JP3414741B2 - 多方向伸長性サイドパネルを有する吸収体物品 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、おむつ、失禁者用ブリーフ、おむつホル
ダ、トレーニングパンツ等の吸収体物品に関し、更に詳
細には、快適性を改善するばかりでなく着用者の周りで
の動的装着性を提供する伸長性サイドパネル（extensib
le side panel）を有する吸収体物品に関する。

発明の背景 幼児及び他の失禁者は、尿及び他の身体の滲出物を受
け取ってこれを包含するためのおむつのような吸収体物
品を着用する。吸収体物品は、排出物を包含すること及
びこれらの排出物を着用者の身体及び着用者の衣類から
隔離することの両方で機能する。多くの種々の基本的設
計を持つ使い捨て吸収体物品が当該技術分野で周知であ
る。例えば、1967年１月31日にダンカン及びベーカーに
賦与された「使い捨ておむつ」という標題の米国再発行
特許第Re.26,152号には、広範に受け入れられ且つ商業
的成功を収めた使い捨ておむつが記載されている。

漏れを少なくするために良好な装着性を提供するた
め、吸収体物品には弾性装置が設けられた。1975年１月
14日にケネス B.ブエルに賦与された「使い捨ておむつ
用の収縮性サイド部分」という標題の米国特許第3,860,
003号には、広範に受け入れられ且つ商業的成功を収め
た、弾性脚カフを有する使い捨ておむつが記載されてい
る。1992年９月29日にブエル等に賦与された米国特許第
5,151,092号には、動的装着性並びに包含性を改善する
弾性胴部装置（elastic waist feature）を有する吸収
体物品が記載されている。1989年８月15日にウッド等に
賦与された米国特許第4,857,067号には、着用者の臀部
への装着性を改善する弾性サイドパネルを有する使い捨
ておむつが記載されている。弾性装置は、着用者の動き
に従って伸び縮みし、吸収体物品を、使用中に、着用者
の周りに装着した状態に維持する（即ち、動的に装着し
た状態を維持する）。

しかしながら、弾性装置を有する吸収体物品でも隙間
ができたり使用中に締まり過ぎたりする傾向があるとい
うことがわかっている。着用者が動くと、着用者の身体
の大きさが、特に臀部及び大腿部で変化し、これによっ
ておむつに動的な力が加わる。これらの動的な力は、お
むつを構成する材料を変形させる傾向があり、おむつを
身体から遠ざかる方向に押す傾向がある。その結果、お
むつは、特に、臀部及び大腿部のような動的に動く領域
で、垂れ下がったり着用者との間に隙間をつくる傾向が
ある。従来の使い捨ておむつは、元々は、着用者の身体
の動きに適合するように弾性的に延びることができない
非弾性材料でつくられていた。一体の弾性サイドパネル
装置を従来の使い捨ておむつに導入すると、サイドパネ
ルが着用者の胴部の周りでほぼ横方向に膨張できるた
め、装着性及び快適性が改善される。しかしながら、一
体の弾性サイドパネルは、着用者の脚部、臀部、又は胴
部に不当な圧力を加えることなく、横方向以外の方向に
大きく弾性的に膨張することができない。着用者の動き
により多くの種々の方向に動的な力が生じるため、一体
の弾性サイドパネル装置を有する従来の使い捨ておむつ
にも、着用者の身体との間に隙間ができ、漏れを起こす
可能性が大きく、不快であり且つ着用者の皮膚に赤い痕
を残す力を着用者に作用する傾向がある。

かくして、漏れを少なくし、使用中に垂れ下がったり
隙間ができたりしないようにするばかりでなく、良好な
装着性及び着用者の快適性を提供する、改良された伸長
性サイドパネルを有する吸収体物品を提供するのが有利
である。

従って、本発明の目的は、吸収体物品が着用者の上で
垂れ下がったり隙間をつくったりしないようにすること
によって、着用者の胴部及び脚部の周りでの動的装着性
を改善した吸収体物品を提供することである。

本発明の別の目的は、着用者の動きによって生じた動
的な力の効果を最小にするため、多くの方向で伸び縮み
し、これによって、動きの自由度及び着用者にとっての
快適性を高めると同時に、吸収体物品が動的に装着した
状態の維持を改善する、多方向伸長性の（multi−direc
tional extensible）独特のサイドパネルを有する吸収
体物品を提供することである。

本発明のこれらの目的及び他の目的は、添付図面と関
連して以下の説明を読むことによって更に明らかになる
であろう。

発明の概要 本発明は、着用者の脚部及び胴部の周りでのおむつの
動的装着性を改善する伸長性サイドパネル装置を有す
る、使い捨ておむつ、失禁者用ブリーフ、おむつホル
ダ、トレーニングパンツ、女性用衛生衣料、等の吸収体
物品を提供する。このような吸収体物品は、液体透過性
のトップシート、液体不透過性のバックシート、トップ
シートとバックシートとの間に配置された吸収体コア、
及び伸長性サイドパネルを有する包含アッセンブリを有
する。各サイドパネルは、第１胴部領域で包含アッセン
ブリの各長手方向縁部に沿って配置された胴パネル及び
大腿パネルを有する。胴パネル及び大腿パネルは、胴パ
ネルが主伸長方向（primary direction of extensibili
ty）を一方向に有し、大腿パネルが主伸長方向を別の方
向に有するように作動的に関連している。これが多方向
伸長性サイドパネルを形成し、このサイドパネルでは、
胴パネルは、着用者の胴部の周りに張力を提供して胴部
の周りに装着した状態を維持し、おむつを着用者に保持
し、大腿パネルは、着用者の脚部の周りでの動的装着性
を維持するため伸び縮みする。かくして、胴パネル及び
大腿パネルは、漏れを生じる垂れ下がりや隙間の形成と
いった吸収体物品に作用する動的な力の望ましからぬ効
果を小さくすると同時に、動きの自由度及び着用者の快
適性を向上する。

伸長性サイドパネルは、伸長性材料でできた単一の部
品からつくられていてもよいし、互いに接合されて伸長
性サイドパネルを形成する二つ又はそれ以上の別の要素
からつくられていてもよい。更に、伸長性サイドパネル
は、吸収体物品の他の要素の延長部であってもよいし、
吸収体物品の別の要素に接合された別の構造であっても
よい。プリーツ付け、波形付け、又はリングロールとい
った機械的作業をサイドパネルについて行い、本発明の
独特の多方向伸長性を提供することができる。変形例で
は、材料を折畳み、スリットを設け、又は切断し、主伸
長方向が異なる、明らかに異なる（distinct）胴パネル
及び大腿パネルを形成することができる。

更に別の実施例では、主伸長方向が平行でない別々の
胴パネル及び大腿パネルからなる伸長性サイドパネルか
ら多方向延伸特性（multi−directional stretch chara
cteristics）が得られる。好ましい実施例では、胴パネ
ルは、着用者の胴部の周りに主伸長方向を有し、大腿パ
ネルの主伸長方向は、胴パネルの主伸長方向と平行でな
い。大腿パネルの主伸長方向は、好ましくは、横方向及
び長手方向に対して所定の角度である。この形体では、
胴パネルは、弾性的に収縮し、吸収体物品を、使用中
に、着用者の周りの所定位置に保持するが、大腿パネル
は、着用者の脚部の動きと関連して伸び縮みする。かく
して、多方向伸長性サイドパネルは、張力及び動的な力
で着用者の皮膚に痕が付くことがないようにするばかり
でなく、吸収体物品の胴部領域及び大腿領域に隙間がで
きないようにする。

図面の説明 本明細書は、本発明を形成するものと考えられる要旨
を特定的に指摘し且つ明瞭に特許請求する請求の範囲で
終わるけれども、本発明は、実質的に同じ要素を表示す
るのに同じ表示を使用した添付図面と関連して以下の説
明を読むことによって更によく理解されるものと考えら
れる。

第１図は、下側の構造を明らかにするために部分が切
り欠いてあり、おむつの内面が図面を見る人の方を向い
ている、本発明の使い捨ておむつの実施例の平面図であ
り、 第２図は、下側の構造を明らかにするために部分が切
り欠いてある、第１図に示すおむつの伸長性サイドパネ
ルの内面の拡大部分図であり、 第３図は、下側の構造を明らかにするために部分が切
り欠いてある、第１図に示すおむつの伸長性サイドパネ
ルの外面の拡大部分図であり、 第４図は、横方向軸線に関する胴パネルの主伸長方向
及び大腿パネルの主伸長方向を示す、第１図に示すおむ
つの伸長性サイドパネルの内面の拡大部分図であり、 第５図は、胴パネル及び大腿パネルの先端縁部が接合
されていない、多構成要素伸長性サイドパネルの形体の
平面図であり、 第６図は、変形部分が図面を見る人の方を向いてい
る、伸び可能なネットワークを有するポリマーウェブ材
料の平面図であり、 第７図は、張力が加わっていない状態での第６図のポ
リマーウェブ材料を示す部分斜視図であり、 第８図は、第10図に示す力−伸長量曲線上の段階Ｉに
対応する張力状態の、第６図のポリマーウェブを示す部
分斜視図であり、 第９図は、第10図に示す力−伸長量曲線上の段階IIに
対応する張力状態の、第６図のポリマーウェブ材料を示
す部分斜視図であり、 第10図は、第６図に示す本発明のポリマーウェブ材料
の挙動を、他の点では同じ平らなベースポリマーウェブ
材料と比較する、抵抗力−伸長量（％）のグラフであ
り、 第11図は、伸長性サイドパネルが単一の構成要素から
なる、本発明の変形例の拡大部分平面図であり、 第12図は、単一の伸長性構成要素を折畳み、使い捨て
吸収体物品の伸長性サイドパネル、並びに胴部装置、及
び脚カフを形成する、本発明の変形例の平面図である。

発明の詳細な説明 本明細書中で使用されているように、「吸収体物品」
という用語は、身体の滲出物を吸収してこれを封じ込め
る即ち包含するための装置に関し、更に詳細には、身体
から排出された種々の滲出物を吸収してこれを包含する
ため、着用者の身体に当てて又は着用者の身体の近くに
置かれる装置に関する。「使い捨て」という用語は、本
明細書中では、洗濯又は他の方法で再生したり吸収体物
品として再使用されるようになっていない（即ち、一回
使用した後に廃棄されるようになっており、好ましくは
リサイクル、堆肥化、又は他の環境に適合した方法で処
分されるようになっている）吸収体物品を説明するため
に用いられる。本発明の吸収体物品の好ましい実施例
は、使い捨て吸収体物品、即ち第１図に示すおむつ20で
ある。本明細書中で使用されているように、「おむつ」
という用語は、一般に幼児や失禁者が着用する吸収体物
品に関し、着用者の下肢の周りに着用される。しかしな
がら、本発明は、失禁者用ブリーフ、失禁者用下着、お
むつのホルダ及びライナ、女性用衛生衣料、トレーニン
グパンツ、等の他の吸収体物品にも適用できるというこ
とは理解されるべきである。

