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JP2008208277A - 有機化合物結晶の製造方法 - Google Patents

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JP2008208277A JP2007048068A JP2007048068A JP2008208277A JP 2008208277 A JP2008208277 A JP 2008208277A JP 2007048068 A JP2007048068 A JP 2007048068A JP 2007048068 A JP2007048068 A JP 2007048068A JP 2008208277 A JP2008208277 A JP 2008208277A
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Yosuke Miyashita
陽介 宮下
Hachiro Nakanishi
八郎 中西
Hidetoshi Oikawa
英俊 及川
Hitoshi Kasai
均 笠井
Koichi Baba
耕一 馬場
Kenji Sugai
健二 菅井
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Abstract

【課題】晶析する結晶形を結晶化合物の目的・用途に合わせて任意に制御しうる、有機化合物結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】有機化合物を良溶媒に溶解させた有機化合物溶液と、所望の結晶形の該有機化合物を含有する貧溶媒とを混合して、前記貧溶媒に含有させたと同じ結晶形の結晶を調製する有機化合物結晶の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機化合物結晶の製造方法に関し、詳しくは、特に加熱や機械的力をかけることなく有機化合物の結晶形を制御して調製する有機化合物結晶の製造方法に関する。
有機化合物の性質を決定する特有な要因として結晶形が挙げられる。例えば、同一の化学構造の顔料でも、結晶形の違いにより色相や堅ろう性といった物性が大きく異なるため、それぞれ独立した材料として区別して取り扱われる場合がある。そこで、例えば、フタロシアニン化合物においても、使用目的に合った性質を持たせるため、結晶形を所望の結晶形に転移させる結晶形を制御する手法の開発が試みられてきた。
例えば、特許文献1には、α型銅フタロシアニンをヨウ素などルイス酸共存下、溶剤中80〜250℃で処理することによってε型銅フタロシアニンを形成することが記載されている。しかし、この方法では、上記のように加熱を要し、ルイス酸などを添加する必要がある。さらに、α型をε型に変更する方法であり、β型など他の結晶形については記載がない。
また、非特許文献1には、超臨界流体に難溶製の有機物を溶解し、再沈させる条件によって結晶型を制御することが記載されている。しかし、この方法では、超臨界状態生成のため、多大なエネルギーが必要である。また、工業規模での生産性に問題がある。さらに、他の有機化合物に適用できるか不明である。
特開2005−272760号公報 Jpn.J.Appl.Phys,38,L81-L83(1999)
本発明の目的は、その結晶形を結晶化合物の目的・用途に合わせて任意に制御しうる、有機化合物結晶の製造方法を提供することである。
本発明は、
(1)有機化合物を良溶媒に溶解させた有機化合物溶液と、所望の結晶形の該有機化合物を含有する貧溶媒とを混合して、前記貧溶媒に含有させたと同じ結晶形の結晶を調製することを特徴とする有機化合物結晶の製造方法、
(2)有機化合物を良溶媒に溶解させた有機化合物溶液と、前記有機化合物の貧溶媒とを混合させた混合液に、所望の結晶形の該有機化合物を添加することによって、前記の添加したと同じ結晶形の結晶を調製することを特徴とする有機化合物結晶の製造方法、
(3)前記有機化合物がフタロシアニン化合物であることを特徴とする(1)または(2)項記載の有機化合物結晶の製造方法、
(4)前記良溶媒が酸または酸を含有する溶媒であることを特徴とする(1)または(2)項記載の有機化合物結晶の製造方法、
(5)前記貧溶媒が有機溶媒であることを特徴とする(1)または(2)項記載の有機化合物結晶の製造方法、
(6)フタロシアニン化合物を酸または酸を含有する溶媒に溶解させたフタロシアニン化合物溶液と、所望の結晶形のフタロシアニン結晶を含有する有機溶媒とを混合して、前記有機溶媒に含有させたと同じ結晶形のフタロシアニン結晶を調製することを特徴とするフタロシアニン結晶の製造方法、および
