JP3492775B2 - 防眩シート - Google Patents
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Description
D等の表示装置表面に用いる防眩シートに関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】従来、LCD、CRT、LED等の表示
装置においては、外光が表示画面上で反射することによ
り生じる眩しさや、反射像の映り込みにより、映像が見
にくくなるという問題があった。このような問題を解決
するために、種々の防眩フィルムが提案されている。例
えば、紫外線硬化性樹脂にシリカ微粒子を分散させて基
材フィルムに塗布する方法がある。この場合反射像の映
り込みを実質上なくするためには、多量のシリカを被膜
中に含有させる必要があり、均一な分散は困難となり、
防眩フィルム面における均一な反射防止効果は得られな
い等の問題があった。また、シリカの微粒子による光の
反射、吸収により、透過光量が減少して画面が暗くな
り、又、透過光の散乱のため、画像の鮮明性が低下する
等の問題もあった。 【0003】 特開昭64ー46701号公報、特開昭
60ー68943号公報には、艶消し剤粒子を分散させ
ず、透明フィルム表面に微細な凹凸形状を形成した防眩
シートが開示されている。実開平5ー73602号公
報、特公平4ー65095号公報には、透明フィルムの
表面にマット剤をコーティングした防眩シートが開示さ
れている。実開昭63ー89097号公報には、透明フ
ィルム内に光反射層又は光吸収層をルーバー状に設けた
防眩シートが開示されている。特公平2ー28843号
公報には、反射光を視野外に出すために、透明フィルム
表面にプリズム状の凹凸形状を多数その稜線を平行にし
て配列して形成した防眩シート、又は前記プリズム状の
凹凸形状を形成した面の垂直面に光吸収層(着色層)を
設けた防眩シートが開示されている。特開昭62ー20
1401号公報には、透明フィルム表面にプリズム状の
凹凸形状を多数その稜線を平行にして配列して形成し、
そのプリズム形状の片面に光等方拡散性の艶消し微細凹
凸を形成し、眩光を拡散させて視野から逸脱させた防眩
シートが開示されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭60ー
68943号公報に開示の防眩シートは、賦型フィルム
にポリエチレンテレフタレートフィルムに酸化アルミニ
ウム粉末を吹きつけたものを使用するため、表面粗さが
粗く、ヘイズ(曇価)が高くなり、ディスプレーの表面
に適した光学特性は得られないという問題があった。ま
た、特開昭64ー46701号公報に開示の防眩フィル
ターは、リソグラフィ法により、ガラス板表面に凹凸形
状を設けた後、その面をシリコンゴムで型取りしたもの
を賦型フィルムとして使用するため、連続性及び安定性
がなく、光学特性上ディスプレーの表面に使用するには
問題があった。また、実開昭63ー89097号公報の
ような微小ルーバー方式は、表示装置の出力光の一部も
ルーバーで吸収されてしまうため、画像が暗くなる欠点
があった。又、特公平2ー28843号公報、特開昭6
2ー201401号公報に記載されているプリズム状防
眩シートの場合、プリズム斜面の光吸収層、光等方拡散
性層で表示装置の出力光も吸収されるため、画像がやは
り暗くなってしまう。また、光吸収層や光等方拡散性層
を設けないと、表示装置の出力光がプリズム斜面で多重
反射するため、画像にゴーストが発生する問題があっ
た。 【0005】本発明は、これらの問題を解決するため、
透明シートの片面に、三角柱プリズムを稜線が平行にな
るように隣接して並列したような形状の凹凸を形成し、
且つ該三角柱プリズムの片面に微細な平行線条群の凹凸
を形成することにより、液晶表示等に使用する防眩シー
トとして、明るい画像が得られ且つ防眩効果の高い耐擦
傷性、耐薬品性に優れた防眩シートを提供することを目
的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】透明基材シートの一方の
面に、微細な万線状の平行線条群の凹凸形状を形成した
防眩シートにおいて、該平行線条群の凹凸形状が、左右
非対称の三角柱単位プリズムを、稜線が平行になるよう
に隣接して並列した形状であり、その三角柱プリズムか
らなる平行線条群の主切断面が鋸刃形状であり、該三角
