H、CH3 18)、2.24(dd、J=5.5、16.1Hz、1H、H9α)、2.38(dd、J=9.5、15.0Hz、1H、H14β)、2.45(ddd、J=4.4、4.4、13.6Hz、1H、H6α)、2.60(d、J=4.4Hz、1H、H3α)、3.21(s、3H、MOP OMe)、3.25(dd、J=4.4、15.0Hz、1H、H14α)、3.52(dd、J=4.4、12.8Hz、1H、H7α)、3.72(dd、J=4.4、11.4Hz、1H、H5α)、3.79(s、1H、OH4)、3.86(d、J=11.0、1H、H20)、3.93(d、J=11.4Hz、1H、H20)、4.42(dd、J=5.1、5.1Hz、1H、H10β)、4.45(d、J=4.4Hz、1H、H2β)、4.66(dd、J=4.0、9.2Hz、1H、H13β)。
p−メトキシベンジリデンアセタール(25b)
CH2Cl2中の、ジオール(24)(P5=Ac、P7=BOM)(6.5mg、0.0079ミリモル)およびアニスアルデヒドジメチルアセタール(0.013ml、0.076ミリモル)の撹拌した溶液に、p−トルエンスルホン酸溶液(0.002ml、THF中0.1M、0.0002ミリモル)を加えた。得られた溶液を室温で15分間撹拌後、トリエチルアミン(0.1ml)を加え、10分間撹拌を続けた。混合物を30%酢酸エチル/ヘキサン(15ml)に濯ぎ入れた後、水相を30%酢酸エチル/ヘキサン(2×5ml)で抽出した。合した抽出物を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、無色油状物(12mg)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、p−メトキシベンジリデンアセタール(25b)(6.9mg、96%)をジアステレオマーの5:1混合物として得た。
25b(P5=Ac、P7=BOM、主なジアステレオマー):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ−0.05(s、3H、TBS CH3)、0.07(s、3H、TBS CH3)、0.60(q、J=7.9Hz、2H、TES CH2)、0.78(s、3H、CH3 19)、0.82(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=7.9Hz、TES CH3)、1.25(s、3H、CH3 17)、1.37(s、3H、CH3 16)、1.58(m、H6β)、1.70(dd、J=16.8、5.8Hz、H9β)、1.74(s、3H、OAc)、2.26(s、3H、CH3 18)、2.28(dd、J=16.8、1.4Hz、1H、H9α)、2.38(dd、J=15.1、9.7Hz、1H、H14β)、2.57(dt、J=5.1、9.9Hz、1H、H6α)、3.10(dd、J=5.1、14.7Hz、1H、H14α)、3.11(d、J=4.8Hz、1H、H3α)、3.79(s、3H、OCH3)、3.84(dd、J=5.0、11.5Hz、1H、H7α)、4.15(d、J=8.2Hz、1H、H20)、4.20(d、J=8.2Hz、1H、H20)、4.48(d、J=12.0Hz、1H、OCH2Ph)、4.55(d、J=4.8Hz、1H、H2β)、4.57(m、1H、H10β)、4.71(d、J=12.0Hz、1H、OCH2Ph)、4.73(m、1H、H13β)、4.78(dd、J=12.4、4.9Hz、1H、H5α)、4.84(d、J=6.7Hz、1H、OCH2O)、4.99(d、J=6.7Hz、1H、OCH2O)、6.05(s、1H、アセタールCH)、6.80(d、J=7.5Hz、2H、p−MeOPh−o)、7.27〜7.36(m、7H、p−MeOPh−mおよびPh)。
アセトニド(26b)
トルエン(0.4ml)中のp−メトキシベンジリデンアセタール(25b)(P5=Ac、P7=BOM)(11.5mg、0.012ミリモル)の撹拌した溶液に、0℃で、水素化ジイソブチルアルミニウム溶液(0.082ml、トルエン中2.0M、0.12ミリモル)を加えた。得られた溶液を3.5時間撹拌後、メタノール(0.1ml)を加えた。混合物を酢酸エチル(5ml)で希釈し、飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液と共に1.5時間撹拌した。水相を分離し、酢酸エチル(2×10ml)で抽出した後、合した抽出物を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。濾過し、濾液を減圧下に濃縮して、粗生成物(12mg)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、ホルメートアセタール混合物(4.7mg)、4−MPM−1,2,5,20−テトラオール(1.1mg)、およびホルメートp−メトキシベンジルエーテル混合物(5.2mg)を得た。
ホルメートアセタール混合物をメタノール(0.1ml)に溶解し、3%NH4OH水溶液を加えた。濁った混合物を室温で30分間撹拌した後、酢酸エチルおよび飽和NaHCO3水溶液に濯ぎ入れた。水相を酢酸エチル(2×10ml)で抽出し、合した抽出物を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、p−メトキシベンジリデンアセタールの混合物を得た。このアセタール混合物をトルエン(0.4ml)に溶解し、0℃に冷却後、水素化ジイソブチルアルミニウム溶液(0.02ml、トルエン中2.0M、0.08ミリモル)を加えた。得られた溶液を3.5時間撹拌後、メタノール(0.1ml)を加えた。混合物を酢酸エチル(5ml)で希釈し、飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液と共に1.5時間撹拌した。水相を分離し、酢酸エチル(2×10ml)で抽出した後、合した抽出物を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。濾過し、濾液を減圧下に濃縮して、粗生成物(4.5mg)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製して、4−MPM−1,2,5,20−テトラオール(2.8mg)を得た。