(7)フタロシアニン化合物を酸または酸を含有する溶媒に溶解させたフタロシアニン化合物溶液と、前記フタロシアニン化合物の貧溶媒である有機溶媒とを混合させた混合液に、所望の結晶形のフタロシアニン結晶を添加することによって、前記の添加したと同じ結晶形のフタロシアニン結晶を調製することを特徴とするフタロシアニン結晶の製造方法
を提供するものである。
本発明方法によれば、特別な加熱や第3物質の添加または、機械的な力をかけることなく、有機化合物の溶媒の2種以上の組み合わせにより目的とする、任意の結晶形の有機化合物結晶を調製することが出来、工業的な生産規模での実用化が可能である。
本発明の好ましい実施態様では、有機化合物を良溶媒に溶解させた有機化合物溶液と、所望の結晶形の該有機化合物を含有する貧溶媒とを混合して、前記貧溶媒に含有させたと同じ結晶形の有機化合物結晶を調製するものである。
また、本発明の変更実施態様としては、有機化合物を良溶媒に溶解させた有機化合物溶液と、貧溶媒とを混合させた混合液に、所望の結晶形の該有機化合物を添加することによって、前記添加させたと同じ結晶形の有機化合物結晶を調製するものである。
以下、有機化合物の代表例としてフタロシアニン化合物を例に本発明を説明するが、本発明は、これに限定されるものでななく、他の2種以上の異なる結晶形を呈する他の有機化合物結晶を製造することができる。
本発明の一つの好ましい実施態様では、フタロシアニン化合物を良溶媒として酸または酸を含有する溶媒(以下、これらの溶媒をあわせて[酸溶媒]ということもある。)に溶解させたフタロシアニン化合物溶液と、その一つの結晶形(例えば、α,β,γ,ε,δ,π,ρ,A,B,X,Y及びRからなる群から選ばれる1種)のフタロシアニン結晶(以下、この結晶を[所望の結晶形を有するフタロシアニン結晶]ということもある。)を含有する貧溶媒の有機溶媒とを混合して、前記の所望の結晶形のフタロシアニン結晶を調製する。所望の結晶形を有するフタロシアニン結晶を含有した有機溶媒には、分散剤を含有してもよい。
なお、本発明において、良溶媒とは、当該酸溶媒のような、本発明に用いられる有機化合物を好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1%質量以上溶解する溶媒である。
まず、フタロシアニン化合物溶液について説明する。
フタロシアニン化合物は良溶媒として酸または酸を含有する溶媒が好ましい。酸または酸を含有する溶媒に溶解され原料として用いられるフタロシアニン化合物としては、無金属フタロシアニン、および各種の金属フタロシアニンを用いることができる。金属フタロシアニンの金属としては、例えば、Cu,Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,Zn,Mg,Na,K,Be,Ca,Ba,Cd,Hg,Pt,Pd,Li,Sn,Mnなどが挙げられる。さらにバナジルフタロシアニンやチタニルフタロシアニンのように金属に酸素などが配位していても良い。これらの金属フタロシアニンは、その水素原子を塩素などのハロゲン原子で置換したハロゲン化体でもよい。また、スルホン基、−SH基などの置換基が導入されたものであっても良い。
また、フタロシアニン化合物溶液中において、フタロシアニン化合物は結晶化していない。
フタロシアニン化合物を溶解する酸または酸を含有する溶媒は、フタロシアニン化合物を溶解することが出来れば特に限定されない。硫酸などの無機酸や有機酸が好ましく、さらに好ましくは、アルキルスルホン酸、アルキルカルボン酸、ハロゲン化アルキルスルホン酸、ハロゲン化アルキルカルボン酸、芳香族スルホン酸、芳香族カルボン酸またはこれら2種以上の混合溶媒であり、より好ましくは、アルキルスルホン酸または芳香族スルホン酸であり、特に好ましくはメタンスルホン酸である。
スルホキシド化合物溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホランなどが挙げられる。アミド化合物溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどが挙げられる。
酸を含有する溶媒において、酸と組み合わせる溶媒としては、例えば、アルコール化合物溶媒、アミド化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、二硫化炭素溶媒、脂肪族化合物溶媒、ニトリル化合物溶媒、スルホキシド化合物溶媒、ハロゲン化合物溶媒、エステル化合物溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げられ、アルコール化合物溶媒、アミド化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、エステル化合物溶媒などが好ましい。酸溶媒には、不可避的なものを除き水を含有しないことが好ましい。
