JP3489741B2 - 希土類焼結磁石およびその製造方法 - Google Patents
希土類焼結磁石およびその製造方法Info
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Description
土類磁石およびその製造方法に関する。
類元素Rとしては、主にNdおよび/またはPrが用い
られてきた。その理由は、これらの希土類元素が特に優
れた磁気特性をもたらすためである。
大し、NdやPrの消費量が急激に増加しているため、
貴重な資源であるNdやPrの効率的利用を図るととも
に、R−Fe−B系磁石の材料コストを低く抑えること
が強く求められている。
減らす最も簡単な方法は、NdやPrと同様の働きをす
る希土類元素でNdやPrを置換することである。しか
しながら、NdやPr以外の希土類元素をR−Fe−B
系希土類磁石に添加すると、磁化などの磁気特性が劣化
してしまうことが知られており、今まで、NdやPr以
外の希土類元素がR−Fe−B系希土類磁石の製造に用
いられることはほとんど無かった。
ウム(Y)をNdとともに原料に添加し、その原料を溶
解・凝固してR−Fe−B系合金を作製すると、Yは合
金主相の中に取り込まれる。R−Fe−B系合金の主相
は、本来、正方晶のR2Fe1 4B型結晶構造を有してお
り、そのRがNdやPr(およびこれらと置換するDy
やTbなど)で構成されているときに最も高い磁化を示
すことが知られている。このような主相を構成するR2
Fe14B型結晶構造のRがYなどの希土類元素で一部ま
たは全部置換されると、磁化が大きく低下してしまう。
あるCeを添加したR−Fe−B系磁石がProc. 16th I
nter. Workshop on Rare Earth Magnets and their App
lications, 2000. P99に報告されている。この報告によ
れば、Ceの添加により残留磁束密度Brが単調に減少
している。
れらと置換するDyやTbなど)以外の磁化を低下させ
る希土類元素Rを原料に添加することは、できるかぎり
避けなければならないことと考えられている。
はなく、粒界相にも存在し、焼結過程に際して液相を形
成するという重要な働きをしている。しかし、粒界相に
存在するNdやPrは焼結過程で重要な働きをするとし
ても、粒界相では非磁性相を形成し、磁化の向上には何
ら寄与していない。言いかえると、原料として投入した
NdやPrのある部分は常に非磁性相の形成に消費さ
れ、磁石特性には直接的に寄与していないことになる。
性を効果的に発揮させるには、NdやPrのほとんどを
R2Fe14B型結晶相内に取り込むことが好ましい。し
かしながら、従来、これを実現する技術は存在していな
かった。
石の耐熱性を改善するため、原料合金にCoを添加する
ことにより、正方晶のR2Fe14B型結晶構造を有する
主相中におけるFeの一部をCoで置換することが行な
われている。Feの一部がCoで置換されると、主相の
キュリー温度が上昇するため、より高い温度環境下で
も、優れた磁石特性を発揮することが可能になる。
り高性能の磁石が必要とされるようになり、フェライト
磁石よりも高い性能を有するR−Fe−B系希土類磁石
を用いることが求められつつある。しかしながら、R−
Fe−B系希土類磁石の耐熱性は、自動車用モータのよ
うに高温環境下で使用するには不充分であり、その耐熱
性を更に向上させることが強く要求されている。
向上させるには、より多くのCoを添加することが好ま
しいと考えられる。しかし、原料合金に添加されたCo
は、焼結磁石の主相中においてFeと置換するだけでは
なく、粒界相にも存在し、そこでNdCo2化合物(ま
たはPrCo2化合物)を形成する。すなわち、添加し
たCoの一部は、Feの置換に用いられることなく、粒
界相において無駄に消費されることになる。更には、こ
のNdCo2化合物が強磁性体であるため、焼結磁石の
保磁力を低下させるという問題も発生する。このため、
Co添加量を単純に増加させるだけでは、主相における
FeをCoで効率的に置換できず、また、上記化合物の
増加によってR−Fe−B系希土類磁石の保磁力を大き
く低下させてしまうことになる。
であり、その目的とするところは、粒界相で非磁性相を
構成するNdやPrの量が低減され、しかも、優れた磁
気特性を示す希土類焼結磁石およびその製造方法を提供
することにある。
良く主相に取り込むことにより、優れた磁気特性を発揮
する希土類焼結磁石およびその製造方法を提供すること
にある。
は、組成式が(R1x+R2y)T100-x-y-zQzで表現さ
れ(R1はLa(ランタン)、Y(イットリウム)およ
びSc(スカンジウム)を除く全ての希土類元素からな
る群から選択された少なくとも1種の元素、R2はL
a、Y、およびScからなる群から選択された少なくと
も1種の元素、Tは全ての遷移元素からなる群から選択
された少なくとも1種の元素、QはBおよびCからなる
群から選択された少なくとも1種の元素)、Nd2Fe
14B型結晶構造を有する結晶粒を主相として含む希土類
焼結磁石であって、組成比率x、y、およびzが、それ
ぞれ、8≦x≦18at%、0.1≦y≦3.5at
%、および3≦z≦20at%を満足し、R2の濃度が
前記結晶粒中よりも粒界相中において高い。
(x+y)≦0.23の関係式を満足することが好まし
い。
が好ましい。
000ppm以下であることが好ましい。
は、組成式が(R1x+R2y)T100- x-y-zQzで表現さ
れる希土類合金(R1はLa、Y、およびScを除く全
ての希土類元素からなる群から選択された少なくとも1
種の元素、R2はLa、Y、およびScからなる群から
選択された少なくとも1種の元素、Tは全ての遷移元素
からなる群から選択された少なくとも1種の元素、Qは
BおよびCからなる群から選択された少なくとも1種の
元素)の粉末であって、組成比率x、y、およびzが、
それぞれ、8≦x≦18at%、0.1≦y≦3.5a
t%、および3≦z≦20at%を満足する合金の粉末
を用意する工程と、前記希土類合金の粉末を焼結する工
程とを包含し、焼結前においては前記希土類合金中のN
d2Fe14B型結晶構造を有する主相結晶粒中に存在し
ていたR2を焼結過程中に粒界相へ拡散させ、それによ
って、R2の濃度を前記結晶粒中よりも粒界相の少なく
とも一部において高くする。
重量比率で2000ppm以上8000ppm以下であ
ることが好ましい。
土類合金中の粒界相中に存在していたR1を焼結過程中
に前記主相結晶粒中へ拡散させる働きをしている。ま
た、前記焼結工程は、前記粒界相中においてR2の酸化
物を形成する。
囲内の温度で10〜240分間保持する第1の工程と、
前記第1の工程における保持温度よりも高い温度で焼結
を更に進める第2の工程とを包含することが好ましい。
されたガス中で粉砕されたものであることが好ましい。
000ppm以下に管理されたガス中で粉砕されたもの
であることが好ましい。
S粒度)は5μm以下であることが好ましい。
は、酸化層が薄く形成されていることが好ましい。
1x+R2y)(T1p+T2q)100- x-y-z-rQzMrで表
現され(R1はLa(ランタン)、Y(イットリウム)
およびSc(スカンジウム)を除く全ての希土類元素か
らなる群から選択された少なくとも1種の元素、R2は
La、Y、およびScからなる群から選択された少なく
とも1種の元素、T1はFe、T2はFeを除く全ての
