JP3532817B2 - 海洋生物由来コラーゲンの製造方法 - Google Patents
海洋生物由来コラーゲンの製造方法Info
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Description
料にして各種の医療用生体材料・化粧品材料・食品材料
などこれらに有用な酸可溶性コラーゲンを量産するため
の製造方法に関する。
に牛や豚などほ乳類の皮膚を原料として抽出されてい
る。近年はほ乳類だけでなく、産業廃棄物であるところ
の海洋生物の皮膚からもコラーゲンを抽出製造するとい
う研究が行われている。
の皮膚が図6に示されている。図6を参照してほ乳類の
皮膚層は表皮層a・真皮層b・皮下層cからなる。この
皮膚層は表皮層aから真皮層bまでが5〜7mm程度と
かなり厚い。そのうちでコラーゲンは真皮層bに含ま
れ、色素などの不純物は表皮層aに含まれている。した
がって色素細胞dも表皮層a側にある。このようなほ乳
類皮膚にあっては、抽出工程に先行する前処理工程での
切離手段により、色素などを含む表皮層aを比較的厚い
皮膚から物理的に除去する。これは後述の海洋生物を原
料とするものと比較した場合に、色素などの混入がほと
んどないコラーゲン溶液が得られるということである。
抽出工程で得られたコラーゲン溶液は遠心分離装置にか
けられて不純物がさらに除去されたのち、滅菌ろ過工程
を経る。かくてコラーゲンが製造される。このときには
遠心分離装置として大型のものが入手できるから一度に
大量のコラーゲンを精製することができ、それがコラー
ゲンの量産化に通じる。
が研究途上にある。これについては後述の方法が小規模
に試行されている。
る鮭などについてはつぎのとおりである。皮膚層は前記
と同じ三層である。しかし皮下層cを除く表皮層aから
真皮層b間までの厚さは図7のとおり約1〜2mmと薄
く、その薄い真皮層bにコラーゲンが含まれている。し
かも真皮層bの上層部位に存在する色素細胞dなどの不
純物は、ほ乳類と比べた場合に量が多い。したがって鮭
など海洋生物の場合は、皮膚層が薄いという理由で、色
素などを含んだ部分だけを除去するのが困難になる。
製造手段では、前処理工程のときにつぎのようにする。
鮭皮については図7のウロコ(鱗)e・身・ヒレ(鰭)
などを除去する程度とする。この鮭皮を図8のように細
断したり脂質を抽出したりしてから洗浄する。こうして
得られた処理済サンプルについては、既知のとおり、有
機酸で処理してコラーゲンを抽出すると同時にペプシン
などを加えてアテロ化するか、または、図8のように抽
出処理後に遠心分離装置にかけ、それからアテロ化処理
を行うなど、何れかの方法を選択して二度目の抽出工程
を実施する。この粗コラーゲン抽出溶液中には色素など
の不純物が微粒子となって多数存在する。しかもこの微
粒子は非常に軽く、上記抽出工程での通常の遠心分離処
理で沈殿しないため十分に除去することができない。そ
の対策として、上記抽出工程で得られた粗コラーゲンを
つぎの精製工程において塩析・遠心分離・超遠心分離な
どにかける。精製工程のはじめは塩析と遠心分離とを繰
り返す。すなわち塩析で得た沈殿物を遠心分離で回収し
てペプシンの除去と不純物の除去とを行い、これに酢酸
を加えて酸可溶性コラーゲンを得る。ついでこれを超遠
心分離装置にかけてその上清を回収する。この後は図8
で最終の滅菌ろ過工程に移行する。この滅菌ろ過工程の
ときは、前工程で回収した上清濃縮液をろ過滅菌膜に通
して滅菌ろ過し、それから透過液を脱イオン水により透
