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JP3463378B2 - 排ガス浄化触媒及びその製造方法,及び排ガス浄化触媒を用いた排ガス浄化装置 - Google Patents

排ガス浄化触媒及びその製造方法,及び排ガス浄化触媒を用いた排ガス浄化装置

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Publication number
JP3463378B2
JP3463378B2 JP27639294A JP27639294A JP3463378B2 JP 3463378 B2 JP3463378 B2 JP 3463378B2 JP 27639294 A JP27639294 A JP 27639294A JP 27639294 A JP27639294 A JP 27639294A JP 3463378 B2 JP3463378 B2 JP 3463378B2
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JP
Japan
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exhaust gas
dimensional structure
gas purifying
purifying catalyst
group
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JP27639294A
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達郎 宮▲ざき▼
雅昭 有田
信行 徳渕
雅博 井上
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Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
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  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼル機関等の燃
焼機関から排出される産業排ガス中に含有される炭化水
素や可燃性炭素微粒子等の微粒子状物質を除去する排ガ
ス浄化触媒及びその製造方法,及び排ガス浄化触媒を用
いた排ガス浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ディーゼル機関等の燃焼機関から
排出される産業排ガス中の微粒子状物質(固体状炭素微
粒子や、液体状あるいは固体状の高分子量炭化水素微粒
子等)は、その粒径が殆ど1ミクロン以下と微小で、大
気中に浮遊し易いため、呼吸により人体内に取り込まれ
易く、しかも発癌性物質を含んでいることから、その排
出量等が規制されており、排出の規制は今後更に強化さ
れる。従来これらの微粒子状物質の除去方法として、
片端閉じ型のセラミックハニカム,セラミック多孔体
(又はセラミックフォーム),金属多孔体(又は金属発
泡体)等の耐熱性の3次元構造体(又は排ガス浄化フィ
ルター)を用いて産業排ガス中の微粒子状物質を捕集
し、圧損が上昇すれば、電気ヒーター等で3次元構造体
内に堆積した微粒子状物質を燃焼させ3次元構造体を再
生する方法や、耐熱性の3次元構造体に触媒物質を担
持させ微粒子状物質を捕集すると同時に触媒作用により
燃焼反応を行わせ、3次元構造体を再生し、前者の方法
の燃焼再生の頻度を小さくしたり、更に触媒物質に高活
性触媒を用いることによりヒーター等を要せず排ガス温
度で燃焼再生を行う方法等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、以下のような問題点を有していた。すなわ
ち、 a,前者()の方法では、ディーゼル機関等から排出
された産業排ガスの温度(以下排ガス温度と称す)が、
微粒子状物質の着火温度(又は燃焼温度)に比べて格段
に低く、また燃焼に必要となる産業排ガス中の酸素濃度
が低いため、3次元構造体の再生のために多量のエネル
ギーが必要となり、経済性に欠けるという問題点を有し
ていた。特に、アイドリング時のようにディーゼル機関
等が十分暖気されていない場合、3次元構造体を再生す
るには、より多量のエネルギーが必要となり、かつ、急
激な温度変化によって3次元構造体にサーマルストレス
を生じ、この結果、破損等が生じ、経済性や信頼性に欠
けるという問題点を有していた。また微粒子状物質の除
去効率を上げれば3次元構造体の圧損が大きくなり、そ
のため、再生頻度が大きくなり、ランニングコストが増
大し、経済性に欠けるという問題点を有していた。
【0004】b,後者()の方法では、ディーゼル機
関等から排出された産業排ガス中に、ガソリンエンジン
等に比べ、多量のSO2が含有されているため、このS
2により排ガス浄化触媒が劣化してしまい、またSO2
が酸化して生じたサルフェートによりやはり排ガス浄化
触媒が劣化してしまい、排ガス浄化触媒の触媒作用が低
下し、この結果、産業排ガス中の微粒子状物質の捕捉や
燃焼等が困難となり、信頼性に欠けるという問題点を有
していた。また、微粒子状物質の着火時、3次元構造体
が局所的に高温となり、この結果、排ガス浄化触媒に熱
劣化が起こり、排ガス浄化触媒の触媒作用が低下し、や
はり産業排ガス中の微粒子状物質の捕捉や燃焼等が困難
となり、信頼性に欠けるという問題点を有していた。
