JP3555216B2 - 自動車の上部車体構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車の上部車体構造に関し、詳しくは、車体ルーフ部において可動するパネル状の可動物をルーフパネルに取り付ける場合に該可動物の取付強度を高める対策に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車の上部車体構造として、例えば特開昭63−53115号公報に開示されるように、車体ルーフ部に、該ルーフ部に設けた開口部を覆う可動物としてのキャンバスルーフを設けるとともに、該キャンバスルーフをスライド移動させるために必要なガイドレールを、車体ルーフ部の左右両側のルーフサイドレール上にブラケットを介して取り付けるようにしたものが知られている。
【0003】
また、車体ルーフ部で可動する可動物としては、上記キャンバスルーフの他に、ルーフパネルの上方においてヒンジにより昇降移動するようにしたリフトルーフが設けられることがある。その場合、ヒンジは、車体部材に取り付けられるブラケット上に取り付けられるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記リフトルーフは、キャンバスルーフに比べて重いため、ルーフサイドレール上にブラケットを設け、そのブラケット上にヒンジを介してリフトルーフが取り付けられていると、ヒンジの支持剛性が十分に確保できない上、リフトルーフの取付強度が低下するといった問題もあった。
【0005】
また、上記ブラケット(ヒンジ)の取付部に対応するルーフサイドレールの対応部分をレインフォースメントなどにより補強し、そのルーフサイドレールの対応部分上にブラケットを取り付けることも考えられるが、その場合には、レインフォースメントなどにより車体重量が増加するとともに、ヒンジ周りの構造が複雑化する。
【0006】
一方、ヒンジの回転中心を車体ルーフ部の後端に位置付けてリフトルーフの開口面積の拡大化を図りたいという要求もあり、その場合、ルーフサイドレール上のブラケットに多節リンクタイプのヒンジの基端を取り付けてヒンジの回転中心を車体ルーフ部の後端に位置付けることが考えられるが、このヒンジ自体が高価であることからコストアップにつながる。そのため、安価なヒンジでその回転中心を車体ルーフ部の後端に位置付けても該ヒンジの支持剛性を十分に確保し得るような車体構造が切望されていた。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ルーフサイドレールの前端同士および後端同士をそれぞれ車幅方向に連結する閉断面形状の前後一対のヘッダに着目し、このヘッダおよびルーフサイドレールの剛性強度が共に得られる位置上にブラケットを介してヒンジを取り付けることで、ヒンジの支持剛性を十分に確保しつつリフトルーフの取付強度の向上を図るとともに、ヒンジ周りの構造のシンプル化を図り、かつ車体ルーフ部の後端に回転中心を位置付け得る安価なヒンジの取り付け可能な車体構造を提供せんとすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明が講じた解決手段は、車体上部の左右両側にそれぞれ車体前後方向に延びて設けられた閉断面形状の左右一対のルーフサイドレールと、車体上部の前後両側にそれぞれ車幅方向に延びて設けられ、上記一対のルーフサイドレールの前端同士および後端同士をそれぞれ車幅方向に連結する閉断面形状の前後一対のヘッダと、周縁が上記ルーフサイドレールおよびヘッダに支持されたルーフパネルと、上記ルーフサイドレールとヘッダとが交差する交差部に取り付けられ、該交差部にて上記ルーフパネルを支持するブラケットと、該ブラケット上にルーフパネルを挟んで取付けられたヒンジと、該ヒンジに回動自在に支持され、ルーフパネルの上方を上記ヒンジを支点に昇降移動するリフトルーフとを備える構成としたものである。さらに、ブラケットを特定し、ヒンジの前側および後側を取り付けるための前後一対の第1ブラケットおよび第2ブラケットからなる。そして、上記第1ブラケットを、ルーフサイドレールとヘッダとの交差部における交差点に取り付ける一方、上記第2ブラケットを上記交差部のルーフサイドレール側に取り付ける構成としたものである。
【0009】
請求項2記載の発明が講じた解決手段は、請求項1記載の発明の構成要件に加えて、ルーフサイドレール及びヘッダに、それぞれ両者の交差部上で互いに連結するための連結フランジ部を設けるとともに、ブラケットに、上記連結フランジ部に近接した状態で交差部に接合されるフランジを設ける構成としたものである。
【0010】
請求項3記載の発明が講じた解決手段は、請求項1または請求項2記載の発明の構成要件に加えて、ブラケットが取り付けられる交差部のヘッダ側の閉断面内に、その閉断面内で節を形成するレインフォースメントを設ける構成としたものである。
【0011】
【作用】
上記の構成により、請求項1記載の発明では、ブラケットは、双方ともに剛性の高いルーフサイドレールおよびヘッダによって剛性が高められた交差部に設けられ、この交差部上のブラケットによってルーフパネルを挟んでヒンジが設けられているので、ヒンジのブラケットに対する支持剛性がルーフパネルへの取り付けと相俟って高められるとともに、ヒンジ自身の剛性も高められることになり、リフトルーフの取付強度が高められる。しかも、上記の如くルーフサイドレールとヘッダとの交差部上にブラケットが取り付けられてヒンジの支持剛性が高められることから、ルーフサイドレールをレインフォースメントなどにより補強することはなく、車体重量の増加が抑制されると共に、ヒンジ周りの構造がシンプルなものとなる。さらに、ルーフサイドレールとヘッダとの交差部上にブラケットを介して取り付けた比較的安価なヒンジによって、その回転中心が車体ルーフ部の後端に位置付けられることになり、リフトルーフの開口面積の拡大化を図る上で多節リンクタイプのヒンジが不要となってコストが抑えられるとともに、該ヒンジの支持剛性を十分に確保し得る車体構造が提供される。
【0012】
さらに、ルーフサイドレールとヘッダとの交差部における交差点に取り付けた第1ブラケットと、その交差部におけるルーフサイドレール側に取り付けた第2ブラケットとでヒンジの前側および後側が取り付けられているので、ヒンジが前後2点支持により取り付けられて、ヒンジの支持剛性がより効果的に高められるとともに、ヒンジ自身の剛性も効果的に高められ、リフトルーフの取付強度がより効果的に高められる。
