JP3398274B2 - セラミックヒータ - Google Patents
セラミックヒータInfo
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- JP3398274B2 JP3398274B2 JP34012395A JP34012395A JP3398274B2 JP 3398274 B2 JP3398274 B2 JP 3398274B2 JP 34012395 A JP34012395 A JP 34012395A JP 34012395 A JP34012395 A JP 34012395A JP 3398274 B2 JP3398274 B2 JP 3398274B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般家庭用、電子
部品用、産業機械用および自動車用等の広範囲に利用し
うるセラミックヒータ関するものである。
部品用、産業機械用および自動車用等の広範囲に利用し
うるセラミックヒータ関するものである。
【0002】
【従来技術】窒化珪素質焼結体は、耐熱性、耐熱衝撃性
等に優れることから、急速昇温可能で耐久性が要求され
るセラミックヒータの絶縁性支持体として有望視されて
きた。この様なセラミックヒータは、例えば、窒化珪素
粉末に、焼結助剤として希土類元素酸化物等の周期律表
第3a族元素酸化物と、WやMoを添加したものを成形
した未焼成の絶縁性支持体用成形体基板に、W等の微粉
末を含有した発熱抵抗体用ペーストを所定のパターンに
印刷した後にホットプレス等の方法で絶縁性セラミック
スと発熱抵抗体とを同時に焼成して作製されている。
等に優れることから、急速昇温可能で耐久性が要求され
るセラミックヒータの絶縁性支持体として有望視されて
きた。この様なセラミックヒータは、例えば、窒化珪素
粉末に、焼結助剤として希土類元素酸化物等の周期律表
第3a族元素酸化物と、WやMoを添加したものを成形
した未焼成の絶縁性支持体用成形体基板に、W等の微粉
末を含有した発熱抵抗体用ペーストを所定のパターンに
印刷した後にホットプレス等の方法で絶縁性セラミック
スと発熱抵抗体とを同時に焼成して作製されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年に至り、セラミッ
クヒータの発熱温度は高くなりつつあり、最近では15
00℃もの高温で発熱させるものも要求され、さらには
このような高温状態からの急激な冷却または、低温状態
から急激な加熱立ち上げ等の熱衝撃に対して優れた耐久
性も要求されている。
クヒータの発熱温度は高くなりつつあり、最近では15
00℃もの高温で発熱させるものも要求され、さらには
このような高温状態からの急激な冷却または、低温状態
から急激な加熱立ち上げ等の熱衝撃に対して優れた耐久
性も要求されている。
【0004】しかしながら、従来の窒化珪素質焼結体か
らなる絶縁性セラミックスでは、高温強度が低く、特に
ヒータは、大気等の酸素を含む雰囲気で使用されるため
に、窒化珪素質焼結体が酸化されてしまい、クラックが
生じ、これにより発熱抵抗体が酸化されてしまい、ヒー
タの耐久性が急激に低下するという問題があった。しか
も、熱衝撃性についても、1000℃程度での急激な温
度変化に対しては耐久性を有していても1400℃以上
の高温域からの温度変化に対しては十分な耐久性を有す
るものではなかった。
らなる絶縁性セラミックスでは、高温強度が低く、特に
ヒータは、大気等の酸素を含む雰囲気で使用されるため
に、窒化珪素質焼結体が酸化されてしまい、クラックが
生じ、これにより発熱抵抗体が酸化されてしまい、ヒー
タの耐久性が急激に低下するという問題があった。しか
も、熱衝撃性についても、1000℃程度での急激な温
度変化に対しては耐久性を有していても1400℃以上
の高温域からの温度変化に対しては十分な耐久性を有す
るものではなかった。
【0005】従って、本発明の目的は、室温から高温ま
で優れた強度と耐酸化性を有すると同時に、1500℃
