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JP3494755B2 - フッ素樹脂フィルム及びその製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂フィルム及びその製造方法

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JP3494755B2
JP3494755B2 JP12297795A JP12297795A JP3494755B2 JP 3494755 B2 JP3494755 B2 JP 3494755B2 JP 12297795 A JP12297795 A JP 12297795A JP 12297795 A JP12297795 A JP 12297795A JP 3494755 B2 JP3494755 B2 JP 3494755B2
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和俊 杉谷
信幸 宮崎
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Asahi Glass Co Ltd
Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、殺菌、脱臭及び有機物
の分解に効果のある、光触媒作用を有する酸化チタン粒
子を表面に固定したフッ素樹脂フィルム及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、病院で問題になっている院内感染
(MRSA)を防止する目的で、壁に殺菌塗料を塗るこ
とが検討されている。しかし、この方法では薬品による
身体に対する害が懸念され、又経時的に殺菌作用が低下
していくという欠点があり、さらに数年に一度塗り替え
を行う必要がある。一方、従来より酸化チタンの光触媒
作用は広く知られており、脱臭や殺菌作用の目的でタイ
ルの表面に焼付塗装したり、有機物の分解をパーフルオ
ロ不活性液体中で行う等の特許が提出されている(特開
平6−63178、特開平6−199524)。この酸
化チタンを塗料化して壁等に塗り、上記の煙草のヤニ、
油分、手垢等の分解、脱臭及び雑菌の除去への応用が検
討されているが、以下の問題がある。従来の、酸化チタ
ンを塗料中に分散させる方法では、酸化チタンの塗料中
の体積分率が、少なくとも70体積%を越さないと酸化
チタンの表面が塗料から露出せず、光触媒作用が十分に
発揮されなかった。また、酸化チタンの塗料中の体積分
率が70体積%を越すような塗料では、光触媒作用は発
揮されるものの、塗料の粘度が著しく高く、又塗料の基
材への接着強度が極めて低く、実用に耐えうるものでは
なかった。また、これらのフィルムに酸化チタンを担持
させる方法として、酸化チタンを押出し機を用いて混合
する方法も考えられるが、酸化チタンがフィルム表面に
露出するまで添加するとフィルム成形は不可能で、フィ
ルムの成形ができるレベルの酸化チタンの添加量では酸
化チタンがフィルム表面から露出せず、光触媒作用がほ
とんど発揮されない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
有する前述の欠点を解消し、脱臭、殺菌、有機物の分解
機能を有する酸化チタン粒子が表面に露出して固定され
たフッ素樹脂フィルム及びその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、燃焼ガスを用いて加熱
した酸化チタン粒子を融点が320℃以下のフッ素樹脂
フィルム表面に吹き付けることにより、酸化チタン粒子
を固定化することができること、また酸化チタン粒子が
懸濁した懸濁液を融点が320℃以下のフッ素樹脂フィ
ルム表面に被覆した後乾燥させ、そのフッ素樹脂の融点
付近に加熱したロールで圧着することにより、酸化チタ
ン粒子を強固にフッ素樹脂フィルム表面に固定し、酸化
チタン粒子の脱落を防ぐことができることを見い出し、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、融点が320℃以下
のフッ素樹脂フィルムの表面に、光触媒作用を有する酸
化チタン粒子その各粒子の一部を露出して固定してな
ことを特徴とするフッ素樹脂フィルムを提供するもの
である。また、本発明は、燃焼ガスを用いて加熱した酸
化チタン粒子を融点が320℃以下のフッ素樹脂フィル
ムの表面に吹き付け、該フッ素樹脂フィルムの表面に該
酸化チタンの各粒子の一部を埋め込み、酸化チタンの各
粒子の一部を露出して固定することを特徴とするフッ素
樹脂フィルムの製造方法(以下溶射法という)を提供す