【0005】c,Bulletin of the J
apan Petroleum Institute
1974 16 99−105 (ブリティン オブ
ザジャパン ペトロリウム インスティテュート 19
74年 第16巻 第99〜第105頁) Socie
ty of Automotive Enjineer
rs Paper 830082 1983(ソサイア
ティ オブ オートモーティブ エンジニィア ペーパ
ー 第830082号 1983年)等にはアルカリ金
属が炭化水素や煤との接触分解や酸化反応に大して高い
活性を示すことが報告されているものの、SO2に対す
る耐久性や耐熱性等に劣り、信頼性に欠けるという問題
点を有していた。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、微粒子状物質との接触分解や酸化反応等に高い活性
を有し、かつ産業排ガス中に含有されるSO2やこのS
2の酸化生成物であるサルフェート等に対する耐久性
や、微粒子状物質の着火時等の高温化時にも耐熱性を有
し、経済性や信頼性,量産性に優れた排ガス浄化触媒及
びその製造方法を提供すること、及び、ディーゼル機関
等の通常の走行時にディーゼル機関等から発生される産
業排ガスの温度範囲で微粒子状物質を燃焼除去でき、特
にアイドリング時のように排ガス温度が低い温度条件下
でも産業排ガス中の微粒子状物質を確実に捕捉し、負荷
運転時の排ガス温度の上昇とともに3次元構造体内に捕
捉された微粒子状物質を燃焼除去でき、経済性や信頼
性,量産性に優れた排ガス浄化触媒を用いた排ガス浄化
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、以下の構成を有している。すなわち、請求
項1に記載の排ガス浄化触媒は、3次元構造体上に又は
3次元構造体上にコートされた無機質コート層上に担持
される排ガス浄化触媒であって、排ガス浄化触媒が、リ
チウム(Li)と、白金(Pt)と、アルミニウム(A
l)と、セリウム(Ce)と、マグネシウム(Mg)
と、を有していることを特徴とする
【0008】請求項2に記載の排ガス浄化触媒は、請求
項1において、3次元構造体が、金属多孔体,セラミッ
クハニカム又はセラミック多孔体等の内いずれか1から
なることを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の排ガス浄化触媒の製造方
法は、3次元構造体上に又は前記3次元構造体上にコー
トされた無機質コート層上に担持される排ガス浄化触媒
の製造方法であって、3次元構造体上に又は3次元構造
体上にコートされた無機質コート層上に、リチウム(L
i)と、アルミニウム(Al)と、セリウム(Ce)
と、マグネシウム(Mg)と、を担持させる第1担持工
程と、次いで、白金(Pt)を担持させる第2担持工程
と、を備えたことを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の排ガス浄化触媒を用いた
排ガス浄化装置は、請求項1乃至2の内いずれか1に記
載の排ガス浄化触媒を担持させた3次元構造体と、前記
3次元構造体を収納するケースと、前記ケースに形成さ
れた排ガス流入口と、前記ケースに形成された排ガス流
出口と、前記ケース内に配設された加熱部と、を備えた
ことを特徴とする。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】ここで、IUPACとは、Interna
tional Union ofPure and A
pplied Chemistry(インターナショナ
ルユニオン オブ ピュア アンド アプライド ケミ
ストリー)をいう。
【0017】3次元構造体(又は排ガス浄化フィルタ
ー)とは、ディーゼル機関等から排出される産業排ガス
を浄化するガスフィルター機能を有するもの、すなわ
ち、産業排ガス中に含有される微粒子状物質(固体状炭
素微粒子や、液体状あるいは固体状の高分子量炭化水素
微粒子等)を除去し、産業排ガスを浄化するものであ
る。3次元構造体としては、金属多孔体(又は金属発泡
体),片端閉じ型のセラミックハニカムやセラミック多
孔体(又はセラミックフォーム)が挙げられる。3次元
構造体の材料としては、コージェライト(2MgO・5
SiO2・2Al23),ムライト(2Al23・3S
iO2),アルミナ(Al23),シリカ(SiO2),
チタニア(TiO2),ジルコニア(ZrO2),シリカ
−アルミナ,アルミナ−ジルコニア,アルミナ−チタニ
ア,シリカ−チタニア,シリカ−ジルコニア,チタニア
−ジルコニア等のセラミックス,SUS−301S,イ
ンコネル(インコネルX,インコネルW等)等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0018】無機質コート層とは、3次元構造体上にコ
ートされる高比表面積の多孔質体である。無機質コート
層の材料としては、通常、排ガス浄化触媒担体の基盤材
料として用いられるアルミナ,シリカ,チタニア,ジル
コニア,シリカ−アルミナ,アルミナ−ジルコニア,ア
ルミナ−チタニア等のセラミックス等が好適に用いられ
るが、これらに限定されるものではない。3次元構造体
上へ無機質コート層を担持させる方法としては、ゾル−
ゲル法や、スラリー法等のウオッシュコート等が挙げら
れる。ゾル−ゲル法とは、無機質コート層を構成する金
属元素の有機塩(アルコキシド等)を含む溶液に酸(塩
酸,酢酸等)を加えて溶液のpHを調整した後、この溶
