JP4191498B2 - 光学素子、その製造方法及び液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、横方向の入射光を効率よく縦方向に光路変換して散乱光を生じにくく、非発光型表示装置の形成に好適な光学素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】
液晶表示装置やエレクトロクロミックディスプレイなどの非発光型表示装置では、表示目的達成のために面発光可能な照明機構が設けられる。従来、その照明機構としては、白色の散乱ドットを印刷してなる光出射手段を有するサイドライト型導光板が知られていた。しかしながら側面入射光の光散乱効率に乏しくて表示が暗いこと、液晶表示パネルの視認側表面に配置してフロントライト式の反射型液晶表示装置とした場合に、白色の散乱ドットにて表示像が散乱されて視認不能となる問題点があった。
【0003】
前記に鑑みてストライプ状のプリズム構造からなる光出射手段を有するサイドライト型導光板も提案されている(特開平11−250715号公報)。しかしながらストライプ状のプリズム構造が液晶表示パネルの画素と干渉してモアレが発生し表示品位が低下しやすいこと、導光板の傷等の欠陥が目立ちやすいこと、導光板の厚さを薄くするとプリズムの間隔が広くなって粗い筋状の発光となり明暗のムラが大きくなることなどの難点があった。
【0004】
【発明の技術的課題】
前記に鑑みて本発明者等は、断面が三角形や四角形で光路変換斜面を具備する微小サイズの凹部(溝)の多数を分散分布させてなる光出射手段による方式に想到した。これによれば、前記したモアレ問題や欠陥による視認阻害問題、明暗ムラ問題などを容易に克服しうる。また凹部であることより凸部とした場合の摩擦等による損傷で光出射機能が損なわれる問題も克服しうる。さらに光路変換斜面を介した反射による出射光の形成で正面指向性を向上でき、断面が蒲鉾型の凹部とした場合の反射光の散乱で出射光が正面指向性に乏しい問題も克服しうる。
【0005】
しかしながら前記した断面が三角形や四角形の凹部からなる光出射手段にあっては、光路変換斜面とその対向面との間に形成される凹部側面に入射した光が反射される際に左右方向に散乱されやすく、それによる導光板内部の伝送光の散乱で出射光の正面指向性が低下してフロントライト方式とした場合に正面での表示輝度が低下する不都合や、散乱出射光の増大、導光板背面からの出射光の増大で表示が白ボケする問題点があった。
【0006】
前記に鑑みて本発明は、凹部側面による伝送光の散乱を防止し、横方向の入射光を縦方向に効率よく光路変換して出射光の正面指向性に優れ、散乱光やモアレの生じにくい光出射手段を有する光学素子の開発を課題とする。
【0007】
【課題の解決手段】
本発明は、透明基材の片面に複数の凹部が不連続に分布してなる光出射手段を有してなり、前記凹部が光路変換斜面とその対向面を具備すると共に、前記凹部の透明基材表面での開口における光路変換斜面形成辺の長さが凹部の深さの3倍以上であり、かつ前記光路変換斜面の垂直面に対する投影面積が対向面のそれよりも大きいことを特徴とする光学素子、及びその光学素子を液晶表示パネルにおける液晶セルの少なくとも片側に配置してなることを特徴とする液晶表示装置を提供するものである。
【0008】
また本発明は、透明基材からなる被照射膜にレーザー光を照射して被照射膜を部分的に除去するレーザーエッチングにて凹部を形成する操作を繰り返して光出射手段を形成することを特徴とする前記光学素子の製造方法、及びその光学素子の光出射手段を形成した面上に電気鋳造により金属層を形成し、それを光学素子と分離して光出射手段を形成した面の形態を転写した金型を得る工程、その金型における光出射手段を形成しうる凸部を有する面の形態を透明基材に転写した後、それを金型より分離する工程を有することを特徴とする前記光学素子の製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、凹部の深さを当該光路変換斜面形成辺の長さの1/3以下としたことで光路変換斜面と対向面との間に形成される凹部側面の面積割合を小さくできると共に、光路変換斜面がその大きさに基づいく影効果で凹部側面や対向面に光源からの横方向の伝送光が入射することを抑制し、伝送光が凹部側面に入射して散乱されることを抑制できて、横方向の入射光を縦方向に効率よく光路変換して出射光の正面指向性に優れ、散乱光とモアレの生じにくい光出射手段を有する光学素子を得ることができる。
【0010】
また前記の光学素子を用いて、液晶表示パネルの側面や角部より入射させた光を視認方向に効率よく光路変換して、表示像の白ボケや乱れが生じにくく明るくて見易い表示の液晶表示装置を形成でき、透明フィルムからなる光学素子では薄型軽量化も容易である。
【0011】
【発明実施の形態】
本発明による光学素子は、透明基材の片面に複数の凹部が不連続に分布してなる光出射手段を有してなり、前記凹部が光路変換斜面とその対向面を具備すると共に、前記凹部の透明基材表面での開口における光路変換斜面形成辺の長さが凹部の深さの3倍以上であり、かつ前記光路変換斜面の垂直面に対する投影面積が対向面のそれよりも大きいものである。その例を図1、2に示した。1が光学素子であり、10Aが透明基材、Aが凹部、aが光路変換斜面、bが対向面である。なお10Bは支持基材、11は接着手段、12は剥離シートであり、矢印は光の入射方向である(以下同じ)。
【0012】
透明基材としては、照明装置等を介して入射させる光の波長域に応じ、それに透明性を示す適宜な材料からなるものを用いることができ、一般にはポリマーからなるものが用いられる。ちなみに可視光を入射させる場合の前記ポリマーの例としては、ポリエステル系樹脂やセルロース系樹脂、ウレタン系樹脂やポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂やポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂やアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂やポリエーテル系樹脂、塩化ビニル系樹脂やポリエーテルスルホン系樹脂、ノルボルネン系樹脂やポリフェニレンスルフィド系樹脂などの熱可塑性樹脂があげられる。
【0013】
また特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマー、例えば(A)側鎖に置換又は/及び非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換又は/及び非置換のフェニル基並びにニトリル基を有する熱可塑性樹脂との前記A、Bを含有する樹脂組成物、あるいはアクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコーン系等の熱や光、ないし紫外線や電子線等の放射線で重合処理しうる硬化型樹脂なども透明基材の形成に用いうる。
【0014】
なお前記A、Bを含有する樹脂組成物の具体例としては、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有するものなどがあげられる。透明基材は、1種のポリマー又は2種以上のポリマー混合物を用いて形成することができる。
【0015】
透明基材は、例えばキャスティング方式や押出成形方式などの適宜な方法で形成でき、複屈折による位相差の小さいことが好ましい。透明基材の必要に応じての低位相差化は、例えばフィルムや板を焼鈍処理する方式等にて内部の光学歪みを除去する方法などにて行うことができる。従って透明基材の形成には、複屈折を示さないか、複屈折の小さいポリマーが好ましく用いうる。
【0016】
光学素子は、図1、2の例の如くその透明基材10Aの厚さに基づいて、透明フィルム又は透明板として形成することができる。透明基材の厚さについては適宜に決定でき特に限定はない。一般には10mm以下、就中5μm〜5mm、特に10μm〜2mmの厚さが好ましい。殊に透明フィルムの場合には薄型軽量化等の点より5〜300μm、就中10〜200μm、特に20〜100μmの厚さが好ましい。斯かる厚さとすることで打ち抜き処理や切出し処理等によるサイズ加工も容易に行うことができる。
【0017】
光学素子は、単層物として形成されていてもよいし、同種又は異種の材料からなる積層体などとして形成されていてもよい。図8、9に例示の如く必要に応じて支持基材10Bを有する透明フィルム10Aからなる光学素子1を透明板20に必要に応じ接着手段11を介し密着させて導光板2を形成することもできる。なお導光板は、図2の例の如く前記した透明板10Aからなる光学素子1として形成することもできる。光学素子を必要に応じ接着層等を介して他部材と積層する場合、その他部材は通例、図例の如く光学素子の光出射手段Aを有しない側に積層される。