遷移元素からなる群から選択された少なくとも1種の元
素、QはBおよびCからなる群から選択された少なくと
も1種の元素、MはAl、Ga、Sn、およびInから
なる群から選択された少なくとも1種の元素)、Nd2
Fe14B型結晶構造を有する結晶粒を主相として含む希
土類焼結磁石であって、組成比率x、y、z、p、q、
およびrが、それぞれ、 8≦x+y≦18at%、 0<y≦4at%、 3≦z≦20at%、 0<q≦20at%、 0≦q/(p+q)≦0.3、および 0≦r≦3at%、 を満足し、R2の濃度が前記結晶粒中よりも粒界相の少
なくとも一部において高い。
係式を満足することが好ましい。
が好ましい。
好ましい。
000ppm以下であることが好ましい。
は、組成式が(R1x+R2y)(T1 p+T2q)
100-x-y-z-rQzMrで表現され(R1はLa(ランタ
ン)、Y(イットリウム)およびSc(スカンジウム)
を除く全ての希土類元素からなる群から選択された少な
くとも1種の元素、R2はLa、Y、およびScからな
る群から選択された少なくとも1種の元素、T1はF
e、T2はFeを除く全ての遷移元素からなる群から選
択された少なくとも1種の元素、QはBおよびCからな
る群から選択された少なくとも1種の元素、MはAl、
Ga、Sn、およびInからなる群から選択された少な
くとも1種の元素)、Nd2Fe14B型結晶構造を有す
る結晶粒を主相として含む希土類焼結磁石であって、組
成比率x、y、z、p、q、およびrが、それぞれ、 8≦x+y≦18at%、 0<y≦4at%、 3≦z≦20at%、 0<q≦20at%、 0≦q/(p+q)≦0.3、および 0≦r≦3at%、 を満足する合金の粉末を用意する工程と、前記希土類合
金の粉末を焼結する工程とを包含し、焼結前においては
前記希土類合金中のNd2Fe14B型結晶構造を有する
主相結晶粒中に存在していたR2を焼結過程中に粒界相
へ拡散させ、それによって、R2の濃度を前記結晶粒中
よりも粒界相の少なくとも一部において高くする。
重量比率で2000ppm以上8000ppm以下であ
ることが好ましい。
は、焼結前においては前記希土類合金中の粒界相中に存
在していたR1を焼結過程中に前記主相結晶粒中へ拡散
させる。
は、前記粒界相中においてR2の酸化物を形成する。
囲内の温度で10〜240分間保持する第1の工程と、
前記第1の工程における保持温度よりも高い温度で焼結
を更に進める第2の工程とを包含することが好ましい。
されたガス中で粉砕されたものであることが好ましい。
000ppm以下に管理されたガス中で粉砕されたもの
であることが好ましい。
S粒度)は5μm以下であることが好ましい。
施形態では、Nd以外にY、La、Scを添加し、これ
らを粒界相に濃縮させることにより、Yなどの添加がな
ければ粒界相で非磁性相の生成に消費されたであろうN
dを粒界相から主相結晶粒内に拡散させ、ハード磁性を
担う主相(Nd2Fe14B相)の構成元素として有効に
活用する。なお、ここでいうNd2Fe14B相とは、N
dの一部がPr、Dy、および/またはTbで置換され
ている相を含むものとする。
は主相であるNd2Fe14B相内に存在し、粒界相で
は、Y、La、ScがNdに代わってNdの役割を果た
している。このため、磁化をほとんど低下させることな
く、Nd(Pr)の使用量を減少させることが可能にな
る。
鋳造合金やストリップキャスト合金などの原料合金の段
階では、主として主相中に存在し、磁化を低下させる。
本発明は、このような原料合金の粉末を形成した後、焼
結する際に主相中のYを粒界相に濃縮させる点に特徴を
有している。なお、インゴット鋳造法(冷却速度:10
2℃/秒未満)で合金溶湯を冷却する方が、Yを高い濃
度で主相中に存在させることができる。なお、ストリッ
プキャスト法などの急冷法での冷却速度は10 2℃/秒
以上である。
を説明する。
す図であり、NdやYが原料合金の段階から焼結過程を
経てどのように拡散し分布するのかを示している。
段階では、YはNdとともに主相結晶粒内に取り込まれ
ており、主相であるNd2Fe14B相を構成している。
インゴット合金では、粒界相におけるY濃度は粒内にお
けるY濃度よりも低い状態にあり、粒界相にはNd−r
ich相が形成されている。
は粒界にも存在するが、これは非平衡のためである。粒
界に存在するR2も以下の工程において主相に存在する
R2と同一の効果を有する。
焼結過程においてYを主相結晶粒内から粒界相に拡散さ
せ、Yの酸化物を粒界相で生成する。そのとき、逆方向
にNdを拡散させる。その結果、図1(c)に示すよう
に、粒界相におけるY濃度を主相結晶粒内におけるY濃
度よりも高くし、主相に含まれるYを減少させ、磁化を
増大させることができる。
現するには、焼結過程に際して、適切な量の酸素を粒界
相に存在させておく必要があると考えられる。すなわ
ち、本発明では、上記拡散を引き起こすために、Ndよ
りもYの方が酸素と安定して結合し、酸化物を形成する
という性質を利用しているからである。このような酸素
を粒界相に導入するには、例えば粉砕工程で粉末表面を
薄く酸化することが好ましい。
詳細に説明する。
2y)T100-x-y-zQzで表現される希土類合金を用意す
る。ここで、R1はY(イットリウム)、La(ランタ
ン)およびSc(スカンジウム)を除く全ての希土類元
素からなる群から選択された少なくとも1種の元素、R
2はLa、Y、およびScからなる群から選択された少
なくとも1種の元素、Tは全ての遷移元素からなる群か
ら選択された少なくとも1種の元素、QはBおよびCか
らなる群から選択された少なくとも1種の元素であり、
組成比率x、yおよびzは、それぞれ、8≦x≦18a
t%、0.1≦y≦3.5at%、および3≦z≦20
at%を満足する。
インゴット鋳造法や急冷法(ストリップキャスティング
法や遠心鋳造法など)を用いることができる。以下、ス
トリップキャスティング法を用いる場合を例にとって、
原料合金の作製方法を説明する。
囲気中において高周波溶解によって溶融し、合金溶湯を
形成する。次に、この合金溶湯を1350℃に保持した
後、単ロール法によって合金溶湯を急冷し、例えば厚さ
約0.3mmのフレーク状合金鋳塊を得る。このときの
急冷条件は、例えばロール周速度約1m/秒、冷却速度
500℃/秒、過冷却200℃とする。こうして作製し
た急冷合金鋳片を、次の水素粉砕前に、1〜10mmの
大きさのフレーク状に粉砕する。なお、ストリップキャ
スト法による原料合金の製造方法は、例えば、米国特許
第5,383,978号明細書に開示されている。
において、Yは主としてNd2Fe1 4Bの主相中に存在
している。
粉砕された原料合金鋳片を複数の原料パック(例えばス
テンレス鋼製)に充填し、ラックに搭載する。この後、
原料パックが搭載されたラックを水素炉の内部へ挿入す
る。次に、水素炉の蓋体を閉じ、水素脆化処理(以下、
「水素粉砕処理」と称する場合がある)工程を開始す
る。水素粉砕処理は、例えば図2に示す温度プロファイ
ルに従って実行する。図2の例では、まず真空引き過程
Iを0.5時間実行した後、水素吸蔵過程IIを2.5時
間実行する。水素吸蔵過程IIでは、炉内に水素ガスを供
給し、炉内を水素雰囲気にする。そのときの水素圧力
は、200〜400kPa程度が好ましい。
し、脱水素過程IIIを5.0時間実行した後、アルゴン
ガスを炉内に供給しつつ、原料合金の冷却過程IVを5.
