JP3554295B2 - 強化非接触データキャリア及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばプリペイドコインとして有用な円板状の非接触データキャリア及びその製造方法に係り、特に外周が金属リングで強化された強化非接触データキャリアとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
非接触データキャリアシステムは、ホストコンピュータに接続された質問器と応答器としての非接触データキャリアとの間での情報の交信を非接触で行うものであり、FA(Factory Automation)、流通、セキュリティ、交通レジャー等、あらゆる分野で利用されている。このシステムは、例えば非接触データキャリアを様々な物品に取り付け、その物品に関する情報を磁気、誘導電磁界、マイクロ波(電波)等を介して質問器により遠隔的に読み取ってホストに提供し情報処理を行うものである。
【0003】
近年では、質問器との間でのデータのやり取りにより情報処理を実現するデータキャリア本来の用途の枠を超え、全体をコイン型に成形してパチンコホール等の遊技場において使用されるプリペイドコインとして用いることも提案されている。
【0004】
しかしながら、従来のプリペイドコインは、全体が硬化性樹脂で形成されているため、樹脂封止体の周辺部の摩耗、欠けによる外観悪化、摩耗カスやコインの割れ等による機械トラブルが発生するという問題があった。
【0005】
また、全体が硬化性樹脂で形成されて軽量であるため、外部装置に挿入して自重により落下させて外径測定器や質問器等の計測間隙を通過させる際に、詰まりによるトラブルが起きやすいという問題もあった。
【0006】
さらに、1万円や5千円等の高額のプリペイドコインであっても、軽量であるため、それだけの価値あるものとの高級感がでないという問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、非接触データキャリアからなるプリペイドコインでは、樹脂封止体の周辺部の摩耗、欠けによる外観悪化、摩耗カスやコインの割れ等により機械トラブルが発生するという問題があった。
【0008】
また、軽量であるため、挿入口から挿入して自重により落下させて外径測定器や質問器等の計測間隙を通過させる際に詰まりによるトラブルが起きやすいという問題もあった。
【0009】
さらに、高額のプリペイドコインであっても、軽量なため高級感がでないという問題もあった。
【0010】
本発明は、かかる従来の欠点を解消すべくなされたもので、外周が金属リングで補強された1)特に周縁部の強度及び耐摩耗性に優れ、2)重量が大きく装置内で自重により円滑に落下して詰まり等によるトラブルの発生がなく、3)重量があって高額プリペイドコインに見合った高級感を出すことのできる円板状の非接触データキャリアとその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の強化非接触データキャリアは、円板状の樹脂封止体内にメモリとアンテナを含む内装部品を封入し、前記アンテナを介して外部装置と非接触の送受信を行うことにより、少なくとも前記メモリに記憶されたデータを読出し可能とした非接触データキャリアにおいて、開口部が内側を向く断面C型の金属リングを有し、前記金属リングの開口部を形成する両端面が、前記樹脂封止体の周縁部を挟持して成ることを特徴としている。
【0012】
本発明の樹脂封止体に用いられる封止樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、紫外線硬化型樹脂等の液状の硬化性樹脂が適している。また、内装部品としては非接触での送受信のためのアンテナやEEPROM、フラッシュメモリ、FRAM等の不揮発性メモリ等のリードオンリやリードライトのメモリの他、メモリへのデータの書込み、読み出し等を制御するCPUやアンテナ回路を構成するためのコイル、コンデンサ、抵抗等の受動素子、圧力センサ、温度センサ等のセンサ類が例示される。
【0013】
本発明に使用される金属リングとしては、例えば図1乃至図3に概略的に示したようなものが例示される。