【0018】
光学素子は、図10、11に例示の如く、導光板2や液晶セル等の側面や角部より照明装置3を介し入射させた光ないしその伝送光を、光出射手段(光路変換斜面a)を介し反射させて裏面側(光出射手段を有しない側)に、従って液晶表示パネル101、102等の視認方向に光路変換して出射させ、その出射光を液晶表示パネル等の非発光型表示素子の照明光(表示光)として利用することを目的とする。その場合、光学素子1は通例、液晶セル等の平面に沿う方向にその光出射手段の形成面が外側となるように配置される。
【0019】
前記において、光路変換斜面への入射効率を高めて明るくてその均一性に優れる表示を達成する得る点より、透明基材ないし光学素子は、1.49以上の屈折率を有するものであることが好ましい。なお屈折率は、可視光域の場合、D線に基づくことが一般的であるが、入射光の波長域に特異性等のある場合には前記に限定されず、その波長域に応じることもできる(以下同じ)。
【0020】
ちなみに透明基材の側面等より入射させた光の伝送角の範囲は、透明基材の屈折率が1.47では±42.9度であるのに対し、屈折率が1.49では±42.2度、屈折率が1.51では±41.5度となり、従って透明基材の屈折率が高いほど伝送光を狭い角度範囲に集光させることができる。
【0021】
また仮に傾斜角が45度の光路変換斜面を想定したとき、その斜面に前記伝送光が直接入射して全反射する角度範囲は、透明基材の屈折率が1.47では2.1度であるのに対し、屈折率が1.49では2.8度、屈折率が1.51では3.5度となり、従って透明基材の屈折率が高いほど前記伝送光が光路変換斜面に直接入射して1回の反射で出射する確率が高くなり、側面等からの入射光の出射効率が向上する。ちなみにその出射光率は、屈折率が1.51の場合、屈折率が1.27の場合の約2倍となる。
【0022】
前記した伝送光の集光や出射光率の点より透明基材の好ましい屈折率は、1.50以上、就中1.51以上、特に1.52以上であり、バックライト方式ではその屈折率が高いほど好ましい。一方、フロントライト方式では外光の表面反射の問題があるため、その表面反射の抑制の点より1.6以下、就中1.56以下、特に1.54以下の屈折率であることが好ましい。
【0023】
液晶セルのセル基板は、主に光学ガラスからなり、無アルカリガラスの場合その屈折率が約1.51〜1.52であること、及びセル基板の側面等からの入射伝送光は、セル基板に隣接する他部材の屈折率がセル基板の屈折率よりも低いと全反射されやすいことに鑑みた場合、透明基材の屈折率は、セル基板と同等以上であることが伝送光の出射光率の点より好ましい。
【0024】
従って導光板等の光学素子を形成する透明基材やその基材に必要に応じて付設する接着手段の屈折率を前記した範囲とすることで、伝送光が全反射する角度を許容範囲内に抑えることができ、全反射で伝送光が出射できなくなることによる光利用効率の低下を抑制できて、出射光による発光の輝度分布の均一化も向上させることができる。
【0025】
なおセル基板がプラスチックからなる場合などには、その屈折率が約1.50程度であるときもある。その場合には透明基材やそれに付設の接着手段の屈折率は、約1.50等の同程度の屈折率であることが好ましい。
【0026】
上記したように透明基材等の光学素子形成部材の複屈折による位相差は、可及的に小さいことが特にフロントライト方式の場合、輝度ムラや色ムラを抑制して表示ムラの少ない表示装置を得る点より好ましい。複屈折による位相差が小さいことは、偏光板等を介した直線偏光が入射した場合に、その偏光状態を良好に維持できて表示品位の低下防止にも有利である。
【0027】
表示ムラ防止等の点より透明基材ないし光学素子における好ましい面内の平均位相差は、50nm以下、就中30nm以下、特に20nm以下であり、その位相差の場所毎のバラツキが可及的に小さいものがより好ましい。さらに光学素子に発生する内部応力を抑制して、その内部応力による位相差の発生を防止する点よりは、光弾性係数の小さい材料からなる透明基材ないし光学素子が好ましい。加えて透明基材ないし光学素子の厚さ方向の平均位相差も50nm以下、就中30nm以下、特に20nm以下であることが表示ムラ防止等の点より好ましい。
【0028】
なお前記の位相差は、可視域の光、特に波長550nmの光に基づくものであることが好ましい。また前記した面内の平均位相差は、(nx−ny)×dにて定義され、厚さ方向の平均位相差は、{(nx+ny)/2−nz}×dにて定義される。ただしnxは、透明基材等の形成部材の面内において最大の屈折率を示す方向の平均屈折率、nyはその面内のnx方向に直交する方向の平均屈折率、nzは形成部材の厚さ方向の平均屈折率、dは形成部材の平均厚さを意味する。
【0029】
光学素子に設ける光出射手段は、モアレの防止等を目的に図6、7の例の如く透明基材10Aの片面において、所定の凹部Aの複数が不連続に分布したものとして形成される。斯かる光出射手段は、凹部サイズの小型化による視覚性の低減や製造効率などの点より有利である。なお凹部は、透明基材内に凹んでいること(溝)を意味する。
【0030】
光出射手段を形成する凹部は、図1〜5に例示の如く光路変換斜面aとその対向面bを具備するものとして形成される。また凹部は、図3〜5に例示の如く透明基材10Aの表面での開口における光路変換斜面形成辺の長さL1が凹部の深さhの3倍以上であり、かつ光路変換斜面aの垂直面に対する投影面積が対向面bの垂直面に対する投影面積よりも大きいものとして形成される。従って図5に例示の如く透明基材表面での凹部の開口における光路変換斜面形成辺の長さL1が対向面形成辺の長さL2よりも大きいものとして形成される。
【0031】
前記の如く光路変換斜面形成辺の長さL1が深さhの3倍以上である凹部とすることにより、図5に例示の如く光路変換斜面aと対向面bの間に形成される凹部側面x、yの面積割合を小さくでき、伝送光が凹部側面に入射する確率を小さくすることができる。斯かる点より好ましい凹部は、光路変換斜面形成辺の長さL1が深さhの5倍以上、就中8倍以上、特に10倍以上のものである。
【0032】
また前記の如く垂直面に対する投影面積に基づいて光路変換斜面aを対向面bよりも大きいものとすることにより、図5に例示の矢印の如く伝送光が光路変換斜面aによる影効果で凹部側面x、yや対向面bに入射しにくくなり、前記した凹部側面の面積割合の低減効果と共同して凹部側面に伝送光が入射することによる散乱光の発生を抑制することができる。
【0033】
好ましい凹部は、図5に例示の如く透明基材表面における凹部の開口形状が台形であり、その平行辺の一方が光路変換斜面形成辺L1で他方が対向面形成辺L2であると共に、横断面形状が図1、2に例示の如く三角形ないし台形であるものである。なお横断面は、凹部の光路変換斜面に対する横断面を意味する。
【0034】
前記形態の凹部によれば通常、凹部側面x、yが錐体に準じた形状の面となり、かつ光路変換斜面aと対向面bとの間に角度をもって配置された面となる。この場合、凹部側面に入射可能な角度をもつ伝送光が仮に凹部側面に入射して反射(散乱)されたとしても、凹部側面の角度効果で伝送角度が小さくなり、散乱出射する光が集光されて光の利用効率が向上する。従って凹部側面が集光効果を示して好都合に機能する。
【0035】
前記において凹部側面の角度、すなわち光路変換斜面形成辺L1の法線に対する角度は、特に限定はないが上記したように例えば屈折率が1.49の場合の伝送光の屈折角の最大値が±42.2度であるので、凹部側面の当該角度を42度以上とすることで伝送光が凹部側面に入射することを殆ど防止でき、伝送光の凹部側面への入射による光散乱を大幅に滅少させることができる。
【0036】
なお前記の場合、凹部側面への入射がないために前記した凹部側面による集光効果が発揮される機会のないことを意味するが、集光効果を発揮させる場合には伝送光の平行化の点より凹部側面の当該角度を0度超〜42度未満、就中30度以下、特に20度以下とすることが好ましい。殊に30度以下とすることで凹部側面に入射する光量を向上させて、平行化の効果も大きくすることができる。凹部の左右に形成される側面の当該角度等は、同じであってもよいし、異なっていてもよく、従って凹部は左右対称な形状であってもよいし、左右非対称な形状であってもよい。
【0037】
凹部の横断面形状は、図3の例の如く光路変換斜面aと対向面bの交線が稜線状の三角形であることが好ましいが、凹部の形成効率の点よりは図4の例の如く当該稜線部が平坦化した台形形状が有利である。台形の場合、当該平坦化による上辺の長さ(幅)は、透明基材表面の凹部の開口台形における平行辺の辺間距離(幅)の1/5以下、就中1/7以下、特に1/10以下であることが光出射手段に起因する白ボケの発生防止や視覚性の低減の点より好ましい。