【0013】
請求項2記載の発明では、ブラケットのフランジは、ルーフサイドレールとヘッダとを交差部上で連結する連結フランジ部に近接した状態で交差部に接合されているので、ブラケットのフランジの取付強度が効果的に高められ、ヒンジのブラケットに対する支持剛性が効果的に高められるとともに、ヒンジ自身の剛性も効果的に高められることになり、リフトルーフの取付強度が効果的に高められる。
【0014】
請求項3記載の発明では、レインフォースメントにより、ブラケットが取り付けられる交差部のヘッダ側の閉断面内に節が形成されているので、交差部の剛性がさらに高められ、ブラケットの交差部に対する取付強度がさらに効果的に高められる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0016】
図7は本発明の一実施例に係る上部車体構造を備えた高床式のワゴンタイプの自動車の車体構造を示し、この車体1のルーフ部には、左右両側をそれぞれ車体前後方向に延びて設けられた閉断面形状の左右一対のルーフサイドレール2,2と、前側を車幅方向に延びて設けられ、上記一対のルーフサイドレール2,2の前端同士を車幅方向に連結する閉断面形状のフロントヘッダ3と、後側を車幅方向に延びて設けられ、上記一対のルーフサイドレール2,2の後端同士を車幅方向に連結する閉断面形状のリヤヘッダ4と、周縁が上記各ルーフサイドレール2および各ヘッダ3,4に支持され、略中央部に上方に開口する略矩形状のルーフ開口5aを有するルーフパネル5とを備えている。
【0017】
上記自動車1の側面には、フロントドア用開口11、リヤドア用開口12およびリヤクォータウインド用開口13が前から順に設けられている。上記フロントドア用開口11は、その前縁を形成するフロントピラー14と、後縁を形成するセンタピラー15と、該各ピラー14,15の上端同士を連結するルーフサイドレール2の前部と、その下縁の形成し、上記各ピラー14,15の下端同士を連結するサイドシル16の前部とにより区画されている。上記リヤドア用開口12は、その前縁を形成するセンタピラー15と、後縁を形成するリヤクォータピラー17と、該各ピラー15,17の上端同士を連結するルーフサイドレール2の後部と、下側を車体前後方向に延び、上記各ピラー15,17の下端同士を連結するサイドシル11の後部とにより区画されている。上記リヤクォータウインド用開口13は、その前縁部が上記リヤクォータピラー17の上部により形成され、残る縁部がリヤクォータ部18の上部により形成されている。
【0018】
また、図2に示すように、上記リヤクォータ部18は、周縁に接合フランジ21a,…を断続的に有し、かつリヤクォータピラー17よりも後方位置において車体後部外板を構成するリヤフェンダ21と、周縁に接合フランジ22a,…を断続的に有し、かつリヤフェンダ21の車体内方側において該接合フランジ22aをリヤフェンダ21の接合フランジ21aに接合するクォータパネル22と、リヤクォータ部18の後側においてリヤフェンダ21の接合フランジ21aおよびクォータパネル22の接合フランジ22aにそれぞれ接合される接合フランジ23a,23aを内外両側にそれぞれ有して、リヤクォータ部18の後面を形成する後面部材23と、リヤクォータ部18の後面上部においてクォータパネル22の接合フランジ22aに接合されると共にリヤフェンダ21および後面部材23にそれぞれ接合される接合フランジ24a,…を周縁に断続的に有し、リヤクォータ部18の後面上部を形成するコーナープレート24とを備えている。上記後面部材23の外側の接合フランジ23aは、その内面がリヤフェンダ21後縁の接合フランジ21a外面に接合固着されている。
【0019】
上記リヤフェンダ21は、上記ルーフサイドレール2のアウタ部分(図示せず)の後端に接合固着され、そのアウタ部分を後方に延設させるように上側に設けられた断面略ハット状のルーフサイドレールアウタ延設部21bと、下側に設けられ、前縁が上記リヤクォータピラー17の後側下部に接合固着されるリヤフェンダ部21cとを備えている。上記クォータパネル22は、上記ルーフサイドレール2のインナ部分(図示せず)の後端に接合固着され、そのインナ部分を後方に延設させるように上側に設けられた断面略ハット状のルーフサイドレールインナ延設部22bと、下側に設けられ、上記リヤクォータピラー17の後側下部に接合固着されるクォータパネルインナ部22cとを備えている。上記後面部材23は、上記リヤフェンダ21およびクォータパネル22の互いの後側部分とで車体後部を上下方向に延びる閉断面形状のリヤピラー25を構成している。上記コーナープレート24は、上記ルーフサイドレールアウタ延設部21bの上面内側部分を切欠いた切欠部21eを覆い、かつリヤフェンダ21外側の縦壁部に外面が跨がって接合固着されていて、リヤフェンダ21のルーフサイドレールアウタ延設部21bおよびリヤクォータパネル22のルーフサイドレールインナ延設部22bと共にルーフサイドレール2を閉断面形状に保ちつつ車体後部位置まで延設している。
【0020】
さらに、図3および図6に示すように、上記リヤヘッダ4は、前縁より上方へ延びる前縁フランジ26aを有すると共に後縁より後方へ延びる断面略L字状の後縁フランジ26bを有する断面略鉤状のリヤヘッダアッパ26と、断面略L字状のリヤヘッダロア27とからなり、上記リヤヘッダアッパ26の前縁フランジ26aがリヤヘッダロア27の上縁に、後縁フランジ26bがリヤヘッダロア27の後縁にそれぞれ接合固着されている。上記リヤクォータパネル22の上部には、上記リヤヘッダロア27の車幅方向端部が接合固着される断面略L字状のリヤヘッダロア延設部22dが設けられている。また、上記コーナープレート24の内縁部には、上記リヤヘッダアッパ26の車幅方向端部が接合固着される断面略鉤状のリヤヘッダアッパ延設部24bが設けられている。そして、上記リヤヘッダ4は、上記リヤヘッダロア延設部22dおよびリヤヘッダアッパ延設部24bにより、閉断面形状を保ちつつ左右両側部まで延設されている。
【0021】
