JP3463032B2 - チタニルフタロシアニン結晶とその製造方法、および電子写真感光体とその製造方法 - Google Patents
チタニルフタロシアニン結晶とその製造方法、および電子写真感光体とその製造方法Info
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Description
アニン化合物から形成される新規なチタニルフタロシア
ニン結晶、およびその製造方法と、上記チタニルフタロ
シアニン結晶を電荷発生剤として用いた電子写真感光
体、並びにその製造方法とに関するものである。
紙ファクシミリ装置などの画像形成装置には電子写真感
光体が使用される。電子写真感光体としては、下記の各
成分を組み合わせて形成するいわゆる有機感光体が広く
使用されている。 ・光照射により電荷(正孔と電子)を発生する電荷発生
剤。 ・発生した電荷を輸送する電荷輸送剤。電荷輸送剤は、
電荷のうち正孔を輸送する正孔輸送剤と、電子を輸送す
る電子輸送剤に大別される。 ・成膜性を有する結着樹脂。
機感光体に比べて製造が容易であるという利点を有して
いる。また有機感光体は、上記電荷発生剤、電荷輸送
剤、結着樹脂などの材料の選択肢が多様であり、機能設
計の自由度が大きいという利点もある。上記有機感光体
は、導電性基体上に、単層型もしくは積層型の感光層を
形成することで構成される。
電荷輸送剤(正孔輸送剤および/または電子輸送剤)と
ともに結着樹脂中に分散することで形成される。また積
層型感光層は、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電
荷輸送剤(正孔輸送剤または電子輸送剤)を含有する電
荷輸送層とをこの順に、あるいは逆の順に積層すること
で形成される。電荷発生剤としては、感光体の感度域に
応じて種々の顔料が使用される。
から照射される赤外ないし近赤外の波長の光に感応する
感光体用の電荷発生剤としては、フタロシアニン系顔料
が広く使用される。上記フタロシアニン系顔料には、そ
の化学構造によって無金属フタロシアニン化合物、銅フ
タロシアニン化合物、チタニルフタロシアニン化合物な
どがある。また、そのそれぞれが種々の結晶型をとりう
る。
な結晶を見出すべく、種々のフタロシアニン化合物の、
種々の結晶型を有する結晶が、多くの研究者によって検
討されている。
907121号公報には、チタニルフタロシアニンの、
Y型の結晶型を有する結晶が、同じチタニルフタロシア
ニンの、他の結晶型を有する結晶に比べて電荷発生剤と
しての感度特性に優れ、電子写真感光体の感度向上に寄
与しうることが示されている。上記Y型のチタニルフタ
ロシアニン結晶を電荷発生剤として使用した単層型感光
層用の、もしくは積層型感光層のうち電荷発生層用の塗
工液は、当該結晶を他の成分とともに有機溶媒に加え
て、均一に分散することで製造される。
そ60分以内の時点で下地上に塗布し、乾燥して形成し
た層は、上記公報に記載のとおり感度特性に優れたもの
となる。ところが上記塗工液を、製造後に一定期間(例
えば24時間)、貯蔵したのち下地上に塗布し、乾燥し
て形成した層は、上記製造直後の塗工液を使用して形成
した層に比べて、その感度特性が著しく低下するという
問題を生じることが、本発明者らの検討によって明らか
となった。
タロシアニン結晶を用いて製造した塗工液は貯蔵安定性
が悪いため、良好な感度特性を有する感光層を安定して
形成できないという問題を有することが判明した。本発
明の主たる目的は、良好な感度特性を有する感光層を安
定して形成することが可能な、貯蔵安定性に優れた塗工
液を製造しうる、新規なチタニルフタロシアニン結晶を
提供することにある。
シアニン結晶の製造方法を提供することにある。本発明
のさらに他の目的は、上記チタニルフタロシアニン結晶
を用いた、感度特性に優れた電子写真感光体と、その製
造方法とを提供することにある。
題を解決するために、本発明者らは、前記公報に記載
の、従来のY型のチタニルフタロシアニン結晶を用いた
塗工液の貯蔵安定性が悪化する原因について検討を行っ
た。その結果、下記の事実を見出した。すなわち従来の
Y型のチタニルフタロシアニン結晶は、塗工液に含まれ
る、テトラヒドロフランなどの有機溶媒中での安定性が
悪い。このため塗工液を一定期間に亘って貯蔵した際
に、その結晶型が、Y型から、あまり感度特性のよくな
いβ型に徐々に変化する結晶転移を起こしやすい。この
ため、かかる塗工液を使用して形成した層は、製造後、
時間がたつほど、良好な感度特性が得られなくなる傾向
を示す。
ニン結晶の、有機溶媒中での安定性を向上すべく、その
物性について検討した。その結果、下記(a)(b)の2つの
物性をともに満足するチタニルフタロシアニン結晶が、
後述する実施例、比較例の結果からも明らかなように、
従来の、Y型のチタニルフタロシアニン結晶に比べて有
機溶媒中での安定性に優れており、結晶転移を起こしに
くいため、貯蔵安定性に優れた塗工液を形成できること
を見出し、本発明を完成するに至った。 (a) 結晶が、示差走査熱量分析において、吸着水の気化
に伴なうピーク以外は50℃から400℃まで温度変化
のピークを有しない。 (b) CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、少なく
ともブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に最大ピー
クを有するとともに、26.2°にピークを有しない。
は、下記の工程を経る本発明の製造方法によって製造す
ることが可能である。チタニルフタロシアニン化合物を
水溶性有機溶媒中に加え、加熱下で一定時間、かく拌処
理し、次いで上記かく拌処理よりも低温の温度条件下で
一定時間、液を静置して安定化処理する顔料化前処理の
工程 上記水溶性有機溶媒を除去して得たチタニルフタロシア
ニン化合物の粗結晶を溶媒に溶解したのち、この溶液を
貧溶媒中に滴下してチタニルフタロシアニン化合物を再
結晶させ、次いで水の存在下、非水系溶媒中でミリング
処理する顔料化の工程 また本発明のチタニルフタロシアニン結晶は、下記の工
程を経る本発明の他の製造方法によっても製造すること
ができる。
機溶媒中に加え、加熱下で一定時間、かく拌処理し、次
いで上記かく拌処理よりも低温の温度条件下で一定時
間、液を静置して安定化処理する顔料化前処理の工程 上記水溶性有機溶媒を除去して得たチタニルフタロシア
ニン化合物の粗結晶を、アシッドペースト法にて処理す
る工程 処理した低結晶性チタニルフタロシアニン化合物を、水
の存在下、非水系溶媒中でミリング処理する工程 本発明の電子写真感光体は、前記チタニルフタロシアニ
ン結晶を電化発生剤として含有する感光層を備えること
を特徴とする。
電子輸送剤のうちの少なくとも一方とを結着樹脂中に含
有させた単層型感光層と、 (B) チタニルフタロシアニン結晶を含有する電荷発生層
と、正孔輸送剤および電子輸送剤のうちのいずれか一方
を含有する電荷輸送層とを積層した積層型感光層とが挙
げられる。
タニルフタロシアニン結晶等の成分を有機溶媒に加えて
製造した塗工液の塗布、乾燥などによって上記の感光層
を形成することで、塗工液の製造後の経過期間にかかわ
らず常に安定した、良好な感度特性を有するものとな
る。また本発明のチタニルフタロシアニン結晶は、感光
体の製造後も、感光層中で安定に結晶型を維持できるも
のである。それゆえ感光体は、使用時に感度特性が低下
せず、経時的にも安定して良好な感度特性を保持しうる
ものとなる。
記載のチタニルフタロシアニン結晶を含有する感光層を
備え、当該感光層から単離した直後のチタニルフタロシ
アニン結晶が、CuKα特性X線回折スペクトルにおい
て、少なくともブラッグ角2θ±0.2°=27.2°
に最大ピークを有するとともに、26.2°にピークを
