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JPH09299801A - 排ガス浄化触媒及びそれを用いた排ガス浄化用フィルター及びそれを用いた排ガス浄化装置 - Google Patents

排ガス浄化触媒及びそれを用いた排ガス浄化用フィルター及びそれを用いた排ガス浄化装置

Info

Publication number
JPH09299801A
JPH09299801A JP8121287A JP12128796A JPH09299801A JP H09299801 A JPH09299801 A JP H09299801A JP 8121287 A JP8121287 A JP 8121287A JP 12128796 A JP12128796 A JP 12128796A JP H09299801 A JPH09299801 A JP H09299801A
Authority
JP
Japan
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exhaust gas
component
gas purifying
sulfate
catalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8121287A
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English (en)
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JP3799659B2 (ja
Inventor
Masahiro Inoue
雅博 井上
Masaaki Arita
雅昭 有田
Nobuyuki Tokubuchi
信行 徳渕
Tatsuro Miyazaki
達郎 宮▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP12128796A priority Critical patent/JP3799659B2/ja
Publication of JPH09299801A publication Critical patent/JPH09299801A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ディーゼル排ガス中のパーティキ
ュレートの燃焼触媒として高活性を達成するとともに排
ガス中のSOx成分に対する耐久性および排ガス温度や
パーティキュレート燃焼熱に対する耐熱性,耐熱衝撃性
に優れた排ガス浄化触媒の提供。 【解決手段】 本発明の排ガス浄化触媒は、(a)成分
としてバナジウムの硫酸塩と、(b)成分として1種以
上のアルカリ金属の硫酸塩と、(c)成分として銅、マ
ンガン、コバルト、鉄、鉛、モリブデン、亜鉛、銀から
なる群から選ばれた1種以上の金属の硫酸塩と、を含有
する構成を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディーゼル機関等の
燃焼機関から排出される排気ガス中に含まれる固体状炭
素微粒子、液体あるいは固体状の高分子量炭化水素微粒
子(以下、パーティキュレートと言う)を酸化反応さ
せ、除去する性能に優れた排ガス浄化用触媒とその触媒
を担持した排ガス浄化フィルター及びその触媒を担持し
た排ガス浄化フィルターを用いた排ガス浄化装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル機関の排ガス中のパーティキ
ュレートはその粒子径のほとんどが1μm以下であり、
大気中に浮遊し易く呼吸時に人体に取り込まれやすい。
しかもこの微粒子は発ガン性物質を含んでいることか
ら、このパーティキュレートの処理が種々検討されてい
る。
【0003】近年、このパーティキュレートの除去方法
として耐熱性のセラミックフィルターを用いて、排ガス
中のパーティキュレートを補足した後、バーナーあるい
はヒーターなどでパーティキュレートを燃焼させる方法
が開発されている。特に最近はバーナーあるいはヒータ
ーなどによる燃焼操作の軽減化を図った。耐熱性セラミ
ックフィルターにあらかじめ燃焼触媒を担持させてお
き、パーティキュレートの捕集とともに、燃焼反応を行
わせる方法が研究されている。
【0004】フィルター担持用触媒としては、コスト、
活性の高さからABO3型の複合酸化物(特開平5−7
6762号公報)や卑金属−貴金属系触媒(特開昭61
−57223)が開示されている。これらの触媒を担持
するフィルター部としては、コスト、物理的あるいは化
学的性質が適当であることから、コーディエライト(2
MgO・5SiO2・2Al23)、ムライト、(2A