【0014】
図1に示した金属リング1は、1か所に切れ目2を入れたものであり、図2に示した金属リング1は、2つのパーツ1a、1bに分割したもの、図3に示した金属リング1は、3つのパーツ1a、1b,1cに分割したものである。これらの金属リングは、断面を正方形、円形、楕円形、半円形、かまぼこ型等任意の形状にすることができ、必要に応じて内面側に封止樹脂との結合を確実にするため段部、凹部あるいは凹凸を形成することができる。図2、図3に示した金属リング1は、金型内に配置されたり、その内側に必要に応じて形成される段部や凹部を、円形の樹脂封止体の外周や構成部品に係合させてリング状に配置され、接着剤や封止樹脂により樹脂封止体と一体に固定される。金属リング1は、切断部2のない環状のものとしてもよいが、図1乃至図3に示すように、少なくとも1か所に切断部2を設けることにより外部の入出力装置とアンテナ間の通信品質を向上させる。
【0015】
すなわち、金属リング1は切断部2がないとインダクタとして作用するため、アンテナコイルの近くに配置するとアンテナコイルに影響を与えて通信性能を低下させ、特に通信周波数がMHz帯やGHz帯ではその影響が大きくなるが、図1乃至図3に示すように少なくとも1か所に切断部2を設けることにより、アンテナコイルに影響を与えることがなくなる。また、図2や図3に示したように切れ目を2つ以上にして完全に分割された金属リングは内装部品を実装した基板等の嵌め込み作業の作業性を向上させる。金属リング1の素材としては、鉄、アルミ、銅、亜鉛及びそれらの合金材料が適しているが、重量、加工性、耐摩耗性を付与する点から鉄、ステンレス、真鍮等が適している。また、耐さび性や意匠性を向上させるため、表面にクロム、ニッケル、チタン等のメッキを施すようにしてもよい。
【0016】
本発明の強化非接触データキャリアは、金属リングとして断面C型のものを使用して樹脂封止体をC型の空隙部にまで充填して、金属リングの開口部を形成する両端面によって樹脂封止体が挟持され、金属リングと樹脂封止体との機械的結合を強化したものである。金属リングの開口部を形成する両端面が、樹脂封止体の周縁部を挟持しているので、樹脂封止体の周辺部の摩耗、欠けによる外観悪化、摩耗カスやコインの割れ等による機械トラブルが防止される。また、金属リングにより重量が付加されて表示された金額に応じた高級感が得られ、外部装置に挿入したときに、円滑に落下して詰まりによるトラブルが解消される。
【0017】
請求項2の強化非接触データキャリアは、前記樹脂封止体が、前記樹脂封止体の少なくとも片面に耐摩耗性の覆板が一体的に設けられ構成されていることを特徴としている。耐摩耗性の覆板の構成材料としては、PETのようなポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等が例示される。覆板には、金額や注意書等を印刷やレーザマークで印字しておくことができる。
【0018】
また、覆板を例えば上記した機械的強度の大きい樹脂材料で形成した場合には、他の強化非接触データキャリアの金属リング部分の衝突等による損傷を回避することができる。上記覆板は、通常樹脂封止体の両面に貼着されるが、例えば内装部品が後述する外装ケース内に樹脂封止されているような場合には、外装ケースの開口側にのみ設ければ、所期の目的を達成することができる。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1又は2の強化非接触データキャリアにおいて、金属リングが、少なくとも1個所に切断部を有することを特徴としている。
【0020】
この発明では、金属リング1に少なくとも1か所に切断部2が設けてあるので、前述したように、金属リングがインダクタとして作用しなくなり、MHz帯やGHz帯の通信周波数帯でアンテナコイルの近くに金属リングが配置されても通信性能を低下させることがなくなる。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の強化非接触データキャリアは、前記金属リングの内部に樹脂が充填されていることを特徴としている。
【0022】