上記ルーフパネル5は、上記リヤフェンダ21のルーフサイドレールアウタ延設部21bの縦壁部外面に断面略コ字状のレインレール28の内側片を介して接合固着されていて、リヤクォータウインド13の上縁に対するレインレール28の取り付けがなされるようにしている。また、図1に示すように、上記ルーフパネル5の後縁は、断面略L字状の段差部5bに形成され、その段差部5bの後縁に車幅方向へ延びる断面略コ字状の後縁レインレール29が屈曲形成されている。上記ルーフパネル5の段差部5bは、上記コーナープレート24の後縁部に形成された段差部24cを介して後面部材23中央の凹部23bに連結されていて、自動車1の後面に設けられた後方開口部(図示せず)の周縁(下縁を除く)をコーナープレート24の段差部24cおよび後面部材23の凹部23bと共に形成している。さらに、上記ルーフパネル5の段差部5b裏側面および後縁レインレール29の底部下面は、上記リヤヘッダアッパ26の後縁表側面に接合固着されている。
【0022】
そして、本発明の特徴部分として、上記ルーフサイドレール2とリヤヘッダ4との交差部、つまりルーフサイドレールアウタ延設部21bおよびルーフサイドレールインナ延設部22bとリヤヘッダロア延設部22dおよびリヤヘッダアッパ延設部24bとが交差するコーナープレート24の交差部31には、円形状の第1作業穴31aが設けられている。上記コーナープレート24の交差部31には、上記ルーフパネル5を交差部31上に取り付ける第1ブラケット32が設けられている。該第1ブラケット32は、周囲に環状フランジ32aを有して断面略ハット状に形成されてなり、この環状フランジ32aによって該ブラケット32が上記交差部31の第1作業穴31aの周縁に接合固着されている。また、上記第1ブラケット32の直前方に位置するルーフサイドレールインナ延設部22bの底部外面には、前後一対のウェルドナット33a,33aを有するパッチ33が取り付けられ、該パッチ33に対応するルーフサイドレールインナ延設部22bの底部内面には、内方側からそれぞれ挿通されるボルト34により下端が締結固定された断面略L字状の第2ブラケット35が設けられている。上記第2ブラケット35の上部には、上記第1ブラケット32の上面に形成された平坦部32bと同様の平坦部35aが形成されており、該各第1および第2ブラケット32,35の平坦部32b,35a(底部)には、ボルト挿通孔32c,35bがそれぞれ設けられている。上記各ブラケット32,35の平坦部32b,35a上には、図4および図5にも示すように、上記ヒンジ36の固定側部材36aが取り付けられるようになっている。該固定側部材36aには、上記各ブラケット32,35のボルト挿通孔32b,35bに対応するボルト孔36b,36cが前後に設けられているとともに、上記ルーフパネル5にも、上記各ブラケット32,35のボルト挿通孔32b,35bに対応するボルト孔5c,5dが前後に設けられており、固定側部材36aのボルト孔36b,36cからルーフパネル5のボルト孔5c,5dおよび各ブラケット32,35のボルト挿通孔32b,35bを介して挿通されたボルト37,37と、各ブラケット32,35下方からのナット38,38との締結によって、上記各ブラケット32,35の平坦部32a,35a上にルーフパネル5を挟んでヒンジ36の固定側部材36aが取り付けられている。
【0023】
上記ルーフパネル5上には、該ルーフパネル5上において昇降移動してルーフ開口5aを上方に開放させるリフトルーフ41が設けられている。上記ヒンジ36の固定側部材36aに対応するリフトルーフ41の後部内面左右両位置(図では左側のみ示す)には、固定側部材36aに対してピン42を介して回動自在に支持された可動側部材36dが取り付けられていて、リフトルーフ41のヒンジ36を支点にしたルーフパネル5上での昇降移動を可能にしている。
【0024】
また、上記ルーフサイドレールアウタ延設部21b上縁の接合フランジ21aと、上記リヤヘッダアッパ26の前縁フランジ26aとを連結するコーナープレート24上端の接合フランジ24aは、上記ルーフサイドレール2とリヤヘッダ4とを交差部31上で互いに連結するための連結フランジ部51に構成され、上記第1ブラケット32の環状フランジ32aは、上記連結フランジ部51に近接した状態で交差部31に接合されるようになっている。さらに、上記第1ブラケット32の環状フランジ32aの近傍には、上記コーナープレート24とルーフサイドレールアウタ延設部21bとの接合部、上記コーナープレート24のリヤヘッダアッパ延設部24bとリヤヘッダアッパ26との接合部、および上記コーナープレート24と後面部材23との接合部がそれぞれ設けられている。また、上記第1ブラケット32が取り付けられる交差部31のリヤヘッダ側の閉断面、つまりリヤヘッダ4の左右両側端位置における閉断面内には、その閉断面内で節を形成するレインフォースメント52が設けられている。該レインフォースメント52は、上記リヤヘッダアッパ26の前縁フランジ26aとリヤヘッダロア27の上縁との間に挟まれた状態で接合される上縁フランジ52aと、上記リヤヘッダアッパ26の後縁フランジ26bとリヤヘッダロア27の後縁との間に挟まれた状態で接合される後縁フランジ52bと、上記リヤヘッダロア27の表面に接合される内縁フランジ52cと、上記リヤヘッダアッパ26の裏面に接合される外縁フランジ52dとを備え、上記リヤヘッダ4の閉断面と略一致する形状に形成された残る部位がリヤヘッダロア27の表面およびリヤヘッダアッパ26の裏面にそれぞれ接合されている。そして、上記各ブラケット32,35は、上記ヒンジ36(固定側部材36a)を取り付けるための前後一対のヒンジブラケットに構成され、上記第1ブラケット32が、上記コーナープレート24の交差部31における,ルーフサイドレール2とリヤヘッダ4との交差点に、上記第2ブラケットがコーナープレート24の交差部31におけるルーフサイドレールインナ延設部22bの底部外面にそれぞれ取り付けられている。また、レインフォースメント52は、後方開口部を開閉自在とする後扉53の上端を枢支するためのヒンジ取付部補強用のヒンジレインフォースメントとして兼用される。
【0025】
尚、図中55は、コーナープレート24の交差部31上の第1作業穴31aに対応してクォータパネル22に開口する第2作業穴である。
【0026】