液に3次元構造体を含浸して無機質コート層を構成する
金属元素の有機塩を含む溶液をコーティングし、次いで
3次元構造体にコーティングされた溶液と水蒸気等とを
接触させ加水分解反応によりゾル化させ、更にゲル化を
行った後に焼成するものである。スラリー法とは、無機
質コート層の原料粉体を予め分散剤(ポリカルボン酸塩
等)を溶解した水溶液に投入し、この水溶液中の原料粉
体をボールミル等にて解粒・混合を行ってスラリーを調
整した後、このスラリーに3次元構造体を含浸してスラ
リーをコーティングした後に焼成するものである。
【0019】排ガス浄化触媒の調整には前述した3次元
構造体や、表面に前述した無機質コート層を担持させた
3次元構造体を用いるものである。
【0020】排ガス浄化触媒に含有される1A族金属元
素(又はアルカリ金属)としては、リチウム(Li),
ナトリウム(Na),カリウム(K),ルビジウム(R
b),セシウム(Cs),フランシウム(Fr)が含ま
れる。白金族元素としては、ルテニウム(Ru),ロジ
ウム(Rh),パラジウム(Pd),オスミウム(O
s),イリジウム(Ir),白金(Pt)が含まれる。
4A族元素(又はチタン族)としては、チタン(T
i),ジルコニウム(Zr),ハフニウム(Hf)が含
まれる。3B族元素(又はホウ素族)としては、ホウ素
(B),アルミニウム(Al),ガリウム(Ga),イ
ンジウム(In),タリウム(Tl)が含まれる。4B
族元素(又は炭素族)としては、炭素(C),珪素(S
i),ゲルマニウム(Ge),錫(Sn),鉛(Pb)
が含まれる。1B族元素(又は銅族)としては、銅(C
u),銀(Ag),金(Au)が含まれる。5A族元素
(又はバナジウム族)としては、バナジウム(V),ニ
オブ(Nb),タンタル(Ta)が含まれる。6A族元
素(又はクロム族)としては、クロム(Cr),モリブ
デン(Mo),タングステン(W)が含まれる。8族元
素とは、鉄族と白金族を含めたものを言い、鉄(F
e),コバルト(Co),ニッケル(Ni),ルテニウ
ム(Ru),ロジウム(Rh),パラジウム(Pd),
オスミウム(Os),イリジウム(Ir),白金(P
t)が含まれる。希土類元素としては、スカンジウム
(Sc),イットリウム(Y),ランタン(La),セ
リウム(Ce),プラセオジム(Pr),ネオジム(N
d),プロメチウム(Pm),サマリウム(Sm),ユ
ウロピウム(Eu),ガドリニウム(Gd),テルビウ
ム(Tb),ジスプロシウム(Dy),ホルミウム(H
o),エルビウム(Er),ツリウム(Tm),イッテ
ルビウム(Yb),ルテニウム(Lu)が含まれる。2
A族元素(又はアルカリ土類金属)としては、ベリリウ
ム(Be),マグネシウム(Mg),カルシウム(C
a),ストロンチウム(Sr),バリウム(Ba),ラ
ジウム(Ra)が含まれる。
【0021】3次元構造体や表面に無機質コート層を担
持させた3次元構造体上へ排ガス浄化触媒を担持させる
方法としては、排ガス浄化触媒が、(a)1A族金属元
素の内少なくとも1種の元素と、(b)白金族元素の内
少なくとも1種の元素と、(c)4A族元素,3B族元
素又は4B族元素の内少なくとも1種の元素と、を有す
る場合、(a)1A族金属元素の内少なくとも1種の元
素を有する化合物及び(c)4A族元素,3B族元素又
は4B族元素の内少なくとも1種の元素を有する化合物
を水溶液、或いは有機溶媒(アルコール等)等に懸濁さ
せ、これら水溶液や有機溶媒中に3次元構造体や表面に
無機質コート層を担持させた3次元構造体を含浸して担
持させるか、または、水溶性或いは有機溶媒可溶性の塩
を用いて調整した前述した元素を有する溶液に3次元構
造体や表面に無機質コート層を担持させた3次元構造体
を含浸して担持させた後、800℃〜1,000℃で焼
成し(第1担持工程)、次に、白金,ロジウム,パラジ
ウム等の白金族元素の内少なくとも1種の元素を含む化
合物を水溶液或いは有機溶媒(アルコール等)等に懸濁
させ、これら水溶液や有機溶媒中に3次元構造体や表面
に無機質コート層を担持させた3次元構造体を含浸して
担持させるか、または、水溶性或いは有機溶媒可溶性の
塩を用いて調整した前述した元素を有する溶液に3次元
構造体や表面に無機質コート層を担持させた3次元構造
体を含浸して担持させた後、400℃〜600℃で焼成
する(第2担持工程)方法等が挙げられる。
【0022】また、排ガス浄化触媒が、(a)1A族金
属元素の内少なくとも1種の元素と、(b)白金族元素
の内少なくとも1種の元素と、(c)4A族元素,3B
族元素又は4B族元素の内少なくとも1種の元素と、
(d)1B族元素,5A族元素,6A族元素,8族元素
又は希土類元素の内少なくとも1種の元素、及び/又
は、(e)2A族元素の内少なくとも1種の元素を含有
する場合は、(a)1A族金属元素の内少なくとも1種
の元素を有する化合物,(c)4A族元素,3B族元素
又は4B族元素の内少なくとも1種の元素を有する化合
物,(d)1B族元素,5A族元素,6A族元素,8族
元素又は希土類元素の内少なくとも1種の元素を有する
化合物、及び/又は、(e)2A族元素の内少なくとも
1種の元素を有する化合物を水溶液、或いは有機溶媒
(アルコール等)等に懸濁させ、これら水溶液や有機溶
媒中に3次元構造体や表面に無機質コート層を担持させ
た3次元構造体を含浸して担持させるか、または、水溶
性或いは有機溶媒可溶性の塩を用いて調整した前述した
元素を有する溶液に3次元構造体や表面に無機質コート
層を担持させた3次元構造体を含浸して担持させた後、