23・3SiO2)等のアルミナを含んだ耐熱性セラ
ミックスが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらディーゼ
ルエンジンの排ガス温度はガソリンエンジンの場合と比
較して格段に低く、しかも燃料として軽油を用いるため
に排ガス中にはSOX量も多いことからこれらの触媒は
排ガス中のSOX成分により被毒され触媒の活性が劣化
してしまい、排ガス温度でパーティキュレートを燃焼さ
せるだけの十分な活性を得られないという問題点があ
る。さらに排ガス温度やパーティキュレート燃焼時にお
ける燃焼熱による触媒の熱的劣化も触媒活性の失活の原
因となる。
【0006】一般にディーゼル排ガス浄化触媒としては
高活性に加え、排ガス中のSOX成分に対する耐久性お
よび排ガス温度やパーティキュレートの燃焼熱に対する
耐熱性が要求されている。
【0007】また、ディーゼル排ガス中のパーティキュ
レートを排ガス温度にて燃焼除去できれば特殊な装置を
必要とせず、排ガスを浄化する方法として最も有効な方
法であり、よってより低温で活性を有する燃焼触媒が開
発されればシステムの簡素化によりコスト軽減が可能で
あり、実用の面で極めて有用で強く要望されている。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、ディーゼル排ガス中のパーティキュレートの燃焼触
媒として高活性を達成するとともに排ガス中のSOx
分に対する耐久性および排ガス温度やパーティキュレー
ト燃焼熱に対する耐熱性,耐熱衝撃性に優れた排ガス浄
化触媒の提供、及び高活性を有する排ガス浄化触媒を担
持し耐熱性や耐熱機械的強度に優れ高い燃焼率を達成で
きる排ガス浄化用フィルターの提供、高活性な触媒を担
持し耐熱性に優れ高燃焼率のフィルターを備えディーゼ
ル排ガス中のパーティキュレートを極めて高い浄化率で
浄化することのできる排ガス浄化装置の提供を目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の排ガス浄化用触
媒はバマジウムの硫酸塩に、アルカリ金属の硫酸塩や
銅、マンガン、コバルト等の金属の硫酸塩の混合塩を用
いたことと、更に、これらの系にアルミナ、シリカ、マ
グネシアなどを加えた構成よりなり、これによりディー
ゼル排ガス中のパーティキュレートを燃焼させる高活性
触媒を得られることに加え、排ガス中に含まれるSOx
成分に対する耐久性さらに排ガス温度やパーティキュレ
ート燃焼時における燃焼熱に対する耐熱性を得ることが
できるという作用を有する。
【0010】本発明の排ガス浄化用フィルターは、上記
高活性触媒が耐熱性、耐熱衝撃性に優れた材質からなる
ハニカム状又は板状の多孔質担体に担持された構成より
なり、これにより、捕集量が増加しても圧力の変化がほ
とんどなく排ガス浄化用フィルターが捕集されたパーテ
ィキュレートが排ガス温度で燃焼し浄化することができ
るという作用を有する。
【0011】本発明の排ガス浄化装置は、高活性触媒を
担持した排ガス浄化用フィルターを収納したケースと、
ケースに配設された排ガス流出入口を備え、排ガス流入
口がエンジンマニホールド側に近接して取付られている
構成よりなり、これにより、パーティキュレートを排ガ
ス温度で燃焼除去する場合にも排ガス温度を高温のまま
排ガス浄化用フィルター内に流入するため触媒の燃焼活
性の必要温度を上げることができる。という作用を有す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の排ガス
浄化触媒は、(a)成分としてバナジウムの硫酸塩と、
(b)成分として1種以上のアルカリ金属の硫酸塩と、
を含有する構成を有している。
【0013】この構成により、ディーゼル排ガス中のS
xに対する耐久性があり排ガス中にパーティキュレー
トを燃焼されるための触媒としての作用を有する。
【0014】本発明の請求項2に記載の排ガス浄化触媒
は、請求項1において、(b)成分のアルカリ金属がリ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム
の内いずれか1種である構成を有している。
【0015】この構成により、ディーゼル排ガス中のS
xに対する耐久性があり排ガス中のパーティキュレー
トを燃焼させるための触媒としての作用を有する。
【0016】本発明の請求項3に記載の排ガス浄化触媒
は、請求項1において、(b)成分のアルカリ金属の硫
酸塩がリチウム硫酸塩である構成を有している。
【0017】この構成により、SOXに対する耐毒性を
向上させ高活性を維持できるという作用を有する。
【0018】本発明の請求項4に記載の排ガス浄化触媒
は、請求項1乃至3の内いずれか1において、(c)成