第１図は、平らに拡げた拘束されていない（即ち、弾
性により生じた圧縮を引っ張って拡げた）状態での本発
明のおむつ20の平面図であり、おむつ20の構造を更に明
瞭に示すため、部分的に切り欠いてあり、おむつ20の着
用者に面する又は着用者と接触する部分即ち内面が図面
を見る人の方に向いている。第１図に示すように、おむ
つ20は、好ましくは、包含アッセンブリ22を有する。包
含アッセンブリは、液体透過性のトップシート24、この
トップシートに接合された液体不透過性のバックシート
26、及びトップシート24とバックシート26との間に位置
決めされた吸収体コア28を有する。おむつは、弾性脚カ
フ32、耳フラップ62、弾性胴部装置34、主中心線Ｆを各
々有する一対の第１ファスニング部材40及び第２ファス
ニング部材42からなるファスニングシステム48、及び伸
長性の胴パネル36及び大腿パネル38を各々有する伸長性
サイドパネル30を更に有する。

おむつ20は、長手方向中心線100及び横方向中心線102
の二つの中心線を有する。「長手方向」という用語は、
本明細書中で使用されているように、おむつ20の着用時
に、直立している着用者を左側半部及び右側半部に二分
する垂直平面とほぼ整合した（例えば、この平面とほぼ
平行な）、おむつ20の平面内の線、軸線、又は方向に関
する。「横方向」という用語は、本明細書中で使用され
ているように、長手方向に対してほぼ垂直なおむつの平
面内（この平面は、着用者を前側身体半部及び後側身体
半部に分ける）にある線、軸線、又は方向に関する。

第１図に示すように、伸長性サイドパネル30は、胴パ
ネル36及び大腿パネル38からなり、これらのパネルは、
胴パネル36の主伸長方向と大腿パネル38の主伸長方向と
が平行でないように収縮自在の状態で作動的に関連して
いる。（「胴パネル」及び「大腿パネル」という用語
は、伸長性サイドパネルの伸長性構成要素（extensible
component）に関し、これらの伸長性構成要素は、主伸
長方向を各々有する。本明細書中で使用されているよう
に、「主伸長方向」という用語は、伸長性部材の伸びが
最も大きい方向に関する。）第１図は、本発明の好まし
い実施例を示し、この実施例では、胴パネル36の主伸長
方向は着用者の胴部の方向であり、大腿パネル38の主伸
長方向は胴パネル36の主伸長方向と平行でない。（胴パ
ネル36の主伸長方向を第１図に矢印Ｇで示す。大腿パネ
ル38の主伸長方向を第１図に矢印Ｈで示す。）特に好ま
しい実施例では、大腿パネル38の主伸長方向は、横方向
とも長手方向とも平行でない。（横方向は、おむつの横
方向中心線と平行な方向であると定義され、長手方向
は、長手方向中心線と平行な方向であると定義され
る。）伸長性サイドパネル30は、快適性を高め、最初に
おむつ20を着用者にその外形と一致するように装着する
ことによって、ぴったりとした状態にし、おむつ20に滲
出物が排出された時点をはるかに越える着用時間に亘っ
てこの装着状態を保持する。これは、伸長性サイドパネ
ル30により、おむつ20の側部が伸び縮みできるためであ
る。胴パネル36は弾性的に収縮し、おむつを着用者の周
りの所定位置に保持する内方への力を使用中に提供す
る。大腿パネル38は、着用者の脚の動きに従って伸び縮
みする。かくして、多方向伸長性の胴パネル及び大腿パ
ネルにより、おむつの胴部領域又は大腿領域に隙間がで
き難くなり、締め付け力及び動的な力で着用者に痕が付
くことが少なくなる。

第１図に示すおむつ20は、内面44（第１図を見る人の
方を向いている）、内面44と反対側の外面46、第１胴部
領域50、第１胴部領域50と反対側の第２胴部領域52、第
１胴部領域50と第２胴部領域52との間に位置決めされた
股領域54、及びおむつ20の外周即ち縁部が構成する周囲
を有する。長手方向縁部には参照番号56が附してあり、
端縁部には参照番号58が附してある。おむつ20の内面44
は、使用中に着用者の身体と隣接して位置決めされるお
むつ20の部分を構成する（即ち、内面44は、トップシー
ト24及びトップシート24に接合された他の構成要素の少
なくとも一部によって形成されている）。外面46は、着
用者の身体から離れて位置決めされるおむつ20の部分を
構成する（即ち、外面46は、バックシート26及びバック
シート26に接合された他の構成要素の少なくとも一部に
よって形成されている）。本明細書中で使用されている
ように、「接合」という用語は、要素を他の要素に直接
的に取り付けることによって、要素を他の要素に直接的
に固定した形体、及び要素を中間部材に取り付け、この
中間部材を他の要素に取り付けることによって要素を他
の要素に間接的に固定した形体を含む。第１胴部領域50
及び第２胴部領域52は、周囲の端縁部58から股領域54ま
で延びている。第１胴部領域50は、中央領域60及び一対
の伸長性サイドパネル30を有し、これらのサイドパネル
は、代表的には、第１胴部領域50の外横部分を構成す
る。第２胴部領域52は、中央領域72及び一対の耳フラッ
プ62を有し、これらの耳フラップは、代表的には、第２
胴部領域52の外横部分を構成する。第１胴部領域50に位
置決めされた伸長性サイドパネルには参照番号30が附し
てあり、第２胴部領域52の耳フラップには参照番号62が
附してある。

おむつ20の包含アッセンブリ22は、第１図には、おむ
つ20の主本体（シャシー）を構成するものとして示して
ある。包含アッセンブリ22は、少なくとも吸収体コア28
を有し、好ましくは、トップシート24及びバックシート
26からなる外カバー層を含む。吸収体物品が別々のホル
ダ及びライナからなる場合には、包含アッセンブリ22
は、全体として、ホルダ及びライナからなる（即ち、包
含アッセンブリ22が、ホルダを構成する１つ又はそれ以
上の材料層からなるのに対し、ライナは、トップシー
ト、バックシート、及び吸収体コアといった吸収体の構
成要素からなる）。全体として、包含アッセンブリ22が
おむつの主構造を構成し、他の特徴がこれに加えられて
複合おむつ構造を形成する。かくして、おむつ20の包含
アッセンブリ22は、全体として、トップシート24、バッ
クシート26、及び吸収体コア28からなる。

第１図は、包含アッセンブリ22の好ましい実施例を示
し、この実施例では、トップシート24及びバックシート
26の長さ寸法及び幅寸法は吸収体コアよりも全体に大き
い。トップシート24及びバックシート26は、吸収体コア
28の縁部を越えて延びており、これによって、おむつ20
の周囲を形成する。トップシート24、バックシート26、
及び吸収体コア28は、周知の種々の形体で組み立てるこ
とができ、包含アッセンブリの好ましい形体は、全体
に、1975年１月14日にケネス B.ブエルに賦与された
「使い捨ておむつ用の収縮性サイド部分」という標題の
米国特許第3,860,003号、及び1992年９月29日にケネス
B.ブエルに賦与された「弾性撓みヒンジが予め配置さ
れた動的弾性胴部装置を有する吸収体物品」という標題
の米国特許第5,151,092号に記載されている。これらの
特許について触れたことにより、これらの特許に開示さ
れている内容は本明細書中に組み入れたものとする。

第２図及び第３図は、伸長性サイドパネル30の拡大部
分図であり、下側の構造を明らかにするため、一部が切
り欠いてある。第２図は、伸長性サイドパネル30の内面
を示し、第３図は、伸長性サイドパネル30の外面を示
す。第２図及び第３図に示す多構成要素（multiple com
ponent）実施例では、伸長性サイドパネル30は、胴パネ
ル基端縁部72、胴パネル先端縁部74、胴パネル第１横縁
部90、及び胴パネル第２横縁部92を有する胴パネル36
と、大腿パネル基端縁部78、大腿パネル先端縁部76、大
腿パネル第１横縁部94、及び大腿パネル第２横縁部96を
有する大腿パネル38とからなる。第２図に示すように、
胴パネル基端縁部72及び大腿パネル基端縁部78は、トッ
プシート24とバックシート26との間に接合されている。
変形例では、胴パネル基端縁部72又は大腿パネル基端縁
部78のいずれか又は両方をバックシート26の外面又はト
ップシート24の内面44に接合できる。第２図は、更に、
部分的に重なった形体で作動的に関連した胴パネル36及
び大腿パネル38を示し、胴パネル先端縁部74が大腿パネ
ル先端縁部76に接合されている。

第２図に示すように、好ましくは、伸長性サイドパネ
ル30の先端縁部82と隣接して第１ファスニング部材40が
配置されている。第１ファスニング部材40は、好ましく
は、胴パネル36及び大腿パネル38の両方に接合されるよ
うに作動的に関連している。かくして、第１ファスニン
グ部材40に作用した力は、胴パネル36及び大腿パネル38
の両方の全体に張力を生じる。更に、第２図には、伸長
性サイドパネル30の基端縁部80と隣接して配置された基
端補剛部材84及び伸長性サイドパネル30の先端縁部82と
隣接して配置された先端補剛部材86が示してある。基端
補剛部材84は、各伸長性サイドパネル30の基端縁部80が
使用中に変形しないようにし、先端補剛部材86は、ファ
スニングシステム48に作用した力を伸長性サイドパネル
30の各々を通して分配するのを助ける。第２図に示すよ
うに、基端補剛部材84及び先端補剛部材86は、当該技術
分野で周知の取り付け手段のような取り付け手段（図示
せず）によって吸収体物品に接合された別々の要素であ
ってもよいし、吸収体物品の要素と一体であってもよ
い。

吸収体コア28は、全体に圧縮性があり、形状に馴染
み、着用者の皮膚に対して刺激がなく、尿及び他の特定
の身体の滲出物のような液体を吸収して保持することが
できる任意の吸収体部材であるのがよい。第１図に示す
ように、吸収体コア28は、外面64、内面66、側縁部68、
及び胴縁部70を有する。吸収体コア28は、種々の大きさ
及び形状（例えば、矩形、砂時計形状、「Ｔ」字形状、
非対称形状、等）で製造でき、一般的にエアーフェルト
と呼ばれる微粉砕した木材パルプのような、使い捨てお
むつ及び他の吸収体物品で一般的に使用される種々の液
体吸収材料から製造できる。他の適当な吸収体材料の例
には、紙綿、コフォームを含む溶融吹付けポリマー、化
学的に補剛した改質した又は架橋したセルロース繊維、
薄葉紙包紙及び薄葉紙積層体を含む薄葉紙、吸収体フォ
ーム、吸収体スポンジ、超吸収体ポリマー、吸収体ゲル
化剤、又は任意の等価の材料又はこれらの材料の組み合
わせが含まれる。

吸収体コア28の形体及び構造は変えることができる
（例えば、吸収体コアは、キャリパ、親水性勾配、超吸
収体勾配の異なるゾーンを有するのがよく、又は平均密
度が低く平均坪量が低い捕捉層を有するのがよく、又は
一つ又はそれ以上の層又は構造からなるのがよい）。し
かしながら、吸収体コア28の全吸収力は、おむつ20の設
計負荷及び所期の使用に適合するものでなければならな
い。更に、吸収体コア28の大きさ及び吸収力は、幼児か
ら成人までの範囲の着用者と適合するように変化させる
ことができる。