有さず、かつ温度23±1℃、相対湿度50〜60%の
条件下でテトラヒドロフラン中に24時間、浸漬したの
ち回収したチタニルフタロシアニン結晶が、CuKα特
性X線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角
2θ±0.2°=27.2°に最大ピークを有するとと
もに、26.2°にピークを有しないことを特徴とす
る。
真感光体の製造方法によれば、塗工液の製造後の経過期
間にかかわらず常に安定した、良好な感度特性を有す
る、前記単層型あるいは積層型の感光層を備えた電子写
真感光体を製造することが可能となる。 (単層型) チタニルフタロシアニン結晶その他の成分を有機溶媒に
加えて塗工液を製造する工程 製造した塗工液を塗布し、乾燥させて単層型感光層を形
成する工程 (積層型) チタニルフタロシアニン結晶と、結着樹脂とを有機溶媒
に加えて塗工液を製造する工程 製造した塗工液を塗布し、乾燥させて電荷発生層を形成
する工程
おり、下記(a)の物性を満足するものである。 (a) 結晶が、示差走査熱量分析において、吸着水の気化
に伴なうピーク以外は50℃から400℃まで温度変化
のピークを有しない。
は、式(11-1):
ン化合物の結晶であって、Y型、またはそれに類似した
結晶型を有するものが挙げられる。すなわち下記(b)の
物性を満足するチタニルフタロシアニン結晶が使用され
る。(b) 銅の特性X線であるCuKα(波長1.541Å)
を線源として測定されたCuKα特性X線回折スペクト
ルにおいて、少なくともブラッグ角2θ±0.2°=2
7.2°に最大ピークを有するとともに、26.2°に
ピークを有しない。
間、浸漬したのち回収したものが、CuKα特性X線回
折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角2θ±
0.2°=27.2°に最大ピークを有するとともに、
26.2°にピークを有しないことが好ましい。 ここに
おいて結晶を浸漬する有機溶媒としては、前述したテト
ラヒドロフランの他、トルエン、ジクロロメタン、1,
4−ジオキサンなどの1種または2種以上が挙げられ
る。結晶の安定性を評価する基準となる有機溶媒中への
浸漬は、塗工液を実際に保管する際と同じ条件下で行え
ばよい。例えば温度23±1℃、相対湿度50〜60%
の条件下の、密閉系中で放置するのがよい。
(b)の物性をともに満足するチタニルフタロシアニン結
晶を製造するには、まず下記反応工程式:
し、特にn−ブチルが好ましい。〕に示すように、フタ
ロニトリル(11a)とチタンアルコキシド(11b)とを反応さ
せるか、あるいは下記反応工程式:
ルキル基を示し、特にn−ブチルが好ましい。〕に示す
ように、1,3−ジイミノインドリン(11c)とチタンア
ルコキシド(11b)とを反応させるなどして、チタニルフ
タロシアニン化合物(11-1)を合成する。次にこのチタニ
ルフタロシアニン化合物(11-1)を水溶性有機溶媒中に加
え、加熱下で一定時間、かく拌処理し、ついで当該かく
拌処理よりも低温の温度条件下で一定時間、液を静置し
て安定化処理する顔料化前処理を行う。
しては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノ
ールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオン酸、酢
酸、N−メチルピロリドン、エチレングリコール等の1
種または2種以上が挙げられる。なお水溶性有機溶媒に
は、少量であれば、非水溶性の有機溶媒を添加してもよ
い。顔料化前処理のうちかく拌処理の条件は特に限定さ
れないが、およそ70〜200℃程度の温度範囲の一定
温度条件下で、1〜3時間程度のかく拌処理を行うのが
好ましい。
に限定されないが、およそ10〜50℃程度、特に好ま
しくは23±1℃前後の温度範囲の一定温度条件下で、
5〜10時間程度、液を静置して安定化させるのが好ま
しい。次に、上記顔料化前処理の終了後、水溶性有機溶
媒を除去して得たチタニルフタロシアニン化合物の粗結
晶を、さらに常法に従って溶媒に溶解したのち貧溶媒中
に滴下して再結晶させ、ついでろ過、水洗、ミリング処
理、ろ過、乾燥などの工程を経て顔料化する。そうする
と、前述した(a)(b)の物性を満足する、本発明のチタニ
ルフタロシアニン結晶が製造される。
ずに水が存在した状態で、非水系溶媒中に分散してかく
拌する処理である。粗結晶を溶解する溶媒としては、例
えばジクロロメタン、クロロホルム、臭化エチル、臭化
ブチル等のハロゲン化炭化水素類、トリフルオロ酢酸、
トリクロロ酢酸、トリブロモ酢酸等のトリハロ酢酸類、
および硫酸等の1種または2種以上の任意の組み合わせ
が挙げられる。
ば水が挙げられる他、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等のアルコール類やアセトン、ジオキサン等
の水溶性有機溶媒が挙げられ、これらがそれぞれ1種単
独で、もしくは2種以上の任意の組み合わせで使用され
る。さらにミリング処理のための非水系溶媒としては、
例えばクロロベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン系
溶媒が挙げられる。
下記の方法で製造することもできる。すなわち上記顔料
化前処理後、水溶性有機溶媒を除去して得たチタニルフ
タロシアニン化合物の粗結晶を、まずアシッドペースト
法によって処理する。具体的には、上記粗結晶を酸に溶
解し、この溶液を氷冷下の水中に滴下したのち一定時間
にわたってかく拌し、さらに23±1℃付近で静置して
再結晶させる。
ニルフタロシアニン化合物をろ過し、水洗した後、乾燥
させずに水が存在した状態で、非水系溶媒中に分散して
前記ミリング処理をする。そして処理後の個体をろ別
し、乾燥すると、前述した(a)(b)の物性を満足する、本
発明のチタニルフタロシアニン結晶が得られる。アシッ
ドペースト法に使用する酸としては、例えば濃硫酸、ス
ルホン酸等が挙げられる。またミリング処理に使用する
非水系溶媒は前記と同様である。 〈電子写真感光体とその製造方法〉 本発明の電子写真感光体は、上記本発明のチタニルフタ
ロシアニン結晶を電荷発生剤として含有する感光層を、
導電性基体上に設けたことを特徴とするものである。
本発明のチタニルフタロシアニン結晶を含有する感光層
を備え、当該感光層から単離した直後のチタニルフタロ
シアニン結晶が、CuKα特性X線回折スペクトルにお
いて、少なくともブラッグ角2θ±0.2°=27.2
°に最大ピークを有するとともに、26.2°にピーク
を有さず、かつ温度23±1℃、相対湿度50〜60%
の条件下でテトラヒドロフラン中に24時間、浸漬した
のち回収したチタニルフタロシアニン結晶が、CuKα
特性X線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ
角2θ±0.2°=27.2°に最大ピークを有すると
ともに、26.2°にピークを有しないことを特徴とす
るものである。
0.2°=26.2°のピーク強度が最大ピーク(2
7.2°)の強度を超えるようなチタニルフタロシアニ
ン結晶は、感光体の製造後も安定に結晶型を維持してい
るとは言えない。よって、かかるチタニルフタロシアニ
ン結晶を使用した感光体は、経時的に安定して良好な感
度特性を保持しうるものとはなりえない。感光層からチ
タニルフタロシアニン結晶を単離するには、まず基材か
らはく離した感光層をテトラヒドロフランなどで溶解し
たのち、溶液をデカンテーションするか、またはろ過す
ればよい。
型感光層と積層型感光層とがあるが、本発明はこのいず
れにも適用可能である。単層型の感光層は、電荷発生剤
であるチタニルフタロシアニン結晶を、電荷輸送剤、な
らびに結着樹脂とともに適当な有機溶媒に溶解または分