この発明は、金属リングとして断面C型のものを使用して樹脂封止体をC型の空隙部にまで充填して、金属リング1と樹脂封止体との機械的結合を強化したものである。
【0029】
以上の各強化非接触データキャリアは、請求項5または6の方法により製造される。
【0030】
請求項5の強化非接触データキャリアの製造方法は、ほぼ円板状の第1の覆板上に内装部品を実装する工程と、前記第1の覆板を、開口部が内側を向く断面C型の金属リングの開口部を形成する一方の端面に係止する工程と、前記第1の覆板上に所要量の硬化性樹脂を注下する工程と、前記硬化性樹脂上に第2の覆板を載せ、該第2の覆板を圧下して前記硬化性樹脂を前記金属リングの開口部から前記金属リング内部に圧入させつつ前記第2の覆板を前記硬化性樹脂に密着させ、前記金属リングの開口部を形成する他方の端面に前記第2の覆板の一方の面を係止する工程と、前記第1の覆板上に注下された硬化性樹脂を硬化させる工程とを有することを特徴としている。
【0031】
請求項6の強化非接触データキャリアの製造方法は、前記第1の覆板上に内装部品を実装する工程の後で、前記第1の覆板を金属リングの開口部を形成する一方の端面に係止する工程の前に、前記実装された内装部品上に硬化性樹脂を注下する工程と、前記内装部品上に注下された硬化性樹脂を硬化させる工程とをさらに有することを特徴としている。
【0033】
以上のように、本発明の強化非接触データキャリアは、表面に金額や注意書等を印刷した固定額のプリペイドコインや定額から使用した分が引き去られる変動額のプリペイドコインとして好適している。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を一実施例を図2〜図5について説明する。
【0035】
(実施例1)
この実施例は、内側に段部(凸部)を有する金属リングを用いた強化非接触データキャリアの例であり、図4(g)はその断面図である。
【0036】
同図において、符号41は、1か所に切断部が設けられ内側面に段部41aが形成されたステンレス製の金属リングである。符号42は、円形の底板42a上に同心的に短筒状の側縁42bを設け、底面に、例えば金額等が表示された外装ケースである。この外装ケース42は、ABS樹脂の射出成型により形成されている。この外装ケース42の側縁42bの外周には、段部41aの下面を外装ケース42の底板42aの縁部上面に当接させて金属リング41が液状シリコーン樹脂により一体的に固着されている。外装ケース42内には、非接触データキャリアとして機能するのに必要な半導体チップ(RAM、CPU等)43やアンテナコイル44等が実装され、その上にエポキシ樹脂の注下により形成された硬化性樹脂層45が設けられている。外装ケース42上には、例えば金額等の表示をしたABS樹脂からなる覆板46が縁部を金属リング41の段部上面に当接させて下面側全体が液状シリコーン樹脂により硬化性樹脂層45上に接着・固定されている。
【0037】
この実施例の強化非接触データキャリアは、同図(a)乃至(f)に示す工程により製造される。
【0038】
まず、ABS樹脂の射出成形により、円形の底板42a上に同心的に短筒状の側縁42bを設けた外装ケース42と覆板46を製造する(同図(a))。次に、この外装ケース42の底板42aの内底面上に半導体チップ(RAM、CPU等)43やアンテナコイル44などの内装部品を実装し(同図(b))、その上にエポキシ樹脂を注入し、50℃で3時間保持してこのエポキシ樹脂を硬化させ硬化性樹脂層45を形成する(同図(c))。硬化性樹脂層45が完全に硬化したところで、1か所に切断部を形成したステンレス製の金属リング41の内側面に設けた段部41aを、外装ケース42の底板42aの上面に係止させて、外装ケース42の外周に金属リング41を嵌合させ、液状シリコーン樹脂のような接着剤により一体に固着させる。さらに、硬化性樹脂層45及び金属リング41の段部41aの上面に液状シリコーン樹脂からなる接着剤47を介して覆板46を貼着して(同図(d))、一体に硬化させる(同図(e))。
【0039】