したがって、上記実施例では、第1ブラケット32は、双方ともに剛性の高いルーフサイドレール2およびリヤヘッダ4によって剛性が高められたルーフサイドレール2とリヤヘッダ4との交差点つまりコーナープレート24の交差部31における交差点に取り付けられ、この第1ブラケット32の平坦面32b上にルーフパネル5を挟んでヒンジ36の固定側部材36aの後側が取り付けられているとともに、コーナープレート24の交差部31におけるルーフサイドレールインナ延設部22bの底部外面の第2ブラケット35の平坦部35a上に固定側部材36aの前側が取り付けられているので、ヒンジ36の第1ブラケット32に対する支持剛性がルーフパネル5への取り付けと相俟って高められるとともに、ヒンジ36自身の剛性も高められることになり、リフトルーフ41の取付強度を高めることができる。また、前後2点支持により固定側部材36aが取り付けられて、ヒンジ36の支持剛性がより効果的に高めることができるとともに、ヒンジ36自身の剛性も効果的に高めることができる。しかも、ルーフサイドレール2とリヤヘッダ4とを交差部31上で互いに連結する連結フランジ部51(コーナープレート24上端の接合フランジ24a)に近接した状態で第1ブラケット32の環状フランジ32aが交差部31に接合されているとともに、その環状フランジ32aの近傍に、ルーフサイドレールアウタ延設部21bの接合部、リヤヘッダアッパ26との接合部、および後面部材23との接合部がそれぞれ設けられているので、第1ブラケット32の環状フランジ32aの交差部31上での取付強度を効果的に高めることができる。また、リヤヘッダ4の左右両側端における閉断面内にレインフォースメント52による節が形成されているので、交差部31の剛性強度をさらに高めることができる。
【0027】
しかも、上記の如くルーフサイドレール2およびリヤヘッダ4を連結するコーナープレート24の交差部31上に第1ブラケット32が取り付けられてヒンジの支持剛性が高められることから、ルーフサイドレール2をレインフォースメントなどにより補強することはなく、車体重量の増加を抑制することができると共に、ヒンジ36周りの構造のシンプル化を図ることができる。
【0028】
さらに、コーナープレート24の交差部31上に第1ブラケット32を介して取り付けた構造がシンプルで比較的安価なヒンジ36によって、その回転中心がルーフパネル5の後端に位置付けられることになり、リフトルーフ41の開口面積の拡大化を図る上で多節リンクタイプのヒンジが不要となってコストダウンを図ることができるとともに、該ヒンジ36の支持剛性を十分に確保し得る車体構造を提供することができる。
【0029】
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含するものである。例えば、上記実施例では、ヒンジ36の固定側部材36aを第1ブラケット32と第2ブラケット35とにより取り付けたが、交差部上の第1ブラケットのみによりヒンジが取り付けられるようにしても良い。
【0030】
また、上記実施例では、ルーフサイドレール2の後端とリヤヘッダ4の側端とをコーナープレート24を介して連結したが、ルーフサイドレールの後端とリヤヘッダの側端とが直接連結されるようにしても良い。
【0031】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明における自動車の上部車体構造によれば、ルーフサイドレールおよびヘッダにより剛性を高めた交差部のブラケット上にルーフパネルを挟んでヒンジを取り付けているので、ヒンジのブラケットに対する支持剛性を高めることができると共に、ヒンジ自身の剛性も高めることができ、リフトルーフの取付強度の向上を図ることができる。しかも、ルーフサイドレールのレインフォースメントによる補強を不要にして、車体重量の低減化を図ることができるとともに、ヒンジ周りの構造のシンプル化を図ることができる。さらに、安価なヒンジでその回転中心を車体ルーフ部の後端に位置付けてコストダウンを図ることができるとともに、該ヒンジの支持剛性を十分に確保し得る車体構造を提供することができる。
【0032】
請求項2記載の発明における自動車の上部車体構造によれば、交差部上においてブラケットのフランジを連結フランジ部に近接させて取付けたので、ブラケットのフランジの交差部に対する取付強度の効果的な向上に伴い、ヒンジのブラケットに対する支持剛性およびヒンジ自身の剛性を効果的に高めて、リフトルーフの取付強度の効果的な向上を図ることができる。
【0033】
請求項3記載の発明における自動車の上部車体構造によれば、交差部のヘッダ側の閉断面内にレインフォースメントによる節を形成したので、交差部の剛性強度のさらなる向上に伴い、ブラケットの交差部に対する取付強度をさらに効果的に高めることができる。
【0034】
さらに、請求項4記載の発明における自動車の上部車体構造によれば、交差部の交差点の第1ブラケットと、交差部のルーフサイドレール側の第2ブラケットとでヒンジの前側および後側を前後2点支持により取り付けたので、ヒンジの支持剛性およびヒンジ自身の剛性をより効果的に高めることができ、リフトルーフの取付強度のより効果的な向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る上部車体構造の一部構成部材の分解斜視図である。
【図2】リヤクォータ部の分解斜視図である。
【図3】上部車体構造の残る構成部材の分解斜視図である。
【図4】第1ブラケット付近で切断した車体後部左側の縦断背面図である。
【図5】第2ブラケット付近で切断した車体後部左側の縦断背面図である。
【図6】レインフォースメント付近で切断した車体後部の縦断側面図である。
【図7】自動車のボディーの斜視図である。
【符号の説明】
2 ルーフサイドレールと、
4 リヤヘッダ(ヘッダ)
5 ルーフパネル
31 交差部
32 第1ブラケット(ブラケット)
32a 環状フランジ(第1ブラケットのフランジ)
35 第2ブラケット(ブラケット)
36 ヒンジ
41 リフトルーフ
51 連結フランジ部
52 レインフォースメント
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車の上部車体構造に関し、詳しくは、車体ルーフ部において可動するパネル状の可動物をルーフパネルに取り付ける場合に該可動物の取付強度を高める対策に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車の上部車体構造として、例えば特開昭63−53115号公報に開示されるように、車体ルーフ部に、該ルーフ部に設けた開口部を覆う可動物としてのキャンバスルーフを設けるとともに、該キャンバスルーフをスライド移動させるために必要なガイドレールを、車体ルーフ部の左右両側のルーフサイドレール上にブラケットを介して取り付けるようにしたものが知られている。
【0003】