散した塗工液を、塗布などの手段によって導電性基体上
に塗布し、乾燥させることで形成される。かかる単層型
の感光層は、層構成が簡単で生産性に優れている。
孔輸送剤のうちのいずれか一方または両方が使用でき
る。特に上記両輸送剤を併用した単層型の感光層は、単
独の構成で正負いずれの帯電にも対応できるという利点
がある。電子輸送剤としては、電荷発生剤であるチタニ
ルフタロシアニン結晶とのマッチングがよく、当該チタ
ニルフタロシアニン結晶で発生した電子を結晶から引き
抜いて、効率よく輸送できるものが望ましい。同様に正
孔輸送剤としても、上記チタニルフタロシアニン結晶と
のマッチングがよく、当該チタニルフタロシアニン結晶
で発生した正孔を結晶から引き抜いて、効率よく輸送で
きるものが望ましい。
系では、両者が電荷移動錯体を形成して、感光層全体で
の電荷輸送能の低下を引き起こし、感光体の感度が低下
するのを防止すべく、両輸送剤の組み合わせについても
配慮する必要がある。つまり両輸送剤を、正孔輸送およ
び電子輸送が効率よく起こる高濃度で同一層中に含有さ
せても、層中で電荷移動錯体が形成されず、正孔輸送剤
は正孔を、電子輸送剤は電子を、それぞれ効率よく輸送
できる、両者の組み合わせを選択するのが望ましい。
塗布または蒸着などの手段によって、電荷発生剤である
チタニルフタロシアニン結晶を含有する電荷発生層を形
成し、ついでこの電荷発生層上に、電荷輸送剤と結着樹
脂とを含む塗工液を、塗布などの手段によって塗布し、
乾燥させて電荷輸送層を形成することで形成される。ま
た上記とは逆に、導電性基体上に電荷輸送層を形成し、
その上に電荷発生層を形成してもよい。
膜厚がごく薄いため、その保護のためには、導電性基体
上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成す
るのが好ましい。積層型感光層は、上記電荷発生層、電
荷輸送層の形成順序と、電荷輸送層に使用する電荷輸送
剤の種類によって、正負いずれの帯電型となるかが選択
される。例えば、導電性基体上に電荷発生層を形成し、
その上に電荷輸送層を形成した層構成において、電荷輸
送層の電荷輸送剤として正孔輸送剤を使用した場合に
は、感光層は負帯電型となる。この場合、電荷発生層に
は電子輸送剤を含有させてもよい。電荷発生層に含有さ
せる電子輸送剤としては、電荷発生剤であるチタニルフ
タロシアニン結晶とのマッチングがよく、当該チタニル
フタロシアニン結晶で発生した電子を結晶から引き抜い
て、効率よく輸送できるものが望ましい。
の電荷輸送剤として電子輸送剤を使用した場合には、感
光層は正帯電型となる。この場合、電荷発生層には正孔
輸送剤を含有させてもよい。電荷発生層に含有させる正
孔輸送剤としては、電荷発生剤であるチタニルフタロシ
アニン結晶とのマッチングがよく、当該チタニルフタロ
シアニン結晶で発生した正孔を結晶から引き抜いて、効
率よく輸送できるものが望ましい。
子輸送性化合物がいずれも使用可能である。特にベンゾ
キノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、ナフトキノ
ン系化合物、マロノニトリル、チオピラン系化合物、テ
トラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサ
ントン、フルオレノン系化合物〔例えば2,4,7−ト
リニトロ−9−フルオレノンなど〕、ジニトロベンゼ
ン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニト
ロアントラキノン、無水こはく酸、無水マレイン酸、ジ
ブロモ無水マレイン酸、2,4,7−トリニトロフルオ
レノンイミン系化合物、エチル化ニトロフルオレノンイ
ミン系化合物、トリプトアントリン系化合物、トリプト
アントリンイミン系化合物、アザフルオレノン系化合
物、ジニトロピリドキナゾリン系化合物、チオキサンテ
ン系化合物、2−フェニル−1,4−ベンゾキノン系化
合物、2−フェニル−1,4−ナフトキノン系化合物、
5,12−ナフタセンキノン系化合物、α−シアノスチ
ルベン系化合物、4′−ニトロスチルベン系化合物、な
らびに、ベンゾキノン系化合物の陰イオンラジカルとカ
チオンとの塩などの電子吸引性化合物が好適に使用され
る。これらはそれぞれ単独で使用される他、2種以上を
併用することもできる。
る化合物が、いずれも前記チタニルフタロシアニン結晶
とのマッチングがよく、かつ電子輸送能に優れた電子輸
送剤として、好適に使用される。
の正孔輸送性化合物がいずれも使用可能である。特にベ
ンジジン系化合物、フェニレンジアミン系化合物、ナフ
チレンジアミン系化合物、フェナントリレンジアミン系
化合物、オキサジアゾール系化合物〔例えば2,5−ジ
(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジ
アゾールなど〕、スチリル系化合物〔例えば9−(4−
ジエチルアミノスチリル)アントラセンなど〕、カルバ
ゾール系化合物〔例えばポリ−N−ビニルカルバゾール
など〕、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物
〔例えば1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)ピラゾリンなど〕、ヒドラゾン系化合物、トリフ
ェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾ
ール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール
系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化
合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物、ブ
タジエン系化合物、ピレン−ヒドラゾン系化合物、アク
ロレイン系化合物、カルバゾール−ヒドラゾン系化合
物、キノリン−ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合
物、スチルベン−ヒドラゾン系化合物、およびジフェニ
レンジアミン系化合物などが好適に使用される。これら
はそれぞれ単独で使用される他、2種以上を併用するこ
ともできる。
れる化合物が、いずれも前記チタニルフタロシアニン結
晶とのマッチングがよく、かつ正孔輸送能に優れた正孔
輸送剤として、好適に使用される。
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、
アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキッド
樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、
ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹
脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエー
テル樹脂などの熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂そ
の他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシ−アクリレ
ート、ウレタン−アクリレートなどの光硬化性樹脂など
があげられる。これら結着樹脂は単独で使用できるほ
か、2種以上を併用することもできる。
感剤、フルオレン系化合物、紫外線吸収剤、可塑剤、界
面活性剤、レベリング剤などの種々の添加剤を添加する
こともできる。また感光体の感度を向上させるために、
例えばターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチ
レンなどの増感剤を、電荷発生剤と併用してもよい。ま
た感光体の感度領域を調整するために、他の電荷発生剤
を併用してもよい。他の電荷発生剤としては、これに限
定されないが例えばセレン、セレン−テルル、セレン−
ヒ素、硫化カドミウム、α−シリコンなどの無機光導電
材料の粉末、アゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、ペリレン系
顔料、アンサンスロン系顔料、本発明のチタニルフタロ
シアニン結晶以外の、従来のフタロシアニン系顔料、イ
ンジゴ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔
料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリド
ン系顔料、ジチオケトピロロピロール系顔料などの1種
または2種以上があげられる。
成する電荷発生剤と結着樹脂とは、種々の割合で配合す
ることができるが、結着樹脂100重量部に対して、電
荷発生剤を5〜1000重量部、特に30〜500重量
部、配合するのが好ましい。なお上記電荷発生剤の配合
量は、電荷発生剤として、前記チタニルフタロシアニン
結晶を単独で用いる場合は、当該チタニルフタロシアニ
ン結晶の配合量であり、チタニルフタロシアニン結晶と
他の電荷発生剤とを併用する場合は、両者の合計の配合
量である。
生剤とを併用する場合、他の電荷発生剤は、前述したチ
タニルフタロシアニン結晶の効果を妨げない範囲で少
量、配合するのが好ましい。具体的には、他の電荷発生
剤を、チタニルフタロシアニン結晶100重量部に対し
て、30重量部以下の割合で配合するのが好ましい。電
荷輸送層を構成する電荷輸送剤と結着樹脂とは、電荷の
輸送を阻害しない範囲および結晶化しない範囲で、種々
の割合で配合することができるが、光照射により電荷発
生層で生じた電荷が容易に輸送できるように、結着樹脂
100重量部に対して、電荷輸送剤を10〜500重量
部、特に25〜200重量部の割合で配合するのが好ま
しい。
0.01〜5μm程度、特に0.1〜3μm程度に形成
されるのが好ましく、電荷輸送層が2〜100μm、特
に5〜50μm程度に形成されるのが好ましい。単層型
の感光体においては、結着樹脂100重量部に対して電
荷発生剤は0.1〜50重量部、特に0.5〜30重量
部、電荷輸送剤は20〜500重量部、特に30〜20
0重量部、配合するのが適当である。
同様に、電荷発生剤として本発明のチタニルフタロシア
ニン結晶のみを用いる場合は、当該チタニルフタロシア
ニン結晶の配合量であり、チタニルフタロシアニン結晶
と他の電荷発生剤とを併用する場合は、両者の合計の配
合量である。チタニルフタロシアニン結晶と他の電荷発
生剤とを併用する場合、他の電荷発生剤は、前述したチ
タニルフタロシアニン結晶の効果を妨げない範囲で少
量、配合するのが好ましい。具体的には、他の電荷発生
剤を、チタニルフタロシアニン結晶100重量部に対し
て、100重量部以下の割合で配合するのが好ましい。
剤として、電子輸送剤、正孔輸送剤のうちのいずれか一
方のみを使用する場合は、当該輸送剤のみの配合量であ
り、電子輸送剤と正孔輸送剤とを併用する場合は、両者
の合計の配合量である。また電子輸送剤と正孔輸送剤と
を併用する場合、電子輸送剤は、正孔輸送剤100重量
部に対して、10〜100重量部の割合で配合するのが
好ましい。単層型の感光層の厚みは5〜100μm、特
に10〜50μm程度に形成されるのが好ましい。
は、導電性基体と感光層との間に、また、積層型の感光
層を有する感光体にあっては、導電性基体と電荷発生層
との間や、導電性基体と電荷輸送層との間、または電荷
発生層と電荷輸送層との間に、感光体の特性を阻害しな
い範囲でバリア層が形成されていてもよい。また上記単
層型または積層型の感光層を有する感光体の表面には、
保護層が形成されていてもよい。
は、導電性を有する種々の材料を使用することができ
る。例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バ
ナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、
ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真
鍮などの金属にて形成された導電性基体や、上記金属が
蒸着またはラミネートされたプラスチック材料からなる
基体、あるいはヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化イ
ンジウムなどで被覆されたガラス製の基体などが例示さ
れる。
るいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、
導電性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有す
るものが好ましい。導電性基体の形状は使用する画像形
成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状などのい
ずれであってもよい。感光体を構成する各層を、塗布の
方法により形成する場合には、前記例示の電荷発生剤、
電荷輸送剤、結着樹脂などを、前述したテトラヒドロフ
ランなどの有機溶媒とともに、公知の方法、例えば、ロ
ールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカ
ーあるいは超音波分散器などを用いて分散混合して塗工
液を調整し、これを公知の手段により塗布、乾燥すれば
よい。
電荷発生層などの、チタニルフタロシアニン結晶を含む
層用の塗工液をつくるための有機溶媒としては、前述し
たようにテトラヒドロフラン、トルエン、ジクロロメタ
ン、1,4−ジオキサンなどの1種または2種以上があ
げられる。またその他の層用の塗工液を作るための有機
溶媒としては、上記各種溶媒の他に、例えばメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの
アルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサ
ンなどの脂肪族系炭化水素、ベンゼン、キシレンなどの
芳香族炭化水素、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロ
ベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エ
チル、酢酸メチルなどのエステル類、ジメチルホルムア
ルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ドなどの1種または2種以上があげられる。
性、感光層表面の平滑性をよくするため、塗工液には界
面活性剤、レベリング剤などを添加してもよい。
較例に基づいて説明する。 〈チタニルフタロシアニン結晶〉 製造例1 (チタニルフタロシアニン化合物の合成) アルゴン置換したフラスコ中に、1,3−ジイミノイソ
インドリン25gと、チタンテトラブトキシド22g
と、ジフェニルメタン300gとを加え、かく拌しつつ
150℃まで昇温した。
留去しながら215℃まで昇温したのち、この温度を維
持しつつさらに4時間、かく拌して反応させた。反応終
了後、150℃まで冷却した時点で反応混合物をフラス
コから取り出し、ガラスフィルターによってろ別し、得
られた固体をN,N−ジメチルホルムアミド、およびメ
タノールで順次洗浄したのち真空乾燥して、紫色の固体
24gを得た。 (顔料化前処理) 上記チタニルフタロシアニン化合物の合成で得られた紫
色の固体10gを、N,N−ジメチルホルムアミド10
