JP3296591B2 - 低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の内板、足廻
り部品および強度部材等の用途に用いて好適な、引張強
度が70〜100kgf/mm2級の低降伏比高強度熱延鋼板に関す
るものである。
り部品および強度部材等の用途に用いて好適な、引張強
度が70〜100kgf/mm2級の低降伏比高強度熱延鋼板に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用の内板、足廻り部品および強度
部材などに使用される鋼板は、従来から車体重量軽減の
ために高強度鋼板が広く採用されてきた。このような自
動車用高強度鋼板としては、自動車の安全性確保のため
に必要とされる強度を有することの他、プレス加工で代
表される成形加工性が良好であること、また成形加工後
の耐疲労特性等が良好であることなども要求される。さ
らに上記の特性に加えて、使用鋼板のコスト低減のため
に、従来は冷延鋼板が大部分であった内板や強度部材へ
の熱延鋼板の使用比率が高まりつつある。加えて、近年
来、自動車の排ガス総量規制が著しく強まりつつある状
況下で、より一層の高強度化を図ることが急務となって
いる。
部材などに使用される鋼板は、従来から車体重量軽減の
ために高強度鋼板が広く採用されてきた。このような自
動車用高強度鋼板としては、自動車の安全性確保のため
に必要とされる強度を有することの他、プレス加工で代
表される成形加工性が良好であること、また成形加工後
の耐疲労特性等が良好であることなども要求される。さ
らに上記の特性に加えて、使用鋼板のコスト低減のため
に、従来は冷延鋼板が大部分であった内板や強度部材へ
の熱延鋼板の使用比率が高まりつつある。加えて、近年
来、自動車の排ガス総量規制が著しく強まりつつある状
況下で、より一層の高強度化を図ることが急務となって
いる。
【0003】上記のような現状の下で、高強度熱延鋼板
の強度レベルは、従来のTS:50〜60kgf/mm2 級主体か
ら、70〜100 kgf/mm2 級へと上昇する傾向にある。しか
も、このような高強度熱延鋼板に要求される主たる特性
として、次のようなものが挙げられる。 (1) 安定した高強度特性を有すること(材質のばらつき
が少ないこと)。 (2) 降伏比が低いこと。 (3) 過酷な熱延条件を必要としないこと。 (4) スポット溶接性が良好であること。 (5) 疲労特性が良好であること。 (6) 巻き取り形状が良好であること。
の強度レベルは、従来のTS:50〜60kgf/mm2 級主体か
ら、70〜100 kgf/mm2 級へと上昇する傾向にある。しか
も、このような高強度熱延鋼板に要求される主たる特性
として、次のようなものが挙げられる。 (1) 安定した高強度特性を有すること(材質のばらつき
が少ないこと)。 (2) 降伏比が低いこと。 (3) 過酷な熱延条件を必要としないこと。 (4) スポット溶接性が良好であること。 (5) 疲労特性が良好であること。 (6) 巻き取り形状が良好であること。
【0004】ところで、従来のTS:50〜60 kgf/mm2級を
主体とする鋼板の場合、その強化方式については、例え
ば固溶強化、組織強化、析出強化および細粒化強化など
多くの選択肢があり、使用される用途に応じて、それぞ
れの材質的、経済的特長を活かした作り分けが可能であ
った。ところが、70〜100 kgf/mm2 級が対象となるとそ
の選択肢はかなり少なくなる。まず、固溶強化や細粒化
強化を主体とする手段では対応ができない。また、溶接
性および安定製造性の面で有利な析出強化型の場合に
は、80 kgf/mm2級以上のレンジになると強度的にかなり
難しく、実際には、パーライトもしくはベイナイトによ
る組織強化に析出強化を加味した製造手段を採用してい
る場合が多い。しかし、これらの析出強化型ハイテンの
難点は、いうまでもなく降伏比が高いことである(一般
に0.80以上)。とくにTS:80 kgf/mm2級以上の高強度で
はプレス成形後のスプリングバックが問題となる。
主体とする鋼板の場合、その強化方式については、例え
ば固溶強化、組織強化、析出強化および細粒化強化など
多くの選択肢があり、使用される用途に応じて、それぞ
れの材質的、経済的特長を活かした作り分けが可能であ
った。ところが、70〜100 kgf/mm2 級が対象となるとそ
の選択肢はかなり少なくなる。まず、固溶強化や細粒化
強化を主体とする手段では対応ができない。また、溶接
性および安定製造性の面で有利な析出強化型の場合に