800℃〜1,000℃で焼成し(第1担持工程)、次
に、白金,ロジウム,パラジウム等の白金族元素の内少
なくとも1種の元素を含む化合物を水溶液或いは有機溶
媒(アルコール等)等に懸濁させ、これら水溶液や有機
溶媒中に3次元構造体や表面に無機質コート層を担持さ
せた3次元構造体を含浸して担持させるか、または、水
溶性或いは有機溶媒可溶性の塩を用いて調整した前述し
た元素を有する溶液に3次元構造体や表面に無機質コー
ト層を担持させた3次元構造体を含浸して担持させた
後、400℃〜600℃で焼成する(第2担持工程)方
法等が挙げられる。
【0023】また、排ガス浄化触媒が、(a)1A族金
属元素の内少なくとも1種の元素と、(b)白金族元素
の内少なくとも1種の元素と、(c)4A族元素,3B
族元素又は4B族元素の内少なくとも1種の元素と、
(d)1B族元素,5A族元素,6A族元素,8族元素
又は希土類元素の内少なくとも1種の元素、及び/又は
(e)2A族元素の内少なくとも1種の元素を有する場
合には、3次元構造体や表面に無機質コート層を担持さ
せた3次元構造体上へ、(a)1A族金属元素の内少な
くとも1種の元素を有する化合物及び(c)4A族元
素,3B族元素又は4B族元素の内少なくとも1種の元
素を有する化合物を水溶液、或いは有機溶媒(アルコー
ル等)等に懸濁させ、これら水溶液や有機溶媒中に3次
元構造体や表面に無機質コート層を担持させた3次元構
造体を含浸して担持させるか、または、水溶性或いは有
機溶媒可溶性の塩を用いて調整した前述した元素を有す
る溶液に3次元構造体や表面に無機質コート層を担持さ
せた3次元構造体を含浸して担持させた後、800℃〜
1,000℃で焼成し(第1担持工程)、次に、(d)
1B族元素,5A族元素,6A族元素,8族元素又は希
土類元素の内少なくとも1種の元素を有する化合物、及
び/又は(e)2A族元素の内少なくとも1種の元素を
有する化合物を水溶液、或いは有機溶媒(アルコール
等)等に懸濁させ、これら水溶液や有機溶媒中に3次元
構造体や表面に無機質コート層を担持させた3次元構造
体を含浸して担持させるか、または、水溶性或いは有機
溶媒可溶性の塩を用いて調整した前述した元素を有する
溶液に3次元構造体や表面に無機質コート層を担持させ
た3次元構造体を含浸して担持させた後、800℃〜
1,000℃で焼成し(第2担持工程)、次に、白金,
ロジウム,パラジウム等の白金族元素の内少なくとも1
種の元素を含む化合物を水溶液或いは有機溶媒(アルコ
ール等)等に懸濁させ、これら水溶液や有機溶媒中に3
次元構造体や表面に無機質コート層を担持させた3次元
構造体を含浸して担持させるか、または、水溶性或いは
有機溶媒可溶性の塩を用いて調整した前述した元素を有
する溶液に3次元構造体や表面に無機質コート層を担持
させた3次元構造体を含浸して担持させた後、400℃
〜600℃で焼成する(第3担持工程)方法等が挙げら
れる。
【0024】また、3次元構造体上へ、無機質コート層
と排ガス浄化触媒の各成分を同時に含浸、焼成して担持
させてもよい。すなわち、無機質コート層を構成する金
属元素の有機塩(アルコキシド等)を含む溶液に酸(塩
酸,酢酸等)と排ガス浄化触媒を構成する元素の化合物
を有する水溶液とを加え、これに3次元構造体を含浸し
て、無機質コート層を構成する元素や排ガス浄化触媒を
構成する元素を有する溶液をコーティングし、このコー
ティングされた溶液に水蒸気等を接触させアルコキシド
を加水分解反応によりゾル化させ、更にゲル化を行った
後に焼成してもよい。
【0025】前述した化合物としては、酢酸塩,ギ酸塩
等のカルボン酸塩や錯化合物等の有機化合物、或いは酸
化物,硝酸塩,炭酸塩,リン酸塩,硫酸塩,金属酸塩,
ハロゲン化物,水酸化物等の無機化合物等の中から適宜
選択されるが、特に水やエチルアルコール等への溶解度
が高いものが望ましい。
【0026】排ガス浄化触媒の形態としては、前述した
3次元構造体や表面に無機質コート層を担持させた3次
元構造体だけでなく、長軸または短軸の円柱形状等に形
成されたペレットに排ガス浄化触媒の成分を担持しても
よい。この場合、排ガス浄化触媒を担持させたペレット
を収納するケースには、排ガス流入口と浄化ガス流出口
に前述のペレットより小さい孔径の孔部を有する網等を
配設することが望ましい。ペレットの流失等を防止でき
るからである。
【0027】加熱部としては、電気ヒーター,バーナ
ー,マイクロ波等が挙げられる。また、エタン,プロパ
ン,ブタン,エチレン,プロピレン,ブチレン及びこれ
らの混合物である液化石油ガス(以下LPGと称す)等
の可燃性ガスをケース内に導入させてもよい。
【0028】
【作用】この構成によって、3次元構造体上に又は3次
元構造体上にコートされた無機質コート層上に担持され
る排ガス浄化触媒が、(a)1A族金属元素の内少なく
とも1種の元素と、(b)白金族元素の内少なくとも1
種の元素と、(c)4A族元素,3B族元素又は4B族
元素の内少なくとも1種の元素と、を有していることに
より、1A族金属元素(又はアルカリ金属)が安定化さ
れ、すなわち、微粒子状物質との接触分解や酸化反応に
対し高い活性を有することができ、また、産業排ガス中
に含有されるSO2やその酸化生成物であるサルフェー
ト等に対する耐久性を有することができ、更に微粒子状
物質の着火時等の高温に対する耐熱性を有することがで
きる。
【0029】また、排ガス浄化触媒に、(d)1B族元
素,5A族元素,6A族元素,8族元素又は希土類元素
の内少なくとも1種の元素、及び/又は(e)2A族元