【0038】
また凹部を形成する光路変換斜面aや対向面bや側面x、y等の各面は、直線状の平滑な平面であることが好ましいが、製造誤差等に基づく傾斜角等の若干の変化は許容され、その範囲は10度以内、就中5度以内であることが好ましい。さらに凹部を形成する各面間の交線は、明確な稜線を持つことが好ましいが、若干の丸みを有していてもよい。その丸みは、非視覚性や光の散乱防止の点より可及的に小さいことが好ましく、就中、曲率半径に基づいて1μm以下、特に0.5μm以下であることが好ましい。従って前記した三角形や台形は、厳密な意味ではなく加工精度ないし製造誤差等に基づく変形が許容されるものである。
【0039】
凹部のサイズは、それが大きいと観察者にその光路変換斜面等の存在が視覚されやすくなって表示品位を低下させやすくなり、また液晶セル等に対する照明の均一性も低下しやすくなる。一方、サイズが小さすぎると回折等による光散乱が増大したり、各面間の交線部分に丸みが発生しやすくなる。
【0040】
前記の点より凹部サイズは、透明基材表面における凹部の開口サイズに基づいて、台形の平行辺の辺間距離(幅)ないし光路変換斜面形成辺と対向面形成辺の辺間距離(幅)及び凹部の深さhが1〜100μm、就中3〜50μm、特に5〜20μmであることが好ましい。
【0041】
また光路変換斜面形成辺の長さL1が3〜500μm、就中10〜200μm、特に15〜150μmであることが好ましい。さらに対向面形成辺の長さL2は、光路変換斜面形成辺の長さL1に基づき上記した凹部側面の角度が達成される長さとされ、一般には当該L1の50〜99%、就中70〜98%、特に80〜97%とされる。
【0042】
凹部が具備する光路変換斜面は、図10、11に例示の如く導光板20や液晶セルの側面等に配置した照明装置3による側面方向からの入射光ないしその伝送光を反射して、光学素子1の光出射手段Aを有しない裏面側に光路変換し、表示装置の照明光として出射させることを目的とする。
【0043】
導光板や液晶セル等の表示装置に対し法線方向の指向性に優れる照明光を照明装置による光の利用効率よく出射させる点より光路変換斜面aの好ましい傾斜角θ1は、透明基材10Aが形成する平面に対して35〜48度である。傾斜角θ1が35度未満では表示装置より出射する表示光の角度が30度を越えて視認に不利な場合がある。一方、傾斜角θ1が48度を超えると光路変換斜面から光洩れが生じやすくなり光利用効率が低下する場合がある。
【0044】
前記において光路変換斜面による反射方式に代えて、表面を粗面化した光出射手段による散乱反射方式とした場合には、垂直な方向に反射しにくく表示装置から正面方向より大きく傾いた方向に出射されて液晶表示が暗く、コントラストに乏しくなる。
【0045】
側面等から入射させた横方向の光を光路変換斜面を介し効率よく全反射させて光出射手段を有しない側より、光学素子平面の法線方向に指向性よく出射させ、表示装置を効率よく照明して明るくて見やすい表示を達成する点より、光路変換斜面の好ましい傾斜角θ1は38〜45度、就中40〜43度である。
【0046】
一方、凹部が具備する対向面bの傾斜角θ2については特に限定はない。一般には35度以上とされる。従って光路変換斜面としての傾斜角を満足する対向面であってもよい。光路変換斜面としての傾斜角を満足しない対向面である場合、側面等の横方向からの入射光を裏面より出射することに寄与するものではなく、表示品位や光伝送ないし光出射に可及的に影響しないことが好ましい。ちなみに対向面の傾斜角θ2が小さいと光学素子面に対する投影面積が大きくなり、光学素子を視認側に配置するフロントライト方式による外光モードでは、その対向面による表面反射光が観察方向に戻って表示品位を阻害しやすくなる。
【0047】
従って前記の場合、対向面の傾斜角θ2は大きいほど有利であり、それにより光学素子面に対する投影面積を小さくできて全光線透過率の低下等を抑制でき、また表面反射光を低減できてその反射光を光学素子面方向に傾けることができ、液晶表示等への影響を抑制することができる。さらに光路変換斜面を透過した光を対向面より再度導光板等の内部に取入れる点よりも対向面の傾斜角θ2は大きいほど有利である。斯かる点より対向面の好ましい傾斜角θ2は、60度以上、就中70度以上、特に75〜90度である。
【0048】
光出射手段を形成する複数の凹部の配置は、その光路変換斜面に基づいて図6の例の如く平行に分布していてもよいし、不規則に分布していてもよい。さらに図7の例の如く仮想中心に対してピット状(同心円状)に配置された分布状態にあってもよい。凹部の不規則配置は、モアレの防止、すなわち画素等の規則的な配置物と干渉してモアレが発生することの防止に有利である。
【0049】
光学素子の側面に線状光源を配置する場合、効率的な光出射を達成する点より側面入射光の伝送方向に対して光路変換斜面が垂直となるように凹部を配置することが好ましい。一般には陰極管等の線状光源の場合、入射側面に対して垂直な方向の伝送光が最大強度を示す。従ってその場合には図6の例の如く、凹部Aをその光路変換斜面に基づいて前記線状光源配置予定の透明基材の端面(側面)に対して平行に分布させることが効率的な光出射を達成する点より有利である。
【0050】
一方、例えば線状光源が点状光源と線状導光板の組合せ体からなるときなどに最大強度の伝送光が入射側面の法線方向に対して傾いている場合があり、そのような場合に前記の側面平行配置では光が傾いて出射されることとなる。従って斯かる場合には、最大強度の伝送方向に対して光路変換斜面が垂直となるように凹部を配置することが好ましく、通例その角度は透明基材の端面(光入射側面)に対して3度以上、就中5〜10度傾斜した角度である。
【0051】
他方、前記した凹部のピット状配置は、その仮想中心に発光ダイオード等の点状光源を配置する場合などに好ましく適用できる分布形態である。その場合、伝送光は仮想中心から広がるように伝送されることより、仮想中心と対面するように位置する光路変換斜面に伝送光が効率よく入射して効果的な光出射が達成される。仮想中心は、透明基材における辺(端面)の角部や角部間、あるいは辺や角部の外側にあってよい。また仮想中心は、一箇所であってもよいし、異なる位置に二箇所以上あってもよい。
【0052】
複数の凹部の不連続な配置状態は、その凹部の形態などに応じて適宜に決定することができる。上記したように光路変換斜面aは、照明モードにおいて照明装置による側面方向からの入射光ないしその伝送光を反射により裏面方向に光路変換して出射させるものである。従って凹部の配置数や配置状態にて輝度等の面発光状態を制御することができる。
【0053】
前記においてフロントライト用の光学素子では、凹部の配置状態が光散乱等による表示像の乱れや外光モードでの外光の入射効率に関係し、その乱れ防止や入射効率などの点より透明基材の片面に占める光出射手段の凹部開口に基づく面積、すなわち基材表面における光出射手段の投影面積による占有面積に基づいて1/5以下、就中3〜18%、特に5〜15%とすることが好ましい。
【0054】
一方、バックライト用の光学素子では前記した表示像の乱れや外光の入射効率が関係しないので凹部を任意な配置状態とすることができる。一般には当該占有面積に基づいて1〜90%、就中10〜70%、特に20〜50%の配置状態とされる。
【0055】
凹部を形成する面、特に光路変換斜面は、上記したように可及的に凹凸や屈曲のない直線面であることが好ましい。凹部の断面形状は、その面の傾斜角等が光学素子の全面で一定な形状であってもよいし、吸収ロスや先の光路変換による伝送光の減衰に対処して光学素子上での発光の均一化を図ることを目的に、光が入射する側の側面又は仮想中心から遠離るほど凹部を大きくしてもよい。
【0056】
また凹部を一定ピッチで分散分布させた光出射手段とすることもできるし、光が入射する側の側面又は仮想中心から遠離るほど徐々にピッチを狭くして、凹部の分布密度を高くした光出射手段とすることもできる。さらに凹部の分布密度や配置位置等が不規則なランダムピッチによる光出射手段にて、光学素子上での発光の均一化を図ることもできる。ランダムピッチは、画素との干渉によるモアレの防止に特に有利である。よって光出射手段は、ピッチに加えて、形状等も異なる凹部の組合せからなっていてもよい。
【0057】
光学素子、特に透明フィルムからなるものは、光出射手段を形成する凹部部分を除き、その表裏面が可及的に平滑な平坦面であること、就中±2度以下の角度変化、特に0度の平坦面であることが好ましい。またその角度変化が長さ5mmあたり1度以内であることが好ましい。斯かる平坦面とすることによりフィルム面の大部分を角度変化が2度以下の平滑面とすることでき、液晶セル等の光伝送体の内部を伝送する光を効率よく利用できて、画像を乱さない均一な光出射を達成することができる。