は、80 kgf/mm2級以上のレンジになると強度的にかなり
難しく、実際には、パーライトもしくはベイナイトによ
る組織強化に析出強化を加味した製造手段を採用してい
る場合が多い。しかし、これらの析出強化型ハイテンの
難点は、いうまでもなく降伏比が高いことである(一般
に0.80以上)。とくにTS:80 kgf/mm2級以上の高強度で
はプレス成形後のスプリングバックが問題となる。
【0005】これに対し、組織強化鋼は高強度化と低降
伏比化とを両立させ易いという利点があり、また、伸び
特性についてもDual Phase鋼と呼ばれているフェライト
・マルテンサイト2相混合組織鋼(例えば特公昭61-151
28号公報)とすることによって、他方式よりも優れた特
性を得ることができ、さらに耐疲労特性も析出強化鋼よ
りも良好である。しかし、80 kgf/mm2を超えるようなTS
を得るためには製造条件が厳しく、製造過程において形
状不良を招いたり、材質にばらつきが生じ易いという問
題があった。
伏比化とを両立させ易いという利点があり、また、伸び
特性についてもDual Phase鋼と呼ばれているフェライト
・マルテンサイト2相混合組織鋼(例えば特公昭61-151
28号公報)とすることによって、他方式よりも優れた特
性を得ることができ、さらに耐疲労特性も析出強化鋼よ
りも良好である。しかし、80 kgf/mm2を超えるようなTS
を得るためには製造条件が厳しく、製造過程において形
状不良を招いたり、材質にばらつきが生じ易いという問
題があった。
【0006】また最近では、上述したDual Phase鋼より
もさらに高延性を発揮するTS:80〜100 kgf/mm2 級の
(α+γ)組織鋼、いわゆるTRIP鋼(例えば特開平3-1
0049号公報)が注目されている。このTRIP鋼は、TS:80
kgf/mm2級以上でとくに加工性を重要視するハイテンと
しての必要特性を満足するものである。しかしながら、
このTRIP鋼の場合、引っ張り特性が鋼中の相分率、主と
して残留オーステナイト量によって大きく左右されるた
め、とくに鋼帯の幅方向、長手方向で均一な材質とする
ことが極めて難しく、しかもC含有量が高いことから、
スポット溶接性の劣化が避け難い。このように、現在ま
でのところ、高強度熱延鋼板としての要求特性を充分に
満足した鋼は存在せず、その開発が望まれていた。
もさらに高延性を発揮するTS:80〜100 kgf/mm2 級の
(α+γ)組織鋼、いわゆるTRIP鋼(例えば特開平3-1
0049号公報)が注目されている。このTRIP鋼は、TS:80
kgf/mm2級以上でとくに加工性を重要視するハイテンと
しての必要特性を満足するものである。しかしながら、
このTRIP鋼の場合、引っ張り特性が鋼中の相分率、主と
して残留オーステナイト量によって大きく左右されるた
め、とくに鋼帯の幅方向、長手方向で均一な材質とする
ことが極めて難しく、しかもC含有量が高いことから、
スポット溶接性の劣化が避け難い。このように、現在ま
でのところ、高強度熱延鋼板としての要求特性を充分に
満足した鋼は存在せず、その開発が望まれていた。
【0007】上記の要請に応えて、従来の析出強化鋼お
よび組織強化鋼の持つそれぞれの特質を備えつつ、しか
もそれらの欠点を有利に解決するものとして、発明者ら
は先に、TiCやNbCで析出強化したフェライトとマルテ
ンサイト、もしくはTiCやNbCで析出強化したフェライ
トとマルテンサイトおよび残留オーステナイトからなる
組織を有する熱延高張力鋼板を開発した(特願平3−35
8007号公報参照)。しかし上記の鋼板には、CとTi、Nb
との厳密なバランス調整が必要という難点があった。ま
た、TiやNbの炭化物を析出強化として利用する場合には
高温での溶体化が必要であり、コストダウンや省エネル
ギーの観点から、近い将来主流になるであろう、1100℃
程度の低温加熱操業を考えた場合に、Ti、Nb系では溶体
化が不十分となり、強化にはほとんど役立たなくなると
いう不利も指摘される。
よび組織強化鋼の持つそれぞれの特質を備えつつ、しか
もそれらの欠点を有利に解決するものとして、発明者ら
は先に、TiCやNbCで析出強化したフェライトとマルテ
ンサイト、もしくはTiCやNbCで析出強化したフェライ
トとマルテンサイトおよび残留オーステナイトからなる
組織を有する熱延高張力鋼板を開発した(特願平3−35
8007号公報参照)。しかし上記の鋼板には、CとTi、Nb
との厳密なバランス調整が必要という難点があった。ま
た、TiやNbの炭化物を析出強化として利用する場合には