0ミリリットル中に加え、かく拌しつつ130℃に加熱
して2時間、かく拌処理を行った。
し、23±1℃まで冷却したのちかく拌も停止し、この
状態で12時間、液を静置して安定化処理を行った。そ
して安定化された液をガラスフィルターによってろ別
し、得られた固体をメタノールで洗浄したのち真空乾燥
して、チタニルフタロシアニン化合物の粗結晶9.85
gを得た。 (顔料化処理) 上記顔料化前処理で得られたチタニルフタロシアニン化
合物の粗結晶5gを、ジクロロメタンとトリフルオロ酢
酸との混合溶媒(体積比4:1)100ミリリットルに
加えて溶解した。
貧溶媒(体積比1:1)中に滴下したのち、室温で15
分間、かく拌し、さらに室温で30分間、静置して再結
晶させた。つぎに上記液をガラスフィルターによってろ
別し、得られた固体を洗浄液が中性になるまで水洗した
のち、乾燥させずに水が存在した状態で、クロロベンゼ
ン200ミリリットル中に分散させて1時間、かく拌し
た。
したのち、得られた固体を50℃で5時間、真空乾燥さ
せて、式(11-1):
ンの結晶(青色粉末)4.2gを得た。 製造例2 (アシッドペースト法) 上記製造例1と同様にして合成し、顔料化前処理をした
チタニルフタロシアニン化合物の粗結晶5gを、濃硫酸
1000ミリリットルに加えて溶解した。
のち15分間にわたってかく拌し、さらに23±1℃付
近で30分間、静置して再結晶させた。 (ミリング処理) つぎに上記液をガラスフィルターによってろ別し、得ら
れた個体を洗浄液が中性になるまで水洗した後、乾燥さ
せずに水が存在した状態で、クロロベンゼン200ミリ
リットル中に分散させて1時間、かく拌した。
したのち、得られた個体を50℃で5時間、真空乾燥さ
せて、前記式(11-1)で表される無置換のチタニルフタロ
シアニンの結晶(青色粉末)4.0gを得た。 製造例3 顔料化前処理工程を省略したこと以外は製造例1と同様
にして、チタニルフタロシアニンの結晶4.2gを得
た。
たこと以外は製造例1と同様にして、チタニルフタロシ
アニンの結晶4.3gを得た。 製造例5 顔料化前処理工程のうち安定化処理を省略したこと以外
は製造例1と同様にして、チタニルフタロシアニンの結
晶4.3gを得た。
1に準じてチタニルフタロシアニンの結晶を製造した。
すなわち前記製造例1と同様にして合成した、顔料化前
処理を行う前の、非結晶性のチタニルフタロシアニン2
gをガラスビーカに入れ、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテルを、総量が200ミリリットルになるまで加
えた。
く拌してチタニルフタロシアニンの結晶を得た。 CuKα特性X線回折スペクトル測定 上記各製造例で得られた、製造後60分以内のチタニル
フタロシアニン結晶0.5gを、X線回折装置〔理学電
機(株)製のRINT1100〕のサンプルホルダーに充
てんして初期測定を行った。
る実施例において塗工液に使用したテトラヒドロフラン
5g中に分散させ、温度23±1℃、相対湿度50〜6
0%の条件下、密閉系中で24時間、保管したのちテト
ラヒドロフランを除去して再測定を行った。なお測定の
条件は、初期測定、再測定ともに下記のとおりとした。 X線管球:Cu 管電圧:40kV 管電流:30mA スタート角度:3.0° ストップ角度:40.0° 走査速度:10°/分 示差走査熱量分析 示差走査熱量計〔理学電機(株)製のTAS−200型、
DSC8230D〕を用いて、各製造例で得られたチタ
ニルフタロシアニン結晶の示差走査熱量分析を行った。
測定条件は下記のとおり。
の、各図との対応は表1のとおりである。
のチタニルフタロシアニン結晶は、図2に示すようにブ
ラッグ角度2θ±0.2°=9.5°、24.1°、お
よび27.2°に強いピークを有するとともに26.2
°にピークがないことから、Y型の結晶型を有すること
が確認された。また上記製造例1のチタニルフタロシア
ニン結晶をテトラヒドロフラン中に24時間、浸漬して
も、図3に示すようにブラッグ角度2θ±0.2°=2
6.2°にピークが発生していないことから、結晶はY
型を維持しており、β型などの他の結晶型に転移してい
ないことが確認された。
結晶は、図1に示すように、吸着水の気化に伴なう90
℃付近のピーク以外は50℃から400℃まで温度変化
のピークを示さないことから、結晶転移を生じない安定
したものであることが確認された。また製造例2で得ら
れた製造後60分以内のチタニルフタロシアニン結晶
は、図5に示すようにブラッグ角度2θ±0.2°=
9.5°、24.1°、および27.2°に強いピーク
を有するとともに26.2°にピークがないことから、
やはりY型の結晶型を有することが確認された。
ン結晶をテトラヒドロフラン中に24時間、浸漬して
も、図6に示すようにブラッグ角度2θ±0.2°=2
6.2°にピークが発生していないことから、結晶はY
型を維持しており、β型などの他の結晶型に転移してい
ないことが確認された。さらに製造例2のチタニルフタ
ロシアニン結晶は、図4に示すように、吸着水の気化に
伴なう90℃付近のピーク以外は50℃から400℃ま
で温度変化のピークを示さないことから、結晶転移を生
じない安定したものであることが確認された。
ニルフタロシアニン結晶はいずれも、テトラヒドロフラ
ン中に24時間、浸漬することによってブラッグ角度2
θ±0.2°=27.2°のピークが小さくなり、代わ
って26.2°に強いピークが発生したことから、結晶
がY型を維持できずにβ型に転移していることが確認さ
れた。また上記製造例3〜6のチタニルフタロシアニン
結晶を示差走査熱量分析したところ、このいずれのもの
も、吸着水の気化に伴なう90℃付近のピークの他に、
247〜260℃の付近にピークを示しており、結晶転
移を生じることが確認された。 〈単層型電子写真感光体〉 実施例1〜36 前記製造例1で得たチタニルフタロシアニン結晶を、電
荷発生剤として使用した。
重量部と、正孔輸送剤としての前記式(HT-1)〜(HT-17)
のいずれかで表される1種の化合物70重量部と、電子
輸送剤としての前記式(ET-1)〜(ET-6)のいずれかで表さ
れる1種の化合物30重量部と、結着樹脂であるポリカ
ーボネート100重量部とを、800重量部のテトラヒ
ドロフランとともに、超音波分散機を用いて混合、分散
させて単層型感光層用の塗工液を製造した。
分以内に、導電性基材である、厚み1mmのアルミニウ
ム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で
30分間、熱風乾燥して、膜厚25μmの単層型感光層
を有する電子写真感光体を作製した。また上記塗工液を
温度23±1℃、相対湿度50〜60%の密閉系中で2
4時間、貯蔵し、次いで超音波分散機で再分散させた
後、同様に厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤ
ーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥
して、膜厚25μmの単層型感光層を有する電子写真感
光体を作製した。
発生剤として使用したこと以外は実施例1〜12と同様
にして、単層型感光層用の塗工液を製造した。そしてこ
の塗工液を製造直後、およそ60分以内に、導電性基材
である、厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤー
バーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥し
て、膜厚25μmの単層型感光層を有する電子写真感光
体を作製した。
度50〜60%の密閉系中で24時間、貯蔵し、次いで
超音波分散機で再分散させた後、同様に厚み1mmのア
ルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、1
10℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚25μmの単層
型感光層を有する電子写真感光体を作製した。 比較例1〜36 前記製造例3で得たチタニルフタロシアニン結晶を電荷
発生剤として使用したこと以外は実施例1〜36と同様
にして、単層型感光層用の塗工液を製造した。
分以内に、導電性基材である、厚み1mmのアルミニウ
ム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で
30分間、熱風乾燥して、膜厚25μmの単層型感光層
を有する電子写真感光体を作製した。また上記塗工液を
温度23±1℃、相対湿度50〜60%の密閉系中で2
4時間、貯蔵し、次いで超音波分散機で再分散させた
後、同様に厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤ
ーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥
して、膜厚25μmの単層型感光層を有する電子写真感
光体を作製した。
発生剤として使用したこと以外は実施例1〜12と同様
にして、単層型感光層用の塗工液を製造した。そしてこ
の塗工液を製造直後、およそ60分以内に、導電性基材
である、厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤー
バーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥し
て、膜厚25μmの単層型感光層を有する電子写真感光
体を作製した。
度50〜60%の密閉系中で24時間、貯蔵し、次いで
超音波分散機で再分散させた後、同様に厚み1mmのア
ルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、1
10℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚25μmの単層
型感光層を有する電子写真感光体を作製した。 感度特性試験(1) 上記各実施例、比較例で作製した電子写真感光体を、ド
ラム感度試験機を用いて、コロナ放電により、表面電位
+700Vに帯電させた。
780nm、半値幅20nmに単色化した光強度8μW
/cm2の光を、上記電子写真感光体の表面に1.5秒
間、露光しつつ、上記の露光開始から0.5秒後の表面
電位を露光後電位として測定した。そして各実施例、比
較例で作製した電子写真感光体のうち、前述した製造直
後の塗工液を用いて感光層を形成したものの露光後電位
Vr1(V)と、24時間、貯蔵後の塗工液を用いて感
光層を形成したものの露光後電位Vr2(V)とによっ
て、各感光体の感度特性を評価した。
ロシアニン結晶を使用した比較例1〜48の電子写真感
光体は、製造後24時間に亘って貯蔵した塗工液を使用
して単層型感光層を形成した感光体の露光後電位Vr2
(V)が、製造直後の塗工液を用いて単層型感光層を形
成した感光体の露光後電位Vr1(V)に比べて著しく
増加していた。そしてこのことから、製造例3、6のチ
タニルフタロシアニン結晶は、塗工液の貯蔵によって感
光体の感度特性が著しく低下することがわかった。
のチタニルフタロシアニン結晶を使用した実施例1〜4
8の電子写真感光体は、製造直後の塗工液を用いて単層
型感光層を形成した感光体の露光後電位Vr1(V)
と、製造後24時間に亘って貯蔵した塗工液を使用して
単層型感光層を形成した感光体の露光後電位Vr
2(V)とが殆ど変化していなかった。そしてこのこと
から、製造例1、2のチタニルフタロシアニン結晶を使
用すれば、塗工液製造後の経過期間にかかわらず常に安
定して、良好な感度特性を有する感光体を製造できるこ
とが確認された。 〈積層型電子写真感光体〉 実施例49〜65 前記製造例1で得たチタニルフタロシアニン結晶を、電
荷発生剤として使用した。
2.5重量部と、結着樹脂であるポリビニルブチラール
1重量部とを、15重量部のテトラヒドロフランととも
に、超音波分散機を用いて混合、分散させて、積層型感
光層のうち電荷発生層用の塗工液を得た。次いでこの塗
工液を製造直後、およそ60分以内に、導電性基材であ
る、厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤーバー
を用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、
膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
(HT-17)のいずれかで表される1種の化合物1重量部
と、結着樹脂であるポリカーボネート1重量部とを、1
0重量部のトルエンととともに、超音波分散機を用いて
混合、分散させて、電荷輸送層用の塗布液を得た。そし
てこの塗布液を、上記電荷発生層上に、ワイヤーバーを
用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜
厚20μmの電荷輸送層を形成して、積層型感光層を有
する電子写真感光体を製造した。
相対湿度50〜60%の密閉系中で24時間、貯蔵し、
次いで超音波分散機で再分散させた後、同様に厚み1m
mのアルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布
し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚0.5μ
mの電荷発生層を形成した。そしてこの電荷発生層上
に、前記と同じ電荷輸送層用の塗布液を、ワイヤーバー
を用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、
膜厚20μmの電荷輸送層を形成して、積層型感光層を
有する電子写真感光体を製造した。
発生剤として使用したこと以外は実施例49〜65と同
様にして、積層型感光層のうち電荷発生層用の塗工液を
製造した。そしてこの電荷発生層用の塗工液を製造直
後、およそ60分以内に、導電性基材である、厚み1m
mのアルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布
し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚0.5μ
mの電荷発生層を形成し、その上に前記と同じ電荷輸送
層用の塗布液を、ワイヤーバーを用いて塗布し、110
℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送
層を形成して、積層型感光層を有する電子写真感光体を
製造した。
相対湿度50〜60%の密閉系中で24時間、放置して
超音波分散機で再分散させた後、同様に厚み1mmのア
ルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、1
10℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚0.5μmの電
荷発生層を形成した。そしてこの電荷発生層上に、前記
と同じ電荷輸送層用の塗布液を、ワイヤーバーを用いて
塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚20
μmの電荷輸送層を形成して、積層型感光層を有する電
子写真感光体を製造した。
ラム感度試験機を用いて、コロナ放電により、表面電位
−700Vに帯電させた。ついでバンドパスフィルター
を用いて波長780nm、半値幅20nmに単色化した
光強度8μW/cm2の光を、上記電子写真感光体の表
面に1.5秒間、露光しつつ、上記の露光開始から0.