析するか、または、透析を先行させてから滅菌ろ過を行
うようにし、その後、凍結乾燥することで酵素可溶性コ
ラーゲンを得る。
ンの製造方法によるときは上記のとおり、精製工程で塩
析や遠心分離を行う。しかし遠心分離を繰り返すだけの
とき、かなりの時間をかけたとしても多数存在する不純
物(軽い微粒子)が除去しきれず、その後に超遠心分離
相当(100000×G)の遠心力を与えて微粒子を沈
殿除去しなければならない。その一方で一度に大量精製
可能な超遠心分離装置がないため、一回あたり精製でき
るコラーゲンの量が400cc程度に抑えられる。もち
ろん量産規模に見合う台数を揃える場合には巨額の設備
投資が強いられる。この魚皮から色素など不純物を除去
することの困難性ゆえ、無色色素の魚皮とくにフラット
フィッシュの皮からコラーゲンの抽出を行う内容の製造
方法(特許第2722014号)が提案されたりしてい
る。
れたものであり、つぎのようなことを目的とする。 (1) 精製工程については既成工程のような遠心分離・塩
析・超遠心分離処理でなく精製ろ過処理とし、その後に
濃縮処理による濃縮工程を設定する。こうすることで超
遠心分離装置を用いることのない微粒子除去を可能にし
たり、コラーゲン濃縮と共にペプシンなどの不純物除去
を可能にしたりする。 (2) 精製工程での精製ろ過処理により、抽出工程で得ら
れる粗コラーゲン溶液からの連続的な不純物除去や必要
生産規模に応じたコラーゲン大量精製を可能にする。こ
れはコラーゲン大量精製の際の巨額の設備投資を回避す
ることに通じる。 (3) 製造日程について大幅な短縮をはかる一方、製造面
からは閉鎖的な製造ラインの採択を可能にして外部汚染
の心配をなくし衛生上安心できるようにする。かくて産
業廃棄物とされていた海洋生物の皮膚から安価なコラー
ゲンを医療関係・化粧関係・食品関係に提供できるよう
にする。 (4) 抽出工程からの粗コラーゲン溶液から不溶物を除去
するための精製工程において、精製膜の膜サイズを1.
0μm未満〜0.1μmとすることにより、コラーゲン
の回収率を低下させずに、かつ、色素の微粒子除去効率
も低下させずに、より望ましい精製効果を発揮させる。 (5) 精製ろ過工程から精製コラーゲン溶液の分子量分画
以下の不純物を除去するための濃縮工程において、濃縮
用膜の膜サイズを1000K未満〜10Kの限界ろ過膜
とすることにより、ペプシンなど不純物除去率の低下や
コラーゲン回収率の低下を回避して、より望ましい濃縮
効果をあげる。 (6) 精製膜の膜サイズを0.2μm〜0.6μmにした
り濃縮用膜の膜サイズを10K〜100Kにしたりする
ことで精製効果と濃縮効果をさらに高める。 (7) 各溶液(粗コラーゲン溶液・精製コラーゲン溶液・
濃縮コラーゲン溶液など)がそれぞれの膜(精製膜・濃
縮用膜など)に対してその流れ方向と直交するように透
過させるようにする。こうすることで不純物が膜表面に
堆積することを排除して目詰まりの生じないようにした
り、最終的に得られる酵素可溶コラーゲンの純度をより
向上させたりする。 (8) 抽出で得られた粗コラーゲン溶液から不溶物を除去
してそれを精製膜通過させるという精製ろ過で不純物を
除去しそれをアテロ化する。このように遠心分離による
ことなく精製ろ過処理することでその後の精製工程にお
ける不純物の除去をより行い易くする。
海洋生物由来コラーゲンの製造方法は所期の目的を達成
するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち
請求項1に記載の当該製造方法は、海洋生物の皮膚を脱
脂した後これを洗浄して処理済サンプルを得る前処理工
程と、この処理済サンプルに有機酸を加えてコラーゲン
を抽出するとともにこれに蛋白質分解酵素を加えてアテ
ロ化することにより粗コラーゲン溶液を抽出する抽出工
程と、この粗コラーゲン溶液から不溶物を除去したもの
を精製膜で精製するとき当該粗コラーゲン溶液がその流
れ方向と直交する方向に精製膜を透過していくようにす
る精製工程と、これにより得られた精製コラーゲン溶液
を濃縮用膜で濃縮して分子量分画以下の不純物を除去す
るとき当該精製コラーゲン溶液がその流れ方向と直交す
る方向に濃縮用膜を透過していくようにする濃縮工程
と、これにより得られた濃縮コラーゲン溶液を滅菌ガス
で加圧してろ過滅菌膜を通過させる滅菌ろ過処理または
当該濃縮コラーゲン溶液を透析する透析処理のうち何れ
かを先行させてこれらの処理を行うことにより滅菌ろ過
後サンプルを回収する滅菌ろ過工程とからなることを特
徴とする。
ーゲンの製造方法は所期の目的を達成するために下記の
課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項2に記載の
当該製造方法は、海洋生物の皮膚を脱脂した後これを洗
浄して処理済サンプルを得る前処理工程と、この処理済
サンプルに有機酸を加えてコラーゲンを抽出した粗コラ
ーゲン溶液から不溶物を除去したりそれを精製膜に通し
て精製ろ過したりさらにそれに蛋白質分解酵素を加えて
アテロ化したりする抽出工程と、これにより得られた第
1精製コラーゲン溶液を精製膜で精製するとき当該第1
精製コラーゲン溶液がその流れ方向と直交する方向に精
製膜を透過していくようにする精製工程と、これにより
得られた第2精製コラーゲン溶液を濃縮用膜で濃縮して
分子量分画以下の不純物を除去するとき第2精製コラー
ゲン溶液がその流れ方向と直交する方向に濃縮用膜を透
過していくようにする濃縮工程と、これにより得られた
濃縮コラーゲン溶液を滅菌ガスで加圧してろ過滅菌膜を
通過させる滅菌ろ過処理または当該濃縮コラーゲン溶液
を透析する透析処理のうち何れかを先行させてこれらの
処理を行うことにより滅菌ろ過後サンプルを回収する滅
菌ろ過工程とからなることを特徴とする。
ーゲンの製造方法は、請求項1または2記載の方法にお
いて、精製工程における精製膜が膜サイズ1.0μm未
満〜0.1μmのものであり、濃縮工程における濃縮用
膜が膜サイズ1000K未満〜10Kの限外ろ過膜であ
ることを特徴とする。
ーゲンの製造方法は、請求 項1〜3いずれかに記載の方
法において、精製工程における精製膜が膜サイズ0.2
μm〜0.65μmのものであり、濃縮工程における濃
縮用膜が膜サイズ10K〜100Kのものであることを
特徴とする。
ゲンの製造方法で図1・図2や図4・図5に例示された
ものは、前処理工程と抽出工程と精製工程と濃縮工程と
滅菌ろ過工程とからなる。
ものである。鮭皮など魚皮については流水中で身などの
不要部を除去して3cm角程度に細断する。このミンチ
済魚皮をたとえばクロロホルムとメタノールの混合溶液
に投入して攪拌する。さらにいえば当該溶媒を交換して
攪拌を繰り返す。その後、メタノールに置換したり脱イ
オン水に置換したりしてミンチ済魚皮を洗浄した後、さ
らに20%NaClを含んだ緩衝溶液等による洗浄や脱
イオン水による洗浄を洗浄液交換のもとで繰り返して中
性蛋白質を除去する。かくて図1に示す処理済サンプル
が得られる。
例示された製造装置の抽出タンク1a・1bに処理済サ