高温での溶体化が必要であり、コストダウンや省エネル
ギーの観点から、近い将来主流になるであろう、1100℃
程度の低温加熱操業を考えた場合に、Ti、Nb系では溶体
化が不十分となり、強化にはほとんど役立たなくなると
いう不利も指摘される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述した
現状に鑑み開発されたもので、スラブの低温加熱操業に
おいても、従来の析出強化鋼および組織強化鋼の持つそ
れぞれの特質を備え、しかもそれらの欠点を有利に克服
した低降伏比高強度熱延鋼板を、その製造方法と共に提
案することを目的とする。
現状に鑑み開発されたもので、スラブの低温加熱操業に
おいても、従来の析出強化鋼および組織強化鋼の持つそ
れぞれの特質を備え、しかもそれらの欠点を有利に克服
した低降伏比高強度熱延鋼板を、その製造方法と共に提
案することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】さて、発明者らは、上記
の目的を達成すべく数多くの実験と検討を重ねた結果、
従来の析出強化鋼の成分に、適正量のSi、Cuを添加し、
さらに最適条件で熱間圧延を施すことによって、フェラ
イト粒から排出されるCが未変態オーステナイト粒に濃
化し、最終的には、析出強化されたフェライト相を主体
とし、第2相としてマルテンサイト相、またはさらに残
留オーステナイト相を少量含む複合組織となり、かかる
組織とすることによって、上記した目的が有利に達成で
きることの知見を得た。この発明は、上記の知見に立脚
するものである。
の目的を達成すべく数多くの実験と検討を重ねた結果、
従来の析出強化鋼の成分に、適正量のSi、Cuを添加し、
さらに最適条件で熱間圧延を施すことによって、フェラ
イト粒から排出されるCが未変態オーステナイト粒に濃
化し、最終的には、析出強化されたフェライト相を主体
とし、第2相としてマルテンサイト相、またはさらに残
留オーステナイト相を少量含む複合組織となり、かかる
組織とすることによって、上記した目的が有利に達成で
きることの知見を得た。この発明は、上記の知見に立脚
するものである。
【0010】すなわちこの発明の要旨構成は次のとおり
である。 1.C:0.05〜0.18%、Si:0.5〜2.5%、Mn:0.5〜2.5
%、P:0.05%以下、Al:0.01〜0.1%およびCu:0.5〜
3.0%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成
になり、降伏比が0.58以下で、かつその組織が、ε−Cu
が析出したフェライトおよび、マルテンサイトまたはマ
ルテンサイトと残留オーステナイトからなる低降伏比高
強度熱延鋼板。 2.上記1において、さらにCr:0.3〜1.5%を含有する
低降伏比高強度熱延鋼板。 3.上記1または2において、さらにNi:0.5〜2.0%を
含有する低降伏比高強度熱延鋼板。 4.上記1、2または3において、さらにNb:0.01〜0.
10%、Ti:0.01〜0.10%のうちから選んだ1種または2
種を含有する低降伏比高強度熱延鋼板。 5.C:0.05〜0.18%、Si:0.5〜2.5%、Mn:0.5〜2.5
%、P:0.05%以下、Al:0.01〜0.1%およびCu:0.5〜
3.0%を含む組成になる連鋳スラブを、直接、または130
0℃以下の温度に加熱後、熱間圧延に供し、800℃以上の
温度で熱間圧延を終了したのち、800〜720℃の温度域に
6秒間以上滞留させ、ついで10℃/s以上の冷却速度で
冷却し、600℃以下の温度で巻き取ることによりε−Cu
が析出したフェライトおよび、マルテンサイトまたはマ
ルテンサイトと残留オーステナイトからなる組織とする
ことを特徴とする低降伏比高強度熱延鋼板の製造方法。
である。 1.C:0.05〜0.18%、Si:0.5〜2.5%、Mn:0.5〜2.5
%、P:0.05%以下、Al:0.01〜0.1%およびCu:0.5〜
3.0%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成
になり、降伏比が0.58以下で、かつその組織が、ε−Cu
が析出したフェライトおよび、マルテンサイトまたはマ
ルテンサイトと残留オーステナイトからなる低降伏比高
強度熱延鋼板。 2.上記1において、さらにCr:0.3〜1.5%を含有する
低降伏比高強度熱延鋼板。 3.上記1または2において、さらにNi:0.5〜2.0%を
含有する低降伏比高強度熱延鋼板。 4.上記1、2または3において、さらにNb:0.01〜0.
