JP3485971B2

JP3485971B2 - 耐摩耗性部材

Info

Publication number: JP3485971B2
Application number: JP20604294A
Authority: JP
Inventors: 孝西山; 義夫菅原
Original assignee: Tungaloy Corp
Current assignee: Tungaloy Corp
Priority date: 1994-08-08
Filing date: 1994-08-08
Publication date: 2004-01-13
Anticipated expiration: 2019-01-13
Also published as: JPH0849487A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性部材に関し、
特に、都市土木などの掘削ビットや掘削機本体の摩耗防
止に好適するようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の耐摩耗性部材は、例えば
実開昭５９−１４８９７号公報などに開示されているよ
うに、掘削ビットのシャンク部分に刃先部分とは別に超
硬チップをろう付けしたり、表面硬化肉盛を施したりす
るものが知られている。また、掘削機本体の摩耗の激し
い部分にも前述した耐摩耗性部材が設けられることも知
られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、表面硬
化肉盛りは、摩耗が早く補修回数が増えることなどの問
題点があり、また、超硬チップのろう付けは、ろう付け
設備を通常有しない掘削現場では、利用できないという
問題点がある。

【０００４】このようなことから、本発明では、掘削現
場で容易に適用できる耐摩耗性部材を提供しようとする
ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述の点に鑑
みなされたもので、超硬合金製の耐摩耗性プレ−ト及び
鋼製の補強プレ−トを一体的にろう付けした耐摩耗性部
材からなり、しかも、この補強プレ−トは、その厚さＡ
が１〜５ｍｍで、耐摩耗性プレ−トの厚さＢに対してそ
の比率Ａ／Ｂが１：１〜１：１０になっているととも
に、その外郭形状面が耐摩耗性プレ−トの形状面よりも
大きく、耐摩耗性プレ−ト部分がろう付けされていない
余肉部分には、溶接可能部分が形成されるように構成し
たものである。この場合、溶接可能部分は、補強プレ−
トの外郭形状面には、耐摩耗性プレ−トの外周囲から突
き出した補強プレ−トの外郭形状面に形成されたり、対
向的な２つの耐摩耗性プレ−ト間に形成されたりするも
のである。

【０００６】

【作用】本発明の耐摩耗性部材は、鋼製の補強プレ−ト
に溶接可能部分が形成されていることから、必要部材に
対して、掘削現場で容易に溶接できるものである。ま
た、補強部材には、厚さ限定をすることによって、溶接
による熱的影響が少なくなっているものである。

【０００７】

【実施例】以下、本発明耐摩耗性部材の一実施例につい
て、図を参照しながら説明する。

【０００８】図１乃至図３において、１は、略長方形板
状からなる耐摩耗性部材であり、超硬合金製の耐摩耗性
プレ−ト２及び鋼製の補強プレ−ト３がろう付けによっ
て一体化されている。この場合、ろう付けは、例えば、
銀ろう付け、銅ろう付け、銀／銅／銀のサンドイッチろ
う付けなどが適用される。そして、この耐摩耗性プレ−
ト３には、長手方向端部分及び中間部分が余肉部分とな
っている。この余肉部分は、溶接可能部分４を構成する
もので、図示の場合では、長手方向端のＶ字状の凹み部
分が隅肉溶接などの溶接可能部分４を構成している。

【０００９】また、補強プレ−ト３及び耐摩耗性プレ−
ト２は、それぞれ厚さＡ、Ｂを有するが、補強プレ−ト
３の厚さＡが１〜５ｍｍに設定される。そして、これら
の厚みの関係は、Ａ／Ｂが１；１〜１；１０になってい
るものである。これは、両者の熱膨張係数の相違から、
変形能のある補強プレ−ト３には、溶接による応力歪の
負担をかけることによって、耐摩耗性プレ−ト２による
応力歪の負担を軽減し、クラックを防止するようにした
ものである。そして、補強プレ−ト３が１ｍｍ未満の厚
みであれば、溶接による溶融から不具合で、また５ｍｍ
を越えると、ろう付け歪の負担を耐摩耗性プレ−ト２に
与えることから不具合いとなる。また、厚さ比Ａ／Ｂに
ついては、補強プレ−ト３の厚みが大になれば、一体化
時点で、耐摩耗性プレ−ト２にろう付け歪の負担を与え
ることから不具合で、一方耐摩耗性プレ−ト２の厚みが
１０倍を越えると省資源の関係から不利となる。

【００１０】図３乃至図８は、耐摩耗性部材１の第２〜
第７の実施例をそれぞれ示したものであり、図３（ａ）
（ｂ）では、長方形板状の補強プレ−ト３には、一方の
長辺を山形とした略長方形板状で、しかも、その外郭形
状面を補強プレ−ト３の外郭形状面よりも小にした耐摩
耗性プレ−ト２がろう付けされている。そして、この補
強プレ−ト３の外周囲に形成される余肉部分には、溶接
可能部分４が構成されるようになっている。

【００１１】図４（ａ）（ｂ）は、長方形板状の耐摩耗
性プレ−ト２が２枚ろう付けされるようにしたもので、
補強プレ−ト３の外周縁には、溶接可能部分４が構成さ
れるようになっている。また、図５（ａ）（ｂ）は、六
角形板状の耐摩耗性プレ−ト２がろう付けされ、同じく
補強プレ−ト３の外周縁には、溶接可能部分４が構成さ
れるようになっている。