0時間実行する。
較的に高い段階(例えば、100℃を超えるとき)で
は、常温の不活性ガスを水素炉の内部に供給し、冷却す
る。その後、原料合金温度が比較的低いレベルに低下し
た段階(例えば、100℃以下のとき)で、常温よりも
低い温度(例えば室温マイナス10℃程度)に冷却した
不活性ガスを水素炉内部に供給することが冷却効率の観
点から好ましい。アルゴンガスの供給量は、10〜10
0Nm3/min程度にすればよい。
低下したら、ほぼ常温(室温よりも低いが、室温との差
が5℃以下の範囲の温度)の不活性ガスを水素炉内部に
送風し、原料の温度が常温レベルに達するのを待つこと
が好ましい。こうすることによって、水素炉の蓋体を開
放した際に、炉内部で結露が生じる事態を避けることが
できる。結露によって炉内部に水分が存在していると、
次に行う真空引き工程でその水分が気化するため、真空
度を上昇させにくくなり、真空引き過程Iに要する時間
が長くなってしまうので好ましくない。
取り出す際、粗粉砕粉が大気と接触しないように、不活
性雰囲気下で取り出し動作を実行することが好ましい。
そうすれば、粗粉砕粉が酸化・発熱することが防止さ
れ、磁石の磁気特性が向上するからである。次に、粗粉
砕された原料合金は複数の原料パックに充填され、ラッ
クに搭載される。
m〜数mm程度の大きさに粉砕され、その平均粒径は5
00μm以下となる。水素粉砕後、脆化した原料合金を
ロータリクーラ等の冷却装置によって、より細かく解砕
するともに冷却することが好ましい。比較的高い温度状
態のまま原料を取り出す場合は、ロータリクーラ等によ
る冷却処理の時間を相対的に長くすれば良い。
分が水素を多く吸蔵し、その部分からクラックが形成さ
れるため、作製した粗粉砕粉の表面には、Ndが多く露
出しており、非常に酸化されやすい状態にある。
製された粗粉砕粉に対してジェットミル粉砕装置を用い
て微粉砕を実行する。本実施形態で使用するジェットミ
ル粉砕装置にはサイクロン分級機が接続されている。
粗く粉砕された希土類合金(粗粉砕粉)の供給を受け、
粉砕機内で粉砕する。粉砕機内で粉砕された粉末はサイ
クロン分級機を経て回収タンクに集められる。
ノズルから高速噴射された不活性ガスによって粉砕機内
に巻き上げられ、粉砕機内で高速気流とともに旋回す
る。そして、被粉砕物同士の相互衝突によって細かく粉
砕される。
昇気流に乗って分級ロータに導かれて分級ロータで分級
され、粗い粉体は分級ロータを通り抜けられず、再度粉
砕されることになる。所定粒径以下に粉砕された粉体
は、サイクロン分級機の分級機本体内に導入される。分
級機本体内では、所定粒径以上の相対的な大きな粉末粒
子が下部に設置された回収タンクに堆積されるが、超微
粉は不活性ガス気流とともに排気パイプから外部に排出
される。
に導入する不活性ガス中に僅かに酸素(20000pp
m以下、例えば10000ppm程度)を混入する。こ
れにより、微粉砕粉の表面を適度に酸化し、微粉砕粉が
大気雰囲気と接触したときに急激な酸化・発熱が生じな
いようにしている。
せるには、粉末表面の酸化が重要な役割を果たしている
と考えられる。本発明者の検討によれば、粉末中の酸素
量が重量比率で2000ppm以上8000ppm以下
の範囲内に調節することが好ましい。
粗粉砕粉は、その表面が酸化されやすいため、水素粉砕
は、焼結工程でYを主相から粒界相中に拡散させるのに
好ましい効果をもたらす。
め、粉末の平均粒径(FSSS粒度)を5μm以下、よ
り好ましくは4μm以下にすることが好ましい。これ
は、粒径が5μmを超えて大きくなると、Yの拡散距離
が長くなり過ぎるため、結晶粒(主相)内に残存するY
の量が増え、磁化が低下してしまうためである。
れず、アトライタやボールミルであってもよい。
で作製された磁性粉末に対し、ロッキングミキサー内で
潤滑剤を例えば0.3wt%添加・混合し、潤滑剤で合
金粉末粒子の表面を被覆する。潤滑剤としては、脂肪酸
エステルを石油系溶剤で希釈したものを用いることがで
きる。本実施形態では、脂肪酸エステルとしてカプロン
酸メチルを用い、石油系溶剤としてはイソパラフィンを
用いる。カプロン酸メチルとイソパラフィンの重量比
は、例えば1:9とする。このような液体潤滑剤は、粉
末粒子の表面を被覆し、粒子の酸化防止効果を発揮する
とともに、プレス時の配向性および粉末成形性を向上さ
せる機能(成形体の密度が均一となり、ワレ・ヒビなど
の欠陥を無くすこと)を発揮する。
れるわけではない。脂肪酸エステルとしては、カプロン
酸メチル以外に、例えば、カプリル酸メチル、ラウリル
酸メチル、ラウリン酸メチルなどを用いても良い。溶剤
としては、イソパラフィンに代表される石油系溶剤やナ
フテン系溶剤等を用いることができる。潤滑剤添加のタ
イミングは任意であり、例えばジェットミル粉砕装置に
よる微粉砕前、微粉砕中、微粉砕後のいずれであっても
良い。液体潤滑剤に代えて、あるいは液体潤滑剤ととも
に、ステアリン酸亜鉛などの固体(乾式)潤滑剤を用い
ても良い。
知のプレス装置を用いて配向磁界中で成形する。
650〜1000℃の範囲内の温度で10〜240分間
保持する工程と、この後、上記の保持温度よりも高い温
度(例えば1000〜1100℃)で焼結を更に進める
工程とを順次行うことが好ましい。焼結時、特に液相が
生成されるとき(温度が650〜1000℃の範囲内に
あるとき)、粒界相中のNdが融け始めると、主相結晶
粒内に多く存在するYと粒界相において多く存在するN
dとの間で相互拡散が生じる。すなわち、Yは主相結晶
粒内部と粒界相との間における濃度勾配(「主相および
液相中でのY濃度差」に相当)に比例する拡散駆動力を
受けて主相から粒界相へと拡散し、これとは逆にNdは
粒界相から主相中へと拡散してゆくことになる。
いる酸素と結合し、酸化物となって消費されるため、拡
散駆動力となるYの濃度勾配は維持される。Ndに比較
してYの方が酸化物を安定して生成しやすいため、主相
中から液相中へのYの拡散が進行する一方で、液相のN
dは主相へと拡散する。
相に存在するNdを主相中に多く取り込むためには、前
述のように粉末中の酸素量が重量比率で2000ppm
以上8000ppm以下の範囲内に制御されることが好
ましい。酸素量が2000ppmを下回ると、Yの粒界
相への拡散が充分に行なわれず、主相中にYが多く残存
し、磁化が低下してしまうからである。逆に、酸素量が
8000ppmを超えて多くなりすぎると、希土類元素
が酸化物の生成に消費されてしまうため、液相生成に寄
与する希土類元素の量が減少してしまい、その結果、焼
結密度が低下したり、磁石特性が劣化してしまうことに