また、車体ルーフ部で可動する可動物としては、上記キャンバスルーフの他に、ルーフパネルの上方においてヒンジにより昇降移動するようにしたリフトルーフが設けられることがある。その場合、ヒンジは、車体部材に取り付けられるブラケット上に取り付けられるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記リフトルーフは、キャンバスルーフに比べて重いため、ルーフサイドレール上にブラケットを設け、そのブラケット上にヒンジを介してリフトルーフが取り付けられていると、ヒンジの支持剛性が十分に確保できない上、リフトルーフの取付強度が低下するといった問題もあった。
【0005】
また、上記ブラケット(ヒンジ)の取付部に対応するルーフサイドレールの対応部分をレインフォースメントなどにより補強し、そのルーフサイドレールの対応部分上にブラケットを取り付けることも考えられるが、その場合には、レインフォースメントなどにより車体重量が増加するとともに、ヒンジ周りの構造が複雑化する。
【0006】
一方、ヒンジの回転中心を車体ルーフ部の後端に位置付けてリフトルーフの開口面積の拡大化を図りたいという要求もあり、その場合、ルーフサイドレール上のブラケットに多節リンクタイプのヒンジの基端を取り付けてヒンジの回転中心を車体ルーフ部の後端に位置付けることが考えられるが、このヒンジ自体が高価であることからコストアップにつながる。そのため、安価なヒンジでその回転中心を車体ルーフ部の後端に位置付けても該ヒンジの支持剛性を十分に確保し得るような車体構造が切望されていた。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ルーフサイドレールの前端同士および後端同士をそれぞれ車幅方向に連結する閉断面形状の前後一対のヘッダに着目し、このヘッダおよびルーフサイドレールの剛性強度が共に得られる位置上にブラケットを介してヒンジを取り付けることで、ヒンジの支持剛性を十分に確保しつつリフトルーフの取付強度の向上を図るとともに、ヒンジ周りの構造のシンプル化を図り、かつ車体ルーフ部の後端に回転中心を位置付け得る安価なヒンジの取り付け可能な車体構造を提供せんとすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明が講じた解決手段は、車体上部の左右両側にそれぞれ車体前後方向に延びて設けられた閉断面形状の左右一対のルーフサイドレールと、車体上部の前後両側にそれぞれ車幅方向に延びて設けられ、上記一対のルーフサイドレールの前端同士および後端同士をそれぞれ車幅方向に連結する閉断面形状の前後一対のヘッダと、周縁が上記ルーフサイドレールおよびヘッダに支持されたルーフパネルと、上記ルーフサイドレールとヘッダとが交差する交差部に取り付けられ、該交差部にて上記ルーフパネルを支持するブラケットと、該ブラケット上にルーフパネルを挟んで取付けられたヒンジと、該ヒンジに回動自在に支持され、ルーフパネルの上方を上記ヒンジを支点に昇降移動するリフトルーフとを備える構成としたものである。さらに、ブラケットを特定し、ヒンジの前側および後側を取り付けるための前後一対の第1ブラケットおよび第2ブラケットからなる。そして、上記第1ブラケットを、ルーフサイドレールとヘッダとの交差部における交差点に取り付ける一方、上記第2ブラケットを上記交差部のルーフサイドレール側に取り付ける構成としたものである。
【0009】
請求項2記載の発明が講じた解決手段は、請求項1記載の発明の構成要件に加えて、ルーフサイドレール及びヘッダに、それぞれ両者の交差部上で互いに連結するための連結フランジ部を設けるとともに、ブラケットに、上記連結フランジ部に近接した状態で交差部に接合されるフランジを設ける構成としたものである。
【0010】
請求項3記載の発明が講じた解決手段は、請求項1または請求項2記載の発明の構成要件に加えて、ブラケットが取り付けられる交差部のヘッダ側の閉断面内に、その閉断面内で節を形成するレインフォースメントを設ける構成としたものである。
【0011】
【作用】
上記の構成により、請求項1記載の発明では、ブラケットは、双方ともに剛性の高いルーフサイドレールおよびヘッダによって剛性が高められた交差部に設けられ、この交差部上のブラケットによってルーフパネルを挟んでヒンジが設けられているので、ヒンジのブラケットに対する支持剛性がルーフパネルへの取り付けと相俟って高められるとともに、ヒンジ自身の剛性も高められることになり、リフトルーフの取付強度が高められる。しかも、上記の如くルーフサイドレールとヘッダとの交差部上にブラケットが取り付けられてヒンジの支持剛性が高められることから、ルーフサイドレールをレインフォースメントなどにより補強することはなく、車体重量の増加が抑制されると共に、ヒンジ周りの構造がシンプルなものとなる。さらに、ルーフサイドレールとヘッダとの交差部上にブラケットを介して取り付けた比較的安価なヒンジによって、その回転中心が車体ルーフ部の後端に位置付けられることになり、リフトルーフの開口面積の拡大化を図る上で多節リンクタイプのヒンジが不要となってコストが抑えられるとともに、該ヒンジの支持剛性を十分に確保し得る車体構造が提供される。
【0012】
さらに、ルーフサイドレールとヘッダとの交差部における交差点に取り付けた第1ブラケットと、その交差部におけるルーフサイドレール側に取り付けた第2ブラケットとでヒンジの前側および後側が取り付けられているので、ヒンジが前後2点支持により取り付けられて、ヒンジの支持剛性がより効果的に高められるとともに、ヒンジ自身の剛性も効果的に高められ、リフトルーフの取付強度がより効果的に高められる。
【0013】
請求項2記載の発明では、ブラケットのフランジは、ルーフサイドレールとヘッダとを交差部上で連結する連結フランジ部に近接した状態で交差部に接合されているので、ブラケットのフランジの取付強度が効果的に高められ、ヒンジのブラケットに対する支持剛性が効果的に高められるとともに、ヒンジ自身の剛性も効果的に高められることになり、リフトルーフの取付強度が効果的に高められる。
【0014】
請求項3記載の発明では、レインフォースメントにより、ブラケットが取り付けられる交差部のヘッダ側の閉断面内に節が形成されているので、交差部の剛性がさらに高められ、ブラケットの交差部に対する取付強度がさらに効果的に高められる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0016】