柱プリズムの透明基材となす角が大きい方の斜面が、稜
線方向と平行な線条群で光拡散・透過性のある微細な凹
凸形状を有し、もう一方の斜面は平滑であることを特徴
とする防眩シートとした。 【0007】 【作用】本発明の防眩シートを液晶表示装置等のディス
プレーの前面に使用した場合、表示面の背面側からの照
射光の中で、プリズム内部反射のため、多重像となる光
や外部からの入射光の反射光で眩光となる光を視野外へ
拡散し、更に、拡散・透過した光線の一部を背面照射光
として再利用できるので、従来の防眩シートに比べ、同
じ外光照度、背面光源輝度の条件ではより明るくコント
ラストのよい画像が得られる。 【0008】 【実施例】以下、実施例に基づいて、図面を参照にして
本発明を詳しく説明する。図1は本発明の防眩シートの
斜視図である。図2はその防眩シートを液晶表示装置等
に使用したときの拡大模式図である。図3は三角柱プリ
ズムの拡大断面図であり、図4は三角柱プリズムのマッ
ト面の拡大図であり、図5は本発明防眩シートの三角柱
プリズムの稜線方向と直交する主切断面形状を示した図
である。図6は本発明の防眩シートをディスプレー装置
に使用したときの外部光の反射状態を示した図であり、
図7は本発明の防眩シートをディスプレー装置に使用し
たとき、背面からの出力光の反射及び透過を示した図で
あり、図8は従来の防眩シートをディスプレーに使用し
たときの背面出力光の透過及び反射を示した図である。
図9は本発明の防眩シートにより外部光の一部及び背面
出力光の一部が背面光として再利用される場合の説明図
である。図10は本発明の防眩シートを作る場合の製造
装置の概略断面図である。図11は防眩シートの製造に
使用するロール凹版の拡大断面図である。 【0009】以下に、本発明の防眩シートの構成及びそ
の機能について説明する。本発明の防眩シートは図1に
示すように、ポリエチレンテレフタレート(以下PET
とする)フィルム等の透明基材フィルム11の上に、紫
外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等透明材料よりなる
三角柱単位プリズム12を稜線が平行になるように隣接
して並列した形状の平行線条群からなる凹凸形状を形成
する。そして、三角柱プリズム12の形状は、その主切
断面形状は不等辺三角形であり、該三角形の基材フィル
ム11となす角が大きい方(α)の面13には、微細な
平行線条群からなる凹凸形状が形成されており、もう一
方の面14は平滑となっていることが特徴である。以上
のような構成にした防眩シートを液晶表示装置等の前面
に使用した場合、表示装置の背面からの照射光や外部光
の反射光等は、防眩シートによって、視線方向以外の光
線は視野外へ拡散されるので、表示物の視認性を高める
ことができる。 【0010】本発明の防眩シートを液晶表示装置等のデ
ィスプレーの前面に使用した場合、図6に示したよう
に、外部からの入射光L1 は三角柱プリズムの平坦面1
4に反射されて観察者Mの視野外に消える。また、外部
からの入射光L2 は三角柱プリズムの平滑面14に反射
した後、更に三角柱プリズムのマット面13に反射され
て拡散光となり、眩光として観察者の視野に入ることは
ない。尚、図6では、平滑面14が下側に向くように設
置されているが、平滑面14を上向きに設置しても同様
な作用、効果を奏する。 【0011】ディスプレーからの出力光は、従来の防眩
シート(例えば三角柱プリズムの両面が平坦面もの)を
使用した場合、図8に示したように、背面からの出力光
L3の一部は三角プリズムを通って正常像L4 として観
察者の視野に入るが、出力光L3 の一部はプリズム面で
反射し、更にL3aのように反射して多重像L4a となる
ものがある。しかし、本発明の防眩シートを使用すれ
ば、図7に示すように、出力光L3 は、一部は正常像と
して観察者の視野に入り、一方プリズムの平滑面14で
反射した光L3aは次にプリズムのマット面13で散乱光
L5 となるので、二重像を防止することができる。 【0012】また、図9に示すように、外部からの入射
光L1 及び背面からの出力光L3 がプリズムのマット面
で反射して散乱となった光線の一部L1b、L3bは、プリ
ズム及び透明基材を透過してディスプレー面まで到達
し、そこで更に反射されて背面照射光として再利用され
ることになる。従って、従来品に比較してより明るい画
像を得ることができる。以上説明したように、本発明の
防眩シートの使用により、明るく且つコントラストのよ