素の内少なくとも1種の元素が、含有されていることに
より、更に1A族金属元素(又はアルカリ金属)を安定
化することができ、微粒子状物質との接触分解や酸化反
応に対し高い活性や、また、産業排ガス中に含有される
SO2やその酸化生成物であるサルフェート等に対する
耐久性、更に微粒子状物質の着火時等の高温に対する耐
熱性を向上することができる。
【0030】また、3次元構造体が、金属多孔体,セラ
ミックハニカム又はセラミック多孔体等の内いずれか1
からなることにより、特別な3次元構造体等を要せず、
従来使用される3次元構造体等に排ガス浄化触媒を担持
させることができ、産業排ガス中に含有される微粒子上
物質を燃焼除去できる。
【0031】また、前述した排ガス浄化触媒を担持させ
た3次元構造体と、3次元構造体を収納するケースと、
ケースに形成された排ガス流入口と、ケースに形成され
た排ガス流出口と、ケース内に配設された加熱部と、を
備えたことにより、産業排ガス中に含まれる微粒子状物
質の浄化効果を向上することができ、すなわち、ディー
ゼル機関等の通常の走行時にディーゼル機関等から発生
される産業排ガスの温度範囲で微粒子状物質を燃焼除去
でき、特にアイドリング時のように排ガス温度が低い温
度条件下でも産業排ガス中の微粒子状物質を確実に捕捉
し、負荷運転時の排ガス温度の上昇とともに3次元構造
体内に捕捉された微粒子状物質を燃焼除去できる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の一実施例における排ガス浄化
触媒について図面を参照しながら説明する。なお、以下
の実施例1〜実施例20において、実施例13及び実施
例15以外は参考例である。
【0033】(実施例1〜4)まず、酢酸リチウムと硝
酸アルミニウムを、各金属元素(リチウム,アルミニウ
ム)が(表1)に示すモル比となるように秤量した。
【0034】
【表1】
【0035】次に、秤量された各原料をそれぞれ約40
℃の蒸留水に溶解させて水溶液を作製した後、各水溶液
を互いに混合した。次に、この水溶液の水分をロータリ
ーエバポレーターで蒸発させ、金属塩を濃縮した後、ホ
ットプレートの上で乾燥・固化させた。次に、この金属
塩をボールミルで4時間混合・粉砕した後、400℃で
5時間仮焼し、更に蓋付き坩堝で750℃で5時間焼成
し、触媒の前駆体を得た。次に、得られた前駆体に対し
てヘキサクロロ白金酸を0.8wt%となるように秤量
した後、このヘキサクロロ白金酸を約40℃の蒸留水に
溶解させて水溶液を作製した。次に、この水溶液と前述
の前駆体を混合した後、この水溶液の水分をロータリー
エバポレーターで蒸発させ、金属塩を濃縮した後、ホッ
トプレートの上で乾燥・固化させた。次に、この金属塩
をボールミルで4時間混合・粉砕した後、500℃で5
時間焼成して、本発明の第1〜第4実施例における排ガ
ス浄化触媒を調製した。
【0036】(実施例5)酢酸リチウムの代わりに酢酸
カリウムを用いた以外は実施例1〜4と同様な方法で本
発明の第5実施例における排ガス浄化触媒を調製した。
尚、各金属元素のモル比は、カリウム:アルミニウム=
2:1とした。
【0037】(実施例6)酢酸リチウムと硝酸アルミニ
ウムと酢酸銅を、各金属元素のモル比が、リチウム:ア
ルミニウム=2:1:1となるように秤量した。以下、
実施例1〜4と同様な方法で本発明の第6実施例におけ
る排ガス浄化触媒を調製した。
【0038】(実施例7〜12)酢酸銅の代わりに硝酸
クロム(実施例7)、酢酸鉄(実施例8)、酢酸コバル
ト(実施例9)、硝酸セリウム(実施例10)、酢酸ラ
ンタン(実施例11)、またはバナジン酸アンモニウム
(実施例12)を用いた以外は、実施例6と同様な方法
で本発明の第7〜第12実施例における排ガス浄化触媒
を調製した。
【0039】(実施例13)酢酸リチウムと酢酸マグネ
シウムと硝酸アルミニウムと硝酸セリウムとを、各金属
元素のモル比が、リチウム:マグネシウム:アルミニウ
ム:セリウム=1.6:0.2:1:1となるように秤
量した以外は、実施例1〜4と同様な方法で本発明の第
13実施例における排ガス浄化触媒を調製した。
【0040】(実施例14)酢酸リチウムと硝酸アルミ
ニウムを、各金属元素のモル比が、リチウム:アルミニ
ウム=2:1となるように秤量した。次に、秤量された
各原料をそれぞれ約40℃の蒸留水に溶解させて水溶液
を作製した後、各水溶液を互いに混合した。次に、この
水溶液の水分をロータリーエバポレーターで蒸発させ、
金属塩を濃縮した後、ホットプレートの上で乾燥・固化
させた。次に、この金属塩をボールミルで4時間混合・
粉砕した後、400℃で5時間仮焼し、更に蓋付き坩堝
で900℃で5時間焼成した。次に、硝酸セリウムを、
金属塩(又は混合物)におけるリチウムとのモル比がリ
チウム:セリウム=2:1となるように秤量した後、こ
の原料を約40℃の蒸留水に溶解させて水溶液を作製し
た。次に、この水溶液と金属塩を混合した後、この水溶
液の水分をロータリーエバポレーターで蒸発させ、金属
塩を濃縮した後、ホットプレートの上で乾燥・固化させ
た。次に、この金属塩をボールミルで4時間混合・粉砕
した後、400℃で5時間仮焼し、更に蓋付き坩堝で7
50℃で5時間焼成し、触媒の前駆体を得た。以下、実
施例1〜4と同様にして本発明の第14実施例における
排ガス浄化触媒を調製した。
【0041】(実施例15)酢酸リチウムと酢酸マグネ
シウムと硝酸アルミニウムを、各金属元素のモル比が、
リチウム:マグネシウム:アルミニウム=1.6:0.