もの高温加熱下でも優れた耐久性と高温域での急激な熱
衝撃に対して優れた耐久性を具備したセラミックヒータ
を提供することを目的とするものである。
で優れた強度と耐酸化性を有すると同時に、1500℃
もの高温加熱下でも優れた耐久性と高温域での急激な熱
衝撃に対して優れた耐久性を具備したセラミックヒータ
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒータの
絶縁性セラミックスとして要求される特性を満足するよ
うな窒化珪素質焼結体においては、焼結体の主結晶相お
よび窒化珪素相の粒界相を制御することが重要であると
いう見地に基づき検討を重ねた結果、窒化珪素結晶相を
主相とし、その粒界に周期律表第3a族元素酸化物と酸
化珪素からなる複合酸化物結晶相を析出させることによ
り、上記目的が達成されることを見出した。
絶縁性セラミックスとして要求される特性を満足するよ
うな窒化珪素質焼結体においては、焼結体の主結晶相お
よび窒化珪素相の粒界相を制御することが重要であると
いう見地に基づき検討を重ねた結果、窒化珪素結晶相を
主相とし、その粒界に周期律表第3a族元素酸化物と酸
化珪素からなる複合酸化物結晶相を析出させることによ
り、上記目的が達成されることを見出した。
【0007】即ち、本発明のセラミックヒータは、絶縁
性セラミックスと、発熱抵抗体を具備するものであり、
前記絶縁性セラミックスが、窒化珪素を80〜92モル
%と、周期律表第3a族元素(RE)を酸化物換算で2
〜5mol%と、不純物的酸素を酸化珪素(SiO2 )
換算で6〜15mol%の組成からなるとともに、前記
不純物的酸素の酸化珪素(SiO2 )換算量と周期律表
第3a族元素の酸化物(RE2 O3 )換算量とのSiO
2 /RE2 O3 で表されるモル比が2〜5の範囲の組成
からなる主成分100重量部に対して、W、Ta、Mo
の炭化物、窒化物、ケイ化物、酸化物のうち少なくとも
1種以上を0.2〜5重量部の割合で含有する窒化珪素
焼結体であって、窒化珪素結晶相を主相とし、該主相の
粒界が主としてダイシリケート(RE2 Si2 O7 )結
晶相を含むことを特徴とするものであり、特に、絶縁性
セラミックスとしての特性が1400℃における抗折強
度が300MPa以上、1400℃に100時間保持後
の酸化重量増加が0.2mg/cm2 以下であることを
特徴とし、さらには、発熱抵抗体を、WC、TaN、M
o2 Cのうちの少なくとも1種により構成することを特
徴とする。
性セラミックスと、発熱抵抗体を具備するものであり、
前記絶縁性セラミックスが、窒化珪素を80〜92モル
%と、周期律表第3a族元素(RE)を酸化物換算で2
〜5mol%と、不純物的酸素を酸化珪素(SiO2 )
換算で6〜15mol%の組成からなるとともに、前記
不純物的酸素の酸化珪素(SiO2 )換算量と周期律表
第3a族元素の酸化物(RE2 O3 )換算量とのSiO
2 /RE2 O3 で表されるモル比が2〜5の範囲の組成
からなる主成分100重量部に対して、W、Ta、Mo
の炭化物、窒化物、ケイ化物、酸化物のうち少なくとも
1種以上を0.2〜5重量部の割合で含有する窒化珪素
焼結体であって、窒化珪素結晶相を主相とし、該主相の
粒界が主としてダイシリケート(RE2 Si2 O7 )結
晶相を含むことを特徴とするものであり、特に、絶縁性
セラミックスとしての特性が1400℃における抗折強
度が300MPa以上、1400℃に100時間保持後
の酸化重量増加が0.2mg/cm2 以下であることを
特徴とし、さらには、発熱抵抗体を、WC、TaN、M
o2 Cのうちの少なくとも1種により構成することを特
徴とする。
【0008】
【作用】本発明のセラミックヒータは、発熱抵抗体を支
持する絶縁性支持体を窒化珪素結晶相を主結晶相とし、
その粒界相に周期律表第3a族元素酸化物と酸化珪素と
の複合酸化物であるダイシリケート結晶相を析出させる
ことにより、焼結体自体の1500℃の高温での強度を
高めると同時に耐酸化性を高めることができるために、
酸化性雰囲気中で高温状態で長時間保持された後におい