分として銅、マンガン、コバルト、鉄、鉛、モリブデ
ン、亜鉛、銀からなる群から選ばれた1種以上の金属の
硫酸塩が添加されている構成を有している。
【0019】この構成により、SOXに対する耐久性を
向上させ高活性を維持できるという作用を有する。
【0020】本発明の請求項5に記載の排ガス浄化触媒
は、請求項4において、(c)成分の金属の硫酸塩が硫
酸銅である構成を有している。
【0021】この構成により、SOXに対する耐毒性を
向上させ高活性を維持できるという作用を有する。
【0022】本発明の請求項6に記載の排ガス浄化触媒
は請求項3又は4のいずれか1において、(d)成分と
して、アルミナ、シリカ、マグネシアからなる群から選
ばれた1種以上の金属酸化物と、を含有する構成を有し
ている。
【0023】この構成により、SOXに対する耐久性を
向上させ高活性を維持できるという作用を有する。
【0024】本発明の請求項7に記載の排ガス浄化触媒
は、請求項1乃至6の内いずれが1において、(a)成
分のバナジウムの硫酸塩と(b)成分のアルカリ金属の
硫酸塩のモル比(a)/(b)が1〜15好ましくは
2.5〜12.5である構成を有している。
【0025】本発明の請求項8に記載の排ガス浄化触媒
は、請求項1乃至7の内いずれか1において、(a)成
分のバナジウムの硫酸塩と、(c)成分の銅の硫酸塩の
モル比(a)/(c)が0.1以上好ましくは0.5以
上100以下である構成を有している。
【0026】ここで、モル比(a)/(c)が2.5よ
りも少なくなるに従い、活性の低下という傾向が現れ出
し、また、モル比が12.5よりも大きくなるにつれ活
性の低下という傾向が現れ出すので、好ましくない。
【0027】この構成によりSOXの耐毒性に優れ高活
性を持続できるという作用を有する。
【0028】本発明の請求項9に記載の排ガス浄化触媒
は、請求項6乃至8の内いずれか1において、(a)成
分のバナジウムの硫酸塩と、(b)成分のアルカリ金属
の硫酸塩と、(c)銅、マンガン、コバルト、鉄、鉛、
モリブデン、亜鉛、銀から選ばれた1種以上の金属の硫
酸塩の合計(x)に対する(d)成分のアルミナ、シリ
カ、マグネシアからなる群から選ばれた1種以上の金属
酸化物(y)のモル比(x)/(y)が0.1〜2であ
る構成を有している。
【0029】ここで、モル比(x)/(y)が0.1よ
りも小さくなるにつれ、活性の低下という傾向が現れ、
また、モル比(x)/(y)が2よりも大きくなると活
性の低下という傾向が現れるので、いずれも好ましくな
い。
【0030】この構成により、耐熱性を向上させるとと
もに、SOXの耐毒性に優れ高活性を持続できるという
作用を有する。
【0031】本発明の請求項10に記載の排ガス浄化用
フィルターは、請求項1乃至9の内いずれか1項に記載
の排ガス浄化触媒がコージェライトやムライト、チタン
酸アルミニウム等の耐熱性を有する材料でハニカム状あ
るいは板状に形成された多孔質担体に担持されている構
成を有している。
【0032】この構成により、SOXに対する耐毒性に
優れ、かつ耐熱衝撃性を向上させるという作用を有す
る。
【0033】本発明の請求項11に記載の排ガス浄化装
置は、請求項10に記載の排ガス浄化用フィルターを収
納したケースと、ケースに形成された排ガス流入口と、
ケースに形成され浄化されたガスが流出する流出口と、
を備え、排ガス流入口がエンジンマニホールドに近接し
て、取り付けられている構成を有している。
【0034】この構成により、より高温の排ガス排出部
に設置したので、パーティキュレートの燃焼効率を高め
ることができる。
【0035】本発明の請求項12に記載の排ガス浄化装
置は、請求項11において、ケースおよび排ガス流入口
が断熱材や真空層を有する中空板状を材質として形成さ
れている構成を有している。
【0036】この構成により、排ガス温度の低下を防ぐ
ことができるという作用を有する。この作用の結果、高
温の排ガス気流中に排ガス浄化用フィルターを設置でき
パーティキュレートの燃焼効率を高めることができる。
【0037】本発明の請求項13に記載の排ガス浄化装
置は、ケース内に電気ヒーター、バーナー及びマイクロ
波等の加熱によりパーティキュレートを除去する加熱手
段を備えている構成を有している。
【0038】この構成により、排ガス浄化用フィルター
を加熱できトラップされたパーティキュレートを完全に
燃焼させることができるという作用を有する。
【0039】
【実施例】以下本発明の実施例について説明をする。
【0040】(実施例1〜23、比較例1)(a)成分
として酸化硫酸バナジウム、(b)成分として硫酸リチ
ウム,硫酸カリウム,硫酸ルビジウム,硫酸セシウム、
(c)成分として硫酸銅,硫酸マンガン,硫酸コバル
ト,硫酸鉄,硫酸鉛,硫酸モリブデン,硫酸亜鉛,硫酸