2:1となるように秤量した。次に、秤量された各原料
をそれぞれ約40℃の蒸留水に溶解させて水溶液を作製
した後、各水溶液を互いに混合した。次に、この水溶液
の水分をロータリーエバポレーターで蒸発させ、金属塩
を濃縮した後、ホットプレートの上で乾燥・固化させ
た。次に、この金属塩をボールミルで4時間混合・粉砕
した後、400℃で5時間仮焼し、更に蓋付き坩堝で9
00℃で5時間焼成した。次に、硝酸セリウを、金属塩
(又は混合物)のアルミニウムとのモル比がアルミニウ
ム:セリウム=1:1となるように秤量した後、この原
料を約40℃の蒸留水に溶解させて水溶液を作製した。
以下、実施例14と同様にして本発明の第15実施例に
おける排ガス浄化触媒を調製した。
【0042】(実施例16) 酢酸リチウムを約40℃の蒸留水に溶解させて水溶液を
作製した。次に、アルミナとシリカを、各金属元素のモ
ル比が、リチウム:アルミニウム:珪素=2:1:1と
なるように秤量した後、各原料を前述の水溶液に混合さ
せた。次に、この水溶液の水分をホットプレート上で蒸
発させ、金属塩を濃縮し、乾燥固化させた。次に、この
金属塩を400℃〜500℃で2時間仮焼し、次いで、
ボールミルで4時間混合・粉砕した後、750℃で5時
間焼成して、触媒の前駆体を得た。以下、実施例1〜4
と同様にして本発明の第16実施例における排ガス浄化
触媒を調製した。
【0043】(実施例17)酢酸リチウムとアルミナと
シリカを、各金属元素のモル比が、リチウム:アルミニ
ウム:珪素=2:2:3となるように秤量した以外は、
実施例16と同様な方法で本発明の第17実施例におけ
る排ガス浄化触媒を調製した。
【0044】(実施例18,19)シリカの代わりにジ
ルコニア(実施例18)、またはチタニア(実施例1
9)を用いた以外は、実施例16と同様な方法で本発明
の第18,第19実施例における排ガス浄化触媒を調製
した。
【0045】(実施例20)図1は本発明の第20実施
例における排ガス浄化触媒を担持させた3次元構造体を
示す要部断面拡大図である。1は後述する平板シート3
及び波型シート2を積層し表面に排ガス浄化触媒が担持
された3次元構造体(又は多孔質担持体)、3は平板シ
ート、2は波型シートである。尚、3次元構造体1は、
アルミナ−シリカ系セラミック繊維(Al23:SiO
2=47:53)を原料として、これを抄紙法にてシー
ト体(平板シート3,波型シート2)を成形した後、こ
れらシート体を図1に示すように平板シート3と波型シ
ート2とを順次積層して、コルゲートハニカム構造に成
るように積層形成し、更に1250℃で2時間焼成して
形成した。
【0046】まず、実施例16と同様にして排ガス浄化
触媒の前駆体を得た。次に、得られた前駆体をこの前駆
体に対して0.5wt%となるようにポリカルボン酸ア
ンモニウム塩を溶解させた水溶液に投入した後、これを
ボールミルで18時間解粒・混合して、スラリーを調製
した。次に、真空デシケーター内で、得られたスラリー
に、図1に示す3次元構造体(又はセラミックフィルタ
ー)1を漬けた後、真空デシケーター内を減圧して3次
元構造体1内の気泡を取り除き、3次元構造体1の内部
までスラリーを浸透させた。次に、余分なスラリーを振
り切って120℃で5時間乾燥した後、800℃で2時
間焼成した。次に、得られた前駆体に対してヘキサクロ
ロ白金酸を0.8wt%となるように秤量した後、この
ヘキサクロロ白金酸を約40℃の蒸留水に溶解させて水
溶液を作製した。次に、真空デシケーター内で、得られ
た水溶液に前述の排ガス浄化触媒の一部を焼成した3次
元構造体1を漬けた後、真空デシケーター内を減圧して
3次元構造体1内の気泡を取り除き、3次元構造体1の
内部まで水溶液を浸透させた。次に、水溶液を浸透させ
た3次元構造体1をマイクロ波乾燥器を用いて、出力2
kW,乾燥時間25分で乾燥させた後、500℃で2時
間焼成して、本発明の第20実施例における排ガス浄化
触媒を調製した。
【0047】(比較例1)硝酸アルミニウムを用いない
以外は実施例1〜4と同様な方法で従来の排ガス浄化触
媒を調製した。
【0048】(比較例2)γ−Al23に対してヘキサ
クロロ白金酸を0.8wt%となるように秤量した後、
このヘキサクロロ白金酸を蒸留水に溶解させて水溶液を
作製した。次に、得られた水溶液にγ−Al23を投入
し、超音波発振子を用いて懸濁させた。次に得られた懸
濁液を200℃に加熱したホットプレート上に滴下し、
溶媒を乾燥させた。次に、得られた溶媒を水素雰囲気下
で、500℃で1時間焼成して従来の排ガス浄化触媒、
すなわち白金担持γ−Al23を調製した。
【0049】(比較例3)酢酸リチウムを約40℃の蒸
留水に溶解させて水溶液を作製した。次に、真空デシケ
ーター内で、得られた水溶液に、図1に示す3次元構造
体1を漬けた後、真空デシケーター内を減圧して3次元
構造体1内の気泡を取り除き、3次元構造体1の内部ま
で水溶液を浸透させた。次に、水溶液を浸透させた3次
元構造体1をマイクロ波乾燥器を用いて、出力2kW,
乾燥時間25分で乾燥させた後、750℃で2時間焼成
して、従来の排ガス浄化触媒を調製した。
【0050】以上のように構成された本発明の一実施例
における排ガス浄化触媒(実施例1乃至実施例20)
と、従来の排ガス浄化触媒(比較例1乃至比較例3)に
ついて、性能比較試験を行った。以下その結果につい
て、説明する。
【0051】(実験例1)本発明の実施例1乃至実施例
19における排ガス浄化触媒,及び従来の排ガス浄化触
媒と、ディーゼルエンジンの排ガスパティキュレートと
を、ディーゼルエンジンの排ガスパティキュレートが、
排ガス浄化触媒に対して20wt%となるように秤量し
た後、それぞれ物理混合した。次に、物理混合した試料
を石英ガラス製の反応管に充填した。次に、この反応管
内に、窒素バランスの10%酸素ガスを500ml/m
inで流通させながら、この反応管内の温度を室温から
600℃まで、5℃/minで昇温させた。次に、反応
管を冷却させ、次いで、反応管内の排ガスパティキュレ