【0058】
光学素子の製造は、適宜な方法にて行うことができる。ちなみにその例としては、透明基材からなる被照射膜にレーザー光を照射して被照射膜を部分的に除去するレーザーエッチングにて凹部を形成する操作を繰り返して光出射手段を形成する方法などがあげられる。
【0059】
すなわち例えば投影マスクを介してレーザー光を照射し、その投影マスクより透過したレーザー光を、投影像を作り出す光学機器を介しその大きさを縮小して透明基材からなる被照射膜に照射しつつ、投影マスクの移動などを介しレーザー光の照射量に変化をもたせて被照射膜をレーザーエッチングすることにより、形状精度に優れる横断面三角形の微細な凹部を形成でき、その凹部形成操作を被照射膜の所定位置に繰り返すことで凹部が位置精度よく分散分布した光出射手段を形成することができる。また前記において薄い被照射膜を用いるなどしてその膜を貫通するレーザーエッチングを施すことで横断面が台形の凹部を形成することができる。
【0060】
さらに所定寸法の台形からなる開口を設けた投影マスクを介してレーザー光を照射しつつ、その開口を別体の投影マスク等を介して開閉することにより被照射膜表面での開口が台形の凹部を形成することができる。その場合、斯かる開口の開閉操作により、そのマスクの移動距離に応じて被照射膜の形成材を連続的に除去でき、レーザー光の照射時間が長い位置ほど、従ってマスク開口の閉塞位置に近いほど深くエッチングされて凹部(溝)Aが形成される。
【0061】
また前記において被照射膜が形成する平面に対する傾斜角θ1が35〜48度の光路変換斜面aと、当該角度θ2が35〜90度の対向面bとを具備する凹部Aの形成は、例えばエッチングレート(1ショット当たりのエッチング量)0.01〜5μm/パルスにてレーザーエッチングし、その際に当該投影マスクの台形開口における平行辺の一辺側と他辺側とを1.1〜150倍の速度比で開閉する方式などにより行うことができる。
【0062】
なお上記したピット状配置の分布は、例えばレーザー光を照射する際に、被照射膜の端面又はその外側に仮想中心を想定し、その仮想中心より派生する仮想の放射線に対して直交する方向に投影マスクにおける台形開口の開閉線が形成されるように凹部を設けることにより形成することができる。
【0063】
上記においてレーザー光としては、例えばエキシマレーザーやYAGレーザー、チタン・サファイアレーザーやCO2レーザー、フェムト秒レーザーなどの、ドライエッチング加工が可能な適宜なものを1種又は2種以上用いうる。就中、微細加工精度等の点より波長400nm以下の紫外領域のレーザー光が得られる発振器によるアブレーション加工が好ましい。レーザー光は、2次や3次や4次等の高調波として被照射膜に照射することもできる。
【0064】
一方、投影マスクとしては金属などのレーザー光遮蔽性材料からなる適宜なものを用いうる。石英等からなるガラス板上に金属や誘電体等の適宜なレーザー光遮蔽性材料を蒸着し、必要に応じてその蒸着層をパターニングして開口に代わるレーザー光透過部を形成してなるガラスマスクなども用いうる。ガラスマスクにおける蒸着材料としては、限定するものではないが、レーザー光に対する耐久性や解像力の点よりクロムやアルミニウム、モリブデンや誘電体多層膜などが好ましい。
【0065】
光学素子は、上記した方法で被照射膜に透明基材を用いて一体ずつ製造することができる。量産性等の点より光学素子の好ましい製造方法は、上記の方法で得た光学素子を母型に用いて、光学素子形成用の金型を製造し、その金型を用いて光学素子を量産する方法である。
【0066】
ちなみに前記の金型の形成は、光学素子の光出射手段を形成した面の形態を型形成材に転写することにより行うことができる。また光学素子の形成は、得られた金型における光出射手段を形成しうる凸部を有する面の形態を透明基材に転写した後、それを金型より分離することにより行うことができる。その場合、母型に用いる被照射膜には表面での開口が長方形の凹部を形成して金型を形成し、その金型における凸部の側面を切削加工して、その形態を透明基材に転写した際に表面での開口が目的とする上記した台形の凹部が形成されるようにすることもできる。従って金型に形成される凸部に対する加工を通じて、その形態転写により形成される凹部ないし光出射手段の形態を調節することもできる。
【0067】
前記した光出射手段の形態を金型に転写して光学素子を形成する方法は、その光出射手段の形態を有する素材が光学素子でない場合にも適用でき、その光学素子でない素材に設けた光出射手段に対応する形態を金型に転写し、その金型に転写した面形態を透明基材に転写する方法にても光学素子を形成することができる。従ってその場合には前記した被照射膜として透明基材以外のものも用いうる。
【0068】
所定の凹部の複数を形成した被照射膜を母型とした光学素子形成用の金型の製造は、例えば光出射手段又はそれに対応する形態を設けた被照射膜に電気鋳造法を適用することにより行うことができる。これにより被照射膜に設けた光出射手段等を形成する凹部に高精度に対応した凸部を有する金型を形成することができる。
【0069】
前記の電気鋳造法としては、被照射膜のレーザー加工を施した側より金属を充填して、被照射膜の当該光出射手段等を有する面形状を写したレプリカを有する金属層からなる金型を形成する、従来に準じた方法を適用することができる。その場合、被照射膜はガラスや金属等からなる基板上に支持することができる。なお金属層の形成に際しては被照射膜に導電膜が設けられるが、その導電膜の形成についても従来に準じた方法を適用することができる。
【0070】
金型を形成する金属の種類については特に限定はなく、一般には例えば金や銀、銅や鉄、ニッケルやコバルト、あるいはそれらの合金類などが用いられ、窒化物やリン等を添加したものなどであってもよい。用いる金属種は、1種でもよし、2種以上であってもよく、また異種金属を積層してなる金型を形成することもできる。
【0071】
金型として形成する金属層の厚さは、適宜に決定してよい。被照射膜と分離する際の破損防止や、光学素子形成時のハンドリング性などの点より、凸部を有しない部分の厚さが0.02〜3mm程度の金属層からなる金属箔ないし金属板による金型としたものが好ましい。
【0072】
前記の金型を介した光学素子の形成は、例えば放射線硬化型樹脂を必要に応じ透明フィルムや透明板等に塗布して支持した状態で、金型の凸部を形成した面に密着させて、放射線硬化型樹脂層に金型の凸部形成側の表面形状を写し、それにより当該表面形状を写した成形層を形成し、それに放射線を照射して成形層を硬化させ、その成形硬化層を金型から分離することにより行うことができる。
【0073】
光学素子の形成に際する、放射線硬化型樹脂の成形層に対する透明フィルム又は透明板からなる透明基材の密着配置には、前記した事前の塗工方式のほか、例えば金型上の成形層の上に透明基材を配置する事後方式などの、成形層上に透明基材を密着させた状態でその透明基材側より放射線を照射して成形層を硬化させうる適宜な方式を採ることができる。
【0074】
前記の放射線硬化型樹脂には、例えば上記した紫外線硬化型樹脂などの紫外線の照射、就中、紫外線又は/及び電子線の照射にて硬化処理できる適宜な樹脂の1種又は2種以上を用いることができ、その種類について特に限定はない。就中、光透過率に優れる成形硬化層を形成できる放射線硬化型樹脂が好ましい。
【0075】
また必要に応じ放射線硬化型樹脂の支持に用いて、光学素子を形成することのある透明フィルムや透明板は、照明装置等を介して入射させる光の波長域に応じそれに透明性を示す適宜な材料の1種又は2種以上を用いて形成しうる。ちなみに可視光域では、例えば上記の透明基材で例示したものなどで代表される透明樹脂や、熱、紫外線、電子線等で重合処理しうる硬化型樹脂などがあげられる。
【0076】
なお放射線硬化型樹脂の成形硬化層の形成に際し、支持用の透明基材を用いた場合、光学素子は、その透明基材と当該成形硬化層とが固着一体化したものとして得ることもできるし、透明基材とは分離された状態の当該成形硬化層からなるものとして得ることもできる。透明基材と当該成形硬化層の分離は、例えば透明基材を剥離剤で表面処理する方式などの適宜な方式にて達成することができる。
【0077】
前記した固着一体化の場合、成形硬化層と透明基材の屈折率差が大きいと、界面反射等にて光の出射効率が大きく低下する場合がある。それを防止する点より、透明基材との屈折率差が−0.02〜0.04、就中−0.01〜0.03、特に0〜0.02の成形硬化層を形成できる放射線硬化型樹脂が好ましい。またその場合、透明基材よりも付加する成形硬化層の屈折率を高くすることが出射効率の点より好ましい。
【0078】