おむつ20の一実施例は、非対称な変形Ｔ字形状の吸収
体コア28を有し、このコアは、第１胴部領域に耳を有す
るが、第２胴部領域ではほぼ矩形形状である。広範に受
け入れられ且つ商業的成功を収めた、本発明の吸収体コ
ア28として使用するための例示の吸収体構造は、1986年
９月９日にワイズマン等に賦与された「高密度吸収体構
造」という標題の米国特許第4,610,678号、1987年６月1
6日にワイズマン等に賦与された「二層コアを有する吸
収体物品」という標題の米国特許第4,673,402号、1989
年12月19日にアンスタットに賦与された「ダスティング
層を有する吸収体コア」という標題の米国特許第4,888,
231号、及び1989年５月30日にアルマニー等に賦与され
た「低密度低坪量の捕捉ゾーンを有する高密度吸収体部
材」という標題の米国特許第4,834,735号に記載されて
いる。吸収体構造は、更に、化学的に補剛した繊維が吸
収体貯蔵コア上に位置決めされた捕捉／分配コアを含む
二コアシステムを持つのがよく、これは、1993年８月10
日にアルマニー等に賦与された「弾性胴部装置を有する
吸収力が高められた吸収体物品」という標題の米国特許
第5,234,423号、及び1992年９月15日にヤング、ラボ
ン、及びテイラーに賦与された「失禁管理用高効率吸収
体物品」という標題の米国特許第5,147,345号に詳細に
記載されている。これらの特許について触れたことによ
り、これらの全ての特許に開示されている内容は本明細
書中に組み入れたものとする。

バックシート26は、吸収体コア28の外面64と隣接して
おり、好ましくは、当該技術分野で周知の取り付け手段
（図示せず）によって吸収体コア28に接合されている。
例えば、バックシート26は、連続した均等な接着剤層、
パターンをなした接着剤層、又は接着剤の別々の線、螺
旋、又はスポットからなるアレイによって、吸収体コア
28に固定されているのがよい。満足がいくことがわかっ
ている接着剤は、ミネソタ州セントポールのH.B.フュー
ラー社が製造し、HL−1258として販売されている接着剤
である。接着剤フィラメントの開放パターンネットワー
クを構成する適当な取り付け手段の一例は、1986年３月
４日にミネトラ等に賦与された「使い捨て排泄物包含衣
料」という標題の米国特許第4,573,986号に開示されて
いる。螺旋パターンをなすように渦巻きにされた接着剤
フィラメントの幾つかの線からなる別の適当な取り付け
手段は、1975年10月７日にスプラーグ・ジュニアに賦与
された米国特許第3,911,173号、1978年11月22日にジッ
カー等に賦与された米国特許第4,785,996号、及び1989
年６月27日にウェレニッヒに賦与された米国特許第4,84
2,666号に示された装置及び方法によって例示される。
これらの特許について触れたことにより、これらの特許
の各々に開示されている内容は本明細書中に組み入れた
ものとする。変形例では、取り付け手段は、熱結合、圧
力結合、超音波結合、動的機械的結合、又は任意の他の
適当な取り付け手段又は当該技術分野で周知のこれらの
取り付け手段の組み合わせからなる。

バックシート26は、液体（例えば尿）に対して不透過
性であり、好ましくは、薄いプラスチックフィルムから
製造されるが、他の液体不透過性の可撓性の材料もまた
使用できる。本明細書中で使用されているように、「可
撓性」という用語は、柔軟で、人体の全体形状及び輪郭
に容易に馴染む材料に関する。バックシート26は、吸収
体コア28に吸収され且つ包含された滲出物が、ベッドの
シーツや下着のようなおむつ20と接触する物品を濡らす
ことがないようにする。更に、バックシート26は、吸収
体コア28から蒸気を逃がす（即ち通気性がある）が、滲
出物を通さない。かくして、バックシート26は、織布材
料又は不織布材料、ポリエチレンやポリプロピレンでで
きた熱可塑性フィルムのようなポリマーフィルム、又は
フィルムでコーティングした不織布材料のような複合材
料からなるのがよい。適当なバックシートの一例は、厚
さが約0.012mm（0.5ミル）乃至約0.051mm（2.0ミル）の
熱可塑性フィルムである。バックシート26に適したこの
他の材料には、インディアナ州テルホイテのトレッデガ
ー産業社が製造しているRR8220吹付けフィルム及びRR54
75流延フィルムが含まれる。バックシート26は、好まし
くは、より布に近い外観を与えるため、エンボス加工又
は艶消し仕上げが施してある。

トップシート24は、吸収体コア28の内面66と隣接して
位置決めされており、当該技術分野で周知の取り付け手
段（図示せず）で吸収体コア及びバックシート26に接合
されている。適当な取り付け手段をバックシート26の吸
収体コア28への接合に関して説明する。本発明の好まし
い実施例では、トップシート24及びバックシート26は、
おむつの周囲55で互いに直接的に接合されており、これ
らは、取り付け手段（図示せず）で吸収体コア28に直接
的に接合することによって、互いに関節的に接合されて
いる。

トップシート24は、柔軟で、軟らかな触感を持ち、着
用者の皮膚に対して刺激がない。更に、トップシート24
は、好ましくは液体透過性であり、液体（例えば尿）が
その厚さを容易に貫通する。適当なトップシート24は、
多孔質フォーム、網状フォーム、有孔プラスチックフィ
ルム、天然繊維（例えば、木材繊維又は綿）、合成繊維
（例えば、ポリエステル繊維又はポリプロピレン繊
維）、又は天然繊維と合成繊維の組み合わせからなる織
布ウェブ又は不織布ウェブといった広範な材料から製造
できる。トップシート24は、トップシート24を通過して
吸収体コア28内に包含された液体から着用者の皮膚を隔
離するため（即ち、再湿潤を阻止するため）、好ましく
は、疎水性材料でつくられている。トップシート24が疎
水性材料でできている場合には、液体がトップシートを
通って更に迅速に移行するように、少なくともトップシ
ート24の上面には親水化処理が施してある。これによっ
て、身体の滲出物がトップシート24を通して引き込まれ
て吸収体コア28によって吸収されずに、トップシート24
から流出する可能性が小さくなる。トップシート24は、
界面活性剤で処理することによって親水性にすることが
できる。トップシート24を界面活性剤で処理するための
適当な方法には、トップシート24の材料に界面活性剤を
吹き付ける方法及び材料を界面活性剤中に浸漬する方法
が含まれる。このような処理即ち親水化の更に詳細な議
論は、1991年１月29日にライジング等に賦与された「多
層吸収体層を有する吸収体物品」という標題の米国特許
第4,988,344号、及び1991年１月29日にライジングに賦
与された「迅速捕捉吸収体コアを有する吸収体物品」と
いう標題の米国特許第4,988,345号に含まれている。こ
れらの特許について触れたことにより、これらの特許に
開示されている内容は本明細書中に組み入れたものとす
る。

トップシート24の製造には、多数の製造技術を使用で
きる。例えば、トップシート24は、繊維でできた不織布
ウェブであるのがよい。トップシート24が不織布ウェブ
でできている場合、ウェブは、スパンボンディング、カ
ーディング、湿式堆積処理、溶融吹付け、ヒドロエンタ
ングルド、これらの組み合わせ、等でつくられている。
適当なトップシート24は、カーディング処理を施し、織
物の技術分野の当業者に周知の手段で熱結合したもので
ある。満足のいくトップシート24は、約2.2デニールの
ステープル長のポリプロピレン繊維でできている。本明
細書中で使用されているように、「ステープル長の繊
維」という用語は、長さが少なくとも約15.9mm（0.625
インチ）の繊維に関する。好ましくは、トップシート24
の坪量は、約18g/m2乃至約25g/m2である。適当なトップ
シートは、マサチューセッツ州ウォルポールのインター
ナショナル・ペーパー社の一部課であるヴェラテック社
がＰ−８の表示で製造している。

おむつ20は、好ましくは、液体及び他の身体の滲出物
の包含性を改善するための弾性脚カフ32を更に有する。
弾性脚カフ32には、脚部領域での身体の滲出物の漏れを
少なくするための幾つかの異なる実施例がある。（脚カ
フは、場合によっては、脚バンド、サイドフラップ、障
壁カフ、又は弾性カフとも呼ばれる。）米国特許第3,86
0,003号には、弾性脚カフ（ガスケットカフ）を提供す
るサイドフラップ及び一つ又はそれ以上の弾性部材を有
する収縮性脚開口部を提供する、使い捨ておむつが記載
されている。1990年３月20日にアジズ等に賦与された
「弾性フラップを有する使い捨て吸収体物品」という標
題の米国特許第4,909,803号には、脚部領域の包含性を
改善する「起立」弾性フラップ（障壁カフ）を有する使
い捨ておむつが記載されている。1987年９月22日にロー
ソンに賦与された「二重カフを有する吸収体物品」とい
う標題の米国特許第4,695,278号には、ガスケットカフ
及び障壁カフを含む二重カフを有する使い捨ておむつが
記載されている。各弾性脚カフ32は、上文中に説明した
脚バンド、サイドフラップ、障壁カフ、又は弾性カフの
うちの任意のものと同様であるように形成でき、各弾性
脚カフ32は、上掲の米国特許第3,860,003号に記載され
たガスケットカフを有する。

おむつ20は、好ましくは、装着性及び包含性を改善す
る弾性胴部装置34を更に有する。弾性胴部装置34は、着
用者の胴部に動的に装着するように弾性的に伸び縮みす
るようになったおむつ20の部分又はゾーンである。弾性
胴部装置34は、好ましくは、吸収体コア28の胴縁部70の
少なくとも一方から長手方向外方に延び、全体として、
おむつ20の端縁部58の少なくとも一部を形成する。使い
捨ておむつは、全体として、第１胴部領域50及び第２胴
部領域52に一つづつ位置決めされた二つの弾性胴部装置
を持つように形成されているが、おむつは、弾性胴部装
置を一つだけ持つように形成することができる。更に、
弾性胴部装置34又はその必須の要素のうちの任意の要素
は、おむつ20に取り付けられた別の要素からなるのがよ
く、弾性胴部装置34は、バックシート26やトップシート
24のようなおむつの他の要素の延長部として、好ましく
はバックシート26及びトップシート24の両方の延長部と
して形成できる。胴部装置34は、1985年５月７日にキビ
ト等に賦与された米国特許第4,515,595号、及びブエル
に賦与された上掲の米国特許第5,151,092号に記載され
ている形体を含む多数の異なる形体でつくることができ
る。これらの特許について触れたことにより、これらの
特許の各々に開示されている内容は本明細書中に組み入
れたものとする。

本発明の好ましい実施例では、おむつ20は、第２胴部
領域52で包含アッセンブリ22の各長手方向縁部56から横
方向外方に延びる耳フラップ62を更に有する。耳フラッ
プ62は、第１胴部領域50を取り付けて着用者の脚部及び
胴部を取り囲むことができる構造を提供する。耳フラッ
プ62は、多数の種々の大きさ、形状、形体、及び材料で
つくることができる。耳フラップ62は、トップシート24
及びバックシート26を含むおむつの一つ又はそれ以上の
要素を形成する材料の一部からなるのがよい。変形例で
は、耳フラップ62は、おむつに取り付けられた別の一つ
又は複数の要素からなるのがよい。耳フラップ62として
使用するのに適した材料には、織布ウェブ、不織布ウェ
ブ、ポリマーフィルムを含むフィルム、フォーム、フィ
ルム積層体、不織布積層体、歪ゼロの積層体を含む積層
体材料、エラストマー、複合材料、又は本明細書中で説
明した、又は当該技術分野で周知の伸長性サイドパネル
に関して説明された材料の任意の組み合わせが含まれ
る。耳フラップ62は、当該技術分野で周知の任意の手段
によって包含アッセンブリ22に接合できる。耳フラップ
は、例えば、加熱した又は加熱していない接着剤を使用
して、熱結合、圧力結合、超音波結合、動的機械的結
合、又は当該技術分野で周知の任意の他の方法によっ
て、包含アッセンブリに連続的に又は断続的に結合され
る。