10%、Ti:0.01〜0.10%のうちから選んだ1種または2
種を含有する低降伏比高強度熱延鋼板。 5.C:0.05〜0.18%、Si:0.5〜2.5%、Mn:0.5〜2.5
%、P:0.05%以下、Al:0.01〜0.1%およびCu:0.5〜
3.0%を含む組成になる連鋳スラブを、直接、または130
0℃以下の温度に加熱後、熱間圧延に供し、800℃以上の
温度で熱間圧延を終了したのち、800〜720℃の温度域に
6秒間以上滞留させ、ついで10℃/s以上の冷却速度で
冷却し、600℃以下の温度で巻き取ることによりε−Cu
が析出したフェライトおよび、マルテンサイトまたはマ
ルテンサイトと残留オーステナイトからなる組織とする
ことを特徴とする低降伏比高強度熱延鋼板の製造方法。
【0011】この発明において、鋼組織中のフェライト
相の比率は50〜90%程度とするのが好ましい。また、フ
ェライト相中におけるε−Cuの析出量は20〜100 %程度
とするのが好ましい。
相の比率は50〜90%程度とするのが好ましい。また、フ
ェライト相中におけるε−Cuの析出量は20〜100 %程度
とするのが好ましい。
【0012】
【作用】この発明鋼は、従来のDual Phase鋼やTRIP鋼と
は異なり、軟質相のフェライト相を析出強化させること
によって強度を向上させ、それにより同じ強度を得るた
めに必要なマルテンサイト量または残留オーステナイト
相の比率を、従来のそれよりも少なくでき、従ってC当
量の上昇を抑えることができる。また、従来の析出強化
鋼と比べると硬質第2相の存在によって高強度化が達成
でき、しかも第2相の周辺には従来の組織強化鋼と同様
に、高密度の可動転位鋼が形成されるので低降伏比特性
が発現する。さらに、第2相とフェライト粒との間に整
合性が保たれているので、強度−延性バランスが良好と
なるとともに、疲労クラックの伝播を第2相が阻止する
ので、耐疲労特性が向上する。またさらに、従来のDual
Phase鋼と比べると、フェライト粒と第2相との強度差
が従来のそれよりも小さくなるので、フェライト粒への
局所的な応力集中が緩和され、この種の強化鋼の難点と
されていた局部変形能も向上する。しかも、発明者らが
先に提案した、TiやNbの炭化物により析出強化したフェ
ライトとマルテンサイト、または析出強化したフェライ
トとマルテンサイトおよび残留オーステナイトからなる
組織を有する低降伏高強度熱延鋼板と比べると、同レベ
ルの強度を得る場合、この発明鋼の方が低C当量の成分
系で済む。
は異なり、軟質相のフェライト相を析出強化させること
によって強度を向上させ、それにより同じ強度を得るた
めに必要なマルテンサイト量または残留オーステナイト
相の比率を、従来のそれよりも少なくでき、従ってC当
量の上昇を抑えることができる。また、従来の析出強化
鋼と比べると硬質第2相の存在によって高強度化が達成
でき、しかも第2相の周辺には従来の組織強化鋼と同様
に、高密度の可動転位鋼が形成されるので低降伏比特性
が発現する。さらに、第2相とフェライト粒との間に整
合性が保たれているので、強度−延性バランスが良好と
なるとともに、疲労クラックの伝播を第2相が阻止する
ので、耐疲労特性が向上する。またさらに、従来のDual
Phase鋼と比べると、フェライト粒と第2相との強度差
が従来のそれよりも小さくなるので、フェライト粒への
局所的な応力集中が緩和され、この種の強化鋼の難点と
されていた局部変形能も向上する。しかも、発明者らが
先に提案した、TiやNbの炭化物により析出強化したフェ
ライトとマルテンサイト、または析出強化したフェライ
トとマルテンサイトおよび残留オーステナイトからなる
組織を有する低降伏高強度熱延鋼板と比べると、同レベ
ルの強度を得る場合、この発明鋼の方が低C当量の成分
系で済む。
【0013】以下に、この発明の基礎となった実験結果
について述べる。C:0.07%、Si:1.5 %、Mn:1.5
%、P:0.01%、S:0.001 %、Al:0.04%をベースと