るものである。さらに、本発明は、分散媒に懸濁させた
酸化チタン粒子の懸濁液を、融点が320℃以下のフッ
素樹脂フィルムの表面に被覆して乾燥させ、その後該フ
ッ素樹脂の融点付近に加熱したロールで圧着し、該フッ
素樹脂フィルムの表面に該酸化チタンの各粒子の一部を
埋め込み、酸化チタンの各粒子の一部を露出して固定す
ることを特徴とするフッ素樹脂フィルムの製造方法(以
下圧着法という)を提供するものである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられるフィルムの素材は、融点が320℃以下のフ
ッ素樹脂である。このフッ素樹脂フィルムの具体例とし
ては、例えば弗化ビニル樹脂フィルム、弗化ビニリデン
樹脂フィルム、エチレン−テトラフルオロエチレン樹脂
フィルム、クロロトリフルオロエチレン樹脂フィルム、
クロロトリフルオロエチレン−エチレン樹脂フィルム、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹
脂フィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)樹脂フィルムなどが挙げら
れる。これらのフッ素樹脂フィルムのうち、特に、エチ
レン−テトラフルオロエチレン樹脂フィルム、テトラフ
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂フィル
ム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキル
ビニルエーテル)樹脂フィルムのフッ素樹脂フィルム
が、酸化チタン粒子の固定化及び酸化力への耐久性の面
で好ましい。フッ素樹脂フィルムの厚みは、特に制限な
いが、通常5〜500μmの範囲であり、好ましくは1
0〜200μmの範囲である。
【0007】本発明においては、上記フッ素樹脂フィル
ムの表面に酸化チタン粒子が固定されるが、固定される
表面は、フッ素樹脂フィルムの片面でもよいし、両面で
もよい。本発明の酸化チタン粒子を表面に固定したフッ
素樹脂フィルムを壁やその他の被着体に貼りつける場合
は、片面のみに酸化チタン粒子を固定する。上記フッ素
樹脂フイルムに固定される酸化チタン粒子としては、光
触媒作用を有するものであればよく、種々の粒径、形
状、表面積などを有する酸化チタン粒子が使用できる。
また、表面処理した酸化チタン粒子でもよい。また、酸
化チタン粒子は、他の材質の粒子の表面を酸化チタンで
被覆したものでもよい。使用される酸化チタンとして
は、ルチル型及びアナターゼ型などが採用されるが、特
にアナターゼ型が好ましい。酸化チタン粒子の粒径は、
特に制限ないが、通常一次粒子径1〜500nmの範囲
であることが望ましい。この範囲では、光触媒作用が良
好である。酸化チタン粒子の形状は、例えば針状、球
状、立方体状、直方体状、角柱状、円柱状、紡錘状、鱗
片状などのものが採用されるが、特に針状、球状、立方
体状、直方体状の形状が好ましく採用される。酸化チタ
ン粒子の表面積は、0.1〜400m2/gであること
が好ましい。
【0008】フッ素樹脂フィルムの表面に固定される酸
化チタン粒子の量は、特に制限ないが、0.1〜40g
/m2が好ましい。本発明においては、上記フッ素樹脂
フィルムの表面に酸化チタン粒子がその各粒子の一部を
露出して固定されている。酸化チタン粒子の露出の程度
は、特に制限ないが、露出した部分に触媒作用があるの
で、露出の割合は高い方が好ましい。酸化チタン粒子の
固定は、具体的には、酸化チタン粒子のフッ素樹脂フィ
ルムへの密着度がJIS−K−5400白亜化度に規定
する評価で6点以上であり、ほとんど脱落がなく強固に
固定されていることが好ましい。
【0009】次に、本発明のフッ素樹脂フィルムの製造
方法である溶射法と圧着法についてそれぞれ説明する。
本発明の溶射法において用いられる燃焼ガスとしては、
例えば都市ガス、アセチレンガス等の種々の燃料ガスが
挙げられる。溶射法においては、上記燃焼ガスを用いて
加熱した酸化チタン粒子を融点が320℃以下のフッ素
樹脂フィルムの表面に吹き付けるが、具体的には燃焼ガ
スを燃焼させた火炎中に酸化チタン粒子を気体で搬送供
給し、火炎前方に設置したフッ素樹脂フィルムの表面上
に酸化チタン粒子を吹きつける。燃焼ガスの火炎とフッ
素樹脂フィルムとの間隔は、特に制限されないが、通常
火炎の先端から20cm以下であることが好ましく、燃
焼ガスの火炎がフッ素樹脂フィルムに当たってもよい。
【0010】燃焼ガスの温度についても特に制限を受け
るものではなく、一般的に行われている1000℃〜5
000℃程度の範囲が有効であるが、余り温度が高いと