図7は本発明の一実施例に係る上部車体構造を備えた高床式のワゴンタイプの自動車の車体構造を示し、この車体1のルーフ部には、左右両側をそれぞれ車体前後方向に延びて設けられた閉断面形状の左右一対のルーフサイドレール2,2と、前側を車幅方向に延びて設けられ、上記一対のルーフサイドレール2,2の前端同士を車幅方向に連結する閉断面形状のフロントヘッダ3と、後側を車幅方向に延びて設けられ、上記一対のルーフサイドレール2,2の後端同士を車幅方向に連結する閉断面形状のリヤヘッダ4と、周縁が上記各ルーフサイドレール2および各ヘッダ3,4に支持され、略中央部に上方に開口する略矩形状のルーフ開口5aを有するルーフパネル5とを備えている。
【0017】
上記自動車1の側面には、フロントドア用開口11、リヤドア用開口12およびリヤクォータウインド用開口13が前から順に設けられている。上記フロントドア用開口11は、その前縁を形成するフロントピラー14と、後縁を形成するセンタピラー15と、該各ピラー14,15の上端同士を連結するルーフサイドレール2の前部と、その下縁の形成し、上記各ピラー14,15の下端同士を連結するサイドシル16の前部とにより区画されている。上記リヤドア用開口12は、その前縁を形成するセンタピラー15と、後縁を形成するリヤクォータピラー17と、該各ピラー15,17の上端同士を連結するルーフサイドレール2の後部と、下側を車体前後方向に延び、上記各ピラー15,17の下端同士を連結するサイドシル11の後部とにより区画されている。上記リヤクォータウインド用開口13は、その前縁部が上記リヤクォータピラー17の上部により形成され、残る縁部がリヤクォータ部18の上部により形成されている。
【0018】
また、図2に示すように、上記リヤクォータ部18は、周縁に接合フランジ21a,…を断続的に有し、かつリヤクォータピラー17よりも後方位置において車体後部外板を構成するリヤフェンダ21と、周縁に接合フランジ22a,…を断続的に有し、かつリヤフェンダ21の車体内方側において該接合フランジ22aをリヤフェンダ21の接合フランジ21aに接合するクォータパネル22と、リヤクォータ部18の後側においてリヤフェンダ21の接合フランジ21aおよびクォータパネル22の接合フランジ22aにそれぞれ接合される接合フランジ23a,23aを内外両側にそれぞれ有して、リヤクォータ部18の後面を形成する後面部材23と、リヤクォータ部18の後面上部においてクォータパネル22の接合フランジ22aに接合されると共にリヤフェンダ21および後面部材23にそれぞれ接合される接合フランジ24a,…を周縁に断続的に有し、リヤクォータ部18の後面上部を形成するコーナープレート24とを備えている。上記後面部材23の外側の接合フランジ23aは、その内面がリヤフェンダ21後縁の接合フランジ21a外面に接合固着されている。
【0019】
上記リヤフェンダ21は、上記ルーフサイドレール2のアウタ部分(図示せず)の後端に接合固着され、そのアウタ部分を後方に延設させるように上側に設けられた断面略ハット状のルーフサイドレールアウタ延設部21bと、下側に設けられ、前縁が上記リヤクォータピラー17の後側下部に接合固着されるリヤフェンダ部21cとを備えている。上記クォータパネル22は、上記ルーフサイドレール2のインナ部分(図示せず)の後端に接合固着され、そのインナ部分を後方に延設させるように上側に設けられた断面略ハット状のルーフサイドレールインナ延設部22bと、下側に設けられ、上記リヤクォータピラー17の後側下部に接合固着されるクォータパネルインナ部22cとを備えている。上記後面部材23は、上記リヤフェンダ21およびクォータパネル22の互いの後側部分とで車体後部を上下方向に延びる閉断面形状のリヤピラー25を構成している。上記コーナープレート24は、上記ルーフサイドレールアウタ延設部21bの上面内側部分を切欠いた切欠部21eを覆い、かつリヤフェンダ21外側の縦壁部に外面が跨がって接合固着されていて、リヤフェンダ21のルーフサイドレールアウタ延設部21bおよびリヤクォータパネル22のルーフサイドレールインナ延設部22bと共にルーフサイドレール2を閉断面形状に保ちつつ車体後部位置まで延設している。
【0020】
さらに、図3および図6に示すように、上記リヤヘッダ4は、前縁より上方へ延びる前縁フランジ26aを有すると共に後縁より後方へ延びる断面略L字状の後縁フランジ26bを有する断面略鉤状のリヤヘッダアッパ26と、断面略L字状のリヤヘッダロア27とからなり、上記リヤヘッダアッパ26の前縁フランジ26aがリヤヘッダロア27の上縁に、後縁フランジ26bがリヤヘッダロア27の後縁にそれぞれ接合固着されている。上記リヤクォータパネル22の上部には、上記リヤヘッダロア27の車幅方向端部が接合固着される断面略L字状のリヤヘッダロア延設部22dが設けられている。また、上記コーナープレート24の内縁部には、上記リヤヘッダアッパ26の車幅方向端部が接合固着される断面略鉤状のリヤヘッダアッパ延設部24bが設けられている。そして、上記リヤヘッダ4は、上記リヤヘッダロア延設部22dおよびリヤヘッダアッパ延設部24bにより、閉断面形状を保ちつつ左右両側部まで延設されている。
【0021】
上記ルーフパネル5は、上記リヤフェンダ21のルーフサイドレールアウタ延設部21bの縦壁部外面に断面略コ字状のレインレール28の内側片を介して接合固着されていて、リヤクォータウインド13の上縁に対するレインレール28の取り付けがなされるようにしている。また、図1に示すように、上記ルーフパネル5の後縁は、断面略L字状の段差部5bに形成され、その段差部5bの後縁に車幅方向へ延びる断面略コ字状の後縁レインレール29が屈曲形成されている。上記ルーフパネル5の段差部5bは、上記コーナープレート24の後縁部に形成された段差部24cを介して後面部材23中央の凹部23bに連結されていて、自動車1の後面に設けられた後方開口部(図示せず)の周縁(下縁を除く)をコーナープレート24の段差部24cおよび後面部材23の凹部23bと共に形成している。さらに、上記ルーフパネル5の段差部5b裏側面および後縁レインレール29の底部下面は、上記リヤヘッダアッパ26の後縁表側面に接合固着されている。
【0022】