5秒後の表面電位を露光後電位として測定した。
真感光体のうち、製造直後の塗工液を用いて電荷発生層
を形成したものの露光後電位Vr1(V)と、24時
間、貯蔵後の塗工液を用いて電化発生層を形成したもの
の露光後電位Vr2(V)とによって、各感光体の感度
特性を評価した。結果を表10、11に示す。
ン結晶を使用した比較例49〜65の電子写真感光体
は、製造後24時間に亘って貯蔵した塗工液を使用して
電荷発生層を形成した感光体の露光後電位Vr2(V)
が、製造直後の塗工液を用いて電荷発生層を形成した感
光体の露光後電位Vr1(V)に比べて著しく増加して
いた。そしてこのことから、製造例3のチタニルフタロ
シアニン結晶は、塗工液の貯蔵によって感光体の感度特
性が著しく低下することがわかった。
ルフタロシアニン結晶を使用した実施例49〜65の電
子写真感光体は、製造直後の塗工液を用いて電荷発生層
を形成した感光体の露光後電位Vr1(V)と、製造後
24時間に亘って貯蔵した塗工液を使用して電荷発生層
を形成した感光体の露光後電位Vr2(V)とが殆ど変
化していなかった。そしてこのことから、製造例1のチ
タニルフタロシアニン結晶を使用すれば、塗工液製造後
の経過期間にかかわらず常に安定して、良好な感度特性
を有する感光体を製造できることが確認された。
真感光体からそれぞれ感光層をはく離し、温度23±1
℃、相対湿度50〜60%の条件下でテトラヒドロフラ
ンに溶解した。そしてつぎに、この溶液をろ過してチタ
ニルフタロシアニン結晶を単離したのち、単離直後、お
よび単離したチタニルフタロシアニン結晶をテトラヒド
ロフラン中に分散させて、温度23±1℃、相対湿度5
0〜60%の密閉系中で24時間、浸漬して回収した後
の、それぞれの時点のサンプルにおける、CuKα特性
X線回折スペクトルを、前記と同様にして測定した。
なお各サンプルの、各図との対応は下記のとおりであ
る。
の単層型電子写真感光体から単離されたチタニルフタロ
シアニン結晶は、単離直後および24時間浸漬後のいず
れにおいても、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°
に強いピークを有するものの、26.2°にはピークが
見られなかった。そしてこのことから、実施例1の感光
体で使用した製造例1のチタニルフタロシアニン結晶
は、感光体の製造後も安定に結晶型を維持できることが
確認された。
較例1の単層型電子写真感光体から単離されたチタニル
フタロシアニン結晶は、単離直後こそブラッグ角2θ±
0.2°=27.2°に強いピークを有しており、2
6.2°にはピークが見られなかったが、24時間浸漬
後にはブラッグ角2θ±0.2°=26.2°のピーク
の強度が、27.2°のピークの強度のおよそ410%
まで増加していた。そしてこのことから、比較例1の感
光体で使用した製造例3のチタニルフタロシアニン結晶
は、感光体の製造後に、テトラヒドロフラン中で安定に
結晶型を維持できないことが判明した。
ン結晶を示差走査熱量分析した結果を示すグラフであ
る。
の、合成直後の時点でのCuKα特性X線回折スペクト
ルを示すグラフである。
を、テトラヒドロフラン中に24時間、浸漬したのち、
再び測定したCuKα特性X線回折スペクトルを示すグ
ラフである。
示差走査熱量分析した結果を示すグラフである。
の、合成直後の時点でのCuKα特性X線回折スペクト
ルを示すグラフである。
を、テトラヒドロフラン中に24時間、浸漬したのち、
再び測定したCuKα特性X線回折スペクトルを示すグ
ラフである。
示差走査熱量分析した結果を示すグラフである。
の、合成直後の時点でのCuKα特性X線回折スペクト
ルを示すグラフである。
を、テトラヒドロフラン中に24時間、浸漬したのち、
再び測定したCuKα特性X線回折スペクトルを示すグ
ラフである。
を示差走査熱量分析した結果を示すグラフである。
の、合成直後の時点でのCuKα特性X線回折スペクト
ルを示すグラフである。
を、テトラヒドロフラン中に24時間、浸漬したのち、
再び測定したCuKα特性X線回折スペクトルを示すグ
ラフである。
を示差走査熱量分析した結果を示すグラフである。
の、合成直後の時点でのCuKα特性X線回折スペクト
ルを示すグラフである。
を、テトラヒドロフラン中に24時間、浸漬したのち、
再び測定したCuKα特性X線回折スペクトルを示すグ
ラフである。
を示差走査熱量分析した結果を示すグラフである。
の、合成直後の時点でのCuKα特性X線回折スペクト
ルを示すグラフである。
を、テトラヒドロフラン中に24時間、浸漬したのち、
再び測定したCuKα特性X線回折スペクトルを示すグ
ラフである。
した、前記製造例1のチタニルフタロシアニン結晶の、
単離直後の時点でのCuKα特性X線回折スペクトルを
示すグラフである。
ニン結晶を、テトラヒドロフラン中に24時間、浸漬し
たのち、再び測定したCuKα特性X線回折スペクトル
を示すグラフである。
した、前記製造例3のチタニルフタロシアニン結晶の、
単離直後の時点でのCuKα特性X線回折スペクトルを
示すグラフである。
ニン結晶を、テトラヒドロフラン中に24時間、浸漬し
たのち、再び測定したCuKα特性X線回折スペクトル
を示すグラフである。
Claims (13)
- 【請求項1】式(11-1): 【化1】 で表されるチタニルフタロシアニン化合物を結晶化した
チタニルフタロシアニン結晶であって、CuKα特性X
線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角2θ
±0.2°=27.2°に最大ピークを有するととも
に、26.2°にピークを有さず、かつ示差走査熱量分