銀の試薬を準備し、(表1)に示す組成比で、水に溶解
し混合水溶液をつくり、蒸発乾固させてのち得られた固
体を乳鉢で粉末化し、各実施例の排ガス浄化触媒を得
た。
【0041】
【表1】
【0042】次に得られた各実施例の排ガス浄化触媒を
用い、ディーゼル排ガスパーティキュレートの燃焼開始
温度を測定した。また、実施例1〜8と16〜19のデ
ィーゼル排ガスパーティキュレートの燃焼率について測
定した。測定は触媒とパーティキュレートを粉末状態で
混合したものを内径12mmφの石英ガラス反応管中に
充填し、これに酸素=5vol%、SO2=50ppm
の模擬ガスを流量500cc/minで流し管状電気炉
にて温度を一定の割合で上昇させて、炭酸ガスセンサー
により燃焼開始温度、燃焼率の測定を行った。触媒の各
組成比における燃焼開始温度の測定結果を(表2)乃至
(表7)に、燃焼率のアルカリ金属に対する依存性を図
1に、また、燃焼率のリチウム硫酸塩依存性を図2に示
した。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】なお、燃焼開始温度は2%のパーティキュ
レートが燃焼したときの温度としている。
【0050】また、従来例1として触媒を含まない他は
上記実施例と同様にしてパーティキュレートの燃焼実験
を行った。
【0051】この(表2)〜(表7)及び図1,図2の
結果から明らかなように、本実施例の触媒は、従来例1
と比べてSOxを含む排ガス中においても優れた活性が
得られることが分かった。また、(a)成分のバナジウ
ムの硫酸塩と(b)成分のアルカリ金属の硫酸塩のモル
比が(a)/(b)=2.5〜12.5のものが特に優
れた活性を示しており、また(a)成分のバナジウムの
硫酸塩と(c)成分の硫酸銅とのモル比が(a)/
(c)≧0.5のものが特に優れた性能を示しているこ
とが分かった。さらに(b)成分のアルカリ金属の硫酸
塩としては硫酸リチウムが、(c)成分の金属としては
硫酸銅が特に優れた活性を示していることがわかった。
【0052】(実施例24)(a)成分として酸化硫酸
バナジウム、(b)成分として硫酸リチウム、(c)成
分として硫酸銅、(d)成分としてアルミナを準備し、
モル比で(a):(b):(c):(d)=5:1:
5:10の割合で混合水溶液をつくり蒸発乾固させた。
次いで、得られた固体を乳鉢で粉末化し、電気炉にて9
00℃、5時間で焼成して触媒を得た。得られた触媒を
1000℃、で100時間熱処理し、実施例1と同じ方
法で燃焼開始温度の測定を行った。その測定結果を(表
8)に示した。
【0053】
【表8】
【0054】(実施例25)(c)成分のアルミナの添
加量を0とした他は実施例24と同一の方法で触媒を得
た。得られた触媒を実施例24と同じ方法で燃焼開始温
度の測定を行った。その測定結果を(表8)に示した。
【0055】この(表8)の結果から明らかなように、
本実施例の触媒で硫酸リチウムと硫酸銅と酸化硫酸バナ
ジウムからなる触媒にアルミナを加えることにより熱処
理による活性の劣化が抑えられ活性が維持されているこ
とが分かった。
【0056】(実施例26)アルミナの添加量をモル比
で1.1に変えた他は実施例24と同一の方法で触媒を
得た。得られた触媒を実施例24と同じ方法で燃焼開始
温度の測定を行った。その測定結果を(表8)に示し
た。
【0057】(実施例27)アルミナの添加量をモル比
で22に変えた他は実施例24と同一の方法で触媒を得
た。得られた触媒を実施例24と同じ方法で燃焼開始温
度の測定を行った。その測定結果を(表8)に示した。
【0058】この(表8)の結果から明らかなように、
本実施例の触媒で硫酸リチウムと硫酸銅と酸化硫酸バナ
ジウムからなる触媒にアルミナを加えて耐熱性が得られ
るのは触媒に対するアルミナのモル比が0.1〜2の範
囲であることが分かった。
【0059】(実施例28)次に触媒を含有した水溶液
として純水3000mlに対して、(b)成分として、
硫酸リチウムを80g、(c)成分として硫酸銅を10
0g、(d)成分として酸化硫酸バナジウムを250g
の割合で溶解させた混合水溶液を作り、排ガス浄化用の
フィルターとしてハニカム状のコージェライトフィルタ
ー(ブリジストン製)を上記の触媒溶液に含浸し、触媒
溶液を含んだフィルターを液体窒素で凍結させた後、共
和真空(株)製の真空凍結乾燥装置にてフィルター中の
水分を固体の状態から直接気化させて水分を取り除き、
均一に触媒をフィルターに担持させ、電気炉にて500
℃で5時間の焼成を行い排ガス浄化用フィルターを得
た。触媒の担持量はフィルターの重量に対して略10%
であった。
【0060】次いで、得られた排ガス浄化用フィルター
を排気量3431ccのディーゼルエンジンの排気系に