おむつ20は、おむつ20の包含アッセンブリ22の各長手
方向縁部56と隣接して、好ましくは第１胴部領域50に配
置された伸長性サイドパネル30を更に有する。（本明細
書中で使用されているように、「配置された」という用
語は、吸収体物品の要素が、吸収体物品の他の要素と一
体の構造として、又は吸収体物品の別の要素に接合され
た別体の要素として、特定の場所即ち位置に形成（接合
され且つ位置決めされた）されているということを意味
する。）伸長性サイドパネル30は、先ず最初におむつを
着用者にぴったりと装着し、おむつに滲出物が排出され
た時点を大きく越える着用時間に亘ってこの装着状態を
維持することによって、快適性を高め且つ輪郭にぴった
りと装着する弾性的に伸縮自在の装置を構成する。これ
は、伸長性サイドパネル30によりおむつ20の側部を伸び
縮みさせることができるためである。伸長性サイドパネ
ル30により、おむつを更に効果的に着けることができ
る。これは、おむつを付ける人がおむつを着用者に非対
称に装着した場合でも、おむつが着用中に「自動的に調
節」し、装着性を改善するためである。本発明の伸長性
サイドパネル30は、更に、着用者の胴部並びに脚部の周
りでの動的装着性を改善し、各領域での運動の自由度及
び着用者の快適性を高めながら、胴部のところで及び脚
部の周りで垂れ下がったり隙間ができたりする可能性を
小さくする。このように垂れ下がったり隙間ができたり
すると、漏れが起こる。

各伸長性サイドパネル30は、胴パネル36及び大腿パネ
ル38からなる。胴パネル36の主伸長方向は、大腿パネル
38とは異なり、伸長性サイドパネル30に独特の多方向延
伸特性を与える。胴パネル36は、おむつ20を着用者の胴
部の周りに固定するため、最初に張力を提供し、ひとた
び「賦活」されると、着用者の動きに従って動的に伸び
縮みし、おむつの胴部をぴったりと保持するが、使用期
間に亘って快適にフィットするように設計された、伸長
性サイドパネル30の部分即ち要素である。胴パネル36
は、胴パネル基端縁部72、胴パネル基端縁部72と横方向
反対側の胴パネル先端縁部74、胴パネル基端縁部72と胴
パネル先端縁部74との間を延びる第１横縁部90、及び第
１横縁部90と長手方向反対側の第２横縁部92を有する。
一つの好ましい実施例では、胴パネル36は、第１横縁部
90が第２横縁部92よりも包含アッセンブリ22の横方向中
心線102から遠く、おむつ20の端縁部58の一部を形成す
るように位置決めされている。

胴パネル36は、着用者の胴部の周りで主伸長方向（矢
印Ｇで示す）を有する伸長性材料からなる。一つの好ま
しい実施例では、胴パネル36の主伸長方向は、横方向外
方に配向されたゼロよりも大きい第１ベクトル成分、及
び横方向中心線102に向かって配向されたゼロ以上であ
るか或いはゼロに等しい第２ベクトル成分を有する。更
に好ましくは、胴パネルの主伸長方向の第１ベクトル成
分は、第２ベクトル成分よりも大きい。（しかしなが
ら、胴パネル36は、全部又は一部が主伸長方向以外の方
向で伸長自在であってもよいということに着目された
い。）第４図の角度Ａは、胴パネル36の主伸長方向と横
方向中心線102と平行な横方向軸線104との間の（時計周
り方向又は反時計周り方向に計測した）角度を表す。
（第４図では、角度Ａは、横方向軸線104から時計周り
方向に計測した）。角度Ａは、好ましくは、横方向から
約０゜乃至45゜であり、更に好ましくは、横方向から約
５゜乃至20゜であり、最も好ましくは、横方向から約10
゜乃至約15゜である。

大腿パネル38は、おむつが着用者の脚部を取り囲む外
大腿部領域での着用者の動的な動きに従って伸び縮みす
るように設計された、伸長性サイドパネル30の部分即ち
要素である。大腿パネル38は、大腿パネル基端縁部78、
この大腿パネル基端縁部78の横方向反対側の大腿パネル
先端縁部76、大腿パネル基端縁部78と大腿パネル先端縁
部76との間を延びる第１横縁部94、及びこの第１横縁部
94の長手方向反対側の第２横縁部96を有する。好ましく
は、大腿パネル38は、包含アッセンブリ22の長手方向縁
部56と隣接して配置され、胴パネル36よりも包含アッセ
ンブリ22の横方向中心線102に近い所定の位置から横方
向外方に延びている。好ましくは、大腿パネル38の第２
横縁部96は、包含アッセンブリ22の端縁部58から第１横
縁部94よりも遠くに位置決めされている。好ましい実施
例では、おむつ20を着用者に装着したとき、第２横縁部
96が、着用者の大腿を取り囲むおむつ20の部分を形成す
る。

大腿パネル38は、主伸長方向（矢印Ｈで示す）が胴パ
ネルの主伸長方向と平行でなく、好ましくは横方向及び
長手方向に対して所定の角度をなした伸長性材料ででき
ている。一つの好ましい実施例では、大腿パネルの主伸
長方向は、横方向外方に配向されたゼロよりも大きい第
１ベクトル成分、及び横方向中心線102から遠ざかる方
向に配向されたゼロ以上であるか或いはゼロに等しい第
２ベクトル成分からなる。（大腿パネルの全体又は一部
が、主伸長方向以外の方向で伸長性であってもよい。）
第４図に示すように、角度Ｂは大腿パネルの主伸長方向
と横方向軸線104との間の角度を表す。（本明細書中で
使用されているように、角度Ｂは、横方向軸線104から
反時計周り方向に計測した。）角度Ｂは、好ましくは、
横方向から約０゜乃至40゜であり、更に好ましくは、横
方向から約10゜乃至35゜であり、最も好ましくは、横方
向から約20゜乃至約30゜である。好ましい実施例では、
おむつ20を着用者に最初に装着するとき、大腿パネル38
は、着用者の脚部の外大腿部分を取り囲む。ひとたび
「賦活」されると、大腿パネル38は、着用者の脚部の動
きと関連して動的に伸び縮みし、使用期間に亘って、着
用者の脚部の周りにぴったりと装着した状態を維持す
る。これは、おむつの包含特性を改善すると同時に着用
者の皮膚に赤い痕が残らないようにする。

胴パネル36及び大腿パネル38、及びかくして伸長性サ
イドパネル30は、多くの種々の大きさ、形状、形体をと
ることができ、及び多くの種々の材料でつくることがで
きる。伸長性サイドパネル30並びに胴パネル36及び大腿
パネル38の正確な長さ、幅、及び厚さは、対象となる使
用者の大きさ及び伸長性サイドパネル30の正確な形体に
従って変化する。従って、胴パネル36は、胴パネル36を
大腿パネル38と作動的に関連させることができ且つおむ
つの包含アッセンブリ22が本明細書中に記載した本発明
の多方向延伸特性を提供する限り、大腿パネル38と大き
さ及び形状が同じであってもよいし、寸法が異なってい
てもよい。中ぐらいの大きさの幼児が着用する適当な伸
長性サイドパネル30の一例は、長手方向寸法が約5.08cm
乃至10.16cm（２インチ乃至４インチ）で横方向寸法が
5.08cm乃至12.7cm（２インチ乃至５インチ）の全体に台
形形状である。

伸長性サイドパネル30は、伸長性材料でできた単一の
部品でできていてもよいし、互いに作動的に関連して各
伸長性サイドパネル30を形成する二つ又はそれ以上の伸
長性部材でできていてもよい。本明細書中で使用されて
いるように、「単一構成要素伸長性サイドパネル（sing
le component extensible side panel）」又は「単一構
成要素実施例」という用語は、伸長性サイドパネルが単
一の伸長性部材からなる本発明の実施例に関する。「多
構成要素伸長性サイドパネル」又は「多構成要素実施
例」という用語は、伸長性サイドパネル30が、互いに作
動的に関連して伸長性サイドパネル30を形成する二つ又
はそれ以上の伸長性部材からなる、本発明の実施例を示
す上で本明細書中で使用されている。好ましい実施例で
は、伸長性サイドパネル30は、一つ以上、好ましくは二
つの伸長性部材、即ち、胴パネル36を形成する胴パネル
部材37及びこれとは別体の大腿パネル38を形成する大腿
パネル部材39からなる。伸長性部材は、バックシート26
やトップシート24のようなおむつの他の要素の延長部と
して形成してもよく、又はこれらのシートの両方の延長
部として形成してもよく、又は、包含アッセンブリ22に
取り付けられた完全に別の要素から形成してもよい。

伸長性サイドパネル30の基端縁部80は、おむつの包含
アッセンブリ22の一方の長手方向縁部56と隣接して配置
されている。一つの形体では、伸長性サイドパネル30の
基端縁部80はトップシート24とバックシート26との間に
配置されている。しかしながら、伸長性サイドパネル30
は、多くの種々の形体で包含アッセンブリ22に接合でき
る。例えば、伸長性サイドパネル30の基端縁部80は、バ
ックシート26の外面46又はトップシート24の内面44に接
合できる。胴パネル36及び大腿パネル38が別々の伸長性
部材からなる変形例の多構成要素実施例では、胴パネル
部材37及び大腿パネル部材39を同じ表面又は異なる表面
上に配置でき、又はトップシート24及びバックシート26
の間に配置できる。更に別の実施例では、伸長性サイド
パネル30又はその任意の構成要素を、包含アッセンブリ
22に接合された別の要素上に配置できる。

伸長性サイドパネル30は、好ましくは、当該技術分野
で周知の取り付け手段（図示せず）で包含アッセンブリ
22に又はおむつ20に接合される。各伸長性サイドパネル
30を包含アッセンブリ22に取り付けるための適当な手段
は、融着（例えば、超音波結合、熱結合、又は圧力結
合）である。変形例では、接着剤、動的機械的結合、又
は当該技術分野で周知の任意の他の方法を使用して伸長
性サイドパネル30を包含アッセンブリ22に断続的に又は
連続的に結合することができる。

本発明の好ましい実施例では、第１図、第２図、及び
第３図に示すように、胴パネル36及び大腿パネル38の少
なくとも一部が互いに接合されている。好ましくは、胴
パネル先端縁部74が大腿パネル先端縁部76の少なくとも
一部に接合されている。多構成要素実施例では、胴パネ
ル先端縁部74及び大腿パネル先端縁部76が少なくとも部
分的に重なった形体で接合されているのが好ましい。こ
れにより、伸長性サイドパネル30の先端縁部82と隣接し
て配置された第１ファスニング部材40に加えられた力に
より、胴パネル36及び大腿パネル38の両方を、これらの
パネルが着用者の動きと関連して伸び縮みできるように
「賦活」する。胴パネル36及び大腿パネル38は、接着
剤、熱結合、圧力結合、超音波結合、動的結合、又は当
該技術分野で周知の任意の他の結合方法を使用して互い
に結合できる。