ても、絶縁性支持体にクラックの発生や絶縁性支持体で
の組成変動のない優れたヒータを提供できる。
持する絶縁性支持体を窒化珪素結晶相を主結晶相とし、
その粒界相に周期律表第3a族元素酸化物と酸化珪素と
の複合酸化物であるダイシリケート結晶相を析出させる
ことにより、焼結体自体の1500℃の高温での強度を
高めると同時に耐酸化性を高めることができるために、
酸化性雰囲気中で高温状態で長時間保持された後におい
ても、絶縁性支持体にクラックの発生や絶縁性支持体で
の組成変動のない優れたヒータを提供できる。
【0009】しかも本発明のセラミックヒータは、ヒー
タとしての高温状態からの急激な温度変化に対しても優
れた耐久性を具備することから、急激な温度変化に対し
て絶縁性セラミックスにクラック等が生じることなく、
信頼性の高いヒータを提供できる。
タとしての高温状態からの急激な温度変化に対しても優
れた耐久性を具備することから、急激な温度変化に対し
て絶縁性セラミックスにクラック等が生じることなく、
信頼性の高いヒータを提供できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のセラミックヒータの典型
的な構造を図1に示した。図1によれば、セラミックヒ
ータ1は、絶縁性セラミックス2の内部に発熱抵抗体3
が埋設されており、発熱抵抗体3は、外部電源(図示せ
ず)と接続するためのリード線取り出し部34と接続さ
れている。リード線取り出し部4は。取付金属5と電気
的に接続され、取付金具5にはリード線6が取付られて
いる。そして、外部電源よりリード線6、取付金具5お
よびリード線取り出し部4を通じて電圧が印加されるこ
とにより発熱抵抗体3が発熱する。
的な構造を図1に示した。図1によれば、セラミックヒ
ータ1は、絶縁性セラミックス2の内部に発熱抵抗体3
が埋設されており、発熱抵抗体3は、外部電源(図示せ
ず)と接続するためのリード線取り出し部34と接続さ
れている。リード線取り出し部4は。取付金属5と電気
的に接続され、取付金具5にはリード線6が取付られて
いる。そして、外部電源よりリード線6、取付金具5お
よびリード線取り出し部4を通じて電圧が印加されるこ
とにより発熱抵抗体3が発熱する。
【0011】本発明によれば、絶縁性セラミックスを窒
化珪素質焼結体により構成する。この窒化珪素質焼結体
は、β−窒化珪素結晶相を主相とするものであり、その
粒界に、周期律表第3a族元素酸化物と酸化珪素との複
合酸化物であるダイシリケート(RE2 Si2 O7 )結
晶相を主として含むものである。
化珪素質焼結体により構成する。この窒化珪素質焼結体
は、β−窒化珪素結晶相を主相とするものであり、その
粒界に、周期律表第3a族元素酸化物と酸化珪素との複
合酸化物であるダイシリケート(RE2 Si2 O7 )結
晶相を主として含むものである。
【0012】このような結晶組織からなる焼結体は、全
体組成が、窒化珪素を80〜92モル%と、周期律表第
3a族元素(RE)を酸化物換算で2〜5mol%と、
不純物的酸素を酸化珪素(SiO2 )換算で6〜15m
ol%の割合で含有するとともに、前記不純物的酸素の
酸化珪素(SiO2 )換算量と周期律表第3a族元素の
酸化物(RE2 O3 )換算量とのSiO2 /RE2 O3
で表されるモル比が2〜5の範囲の組成成分を主成分と
するものである。
体組成が、窒化珪素を80〜92モル%と、周期律表第
3a族元素(RE)を酸化物換算で2〜5mol%と、
不純物的酸素を酸化珪素(SiO2 )換算で6〜15m
ol%の割合で含有するとともに、前記不純物的酸素の
酸化珪素(SiO2 )換算量と周期律表第3a族元素の
酸化物(RE2 O3 )換算量とのSiO2 /RE2 O3
で表されるモル比が2〜5の範囲の組成成分を主成分と
するものである。
【0013】ここで、不純物的酸素とは、焼結体全体中
の全酸素量から、周期律表第3a族元素に酸化物として
混入する酸素分を除いた残りの酸素量であり、具体的に
は、窒化珪素原料中の不純物酸素または添加物としての