なお金型上ないし透明基材上に形成する放射線硬化型樹脂の塗布層の厚さは、金型における凸部の高さの1〜5倍、就中1.1〜3倍、特に1.2〜2倍が好ましいが、これに限定されない。
【0079】
上記の金型を介した光学素子の形成方法としては、放射線硬化型樹脂に代えて熱硬化型樹脂を用いてそれを熱硬化処理する方法や、ホットプレス方式等にて熱可塑性樹脂に形状転写する方法もあげられる。また射出成形型内や注形型内に上記電気鋳造法による金型を設置し、射出成形方式や注形方式にて光学素子を成形する方法などもあげられる。斯かる成形方法は、例えば導光板等として使用できる板状の透明基材からなる光学素子を形成する場合などに特に適している。
【0080】
従って光学素子は、必要に応じ流動状態とした熱可塑性樹脂や硬化性樹脂等の適宜な材料を介して、金型における光出射手段を形成しうる凸部を有する面の形態を転写してなる透明基材を形成しうる適宜な方法にて形成することができる。
【0081】
光学素子における光出射手段形成面には、必要に応じて外光の表面反射による視認阻害の防止を目的としたノングレア処理や反射防止処理、傷付き防止を目的としたハードコート処理などを施すことができる。斯かる処理を施した光学素子は、特にフロントライト方式に好ましく用いうる。
【0082】
前記したノングレア処理は、サンドブラスト方式やエンボス加工方式等の粗面化方式、シリカ等の前記した透明粒子を配合した樹脂の塗工方式などの種々の方式で、表面を微細凹凸構造化することにより施すことができる。また反射防止処理は、干渉性の蒸着膜を形成する方式などにて施すことができる。更にハードコート処理は、硬化型樹脂等の硬質樹脂を塗工する方式などにて施すことができる。ノングレア処理や反射防止処理やハードコート処理は、その1種又は2種以上の処理を施したフィルムの接着方式などにても施すことができる。
【0083】
光学素子は、図1の例の如く光出射手段を有しない側に接着手段11を有するものとすることができる。透明フィルムからなる光学素子は、上記したように側面や角部からの入射光を伝送する導光板やセル基板などとしての基板に対して配置されるものである。その場合に、光学素子を接着手段を介して基板に密着させることにより、光出射手段の光路変換斜面を介した反射効率、ひいては側面等の方向よりの入射光の有効利用による輝度を向上させることができる。
【0084】
接着手段としての接着層の形成には、例えば紫外線や放射線等の照射又は加熱で硬化する接着剤などの適宜なものを用いることができ、特に限定はない。就中、透明性に優れて被接着体との屈折率差が小さいものが好ましい。また簡便接着性等の取扱性や内部応力の発生を抑制する応力緩和性などの点よりは、粘着層が好ましく用いうる。
【0085】
接着手段の屈折率は、上記した透明基材と同様に光出射効率等の点より1.49以上、就中1.50以上、特に1.51以上、更には1.52以上であることが好ましい。特に光伝送効率の点より側面入射光を伝送する主体となる基板の屈折率よりも、接着手段や透明フィルムからなる光学素子の屈折率は、高いこと、あるいは少なくとも同じであることが好ましい。その屈折率が低いと伝送光の角度が伝送主体の基板表面に対して小さいとき、全反射によって基板内に伝送光が閉じ込められやすく光の出射効率が低下しやすい。
【0086】
また界面での屈折率差が大きい場合にも界面反射により伝送光が閉じ込められやすくなる。従って前記の全反射や界面反射を小さくする点より、伝送主体の基板と接着手段等との屈折率差は、可及的に小さいことが好ましく、0.05以下、就中0.03以下、特に0.02以下、更には0.01以下であることが好ましい。
【0087】
前記した粘着層の形成には、例えばゴム系やアクリル系、ビニルアルキルエーテル系やシリコーン系、ポリエステル系やポリウレタン系、ポリエーテル系やポリアミド系、スチレン系などの適宜なポリマーをベースポリマーとする粘着剤などを用いうる。就中、アクリル酸ないしメタクリル酸のアルキルエステルを主体とするポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤の如く透明性や耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いられる。
【0088】
また接着層は、それに例えばシリカやアルミナ、チタニアやジルコニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸化ノンモン等の導電性のこともある無機系粒子や、架橋又は未架橋ポリマー等の有機系粒子などの適宜な透明粒子を1種又は2種以上含有させて光拡散型のものとすることもできる。
【0089】
光学素子、特に透明フィルムからなる光学素子は、偏光板の透明保護層として用いることもできる。すなわち光学素子をその光出射手段を有しない側を介し偏光板に積層したものとすることもできる。その場合、光学素子と偏光板は、接着手段を介して接着積層されていることが、光出射手段の光路変換斜面を介した反射効率、ひいては側面や角部の方向からの入射光の有効利用による輝度向上の点より好ましい。
【0090】
前記した偏光板一体型の光学素子は、そのまま液晶表示パネル等に適用することができる。その場合、光出射手段が外側に位置するように光学素子を配置する方式が、通例である。複屈折による位相差が発生しにくい光学素子の使用にて、偏光板を介した直線偏光が入射した場合にその偏光状態を良好に維持できて、偏光板に再入射した際の吸収や、表示品位の低下を有効に防止することができる。
【0091】
偏光板としては、適宜なものを用いることができ特に限定はない。高度な直線偏光の入射による良好なコントラスト比の表示を得る点などよりは、例えばポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて延伸したものからなる吸収型偏光フィルムなどの如く、偏光度の高い偏光板が好ましく用いうる。
【0092】
偏光板は、前記偏光フィルムの片側又は両側に透明保護層を有するものであってもよい。透明保護層は、フィルムの接着方式やポリマー液等の塗布方式などにて付与でき、その形成には上記の透明基材で例示した樹脂、就中トリアセチルセルロースの如く透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性などに優れる樹脂が好ましく用いられる。上記した偏光板一体型の光学素子は、薄型化を目的に光学素子が当該透明保護層を兼ねるものとして積層されていてもよいし、透明保護層の外側に付加する状態で積層されていてもよい。
【0093】
偏光板一体型の光学素子にも、液晶セル等の他部材と接着するための透明な接着層等の接着手段を、必要に応じて設けることができる。その接着層は、上記に準じることができる。光学素子に設けた接着層に対しては、図1の例の如くそれを実用に供するまでの間、異物の混入等の防止を目的に剥離シート12を仮着して、カバーしておくことが好ましい。なお光学素子は、表面保護フィルムで覆って傷や汚れの付着を抑えることができる。
【0094】
光学素子は、その光出射手段(光路変換斜面)を介して、照明装置による側面や角部の方向からの入射光ないしその伝送光を、視認に有利な垂直性に優れる方向(法線方向)に光路変換して光の利用効率よく出射し、また外光に対しても良好な透過性を示すものとすることができる。
【0095】
従って例えば従来の透過型や、反射層ないし半透過型反射層を具備する反射型ないし半透過型等の各種の液晶表示パネル等に適用して、明るくて見やすい透過型、又は外光・照明両用型の液晶表示装置等の非発光型表示装置などの種々の装置を形成することができる。また透明フィルムからなる光学素子の場合には液晶表示装置等の薄型軽量化も達成することができる。
【0096】
前記した液晶表示装置の例を図10、11に示した。図10は、光学素子1を透明板20に接着し側面に照明装置3を配置してサイドライト型導光板2とし、それを従来の透過型液晶表示パネル101の背面側に配置して、バックライト方式の液晶表示装置100とした例を示したものである。
【0097】
また図11は、前記のサイドライト型導光板2を反射層具備の従来の反射型液晶表示パネル201の視認側に配置して、フロントライト方式の外光・照明両用型液晶表示装置200とした例を示したものである。111、116、211が偏光板、112、212が光拡散板、113、115、213が位相差板、114、214が透明電極又は反射層や配向膜を具備する液晶セルである。なお225が反射層である。
【0098】
図例の如く液晶表示装置は、光学素子1を液晶表示パネル101、201における液晶セル114、214の少なくとも片側に配置することにより形成することができる。その場合、光学素子は、その光出射手段を有する側が外側となるように、液晶表示パネルの視認側又は背面側の少なくとも一方に配置することが一般的である。