変形例では、第５図に示すように、胴パネル部材37及
び大腿パネル部材39が最初は互いに接合されていない多
構成要素伸長性サイドパネル30が可能である。胴パネル
先端縁部74は大腿パネル先端縁部76から分離しており、
各伸長性部材には別々のファスニング構成要素が接合さ
れている。これにより、おむつ20を着用者の周りに取り
付けるとき、胴パネル部材37及び大腿パネル部材39を形
成する伸長性部材の先端縁部の配置を非常に自由に定め
ることができるおむつが提供される。例えば、この形体
では、胴パネル部材37及び大腿パネル部材39をおむつ20
自体に個々に取り付けることができる。別の態様では、
胴パネル部材37を大腿パネル部材39に再取り付け可能に
取り付けることができ、又は大腿パネル部材39を胴パネ
ル部材37に再取り付け可能に取り付けることができる。
胴パネル部材37及び大腿パネル部材39は、胴パネル部材
及び大腿パネル部材に関して上文中に論じたファスニン
グ構成要素、又は胴パネル部材及び大腿パネル部材に接
合されたフック−ループ型ファスナのような任意の他の
ファスニング部材を使用して多くの位置で互いに再取り
付け可能に取り付けることができる。

各伸長性サイドパネル30は、任意の適当な伸長性材
料、延伸自在（stretchable）の材料又はエラストマー
材料からなるのがよい。（本明細書中で使用されている
ように、「伸長性」という用語は、少なくとも一つの方
向で増大できる材料に関する。「延伸自在の」という用
語は、延伸力を材料に加えたときに伸長でき、延びに対
して或る程度の抵抗を示す材料に関する。「エラストマ
ー」という用語は、力を加えたときに少なくとも一つの
方向に延び、力を解放した後、ほぼその元の寸法に戻る
材料に関する。）胴パネル36及び大腿パネル38で使用す
る上で特に適していることがわかっている一つのエラス
トマー材料は、エラストマーフィルムを間に挟んだ二つ
のカバーストック（coverstock）層からなる積層体であ
る。本明細書中で使用されているように、「カバースト
ック」には、任意の織布材料又は不織布材料が含まれ
る。適当なカバーストック材料の一例は、マサチューセ
ッツ州ウォルポールのインターナショナル・ペーパー社
の一部課であるヴェラテック社がＰ−８の表示で製造し
ている不織布材料である。カバーストック層間に挟むの
に適当なフィルムの一例は、イリノイ州レイクチューリ
ッヒのエクソン化学社が製造しているEXX−500（前はEX
X−７であった）エラストマーフィルムである。伸長性
サイドパネル及びサイドパネル部材として使用するため
の、又はこれらで使用するための他の適当な材料には、
以下に説明する構造的弾性体様フィルム（SELF:structu
ral elastic−like film）、合成ゴム又は天然ゴム、合
成ゴムフォーム又は天然ゴムフォーム、エラストマース
クリム、織布又は不織布をなしたエラストマーウェブ、
及びエラストマー複合材料が含まれ、エラストマー複合
材料には、エラストマー不織布積層体、歪ゼロの延伸積
層体（zero strain stretch laminates）、予め変形さ
せた延伸積層体（prestrained stretch laminates）等
が含まれる。1992年９月29日にブエル等に賦与された
「弾性撓みヒンジが予め配置された動的弾性胴部装置を
有する吸収体物品」という標題の米国特許第5,151,092
号には、適当な歪ゼロの延伸積層体及び予め変形させた
延伸積層体が記載されており、同特許について触れたこ
とにより、その特許に開示されている内容は本明細書中
に組み入れたものとする。

構造的弾性体様フィルム（SELF）ウェブは、加えられ
た弾性材料を使用しなくても伸長方向に弾性体様挙動を
示す伸長性材料である。SELFウェブは、少なくとも二つ
の、隣接した、明らかに異なる、類似していない領域を
持つ伸び可能な（strainable）ネットワークを含む。一
方の領域は、所定の軸線と平行な所定方向に加えられた
軸線方向伸長に応じて抵抗力を示すように形成されてお
り、これは、他方の領域の大部分が、加えられた伸長に
対して大きな抵抗力を発生する前に起こる。材料に張力
が加えられていない状態で所定の軸線と実質的に平行に
計測した、これらの領域の少なくとも一方の表面行路長
は、他方の領域よりも大きい。表面行路長が長い領域に
は、他方の領域の平面を越えて伸びる一つ又はそれ以上
の変形部分が設けられている。SELFウェブは、所定の軸
線と平行な所定方向に伸長が加られた場合、少なくとも
一つの所定の軸線に沿った伸長に対する抵抗力が制御さ
れた、少なくとも二つの大きく異なる段階を示す。SELF
ウェブは、表面行路長が長い方の領域の大部分が加えら
れた伸長の平面に入るのに十分にウェブが伸長するま
で、加えられた伸長に対して第１の抵抗力を示し、これ
以上の伸長に対し、第２の抵抗力を示す。伸長に対する
全抵抗力は、第１領域が提供する伸びに対する第１の抵
抗力よりも大きい。

伸び可能なウェブ材料は、好ましい実施例では、賦形
ポリマーフィルムからなるのがよい。伸び可能なウェブ
材料は、おむつにその通常の着用時に加わる力の下での
伸長性が比較的小さいベース材料でつくることができ
る。本明細書中に説明した方法で賦形し、伸び可能なウ
ェブ材料にしたとき、このようにして賦形されたベース
材料は、これらの力が加わった状態で伸長性である。伸
び可能な材料は、特定の予め選択された伸長及び力で
「力壁（force wall）」を構成する、所定の構造に賦形
するのがよい。伸び可能なウェブ材料は、好ましくは、
線状低密度ポリエチレン（LLDPE）からなる。更に、伸
び可能なウェブ材料は、低密度ポリエチレン（LDPE）、
超低密度ポリエチレン（ULDPE）、高密度ポリエチレン
（HDPE）を含むポリエチレンやポリプロピレンといった
ポリオレフィン、及びこれと上述の他の材料との混合物
からなるのがよい。使用できる他の適当なポリマー材料
の例には、ポリエステル、ポリウレタン、堆肥化可能な
即ち生分解性のポリマー、熱収縮ポリマー、熱可塑性エ
ラストマー、及び通気性のあるポリマー構造が含まれる
が、これらに限定されない。

伸び可能なウェブ材料は、おむつ20の伸長性サイドパ
ネル30で種々の異なる形体で使用できる。構造的弾性体
様フィルムの適当な形態の一例は、積層体である。この
積層体は、長手方向に伸長性の、好ましくはカーディン
グ処理を施した二枚の不織布ウェブの間に固定された伸
び可能なウェブ材料でできている。（これに加え、伸び
可能なウェブ材料は、本明細書中に説明した吸収体物品
の種々の他の構成要素にも使用できる。） 伸び可能なウェブ材料を第６図及び第７図に実質的に
張力が加わっていない状態で示す。伸び可能なウェブ材
料は、二つの中心線、即ち、本明細書中下文において軸
線又は方向「１」と呼ぶ長手方向中心線、及び本明細書
中下文において軸線又は方向「ｔ」と呼ぶ横方向中心線
を有する。横方向中心線「ｔ」は、長手方向中心線
「ｌ」とほぼ垂直である。好ましい実施例では、伸び可
能なウェブ材料の長手方向中心線は、おむつ20の長手方
向中心線Ｌと整合している。しかしながら、他の実施例
では、ウェブ材料の長手方向中心線ｌを所望の伸長方向
に応じて他の方向に配向できる。

第６図及び第７図に示すように、伸び可能なウェブ材
料660は、明らかに異なる類似していない領域からなる
「伸び可能なネットワーク」を含む。本明細書中で使用
されているように、「伸び可能なネットワーク」という
用語は、所定方向に所定の有用な程度まで伸長させるこ
とができる相互に連結し且つ関連した領域群に関し、抵
抗力が比較的低い段階及び抵抗力が比較的高い段階を持
つ伸び可能な弾性体様のウェブ材料を提供する。伸び可
能なネットワークは、少なくとも、第１領域664及び第
２領域666を含む。第１領域664は、弾性率がE1で断面積
がA1である。第２領域666は、弾性率がE2で断面積がA2
である。第１及び第２の領域の各々は、第１表面及びそ
の反対側の第２表面を有する。第６図及び第７図に示す
好ましい実施例では、伸び可能なネットワークは、複数
の第１領域664及び複数の第２領域666を含む。第１領域
664は、第１軸線668及び第２軸線669を有し、第１軸線6
68は、好ましくは、第２軸線669よりも長い。第１領域6
64の第１軸線668は、伸び可能なウェブ材料660の長手方
向軸線ｌとほぼ平行であり、第２軸線669は伸び可能な
ウェブ材料660の横方向軸線ｔとほぼ平行である。第２
領域666は、第１軸線670及び第２軸線671を有する。第
１軸線670は伸び可能なウェブ材料の長手方向軸線とほ
ぼ平行であり、第２軸線671は伸び可能なウェブ材料の
横方向軸線とほぼ平行である。第６図の好ましい実施例
では、第１領域664及び第２領域666は、実質的に直線状
であり、伸び可能なウェブ材料の長手方向軸線とほぼ平
行な所定の方向に連続的に伸びている。

図示の実施例では、長手方向軸線とほぼ平行な所定の
方向に軸線方向伸長を加えたとき、伸び可能なウェブ材
料全体が所定の軸線（これは、図示の実施例の場合には
ウェブ材料の長手方向軸線とほぼ平行である）に沿って
制御された抵抗力を示すように、伸び可能なウェブ材料
の一部が「賦形」してある。本明細書中で使用されてい
るように、「賦形された」という用語は、ウェブ材料に
所望の構造又は形状をつくりだすことに関し、ウェブ材
料は、外部から伸長又は力が全く加えられていない場合
には、実質的に、所望の構造又は形状を保持する。本明
細書中に説明した伸び可能なウェブ材料のような材料の
賦形方法には、互いに噛み合うプレート又はロールによ
ってエンボス加工を施す方法、熱成形、高圧油圧成形、
又は流延（casting）が含まれるが、これらの方法に限
定されない。

本発明で使用したウェブ材料は、隣接した、「明らか
に異なる」、「類似していない」領域でできた伸び可能
なネットワークからなり、伸び可能なネットワークは少
なくとも第１領域及び第２領域を含み、第１領域の「表
面行路長」は、第２領域よりも小さい。表面行路長は、
材料に張力が加わっていない状態で所定の軸線方向と平
行に計測する。本明細書中で使用されているように、
「賦形部分」という用語は、伸び可能なネットワークの
所望の構造からなる、材料の部分に関する。本明細書中
で使用されているように「表面行路長」という用語は、
問題の領域のトポグラフ的表面に沿った所定の軸線方向
と平行な所定の方向での計測値に関する。本明細書中で
使用されているように、領域に関する「明らかに異な
る」、又は「類似していない」という用語は、ウェブ材
料に張力が加わっていない状態で所定の軸線と平行に計
測した表面行路長の計測値が異なる、伸び可能なネット
ワーク内の領域に関する。