酸化珪素に結合する酸素分である。
の全酸素量から、周期律表第3a族元素に酸化物として
混入する酸素分を除いた残りの酸素量であり、具体的に
は、窒化珪素原料中の不純物酸素または添加物としての
酸化珪素に結合する酸素分である。
【0014】かかる主成分組成を上記の範囲に限定した
のは、窒化珪素が80モル%より少ないか、周期律表第
3a族元素の酸化物換算量が5モル%より多いと、粒界
相の偏析、欠落が生じやすくなり、窒化珪素が92モル
%より多いか、あるいは周期律表第3a族元素の酸化物
換算量が2モル%より少ないと、緻密化が困難となるた
めである。
のは、窒化珪素が80モル%より少ないか、周期律表第
3a族元素の酸化物換算量が5モル%より多いと、粒界
相の偏析、欠落が生じやすくなり、窒化珪素が92モル
%より多いか、あるいは周期律表第3a族元素の酸化物
換算量が2モル%より少ないと、緻密化が困難となるた
めである。
【0015】さらに不純物的酸素の酸化珪素換算量が6
モル%より少ないと、緻密化が不十分となるとともにダ
イシリケート析出量が少なくなり、15モル%より多い
と粒界相の偏析が生じやすくなる。
モル%より少ないと、緻密化が不十分となるとともにダ
イシリケート析出量が少なくなり、15モル%より多い
と粒界相の偏析が生じやすくなる。
【0016】なお、上記SiO2 /RE2 O3 モル比が
2より小さいと、粒界へ析出する結晶相として、YAM
相やメリライト相等が析出してしまい、耐酸化性が劣化
するためであり、5より大きいと粒界の偏析が生じやす
くなるためである。
2より小さいと、粒界へ析出する結晶相として、YAM
相やメリライト相等が析出してしまい、耐酸化性が劣化
するためであり、5より大きいと粒界の偏析が生じやす
くなるためである。
【0017】望ましくは、窒化珪素を84〜90モル%
と、周期律表第3a族元素(RE)を酸化物換算で2.
5〜4mol%と、不純物的酸素を酸化珪素(Si
O2 )換算で8〜12mol%の割合で含有するととも
に、前記不純物的酸素の酸化珪素(SiO2 )換算量と
周期律表第3a族元素の酸化物(RE2 O3 )換算量と
のSiO2 /RE2 O3 で表されるモル比が2〜4の範
囲の組成が望ましい。
と、周期律表第3a族元素(RE)を酸化物換算で2.
5〜4mol%と、不純物的酸素を酸化珪素(Si
O2 )換算で8〜12mol%の割合で含有するととも
に、前記不純物的酸素の酸化珪素(SiO2 )換算量と
周期律表第3a族元素の酸化物(RE2 O3 )換算量と
のSiO2 /RE2 O3 で表されるモル比が2〜4の範
囲の組成が望ましい。
【0018】また、本発明によれば、上記主成分100
重量部に対して、W、Ta、Moの炭化物、窒化物、ケ
イ化物、酸化物のうち少なくとも1種以上を0.2〜5
重量部の割合で含有することが重要である。これらの添
加成分は、印加電圧により窒化珪素質焼結体中の元素が
イオン化して移動するために組成が変動するのを抑制し
て、ヒータとしての耐久性を高めるためのものであり、
これらの添加量が0.2重量部より少ないと上記の効果
が充分でなく組成の変動が大きくなり、5重量部を越え
ると絶縁性支持体の抵抗が小さくなる等の抵抗の変化が
大きくなるためである。望ましくは、1〜3重量部であ
る。なお、これらの中でもW、Moの炭化物、窒化物、
ケイ化物、酸化物が色調等の点で最も良い。
重量部に対して、W、Ta、Moの炭化物、窒化物、ケ
イ化物、酸化物のうち少なくとも1種以上を0.2〜5
重量部の割合で含有することが重要である。これらの添
加成分は、印加電圧により窒化珪素質焼結体中の元素が
イオン化して移動するために組成が変動するのを抑制し
て、ヒータとしての耐久性を高めるためのものであり、
これらの添加量が0.2重量部より少ないと上記の効果
が充分でなく組成の変動が大きくなり、5重量部を越え
ると絶縁性支持体の抵抗が小さくなる等の抵抗の変化が
大きくなるためである。望ましくは、1〜3重量部であ
る。なお、これらの中でもW、Moの炭化物、窒化物、
ケイ化物、酸化物が色調等の点で最も良い。