また、酸溶媒に対するフタロシアニン化合物の濃度としては、0.1〜50質量%が好ましく、1〜10質量%がさらにが好ましい。また、酸に対して、フタロシアニン化合物の濃度は、0.1〜50質量%が好ましく、1〜10質量%がさらにが好ましい。
フタロシアニン化合物溶液の調製条件に特に制限はないが、常圧での温度は5〜150℃が好ましく、20〜80℃がより好ましい。また、圧力は常圧下で行うのが一般的であるが、例えば、100kPa〜3000kPa(1atm〜30atm)の範囲の圧力下で調製を行うこともできる。
次に、フタロシアニン化合物溶液と混合される、所望の結晶形を有するフタロシアニン結晶を含有する有機溶媒について説明する。有機溶媒は、フタロシアニン化合物を溶解する酸溶媒と相溶するかもしくは均一に混ざるものであれば特に限定されない。
なお、本発明において、貧溶媒とは、当該有機溶媒のような、本発明に用いられる有機化合物の溶解度が好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.005質量%以下、さらに好ましくは0.001質量%以下の溶媒である。
本発明において貧溶媒として用いられる前記の有機溶媒は、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、二硫化炭素、脂肪族系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホキシド系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、イオン性溶液またはこれら2種以上の混合溶媒から選択されることが好ましい。
アルコール化合物溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。 ケトン化合物溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。
エーテル化合物溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
脂肪族系溶媒としては、例えば、アルキレンカーボネートが挙げられる。
芳香族化合物溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。脂肪族化合物溶媒としては、例えば、ヘキサンなどが挙げられる。
ニトリル化合物溶媒としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。ハロゲン化合物溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トリクロロエチレンなどが挙げられる。
スルホキシド化合物溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホランなどが挙げられる。
エステル化合物溶媒としては、例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテートなどが挙げられる。
イオン性液体としては、例えば、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムとPF との塩などが挙げられる。
この混合する有機溶媒は、より好ましくは誘電率20以上の溶媒であり、例えば、アルコール類、アルキレンカーボネート、ニトリル化合物やスルホキシド化合物が挙げられる。さらに好ましくはアルキレンカーボネート(例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート)である。
フタロシアニン化合物の場合、上記有機溶媒に、例えばα,β,γ,ε,δ,π,ρ,A,B,X,Y及びRからなる群から選ばれる1種の型の結晶形のフタロシアニン結晶(所望の結晶形を有するフタロシアニン結晶)が含有される。上記有機溶媒に含有されるのは、上記フタロシアニン化合物と同一の化合物であることが好ましい。所望の結晶形を有するフタロシアニン結晶は、上記有機溶媒に好ましくは0.1〜50質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%含有される。
上記有機溶媒に含有されるフタロシアニン結晶の平均粒径(長径)は、好ましくは5〜1,000nmである、さらに好ましくは10〜100nmである。
また、フタロシアニン結晶の各型の結晶形については、例えば、田中 正夫著:フタロシアニン−基礎物性と昨日材料への応用−,有機エレクトロニクス研究会(編),ぶんしん出版(1991)に詳しく記載されている。