する組成に、Cuを〜1.0 %の範囲で変化させて添加した
種々の鋼スラブを、スラブ加熱温度:1080℃、熱延仕上
げ温度:850 ℃、 800〜720 ℃での滞留時間:10秒、巻
き取りまでの冷却速度:20℃/s、巻き取り温度:550
℃の条件下で熱延(スラブ寸法、仕上げ寸法も同一)
し、板厚:2.00mmの熱延板とした。得られた各熱延板に
つき、伸びフランジ性の指標となる、サイドベンド伸び
および穴拡がり率について調査した結果を、図1に、Cu
含有量との関係で示す。なお、各調査方法は後述する実
施例に示したとおりである。
について述べる。C:0.07%、Si:1.5 %、Mn:1.5
%、P:0.01%、S:0.001 %、Al:0.04%をベースと
する組成に、Cuを〜1.0 %の範囲で変化させて添加した
種々の鋼スラブを、スラブ加熱温度:1080℃、熱延仕上
げ温度:850 ℃、 800〜720 ℃での滞留時間:10秒、巻
き取りまでの冷却速度:20℃/s、巻き取り温度:550
℃の条件下で熱延(スラブ寸法、仕上げ寸法も同一)
し、板厚:2.00mmの熱延板とした。得られた各熱延板に
つき、伸びフランジ性の指標となる、サイドベンド伸び
および穴拡がり率について調査した結果を、図1に、Cu
含有量との関係で示す。なお、各調査方法は後述する実
施例に示したとおりである。
【0014】同図から明らかなように、Cu含有量が 0.5
%以上の範囲で、サイドベンド伸びおよび穴拡がり率と
も向上している。これは、ε−Cuが析出したフェライト
粒と第2相との強度差が小さくなり、フェライト粒への
局所的な応力集中が抑制されたためと考えられる。
%以上の範囲で、サイドベンド伸びおよび穴拡がり率と
も向上している。これは、ε−Cuが析出したフェライト
粒と第2相との強度差が小さくなり、フェライト粒への
局所的な応力集中が抑制されたためと考えられる。
【0015】次に、この発明において、鋼の成分組成を
前記の範囲に限定した理由について述べる。 C:0.05〜0.18% Cが0.05%に満たないと、第2相としてマルテンサイト
さらには残留オーステナイトが得られず、一方0.18%を
超えて含有されると、スポット溶接性の劣化が著しくな
るので、C含有量は0.05〜0.18%の範囲に限定した。
前記の範囲に限定した理由について述べる。 C:0.05〜0.18% Cが0.05%に満たないと、第2相としてマルテンサイト
さらには残留オーステナイトが得られず、一方0.18%を
超えて含有されると、スポット溶接性の劣化が著しくな
るので、C含有量は0.05〜0.18%の範囲に限定した。
【0016】Si:0.5 〜2.5 % Siは、この発明において重要な元素である。すなわちSi
は、第2相をマルテンサイトさらには残留オーステナイ
ト化させるのに有効な元素であり、その効果は0.5 %以
上の添加で発現する。しかし 2.5%を超えて含有される
と、その効果は飽和に達するだけでなく、熱延後の脱ス
ケール性の悪化、さらにはコスト高を招く。従ってSi含
有量は 0.5〜2.5 %の範囲に限定した。
は、第2相をマルテンサイトさらには残留オーステナイ
ト化させるのに有効な元素であり、その効果は0.5 %以
上の添加で発現する。しかし 2.5%を超えて含有される
と、その効果は飽和に達するだけでなく、熱延後の脱ス
ケール性の悪化、さらにはコスト高を招く。従ってSi含
有量は 0.5〜2.5 %の範囲に限定した。
【0017】Mn:0.5 〜2.5 % Mn含有量が 0.5%に満たないと、所望の複合組織が得ら
れず、一方 2.5%を超えて多量に含有されると、過度に
Ar3変態点を低下させてしまい、熱延後の冷却中にα粒
が出現しにくくなるので、Mnは 0.5〜2.5 %の範囲で含
有させるものとした。
れず、一方 2.5%を超えて多量に含有されると、過度に
Ar3変態点を低下させてしまい、熱延後の冷却中にα粒
が出現しにくくなるので、Mnは 0.5〜2.5 %の範囲で含