そして、本発明の特徴部分として、上記ルーフサイドレール2とリヤヘッダ4との交差部、つまりルーフサイドレールアウタ延設部21bおよびルーフサイドレールインナ延設部22bとリヤヘッダロア延設部22dおよびリヤヘッダアッパ延設部24bとが交差するコーナープレート24の交差部31には、円形状の第1作業穴31aが設けられている。上記コーナープレート24の交差部31には、上記ルーフパネル5を交差部31上に取り付ける第1ブラケット32が設けられている。該第1ブラケット32は、周囲に環状フランジ32aを有して断面略ハット状に形成されてなり、この環状フランジ32aによって該ブラケット32が上記交差部31の第1作業穴31aの周縁に接合固着されている。また、上記第1ブラケット32の直前方に位置するルーフサイドレールインナ延設部22bの底部外面には、前後一対のウェルドナット33a,33aを有するパッチ33が取り付けられ、該パッチ33に対応するルーフサイドレールインナ延設部22bの底部内面には、内方側からそれぞれ挿通されるボルト34により下端が締結固定された断面略L字状の第2ブラケット35が設けられている。上記第2ブラケット35の上部には、上記第1ブラケット32の上面に形成された平坦部32bと同様の平坦部35aが形成されており、該各第1および第2ブラケット32,35の平坦部32b,35a(底部)には、ボルト挿通孔32c,35bがそれぞれ設けられている。上記各ブラケット32,35の平坦部32b,35a上には、図4および図5にも示すように、上記ヒンジ36の固定側部材36aが取り付けられるようになっている。該固定側部材36aには、上記各ブラケット32,35のボルト挿通孔32b,35bに対応するボルト孔36b,36cが前後に設けられているとともに、上記ルーフパネル5にも、上記各ブラケット32,35のボルト挿通孔32b,35bに対応するボルト孔5c,5dが前後に設けられており、固定側部材36aのボルト孔36b,36cからルーフパネル5のボルト孔5c,5dおよび各ブラケット32,35のボルト挿通孔32b,35bを介して挿通されたボルト37,37と、各ブラケット32,35下方からのナット38,38との締結によって、上記各ブラケット32,35の平坦部32a,35a上にルーフパネル5を挟んでヒンジ36の固定側部材36aが取り付けられている。
【0023】
上記ルーフパネル5上には、該ルーフパネル5上において昇降移動してルーフ開口5aを上方に開放させるリフトルーフ41が設けられている。上記ヒンジ36の固定側部材36aに対応するリフトルーフ41の後部内面左右両位置(図では左側のみ示す)には、固定側部材36aに対してピン42を介して回動自在に支持された可動側部材36dが取り付けられていて、リフトルーフ41のヒンジ36を支点にしたルーフパネル5上での昇降移動を可能にしている。
【0024】
また、上記ルーフサイドレールアウタ延設部21b上縁の接合フランジ21aと、上記リヤヘッダアッパ26の前縁フランジ26aとを連結するコーナープレート24上端の接合フランジ24aは、上記ルーフサイドレール2とリヤヘッダ4とを交差部31上で互いに連結するための連結フランジ部51に構成され、上記第1ブラケット32の環状フランジ32aは、上記連結フランジ部51に近接した状態で交差部31に接合されるようになっている。さらに、上記第1ブラケット32の環状フランジ32aの近傍には、上記コーナープレート24とルーフサイドレールアウタ延設部21bとの接合部、上記コーナープレート24のリヤヘッダアッパ延設部24bとリヤヘッダアッパ26との接合部、および上記コーナープレート24と後面部材23との接合部がそれぞれ設けられている。また、上記第1ブラケット32が取り付けられる交差部31のリヤヘッダ側の閉断面、つまりリヤヘッダ4の左右両側端位置における閉断面内には、その閉断面内で節を形成するレインフォースメント52が設けられている。該レインフォースメント52は、上記リヤヘッダアッパ26の前縁フランジ26aとリヤヘッダロア27の上縁との間に挟まれた状態で接合される上縁フランジ52aと、上記リヤヘッダアッパ26の後縁フランジ26bとリヤヘッダロア27の後縁との間に挟まれた状態で接合される後縁フランジ52bと、上記リヤヘッダロア27の表面に接合される内縁フランジ52cと、上記リヤヘッダアッパ26の裏面に接合される外縁フランジ52dとを備え、上記リヤヘッダ4の閉断面と略一致する形状に形成された残る部位がリヤヘッダロア27の表面およびリヤヘッダアッパ26の裏面にそれぞれ接合されている。そして、上記各ブラケット32,35は、上記ヒンジ36(固定側部材36a)を取り付けるための前後一対のヒンジブラケットに構成され、上記第1ブラケット32が、上記コーナープレート24の交差部31における,ルーフサイドレール2とリヤヘッダ4との交差点に、上記第2ブラケットがコーナープレート24の交差部31におけるルーフサイドレールインナ延設部22bの底部外面にそれぞれ取り付けられている。また、レインフォースメント52は、後方開口部を開閉自在とする後扉53の上端を枢支するためのヒンジ取付部補強用のヒンジレインフォースメントとして兼用される。
【0025】
尚、図中55は、コーナープレート24の交差部31上の第1作業穴31aに対応してクォータパネル22に開口する第2作業穴である。
【0026】
したがって、上記実施例では、第1ブラケット32は、双方ともに剛性の高いルーフサイドレール2およびリヤヘッダ4によって剛性が高められたルーフサイドレール2とリヤヘッダ4との交差点つまりコーナープレート24の交差部31における交差点に取り付けられ、この第1ブラケット32の平坦面32b上にルーフパネル5を挟んでヒンジ36の固定側部材36aの後側が取り付けられているとともに、コーナープレート24の交差部31におけるルーフサイドレールインナ延設部22bの底部外面の第2ブラケット35の平坦部35a上に固定側部材36aの前側が取り付けられているので、ヒンジ36の第1ブラケット32に対する支持剛性がルーフパネル5への取り付けと相俟って高められるとともに、ヒンジ36自身の剛性も高められることになり、リフトルーフ41の取付強度を高めることができる。また、前後2点支持により固定側部材36aが取り付けられて、ヒンジ36の支持剛性がより効果的に高めることができるとともに、ヒンジ36自身の剛性も効果的に高めることができる。しかも、ルーフサイドレール2とリヤヘッダ4とを交差部31上で互いに連結する連結フランジ部51(コーナープレート24上端の接合フランジ24a)に近接した状態で第1ブラケット32の環状フランジ32aが交差部31に接合されているとともに、その環状フランジ32aの近傍に、ルーフサイドレールアウタ延設部21bの接合部、リヤヘッダアッパ26との接合部、および後面部材23との接合部がそれぞれ設けられているので、第1ブラケット32の環状フランジ32aの交差部31上での取付強度を効果的に高めることができる。また、リヤヘッダ4の左右両側端における閉断面内にレインフォースメント52による節が形成されているので、交差部31の剛性強度をさらに高めることができる。