なるので好ましくない。このように、酸素濃度が制御さ
れた粉末を用いて形成した焼結磁石には、最終的に重量
比率で2000〜8000ppmの酸素が含まれてい
る。
水素が多すぎると、焼結工程が適切に進行しない可能性
があるが、本実施形態によれば、650〜1000℃の
範囲内の温度で行う熱処理工程中に水素が合金から離脱
するため、磁気特性に優れた焼結磁石が得られる。最終
的な焼結磁石中に含まれる水素濃度は、重量比率で5〜
100ppmである。
dやPrなどの主相に不可欠な希土類元素が粒界相で消
費されることを抑制でき、主相の磁化を高く維持し、優
れた磁気特性を発揮する希土類焼結磁石を提供すること
が可能になる。
いて、Y、La、およびCeの各々をNdとともに希土
類元素として添加した原料合金から焼結磁石を作製し
た。ただし、原料合金はインゴット鋳造法(溶湯冷却速
度:102℃/秒未満)で作製した。
残留磁束密度Brとの関係を示している。各焼結磁石の
組成式は、Nd11.8RE’2.4Fe79.7B6.1で表され
る。ここで、RE’は、Y、La、またはCeである。
を添加した場合、その添加量が増加するに従い、Brは
単調に低下している。これに対し、RE’としてYまた
はLaを添加した場合は、Ceを添加した場合と比較し
て、添加量が約3.5at%以下の領域でBrの低下は
極めて小さかった。特にYを添加した場合、Brの低下
する割合は極めて小さく、LaよりもYの方が添加元素
として好ましいことがわかる。
る。すなわち、添加量が3.5at%以下の場合はYや
Laが粒界相に存在し、主相にほとんど入らないため、
磁化の低下が生じないが、添加量が3.5at%を超え
る場合は、過剰なYやLaが粒界相に拡散することがで
きず、主相に多く含まれる結果、磁化の低下が明瞭に観
察されるようになる。一方のCeは、添加量の増加に応
じて磁化が単調に低下しているが、これは添加されたC
eが最初から主相中に取り込まれてゆくためと考えられ
る。
について、それらの組織をEPMA(電子線プローブ・
マイクロアナライザ)を用いて観察した。
電子像)、元素マッピング写真(蛍光X線像)、および
模式図を、図4〜図6に示す。図4(a)、図5(a)
および図6(a)に示す組成像写真においては、明るい
部分が粒界相を示し、暗い部分が主相結晶粒内を示して
いる。図4(b)および図5(b)の元素マッピング写
真からわかるように、YやLaは粒界相にほぼ均等に多
く存在し、主相から粒界相に偏析・濃縮していることが
確認された。これに対して、Ceは、図6(b)からわ
かるように焼結磁石内にほぼ均一に存在しており、Ce
が粒界相に濃縮されるような現象は観察されなかった。
(R1x+R2y)T100-x-y-zQzの組成式における組成
比率xおよびyは、0.01≦y/(x+y)≦0.2
3の関係式を満足することが好ましい。
形態を説明する。本実施形態では、NdやPrなどの希
土類元素以外にY、La、Scを添加し、これらの元素
を粒界相に濃縮させることにより、Yなどの添加がなけ
れば粒界相で強磁性化合物の生成に消費されたであろう
Coなどの遷移金属を主相結晶粒内に取り込み、ハード
磁性を担う主相(Nd2Fe14B相)のFeをCoなど
と有効に置換させる。なお、ここでいうNd2Fe14B
相とは、Ndの一部がPrやDyやTbで置換されてい
る相を含むものとする。
Coの多くは焼結磁石の主相であるNd2Fe14B相内
に存在する。これに対し、従来のようにY、La、また
はScを添加しない場合において、Coを多量に添加す
ると、Coは粒界相にも多く存在し、粒界相中で強磁性
化合物を生成する。前述したように、粒界相中にNdC
o2などの強磁性化合物が多く形成されると、主相中で
キュリー温度上昇に寄与するCoの量が減るだけでな
く、磁石全体の保磁力が低下してしまう。
に濃縮されるため、粒界相におけるCo濃度が低下し、
NdCo2よりもNd3Coが生成されやすくなる。Nd
3Coは非磁性化合物であるため、焼結磁石の保磁力低
下を引き起こすことはない。
界相に濃縮される結果、Nd(Pr)の多くが主相内に
効率的に取り込まれるため、磁化をほとんど低下させる
ことなく、Nd(Pr)の使用量を減少させることも可
能になる。
鋳造合金や急冷合金(ストリップキャスト合金)などの
原料合金の段階では、主に主相中に存在し、磁化を低下
させる。本実施形態は、このような原料合金の粉末を形
成した後、焼結する際に主相中のYを粒界相に濃縮させ
る点に特徴を有している。
おける磁石の特徴を説明する。
す図であり、Nd、Y、およびCoが原料合金の段階か
ら焼結過程を経てどのように拡散し、分布するのかを示
している。
段階では、YはNdとともに主相結晶粒内に取り込まれ
ており、主相であるNd2Fe14B相を構成している。
粒界相におけるY濃度は粒内におけるY濃度よりも低い
状態にあり、粒界相にはNd−rich相が形成されて
いる。Coは、主相および粒界相に存在している。
の急冷合金では、Y等のR2は粒界相にも存在するが、
これは非平衡状態のためである。粒界に存在するR2も
以下の工程において主相に存在するYと同一の効果を発
揮する。
焼結過程においてYを主相結晶粒内から粒界相に拡散さ
せ、Yの酸化物を粒界相で生成する。そのとき、逆方向
にNdを拡散させる。その結果、図7(c)に示すよう
に、粒界相におけるY濃度が主相結晶粒内におけるY濃
度よりも高くなり、主相に含まれるYが減少し、磁化が
増大する。このようなYおよびNdの相互拡散の結果、
粒界相はY主体の相に変化するため、Coも主相に移動
する。
相互拡散を実現するには、焼結過程に際して、適切な量
の酸素を粒界相に存在させておく必要があると考えられ
る。すなわち、本発明では、上記拡散を引き起こすため
に、NdよりもYの方が酸素と安定して結合し、酸化物
を形成するという性質を利用しているからである。この
ような酸素を粒界相に導入するには、例えば粉砕工程で
粉末表面を薄く酸化することが好ましい。
詳細に説明する。
QzMrで表現される希土類合金を用意する。ここで、R
1はLa(ランタン)、Y(イットリウム)およびSc
(スカンジウム)を除く全ての希土類元素からなる群か
ら選択された少なくとも1種の元素、R2はLa、Y、
およびScからなる群から選択された少なくとも1種の
元素、T1はFe、T2はFeを除く全ての遷移元素か
らなる群から選択された少なくとも1種の元素、QはB
およびCからなる群から選択された少なくとも1種の元
素、MはAl、Ga、Sn、およびInからなる群から
選択された少なくとも1種の元素であり、組成比率x、