設置し1500rpm、トルク21kg・mで1時間の
運転を行いパーティキュレートの捕集と排ガス温度での
パーティキュレートの燃焼実験を行い、排ガス浄化用フ
ィルター前部でのパーティキュレートの蓄積による圧力
の変化を確認するため差圧計で圧力の測定を行った。そ
の結果を図3に示した。図3はフィルター前部でのパー
ティキュレートの蓄積による差圧の変化を示す。
【0061】(従来例2)触媒を担持していないハニカ
ム状のコージェライト製の排ガス浄化用フィルターを用
いて、実施例28と同等の方法でパーティキュレートの
捕集および圧力上昇の測定を行った。その結果を図3に
示した。
【0062】この図3の結果から明らかなように、従来
例の触媒を担持させていない排ガス浄化用フィルターが
パーティキュレートの捕集量が増加するに従ってフィル
ター前部での圧力が増加しているのに対し、本実施例2
8の触媒を担持させた排ガス浄化用フィルターでは初期
の差圧は触媒を担持している分大きいが、捕集量が増加
しても圧力の変化がほとんどなくフィルターに捕集され
たパーティキュレートが排ガス温度で燃焼し浄化されて
いることが分かった。
【0063】(実施例29)次に排気量3431ccの
ディーゼルエンジンの排気系に、実施例2の触媒を担持
した排ガス浄化用フィルターを収納した排ガス浄化装置
を設置し、排気流入口を断熱材で覆い、回転数1500
rpm、トルク21kg・mで1時間の運転を行い、排
ガス温度の測定を行った。その結果を(表9)に示し
た。
【0064】
【表9】
【0065】(実施例30)実施例29と同様に排気量
3431ccのディーゼルエンジンの排気系に実施例2
の触媒を担持した排ガス浄化用フィルターを収納した排
ガス浄化装置を設置し、断熱材を使わず、回転数150
0rpm、トルク21kg・mで1時間の運転を行い、
排ガス温度の測定を行った。その結果を(表9)に示し
た。
【0066】この(表9)の結果からディーゼルエンジ
ンの排ガス流入口を断熱材で覆うことにより、排ガス温
度をおよそ50℃上昇させることができ、排ガス浄化用
フィルターにトラップされたパーティキュレートをヒー
ターなどの加熱装置を使って燃焼除去する際の加熱エネ
ルギーを軽減させることができることがわかった。ま
た、ヒーターなどの加熱装置を使わずにパーティキュレ
ートを排ガス温度で燃焼除去する場合にも排ガス温度を
高温のまま排ガス浄化用フィルター内に流入するため触
媒の燃焼活性の必要温度を上げることができる。このよ
うに排ガス温度を高温のまま維持するには断熱材を用い
る他、排ガス流入口の周りに中空の板材に真空層を設け
ることにより断熱層を作ったり、排ガス浄化用フィルタ
ーを収納した排ガス浄化装置の排ガス流入口をエンジン
マニホールドに近づける方法も有効であることがわかっ
た。
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明の排ガス浄化触媒に
よれば、ディーゼル排ガス中のSOx成分による活性の
失活がなく、排ガス温度やパーティキュレートの燃焼に
よる燃焼熱に対し、高い耐熱性を有し高活性を持続する
ことができる。特にバナジウムとアルカリ金属の各硫酸
塩のモル比が2.5〜12.5、またバナジウムと銅の
各硫酸塩のモル比が0.5以上に調整した排ガス浄化触
媒は高い燃焼率を実現でき、触媒として優れた活性性能
を呈することができる。
【0068】また本発明の排ガス浄化用フィルターによ
れば、ディーゼルエンジンを長期間運転しても目詰りや
クラック等を起こすことがなく極めて高い浄化性と耐久
性を維持することができる。
【0069】また、ディーゼルエンジンの排ガス温度で
パーティキュレートを燃焼し浄化することができ高い省
エネルギー特性を達成できる。
【0070】また、本発明の排ガス浄化装置によれば、
パーティキュレートの高い捕集率と高い浄化率を有し、
優れた省エネルギー性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルカリ硫酸塩の種類を変えた場合における温
度に対するパーティキュレートの燃焼率を示す図
【図2】温度に対するパーティキュレート燃焼率の触媒
組成比の依存性を示す図
【図3】排ガス浄化用フィルターの実動時間に対する差
圧の変化を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 35/04 301 F01N 7/10 F01N 3/02 321 7/14 7/10 F02B 77/11 D 7/14 B01D 53/36 ZAB F02B 77/11 104B (72)発明者 宮▲崎▼ 達郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)成分としてバナジウムの硫酸塩と、