【００１２】これに対し、図６（ａ）（ｂ）及び図７
（ａ）（ｂ）は、補強プレ−ト３の両側に耐摩耗性プレ
−ト２をそれぞれ対向的にろう付けしたものであり、そ
の中間部分には、溶接可能部分４が構成されている。こ
の場合、前者の耐摩耗性プレ−ト２は、それぞれ２分割
されたものからなり、補強プレ−ト３の段部５内でそれ
ぞれろう付けされている。後者の補強プレ−ト３は、中
間部分に取付け用の長穴６を形成しているものである。
これは、溶接可能部分４に対して付加的な取付け手段
で、頭付きボルト（図示せず）の利用によって耐摩耗性
を必要とする部材に取付けられる。

【００１３】図８（ａ）（ｂ）は、対向的に配置された
１対の耐摩耗性プレ−ト２については、その突出表面が
Ｖ字突起を形成するものであり、補強プレ−ト３の溶接
可能部分４を構成した中間部分には、取付け用のねじ穴
７が設けられているものである。

【００１４】このようにして構成された耐摩耗性部材１
は、図９乃至図１１でみられるように、例えば、掘削ビ
ット１０、ア−スオ−ガ−２０、掘削装置のケ−シング
チュ−ブ３０などのハッチング部分に溶接される。この
場合、図９では、耐摩耗性部材１が超硬チップ１１を備
えた掘削ビット１０の本体側部にろう付けされるもの
で、図１０（ａ）（ｂ）では、耐摩耗性部材１が先端に
オ−ガ−ビット２１を取付けたア−スオ−ガ−２０のス
パイラルスクリュ−２２の捩れを伴った外周縁に溶接さ
れる。また、図１１では、耐摩耗性部材１が掘削用ビッ
ト３１を取付けたケ−シングチュ−ブ３０に対して、掘
削ビット３１の回転方向の前部及び後部に溶接され、ま
た、外周側部の取付けボルト３２の周囲に溶接される。

【００１５】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように、耐摩耗
性部材１は、耐摩耗性プレ−ト２及び補強プレ−ト３の
厚み関係を特定して両者をろう付けによって一体化する
とともに、補強プレ−ト３の余肉部分には、溶接可能部
分４を構成するようにしたものである。したがって、耐
摩耗性部材１の持ち運びが簡単で、耐摩耗性を必要とす
る部材に対して、容易に溶接でき、しかも、耐摩耗性プ
レ−トには、ろう付け及び溶接歪がそれほど影響しない
という利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明耐摩耗性部材の一実施例を示す概念的な
説明図で、（ａ）は正面図、（ｂ）は下面図、

【図２】斜視図、

【図３】本発明耐摩耗性部材の第２の実施例を示す概念
的な説明図で、（ａ）は正面図、（ｂ）は斜視図、

【図４】本発明耐摩耗性部材の第３の実施例を示す概念
的な説明図で、（ａ）は正面図、（ｂ）は斜視図、

【図５】本発明耐摩耗性部材の第４の実施例を示す概念
的な説明図で、（ａ）は正面図、（ｂ）は斜視図、

【図６】本発明耐摩耗性部材の第５の実施例を示す概念
的な説明図で、（ａ）は正面図、（ｂ）は下面図、

【図７】本発明耐摩耗性部材の第６の実施例を示す概念
的な説明図で、（ａ）は正面図、（ｂ）は下面図、

【図８】本発明耐摩耗性部材の第７の実施例を示す概念
的な説明図で、（ａ）は正面図、（ｂ）は下面図、

【図９】本発明耐摩耗性部材を掘削ビットに溶接した一
実施例を示す概念的な説明図で、（ａ）は正面図、
（ｂ）は平面図、

【図１０】本発明耐摩耗性部材をア−スオ−ガ−に溶接
した変形例を示す概念的な斜視図、

【図１１】本発明耐摩耗性部材をケ−シングチュ−ブに
溶接した他の実施例を示す概念的な正面図。

【符号の説明】

１耐摩耗性部材２耐摩耗性プレ−ト３補強プレ−ト４溶接可能部分６長穴７ねじ穴１０掘削ビット２０ア−スオ−ガ− ３０ケ−シングチュ−ブ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) E21B 10/46 - 10/58 E21B 12/02 B23K 1/00 330

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】超硬合金製の耐摩耗性プレ−ト２及び鋼
製の補強プレ−ト３がろう付けによって一体化される耐
摩耗性部材において、前記補強プレ−ト３は、その厚さＡが１〜５ｍｍで、耐
摩耗性プレ−ト２の厚さＢに対してその比率Ａ／Ｂが
１：１〜１：１０になっているとともに、その外郭形状
面が耐摩耗性プレ−ト２の外郭形状面よりも大きく、し
かも、耐摩耗性プレ−ト３がろう付けされていない余肉
部分には、溶接可能部分４が構成されていることを特徴
とする耐摩耗性部材。
【請求項２】請求項１記載の補強プレ−ト３の外郭形
状面には、耐摩耗性プレ−ト２の外周囲から突き出す前
記溶接可能部分４が構成されている請求項目１記載の耐
摩耗性部材。
【請求項３】請求項１記載の補強プレ−ト３の外郭形
状面には、対向的な２つの耐摩耗性プレ−ト２がろう付
けされ、その間に溶接可能部分４が構成されている請求
項１及び請求項２記載の耐摩耗性部材。
【請求項４】請求項３記載の溶接可能部分４には、取
付け用の長穴６又はねじ穴７が形成されている請求項３
記載の耐摩耗性部材。