【0027】
しかも、上記の如くルーフサイドレール2およびリヤヘッダ4を連結するコーナープレート24の交差部31上に第1ブラケット32が取り付けられてヒンジの支持剛性が高められることから、ルーフサイドレール2をレインフォースメントなどにより補強することはなく、車体重量の増加を抑制することができると共に、ヒンジ36周りの構造のシンプル化を図ることができる。
【0028】
さらに、コーナープレート24の交差部31上に第1ブラケット32を介して取り付けた構造がシンプルで比較的安価なヒンジ36によって、その回転中心がルーフパネル5の後端に位置付けられることになり、リフトルーフ41の開口面積の拡大化を図る上で多節リンクタイプのヒンジが不要となってコストダウンを図ることができるとともに、該ヒンジ36の支持剛性を十分に確保し得る車体構造を提供することができる。
【0029】
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含するものである。例えば、上記実施例では、ヒンジ36の固定側部材36aを第1ブラケット32と第2ブラケット35とにより取り付けたが、交差部上の第1ブラケットのみによりヒンジが取り付けられるようにしても良い。
【0030】
また、上記実施例では、ルーフサイドレール2の後端とリヤヘッダ4の側端とをコーナープレート24を介して連結したが、ルーフサイドレールの後端とリヤヘッダの側端とが直接連結されるようにしても良い。
【0031】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明における自動車の上部車体構造によれば、ルーフサイドレールおよびヘッダにより剛性を高めた交差部のブラケット上にルーフパネルを挟んでヒンジを取り付けているので、ヒンジのブラケットに対する支持剛性を高めることができると共に、ヒンジ自身の剛性も高めることができ、リフトルーフの取付強度の向上を図ることができる。しかも、ルーフサイドレールのレインフォースメントによる補強を不要にして、車体重量の低減化を図ることができるとともに、ヒンジ周りの構造のシンプル化を図ることができる。さらに、安価なヒンジでその回転中心を車体ルーフ部の後端に位置付けてコストダウンを図ることができるとともに、該ヒンジの支持剛性を十分に確保し得る車体構造を提供することができる。
【0032】
請求項2記載の発明における自動車の上部車体構造によれば、交差部上においてブラケットのフランジを連結フランジ部に近接させて取付けたので、ブラケットのフランジの交差部に対する取付強度の効果的な向上に伴い、ヒンジのブラケットに対する支持剛性およびヒンジ自身の剛性を効果的に高めて、リフトルーフの取付強度の効果的な向上を図ることができる。
【0033】
請求項3記載の発明における自動車の上部車体構造によれば、交差部のヘッダ側の閉断面内にレインフォースメントによる節を形成したので、交差部の剛性強度のさらなる向上に伴い、ブラケットの交差部に対する取付強度をさらに効果的に高めることができる。
【0034】
さらに、請求項4記載の発明における自動車の上部車体構造によれば、交差部の交差点の第1ブラケットと、交差部のルーフサイドレール側の第2ブラケットとでヒンジの前側および後側を前後2点支持により取り付けたので、ヒンジの支持剛性およびヒンジ自身の剛性をより効果的に高めることができ、リフトルーフの取付強度のより効果的な向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る上部車体構造の一部構成部材の分解斜視図である。
【図2】リヤクォータ部の分解斜視図である。
【図3】上部車体構造の残る構成部材の分解斜視図である。
【図4】第1ブラケット付近で切断した車体後部左側の縦断背面図である。
【図5】第2ブラケット付近で切断した車体後部左側の縦断背面図である。
【図6】レインフォースメント付近で切断した車体後部の縦断側面図である。
【図7】自動車のボディーの斜視図である。
【符号の説明】
2 ルーフサイドレールと、
4 リヤヘッダ(ヘッダ)
5 ルーフパネル
31 交差部
32 第1ブラケット(ブラケット)
32a 環状フランジ(第1ブラケットのフランジ)
35 第2ブラケット(ブラケット)
36 ヒンジ
41 リフトルーフ
51 連結フランジ部
52 レインフォースメント
Claims (3)
- 車体上部の左右両側にそれぞれ車体前後方向に延びて設けられた閉断面形状の左右一対のルーフサイドレールと、
車体上部の前後両側にそれぞれ車幅方向に延びて設けられ、上記一対のルーフサイドレールの前端同士および後端同士をそれぞれ車幅方向に連結する閉断面形状の前後一対のヘッダと、
周縁が上記ルーフサイドレールおよびヘッダに支持されたルーフパネルと、
上記ルーフサイドレールとヘッダとが交差する交差部に取り付けられ、該交差部にて上記ルーフパネルを支持するブラケットと、
該ブラケット上にルーフパネルを挟んで取付けられたヒンジと、
該ヒンジに回動自在に支持され、ルーフパネルの上方を上記ヒンジを支点に昇降移動するリフトルーフとを備え、
上記ブラケットは、上記ヒンジの前側および後側を取り付けるための前後一対の第1ブラケットおよび第2ブラケットからなり、
上記第1ブラケットは、上記ルーフサイドレールと上記ヘッダとの交差部における交差点に取り付けられている一方、上記第2ブラケットは上記交差部のルーフサイドレール側に取り付けられていることを特徴とする自動車の上部車体構造。 - 上記ルーフサイドレール及び上記ヘッダは、それぞれ両者の交差部上で互いに連結するための連結フランジ部を有しており、上記ブラケットは、上記連結フランジ部に近接した状態で交差部に接合されるフランジを有している請求項1記載の自動車の上部車体構造。
- 上記ブラケットが取り付けられる交差部のヘッダ側の閉断面内には、その閉断面内で節を形成するレインフォースメントが設けられている請求項1または請求項2記載の自動車の上部車体構造。
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