析において、吸着水の気化に伴なうピーク以外は、50
℃から400℃まで温度変化のピークを有しないことを
特徴とするチタニルフタロシアニン結晶。 - 【請求項2】有機溶媒中に24時間、浸漬したのち回収
した結晶が、CuKα特性X線回折スペクトルにおい
て、少なくともブラッグ角2θ±0.2°=27.2°
に最大ピークを有するとともに、26.2°にピークを
有しないことを特徴とする請求項1記載のチタニルフタ
ロシアニン結晶。 - 【請求項3】チタニルフタロシアニン化合物を水溶性有
機溶媒中に加え、加熱下で一定時間、かく拌処理し、次
いで上記かく拌処理よりも低温の温度条件下で一定時
間、液を静置して安定化処理する顔料化前処理の工程
と、 上記水溶性有機溶媒を除去して得たチタニルフタロシア
ニン化合物の粗結晶を溶媒に溶解したのち、この溶液を
貧溶媒中に滴下してチタニルフタロシアニン化合物を再
結晶させ、次いで水の存在下、非水系溶媒中でミリング
処理する顔料化の工程と、 を経て製造されたことを特徴とする請求項1記載のチタ
ニルフタロシアニン結晶。 - 【請求項4】チタニルフタロシアニン化合物を水溶性有
機溶媒中に加え、加熱下で一定時間、かく拌処理し、次
いで上記かく拌処理よりも低温の温度条件下で一定時
間、液を静置して安定化処理する顔料化前処理の工程
と、 上記水溶性有機溶媒を除去して得たチタニルフタロシア
ニン化合物の粗結晶を、アシッドペースト法にて処理す
る工程と、 処理した低結晶性チタニルフタロシアニン化合物を、水
の存在下、非水系溶媒中でミリング処理する工程と、 を経て製造されたことを特徴とする請求項1記載のチタ
ニルフタロシアニン結晶。 - 【請求項5】請求項1記載のチタニルフタロシアニン結
晶を製造する方法であって、 チタニルフタロシアニン化合物を水溶性有機溶媒中に加
え、加熱下で一定時間、かく拌処理し、次いで上記かく
拌処理よりも低温の温度条件下で一定時間、液を静置し
て安定化処理する顔料化前処理の工程と、 上記水溶性有機溶媒を除去して得たチタニルフタロシア
ニン化合物の粗結晶を溶媒に溶解したのち、この溶液を
貧溶媒中に滴下してチタニルフタロシアニン化合物を再
結晶させ、次いで水の存在下、非水系溶媒中でミリング
処理する顔料化の工程と、 を含むことを特徴とするチタニルフタロシアニン結晶の
製造方法。 - 【請求項6】請求項1記載のチタニルフタロシアニン結
晶を製造する方法であって、 チタニルフタロシアニン化合物を水溶性有機溶媒中に加
え、加熱下で一定時間、かく拌処理し、次いで上記かく
拌処理よりも低温の温度条件下で一定時間、液を静置し
て安定化処理する顔料化前処理の工程と、 上記水溶性有機溶媒を除去して得たチタニルフタロシア
ニン化合物の粗結晶を、アシッドペースト法にて処理す
る工程と、 処理した低結晶性チタニルフタロシアニン化合物を、水
の存在下、非水系溶媒中でミリング処理する工程と、 を含むことを特徴とするチタニルフタロシアニン結晶の
製造方法。 - 【請求項7】導電性基体上に感光層を備えた電子写真感
光体であって、上記感光層が、請求項1記載のチタニル
フタロシアニン結晶を、電荷発生剤として含有すること
を特徴とする電子写真感光体。 - 【請求項8】感光層が、チタニルフタロシアニン結晶
と、正孔輸送剤および電子輸送剤のうちの少なくとも一
方とを結着樹脂中に含有させた単層型感光層であること
を特徴とする請求項7記載の電子写真感光体。 - 【請求項9】単層型感光層が、正孔輸送剤および電子輸
送剤の両方を含有することを特徴とする請求項8記載の
電子写真感光体。 - 【請求項10】感光層が、チタニルフタロシアニン結晶
を含有する電荷発生層と、正孔輸送剤および電子輸送剤
のうちのいずれか一方を含有する電荷輸送層とを積層し
た積層型感光層であることを特徴とする請求項7記載の
電子写真感光体。 - 【請求項11】導電性基体上に、電荷発生剤として請求
項1記載のチタニルフタロシアニン結晶を含有する感光
層を備えた電子写真感光体であって、当該感光層から単
離した直後のチタニルフタロシアニン結晶が、CuKα
特性X線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ
角2θ±0.2°=27.2°に最大ピークを有すると
ともに、26.2°にピークを有さず、かつ温度23±
1℃、相対湿度50〜60%の条件下でテトラヒドロフ
ラン中に24時間、浸漬したのち回収したチタニルフタ
ロシアニン結晶が、CuKα特性X線回折スペクトルに
おいて、少なくともブラッグ角2θ±0.2°=27.
2°に最大ピークを有するとともに、26.2°にピー
クを有しないことを特徴とする電子写真感光体。 - 【請求項12】請求項8記載の電子写真感光体を製造す
る製造方法であって、 チタニルフタロシアニン結晶と、正孔輸送剤および電子
輸送剤のうちの少なくとも一方と、結着樹脂とを有機溶
媒に加えて塗工液を製造する工程と、 製造した塗工液を塗布し、乾燥させて単層型感光層を形
成する工程と、 を含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 【請求項13】請求項10記載の電子写真感光体を製造
する製造方法であって、 チタニルフタロシアニン結晶と、結着樹脂とを有機溶媒
に加えて塗工液を製造する工程と、 製造した塗工液を塗布し、乾燥させて電荷発生層を形成
する工程と、 を含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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