ホルメートp−メトキシベンジルエーテル混合物をメタノール(0.1ml)に溶解し、3%NH4OH水溶液(0.1ml)を加えた。濁った混合物を室温で30分間撹拌した後、酢酸エチルおよび飽和NaHCO3水溶液に濯ぎ入れた。水相を酢酸エチル(2×10ml)で抽出し、合した抽出物を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、粗生成物(4.8mg)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、4−MPM−1,2,5,20−テトラオール(3.2mg)を得た。4−MPM−1,2,5,20−テトラオールの総収率は、(25b)に対して68%であった。
4−MPM−1,2,5,20−テトラオール:1H NMR(500MHz、CDCl3)δ0.13(s、3H、TBS CH3)、0.06(s、3H、TBS CH3)、0.60(q、J=8.0Hz、2H、TES CH2)、0.89(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=8.0Hz、TES CH3)、0.97(s、3H、CH3 19)、1.22(s、3H、CH3 17)、1.30(s、3H、CH3 16)、1.83(dd、J=16.8、5.8Hz、H9α)、1.91(q、J=12.4Hz、1H、H6β)、2.12(m、2H、H9αおよび14β)、2.18(s、3H、CH3 18)、2.55(m、2H、H14βおよび6α)、2.79(d、J=5.3Hz、1H、H3α)、2.95(d、J=3.0Hz、1H、OH5)、3.54(m、1H、OH20)、3.66(dd、J=10.3、5.3Hz、1H、H2β)、3.81(s、3H、OCH3)、3.85(dd、J=5.2、11.6Hz、1H、H7α)、3.91(dt、J=5.9、12.4Hz、1H、H5α)、4.18(s、1H、OH1)、4.13(d、J=13Hz、1H、H20)、4.20(dd、J=7.22、12.9Hz、1H、H20)、4.47(d、J=11.8Hz、1H、OCH2Ph)、4.58(m、1H、H10β)、4.79(g、J=11.8Hz、1H、OCH2Ph)、4.85(m、1H、H13β)、4.87(d、J=6.8Hz、1H、OCH2O)、5.01(d、J=10.6Hz、1H、MPM CH2)、5.10(d、J=6.8Hz、1H、OCH2O)、5.11(d、J=10.6Hz、1H、MPM CH2)、5.49(d、J=10.5Hz、1H、OH2)、6.87(d、J=8.7Hz、2H)、7.30(d、J=8.7Hz、2H、p−MeOPh−o)、7.27〜7.36(m、5H、p−MeOPh−mおよびPhCH2)。
CH2Cl2(0.2ml)および2,2−ジメトキシプロパン(0.02ml)中で撹拌した4−MPM−1,2,5,20−テトラオール(2.0mg、0.0023ミリモル)の溶液に、0℃で、p−トルエンスルホン酸溶液(0.002ml、THF中0.1M、0.0002ミリモル)を加えた。得られた溶液を20分間撹拌後、トリエチルアミン(0.1ml)を加え、10分間撹拌を続けた。混合物を酢酸エチル(10ml)および飽和NaHCO3水溶液に濯ぎ入れ、水相を酢酸エチル(2×5ml)で抽出した。合した抽出物を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、粗生成物(2.1mg)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、アセトニド(26b)(1.1mg)を得た。
26b(P520=C(CH3)2、P7=BOM):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ−0.073(s、3H、TBS CH3)、0.008(s、3H、TBS CH3)、0.60(q、J=7.9Hz、6H、TES CH2)、0.79(s、9H、TBS t−Bu)、0.95(t、J=7.9Hz、9H、TES CH3)、1.10(s、3H、CH3 19)、1.25(s、3H、CH3 17)、1.34(s、3H、CH3 16)、1.41(s、3H、CH3アセトニド)、1.46(s、3H、CH3アセトニド)、1.88(dd、J=16.7、5.5Hz、H9β)、2.08(dd、J=14.3、9.2Hz、1H、H14β)、2.17(s、3H、CH3 18)、2.21(dd、J=17.1、1.7Hz、1H、H9α)、2.42(dd、J=14.3、7.2Hz、1H、H14α)、2.61(d、J=5.1Hz、1H、H3α)、2.62(m、1H、H6β)、3.71(dd、J=11.3、5.1Hz、1H、H2β)、3.75(dd、J=5.0、11.3Hz、1H、H7α)、3.80(s、3H、OCH3)、3.99(dd、J=12.0、6.2Hz、1H、H5α)、4.01(d、J=14.2Hz、1H、H20)、4.17(s、1H、OH1)、4.44(d、J=14.2Hz、1H、H20)、4.47(d、J=11.6Hz、1H、OCH2Ph)、4.58(m、1H、H10β)、4.80(d、J=11.6Hz、1H、OCH2Ph)、4.84(d、J=11.3Hz、1H、OH2)、4.85(m、1H、H13β)、4.88(d、J=10.3Hz、1H、OCH2O)、4.89(d、J=6.8Hz、1H、MPM CH2)、5.00(d、J=10.3Hz、1H、OCH2Ph)、5.10(d、J=6.8Hz、1H、MPM CH2)、6.85(d、J=8.9Hz、2H、p−MeOPh−o)、7.27(d、J=8.9Hz、2H、p−MeOPh−m)、7.27〜7.36(m、5H、PhCH2)。