【0099】
上記のように光学素子は、透明フィルムタイプや導光板タイプとして形成でき、そのいずれもがフロントライト又はバックライトとして用いうるが、一般には導光板タイプの光学素子は、バックライトとして用いることが好ましい。光学素子、特に透明フィルムタイプのものは、接着層を介し液晶セル等に接着することが明るい表示を達成する点より好ましい。
【0100】
また光学素子、特に透明フィルムタイプの光学素子では、それを液晶表示パネルの視認側又は背面側の少なくとも一方に配置すると共に、液晶表示パネルの1又は2以上の側面又は/及び角部、特に光学素子1を配置した側のセル基板の1又は2以上の側面又は/及び角部に、1個又は2個以上の照明装置を配置することによりパネルの照明機構を形成することもできる。
【0101】
前記において図7の例の如きピット状配置の光出射手段を有する光学素子の場合には、点状の照明装置による放射状入射光を効率よく利用して明るい表示を達成する点より、ピット状配置の光出射手段の仮想中心を含む垂直線上における液晶表示パネルの側面又は/及び角部に点状の照明装置を配置することが好ましい。なお図例は照明装置を液晶表示パネルの角部に配置するようにした、ピット状配置の光出射手段を有する光学素子を示している。
【0102】
導光板や液晶表示パネルの側面等に配置する照明装置としては、適宜なものを用いることができる。例えば発光ダイオード等の点状光源のほか、(冷,熱)陰極管等の線状光源、点状光源を線状や面状等に配列したアレイ体、あるいは点状光源と線状導光板を組合せて点状光源からの入射光を線状導光板を介し線状の照明装置に変換するようにしたものなどが好ましく用いうる。
【0103】
また照明装置は、光学素子の光路変換斜面が対面することとなる導光板や液晶表示パネルの側面等に配置することが、出射効率の点より好ましい。上記したピット状配置の場合も含めて、光路変換斜面が照明装置に対して可及的に垂直に対面するように配置することにより、照明装置を介した側面や角部からの入射光を効率よく面状に変換して高効率に面発光させることができる。
【0104】
従って凹部が光路変換斜面としての傾斜角を満足する対向面を具備して二面の光路変換斜面を具備する凹部による光出射手段を有する光学素子の場合には、導光板やセル基板等の対向する側面や角部の両方に対応した数の照明装置を配置することもできる。またピット状配置の場合には、光学素子における光出射手段の仮想中心に対応した1個所又は2個所以上に点状の照明装置を配置することもできる。
【0105】
照明装置は、その点灯による照明モードでの視認を可能とするものであり、外光・照明両用型の液晶表示装置の場合に、外光による外光モードにて視認するときには点灯の必要がないので、その点灯・消灯を切り替えうるものとされる。その切り替え方式には任意な方式を採ることができ、従来方式のいずれも採ることができる。なお照明装置は、発光色を切り替えうる異色発光式のものであってもよく、また異種の照明装置を介して異色発光させうるものとすることもできる。
【0106】
照明装置に対しては、必要に応じ発散光を導光板や液晶セルの側面等に導くためにそれを包囲するリフレクタなどの適宜な補助手段を配置した組合せ体とすることもできる。リフレクタとしては、高反射率の金属薄膜を付設した樹脂シートや白色シートや金属箔などの適宜な反射シートを用いうる。リフレクタは、その端部を液晶セル基板等の端部に接着する方式などにて、照明装置の包囲を兼ねる固定手段として利用することもできる。
【0107】
液晶表示装置は一般に、液晶シャッタとして機能する液晶セルとそれに付随の駆動装置、フロントライト又はバックライト(光学素子)及び必要に応じての反射層や補償用位相差板等の構成部品を適宜に組立てることなどにより形成される。本発明においては光学素子と照明装置を用いて照明機構を形成する点を除いて特に限定はなく、従来のフロントライト型やバックライト型のものに準じて形成することができる。
【0108】
従って用いる液晶セルについては特に限定はなく、図例の如くセル基板の間に封止材を介し液晶を封入し、その液晶等による光制御を介して表示光を得るようにした、適宜な透過型や反射型、ないしハーフミラーの如く光を透過し、かつ反射する半透過型反射層を用いた半透過型のものを用いることができる。
【0109】
ちなみに前記液晶セルの具体例としては、TN型やSTN型、IPS型やHAN型、OCB型やVA型の如きツイスト系や非ツイスト系、ゲストホスト系や強誘電性液晶系の液晶セル、あるいは内部拡散式等の光拡散型の液晶セルなどがあげられる。また液晶の駆動方式も、例えばアクティブマトリクス方式やパッシブマトリクス方式などの適宜なものであってよい。
【0110】
反射型ないし半透過型の液晶表示装置では反射層ないし半透過型反射層の配置が必須であるが、その配置位置については図11に例示の如く液晶セルの内側に設けることもできるし、液晶セルの外側に設けることもできる。従って図11の例で反射層215は、電極も兼ねている。
【0111】
反射層についは、例えばアルミニウムや銀、金や銅やクロム等の高反射率金属の粉末をバインダ樹脂中に含有する塗工層や蒸着方式等による金属薄膜の付設層、その塗工層や付設層を基材で支持した反射シート、金属箔や透明導電膜、誘電体多層膜などの、従来に準じた適宜な反射層として形成することができる。また半透過型反射層についても、例えばハーフミラーや反射材含有シート、前記反射層に多数の孔を設けたなどの、従来に準じた適宜な半透過型反射層として形成することができる。
【0112】
一方、透過型の液晶表示装置は、図10の例の如く液晶表示パネルの背面側に光学素子を配置してバックライト機構を形成することにより製造しうる。その場合に、光出射手段の背面側(外側)に反射層を設けることにより、光路変換斜面等から洩れる光を反射させて液晶セルの方向に戻すことでパネル照明に利用でき、輝度の向上を図ることができる。またその反射層を拡散反射面とすることで、反射光を拡散させて正面方向に向けることができ、視認により有効な方向に向けることができる。
【0113】
さらに前記した反射層の配置により、透過型で、かつ外光・照明両用型の液晶表示装置を形成することも可能である。その場合には透明フィルムタイプの光学素子が特に好ましく用いうる。透過型液晶表示装置に配置する反射層は、上記した反射型液晶表示装置で例示した反射層に準じることができる。なお電界により光を変調する液晶層を有する反射型液晶表示装置では、図11の例の如く液晶セルの視認側に光学素子を配置するフロントライト式が一般的である。
【0114】
他方、半透過型反射層を用いた半透過型液晶表示装置の場合には、前記したフロントライト方式及びバックライト方式のいずれにても照明機構を形成することができる。従って液晶表示パネルの視認側と背面側の両方に光学素子を配置して、フロントライトとバックライトの両方の照明機構を設けた、外光・照明両用型の半透過型液晶表示装置を形成することもできる。
【0115】
なお前記の透過型において、反射層を液晶セルの外側に配置する場合、そのセル基板や電極は、液晶表示を可能とするために透明基板や透明電極として形成することが必要である。一方、図11の例の如く、液晶セルの内部に反射層を設ける場合には、液晶表示を可能とするためにその視認側のセル基板や電極は透明基板や透明電極として形成する必要があるが、背面側のセル基板はその反射層215と同様に透明である必要はなく、不透明体にて形成されていてもよい。半透過型の場合には、前記の透過型や反射型に準じうる。
【0116】
セル基板を上記した光伝送主体として利用する場合、その厚さについては液晶の封入強度や、配置する照明装置の大きさなどに応じて適宜に決定しうる。一般には光伝送効率と薄型軽量性のバランスなどの点より10μm〜5mm、就中50μm〜2mm、特に100μm〜1mmの厚さとされる。またセル基板の厚さは、照明装置を配置する側と配置しない側とで相違していてもよいし、同厚であってもよい。透明フィルムタイプの光学素子の場合、輝度向上の点より照明装置を配置する側のセル基板を厚くすることが有利である。
【0117】
液晶表示パネルの形成に際しては、必要に応じ液晶を配向させるためのラビング膜等の配向膜や、カラー表示を実現するためのカラーフィルタ、低屈折率層、偏光板、位相差板などを設けることができる。配向膜は液晶層に隣接するように配置し、カラーフィルタはセル基板と電極の間に配置する方式が一般的である。なお直線偏光を介した表示光の制御を目的とした偏光板は、液晶セルの視認側及び背面側の一方又は両方の適宜な位置に配置することができる。
【0118】