y、z、p、q、およびrが、それぞれ、8≦x+y≦
18at%、0<y≦4at%、3≦z≦20at%、
0<q≦20at%、0<q/(p+q)≦0.3、お
よび0≦r≦3at%を満足する。なお、p+q=10
0−x−y−z−rが成立している。
ンゴット鋳造法やストリップキャスティング法を用いる
ことができる。以下、ストリップキャスティング法を用
いる場合を例にとり、原料合金の作製方法を説明する。
囲気中において高周波溶解によって溶融し、合金溶湯を
形成する。次に、この合金溶湯を1350℃に保持した
後、単ロール法によって合金溶湯を急冷し、例えば厚さ
約0.3mmのフレーク状合金鋳塊を得る。このときの
急冷条件は、例えばロール周速度約1m/秒、冷却速度
500℃/秒、過冷却200℃とする。こうして作製し
た急冷合金鋳片を、次の水素粉砕前に、1〜10mmの
大きさのフレーク状に粉砕する。なお、ストリップキャ
スト法による原料合金の製造方法は、例えば、米国特許
第5,383,978号明細書に開示されている。
において、YはNd2Fe14Bの主相中に存在してい
る。
粉砕された原料合金鋳片を複数の原料パック(例えばス
テンレス鋼製)に充填し、ラックに搭載する。この後、
原料パックが搭載されたラックを水素炉の内部へ挿入す
る。次に、水素炉の蓋体を閉じ、水素脆化処理(以下、
「水素粉砕処理」と称する場合がある)工程を開始す
る。水素粉砕処理は、例えば図2に示す温度プロファイ
ルに従って実行する。図2の例では、まず真空引き過程
Iを0.5時間実行した後、水素吸蔵過程IIを2.5時
間実行する。水素吸蔵過程IIでは、炉内に水素ガスを供
給し、炉内を水素雰囲気にする。そのときの水素圧力
は、200〜400kPa程度が好ましい。
過程IIIを5.0時間実行した後、アルゴンガスを炉内
に供給しつつ、原料合金の冷却過程IVを5.0時間実行
する。
較的に高い段階(例えば、100℃を超えるとき)で
は、常温の不活性ガスを水素炉の内部に供給し、冷却す
る。その後、原料合金温度が比較的低いレベルに低下し
た段階(例えば、100℃以下のとき)で、常温よりも
低い温度(例えば室温マイナス10℃程度)に冷却した
不活性ガスを水素炉10内部に供給することが冷却効率
の観点から好ましい。アルゴンガスの供給量は、10〜
100Nm3/min程度にすればよい。
低下したら、ほぼ常温(室温よりも低いが、室温との差
が5℃以下の範囲の温度)の不活性ガスを水素炉内部に
送風し、原料の温度が常温レベルに達するのを待つこと
が好ましい。こうすることによって、水素炉の蓋体を開
放した際に、炉内部で結露が生じる事態を避けることが
できる。結露によって炉内部に水分が存在していると、
真空引き工程でその水分が凍結・気化するため、真空度
を上昇させにくくなり、真空引き過程Iに要する時間が
長くなってしまうので好ましくない。
取り出す際、粗粉砕粉が大気と接触しないように、不活
性雰囲気下で取り出し動作を実行することが好ましい。
そうすれば、粗粉砕粉が酸化・発熱することが防止さ
れ、磁石の磁気特性が向上するからである。次に、粗粉
砕された原料合金は複数の原料パックに充填され、ラッ
クに搭載される。
m〜数mm程度の大きさに粉砕され、その平均粒径は5
00μm以下となる。水素粉砕後、脆化した原料合金を
ロータリクーラ等の冷却装置によって、より細かく解砕
するともに冷却することが好ましい。比較的高い温度状
態のまま原料を取り出す場合は、ロータリクーラ等によ
る冷却処理の時間を相対的に長くすれば良い。
は、Ndが多く露出しており、非常に酸化されやすい状
態にある。
製された粗粉砕粉に対してジェットミル粉砕装置を用い
て微粉砕を実行する。本実施形態で使用するジェットミ
ル粉砕装置にはサイクロン分級機が接続されている。
粗く粉砕された希土類合金(粗粉砕粉)の供給を受け、
粉砕機内で粉砕する。粉砕機内で粉砕された粉末はサイ
クロン分級機を経て回収タンクに集められる。
ノズルから高速噴射された不活性ガスによって粉砕機内
に巻き上げられ、粉砕機内で高速気流とともに旋回す
る。そして、被粉砕物同士の相互衝突によって細かく粉
砕される。
昇気流に乗って分級ロータに導かれて分級ロータで分級
され、粗い粉体は再度粉砕されることになる。所定粒径
以下に粉砕された粉体は、サイクロン分級機の分級機本
体内に導入される。分級機本体内では、所定粒径以上の
相対的な大きな粉末粒子が下部に設置された回収タンク
に堆積されるが、超微粉は不活性ガス気流とともに排気
パイプから外部に排出される。
に導入する不活性ガス中に僅かに酸素(20000pp
m以下、例えば10000ppm程度)を混入する。こ
れにより、微粉砕粉の表面を適度に酸化し、微粉砕粉が
大気雰囲気と接触したときに急激な酸化・発熱が生じな
いようにしている。
せるには、粉末表面の酸化が重要な役割を果たしている
と考えられる。本発明者の検討によれば、粉末中の酸素
量が重量比率で2000ppm以上8000ppm以下
の範囲内に調節することが好ましい。
め、粉末の平均粒径(FSSS粒度)を5μm以下、よ
り好ましくは4μm以下にすることが好ましい。これ
は、粒径が5μmを超えて大きくなると、Yの拡散距離
が長くなり過ぎるため、結晶粒(主相)内に残存するY
の量が増え、磁化が低下してしまうためである。
で作製された磁性粉末に対し、ロッキングミキサー内で
潤滑剤を例えば0.3wt%添加・混合し、潤滑剤で合
金粉末粒子の表面を被覆する。潤滑剤としては、脂肪酸
エステルを石油系溶剤で希釈したものを用いることがで
きる。本実施例では、脂肪酸エステルとしてカプロン酸
メチルを用い、石油系溶剤としてはイソパラフィンを用
いる。カプロン酸メチルとイソパラフィンの重量比は、
例えば1:9とする。このような液体潤滑剤は、粉末粒
子の表面を被覆し、粒子の酸化防止効果を発揮するとと
もに、プレス時の配向性および粉末成形性を向上させる
機能(成形体の密度が均一となり、ワレ・ヒビなどの欠
陥を無くすこと)を発揮する。
れるわけではない。脂肪酸エステルとしては、カプロン
酸メチル以外に、例えば、カプリル酸メチル、ラウリル
酸メチル、ラウリン酸メチルなどを用いても良い。溶剤
としては、イソパラフィンに代表される石油系溶剤やナ
フテン系溶剤等を用いることができる。潤滑剤添加のタ
イミングは任意であり、例えばジェットミル粉砕装置に
よる微粉砕前、微粉砕中、微粉砕後のいずれであっても
良い。液体潤滑剤に代えて、あるいは液体潤滑剤ととも
に、ステアリン酸亜鉛などの固体(乾式)潤滑剤を用い
ても良い。
知のプレス装置を用いて配向磁界中で成形する。
650〜1000℃の範囲内の温度で10〜240分間