ジオールカーボネート(27b)
CH2Cl2(0.2ml)およびピリジン(0.02ml)中のジオール(26b)(P520=C(CH3)2、P7=BOM)(1.1mg)の撹拌した溶液に、−78℃で、ホスゲン溶液(0.010ml、トルエン中2M、0.02ミリモル)を加えた。得られた溶液を−78℃で10分間撹拌後、0℃に3時間昇温した。混合物を30%酢酸エチル/ヘキサン(5ml)で希釈後、30%酢酸エチル/ヘキサン(10ml)および飽和NaHCO3水溶液に注いだ。水相を30%酢酸エチル/ヘキサン(2×5ml)で抽出後、合した抽出物を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、粗生成物(1.3mg)を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、純粋な1,2−環状カーボネート(0.9mg)を得た。
THF(0.1ml)およびメタノール(0.05ml)中で撹拌したカーボネートの溶液に、ピリジニウムトシレート溶液(0.005ml、CH2Cl2中0.1M)を加えた。混合物を室温で24時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウムおよび酢酸エチルに分配した。酢酸エチル相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発して、ジオール(27b)(0.9mg)を得た。
27b(P7=BOM):1H NMR(500MHz、CDCl3)δ−0.24(s、3H、TBS CH3)、−0.038(s、3H、TBS CH3)、0.58(q、J=8.1Hz、6H、TES CH2)、0.84(s、9H、TBS t−Bu)、0.93(t、J=8.1Hz、9H、TES CH3)、1.14(s、3H、CH3 19)、1.19(s、3H、CH3 17)、1.34(s、3H、CH3 16)、1.88(br d、J=17Hz、H9β)、2.00(br q、J=12Hz、1H、H6β)、2.08(d、J=1.4Hz、3H、CH3 18)、2.2(m、2H、H9αおよび14β)、2.35(br s、1H、H3α)、2.39(dt、J=4.8、13Hz、H6α)、2.74(br s、1H、20 OH)、2.87(dd、J=15.1、5.1Hz、1H、H14α)、3.71(dd、J=11.3、5.1Hz、1H、H2β)、3.58(br s、2H、H7αおよび20 OH)、3.78(s、3H、OCH3)、3.78(br m、1H、H5α)、4.37(dd、J=13.0、5.8Hz、1H、H20)、4.39(dd、J=4.8、5.8Hz、1H、H10β)、4.47(m、2H、H20および2β)、4.59(d、J=11.6Hz、1H、OCH2Ph)、4.63(br m、1H、H13β)、4.71(d、J=11.6Hz、1H、OCH3Ph)、4.88(d、J=7.2Hz、1H、OCH2O)、4.91(d、J=7.2Hz、1H、OCH2O)、4.93(m、2H、MPM CH2)、6.84(d、J=8.6Hz、2H、p−MeOPh−o)、7.23(d、J=8.6Hz、2H、p−MeOPh−m)、7.27〜7.36(m、5H、PhCH2)。
メシレート(28b)
ピリジン(0.6ml)中のジオール(27b)(0.9mg)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、0℃で、メタンスルホニルクロリド(0.02ml)を滴下した。12時間後、飽和NaHCO3水溶液(0.05ml)を加えた。混合物を10分間撹拌し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、40%酢酸エチル/ヘキサン(3×20ml)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、(28b)(1mg)を無色油状物として得た。
オキセタン(29)
トルエン(0.4ml)中のメシレート(28b)(1mg)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気中、室温で、ジイソプロピルエチルアミン(0.008ml)を加えた。溶液を3.5時間還流し、室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(1.5mg)を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、MPMオキセタン(1mg)を得た。これを塩化メチレン(1mg)に溶解し、0.1Mホスフェート緩衝液(0.1ml)およびDDQ(1mg)を加え、混合物を周囲温度で2時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、油状物(1.0mg)を得た。この物質(1mg)とジメチルアミノピリジン(1.5mg)とをピリジン(10μl)に溶解し、窒素雰囲気中、室温で撹拌しながら、無水酢酸(5μl)を加えた。溶液を15時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、10%CuSO4水溶液(20ml)に注ぎ、酢酸エチル(20ml×3)で抽出した。合した有機相を飽和NaHCO3水溶液で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物(2mg)を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(25%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、オキセタン(29)(0.6mg)を得た。