い画像を得ることができる。 【0013】更に、本発明の防眩シートの構成について
詳細に説明する。基材フィルム11に形成する電離放射
線硬化性樹脂等透明材料よりなる三角柱のプリズム12
は以下のような構造となっている。三角柱プリズムの断
面形状は図3に示すように、不等辺三角形となってお
り、底辺(基材フィルムに接する面)となす角αとβは
異なる角度(α>β)を有し、底辺となす角度が大きい
方(α)の面13は、微細な平行線条群からなる凹凸形
状が形成されて光拡散性のマット面となっており、もう
一方の面14は平坦な面となっている。 【0014】三角柱プリズムの断面形状は図3に示すよ
うに、底辺となす角度が大きい方(α)の辺は、凸部の
幅d1 、凹部の幅d2 、凹部の深さd3 の凹凸形状とな
っている。そして、底辺となす角がαの面13は、図4
に示すように、溝状の平行線条群からなる凹凸形状を有
する。三角柱プリズムの断面形状の不等辺三角形は、通
常、α=90〜60°、β=30〜45°であり、底辺
15(透明基材フィルムに接する面)は20〜200μ
m程度である。また、図3に示すように、凸部の幅
d1 、凹部の幅d2 、凹部の深さd3 は各々1〜20μ
mで、各々異なる大きさにしてもよいし、同じ大きさで
もよい。d1 、d2 、d3 は底辺15の長さの1/10
以下程度が好ましく、光の回折による分光、着色を防ぐ
ため、使用光の波長以上にすることがよい。 【0015】本発明の防眩シートは、図1に示すよう
に、透明フィルム基材11の上に、前記三角柱プリズム
12を稜線が平行になるように隣接して並列した形状を
形成して作製する。そして、その防眩シートの三角柱プ
リズムの稜線方向と直交する主切断面の断面形状は、三
角波又は鋸刃状波となっている。また、本発明の防眩シ
ートは図1のように、層11と層12の2層からなる構
成の他、三角柱プリズムの層12のみからなる単層構成
のものであってもよい。以上のようにして作製した防眩
シートは、図2に示すように、液晶表示装置等のディス
プレーの前面に使用される場合、防眩シートにおける三
角柱プリズムの光拡散のマット面13は、上向きで使用
する場合と下向きに使用する場合とがある。 【0016】上記防眩シートに使用される基材シート1
1は、透明な熱可塑性樹脂を使用する。特に、図10の
ように、電離放射線硬化性樹脂を用いて三角柱プリズム
層を形成する場合は、透明で電離放射線を透過するもの
を使用する。電離放射線として高圧水銀灯等の紫外線が
よく使用されるので、通常、基材フィルムとして透明な
PETフィルムが多く用いられる。その他にも、ナイロ
ン等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸
メチル等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチ
レン、ポリアリレート、フッ素系樹脂、ポリプロピレ
ン、三酢酸セルロース、セロハン、又は後述する電離放
射線硬化性樹脂、ガラス等のセラミックス、或いはこれ
らの積層体が使用できる。前記基材シートにはシリカ等
の光拡散剤の含まないものが使用される。厚みは10〜
200μmのものが使用できるが、作業性、コスト等の
点を考慮すると厚みは25〜100μm程度が望まし
い。また、該基材シート11がなくとも防眩シートの強
度が十分で、三角柱プリズムの形成に支障がなければ、
該基材シートを省略してもよい。 【0017】基材シートの上に三角柱プリズムの平行線
条群の凹凸形状を形成するには、アクリル、ポリカーボ
ネート、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、或いは電離放
射線硬化性樹脂が使用される。この目的に使用される電
離放射線硬化性樹脂としては、通常、紫外線硬化性樹脂
や電子線硬化性樹脂が使用されるが、具体的には以下に
示すとおりである。電離放射線硬化性樹脂としては、分
子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイル
オキシ基((メタ)アクリロイルとは、アクリロイル又
はメタアクリロイルの意味で用い、以下(メタ)は同様
の意味とする)等の重合性不飽和結合、又はエポキシ基
を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又は単量体
を適宜混合した組成物が用いられる。これらのプレポリ