次に、外装ケース42の底面と覆板46の上面に金額、ロゴ、注意書等の所要の事項を印刷した例えばPET樹脂からなるシール48を貼着してこの実施例の強化非接触データキャリアが完成する。シール48に形成する表示にはリライト性を持たせることもできる。シール48は予め覆板46に貼っておいてもよく、また、シール48に十分な強度を持たせて覆板46を省略することも可能である。
【0040】
さらに、この実施例において、接着剤に代えて接着テープを用いたり、封止樹脂45の硬化前に金属リング41、覆板46を被せて封止樹脂で接着させるようにしてもよく、外装ケース42や覆板46を射出成形(又はトランスファー成形)で成形する際に、金型に設けた金額、ロゴ、注意書等を転写してシール48を省略することもできる。
【0041】
(実施例2)
この実施例の強化非接触データキャリアは、実施例1における内側に段部41aの形成された金属リング41に代えて、内側に凹溝51aが形成された金属リング51を使用し、実施例1における円形の底板42a上にこれより小径の短筒状の側縁42bを設けた外装ケース42に代えて、円形の底板52a上にこれと同径の側縁52bを設けこの側縁52bの外周に沿って凸条52cを形成した外装ケース52を使用した例であり、図5(h)は、その断面図である。
【0042】
この実施例は、外装ケース52の凸条52cに金属リング51の凹溝51aを接着剤を介して嵌合させることにより、外装ケース52と金属リング51とを一体化させた点を除いて他の構成は実施例2と同一構造である。
【0043】
なお、この実施例の構成上の他の説明は実施例1と重複するので同一構成の部分に同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0044】
この実施例の強化非接触データキャリアは、同図(a)乃至(g)に示す工程により製造される。
【0045】
まず、ポリカーボネート樹脂の射出成形により、円形の底板52a上にこれと同径の側縁52bを設け、この側縁52bの外周に凸条52cを突設するとともに、金型からの転写により底面にロゴをの表示された外装ケース52と覆板56を製造する。
【0046】
次に、2か所に切断部が設けられ内側面に外装ケース52の凸条52cと嵌合可能な凹溝51aを形成した真鍮にニッケルメッキ後クロムメッキを施した金属リング51を用意し(第5図(a))、この金属リング51の凹溝51aを接着剤を介して外装ケース52の凸条52cに嵌合させて一体化する(同図(b)。次に、外装ケース52の底板52aの内面側に半導体チップ(RAM、CPU等)43やアンテナコイル44などの内装部品を実装し(同図(c))、その上に液状シリコーン樹脂のポッティングにより硬化性樹脂層45を形成する(同図(d))。硬化性樹脂層45が硬化したところで、その上に両面接着テープ57を介して覆板56を貼着して(同図(e))、一体に固定する(同図(f))。
【0047】
次に、外装ケース52の底面と覆板56の上面にシール58を貼着してこの実施例の強化非接触データキャリアが完成する。ここで、外装ケース52は、覆板で覆い接着剤で気密に封止することが望ましい。また、外装ケース52や覆板56の材料としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が適している。
この発明によると封止樹脂が外装ケースで覆われるため機械的強度が向上し、多数の強化非接触データキャリアを取り扱う際に他の強化非接触データキャリアの金属リングで損傷を受けるようなことがなくなる。また、金属リングの内側面に凹部を形成し、この凹部に外装ケースの周縁部に設けた突出部を係止させた場合には、金属リングの内側の凹部と外装ケース周縁部の凸部を機械的に嵌め合わせることができるので、金属リングが外装ケースが脱落するような問題を完全に解消することができる。さらに、内装部品を外装ケース内に実装し、この内装部品を樹脂封止してから外装ケースと金属リングとを一体化させているので、金型を使用しないで製造することが可能であり小ロットの生産にも適用することができる。
【0048】
(実施例3)
この実施例は、金属リングと樹脂封止体とを金型を用いて一体化させた強化非接触データキャリアの例であり、図6(e)は、その断面図である。
【0049】