    (b)成分として1種以上のアルカリ金属の硫酸塩と、
    を含有することを特徴とする排ガス浄化触媒。
  2. 【請求項2】前記(b)成分のアルカリ金属がリチウ
    ム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの内
    いずれか1種であることを特徴とする請求項1に記載の
    排ガス浄化触媒。
  3. 【請求項3】前記(b)成分のアルカリ金属の硫酸塩が
    リチウム硫酸塩であることを特徴とする請求項1に記載
    の排ガス浄化触媒。
  4. 【請求項4】(c)成分として銅、マンガン、コバル
    ト、鉄、鉛、モリブデン、亜鉛、銀からなる群から選ば
    れた1種以上の金属の硫酸塩が添加されていることを特
    徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の排ガス
    浄化触媒。
  5. 【請求項5】前記(c)成分の金属の硫酸塩が硫酸銅で
    あることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に
    記載の排ガス浄化触媒。
  6. 【請求項6】(d)成分としてアルミナ、シリカ、マグ
    ネシアからなる群から選ばれた1種以上の金属酸化物が
    添加されていることを特徴とする請求項3又は4の内い
    ずれか1に記載の排ガス浄化触媒。
  7. 【請求項7】前記(a)成分のバナジウムの硫酸塩と、
    前記(b)成分のアルカリ金属の硫酸塩のモル比(a)
    /(b)が1〜15好ましくは2.5〜12.5である
    ことを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1に記載
    の排ガス浄化触媒。
  8. 【請求項8】前記(a)成分のバナジウムの硫酸塩と、
    前記(c)成分の硫酸銅のモル比(a)/(c)が0.
    5以上であることを特徴とする請求項1乃至7の内いず
    れか1に記載の排ガス浄化触媒。
  9. 【請求項9】前記(a)成分のバナジウムの硫酸塩と、
    前記(b)成分のアルカリ金属の硫酸塩と、前記(c)
    成分の銅、マンガン、コバルト、鉄、鉛、モリブデン、
    亜鉛、銀から選ばれた1種以上の金属の硫酸塩の合計
    (x)に対する前記(d)成分のアルミナ、シリカ、マ
    グネシアからなる群から選ばれた1種以上の金属酸化物
    (y)のモル比(x)/(y)が、0.1〜2であるこ
    とを特徴とする請求項6乃至8の内いずれか1に記載の
    排ガス浄化触媒。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9の内いずれか1項に記載
    の排ガス浄化触媒が、コージェライトやムライト,チタ
    ン酸アルミニウム等の耐熱性を有する材料でハニカム状
    あるいは板状に形成された多孔質担体に担持されている
    ことを特徴とする排ガス浄化用フィルター。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の排ガス浄化用フィル
    ターを収納したケースと、前記ケースに形成された排ガ
    ス流入口と、前記ケースに形成され浄化されたガスが流
    出する流出口と、を備え、前記排ガス流入口がエンジン
    マニホールドに近接して取り付けられていることを特徴
    とする排ガス浄化装置。
  12. 【請求項12】前記ケースおよび前記排ガス流入口が断
    熱材や真空層を有する中空板材を材質として形成されて
    いることを特徴とする請求項11に記載の排ガス浄化装
    置。
  13. 【請求項13】前記ケース内に電気ヒーター、バーナー
    及びマイクロ波等の加熱によりパーティキュレートを除
    去する加熱手段を備えていることを特徴とする請求項1
    1又は12に記載の排ガス浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030091346A (ko) * 2002-05-27 2003-12-03 현대자동차주식회사 디젤 자동차용 산화촉매와 그 제조방법
JP2009247931A (ja) * 2008-04-02 2009-10-29 Panasonic Corp 排ガス浄化フィルタ
JP2012071271A (ja) * 2010-09-29 2012-04-12 Daihatsu Motor Co Ltd 排ガス浄化用触媒およびその製造方法

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