所望の結晶形のフタロシアニン結晶は、有機溶媒に分散させて含有させることが好ましい。分散させる手段としては、例えば、超音波洗浄器、超音波ホモジナイザー,ビーズミルやロールミルなどを用いることができる。
本発明では、分散剤を上記有機溶媒に含有させてもよい。分散剤としては、例えばポリビニルピロリドンなどの高分子分散剤や硫酸ドデシルナトリウムなどの低分子分散剤を用いることができる。また、分散剤の濃度は0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜10質量%がさらに好ましい。
フタロシアニン化合物溶液と、有機溶媒の混合の条件としては、圧力は10kPa〜1000kPa(0.1atm〜10atm)が好ましく、50kPa〜500kPa(0.5atm〜5atm)がさらに好ましい。常圧での温度は0〜150℃が好ましく、25〜85℃がより好ましい。
フタロシアニン化合物溶液と所望の結晶形を含有させた有機溶媒との混合比(有機酸溶媒/有機溶媒比)は体積比で1/2〜1/200が好ましく、1/5〜1/50がより好ましい。また、このとき、フタロシアニン化合物溶液と有機溶媒との混合液に、不可避的なものを除き余計な水が混合されないことが好ましい。
調製後のフタロシアニン結晶の濃度はフタロシアニン結晶を生成することができれば特に制限されないが、有機溶媒1000mlに対してフタロシアニン結晶が1〜50gの範囲であることが好ましく、より好ましくは25〜300gの範囲である。
本発明の変更実施態様としては、フタロシアニン化合物を酸に溶解させたフタロシアニン化合物溶液と、上記のフタロシアニン結晶を含有しない、有機溶媒とを混合させ、この混合液に、前記フタロシアニン化合物の、α,β,γ,ε,δ,π,ρ,A,B,X,Y及びRからなる群から選ばれる1種の型の結晶形のフタロシアニン結晶を添加することによって、前記フタロシアニン化合物を所望結晶形のフタロシアニン結晶として調製してもよい。
この実施態様では、フタロシアニン化合物の酸に溶解させる濃度は、0.5〜50質量%が好ましく、0.5〜25質量%がさらに好ましい。フタロシアニン化合物溶液と有機溶媒との混合比は体積比(酸溶媒/析出用有機溶媒比)で1/1〜1/500が好ましく、1/4〜1/50がより好ましい。所望の結晶形のフタロシアニン結晶の添加量は、有機溶媒1,000mlに対して、1〜500gが好ましく、10〜100gが好ましい。
その他の反応条件は、上記のフタロシアニン化合物溶液と、析出用有機溶媒の混合の条件と同様である。
他の有機化合物としては、キナクリドン系化合物、アミノアントラキノン系化合物、アゾ系化合物、アゾ系金属錯体化合物、ナフトール系化合物、多環式化合物、イソインドリノン系化合物、イソインドリン化合物、ジオキサン系化合物、チオインジゴ系化合物、アンスラキノン系化合物、キノフタロン系化合物、金属錯体系化合物、ジケトピロロピロール系化合物などが好ましい。
本発明の方法により製造された有機化合物結晶は、例えば、通常のフィルタ濾過により容易に回収することができる。本発明の方法においては、容易に、貧(有機)溶媒に含有された所望の結晶形の有機化合物結晶ともに、実質的に全て同一の結晶形の有機化合物結晶として得ることができる。
本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
(実施例1)
銅フタロシアニン粉末15gを100mlのメタンスルホン酸に溶解した(これを銅フタロシアニン溶液と呼ぶ)。別にα型銅フタロシアニン25gを超音波洗浄器を用いて1Lのプロピレンカーボネートに平均粒径0.1μmとして分散させた(これをα型分散液と呼ぶ)。次に激しく攪拌したα型分散液に、銅フタロシアニン溶液を注入し、混合した。
混合分散液の吸収スペクトルを図1に示す。吸収測定後、混合分散液をフィルタ濾過することによって、35gの結晶(平均粒径0.15μm)が回収できた。回収した結晶のX線回折測定結果を図2に示す。純粋なα型結晶が生成していることがわかった。
(実施例2)
銅フタロシアニン粉末15gを100mlのメタンスルホン酸に溶解した(これを銅フタロシアニン溶液と呼ぶ)。別にβ型銅フタロシアニン25gを超音波洗浄器を用いて1Lのプロピレンカーボネートに平均粒径0.1μmとして分散させた(これをβ型分散液と呼ぶ)。次に激しく攪拌したβ型分散液に、銅フタロシアニン溶液を混合した。
混合分散液の吸収スペクトルを図3に示す。吸収測定後、混合分散液をフィルタ濾過することによって、36gの結晶(平均粒径0.2μm)が回収できた。回収した結晶のX線回折測定結果を図4に示す。純粋なβ型結晶が生成していることがわかった。
(実施例3)