同図において、符号61は、1か所に切断部の設けられ内側面に段部61aが形成された鉄にチタンメッキを施した金属リングである。符号62は円形の底板62a上に同心的に短筒状の側縁62bを設けた金属リング61より高さの低い外装ケースである。この外装ケース62は、PBT樹脂(ポリエステル樹脂)の射出成形により形成されている。
【0050】
外装ケース62内には、非接触データキャリアとして機能するのに必要な半導体チップ(RAM、CPU等)43やアンテナコイル44が実装され、その上に液状シリコーン樹脂のポッティングによる第1の硬化性樹脂層45aが形成されている。この外装ケース62の外周には、金属リング61が段部61aの高さ方向の中心を外装ケース62の高さ方向の中心と一致させて同心的に、かつ間隔をおいて配置されている。そして、金属リング61と外装ケース62の間と外装ケース62の上下の金属リング61に対して凹状をなしている部分には、金属リング61と外装ケース62とが面一状態で一体化するようにエポキシ樹脂のトランスファー成形により第2の硬化性樹脂45bが充填されている。なお、金属リング61と外装ケース62の間と外装ケース62の上下の金属リング61に対して凹状をなしている部分に充填される樹脂は、外装ケース62と同じ樹脂であっても異なる樹脂であってもよい。この充填する樹脂として熱可塑性樹脂も使用可能である。
【0051】
この実施例の強化非接触データキャリアは、同図(a)乃至(d)に示す工程により製造される。
【0052】
まずPBT樹脂(ポリエステル樹脂)の射出成形により、円形の底板62a上に同心的に同径の側縁62bを設けた外装ケース62を製造する(同図(a))。次に、この外装ケース62の底板62aの内底面上に半導体チップ(RAM、CPU等)43やアンテナコイル44などの内装部品を実装し(同図(b))、その上に液状シリコーン樹脂のポッティングにより第1の硬化性樹脂層45aを形成する(同図(c))。第1の硬化性樹脂層45aが硬化したところで、外装ケース62と鉄製の金属リング61を、高さ方向の中心をほぼ一致させて、図示を省略した金型内にセットし(同図(d))、外装ケース62と金属リング61の間と外装ケース62の上下に、金属リング61と面一となるようトランスファー成形によりエポキシ樹脂を充填し硬化させて第2の硬化性樹脂層45bによりこれらを一体化してこの実施例の強化非接触データキャリアが完成する。なお、外装ケース62の両面に位置する硬化性樹脂層45bの表面には金型により表示が形成されている。
【0053】
また、第2の硬化性樹脂層45b上には必要に応じてポリカーボネート樹脂等からなるシールを張り付けてもよく、また、第2の硬化性樹脂層45bを外装ケース62と同じ合成樹脂で形成するようにしてもよい。
【0054】
(実施例4)
図7(g)は、この実施例の強化非接触データキャリアの断面図である。同図において、符号71は、2か所に切断部の設けられた鉄製の断面C型の金属リングである。金属リング71の内側に向いたC型の開口部71aの上下の端縁には、表面側に、例えば金額等の表示を刻印した塩化ビニル樹脂等の合成樹脂からなる覆板72a、72bが樹脂封止体を挟んで係合されている。下側の覆板72aの内側には非接触データキャリアとして機能するのに必要な半導体チップ(RAM、CPU等)43やアンテナコイル44が実装され、その上に液状シリコーン樹脂の注下による第1の硬化性樹脂層45aが形成されている。さらに、覆板72a、72b間には、第1の硬化樹脂層45aからC型の金属リング71の内部空間にかけてエポキシ樹脂等による第2の硬化樹脂層45bが充填・硬化されている。
【0055】
この実施例の強化非接触データキャリアは、同図(a)乃至(f)に示す工程により製造される。
【0056】
まず、片面に刻印により金額等の表示を施した円形の覆板72a(72b)を用意する(同図(a))。次に、一方の覆板72aの表示を施していない面側に半導体チップ(RAM、CPU等)43やアンテナコイル44などの内装部品を実装し(同図(b))、その上を第1の硬化性樹脂45aのポッティングにより樹脂封止する(同図(c))。第1の硬化性樹脂層45aが硬化したところで、覆板72aの周縁部にC型の金属リング71を嵌合させる(同図(d))。