ートが燃焼したときに発生した水を冷却トラップで除去
した後、反応管内の反応ガス、すなわち一酸化炭素及び
二酸化炭素を赤外式のガス分析装置にて測定し、その時
の発生量のピークから各試料の燃焼温度、すなわち排ガ
スパティキュレートの着火温度を測定した。この結果を
(表2)に示す。
【0052】
【表2】
【0053】(表2)から明らかなように、排ガスパテ
ィキュレートの着火温度は、従来の排ガス浄化触媒を用
いた場合に比べ本発明の一実施例における排ガス浄化触
媒を用いた場合の方が低下していることがわかった。
【0054】(実験例2)本発明の実施例1乃至実施例
19における排ガス浄化触媒,及び従来の排ガス浄化触
媒を、700℃で500時間熱処理を行った。以下、実
験例1と同様にして各試料の燃焼温度を測定した。この
結果を(表3)に示す。
【0055】
【表3】
【0056】(表3)から明らかなように、700℃で
500時間熱処理後の排ガスパティキュレートの着火温
度は、従来の排ガス浄化触媒を用いた場合に比べ本発明
の一実施例における排ガス浄化触媒を用いた場合の方が
低下していることがわかった。
【0057】(実験例3)本発明の実施例1乃至実施例
19における排ガス浄化触媒,及び従来の排ガス浄化触
媒を、それぞれ石英ガラス製の反応管に充填した後、こ
の反応管内に、窒素バランスで900ppmのSO2
5%の酸素ガスとを1000ml/minで流通させな
がら、400℃で2,000時間熱処理を行った。以
下、実験例1と同様にして各試料の燃焼温度を測定し
た。この結果を(表4)に示す。
【0058】
【表4】
【0059】(表4)から明らかなように、窒素バラン
スで900ppmのSO2と5%の酸素ガスとを100
0ml/minで流通させながら、400℃で2,00
0時間熱処理後の排ガスパティキュレートの着火温度
は、従来の排ガス浄化触媒を用いた場合に比べ本発明の
一実施例における排ガス浄化触媒を用いた場合の方が低
下していることがわかった。
【0060】(実験例4)本発明の実施例20における
排ガス浄化触媒を担持させた3次元構造体1と、排ガス
浄化触媒を担持させていない3次元構造体1と、比較例
3における排ガス浄化触媒を担持させた3次元構造体1
と、を準備し、それぞれケースにセットした。次に、各
3次元構造体1をセットしたケースに、排気量2,00
0cc4気筒のディーゼルエンジンからの排ガスを導入
し、ディーゼルエンジンからの排ガスパティキュレート
の捕捉性を調べた。ここで、ディーゼルエンジンの回転
数は2,500rpmとした。尚、排ガスパティキュレ
ートの捕捉性は、ケースの排ガス流入口と排ガス流出口
とにおける排ガスパティキュレート量を測定し、その比
を算出した。この結果を(表5)に示す。更に実施例と
同様にして排ガスパティキュレートが着火する温度を調
べた。更に着火試験を行った3次元構造体を用いて再度
排ガスパティキュレートの捕捉、着火試験を30回繰り
返し、初期の着火温度との比較を行った。この結果を
(表5)に示す。
【0061】
【表5】
【0062】(表5)から明らかなように、本発明の第
20実施例における排ガス浄化触媒を担持させた3次元
構造体1では、従来の排ガス浄化触媒を担持させた3次
元構造体1や排ガス浄化触媒を担持させなかった3次元
構造体1に比べ、排ガスパーティキュレートの捕捉率が
向上していることがわかった。また、本発明の第20実
施例における排ガス浄化触媒を担持させた3次元構造体
1では、従来の排ガス浄化触媒を担持させた3次元構造
体1や排ガス浄化触媒を担持させなかった3次元構造体
1に比べ、排ガスパーティキュレートの燃焼温度が低
く、また、比較例3のように排ガスパティキュレートの
捕捉、着火の繰り返しによって排ガスパティキュレート
の着火温度の上昇は認められなかった。
【0063】以下、本発明の一実施例における排ガス浄
化装置を用いた排ガス浄化装置について、図面を参照し
ながら説明する。
【0064】(実施例21)図2は本発明の一実施例に
おける排ガス浄化触媒を用いた排ガス浄化装置を示す断
面図である。4は本発明の一実施例における排ガス浄化
触媒を用いた排ガス浄化装置、5は平板シート3及び波
型シート2とコルゲートハニカム構造となるように積層
した後1450℃で2時間焼成し、更に表面に本発明の
一実施例における排ガス浄化触媒が担持された3次元構
造体(又は多孔質担持体)、6は3次元構造体5の周囲
に巻回された3次元構造体5を加熱するヒーターからな
る加熱部、7は3次元構造体5及び加熱部6を収納する
ケース、8はケース7に形成されたディーゼル機関等の
燃焼機関から排出された排ガスが流入される排ガス流入
口、9はケース7内で浄化された浄化ガスが流出される
浄化ガス流出口である。
【0065】以上のように構成された本発明の一実施例
における排ガス浄化装置について、以下その動作を説明
する。
【0066】まず、排ガス流入口8から排ガス(排ガス
温度:約250℃)をケース7内に流入させる。次に、
加熱部6により3次元構造体5を加熱し、3次元構造体
5の温度を320℃に保持した。この動作を行った後、
3次元構造体5を観察したところ、微粒子状物質は残存
しておらず、更に浄化ガス流出口8から排出される浄化
ガス中に微粒子状物質の排出は認められなかった。
【0067】以上のように本実施例によれば、排ガス温
度が触媒活性温度に達しない場合、ヒーター等の加熱部
6により、例えばアイドリング時のように排ガス温度が
低い場合でも十分に排ガス中の微粒子状物質を捕捉し、
しかも随時燃焼させることができる。尚、本実施例で
は、ヒーターを3次元構造体5の周囲に巻回させたが、
3次元構造体5の近傍であればどのように設置してもよ
い。また、本実施例では、加熱部6としてヒーターを用
いたが、ヒーターの代わりにバーナーを用いたり、また
可燃性ガスをケース内に導入させることにより3次元構
造体5を加熱する等、他の加熱手段を用いてもよい。