マー、オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレ
ート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ
(メタ)アクリレート等のアクリレート、シロキサン等
の珪素樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ等が挙げら
れる。 【0018】単量体の例としては、スチレン、αーメチ
ルスチレン等のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸ー2ーエチルヘキシル、ジ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及び
/又は、分子中に2個以上のチオール基を有するポリオ
ール化合物、例えば、トリメチロールプロパントリチオ
グリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピ
レート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等
がある。以上の化合物を必要に応じ、1種もしくは2種
以上混合して用いるが、樹脂組成物に通常の塗工適性を
付与するために、前記プレポリマー又はオリゴマーを5
重量%以上、前記単量体及び/又はポリチオールを95
重量%以下とすることが好ましい。 【0019】単量体の選定に際して、硬化物の可撓性が
要求される場合は、塗工適性上支障のない範囲で、単量
体の量を少なめにしたり、1官能又は2官能アクリレー
ト単量体を用い比較的低架橋密度の構造とする。また、
硬化物の耐熱性、硬度、耐溶剤性等を要求される場合に
は、塗工適性上支障のない範囲で単量体の量を多めにし
たり、3官能以上のアクリレート系単量体を用い高架橋
密度の構造とするのが好ましい。1、2官能単量体と3
官能以上の単量体を混合し、塗工適性と硬化物の物性と
を調整することもできる。 【0020】以上のような1官能アクリレート系単量体
としては、2ーヒドロキシアクリレート、2ーヘキシル
アクリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙げ
られる。2官能アクリレート系単量体としては、エチレ
ングリコールジアクリレート、1,6ーヘキサンジオー
ルジアクリレート等、3官能以上のアクリレート系単量
体としては、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。 【0021】また、硬化物の可撓性、表面硬度等の物性
を調整するために、前記プレポリマー、オリゴマー、単
量体の少なくとも1種に対して、以下のような電離放射
線非硬化性樹脂を1〜70重量%、好ましくは5〜50
重量%混合して用いることができる。電離放射線非硬化
性樹脂としては、ウレタン系、繊維素系、ポリエステル
系、アクリル系、ブチラール系、ポリ塩化ビニル、ポリ
酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂を用いることができ、特に
可撓性の点から繊維素系、ウレタン系、ブチラール系が
好ましい。 【0022】電離放射線硬化性樹脂を紫外線で硬化させ
る場合は、透明な樹脂を使用する必要がある。また、前
記電離放射線硬化性樹脂組成物に光重合開始剤として、
アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾ
イルベンゾエート、αーアミロキシムエステル、テトラ
メチルメウラムモノサルファイド、チオキサントン類、
及び/又は光増感剤として、nーブチルアミン、トリエ
チルアミン、トリーnーブチルホスフィン等を混合して
用いることもできる。 【0023】本発明においては、電離放射線硬化性樹脂
を含む樹脂組成物により、透明基材上に形成された三角
柱プリズム状の凹凸形状を完全に硬化させる方法とし
て、電離放射線を使用する。電離放射線とは、電磁波又
は荷電粒子線のうち分子を重合、架橋し得るエネルギー
量子を有するものを意味し、通常、紫外線、電子線が用
いられるが、可視光線、γ線、X線も使用可能である。 【0024】電離放射線照射装置としては、通常、紫外
線照射装置や電子線照射装置が使用される。例えば、
紫外線照射装置としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、