【0057】
次に、予め計算された量の第2の硬化性樹脂45bを第1の硬化性樹脂層45a上に注入し(同図(2e))、この第2の硬化性樹脂45bの上に第2の覆板72bを表示面を外側にしてのせ、第2の覆板72bを押圧して第2の硬化性樹脂45bを第2の覆板72bの内面と第1の硬化性樹脂層45aの表面に沿って金属リング71の開口部71aからその内部に充填させるとともに覆板72bを金属リング71の開口部(上側端縁)に係合させる。この状態を保持したまま第2の硬化性樹脂層45bを硬化させてこの実施例の強化非接触データキャリアが完成する。
【0058】
【発明の効果】
上述したように、本発明の非接触データキャリアは、外力を受け易い外周に機械的強度の大きい金属リングが一体的に固着されているので、破損しにくくなり、また、重量が大きくなるのでプリペイドコインに見合った高級感を出すことができ、さらに装置内を自重により円滑に落下することができるので詰まりによるトラブルの発生がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する金属リングの一例の平面図。
【図2】本発明に使用する金属リングの他の例の平面図。
【図3】本発明に使用する金属リングのさらに他の例の平面図。
【図4】本発明の実施例の強化非接触データキャリアの製造工程を示す図。
【図5】本発明の実施例の強化非接触データキャリアの製造工程を示す図。
【図6】本発明の実施例の強化非接触データキャリアの製造工程を示す図。
【図7】本発明の実施例の強化非接触データキャリアの製造工程を示す図。
【符号の簡単な説明】
1、41、51、61……金属リング、2……切断部、42、52、62……外装ケース、43……半導体チップ、44……アンテナコイル、45……硬化性樹脂層、45a……第1の硬化性樹脂層、45b……第2の硬化性樹脂層、46、56、72a、72b……覆板、47……接着剤、47a……両面接着テープ、48、58……シール
Claims (6)
- 円板状の樹脂封止体内にメモリとアンテナを含む内装部品を封入し、前記アンテナを介して外部装置と非接触の送受信を行うことにより、少なくとも前記メモリに記憶されたデータを読出し可能とした非接触データキャリアにおいて、
開口部が内側を向く断面C型の金属リングを有し、前記金属リングの開口部を形成する両端面が、前記樹脂封止体の周縁部を挟持して成ることを特徴とする強化非接触データキャリア。 - 前記樹脂封止体が、前記樹脂封止体の少なくとも片面に耐摩耗性の覆板が一体的に設けられ構成されていることを特徴とする請求項1記載の強化非接触データキャリア。
- 前記金属リングが、少なくとも1個所に切断部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の強化非接触データキャリア。
- 前記金属リングの内部に樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の強化非接触データキャリア。
- ほぼ円板状の第1の覆板上に内装部品を実装する工程と、
前記第1の覆板を、開口部が内側を向く断面C型の金属リングの開口部を形成する一方の端面に係止する工程と、
前記第1の覆板上に所要量の硬化性樹脂を注下する工程と、
前記硬化性樹脂上に第2の覆板を載せ、該第2の覆板を圧下して前記硬化性樹脂を前記金属リングの開口部から前記金属リング内部に圧入させつつ前記第2の覆板を前記硬化性樹脂に密着させ、前記金属リングの開口部を形成する他方の端面に前記第2の覆板の一方の面を係止する工程と、
前記第1の覆板上に注下された硬化性樹脂を硬化させる工程と
を有することを特徴とする強化非接触データキャリアの製造方法。 - 前記第1の覆板上に内装部品を実装する工程の後で、前記第1の覆板を金属リングの開口部を形成する一方の端面に係止する工程の前に、
前記実装された内装部品上に硬化性樹脂を注下する工程と、
前記内装部品上に注下された硬化性樹脂を硬化させる工程と
をさらに有することを特徴とする請求項5記載の強化非接触データキャリアの製造方法。
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