【0019】なお、本発明に用いられる周期律表第3a
族元素としては、Y、Er、Yb、Lu、Sm等が挙げ
られる。これらの元素は、室温特性は有意差はないが、
高温特性が生成する粒界相の融点に依存し、生成するダ
イシリケートの融点が高い点において、Lu、Yb、E
rが最も好ましい。
族元素としては、Y、Er、Yb、Lu、Sm等が挙げ
られる。これらの元素は、室温特性は有意差はないが、
高温特性が生成する粒界相の融点に依存し、生成するダ
イシリケートの融点が高い点において、Lu、Yb、E
rが最も好ましい。
【0020】なお、本発明のセラミックヒータにおい
て、上記の絶縁性セラミックスの表面あるいは内部に配
設される発熱抵抗体としては、WC、TaN、Mo2 C
のうちのいずれか1種からなることが望ましいが、これ
らの中でもWC、Mo2 Cが耐久性、抵抗の安定性の点
で最も望ましい。
て、上記の絶縁性セラミックスの表面あるいは内部に配
設される発熱抵抗体としては、WC、TaN、Mo2 C
のうちのいずれか1種からなることが望ましいが、これ
らの中でもWC、Mo2 Cが耐久性、抵抗の安定性の点
で最も望ましい。
【0021】次に、絶縁性セラミックスとして上記のよ
うな窒化珪素質焼結体を用いたセラミックヒータを作製
する方法について説明する。まず絶縁性セラミックスを
作製するには、主原料として、α−Si3 N4 あるいは
β−Si3 N4 の平均粒径が0.1〜1.2μmの窒化
珪素粉末と、周期律表第3a族元素酸化物粉末、酸化珪
素粉末、およびW、Ta、Moの炭化物、窒化物、ケイ
化物、酸化物のうち少なくとも1種の粉末を用いて混合
後、成形体を作製するにあたり、成形体組成において、
窒化珪素が80〜92モル%と、周期律表第3a族元素
(RE)が酸化物換算で2〜5mol%、不純物的酸素
が酸化珪素(SiO2 )換算で6〜15mol%の組成
からなり、不純物的酸素の酸化珪素(SiO2 )換算量
と周期律表第3a族元素の酸化物(RE2 O3 )換算量
とのSiO2 /RE2 O3 で表されるモル比が2〜5の
範囲となるように組成制御すると同時、この主成分10
0重量部に対してW、Ta、Moの炭化物、窒化物、ケ
イ化物、酸化物のうち少なくとも1種が0.2〜5重量
部となる組成に混合する。
うな窒化珪素質焼結体を用いたセラミックヒータを作製
する方法について説明する。まず絶縁性セラミックスを
作製するには、主原料として、α−Si3 N4 あるいは
β−Si3 N4 の平均粒径が0.1〜1.2μmの窒化
珪素粉末と、周期律表第3a族元素酸化物粉末、酸化珪
素粉末、およびW、Ta、Moの炭化物、窒化物、ケイ
化物、酸化物のうち少なくとも1種の粉末を用いて混合
後、成形体を作製するにあたり、成形体組成において、
窒化珪素が80〜92モル%と、周期律表第3a族元素
(RE)が酸化物換算で2〜5mol%、不純物的酸素
が酸化珪素(SiO2 )換算で6〜15mol%の組成
からなり、不純物的酸素の酸化珪素(SiO2 )換算量
と周期律表第3a族元素の酸化物(RE2 O3 )換算量
とのSiO2 /RE2 O3 で表されるモル比が2〜5の
範囲となるように組成制御すると同時、この主成分10
0重量部に対してW、Ta、Moの炭化物、窒化物、ケ
イ化物、酸化物のうち少なくとも1種が0.2〜5重量
部となる組成に混合する。
【0022】成形は、所望の成形手段、例えば、プレス
成形、鋳込成形、押し出し成形、ドクターブレード法、
圧延法等により任意のヒータ用支持体形状に成形するこ
とができる。
成形、鋳込成形、押し出し成形、ドクターブレード法、
圧延法等により任意のヒータ用支持体形状に成形するこ
とができる。
【0023】次に、得られた成形体に発熱抵抗体を形成
するWC等の微粉末を含有したペーストを絶縁性セラミ
ック成形体の表面に所定のパターンに印刷し、それを積
層または巻き付けて所定のヒータ形状に成形した後に発
熱抵抗体と絶縁性セラミックスとの同時に焼成する。
するWC等の微粉末を含有したペーストを絶縁性セラミ
ック成形体の表面に所定のパターンに印刷し、それを積