有させるものとした。
【0018】P:0.05%以下 Pは、加工性や溶接性を確保するために、0.05%以下に
限定した。
限定した。
【0019】Al:0.01〜0.1 % Alは、鋼の清浄化のためには少なくとも 0.010%の添加
が必要であり、とくに高強度化を目指すには清浄度の向
上は不可欠である。しかしながら、0.10%を超える添加
はアルミナククラスターによる表面欠陥などの原因とな
るので好ましくない。従って、Alは 0.010〜0.10%の範
囲で含有させるものとした。
が必要であり、とくに高強度化を目指すには清浄度の向
上は不可欠である。しかしながら、0.10%を超える添加
はアルミナククラスターによる表面欠陥などの原因とな
るので好ましくない。従って、Alは 0.010〜0.10%の範
囲で含有させるものとした。
【0020】Cu:0.5 〜3.0 % Cuは、熱延後にα粒内にε−Cuとして析出し、強化に効
果的に寄与する点において、この発明でとくに重要な元
素である。また、Mnの代替としての効果も併せ持つ。し
かしながら含有量が 0.5%未満では、ε−Cuの析出強化
能が発現せず、組織強化型ハイテンに偏る結果となって
局部変形能の向上が図れず、一方 3.0%を超えて含有さ
れると、熱間圧延時に熱間脆性を生じ易くなるので、Cu
は 0.5〜3.0 %の範囲で含有させるものとした。
果的に寄与する点において、この発明でとくに重要な元
素である。また、Mnの代替としての効果も併せ持つ。し
かしながら含有量が 0.5%未満では、ε−Cuの析出強化
能が発現せず、組織強化型ハイテンに偏る結果となって
局部変形能の向上が図れず、一方 3.0%を超えて含有さ
れると、熱間圧延時に熱間脆性を生じ易くなるので、Cu
は 0.5〜3.0 %の範囲で含有させるものとした。
【0021】以上、この発明の基本成分について説明し
たが、この発明ではさらに、以下の元素を適宜添加する
ことができる。 Cr:0.3 〜1.5 % Crは、Mnの代替として有効に寄与する元素で、その適正
添加範囲は 0.3〜1.5%である。
たが、この発明ではさらに、以下の元素を適宜添加する
ことができる。 Cr:0.3 〜1.5 % Crは、Mnの代替として有効に寄与する元素で、その適正
添加範囲は 0.3〜1.5%である。
【0022】Ni:0.5 〜2.0 % Niは、Cuの悪影響を抑制する効果を有する元素であり、
その適正添加範囲は、0.5 〜2.0 %である。
その適正添加範囲は、0.5 〜2.0 %である。
【0023】Nb:0.01〜0.10%、Ti:0.01〜0.10% Nb、Tiはそれぞれ、組織の細粒化により、伸びフランジ
性の改善に有効に寄与する元素である。しかしながら含
有量が上記の範囲を逸脱するとその添加効果が無くなる
ので、単独添加または複合添加いずれの場合も、上記の
範囲で含有させるものとした。
性の改善に有効に寄与する元素である。しかしながら含
有量が上記の範囲を逸脱するとその添加効果が無くなる
ので、単独添加または複合添加いずれの場合も、上記の
範囲で含有させるものとした。
【0024】なお、不可避的不純物として、SやNの混
入が避けられないが、それぞれ0.02%以下の範囲で許容
できる。
入が避けられないが、それぞれ0.02%以下の範囲で許容
できる。
【0025】次に、この発明鋼の製造条件の限定理由に
ついて述べる。熱間圧延は、スラブ鋳造後直ちに(いわ
ゆるCC−直接圧延)行うか、または加熱する場合には13
00℃以下の温度とする。CC−直接圧延を行う場合には、
保熱または端部への多少の加熱を行っても差し支えな
い。また、加熱する場合に、加熱温度が1300℃を超える
と、オーステナイトが急激に粗大化し良好な特性が得ら
れないことの他、Cuヘゲの悪影響が著しくなること等の
不具合が生じ好ましくない。なお、加熱温度の下限につ
いては、少なくともオーステナイト単相の温度域であっ
て、目標仕上げ圧延温度が確保できれば問題ないので、