前記した低屈折率層は、照明装置を介した側面や角部の方向からの入射光を界面反射させて、照明装置より遠離る方向の後方に効率よく伝送し、後方にある光路変換斜面にも光が効率よく入射して、パネル表示面の全面での明るさの均一性の向上を目的とする。従って低屈折率層は、透明フィルムタイプの光学素子の場合に有利に適用することができる。低屈折率層は、その配置位置に応じてフッ素化合物等の無機物や有機物からなる適宜な低屈折率材料による透明層や接着層として形成することができる。
【0119】
低屈折率層の配置位置は、照明装置を配置したセル基板の内側、すなわち基板の光学素子付設側とは反対の面が液晶表示の明るさの向上の点より好ましい。またセル基板よりも屈折率が0.01以上、就中0.02〜0.15、特に0.05〜0.10低い低屈折率層が液晶表示の明るさの向上の点より好ましい。
【0120】
液晶表示装置の形成に際しては必要に応じ、上記したノングレア層等のほかに光拡散層や位相差板などの適宜な光学層の1層又は2層以上を付加した液晶表示パネルとすることもできる。光拡散層は、表示光の拡散による表示範囲の拡大や発光の平準化による輝度の均一化、液晶セル内の伝送光の拡散による光学素子への入射光量の増大などを目的とする。なお前記の付加する光学層は、必要に応じ接着層等を介し光学素子と積層一体化して液晶セルに適用することもできる。
【0121】
光拡散層は、上記のノングレア層に準じた表面微細凹凸構造を有する塗工層や拡散シートなどによる適宜な方式にて設けることができる。光拡散層は、接着層に透明粒子を配合して接着層を兼ねる層として配置することもでき、これにより液晶表示装置の薄型化を図かることができる。光拡散層は、光学素子と視認側の液晶セル基板の間などの適宜な位置に、1層又は2層以上を配置することができる。
【0122】
また前記した位相差板は、光学補償による視野角の拡大や着色防止等を目的とし通例、図例の如く視認側又は/及び背面側の偏光板とセル基板の間に配置される。補償用の位相差板には、波長域などに応じて適宜なものを用いることができ1層又は2層以上の位相差層の重畳層として形成されていてもよい。
【0123】
位相差板は、適宜な透明ポリマーからなるフィルムを一軸や二軸等の適宜な方式で延伸処理してなる複屈折性フィルム、ネマチック系やディスコティック系等の適宜な液晶ポリマーの配向フィルムやその配向層を透明基材で支持したものなどとして得ることができ、熱収縮性フィルムの加熱収縮力の作用下に厚さ方向の屈折率を制御したものなどであってもよい。
【0124】
なお上記した図11の反射型液晶表示装置において、外光・照明両用による視認は、照明装置3の点灯による照明モードにおいて、導光板の光学素子を有しない側より出射した光が、液晶セルを経由してその反射層215で反射された後、液晶セル内を逆経由して光学素子に至り、光出射手段A以外の部分より透過した表示光が視認される。
【0125】
一方、照明装置の消灯による外光モードにおいては、光学素子1の光出射手段形成面における光出射手段以外の部分より入射した光が反射層215を介し、前記に準じ液晶セル内を逆経由して光学素子に至り、光出射手段以外の部分より透過した表示光が視認される。
【0126】
他方、透過型液晶表示装置において外光・照明両用による視認は、照明装置の点灯による照明モードにおいて、背面側に配置した光学素子より出射した光が液晶セル内に入射し、偏光板等を透過した表示光が視認される。また照明装置の消灯による外光モードでは、視認側表面より入射した外光が液晶セルを透過して光学素子に至り、その光出射手段形成面の光出射手段以外の部分より入射した光が背面に設けた反射層を介し反転し、液晶セル内を逆経由して透過した表示光が視認される。なお半透過型液晶表示装置では、前記の反射型と透過型に準じて外光・照明両用による視認が行われる。
【0127】
本発明において、上記した液晶表示装置等の非発光型表示装置を形成する各部品は、全体的又は部分的に積層一体化されて固着されていてもよいし、分離容易な状態に配置されていてもよい。界面反射の抑制によるコントラストの低下防止などの点よりは、固着状態にあることが好ましい。また透明フィルムタイプの光学素子は、固着密着状態にあることが好ましい。前記の固着処理には、粘着剤等の適宜な透明接着剤を用いることができ、その透明接着層に透明粒子等を含有させて拡散機能を示す接着層などとすることもできる。
【0128】
また前記の形成部品、特に視認側のそれには、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などにより紫外線吸収能をもたせることもできる。
【0129】
【実施例】
例1
厚さ60μmの無延伸PC(ポリカーボネート)フィルムに紫外線硬化性のアクリル系樹脂をスポイトにて滴下し、アプリケータで厚さ25μmに展延してその塗工層をゴムローラで予め所定の形状に加工した金型に密着させると共に、余分な樹脂と気泡を押し出した後、メタルハライドランプにて紫外線を300mJ/cm2照射して硬化させ、形成された光出射手段を有する屈折率が1.522の透明フィルムを金型から剥離して所定サイズに切出した後、無延伸PCフィルムと分離した。
【0130】
次に前記した幅20mm、長さ30mmの透明フィルムの光出射手段を有しない面に屈折率が1.520のアクリル系粘着層を設け、その粘着層を介して透明フィルムを幅25mm、長さ37mm、厚さ1mm、屈折率1.50のアクリル系樹脂板に接着し、導光板タイプの光学素子を得た。
【0131】
前記において光出射手段を形成する凹部は、横断面が三角形であり、フィルム面での開口が台形で、光路変換斜面形成辺の長さが100μm、対向面形成辺の長さが90μm、幅が約10μmであり、フィルム面に対する傾斜角が約41度の光路変換斜面と約72度の対向面を有するものである。
【0132】
また透明フィルムにおける光出射手段は、光路変換斜面がフィルムの幅方向端面と対面するように前記凹部の複数がランダムな配置位置でフィルムの幅方向と平行に、かつ均等な分布密度で配列したものであり、凹部間のフィルム面は平坦で、全凹部の開口がフィルム表面で占有する面積は約1/15である。
【0133】
なお前記した透明フィルムの形成に用いた金型の製造は、下記の方法による。すなわち金属箔に所定形状の台形又は長方形の開口を設けた投影マスクを介して波長248nmのエキシマレーザー光をビーム幅1.5mmで照射し、投影マスクの透過光をレンズを介し1/15に縮小して、ガラス基板上に固定したポリイミド膜に照射する方式において、レーザー光をエッチングレート0.26μm/パルスで照射しながら当該開口を幅150μmの開状態から、2枚の開口遮蔽用の投影マスクを速度比30:4の異なる速度で幅方向に等速移動させて閉塞状態とし、ポリイミド膜に開口の閉塞方向に向かって深くエッチングされた横断面が三角形の凹部を形成した。
【0134】
ついで予め所定の密度になるように基本的な凹部の配置を決定した後、制限化した乱数を発生させてその配置をランダムにした座標データに基づいて前記のエッチング加工をポリイミド膜に対する位置を変えながら繰り返して洗浄し、光出射手段を有する被照射膜(母型)を形成してその凹部付き面を導電化し、その上に電気鋳造法によりニッケル・リンを充填して厚さが約200μmの金属層を形成した後、被照射膜を剥離して所定の光出射手段に対応する凸部形成面を有する金型を得たものである。
【0135】
例2
透明フィルムとアクリル系樹脂板の接着を屈折率が1.505のアクリル系粘着層を介して行ったほかは、例1に準じて光学素子を得た。
【0136】
例3
透明フィルムとアクリル系樹脂板の接着を屈折率が1.52のアクリル系紫外線硬化型接着剤層を介して行ったほかは、例1に準じて光学素子を得た。
【0137】
例4
無延伸PCフィルムに代えてアクリル系樹脂板を用い、その樹脂板に透明フィルムを直接形成して固着させたほかは、例1に準じて光学素子を得た。
【0138】
例5
サンドブラスト加工にて表面を粗面化した金型を用いた以外は例1と同様にして透明フィルムを作製し、それを用いて例1に準じ光学素子を得た。なお透明フィルムにおける光出射手段としての凹凸面の形状をテーラーホブソン製タリサーフを用いて評価したところ、傾斜角の最大値は約15度であり、ほぼランダムな凹凸が形成されていた。
【0139】
例6
透明フィルムとアクリル系樹脂板の接着を屈折率が1.47のアクリル系粘着層を介して行ったほかは、例1に準じて光学素子を得た。
【0140】
例7
異なる紫外線硬化型樹脂を用いた以外は例1と同様にして屈折率が1.46の透明フィルムを形成し、それを用いて例1に準じ光学素子を得た。
【0141】
例8
異なる金型を用いた以外は例1と同様にして透明フィルムを形成し、それを用いて例1に準じ光学素子を得た。なお光出射手段は、それを形成する凹部が横断面三角形でフィルム面での開口が長方形であり、光路変換斜面形成辺の長さと対向面形成辺の長さが約30μmで、幅も約30μmである点でのみ例1と相違する。従って光路変換斜面の傾斜角は約41度、対向面のそれは約72度である。