保持する工程と、この後、上記の保持温度よりも高い温
度(例えば1000〜1100℃)で焼結を更に進める
工程とを順次行う。焼結時、特に液相が生成されるとき
(温度が650〜1000℃の範囲内にあるとき)、粒
界相中のNdが融け始めると、主相結晶粒内に多く存在
するYと粒界相において多く存在するNdとの間で相互
拡散が生じる。すなわち、Yは主相結晶粒内部と粒界相
との間における濃度勾配(「主相および液相中でのY濃
度差」に相当)に比例する拡散駆動力を受けて主相から
粒界相へと拡散し、これとは逆にNdは粒界相から主相
中へと拡散してゆくことになる。
00〜8000ppmの焼結体を得ることができる。ま
た、650〜1000℃の範囲で行う熱処理で含有水素
量が減少するため、最終的な焼結体中の水素量は重量比
率で5〜100ppmの範囲内に抑えられる。
いる酸素と結合し、酸化物となって消費されるため、拡
散駆動力となるYの濃度勾配は維持される。Ndに比較
してYの方が酸化物を安定して生成しやすいため、主相
中から液相中へのYの拡散が進行する一方で、液相のN
dは主相へと拡散する。このとき、粒界相はY主体の相
となるため、体積比率の関係から、Coは主相に移動
し、主相のFeと一部置換する。
相に存在するNdやCoなどを主相中に多く取り込むた
めには、前述のように粉末中の酸素量が重量比率で20
00ppm以上8000ppm以下の範囲内に制御され
ることが好ましい。酸素量が2000ppmを下回る
と、Yの粒界相への拡散が充分に行なわれず、主相中に
Yが多く残存し、磁化が低下してしまうからである。逆
に、酸素量が8000ppmを超えて多くなりすぎる
と、希土類元素が酸化物の生成に消費されてしまうた
め、液相生成に寄与する希土類元素の量が減少してしま
い、その結果、焼結密度が低下したり、主相比率の減少
によって磁石特性が劣化してしまうことになるので好ま
しくない。
れらの元素を粒界相に濃縮することにより、Coなどの
遷移金属元素、ならびにNdやPrなどの主相に不可欠
な希土類元素が粒界相で消費されることを抑制すること
が可能である。
は、具体的には、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、Luの少なくとも一種類の元素
を用いることができる。充分な磁化を得るには、希土類
元素R1のうちの50at%以上がPrまたはNdのい
ずれかまたは両方によって占められることが好ましい。
%を下回ると、α−Fe相の析出によって保磁力が低下
するおそれがある。また、希土類元素(R1+R2)の
合計が18at%を超えると、目的とする正方晶Nd2
Fe14B型化合物以外にRリッチの第2相が多く析出
し、磁化が低下するおそれがある。このため、希土類元
素(R1+R2)の合計は、全体の8〜18at%の範
囲内にあることが好ましい。
Cr、Mn、Cu、Zr、Nb、Moなどの遷移金属元
素が好適に用いられる。遷移金属元素(T1+T2)の
うち、T1、すなわちFeの占める割合は50at%以
上であることが好ましい。Feの割合が50at%を下
回ると、Nd2Fe14B型化合物の飽和磁化そのもの
が減少するからである。本発明では、R2が粒界相に集
まる結果、添加したT2が効率良く主相内に取り込まれ
る。R2が粒界相で望ましくない化合物を多く形成する
ことがなくなるため、R2の添加量を従来よりも多くす
ることが可能になる。本発明では、T2の添加量を20
at%まで増大させることが可能である。
Nd2Fe14B型結晶構造を安定的に析出するために
必須である。Qの添加量が3at%未満ではR2T17
相が析出するため保磁力が低下し、減磁曲線の角型性が
著しく損なわれる。また、Qの添加量が20at%を超
えると、磁化の小さな第2相が析出してしまう。従っ
て、Qの含有量は3〜20at%の範囲であることが好
ましい。
は、他の添加元素Mを付与してもよい。添加元素Mとし
ては、Al、Ga、Sn、およひInからなる群から選
択された少なくとも1種類の元素が好適に使用される。
このような添加元素Mは全く添加されなくても良い。添
加する場合は、添加量を3at%以下にすることが好ま
しい。添加量が3at%を超えると、強磁性相ではなく
第2相が析出して磁化が低下するからである。なお、磁
気的に等方性の磁粉を得るには添加元素Mは不要だが、
固有保磁力を高めるためにAl、Cu、Ga等を添加し
てもよい。
2の実施形態の実施例を説明する。
(T1p+T2q)100-x-y-zQzMrの組成式において、
R1がNdおよびDy、R2がY(イットリウム)、T
1がFe、T2がCo、QがB(ホウ素)、MがCuお
よびAlとなる種々の組成を有する原料合金を用意し
た。各元素の組成比率は、Ndが5〜10at%、Dy
が4at%、Yが0〜5at%、Coが0〜6at%、
Bが6at%、Cuが0.2at%、Alが0.4at
%、Feが残余となるように調節した。
加熱することによって合金の溶湯を作製し、その合金溶
湯を水冷鋳型に注ぎ込んだ。合金溶湯は冷却され、厚さ
5mm程度の合金鋳片が得られた。
排気しながら600℃程度に加熱することによって脆化
させた(水素処理)。この水素処理によって合金から粗
粉砕粉が得られた。その粗粉砕粉をジェットミルで微粉
砕し、平均粒径(FSSS粒度)が約3.5μmの粉末
を作製した。ジェットミルの粉砕雰囲気は酸素を100
00体積ppm程度含む窒素ガスとした。
a(メガパスカル)でプレスし、55mm×25mm×
20mmのサイズを有する成形体を作製した。プレスに
際して、プレス方向に垂直な方向に配向磁界を印加し、
粉末を配向させた。
結した。焼結温度は1060℃、焼結時間は約4時間と
した。
リー点と保磁力を評価した。
at%の場合におけるキュリー温度(キュリー点)とY
添加量との関係を示すグラフである。図9は、Y添加量
が0at%、1at%、3at%、および5at%の場
合における保磁力HcjとCo添加量との関係を示すグラ
フである。
0at%から増加させるに連れてキュリー温度は上昇す
るが、あるレベルでほぼ飽和している。この飽和レベル
は、Co添加量が多いほど高い。図8から、Coのキュ
リー温度上昇効果がY添加によって増大することが確認
できる。
量が増加すると、保磁力は急激に低下してゆくのに対し
て、適量のYを添加した場合、保磁力低下を招くことな
く、Co添加量を増大させることができる。言いかえる
と、Y添加により、保磁力の大幅低下を避けながら、C
o添加量を増加させて、それによってキュリー温度を充
分に向上させることが可能になる。
Co添加量が約2at%を超えると、保磁力の低下が大