層または巻き付けて所定のヒータ形状に成形した後に発
熱抵抗体と絶縁性セラミックスとの同時に焼成する。
【0024】焼成は、例えば、ホットプレス方法、常圧
焼成、窒素ガス圧力焼成、さらには、これらの焼成後の
HIP焼成等で焼成してセラミックヒータを得ることが
できる。発熱抵抗体の安定性を考慮すれば、特にホット
プレス、窒素ガス圧力焼成法が望ましく、さらには焼結
体の結晶相の制御等の点では、窒素ガス圧力焼成法が最
も望ましい。この時の焼成温度は、高温すぎると助剤の
偏析、もしくは発熱抵抗体における抵抗の上昇を招くた
め、1900℃以下、特に、1700〜1900℃の窒
素ガス含有非酸化性雰囲気であることが望ましい。
焼成、窒素ガス圧力焼成、さらには、これらの焼成後の
HIP焼成等で焼成してセラミックヒータを得ることが
できる。発熱抵抗体の安定性を考慮すれば、特にホット
プレス、窒素ガス圧力焼成法が望ましく、さらには焼結
体の結晶相の制御等の点では、窒素ガス圧力焼成法が最
も望ましい。この時の焼成温度は、高温すぎると助剤の
偏析、もしくは発熱抵抗体における抵抗の上昇を招くた
め、1900℃以下、特に、1700〜1900℃の窒
素ガス含有非酸化性雰囲気であることが望ましい。
【0025】また、他の方法として、発熱抵抗体を上記
のようなペースト塗布−焼成により形成する以外に、W
等の金属線を用いて、絶縁性セラミックス成形体中に埋
設した後、上記の焼成を行ってセラミックヒータを得る
こともできる。
のようなペースト塗布−焼成により形成する以外に、W
等の金属線を用いて、絶縁性セラミックス成形体中に埋
設した後、上記の焼成を行ってセラミックヒータを得る
こともできる。
【0026】
実施例1
窒化珪素粉末(BET比表面積9m2 /g、α率99%、
酸素量1.0重量%)と各種の周期律表第3a族元素酸
化物粉末と酸化珪素粉末、および表1の各種添加物粉末
を用いて、成形体組成が表1に示す組成になるように調
合後、プレス成形した後、表1の条件下で焼成して特性
評価用の絶縁性セラミックスを作製した。
酸素量1.0重量%)と各種の周期律表第3a族元素酸
化物粉末と酸化珪素粉末、および表1の各種添加物粉末
を用いて、成形体組成が表1に示す組成になるように調
合後、プレス成形した後、表1の条件下で焼成して特性
評価用の絶縁性セラミックスを作製した。
【0027】一方、上記と同様な組成で調合した混合物
を押出成形により厚み300μmのシート状成形体を作
製した。そして、このシート状成形体にWCを含むペー
ストを印刷した後、前記シート状成形体と同一組成から
なる混合物を押出成形して作製されたロッド状成形体に
巻き付けヒーター前駆体とした。この前駆体を窒化珪素
質の匣鉢に入れて、表1の条件で焼成してセラミックヒ
ータを作製した。
を押出成形により厚み300μmのシート状成形体を作
製した。そして、このシート状成形体にWCを含むペー
ストを印刷した後、前記シート状成形体と同一組成から
なる混合物を押出成形して作製されたロッド状成形体に
巻き付けヒーター前駆体とした。この前駆体を窒化珪素
質の匣鉢に入れて、表1の条件で焼成してセラミックヒ
ータを作製した。
【0028】得られた特性評価用の焼結体を用いて、J
IS−R1601にて指定されている形状まで研磨し試
料を作製しこの試料についてJIS−R1601に基づ
く室温および1400℃での4点曲げ抗折強度試験を行
った。さらに、1400℃、100時間の大気中に保持
した後の重量増加分を測定し酸化特性について評価し、
表1に示した。
IS−R1601にて指定されている形状まで研磨し試
料を作製しこの試料についてJIS−R1601に基づ
く室温および1400℃での4点曲げ抗折強度試験を行
った。さらに、1400℃、100時間の大気中に保持
した後の重量増加分を測定し酸化特性について評価し、
表1に示した。
【0029】また、得られたセラミックヒータを140
0℃に保持した状態から溶融したハンダ(250℃)に
投下浸漬して熱衝撃試験を実施した。試験の結果、試料
にクラックが生じたものに×、クラックの発生がないも