低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライト、メタル
ハライドランプ等の光源が使用される。電子線源として
は、コックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧
器型、絶縁コア変圧器型或いは直線型、ダイナミトロン
型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100〜1
000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネ
ルギーを持つ電子を照射する。照射線量としては、通
常、5〜300KGy(キログレイ)程度である。 【0025】前記電離放射線硬化性樹脂を使用して、基
材シートの上に上記三角柱プリズムの平行線条群の凹凸
形状を形成するには、三角柱プリズム形状を有する金型
を使用し、射出成形法や熱プレス法等によって作製する
ことができる。しかし、最も効率よく品質的にも優れた
防眩シートを得るには、ロール凹版を使用して、電離放
射線硬化性樹脂を凹版の凹部に充填し、その上に基材シ
ートを接触させ、基材シートの上から電離放射線を照射
して電離放射線硬化性樹脂を硬化させると同時に基材シ
ートに接着させて連続的に凹凸形状を形成させる輪転式
キャスティング法が推奨される。 【0026】次に、輪転式キャスティング法によって、
基材シート上に上記三角柱プリズムの平行線条群の凹凸
形状を形成する一例を示す。先ず、ロール凹版は、内部
を中空にした鉄材の表面に銅メッキを施し、この表面
を、コンピュータ制御の高精度旋盤・フライス盤等によ
って、計算式に従って切削角・深さを変化させながら切
削加工を行って所定の形状を形成し、これにクロムメッ
キ等を施して作製する。 【0027】本発明の防眩シートは、前記ロール凹版を
用いて以下のようにして作製される。図10に示すよう
に、インキパン24に入れられた硬化前の電離放射線硬
化性樹脂23はコーティングロール25によって、ロー
ル凹版21の凹部22に充填される。巻取(図示せず)
から繰り出した基材シート11は、押し圧ロール26に
よって、硬化前の電離放射線硬化性樹脂23が充填され
たロール凹版21に押しつけられてロール凹版21に密
着する。基材シート11がロール凹版21に密着した状
態で、基材シート11の上から電離放射線照射装置27
を使用して電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹
脂23を硬化させると同時に基材シート11に硬化樹脂
を接着させる。電離放射線硬化性樹脂が硬化後に、剥離
ロール28を利用してロール凹版21から電離放射線硬
化性樹脂層29を剥離して、基材シート11に所定の三
角柱プリズム形状を有する電離放射線硬化性樹脂29を
形成して防眩シート1を作製する。以上の方法は、凹版
の中で電離放射線硬化型性脂が硬化して所定の形状にな
るので、版の形状が忠実に再現できる。更に、電離放射
線硬化性樹脂が硬化と同時に基材シートに強固に接着す
るので、ロール凹版から剥離したとき、凹版に形成され
た所定の形状は、そのまま基材シートに移り、基材シー
トに版の形状を忠実に再現した凹凸形状を形成すること
ができる。 【0028】以下に、具体的な実施例について述べる。 (実施例1)基材シート11として厚さ50μmの二軸
延伸PETフィルムの片面に、下記のロール凹版を用い
て、図10に示す方法にて、紫外線硬化性樹脂の三角柱
プリズム形状を形成した。ロール凹版の三角柱プリズム
の形状は下記のとおりとした。図11(a)に示すよう
に、三角柱プリズムのピッチ(w)は100μm、版の
深さ(h)58μm、版面となす角の大きい方(α)を
90°、小さい方(β)を30°、頂角(θ)を60°
とした。更に、三角柱プリズムのα角の面13には、溝
状の平行線条群を形成し、その溝の形状は、図11
(b)に示したように、凸部の幅(d1 )、凹部の幅(
d2 )、深さ(d3 )は同じ大きさの5μmとした。ロ
ール凹版は、彫刻法にて上記形状を作製した母型より、
電鋳法で銅製の凹版を作製し、更に凹版の版面にクロム
メッキを施して作製した。 【0029】紫外線硬化性樹脂としてウレタンアクリレ
ート系プレポリマーを主体とした紫外線硬化性樹脂(2
5℃における粘度:3000cps)を使用した。ま