きくなってくる。これは、Yを全く添加しない場合、C
o添加量を多くするほど、粒界相中に形成されるNdC
o2(強磁性化合物)の量が増大するためと考えられ
る。
場合とY添加量が1at%の場合との間に保磁力の大き
な差異は観察されない。しかし、Co添加量が約3at
%程度以上になると、Yを添加しない場合の保磁力はC
o添加量の増加にしたがって大きく低下して行くのに対
して、Yを添加した場合の保磁力は、Co添加量によら
ず、ほぼ一定の大きさを保持している。これは、Y添加
の効果として、粒界相に形成されるNdCo2(強磁性
化合物)の量が低く抑えられるからである。ただし、Y
添加量が大きくなり過ぎると(例えば5at%以上にな
ると)、粒界相中のY酸化物が増加し、保磁力が低下す
る。発明者の実験によると、Y添加量の好ましい範囲
は、0<y≦4at%、更に好ましい範囲は0.5<y
≦3at%である。なお、保磁力の低下をできる限り避
けるという観点から、Y添加量の上限を更に低く制限す
ると、それは約2at%となる。
添加量を20at%まで引き上げることが可能になる。
本発明の場合、Co添加量の好ましい範囲は、0<q≦
20at%であり、より好ましい範囲は0<q≦15a
t%である。
成を有するインゴット合金および焼結磁石について、そ
れらの組織をEPMA(電子線プローブ・マイクロアナ
ライザ)を用いて観察した。
び元素マッピング写真を示し、図11は焼結磁石の組成
像写真および元素マッピング写真を示す。
成像写真においては、明るい部分が粒界相を示し、暗い
部分が主相結晶粒内を示している。
(f)は、それぞれ、Nd、Dy、Co、Fe、および
Yのマッピング写真を示している。
るようにインゴット合金の段階では、Ndは粒界相中に
多く存在している。また、図10(a)および(d)を
比較してわかるように、この段階ではCoも粒界相に多
く存在している。これに対し、Yは、図10(a)およ
び(f)を比較してわかるように、主相中に多く存在し
ている。
からわかるように粒界相中に多く存在し(粒界相中に濃
縮され)、Coは、図11(a)および(d)を比較し
てわかるように主相中に多く取り込まれている。
縮する結果、Coが粒界相から主相中に移動することが
わかった。そして、主相では、CoがFeと置換し、キ
ュリー温度上昇に寄与する。従来のように粒界相中にC
oが多く存在する場合は、焼結後に強磁性のNdCo2
が多く形成されるのに対して、本発明ではYの働きによ
り粒界相内のCo濃度が大きく低下する結果、粒界相で
は強磁性のNdCo2がほとんど形成されず、保磁力低
下が抑制される。
100-x-y-zQzMrの組成式における組成比率xおよびy
は、0.01≦y/(x+y)≦0.23の関係式を満
足することが好ましい。
土類元素Rが酸化しやすいために耐食性が低く、その結
果として磁気特性が劣化するという問題がある。R−F
e−B系磁石の耐食性が低い理由は、次のように考えら
れる。すなわち、R−Fe−B系磁石中の粒界に存在し
ているNdやPrが大気中の水分と反応して水酸化物を
構成する。この水酸化物の形成に伴って粒界で体積膨張
が生じるため、強い応力が局所的に発生し、磁石の一部
に脱粒が発生する。このような脱粉が発生した部位から
酸化や腐食が進行しやすくなる。
石について、その耐食性を評価した。この耐食性評価に
用いた試料の組成(at%)は、以下の表1に示すとお
りである。
125℃、相対湿度85%の加速試験環境下で24時間
保持する耐食性テストを行った。なお、耐食性の程度
は、腐食によって発生する脱粒量によって評価した。
有意の差は認められなかった。しかし、試料3では、脱
粒量が試料1の1/2程度となり、試料4では脱粉量が
試料1の1/5程度となった。
が強く、水酸化物を構成することなく酸化物として安定
に存在する。このため、Yが粒界に存在すると、水酸化
物の形成に伴う体積膨張が生じにくく、脱粉も生じにく
くなると考えられる。これは、Y添加による特殊な効果
であり、Yに代えてLaを添加した場合には得られな
い。
することにより、NdやPrなどの主相に不可欠な希土
類元素を粒界相で消費することなく効率的に利用し、主
相の磁化を高く維持し、優れた磁気特性を発揮する希土
類焼結磁石を提供することが可能になる。
の希土類元素R2を粒界相に集めることにより、主相に
おいて磁気特性向上に寄与する元素(CoやNiなど)
を粒界相で無駄に消費することなく主相中に効率的に取
り込むことができる。また、NdやPrなどの主相に不
可欠な希土類元素をも主相に取り込むことができる。こ
のため、これらの元素の効率的利用を図りながら、耐熱
性などの磁石性能を更に高めることが可能になる。
は、原料合金の段階における組織構造を示し、(b)は
焼結過程における組織構造を示し、(c)は焼結磁石の
組織構造を示している。
ける温度プロファイルの一例を示すグラフである。
Y、La、またはCe)の組成式で表される焼結磁石に
おいて、Y、La、およびCeの添加量と残留磁束密度
Brとの関係を示すグラフである。
B6.1)の組成像写真、(b)は、焼結磁石AのYマッ
ピング写真、(c)は焼結磁石Aの組織を模式的に示す
図である。
79.7B6.1)の組成像写真、(b)は、焼結磁石BのL
aマッピング写真、(c)は焼結磁石Bの組織を模式的
に示す図である。
79.7B6.1)の組成像写真、(b)は、焼結磁石CのC
eマッピング写真、(c)は焼結磁石Cの組織を模式的
に示す図である。
は原料合金の段階における組織構造を示し、(b)およ
び(c)は焼結過程における組織構造を示し、(d)は
焼結磁石の組織構造を示している。
びCo添加量の関係を示すグラフでりある。グラフの縦
軸がキュリー温度、横軸がY添加量である。
係を示すグラフである。グラフの縦軸が保磁力、横軸が
Co添加量である。
写真を示し、(a)は、組成像写真、(b)〜(f)
は、それぞれ、Nd、Dy、Co、Fe、およびYのマ
ッピング写真である。
写真を示し、(a)は、組成像写真、(b)〜(f)
は、それぞれ、Nd、Dy、Co、Fe、およびYのマ
ッピング写真である。
Claims (14)
- 【請求項1】 組成式が(R1x+R2y)T100-x-y-z
Qzで表現され(R1はLa(ランタン)、Y(イット
リウム)およびSc(スカンジウム)を除く全ての希土
類元素からなる群から選択された少なくとも1種の元
素、R2はLa、Y、およびScからなる群から選択さ
れた少なくとも1種の元素であり、Yを必ず含み、Tは
全ての遷移元素からなる群から選択された少なくとも1