のに○を付した。また、セラミックヒータを1500℃
に加熱した状態で100時間経過後の抵抗変化を測定し
た。その結果は耐久性として表1に示した。なお、表
中、○は抵抗変化が5%以下、△は5〜15%、×は1
5%以上のものである。
0℃に保持した状態から溶融したハンダ(250℃)に
投下浸漬して熱衝撃試験を実施した。試験の結果、試料
にクラックが生じたものに×、クラックの発生がないも
のに○を付した。また、セラミックヒータを1500℃
に加熱した状態で100時間経過後の抵抗変化を測定し
た。その結果は耐久性として表1に示した。なお、表
中、○は抵抗変化が5%以下、△は5〜15%、×は1
5%以上のものである。
【0030】
【表1】
【0031】表1の結果から明らかなように、窒化珪素
結晶相以外の結晶相として、YAMやメリライトが析出
した試料No.13、15では、いずれも耐酸化性が悪
く、耐久性も悪いものであった。また、ダイシリケート
が析出しても主成分組成が本発明の範囲を逸脱する試料
No.17は、粒界相の偏析による欠陥の発生により強度
が低いものであった。また、添加物の量が0.2重量部
より少ない試料No.18では発熱抵抗体付近での組成変
化が著しく、5重量部より試料No.16では、著しい抵
抗変化を示した。
結晶相以外の結晶相として、YAMやメリライトが析出
した試料No.13、15では、いずれも耐酸化性が悪
く、耐久性も悪いものであった。また、ダイシリケート
が析出しても主成分組成が本発明の範囲を逸脱する試料
No.17は、粒界相の偏析による欠陥の発生により強度
が低いものであった。また、添加物の量が0.2重量部
より少ない試料No.18では発熱抵抗体付近での組成変
化が著しく、5重量部より試料No.16では、著しい抵
抗変化を示した。
【0032】これらの比較例に対して、本発明の試料
は、いずれも室温から1400℃まで高い強度を有し、
特に1400℃で300MPa以上の強度を有するとと
もに、1400℃での酸化重量増加も0.3mg/cm
2 以下の優れた耐酸化性を示した。これによりヒータと
して1400℃で長時間加熱しても何ら変化のない耐久
性に優れたものであった。また、耐熱衝撃性も1000
℃以上の優れたものであった。
は、いずれも室温から1400℃まで高い強度を有し、
特に1400℃で300MPa以上の強度を有するとと
もに、1400℃での酸化重量増加も0.3mg/cm
2 以下の優れた耐酸化性を示した。これによりヒータと
して1400℃で長時間加熱しても何ら変化のない耐久
性に優れたものであった。また、耐熱衝撃性も1000
℃以上の優れたものであった。
【0033】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のセラミック
ヒータは、絶縁性セラミックスが優れた高温強度と耐酸
化性を有することから、ヒータとして1400℃もの高
温発熱下、あるいは高温状態から急激な温度変化に対し
ても優れた耐久性を示し、その寿命を延ばすことができ
る。
ヒータは、絶縁性セラミックスが優れた高温強度と耐酸
化性を有することから、ヒータとして1400℃もの高
温発熱下、あるいは高温状態から急激な温度変化に対し
ても優れた耐久性を示し、その寿命を延ばすことができ
る。
【図1】本発明のセラミックヒータの典型的な構造を説
明するための概略図である。
明するための概略図である。
【符号の説明】
1 セラミックヒータ
2 絶縁性セラミックス
3 発熱抵抗体
4 リード線取り出し部
5 取付金具
6 リード線
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H05B 3/10 - 3/14
H05B 3/20
C04B 35/58
Claims (3)
- 【請求項1】絶縁性セラミックスと、発熱抵抗体を具備
するセラミックヒータにおいて、前記絶縁性セラミック
スが、窒化珪素を80〜92モル%と、周期律表第3a
族元素(RE)を酸化物換算で2〜5mol%と、不純