酸化チタンの表面積が低下し、光触媒活性の低下が懸念
されるので、3000℃以下に温度を抑えることが望ま
しい。フッ素樹脂フィルムの表面に吹き付けられる酸化
チタン粒子の吹付け時の速度は、特に制限されないが、
通常100〜1,000m/secの範囲であり、好ま
しくは300〜650m/secの範囲である。酸化チ
タン粒子の溶射量としては、特に制限を受けることはな
いが、0.1〜40g/m2が適当である。少なすぎる
と光触媒作用が不足し、多すぎても無駄になるだけであ
るので、用途毎に最適量を適宜選定すればよい。また、
必要に応じて酸化チタンを造粒して、流動性を向上させ
た粒子を用いることもできる。酸化チタンの粒子が吹き
付けられるフッ素樹脂フィルムの表面の温度は、通常ガ
ラス転移点からガラス転移点より50℃高い温度の範囲
が好ましい。例えば、エチレン−テトラフルオロエチレ
ン樹脂フィルムに対しては120〜170℃、テトラフ
ルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテ
ル)樹脂に対しては100〜150℃、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂フィルムに対
しては80〜130℃が好ましく採用される。
【0011】また、本発明の圧着法において使用される
分散媒としては、水、炭化水素、アルコールなどが挙げ
られるが、水が好ましい。圧着法においては、分散媒に
懸濁させた酸化チタン粒子の懸濁液を調整するが、分散
媒に懸濁させた酸化チタン粒子の濃度は、特に制限され
るものではなく、1g〜1kg/リットルの濃度が一般
的である。また、この懸濁液を作成する際、分散剤、界
面活性剤、各種表面処理剤を添加することに、何ら制限
を受けるものではない。圧着法においては、次いでこの
懸濁液を融点が320℃以下のフッ素樹脂フィルムの表
面に被覆して乾燥する。懸濁液の被覆量は、酸化チタン
粒子の量が、0.1〜40g/m2となるようにするの
が好ましい。フッ素樹脂フィルムは、懸濁液で被覆する
前にコロナ放電処理、プラズマエッチング処理、火炎処
理等の方法で、表面を親水化させることが好ましい。被
覆は、懸濁液を塗布などの方法により行うことができ
る。
【0012】乾燥は、自然乾燥でもよいし、熱風吹付け
乾燥、加熱乾燥などでもよい。乾燥されたフッ素樹脂フ
ィルムは、次にフッ素樹脂の融点付近に加熱したロール
で圧着する。ロール温度であるフッ素樹脂の融点付近と
は、通常フッ素樹脂の融点よりも150℃低い温度から
フッ素樹脂の融点の範囲であり、好ましくはフッ素樹脂
の融点よりも100℃低い温度からフッ素樹脂の融点ま
での範囲である。ロール温度の具体例としては、例えば
エチレン−テトラフルオロエチレン樹脂フィルムに対し
ては150℃〜250℃、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレン樹脂フィルムに対しては150
℃〜260℃、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)樹脂フィルムに対しては2
00℃〜310℃が適当である。ロール圧は、通常10
〜150kg/cm2が好ましい。このロールの表面に
関しては、セラミックコートやフッ素樹脂コート等を施
すことについて何ら制限はないが、粘着防止の目的でフ
ッ素樹脂コーティングされたものが望ましく、ここに用
いられるフッ素樹脂とは、ポリテトラフルオロエチレン
樹脂を主成分としたものがより好ましい。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によ
って何ら制限されるものではない。
【0014】[実施例1]一次粒子径が300nm、表
面積10m2/g、粒子形状が直方体状の光触媒作用を
有するアナターゼ型酸化チタン粒子を、アセチレン−酸
素ガスを用いた溶射法で、エチレン−テトラフルオロエ
チレン樹脂フィルム(商品名アフレックスフィルム、融
点260℃、厚み100μm、旭硝子株式会社製)の片
方の表面に吹き付けたサンプルを作成した。酸化チタン
粒子の溶射量は1g/m2程度であり、アセチレン−酸
素ガスの燃焼温度は約3000℃であり、吹付けられる
酸化チタン粒子の吹付け速度は300m/secであ
り、燃焼ガスの火炎の先端とフッ素樹脂フィルムとの間
隔は、1cmであり、酸化チタン粒子の吹付け時のフッ
素樹脂フィルムの表面の温度は、135℃であった。こ
のフッ素樹脂フィルムを用いて、アセトアルデヒドの分
解速度を測定し、その結果を表1に示した。測定は、サ
ンプルのフッ素樹脂フィルム25cm2とアセトアルデ
ヒドを容積2.8リットルのパイレックスガラス製密閉