種の元素、QはBおよびCからなる群から選択された少
なくとも1種の元素)、Nd2Fe14B型結晶構造を有
する結晶粒を主相として含む希土類焼結磁石であって、 組成比率x、y、およびzが、それぞれ、 8≦x≦18at%、 0.1≦y≦3.5at%、および 3≦z≦20at%、 を満足し、 酸素量が重量比率で2000ppm以上8000ppm
以下であり、R2の濃度が前記結晶粒中よりも粒界相の
少なくとも一部において高い希土類焼結磁石。 - 【請求項2】 組成比率xおよびyが、0.01≦y/
(x+y)≦0.23の関係式を満足する請求項1に記
載の希土類焼結磁石。 - 【請求項3】 組成式が(R1x+R2y)T100-x-y-z
Qzで表現される希土類合金(R1はLa、Y、および
Scを除く全ての希土類元素からなる群から選択された
少なくとも1種の元素、R2はLa、Y、およびScか
らなる群から選択された少なくとも1種の元素であり、
Yを必ず含み、Tは全ての遷移元素からなる群から選択
された少なくとも1種の元素、QはBおよびCからなる
群から選択された少なくとも1種の元素)の粉末であっ
て、組成比率x、y、およびzが、それぞれ、8≦x≦
18at%、0.1≦y≦3.5at%、および3≦z
≦20at%を満足する合金を用意する工程と、酸素を含み、かつ酸素濃度が20000ppm以下に管
理されたガス中で前記合金を粉砕する ことによって前記
合金の粉末を作製する工程と、 前記希土類合金の粉末を焼結する工程と、を包含し、 前記焼結工程は、650〜1000℃の範囲内の温度で
10〜240分間保持する第1の工程と、前記第1の工
程における保持温度よりも高い温度で焼結を更に進める
第2の工程とを包含し、 焼結前においては前記希土類合金中のNd2Fe14B型
結晶構造を有する主相結晶粒中に存在していたR2を焼
結過程中に粒界相へ拡散させ、それによって、R2の濃
度を前記結晶粒中よりも粒界相の少なくとも一部におい
て高くする希土類焼結磁石の製造方法。 - 【請求項4】 前記希土類合金の粉末に含まれる酸素量
は重量比率で2000ppm以上8000ppm以下で
ある請求項3に記載の希土類焼結磁石の製造方法。 - 【請求項5】 前記焼結工程は、焼結前においては前記
希土類合金中の粒界相中に存在していたR1を焼結過程
中に前記主相結晶粒中へ拡散させる請求項3または4に
記載の希土類焼結磁石の製造方法。 - 【請求項6】 前記焼結工程は、前記粒界相中において
R2の酸化物を形成する請求項3から5のいずれかに記
載の希土類焼結磁石の製造方法。 - 【請求項7】 前記希土類合金の粉末の平均粒径(FS
SS粒度)は5μm以下である請求項3から6のいずれ
かに記載の希土類焼結磁石の製造方法。 - 【請求項8】 組成式が(R1x+R2y)(T1p+T
2q)100-x-y-z-rQzMrで表現され(R1はLa(ラン
タン)、Y(イットリウム)およびSc(スカンジウ
ム)を除く全ての希土類元素からなる群から選択された
少なくとも1種の元素、R2はLa、Y、およびScか
らなる群から選択された少なくとも1種の元素であり、
Yを必ず含み、T1はFe、T2はFeを除く全ての遷
移元素からなる群から選択された少なくとも1種の元素
であり、必ずCoを含み、QはBおよびCからなる群か
ら選択された少なくとも1種の元素、MはAl、Ga、
Sn、およびInからなる群から選択された少なくとも
1種の元素)、 Nd2Fe14B型結晶構造を有する結晶粒を主相として
含む希土類焼結磁石であって、 組成比率x、y、z、p、q、およびrが、それぞれ、 8≦x+y≦18at%、 0<y≦4at%、 3≦z≦20at%、 0<q≦20at%、 0<q/(p+q)≦0.3、および 0≦r≦3at%、 を満足し、 酸素量が重量比率で2000ppm以上8000ppm
以下であり、R2の濃度が前記結晶粒中よりも粒界相の
少なくとも一部において高い希土類焼結磁石。 - 【請求項9】 組成比率yが、0.5≦y≦3at%の
関係式を満足する請求項8に記載の希土類焼結磁石。 - 【請求項10】組成式が(R1x+R2y)(T1p+T
2q)100-x-y-z-rQzMrで表現され(R1はLa(ラン
タン)、Y(イットリウム)およびSc(スカンジウ
ム)を除く全ての希土類元素からなる群から選択された
少なくとも1種の元素、R2はLa、Y、およびScか
らなる群から選択された少なくとも1種の元素であり、
Yを必ず含み、T1はFe、T2はFeを除く全ての遷
移元素からなる群から選択された少なくとも1種の元素
であり、必ずCoを含み、QはBおよびCからなる群か
ら選択された少なくとも1種の元素、MはAl、Ga、
Sn、およびInからなる群から選択された少なくとも
1種の元素)、 Nd2Fe14B型結晶構造を有する結晶粒を主相として
含む希土類焼結磁石の製造方法であって、 組成比率x、y、z、p、q、およびrが、それぞれ、 8≦x+y≦18at%、 0<y≦4at%、 3≦z≦20at%、 0<q≦20at%、 0<q/(p+q)≦0.3、および 0≦r≦3at%、 を満足する合金を用意する工程と、酸素を含み、かつ酸素濃度が20000ppm以下に管
理されたガス中で前記合金を粉砕する ことによって前記
合金の粉末を作製する工程と、 前記希土類合金の粉末を焼結する工程と、を包含し、 前記焼結工程は、650〜1000℃の範囲内の温度で
10〜240分間保持する第1の工程と、前記第1の工
程における保持温度よりも高い温度で焼結を更に進める
第2の工程とを包含し、 焼結前においては前記希土類合金中のNd2Fe14B型
結晶構造を有する主相結晶粒中に存在していたR2を焼
結過程中に粒界相へ拡散させ、それによって、R2の濃
度を前記結晶粒中よりも粒界相の少なくとも一部におい
て高くする希土類焼結磁石の製造方法。 - 【請求項11】 前記希土類合金の粉末に含まれる酸素
量は重量比率で2000ppm以上8000ppm以下
である請求項10に記載の希土類焼結磁石の製造方法。 - 【請求項12】 前記焼結工程は、焼結前においては前
記希土類合金中の粒界相中に存在していたR1を焼結過
程中に前記主相結晶粒中へ拡散させる請求項10に記載
の希土類焼結磁石の製造方法。 - 【請求項13】 前記焼結工程は、前記粒界相中におい
てR2の酸化物を形成する請求項10に記載の希土類焼
結磁石の製造方法。 - 【請求項14】 前記希土類合金の粉末の平均粒径(F
SSS粒度)は5μm以下である請求項10に記載の希
土類焼結磁石の製造方法。
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