銅フタロシアニン粉末15gを100mlのメタンスルホン酸に溶解した(これを銅フタロシアニン溶液と呼ぶ)。別にε型銅フタロシアニン25gを超音波洗浄器を用いて1Lのプロピレンカーボネートに平均粒径0.05μmとして分散させた(これをε型分散液と呼ぶ)。次に激しく攪拌したε型分散液に、銅フタロシアニン溶液を混合した。
混合分散液の吸収スペクトルを図5に示す。吸収測定後、混合分散液をフィルター濾過することによって、34gの結晶(平均粒径0.1μm)が回収できた。回収した結晶のX線回折測定結果を図6に示す。純粋なε型結晶が生成していることがわかった。
(実施例4)
チタニルフタロシアニン粉末11.5gを100mlのメタンスルホン酸に溶解した(これをチタニルフタロシアニン溶液と呼ぶ)。別にY型チタニルフタロシアニン1gを超音波洗浄器を用いて1Lの1−プロパノールに平均粒径0.08μmとして分散させた(これをY型分散液と呼ぶ)。次に激しく攪拌したY型分散液に、チタニルフタロシアニン溶液を混合した。
混合分散液の吸収スペクトルと回収した結晶(平均粒径0.13μm)のX線回折測定結果からY型結晶の混合物が生成していることがわかった。
(実施例5)
チタニルフタロシアニン粉末11.5gを100mlのメタンスルホン酸に溶解した(これをチタニルフタロシアニン溶液と呼ぶ)。別にβ型チタニルフタロシアニン1gを超音波洗浄器を用いて1Lの1−プロパノールに平均粒径0.08μmとして分散させた(これをβ型分散液と呼ぶ)。次に激しく攪拌したβ型分散液に、チタニルフタロシアニン溶液を混合した。
混合分散液の吸収スペクトルと回収した結晶(平均粒径0.13μm)のX線回折測定結果からβ型結晶の混合物が生成していることがわかった。
(比較例1)
銅フタロシアニン粉末15gを100mlのメタンスルホン酸に溶解した(これを銅フタロシアニン溶液と呼ぶ)。別にε型銅フタロシアニン25gを超音波洗浄器を用いて1Lの純水に平均粒径0.1μmとして分散させた(これをε型純水分散液と呼ぶ)。次に激しく攪拌したε型純水分散液に、銅フタロシアニン溶液を混合した。
混合分散液の吸収スペクトルと回収した結晶(平均粒径0.15μm)のX線回折測定結果からα型結晶とε型結晶の混合物が生成していることがわかった。
(比較例2)
銅フタロシアニン粉末15gを100mlのメタンスルホン酸に溶解した(これを銅フタロシアニン溶液と呼ぶ)。次に激しく攪拌した1,000mlの純水および1,000mlメタノールに銅フタロシアニン溶液を混合した。
純水およびメタノールと銅フタロシアニン溶液との混合液の吸収スペクトルと回収した結晶(平均粒径0.15μm)のX線回折測定結果からα型結晶が生成していることがわかった。
実施例1の混合分散液の吸収スペクトルを示す図である。 実施例1で調製した結晶のX線回折測定結果を示す図である。 実施例2の混合分散液の吸収スペクトルを示す図である。 実施例2で調製した結晶のX線回折測定結果を示す図である。 実施例3の混合分散液の吸収スペクトルを示す図である。 実施例3で調製した結晶のX線回折測定結果を示す図である。

Claims (7)

  1. 有機化合物を良溶媒に溶解させた有機化合物溶液と、所望の結晶形の該有機化合物を含有する貧溶媒とを混合して、前記貧溶媒に含有させたと同じ結晶形の結晶を調製することを特徴とする有機化合物結晶の製造方法。
  2. 有機化合物を良溶媒に溶解させた有機化合物溶液と、前記有機化合物の貧溶媒とを混合させた混合液に、所望の結晶形の該有機化合物を添加することによって、前記の添加したと同じ結晶形の結晶を調製することを特徴とする有機化合物結晶の製造方法。
  3. 前記有機化合物がフタロシアニン化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の有機化合物結晶の製造方法。
  4. 前記良溶媒が酸または酸を含有する溶媒であることを特徴とする請求項1または2記載の有機化合物結晶の製造方法。
  5. 前記貧溶媒が有機溶媒であることを特徴とする請求項1または2記載の有機化合物結晶の製造方法。
  6. フタロシアニン化合物を酸または酸を含有する溶媒に溶解させたフタロシアニン化合物溶液と、所望の結晶形のフタロシアニン結晶を含有する有機溶媒とを混合して、前記有機溶媒に含有させたと同じ結晶形のフタロシアニン結晶を調製することを特徴とするフタロシアニン結晶の製造方法。
  7. フタロシアニン化合物を酸または酸を含有する溶媒に溶解させたフタロシアニン化合物溶液と、前記フタロシアニン化合物の貧溶媒である有機溶媒とを混合させた混合液に、所望の結晶形のフタロシアニン結晶を添加することによって、前記の添加したと同じ結晶形のフタロシアニン結晶を調製することを特徴とするフタロシアニン結晶の製造方法。
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