以上のような記載により、本発明の目的が達成されることがわかるであろう。
以上の記載において、本発明の範囲を外れることなく種々の変更を加え得るので、以上の記載は説明のためのもので、本発明を制限するものではない。
Claims (3)
- 三環または四環タキサンの合成に使用する下記式(5)で示される中間体:
[式中、
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR30、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR31、またはR1と共にカーボネートを形成;
R3は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR32、またはオキソ;
R8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
R9は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソもしくは−OCOR33、またはR10と共にカーボネートを形成;
R10はヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソもしくは−OCOR29、またはR9と共にカーボネートを形成;
R13は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR35、またはMO−;
R29、R30、R31、R32、R33およびR35はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
Mはアンモニウムを含んで成るか、または金属。]。 - 三環または四環タキサンの合成に使用する下記式(8)で示される中間体:
[式中、
R1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、もしくは−OCOR30、またはR2と共にカーボネートを形成;
R2は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR31、またはR1と共にカーボネートを形成;
R3は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR32、もしくはオキソ、またはR7bと共にカーボネートを形成;
R7bは水素、アルキル、シアノ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR36、またはR3もしくはR9と共にカーボネートを形成;
R7cおよびR7dはそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
R9は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR33、またはR7bもしくはR10と共にカーボネートを形成;
R10は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、もしくは−OCOR29、またはR9と共にカーボネートを形成;
R13は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、−OCOR35、またはMO−;
R29、R30、R31、R32、R33、R35およびR36はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
Mはアンモニウムを含んで成るか、または金属。]。 - 三環または四環タキサンの合成に有用な中間体を合成する方法であって、式:
で示される化合物と、BrMgN(iPr)2、アルデヒド(またはケトン)、および次いでホスゲンおよびアルコールと反応させて、式:
で示される化合物を生成することを含んで成る方法
[式中、
R1は水素または保護ヒドロキシ;
R2は水素または保護ヒドロキシ;
R3はオキソ;
R7bは水素、アルキル、シアノ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、または−OCOR36;
R7cおよびR7dはそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
R9は水素、保護ヒドロキシ、またはオキソ;
R10は−OP10;
R13は−OP13;
R36は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、−NX8X10、−SX10、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
X8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
X10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
P10およびP13はヒドロキシ保護基。]。
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