第６図及び第７図に示す好ましい実施例では、第１領
域664は、実質的に平らな領域からなる。即ち、第１領
域664内の材料は、伸び可能なウェブ材料に加えられる
賦形工程の前後で実質的に同じ状態である。第２領域66
6は、複数の連続した相互連結された変形部分674を含
み、これらの変形部分は、第１領域664の第１及び第２
の表面（夫々664A及び664Bである）の両方の平面を交互
に越えて延びる。

変形部分674は、ウェブ材料の横方向軸線とほぼ平行
な第１軸線676及び伸び可能なウェブ材料の長手方向軸
線とほぼ平行な第２軸線677を有する。変形部分674の第
１軸線676は、少なくとも第２軸線677と同じであり、好
ましくは、これよりも長い。本発明の、サイドフラップ
の伸長挙動に対する二段階抵抗力の特性を高めるため、
第１軸線676の第２軸線677に対する比は、少なくとも1:
1であり、好ましくは少なくとも2:1又はそれ以上であ
る。一般的には、この比が大きければ大きい程、ウェブ
材料の、伸長に対する二段階抵抗力の特性が著しくな
る。

第１領域664及び第２領域666は、「投影行路長（proj
ected path length）」を各々有する。本明細書中で使
用されているように、「投影行路長」という用語は、伸
び可能なウェブ材料660の所定の軸線と平行に（即ち、
長手方向軸線と平行に）計測した、ウェブ材料の表面に
対して垂直方向に見た、領域の長さに関する。第１領域
664の投影行路長及び第２領域666の投影行路長は互いに
等しい。

しかしながら、ウェブ材料に張力が加わっていない状
態でウェブ材料の長手方向軸線とトポグラフ的に平行に
計測した第１領域664の投影行路長L1は、第２領域666の
投影行路長L2よりも小さい。伸び可能なウェブ材料660
の伸長挙動に対する二段階抵抗力の特性を高めるため、
第２領域666の投影行路長は、第１領域664の投影行路長
よりも少なくとも約15％大きく、更に好ましくは、約30
％大きく、最も好ましくは、少なくともや70％大きい。

ウェブ材料660の「ポアソン横方向収縮効果（Poisson
lateral contraction effect）」は、従来技術の、他
の点では同じである、賦形前のウェブ材料よりもかなり
小さい。本明細書中で使用されているように「ポアソン
横方向収縮効果」は、伸長が加えられている材料の横方
向収縮挙動を表す用語である。好ましくは、本発明のウ
ェブ材料のポアソン横方向収縮効果は、ウェブに約20％
の伸長が加えられたとき、約0.4以下である。好ましく
は、ウェブ材料のポアソン横方向収縮効果は、ウェブ材
料に約40％、50％、又は60％以上の伸長が加えられたと
き、約0.4以下である。最も好ましくは、ウェブ材料に2
0％、40％、50％、又は60％の伸長が加えられたとき、
約0.3以下である。

伸び可能なウェブ材料について、矢印680で示す、加
えられた軸線方向伸長の方向は、変形部分674の第１軸
線676に対してほぼ垂直である。（軸線方向伸長量は、
距離Ｄである。）変形部分674が第１軸線676に対してほ
ぼ垂直な所定方向に延びることができるため、軸線方向
伸長を加えて伸び可能なウェブ材料を延ばす方向もまた
変形部分674の第１軸線676に対してほぼ垂直である。

矢印680で示す、加えられた軸線方向伸長の方向が、
変形部分674の第１軸線676に対してほぼ垂直である場合
には、長手方向成分を有する加えられた軸線方向伸長に
より、伸び可能なウェブ材料が加えられた軸線方向伸長
の方向に延ばされる。

第10図には、本発明の賦形ポリマーウェブ材料の抵抗
力−伸長量曲線720の例示のグラフが、本発明のウェブ
材料を形成するベースとなる平らなポリマーフィルムに
ついての同様の曲線710とともに示してある。次に、力
−伸長量曲線720を参照すると、最初の、実質的に線形
の、伸長量に対する力が小さい段階Ｉに参照番号720aが
附してあり、移行ゾーンには参照番号720bが附してあ
り、実質的に線形の段階IIには参照番号720cが附してあ
る。段階IIでは、伸長挙動に対する力がかなり大きく、
これは、抵抗力壁に相当する。この抵抗力壁を越えると
ウェブ材料に追加の永久変形が加わる。

第10図でわかるように、伸び可能なネットワークを有
する賦形ウェブ材料は、ウェブ材料の長手方向軸線と平
行な所定方向に伸長が加えられたとき、制御された多段
階挙動を示す。加えられた伸長に対する抵抗力は、この
ような挙動を示さない曲線710と比較すると、曲線720の
段階Ｉ（720a）と段階II（720c）との間でかなり異な
る。次に第32図を参照すると、第６図に矢印680で示す
軸線方向伸長をウェブ材料に加えたとき、表面行路長L1
が短い第１領域664は、加えられた伸長に対する最初の
抵抗力P1の大部分を提供する。これが段階Ｉに相当す
る。段階Ｉでは、第２領域666の変形部分674は、ほとん
ど、加えられた伸長の平面の外にあり、加えられた延び
に対する抵抗が最小である。段階Ｉと段階IIとの間の移
行ゾーンでは、変形部分674は、加えられた伸長と整合
する。段階IIでは、第９図に示すように、第２領域666
の変形部分674は、加えられた伸長の平面と実質的に整
合し、これ以上の伸長に対して抵抗し始める。このと
き、第２領域666がこれ以上の伸長に対する抵抗力P2を
提供する。伸長に対する第１及び第２の抵抗力は、全抵
抗力PTを提供する。これは、第１領域664が提供する抵
抗力よりも大きい。従って、段階IIでの力−伸長量曲線
の全体としての傾きが力壁の性質を示し、これは、段階
Ｉの力−伸長量曲線の全体としての傾きよりもかなり大
きい。

抵抗力P1は、（L1＋Ｄ）がL2以下である場合には、抵
抗力P2よりもかなり大きい。（L1＋Ｄ）がL2以下である
場合には、第１領域664が初期抵抗力P1を提供し、全体
として、以下の等式を満たす。

（L1＋Ｄ）がL2以上である場合には、第１及び第２の
領域は、加えられた伸長Ｄに対して組み合わせ総抵抗力
PTを示し、以下の等式を満たす。

（ここで、「＊」は、掛けることを表す記号である） 段階Ｉでの最大伸長量は、ウェブ材料の「有効延伸量
（available stretch）」であると考えられる。有効延
伸量は、力−伸長量曲線720を検討することによって、
効果的に決定できる。段階Ｉと段階IIとの間の移行ゾー
ンの変曲点があるあたりが、「有効延伸量」の伸長量
（％）の点である。有効延伸量の範囲は、約10％乃至10
0％又はそれ以上変化でき、この弾性体様応答は、使い
捨て吸収体物品の関心事であり、第２領域666の表面行
路長L2が第１領域664の表面行路長L1よりもどれ程大き
いか、及びベースフィルムの性質によって大幅に制御で
きる。ウェブ660での伸長量（％）と等しい伸長量
（％）をベースフィルムに加えるには極めて大きな力が
必要とされる。段階Ｉのおおまかな範囲は、張力が加え
られていない状態で行路長L1及びL2を調節することによ
って、所望の通りに制御できる。段階Ｉの力−伸長挙動
は、第１領域664の幅、厚さ、及び間隔、及びベースフ
ィルムの性質を調節することによって制御できる。

加えられた伸長が第６図のウェブ材料に加わると、ウ
ェブ材料は段階体様挙動を示し、加えられた伸長の方向
に延び、加えられた力が取り除かれると、降伏点にまで
延ばされていないならば、張力が実質的に加えられてい
ない状態に収縮する。ウェブ材料には、実質的に回復す
るその性能を失うことなく、加えられた伸長を多数回加
えることができる。従って、ウェブ材料は、加えられた
伸長又は力が取り除かれると、張力が実質的に加えられ
ていない状態に収縮できる。

ウェブ材料は、加えられた軸線方向伸長の方向に、即
ち変形部分674の第１軸線方向676と実質的に垂直な方向
に容易に且つ可逆的に延びることができるが、変形部分
674の第１軸線676と実質的に平行な方向では、伸長性が
比較的ない。変形部分674に加えられた塑性変形によ
り、変形部分を一方の方向、即ち変形部分の第１軸線と
実質的に垂直な方向に延ばすことができるが、伸長方向
に対して実質的に垂直方向、即ち変形部分の第１軸線と
実質的に平行な方向では、伸長性が比較的ない。他の実
施例では、伸び可能なウェブ材料660に、中央から外方
に延びる第１領域664及び前記中央を中心とした同心円
をなして配置された第２領域を設け、一つ以上の方向に
伸長性の伸び可能なウェブ材料660をつくることができ
る。

ウェブ材料を延ばすのに必要な加えられた力の量は、
ウェブ材料を形成するベース材料の固有の性質、変形さ
せていない領域664の幅及び間隔で決まり、狭幅で間隔
が大きい変形させていない領域664は、所望の伸長を得
るのに必要な伸長力が小さい。変形させていない領域66
4の第１軸線668（即ち長さ）は、好ましくは、第２軸線
669（即ち幅）よりも大きく、長さの幅に対する比は、
好ましくは、5:1乃至300:1である。

変形部分674の深さ及び数を変えることによって、本
発明のウェブ材料を延ばすのに必要な加えられた力又は
伸長を制御することができる。一つの好ましい実施例で
は、変形部分は、外寸が12.7cm×30.48cm×1.905cm（5.
0インチ×12インチ×0.75インチ）の二つの剛性のプレ
ートによって形成される。各プレートの一方の表面に
は、互いに噛み合う一連の歯が設けられ、これらの歯
は、実質的に三角形の断面を有し、ベースの寸法が0.76
2mm（0.030インチ）であり、頂点までテーパしており、
頂部の半径が0.203mm（0.008インチ）である。歯の中心
線は、0.762mm（0.030インチ）の間隔で均等に間隔を隔
てられている。一方のプレートの「歯が設けられた」側
には、一連の溝が切り込んであり、これらの溝は互いに
平行であり、均等に間隔を隔てられた歯に対して垂直で
ある。これらの溝は、幅が0.787mm（0.031インチ）であ
り、プレートの全長に亘って連続しており、中心から6.
35mm（0.25インチ）の距離のところに間隔を隔てられて
いる。これらの溝は、賦形ウェブ材料の賦形されなかっ
た領域と対応する。

好ましいLLDPEベース材料を、圧力を均等に分配する
ためにプレートよりも大きいプラテンを有する油圧プレ
スのプレート間に置く。プレートを少なくとも1814.369
kg（4000ポンド）の荷重で圧縮する。次いで、賦形ウェ
ブ材料をプレート間から取り出す。所与の数の変形部分
について、高さ即ち変形部分に加えられた変形の程度を
増大すると、有効延伸量即ち伸長量が増大する。同様
に、所与の高さ即ち変形の程度について、変形部分の数
を増大すると、有効延伸量即ち伸長量が増大する。