ンプルを投入し、これに0.5Mの酢酸と、対基質重量
の1%のペプシンまたはその他の蛋白質分解酵素とを加
え、これらを攪拌することでアテロ化を行う。このよう
に、有機酸によるコラーゲンの抽出と同時にアテロ化し
て粗コラーゲン溶液を得る場合は、抽出されるコラーゲ
ンの量が増加する利点があるものの、同時に色素等の不
純物も大量に溶液中へ混入してくることになる。
1は、ナイロンメッシュなどで不溶物を除去した後、図
2のポンプ2a・2bを稼動させることによりサンプル
タンク3に移し、それから新規な精製工程にかける。す
なわちサンプルタンク3の粗コラーゲンS1については
流速をポンプ3a・3bで制御しつつ精製膜4に通し、
この膜通過で得られる精製コラーゲン溶液S2を精製・
濃縮タンク5に移送する。図示例の場合、精製膜4によ
って通過を阻止された残留物などはサンプル循環流路6
を介してサンプタンク3に戻る。また、コラーゲンの回
収量増量をはかるため、酢酸等による溶媒をポンプ9の
作動で溶媒添加用タンク7→溶媒添加流路8→サンプル
タンク3のように流動させ、当該タンク3に添加する。
これで上記残留物などに含まれるコラーゲン分子がさら
に回収される。
製・濃縮タンク5に入った精製コラーゲン溶液S2は、
ポンプ10で流速などを制御されながら濃縮用膜11を
通過し、その後、サンプル循環流路12を経由して精製
・濃縮タンク5に戻るということで濃縮される。この際
に生じた不溶物は溶媒と共に排水流路13から廃液タン
ク14へ排出される。かかる濃縮工程によって、液量の
増えた精製コラーゲン溶液S2の濃縮と、分子量分画以
下の不純物の除去とがなされ、それで濃縮コラーゲン溶
液S3が得られる。
り、従来のそれと実質的に同じ内容である。これは図2
の精製・濃縮タンク5内にある濃縮コラーゲン溶液S3
をポンプ15の作動で精製・濃縮タンク5→濃縮サンプ
ル流路16→ろ過滅菌用タンク17のように流動させ
る。精製・濃縮タンク5内にある濃縮コラーゲン溶液S
3を全量送り出したならば、滅菌空気とか滅菌窒素ガス
とかの加圧ガス19を加圧用気体流路18からろ過滅菌
用タンク17内に送り込み、該タンク17内から流出す
る濃縮コラーゲン溶液S3をたとえば膜サイズ0.22
μmのろ過滅菌膜20に通す。この膜通過後のろ過滅菌
後サンプルS4を製品として回収するか、または、これ
を凍結乾燥機21に送って製品とする。かくて酵素可溶
コラーゲンが得られる。この間は、全工程にわたって温
度制御を行い10℃以下好ましくは4℃〜5℃程度に保
持するのがよい。これは蛋白質の変性を防止するために
行う。
製膜4の洗浄・フラッシング・初期清水透過流速の確認
を行い、フラッシング後、必要があればバッファーなど
で系内を最適化するのがよい。また、原液に対して適
宜、溶媒などを加水するのが望ましい。さらに経時的に
圧力や温度を設定したり、十分量の透過液が得られたと
きポンプ3bを停止したり、透過側系内の清澄液を極力
回収したりする。濃縮手順についても上記と同様、濃縮
用膜11の洗浄・フラッシング・初期清水透過流速の確
認・必要なバッファーなどで系内を最適化するのがよ
い。濃縮については必要に応じた濃縮倍率で行うのがよ
い。
過(MF)膜としての精製膜4や、これに続く濃縮工程
で用いられる濃縮用膜11について、膜サイズを特定範
囲内に選定するときはつぎのようになる。精製膜4の膜
サイズについては、1.0μm未満〜0.1μmとする
のが好ましい。その理由は1.0μm以上の膜サイズに
すると色素の微粒子除去が困難になり、膜サイズが0.