容器中に入れ、1mW/cm2のブラックライトを当
て、残存ガス濃度をガスクロマトグラムを用いて測定し
た。このフッ素樹脂フィルム上の酸化チタン粒子の一次
粒子径は300nmであり、溶射時のエネルギーで酸化
チタン粒子の各粒子の一部がフッ素樹脂フィルム内部に
潜り込んでいる。JIS−K−5400の評点は6〜7
点であり、酸化チタン粒子の脱落がなく、十分実用可能
なフッ素樹脂フィルムが得られた。
【0015】[実施例2]実施例1と同じ条件で、酸化
チタン粒子を溶射法を用いてテトラフルオロエチレン−
パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)樹脂フィルム
(商品名アフレックスPFAフィルム、融点310℃、
厚み100μm、旭硝子株式会社製)の片方の表面に吹
き付けたサンプルを作成し、実施例1と同じ評価を行っ
た。このフィルム上の酸化チタン粒子の一次粒子径は3
00nmであり、溶射時のエネルギーで酸化チタン粒子
の各粒子の一部がフッ素樹脂フィルム内部に潜り込んで
いる。JIS−K−5400の評点は6点以上であり、
酸化チタン粒子の脱落がなく、十分実用可能なフッ素樹
脂フィルムが得られた。
【0016】[実施例3]一次粒子径が20nm、表面
積50m2/g、粒子形状が直方体状の光触媒作用を有
するアナターゼ型酸化チタン粒子を水に懸濁させた懸濁
液を調製する。酸化チタン粒子の濃度としては、水1リ
ットルに対して酸化チタン粒子を100g添加した。コ
ロナ放電処理を施したエチレン−テトラフルオロエチレ
ン樹脂フィルム(商品名アフレックスフィルム、融点2
60℃、厚み100μm、旭硝子株式会社製)の片面上
にこの懸濁液を塗布した後、110℃で乾燥させた。こ
の酸化チタン粒子が被覆されたフッ素樹脂フィルムを、
220℃に加熱したポリテトラフルオロエチレン樹脂コ
ーティングされたロールでロール圧を100kg/cm
2にして、圧着して、酸化チタン粒子をフッ素樹脂フィ
ルム上に固定化した。このようにして作成したフッ素樹
脂フィルムを用いて、実施例1と同じ評価を行った。そ
の結果を表1に示す。フッ素樹脂フィルム上の酸化チタ
ン粒子の担持量は1g/m2程度であった。なお、この
フィルム上の酸化チタンの一次粒子径は、20nmであ
り、ロールから加えられた圧力で酸化チタン粒子の各粒
子の一部がフィルム内部に潜り込んでいる。JIS−K
−5400の評点は6〜7点であり、酸化チタン粒子の
脱落がなく、十分実用可能なフッ素樹脂フィルムが得ら
れた。
【0017】[実施例4]実施例3で用いた懸濁液を、
コロナ放電処理を施されたテトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロ(アルキルビニルエーテル)樹脂フィルム
(商品名アフレックスPFAフィルム、融点310℃、
厚み100μm、旭硝子株式会社製)の片面上に塗布
し、110℃で乾燥させた。この酸化チタン粒子が被覆
されたフッ素樹脂フィルムを、280℃に加熱したポリ
テトラフルオロエチレン樹脂コーティングされたロール
で圧着して、酸化チタン粒子をフッ素樹脂フィルム上に
固定化した。このようにして作成したフィルムを用い
て、実施例1と同じ評価を行った。その結果を表1に示
した。フィルム上の酸化チタンの担持量は1g/m2
度であった。なお、このフィルム上の酸化チタンの一次
粒子径は、20nmであり、ロールから加えられた圧力
で酸化チタン粒子の各粒子の一部がフィルム内部に潜り
込んでいる。JIS−K−5400の評点は6〜7点で
あり、酸化チタン粒子の脱落がなく、十分実用可能なフ
ッ素樹脂フィルムが得られた。
【0018】[実施例5]実施例4で製造したフッ素樹
脂フィルム上に大腸菌を乗せ、20Wの蛍光灯から30
cm離れた場所に設置した。一時間後に残存している大
腸菌の数を測ってみたところ、大腸菌は全滅していた。
ガラス板上に同様に処置した大腸菌の数は、全く変化が
なかった。
【0019】[比較例1]実施例1で用いた酸化チタン
粒子を、エチレン−テトラフルオロエチレン樹脂100
部に対して20部添加して、押出し機を用いて厚さが1
00μのフッ素樹脂フィルムを作成し、実施例1と同じ
評価を行った。このフィルムに紫外線を当てても、酸化
チタンがフィルム表面にほとんど露出しておらず、光触
媒作用は発揮されなかった。
【0020】[比較例2]フッ素樹脂系塗料(商品名ル
ミフロンLF−200、旭硝子株式会社製)に、実施例
1で用いた酸化チタン粒子を、固形分で70体積%添加
した塗料を作成した。この塗料をガラス板に塗布した後
乾燥しサンプルとし、実施例1と同じ評価を行った。こ
の塗料は良好な光触媒活性を有しているが、JIS−K
−5400の評点は1〜2点であり、実用的なフッ素樹