【0142】
例9
異なる金型を用いた以外は例1と同様にして透明フィルムを形成し、それを用いて例1に準じ光学素子を得た。なお光出射手段は、それを形成する凹部が横断面三角形でフィルム面での開口が長方形であり、光路変換斜面形成辺の長さと対向面形成辺の長さが約100μmで、幅が約10μmであり、光路変換斜面の傾斜角が約60度である点でのみ例1と相違する。従って対向面の傾斜角は約72度である。
【0143】
例10
異なる金型を用いた以外は例1と同様にして透明フィルムを形成し、それを用いて例1に準じ光学素子を得た。なお光出射手段は、フィルム面での開口が幅約10μmで一端から他端まで連続する横断面三角形の連続溝を180μmピッチで有するものからなり、光路変換斜面の傾斜角が約41度で、対向面の傾斜角が約72度である。また連続溝間のフィルム面は平坦で、全連続溝の開口がフィルム表面で占有する面積は約1/15である。
【0144】
評価試験
例1〜10で得た光学素子の光路変換斜面が対面する側面に冷陰極管を配置し、銀蒸着のポリエステルフィルムで包囲保持してサイドライト型導光板を形成し、それを光出射手段が視認側となるように反射型液晶表示パネルの上面に配置し、フロントライト方式の反射型液晶表示装置を作製した。次に暗室にて液晶セルに電圧を印加しない状態で冷陰極管を点灯させて、入射側面より10mmの位置(画面中央)での正面輝度(トプコン社製、BM7)を調べた。また光の出射状態とモアレの様子を観察した。その結果を次表に示した。
【0145】
なお正面輝度の単位は、cd/m2である。
【0146】
例1〜4、8、10は、例5と比べて明るさの点に加えてその均一性の点でも優れていた。例5では光源と反対側の方向に大角度で光が出射し、液晶表示装置の照明には実質的に寄与せず画面が暗かった。また例6、7では正面近傍で実施例よりも暗い画面であった。
【0147】
フロントライトの状態で光出射面、すなわち光出射手段を有しない面から導光板を観察したところ、例1〜4では正面方向近傍に光が強く出射しているのに対し、例6、7ではむしろ正面方向近傍で暗かった。また例9では特に光源側に向けた出射が強く、正面方向では出射の強さが大きく低下した。
【0148】
例8では例1〜4より明るさが若干低く、光源から遠離るにつれて暗くなる傾向が例1〜4よりも強く、かつ例1〜4と比べて散乱による白ボケが大きくて表示が見にくかった。また例10では明るさが例1〜4に相当したが、明確なモアレが観察された。
【0149】
一方、光源を消灯した外光モードによる視認においては、例10でモアレが観察されたほかは、他の例において良好であった。
【0150】
他方、例1〜4において、サイドライト型導光板の表裏を逆転させて光出射手段側に反射板を配置し、導光板の光出射面上に透過型液晶表示パネルを配置してバックライトとして使用したところ、明るくて見やすい透過型の液晶表示装置を実現することができた。この液晶表示装置は、明るい環境下でバックライトを消灯しても外光モードで見ることができ、良好な外光・照明両用型の(透過型)液晶表示装置であった。
【0151】
また視認側のセル基板の内側に屈折率が1.38の低屈折率層を設けた反射型液晶表示パネルの視認側に例1〜4で得た透明フィルムを貼付け、その光路変換斜面が対面するパネル側面に冷陰極管を配置したところ、導光板を用いない形態で明るい照明を実現することができた。
【0152】
以上より本発明にては、凹部側面による伝送光の散乱を防止し、横方向の入射光を縦方向に効率よく光路変換して出射光の正面指向性に優れ、散乱光やモアレの生じにくい光出射手段を有する、透明フィルムタイプと導光板タイプの光学素子を形成できることが判る。
【0153】
また前記の透明フィルムタイプの光学素子は、それを透明板に貼付けて明るい面発光のクリアな導光板を形成できること、また液晶表示パネルに貼付けパネル側面等に照明装置を設けてパネルの照明機構を形成できること、一方、導光板タイプのものも明るい面発光のクリアな導光板を形成できること、さらにそれらの導光板や照明機構にて、モアレが生じにくくて明るくて見やすい表示品位の良好な反射型や透過型、外光・照明両用型等の液晶表示装置などを形成できることが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学素子の断面図
【図2】他の光学素子の断面図
【図3】凹部の説明断面図
【図4】他の凹部の説明断面図
【図5】凹部の説明平面図
【図6】光出射手段の説明図
【図7】他の光出射手段の説明図
【図8】さらに他の光学素子の断面図
【図9】さらに他の光学素子の断面図
【図10】液晶表示装置の断面図
【図11】他の液晶表示装置の断面図
【符号の説明】
1、2:光学素子
10A:透明基材
A:凹部
a:光路変換斜面
b:対向面
x、y:凹部側面
20:透明板
3:照明装置
100、200:液晶表示装置
101、201:液晶表示パネル
Claims (20)
- 透明基材の片面に複数の凹部が不連続に分布してなる光出射手段を有してなり、前記凹部が光路変換斜面とその対向面を具備すると共に、前記凹部の透明基材表面での開口における光路変換斜面形成辺の長さが凹部の深さの3倍以上であり、かつ前記光路変換斜面の垂直面に対する投影面積が対向面のそれよりも大きいことを特徴とする光学素子。
- 請求項1において、透明基材が屈折率1.49以上のフィルム又は板からなる光学素子。
- 請求項1又は2において、透明基材表面における凹部の開口形状が台形で、その平行辺の一方が光路変換斜面形成辺であり、凹部の横断面形状が三角形ないし台形である光学素子。
- 請求項3において、透明基材表面の凹部の開口台形における平行辺の辺間距離が1〜100μmで、光路変換斜面形成辺の長さが3〜500μmであり、凹部の深さが1〜100μmである光学素子。
- 請求項1〜4において、透明基材が形成する平面に対する光路変換斜面の傾斜角が35〜48度で、対向面のそれが60〜90度である光学素子。
- 請求項1〜5において、凹部がその光路変換斜面に基づき透明基材の端面に対して平行に、又は3〜10度の傾斜角で分布する光学素子。
- 請求項1〜5において、凹部がその光路変換斜面に基づき透明基材の端面又は角部、あるいはそれらの外側に設定された一箇所又は二箇所以上の仮想中心に対してピット状に分布する光学素子。
- 請求項1〜7において、透明基材が形成する平面に対する光路変換斜面の傾斜角が38〜45度である光学素子。
- 請求項1〜8において、透明基材の片面に占める光出射手段の凹部開口に基づく面積が1/5以下である光学素子。
- 請求項1〜9において、光出射手段を形成する凹部の配置が不規則である光学素子。
- 請求項1〜10において、光出射手段を形成する凹部が透明基材における端面又は仮想中心から遠離るに従って密に配置されてなる光学素子。
- 請求項1〜11において、透明基材の光出射手段を有しない側に透明な接着手段を有する光学素子。
- 請求項12において、接着手段が屈折率が1.49以上の粘着層である光学素子。
- 請求項1〜13において、フィルムからなる透明基材の光出射手段を有しない側に偏光板又は透明板が積層されてなる光学素子。
- 請求項12又は13において、接着手段の表面に剥離シートを有する光学素子。
- 透明基材からなる被照射膜にレーザー光を照射して被照射膜を部分的に除去するレーザーエッチングにて凹部を形成する操作を繰り返して光出射手段を形成することを特徴とする請求項1〜11に記載の光学素子の製造方法。
- 請求項16に記載の製造方法による光学素子の光出射手段を形成した面上に電気鋳造により金属層を形成し、それを光学素子と分離して光出射手段を形成した面の形態を転写した金型を得る工程、その金型における光出射手段を形成しうる凸部を有する面の形態を透明基材に転写した後、それを金型より分離する工程を有することを特徴とする請求項1〜11に記載の光学素子の製造方法。
- 請求項17において、金型における光出射手段を形成しうる凸部を有する面の形態の転写を、当該凸部を有する面に放射線硬化型樹脂を密着させてその光出射手段の形状を写した成形層を形成し、その成形層に放射線を照射して硬化させることにより行う請求項1〜11に記載の光学素子の製造方法。
- 請求項18において、成形層の上に透明基材を密着させた状態でその透明基材側より放射線を照射して成形層を硬化させる請求項1〜11に記載の光学素子の製造方法。
- 請求項1〜14に記載の光学素子又は請求項16〜19に記載の方法による光学素子を液晶表示パネルにおける液晶セルの少なくとも片側に配置してなることを特徴とする液晶表示装置。
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