1μmよりも小さくなるとコラーゲンの回収率が低下す
るからである。濃縮用膜11については、分子量分画が
1000K未満〜10Kの限外ろ過(UF)膜を使用す
るのが好ましい。その理由は1000K以上の場合にコ
ラーゲンの回収が低下し、10Kよりも小さくなるとペ
プシンなど不純物の除去率が低下するからである。
て、さらに望ましい寸法範囲を選定するときはつぎのよ
うになる。精製膜については0.2μm〜0.65μm
にする。その理由は0.65μm以下とすることで色素
の微粒子除去率が低下せず、0.2μm以上とすること
でコラーゲンの回収率が低下しないからである。濃縮用
膜11については10K〜100Kの膜サイズとするこ
とでペプシンなど不純物の除去率が低下せず、コラーゲ
ンの回収率も低下しない。
用膜11としてはいずれもタンジェンシャル・フロー・
フィルトレーション(TFF)を用いる。ちなみに通常
多用される膜種ものは、図4のように膜F1と透過溶液
の流れ方向D1とが直交するため、当該流れ方向D1と
平行する方向に溶液が透過して透過側P1に流出する。
これに対し図5に示すTFFの場合は、粗コラーゲン溶
液S1や精製コラーゲン溶液S2などの透過溶液が、そ
れらの流れ方向D2と直交する方向へ精製膜4や濃縮用
膜11(一対の膜F2)を透過し、それぞれの透過側P
2・P3に流出する。したがってTFFを用いるとき
は、膜F2の膜面に対する不純物等の堆積が透過溶液の
流動によって防止され、目詰りのない透過状態を保持す
ることができる。これはすなわち、精製ろ過処理と濃縮
処理とがきわめて短期日内に処理でき、コラーゲンの回
収率と、色素の微粒子やペプシンなど不純物除去率とが
向上するということである。
とおり、抽出処理とアテロ化処理とが同時でなく各別に
実施されることがある。これについては図3に例示され
た製造装置で実施できる。図3の製造装置は、ポンプ2
2を備えた第1精製サンプル流路23を介してサンプル
タンク3と精製・濃縮タンク5とが連通されているこ
と、この点が図2のものと相違する。けれどもその他は
図2ものと実質的に同じである。したがって図3の場
合、図2と同一の部材については同一符号が付されてい
る。
ようなものである。前記と同様の前処理工程で得られた
処理済サンプルS1が抽出タンク1aにあるから、これ
に有機酸を加えてコラーゲンを押出し、粗コラーゲン溶
液S1を得る。こうして得られた粗コラーゲン溶液S1
をポンプ2aでサンプルタンク3に投入する。さらに図
2と同様、ポンプ3a・3bで流速などをコントロール
しながら精製膜4を通過させて第1精製コラーゲンS5
を精製・濃縮タンク5に流入させる。残留物についても
前記と同様、サンプル循環流路6を介してサンプルタン
ク3に帰還させる。回収量を増やすために一定量の溶媒
を溶媒添加用タンク7から溶媒添加流路8を通じてサン
プルタンク3へ加えたりする。精製・濃縮タンク5の第
1精製コラーゲン溶液S5については、ポンプ22を備
えた第1精製サンプル流路23を介してサンプルタンク
3へ戻し、ここでペプシンなどを加えることでアテロ化
処理を行う。かくてアテロ化されたものを次段の精製工
程で精製ろ過処理するが、当該実施態様では再度精製膜
4を介して繰り返しの精製を行い、これにより得られた
第2精製コラーゲン溶液S6を精製・濃縮タンク5に流
入させる。以後は濃縮工程と滅菌ろ過工程を経ることで
前記と同様に第2ろ過滅菌後サンプルS7を回収する。
膜サイズ1.0μm未満〜0.1μmに特定したり、精
製工程の精製膜や濃縮工程の濃縮用膜を膜サイズ100
0K未満〜10Kに特定したりする。こうすることでコ
ラーゲン回収量の確保と色素など不純物の除去とを両立
させる。上記膜サイズの特定値をそれぞれ0.2μm〜
0.65μm、10K〜100Kにした場合はより望ま
しい結果が得られる。
膜で通常のろ過膜を用いるが、精製工程の精製膜と濃縮
工程の濃縮用膜としてタンジェンシャル・フロー・フィ
ルトレーション(TFF)を用いることにより、不純物
除去作用の信頼性が持続する。
製造方法によるときはつぎのような効果が得られる。(1) 既存の 精製工程を廃し、精製ろ過処理による精製工
程についで濃縮工程を実施するようにしたので色素など
不純物の除去に際して高価設備が要らず、生産規模に応
じたコラーゲンの大量精製を実現することができる。こ
れは、また、コラーゲンに対する社会的な要請を充足で