脂フィルムは得られなかった。このフィルム上の酸化チ
タンの一次粒子径は20nmであり、表面に露出してい
る酸化チタン粒子の量は、顕微鏡観察の結果、約3g/
2であった。酸化チタン粒子を使用しても、従来の塗
料による被覆では添加した酸化チタン粒子のうち、実際
に光触媒作用に寄与する割合は極めて低かったが、本発
明では酸化チタン粒子が殆ど表面に露出しており、利用
効率が高くコストダウンにも結び付く。実施例で成形し
たフッ素樹脂フィルムは良好な光触媒作用を示し、酸化
チタン粒子のフッ素樹脂フィルムへの密着度もJIS−
K−5400の白亜化度評価で6点以上を有している。
このことにより、酸化チタンの光触媒作用を使った種々
の用途に適用できる。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明の、表面に酸化チタン粒子を露出
させているフッ素樹脂フィルムを用いると、蛍光灯から
発せられる程度の紫外線があれば、脱臭、殺菌効果に加
えて、手垢や煙草のヤニの汚れも手を煩わせることなく
分解除去ができ、省力化効果も期待できる画期的な汚れ
除去方法を提供することができる。本発明のフッ素樹脂
フィルムは鉄、アルミニウム、塩化ビニル樹脂等との接
着が可能であり、種々の用途に適用できる。また、本発
明のフッ素樹脂フィルムは、紫外線量が0.01mW/
cm2以上、具体的には20Wの蛍光灯から30cm離
れた位置においても、十分にその機能を発揮することが
でき、省エネルギーの面からも極めて有用である。さら
に、本発明の製造方法によれば、耐久性が優れた本発明
のフッ素樹脂フィルムの提供が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 3/14 B32B 3/14 7/02 105 7/02 105 27/30 27/30 D (72)発明者 宮崎 信幸 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平9−76395(JP,A) 特開 平5−253544(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B05D 1/00 - 7/26

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融点が320℃以下のフッ素樹脂フィルム
    の表面に、光触媒作用を有する酸化チタン粒子その各
    粒子の一部を露出して固定してなることを特徴とするフ
    ッ素樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】フッ素樹脂が、エチレン−テトラフルオロ
    エチレン樹脂である請求項1記載のフッ素樹脂フィル
    ム。
  3. 【請求項3】フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン−
    パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)樹脂である請
    求項1記載のフッ素樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン−
    ヘキサフルオロプロピレン樹脂である請求項1記載のフ
    ッ素樹脂フィルム。
  5. 【請求項5】酸化チタン粒子の一次粒子径が1〜500
    nmである、請求項1、2、3又は4のいずれかに記載
    のフッ素樹脂フィルム。
  6. 【請求項6】フッ素樹脂フィルムの表面に酸化チタン粒
    子が0.1〜40g/mの割合で固定されている、請
    求項1、2、3、4又は5のいずれかに記載のフッ素樹
    脂フィルム。
  7. 【請求項7】燃焼ガスを用いて加熱した酸化チタン粒子
    を融点320℃以下のフッ素樹脂フィルムの表面に吹き
    付け、該フッ素樹脂フィルムの表面に該酸化チタンの各
    粒子の一部を埋め込み、酸化チタンの各粒子の一部を露
    出して固定することを特徴とするフッ素樹脂フィルムの
    製造方法。
  8. 【請求項8】分散媒に懸濁させた酸化チタン粒子の懸濁
    液を、融点320℃以下のフッ素樹脂フィルムの表面に
    被覆して乾燥させ、その後該フッ素樹脂の融点付近に加
    熱したロールで圧着し、該フッ素樹脂フィルムの表面に
    該酸化チタンの各粒子の一部を埋め込み、酸化チタンの
    各粒子の一部を露出して固定することを特徴とするフッ
    素樹脂フィルムの製造方法。
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