物的酸素を酸化珪素(SiO2)換算で6〜15mol
%の組成からなるとともに、前記不純物的酸素の酸化珪
素(SiO2)換算量と周期律表第3a族元素の酸化物
(RE2O3)換算量とのSiO2/RE2O3で表される
モル比が2〜5の範囲の組成からなる主成分100重量
部に対して、W、Ta、Moの炭化物、窒化物、ケイ化
物、酸化物のうち少なくとも1種以上を0.2〜5重量
部の割合で含有する窒化珪素焼結体であって、窒化珪素
結晶相を主相とし、該主相の粒界が主としてダイシリケ
ート(RE2Si2O7)結晶相を含むことを特徴とする
セラミックヒータ。 - 【請求項2】前記絶縁性セラミックスが、1400℃に
おける抗折強度が300MPa以上、1400℃に10
0時間保持後の酸化重量増加が0.2mg/cm2以下
であることを特徴とする請求項1記載のセラミックヒー
タ。 - 【請求項3】前記発熱抵抗体が、WC、TaN、Mo2
Cの群から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴
とする請求項1または請求項2記載のセラミックヒー
タ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34012395A JP3398274B2 (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | セラミックヒータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34012395A JP3398274B2 (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | セラミックヒータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09180866A JPH09180866A (ja) | 1997-07-11 |
JP3398274B2 true JP3398274B2 (ja) | 2003-04-21 |
Family
ID=18333950
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34012395A Ceased JP3398274B2 (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | セラミックヒータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3398274B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3933345B2 (ja) * | 1999-05-21 | 2007-06-20 | 日本特殊陶業株式会社 | 発熱抵抗体及びセラミックヒータ用発熱抵抗体並びにその製造方法、及びセラミックヒータ |
JP4795534B2 (ja) | 2000-12-28 | 2011-10-19 | 日本特殊陶業株式会社 | 窒化珪素質焼結体及びその製造方法 |
JP4685257B2 (ja) | 2001-03-09 | 2011-05-18 | 日本特殊陶業株式会社 | 窒化珪素質焼結体及びその製造方法 |
JP4803651B2 (ja) * | 2005-11-21 | 2011-10-26 | 日本特殊陶業株式会社 | セラミックヒータの製造方法およびグロープラグの製造方法 |
-
1995
- 1995-12-27 JP JP34012395A patent/JP3398274B2/ja not_active Ceased
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09180866A (ja) | 1997-07-11 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RVOP | Cancellation by post-grant opposition |