きるということである。 (2) コラーゲン 製造日数を従来法に比べて大幅に短縮す
ることができる。ちなみに従来の精製工程での遠心分離
や塩析は2〜3回繰り返し実施され、これに10〜20
日を要していた。対する本発明での精製ろ過工程やこれ
に続いて実施される濃縮工程は1〜2日で終えることが
できる。 (3) 精製ろ過工程や濃縮工程については、従来の遠心分
離や超遠心分離と異なり、閉鎖的な製造ラインを採用す
ることができるので外部汚染の心配がない。したがって
衛生面からも安心してコラーゲンを製造することができ
る。 (4) 上記 両工程での精製膜や濃縮用膜について各膜サイ
ズを特定することで、それぞれコラーゲン回収率と色素
除去効率とが両立したり、望ましいコラーゲン回収率と
ペプシンなど不純物の除去率とが両立したりする。これ
ら膜サイズの範囲を限定することで効果がさらに高ま
る。 (5) 精製膜や濃縮用膜についてTFFを採用したことに
より、コラーゲンに係る最終製品の純度をより向上させ
ることができる。(6) 抽出工程での抽出とアテロ化との間で施していた遠
心分離処理を廃し、精製ろ過処理で第1精製コラーゲン
溶液を得るようにしたから、これに続く精製工程と濃縮
工程以前の当該精製ろ過処理で、コラーゲンに対する不
純物の除去が行われる。したがって精製が行いやすくな
り、純度の高いコラーゲンの製造に益することが大とな
る。
で略示した説明図
と共に略示した説明図
用説明図
れるTFF(タンジェンシャル・フロー・フィルトレー
ション)の作用説明図
した工程説明図
Claims (4)
- 【請求項1】海洋生物の皮膚を脱脂した後これを洗浄し
て処理済サンプルを得る前処理工程と、この処理済サン
プルに有機酸を加えてコラーゲンを抽出するとともにこ
れに蛋白質分解酵素を加えてアテロ化することにより粗
コラーゲン溶液を抽出する抽出工程と、この粗コラーゲ
ン溶液から不溶物を除去したものを精製膜で精製すると
き当該粗コラーゲン溶液がその流れ方向と直交する方向
に精製膜を透過していくようにする精製工程と、これに
より得られた精製コラーゲン溶液を濃縮用膜で濃縮して
分子量分画以下の不純物を除去するとき当該精製コラー
ゲン溶液がその流れ方向と直交する方向に濃縮用膜を透
過していくようにする濃縮工程と、これにより得られた
濃縮コラーゲン溶液を滅菌ガスで加圧してろ過滅菌膜を
通過させる滅菌ろ過処理または当該濃縮コラーゲン溶液
を透析する透析処理のうち何れかを先行させてこれらの
処理を行うことにより滅菌ろ過後サンプルを回収する滅
菌ろ過工程とからなることを特徴とする海洋生物由来コ
ラーゲンの製造方法。 - 【請求項2】海洋生物の皮膚を脱脂した後これを洗浄し
て処理済サンプルを得る前処理工程と、この処理済サン
プルに有機酸を加えてコラーゲンを抽出した粗コラーゲ
ン溶液から不溶物を除去したりそれを精製膜に通して精
製ろ過したりさらにそれに蛋白質分解酵素を加えてアテ
ロ化したりする抽出工程と、これにより得られた第1精
製コラーゲン溶液を精製膜で精製するとき当該第1精製
コラーゲン溶液がその流れ方向と直交する方向に精製膜
を透過していくようにする精製工程と、これにより得ら
れた第2精製コラーゲン溶液を濃縮用膜で濃縮して分子
量分画以下の不純物を除去するとき第2精製コラーゲン
溶液がその流れ方向と直交する方向に濃縮用膜を透過し
ていくようにする濃縮工程と、これにより得られた濃縮
コラーゲン溶液を滅菌ガスで加圧してろ過滅菌膜を通過
させる滅菌ろ過処理または当該濃縮コラーゲン溶液を透
析する透析処理のうち何れかを先行させてこれらの処理
を行うことにより滅菌ろ過後サンプルを回収する滅菌ろ
過工程とからなることを特徴とする海洋生物由来コラー
ゲンの製造方法。 - 【請求項3】精製工程における精製膜が膜サイズ1.0
μm未満〜0.1μmのものであり、濃縮工程における
濃縮用膜が膜サイズ1000K未満〜10Kの限外ろ過
膜である請求項1または2記載の海洋生物由来コラーゲ
ンの製造方法。 - 【請求項4】精製工程における精製膜が膜サイズ0.2
μm〜0.65μmのものであり、濃縮工程における濃
縮用膜が膜サイズ10K〜100Kのものである請求項
1〜3いずれかに記載の海洋生物由来コラーゲンの製造
方法。
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