伸長力、伸長モジュラス（extension modulus）、及
び有効延伸量（伸長量）及び収縮力、弾性クリープ、弾
性ヒステリシス、及び伸長性サイドパネル30の収縮速度
を含む伸長特性は、伸長性サイドパネル30及びおむつ20
の性能上の重要な用件である。伸長特性は、おむつを装
着する人及び着用者に、使用中に、考えられる全ての
「ストレッチイネス（stretchiness）」を与える。更
に、これらの性質は、適当な程度の装着延伸（applicat
ion stretch）」を得る上でおむつの性質に影響を及ぼ
す（即ち、おむつの装着中のおむつの「通常」考えられ
る張力、結果的な延伸の総量が、装着の良好な形状一致
性を達成し／維持する）。伸長性サイドパネルは、伸長
モジュラスが比較的高い場合には着用者の皮膚に赤い痕
を残すのに対し、伸長モジュラスが比較的低い場合には
着用者から垂れ下がったり着用者から滑り落ちたりして
しまう。有効延伸量が小さ過ぎるサイドパネルは、身体
の形体と適当なレベルで一致できず、おむつの着用を不
快にし、着用者への適用を困難にする。収縮力が非常に
低い伸長性サイドパネルを有するおむつは、着用者上に
とどまることができず、垂れ下がったり滑り落ちたり
し、結果的に装着性及び包含性を損なう。

代表的な伸長性材料は、応力−歪特性において、力の
ヒステリシスループを示す。即ち、所与の伸長量につい
て、伸長性材料を一軸伸長させるのに必要な力（伸長
力）は、伸長性材料がその予め伸長された状態から収縮
する際に及ぼす力（収縮力）よりも大きい。伸長力の曲
線を「荷重曲線」と呼び、収縮力の曲線を「抜荷重（un
load）曲線」と呼ぶ。おむつを装着する人は、伸長性サ
イドパネルを延ばしておむつを着用者に付けるとき、
「荷重」伸長力（伸長力）を感じる。着用者は、ひとた
びおむつを着けると、ほとんど「抜荷重」力（収縮力）
を「感じ」る。従ってヒステリシス損がそれ程大きくな
いため、収縮力は、着用者に装着したおむつの垂れ下が
り／隙間の形成を起こすのに十分小さい。

本発明の「伸長性複合サイドパネル」について、収縮
力、最小伸長量が、好ましくは、所望の範囲内にあると
いうことがわかっている。（本明細書中で使用されてい
るように、「伸長性複合サイドパネル」という用語は、
伸長性サイドパネルが、全体として、任意の形体であ
り、任意の材料又は材料の組み合わせからなるというこ
とに関する。）伸長性複合サイドパネルを最初に延ばす
ための伸長力は、好ましくは、約100g乃至約1200gであ
る。最も好ましくは、伸長力は、約200g乃至1000gであ
る。伸長性複合サイドパネルを伸長状態に約５分間に亘
って保持した場合、伸長性複合サイドパネルは、約75g
乃至約900gの収縮力を維持し、更に好ましくは、約100g
乃至約850gの収縮力を維持する。こうした範囲の伸長力
及び収縮力を有する伸長性複合サイドパネルは、好まし
くは、加えられた力の方向に少なくとも約3.81mm（約0.
15インチ）伸長する。

更に、伸長性サイドパネル30は、横方向に延伸した場
合、長手方向軸線に沿って特異な伸長性を備えている。
本明細書中で使用されているように、「特異な伸長性
（differential extensibility）」という用語は、延伸
方向に対して実質的に垂直方向に配向された軸線に沿っ
た種々の箇所で延伸方向に計測した伸長特性の程度が均
等でない材料を意味するのに使用される。これには、例
えば、伸長性材料の各々について、弾性モジュラス又は
有効延伸量、又はこの両方の変化が含まれる。特異な伸
長性は、多くの種々の方法で達成できる。伸長性サイド
パネル30は、多数の形体の多数の伸長性複合材料からな
るのがよく、又は、伸長性サイドパネルを構成する伸長
性材料又は他の材料の伸長特性は均等でないのがよい。
例えば、伸長力又は収縮力、モジュラス、又は伸長性サ
イドパネル30の一つの部分での横方向伸長性が隣接した
パネルよりも大きい又は小さい（変化する）といった他
の固有の特性が変化する伸長性材料を使用することによ
って、伸長性サイドパネルの選択された隣接部分で特異
な伸長性を得ることができる。更に、伸長性材料は、長
さ、大きさ、及び形状を変えて特異な伸長性を提供する
ことができる。伸長性サイドパネル30を形成する材料の
性質を変化させるための当該技術分野で周知の他の方法
も使用できる。

おむつ20には、好ましくは、おむつを着用者に装着す
るためのファスニングシステム48も設けられている。フ
ァスニングシステム48は、第１胴部領域50及び第２胴部
領域52を重なった形体に維持し、側部閉鎖体を形成す
る。ファスニングシステム48は、胴パネル36及び大腿パ
ネル38の両方に張力を維持しておむつ20を着用者に保持
し、着用者の脚部及び胴部の周りでの動的装着性を改善
する。ファスニングシステム48は、接着剤、凝集材料、
機械式ファスニング手段、フック−ループ型ファスナ、
これらの取り付け手段又は当該技術分野で周知の任意の
他の取り付け手段の任意の組み合わせを含むがこれらに
限定されない当該技術分野で周知の任意の取り付け手段
からなるのがよい。適当な接着剤テープタブファスニン
グシステムの例が、1974年11月19日にブエルに賦与され
た米国特許第3,848,594号、及び1987年５月５日にヒロ
ツ及びロバートソンに賦与された米国特許第4,662,875
号に開示されている。これらの特許について触れたこと
により、これらの特許の各々に開示されている内容は本
明細書中に組み入れたものとする。機械式閉鎖システム
を含む本発明で有用な他の閉鎖システムの例が、1989年
９月26日にスクリップスに賦与された米国特許第4,869,
724号、1989年７月11日にスクリップスに賦与された米
国特許第4,848,815号、及び1993年９月７日にヴェイ
ル、ブエル、クリアー、及びファルコンに賦与された米
国特許第5,242,436号に開示されている。これらの特許
について触れたことにより、これらの特許の各々に開示
されている内容は本明細書中に組み入れたものとする。

第１図に示すように、ファスニングシステム48は、好
ましくは、主中心線Ｆを有する少なくとも一対の第１フ
ァスニング部材40及び少なくとも一つの第２ファスニン
グ部材42を有する。第１ファスニング部材の主中心線Ｆ
は、おむつ20を着用者に装着する場合に伸長性サイドパ
ネル30に通常加わる張力線とほぼ平行である。第１ファ
スニング部材40の主中心線Ｆは、好ましくは、収縮して
いない状態のおむつ20の長手方向中心線Ｌ及び横方向中
心線Ｔの両方に対して所定の角度をなしている。好まし
い実施例では、一つの第１ファスニング部材が各伸長性
サイドパネル30の内面44に先端縁部82と隣接して配置さ
れている。第１ファスニング部材42は、好ましくは、各
伸長性サイドパネル30の先端縁部82に接合されており、
好ましくは、胴パネル36と大腿パネル38との間の境界と
重なっている。これによって、第１ファスニング部材36
が張力を提供し、胴パネル36及び大腿パネル38の両方を
「賦活」し、これによって、パネルが着用者の動きに従
って更に動的に伸び縮みできるようにする。（本明細書
中で使用されているように、「賦活」という用語は、弛
緩状態の伸長性材料に張力を加え、伸長性材料を弛緩状
態でなくし、及びかくして着用者の動きに従って伸び縮
みできるようにすることを意味する。）第２ファスニン
グ部材42は、好ましくは、包含アッセンブリ22の第２胴
部領域52の外面46に配置され、第１ファスニング部材40
と係合自在である。

特に好ましい実施例では、おむつ20は、各伸長性サイ
ドパネル30の基端縁部80と隣接して配置された少なくと
も一つの基端「補剛部材」84を有する。本明細書中で使
用されているように、「補剛部材」という用語は、おむ
つの任意の要素、伸長性サイドパネル30の任意の要素、
又はおむつ20の伸長性サイドパネル30又は包含アッセン
ブリ22に、又はこれらの両方に接合された任意の他の要
素を意味し、少なくとも一つの方向に圧縮／曲がり抵抗
（compression/buckling resistance）を提供する。基
端補剛部材84が提供する圧縮／曲がり抵抗は、おむつ20
のバンチング（bunching）を、好ましくは長手方向で、
包含アッセンブリ22の長手方向縁部56に沿って、第１胴
部領域50で低下させる。基端補剛部材84は、更に、第１
胴部領域50に配置された包含アッセンブリ22の端縁部58
及び胴部装置34が、着用者の動的な動きの結果、丸まろ
うとする傾向を小さくする。かくして、基端補剛部材84
は、おむつ20の胴部領域に隙間ができる可能性を小さく
し、着用者の胴部及び大腿の周りの動的装着性を改善す
ることによって、多方向伸長性サイドパネル30の有効性
を高める。

基端補剛部材84は、トップシート24とバックシート26
との間に位置決めされているのがよいが、基端補剛部材
84は、変形例では、バックシート26の外面46上、トップ
シート24の内面44上、又は多くの他の形体で位置決めで
きる。更に、基端補剛部材84は、多くの種々の大きさ、
形状、及び形体をとることができ、多くの種々の材料で
つくることができる。例えば、基端補剛部材84は、一つ
又は複数の補剛構成要素から形成でき、基端補剛部材84
は種々の幅、長さ、厚さ、及び形状を有する。基端補剛
部材84は、好ましくは、トップシート24及びバックシー
ト26を含む、おむつの一つ又はそれ以上の要素を構成す
る材料の一部、又は伸長性サイドパネル30で使用された
材料からなる。変形例では、基端補剛部材84は、伸長性
サイドパネル30の基端縁部80と隣接して位置決めされた
別の材料部品からなるのがよい。本発明の基端補剛部材
84として使用するための適当な材料には、織布ウェブ、
不織布ウェブ、フィルム、賦形フィルム、フォーム、フ
ィルム積層体又は二つ又はそれ以上の不織布層からなる
不織布積層体を含む積層材料、スクリーン、少なくとも
一つの方向に剛性を提供する波形材料、及びこれらの材
料又は当該技術分野で周知の他の材料の任意の組み合わ
せが含まれる。基端補剛部材84は、当該技術分野で周知
の任意の手段で包含アッセンブリ22に接合できる。

別の好ましい実施例では、おむつは、伸長性サイドパ
ネル30の先端縁部82と隣接して配置された先端補剛部材
86を追加に有する。好ましくは、先端補剛部材86は、胴
パネル36及び大腿パネル38の両方に接合されている。こ
の形体では、先端補剛部材86は、伸長性サイドパネル30
の先端縁部82に加えられた任意の張力又は力を胴パネル
36及び大腿パネル38の両方に亘って分配する。更に、先
端補剛部材86は、圧縮／曲がり抵抗を、好ましくは、伸
長性サイドパネル30の先端縁部82の長手方向に沿って提
供し、これは、着用者が動いたときに伸長性サイドパネ
ル30が曲がったり折れたりする可能性を低くする。かく
して、好ましい実施例では、伸長性サイドパネル30の先
端縁部82と隣接して配置された先端補剛部材86により、
おむつは、着用者に確実に適正に装着し、胴パネル36及
び大腿パネル38は、着用者の動的な動きに従って伸び縮
みするように適正に位置決めされる。基端補剛部材84と
同様に、先端補剛部材86は多くの種々の大きさ、形状、
及び形体をとることができ、多くの種々の材料でつくる
ことができる。先端補剛部材86は、一つ又は複数の補剛
構成要素から形成でき、先端補剛部材86は、幅、長さ、
厚さ、及び形状を変えることができる。好ましい実施例
では、先端補剛部材86は、おむつ20の伸長性サイドパネ
ル30又は他の要素を構成する材料の一部からなる。変形
例では、先端補剛部材86は、伸長性サイドパネル30の先
端縁部82と隣接して位置決めされた別の材料部品からな
るのがよい。先端補剛部材86で使用するのに適当な材料
及び先端補剛部材86をおむつ20に接合するための方法
は、本明細書中、基端補剛部材84に関して上文中に説明
してある。