た、160Wの高圧水銀灯2灯で、搬送速度20m/m
in.の条件で、基材シートの上から照射して樹脂の硬
化を行った。 【0030】 以上のようにして作製した防眩シート
を、背面光源付きLCDの表面に、図2のように使用し
た場合、防眩シートの外部から入射した眩光は三角プリ
ズムの平滑斜面で反射して視野外に去り、或いは三角柱
プリズムのマット面の斜面で散乱して消失してしまう。
また、透過像の三角柱プリズムの斜面の反射で生じた多
重像となる光線はマット面で散乱して消失してしまう。
その結果、本発明の防眩シートにより、外部からの反射
眩光を除去し、透過画像が鮮明で且つ多重像が生じない
ディスプレーが得られた。更に、三角柱プリズムのマッ
ト面で拡散した光線の一部は図9のように、再び背面光
源と一緒になって再利用されるので、従来技術(等方的
微凹凸粗面)の場合より、画面は明るく、コントラスト
のよい画像を得ることができた。 【0031】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の防眩シー
トを液晶表示装置等のディスプレー前面に使用すれば、
外光による反射眩光は観察者の視野外に除去され、透過
画像が鮮明で且つ透過画像の多重像を防止するこができ
る。また、透過型表示素子に使用した場合、三角柱プリ
ズムのマット面で反射した光線が、背面光源として再利
用されるので、明るく且つコントラストのよい画像が得
られる。
した図。 【図2】本発明の防眩シートをディスプレーの前面に使
用したときの斜視図。 【図3】防眩シートの表面を形成する三角柱プリズムの
拡大断面図。 【図4】三角柱プリズムの斜視図でマット面を拡大した
図。 【図5】本発明の防眩シートの三角柱プリズムの主切断
面図。 【図6】本発明の防眩シートをディスプレー装置に使用
したとき、三角柱プリズム面における外部光の反射状態
を示した図。 【図7】本発明の防眩シート面における背面出力光の透
過光及び反射光を示した図。 【図8】従来の防眩シート面における背面出力光の透過
光及び反射光を示した図。 【図9】本発明の防眩シートにより外部光及び背面出力
光が背面出照射として再利用される状態を示した図。 【図10】本発明の防眩シートを製造する際の装置の模
式断面図。 【図11】(a) ロール凹版の拡大断面図。 (b) (a)図の凹版形状の拡大図。 【符号の説明】 1 防眩シート 11 透明基材シート 12 三角柱プリズム 13 三角柱プリズムのマット面 14 三角柱プリズムの平滑面 15 三角柱プリズムの透明基材シートとの接触面 16 ディスプレー 21 ロール凹版 22 ロール凹版の凹部 23 硬化前の電離放射線硬化性樹脂 24 インキパン 25 コーティングロール 26 押し圧ロール 27 電離放射線照射装置 28 剥離ロール 29 硬化した電離放射線硬化性樹脂 α 三角柱プリズムの透明基材シート面となす角 β 三角柱プリズムの透明基材シート面となす角 θ 三角柱プリズムの頂角 d1 三角柱プリズムのマット面における凹凸の凸部の
幅 d2 三角柱プリズムのマット面における凹凸の凹部の
幅 d3 三角柱プリズムのマット面における凹凸の凹部の
深さ M 観察者 L1 、L2 入射光 L1b 外部光が背面出力光として再利用される光 L3 背面からの出力光 L3a 背面出力光のプリズム面の反射光 L3b 背面出力光が再度背面照射光として再利用される
光 L4 背面出力光のプリズム面からの透過光(正常像) L4a 背面出力光がプリズム面で反射してからの透過光
(多重像) L5 三角柱プリズムのマット面における散乱光 w 凹版凹部のピッチ h 凹版凹部の深さ x、y、z 座標軸
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 透明基材シートの一方の面に、微細な万
線状の平行線条群の凹凸形状を形成した防眩シートにお
いて、該平行線条群の凹凸形状が、左右非対称の三角柱
単位プリズムを、稜線が平行になるように隣接して並列
した形状であり、その三角柱プリズムからなる平行線条
群の主切断面が鋸刃形状であり、該三角柱プリズムの透
明基材となす角が大きい方の斜面が、稜線方向と平行な
線条群で光拡散・透過性のある微細な凹凸形状を有し、
もう一方の斜面は平滑であることを特徴とする防眩シー
ト。
Priority Applications (1)
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