【0068】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、以下の優
れた効果を奏する。すなわち、3次元構造体上に又は3
次元構造体上にコートされた無機質コート層上に担持さ
れる排ガス浄化触媒であって、排ガス浄化触媒が、リチ
ウム(Li)と、白金(Pt)と、アルミニウム(A
l)と、セリウム(Ce)と、マグネシウム(Mg)
と、を有していることにより、すなわち(1)リチウム
に白金やアルミニウムを適切な量添加することにより、
アルカリ金属を安定化することができ、すなわち、アル
カリ金属に微粒子状物質との接触分解や酸化反応に対す
る高い活性や、産業排ガス中に含有されるSO2やその
酸化生成物であるサルフェート等に対する耐久性、更に
微粒子状物質の着火時等の高温に対する耐熱性を向上さ
せることができ、産業排ガス中に含まれる微粒子状物質
(固体状炭素微粒子、液体状あるいは固体状の高分子量
炭化水素微粒子)を確実に除去でき、また燃焼温度を低
減することができ、更に特殊な装置を要せずに排ガス温
度で排ガス中の微粒子状物質の燃焼が可能となり経済性
や信頼性に優れた排ガス浄化触媒を実現することができ
るものである。
【0069】更に、(2)排ガス浄化触媒に、セリウム
と、マグネシウムとが、含有されている場合、アルカリ
金属の安定化をより向上することができ、すなわち、ア
ルカリ金属の微粒子状物質との接触分解や酸化反応に対
するより高い活性や、産業排ガス中に含有されるSO2
やその酸化生成物であるサルフェート等に対する耐久
性、更に微粒子状物質の着火時等の高温に対する耐熱性
をより向上させることができ、経済性や信頼性に優れた
排ガス浄化触媒を実現することができるものである。
【0070】(3)3次元構造体が、金属多孔体,セラ
ミックハニカム又はセラミック多孔体等の内いずれか1
からなる場合、特別な3次元構造体等を要せず、従来使
用される3次元構造体等に排ガス浄化触媒を担持させる
ことができ、産業排ガス中に含有される微粒子上物質を
燃焼除去でき、経済性や信頼性に優れた排ガス浄化触媒
を実現することができるものである。
【0071】(4)本発明の排ガス浄化触媒を担持させ
た3次元構造体と、3次元構造体を収納するケースと、
ケースに形成された排ガス流入口と、ケースに形成され
た排ガス流出口と、ケース内に配設された加熱部と、を
備えたので、産業排ガス中に含まれる微粒子状物質の浄
化効果を向上することができ、すなわち、ディーゼル機
関等の通常の走行時にディーゼル機関等から発生される
産業排ガスの温度範囲で微粒子状物質を燃焼除去でき、
特にアイドリング時のように排ガス温度が低い温度条件
下でも産業排ガス中の微粒子状物質を確実に捕捉し、負
荷運転時の排ガス温度の上昇とともに3次元構造体内に
捕捉された微粒子状物質を燃焼除去でき、経済性や信頼
性に優れた排ガス浄化装置を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第20実施例における排ガス浄化触媒
を担持させた3次元構造体を示す要部断面拡大図
【図2】本発明の一実施例における排ガス浄化触媒を用
いた排ガス浄化装置を示す断面図
【符号の説明】
1 3次元構造体 2 波型シート 3 平板シート 4 排ガス浄化装置 5 3次元構造体 6 加熱部 7 ケース 8 排ガス流入口 9 浄化ガス流出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F01N 3/20 B01D 53/36 ZABB 3/28 301 104B (72)発明者 井上 雅博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−78640(JP,A) 特開 昭57−117326(JP,A) 特開 昭61−149222(JP,A) 特開 昭58−189033(JP,A) 特開 昭58−30338(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86 B01D 53/94

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3次元構造体上に又は前記3次元構造体
    上にコートされた無機質コート層上に担持される排ガス
    浄化触媒であって、 前記排ガス浄化触媒が、リチウム(Li)と、白金(P
    t)と、アルミニウム(Al)と、セリウム(Ce)
    と、マグネシウム(Mg)と、を有していることを特徴
    とする排ガス浄化触媒。
  2. 【請求項2】 前記3次元構造体が、金属多孔体,セラ
    ミックハニカム又はセラミック多孔体等の内いずれか1
    からなることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化
    触媒。
  3. 【請求項3】 3次元構造体上に又は前記3次元構造体
    上にコートされた無機質コート層上に担持される排ガス
    浄化触媒の製造方法であって、 前記3次元構造体上に又は前記3次元構造体上にコート
    された無機質コート層上に、リチウム(Li)と、アル
    ミニウム(Al)と、セリウム(Ce)と、マグネシウ
    ム(Mg)と、を担持させる第1担持工程と、次いで、
    白金(Pt)を担持させる第2担持工程と、を備えたこ
    とを特徴とする排ガス浄化触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至2の内いずれか1に記載の
    排ガス浄化触媒を担持させた3次元構造体と、前記3次
    元構造体を収納するケースと、前記ケースに形成された
    排ガス流入口と、前記ケースに形成された排ガス流出口
    と、前記ケース内に配設された加熱部と、を備えたこと
    を特徴とする排ガス浄化触媒を用いた排ガス浄化装置。
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