おむつ20の取り付けは、好ましくは、一方の胴部領
域、好ましくは第１胴部領域52を着用者の背中の下の置
き、他方の胴部領域、好ましくは第２胴部領域50が着用
者の前部に亘って位置決めされるようにおむつ20の残り
を着用者の脚部の間で引っ張ることによって行われる。
次いで、おむつを装着する人は、伸長性サイドパネル30
の各々に配置された第１ファスニング部材40の一方を摘
みながら、一方の伸長性サイドパネル30を着用者に巻き
付ける。胴パネル36及び大腿パネル38の少なくとも一部
が互いに接合された実施例では、伸長性サイドパネル30
を着用者に巻き付けることによって発生した張力が胴パ
ネル36及び大腿パネル38の両方を賦活（二重賦活（dual
activation））し、これらのパネルを着用者の動きと
関連して伸び縮みできるようにする。（胴パネル及び大
腿パネルが互いに接合されていない実施例では、二重賦
活は、おむつを装着する人が個々の胴パネル部材及び大
腿パネル部材に張力を別々に加えるときに起こる。）次
いで、おむつを装着する人は、他方のサイドパネル30に
ついてこの工程を繰り返す。胴部閉鎖体は、第１ファス
ニング部材40を第２胴部領域52に配置された第２ファス
ニング部材42と係合させることによって形成される。胴
部閉鎖体を形成することによって、おむつ20を着用者の
周りに最初に快適に装着する。おむつ20が非対称に装着
されている場合には、おむつ20は着用中に自動的に調節
し、装着性が改善された状態に達する。着用者にひとた
び装着した後、多方向伸長性サイドパネル30は着用者の
動きと関連して伸び縮みし、おむつ20に滲出物が排出さ
れた時点をはるかに越える着用時間に亘って動的装着性
を改善する。このように動的装着性が改善されるため、
おむつ20が胴部領域及び大腿領域で垂れ下がったり隙間
ができたりすることが少なくなり、着用者の快適性を高
める。

第11図は、単一構成要素伸長性サイドパネルを有する
本発明の一つの変形例を示す。この実施例の伸長性サイ
ドパネルには参照番号10が附してある。伸長性サイドパ
ネル30は、伸長性材料からなる単一の部品からなり、伸
長性サイドパネル30の第１部分が胴パネル36を形成し、
第２部分が大腿パネル38を形成する。伸長性材料は、単
層材料又は互いに積層した二つ又はそれ以上の材料層で
できた積層体からなるのがよい。単一部品伸長性サイド
パネル30の多方向延伸特性は、好ましくは、プリーツ付
け、波形付け、又はリングロールといった機械的作業を
材料に行って、伸長挙動が異なる領域をつくりだすこと
によって達成される。伸長性サイドパネル30で使用され
る材料に多方向延伸特性を提供するのに適した一つの好
ましい機械的作業は、構造的弾性体様フィルムウェブに
関して上文中に説明してある。変形例では、伸長性サイ
ドパネルを形成する伸長性材料のスリット付け、切断、
係合、又は折畳みといった上述の機械的作業以外の手段
で弾性挙動が異なる領域を設けた伸長性材料から伸長性
サイドパネル30をつくることができる。このような実施
例では、材料のスリット、折り目、係合部、又は切断部
は、任意の特定の大きさ又は形状に限定されない。例え
ば、伸長性サイドパネル30を構成する材料を完全に又は
部分的に切断してもよいし、伸長性サイドパネル30に異
なる伸長性をつくりだすため、切除した又は係合した部
分を備えていてもよい。（本明細書中で使用されている
ように、「完全に切断した」という用語は、伸長性サイ
ドパネル30の基端縁部80から先端縁部82までの距離全体
に亘って延びる切断部分即ちスリットを有する単一構成
要素伸長性サイドパネル30に関する。「部分的に切断し
た」という用語は、切断部分即ちスリットが伸長性サイ
ドパネル30の基端縁部80から先端縁部82まで延びていな
い単一構成要素伸長性サイドパネル30に関する。） 好ましい実施例では、胴パネル36は、好ましくは、着
用者の胴部の周りに主伸長方向Ｇを有する。大腿パネル
38は、好ましくは、着用者の大腿の周りに、横方向及び
長さに対して所定の角度の主伸長方向Ｈを有する。第11
図は、胴パネルと大腿パネルとの間に明瞭な境界線を有
する単一部品伸長性サイドパネル30の一実施例を示す。
境界線は、各パネルの弾性特性が始まり、終わるところ
を構成する。（境界線は、第11図では、線Ｃで示してあ
る。）胴パネル36と大腿パネル38との間の境界は、伸長
性サイドパネルの任意の場所に位置決めできる。しかし
ながら、伸長性サイドパネルは、胴パネルと大腿パネル
との間に明瞭な境界がないものと考えられる。例えば、
伸長性サイドパネルは、弾性挙動が異なる領域が部分的
に重なるように、又はこれらの領域が共通の境界で出会
わないように形成できる。

第12図は、伸長性材料の単一の部品をおむつ20の包含
アッセンブリ22に接合し、伸長性材料を多方向伸長性サ
イドパネル30の両方、胴部装置34、及びおむつ20の股領
域54の少なくとも一部に亘って延びるように折畳んだ、
本発明の別の単一構成要素実施例を示す。伸長性材料
は、全体に亘って均等であってもよいし、伸長性の異な
る領域を備えていてもよい。一実施例では、伸長性材料
は、少なくとも一つの長手方向縁部56と並置されたおむ
つ20の包含アッセンブリ22の股領域54の少なくとも一部
に沿って延びる。第２胴部領域52では、伸長性材料を折
畳んで大腿パネル基端縁部78を形成する。伸長性材料
は、大腿パネル基端縁部78から、包含アッセンブリ22の
外方に、好ましくは横方向及び長手方向に対して所定の
角度で延びる。外方に延びる伸長性材料が大腿パネル38
を形成し、包含アッセンブリ22の長手方向縁部から横方
向外方に間隔を隔てられた所定の箇所で内方に折畳まれ
る。折り目は、好ましくは、伸長性サイドパネル30の先
端縁部82並びに胴パネル先端縁部74及び大腿パネル先端
縁部76を形成する。内方に折畳まれた伸長性材料は、伸
長性サイドパネル30の先端縁部82から包含アッセンブリ
22の第２胴部領域52の端縁部58と隣接した長手方向縁部
56上の所定の位置まで延び、胴パネル36を形成する。伸
長性材料は、胴パネル基端縁部72（胴パネル36が包含ア
ッセンブリ22に接合された場所）からおむつ22の端縁部
58と隣接した第１胴部領域50を横切って横方向に延び
る。伸長性材料の同じ部品が、包含アッセンブリ22の他
方の長手方向縁部56から横方向外方に更に延び、上文中
に説明したように折畳まれ、反対側の伸長性サイドパネ
ル30の胴パネル36及び大腿パネル38並びに包含アッセン
ブリ22の股部分54の少なくとも一部を形成する。

伸長性材料の単一の部品がおむつ22の多数の構成要素
を通って延びる他の変形例もまた考えられる。一つの好
ましい実施例では、伸長性材料の単一の部品を折畳んで
胴パネル36及び大腿パネル38だけを形成する。この形体
では、胴パネル先端縁部74及び大腿パネル先端縁部76
は、伸長性材料の折り目によって形成される。胴パネル
36及び大腿パネル38は、折り目（伸長性サイドパネル82
の先端縁部）から包含アッセンブリ22まで延びる。おむ
つの多数の構成要素に単一の伸長性材料部品を組み込む
ことには、別に形成し、包含アッセンブリに取り付けな
ければならない個々の弾性構成要素の数が減るという利
点がある。

本発明の特定の実施例を例示し且つ説明したが、本発
明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の他の変形
及び変更を行うことができるということは当業者には明
らかであろう。従って、添付の請求の範囲は、本発明の
範疇のこのような変形及び変更の全てをカバーしようと
するものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ドライアー，キンバリー アン アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナ チ、アクスミンスター、ドライブ、9228 (72)発明者 バーグマン，カール ルイス アメリカ合衆国オハイオ州、ラブラン ド、クウェイルラン、コート、6674 (72)発明者 デイキン，コンスタンス リー アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナ チ、スプリングフィールド、パイク、 11755 (56)参考文献 実開 昭54−157732（ＪＰ，Ｕ) 実開 平５−65321（ＪＰ，Ｕ) 英国特許出願公開2080093（ＧＢ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61F 13/15,5/44

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】第１胴部領域及び第２胴部領域を有する吸
   収体物品であって、 ａ）一対の長手方向縁部を持ち、吸収体コアを備えた包
   含アッセンブリと、 ｂ）前記第１胴部領域で前記包含アッセンブリの前記長
   手方向縁部の各々に沿って配置され、ここから横方向外
   方に突出し、前記包含アッセンブリの前記長手方向縁部
   と隣接して配置された基端縁部及び該基端縁部から横方
   向外方に間隔を隔てられた先端縁部を各々有する伸長性
   サイドパネルと、を備えた吸収体物品において、 前記伸長性サイドパネルは多構成要素のサイドパネルで
   あって、前記サイドパネルの各々は、 ａ）第１主伸長方向、前記包含アッセンブリの前記長手
   方向縁部と隣接した胴パネル基端縁部、及び該基端縁部
   の横方向反対側の胴パネル先端縁部を有する胴パネル部
   材を備えた胴パネルと、 ｂ）前記第１主伸長方向に対して平行でない第２主伸長
   方向、前記包含アッセンブリの前記長手方向縁部と隣接
   した大腿パネル基端縁部、及び該基端縁部の横方向反対
   側の大腿パネル先端縁部を有する大腿パネル部材を備え
   た大腿パネルと、を有し、 前記胴パネルは前記大腿パネルの長手方向外方にあり、 前記胴パネルは前記大腿パネルとは別の要素として形成
   されており、 前記胴パネル先端縁部の少なくとも一部が前記大腿パネ
   ル先端縁部の少なくとも一部に接合されており、 さらに、前記胴パネル及び前記大腿パネルの両方に接合
   されるように、前記伸長性サイドパネルの前記先端縁部
   と隣接して配置されたファスニング部材を有する、吸収
   体物品。
2. 【請求項２】前記伸長性サイドパネルは、前記胴パネル
   と前記大腿パネルとの中間に折り目を有し、好ましく
   は、前記折り目は前記伸長性サイドパネルの前記先端縁
   部の少なくとも一部を形成する、請求項１記載の吸収体
   物品。
3. 【請求項３】前記伸長性サイドパネルの各々が構造的弾
   性体様フィルムウェブからなる、請求項１又は２に記載
   の吸収体物品。
4. 【請求項４】前記胴パネル部材及び前記大腿パネル部材
   が別々の材料でできている、請求項１乃至３のうちのい
   ずれか一項に記載の吸収体物品。