特に限定はしない。
ついて述べる。熱間圧延は、スラブ鋳造後直ちに(いわ
ゆるCC−直接圧延)行うか、または加熱する場合には13
00℃以下の温度とする。CC−直接圧延を行う場合には、
保熱または端部への多少の加熱を行っても差し支えな
い。また、加熱する場合に、加熱温度が1300℃を超える
と、オーステナイトが急激に粗大化し良好な特性が得ら
れないことの他、Cuヘゲの悪影響が著しくなること等の
不具合が生じ好ましくない。なお、加熱温度の下限につ
いては、少なくともオーステナイト単相の温度域であっ
て、目標仕上げ圧延温度が確保できれば問題ないので、
特に限定はしない。
【0026】熱延における仕上げ圧延温度が 800℃に満
たないと、熱延後の延性の劣化が著しくなるので、熱延
仕上げ温度は 800℃以上とした。
たないと、熱延後の延性の劣化が著しくなるので、熱延
仕上げ温度は 800℃以上とした。
【0027】熱延終了後、 800〜720 ℃での温度域に滞
留させることによって、γ→α変態を生じさせる。ここ
に滞留時間が6秒に満たないと、γ→α変態が不十分で
あるので、 800〜720 ℃の温度域での滞留時間は6秒以
上(好ましくは30秒以下)とした。
留させることによって、γ→α変態を生じさせる。ここ
に滞留時間が6秒に満たないと、γ→α変態が不十分で
あるので、 800〜720 ℃の温度域での滞留時間は6秒以
上(好ましくは30秒以下)とした。
【0028】その後、巻き取るまでの冷却速度は10℃/
s以上とする必要がある。というのは、冷却速度が10℃
/sに満たないと、パーライトが出現するからである。
s以上とする必要がある。というのは、冷却速度が10℃
/sに満たないと、パーライトが出現するからである。
【0029】巻き取り温度は 600℃以下とすることが必
要である。というのは、巻き取り温度が 600℃を超える
とパーライトが出現するからである。なお、巻き取り温
度の下限はとくに限定する必要はなく、巻き取り後の形
状が劣化しない温度であればよい。
要である。というのは、巻き取り温度が 600℃を超える
とパーライトが出現するからである。なお、巻き取り温
度の下限はとくに限定する必要はなく、巻き取り後の形
状が劣化しない温度であればよい。
【0030】
【実施例】表1に示す種々の成分組成に調整した鋼スラ
ブ(この発明の適合鋼9種類、比較鋼6種類、合計15種
類)を、表2に示す種々の条件下で熱間圧延を施し、板
厚:2.00mmの熱延板とした。かくして得られた各熱延板
の引張特性、サイドベンド伸び(C方向)、穴拡がり
率、疲労強度および組織について調査した結果を、表3
に示す。
ブ(この発明の適合鋼9種類、比較鋼6種類、合計15種
類)を、表2に示す種々の条件下で熱間圧延を施し、板
厚:2.00mmの熱延板とした。かくして得られた各熱延板
の引張特性、サイドベンド伸び(C方向)、穴拡がり
率、疲労強度および組織について調査した結果を、表3
に示す。
【0031】なお、各特性の試験要領は次のとおりであ
る。 (1) 引っ張り試験は、L方向について JIS5号試験片を
用いて通常の方法で行った。 (2) サイドベンド伸びは、試験片寸法を、長さ:200 m
m、幅:40mmとし、図2に示すサイドベンド試験方法に
のっとり、支点間距離:150 mm、標点間距離l0 :50mm
として、曲げにより割れが発生した時点の標点間距離l
1 を測定し、次式により算出した。 サイドベンド伸び(%)=(11−10)/10×100 (3) 穴拡がり率は、試験片寸法を 150mm角とし、図3に
示す穴拡げ試験方法にのっとり、直径36mmφ(D0)の打
ち抜き穴をあけた試験片の中央を、先端部が半径50mmの
球頭ポンチにて押し上げ、微小な割れが発生した時の直
径D1 を測定し、次式より算出した。 穴拡がり率(%)=(D1 −D0)/D0 × 100 (4) 疲労強度は、図4に示す寸法のサンプルを用い、完
全両振り平面曲げ疲労試験により求めた。
る。 (1) 引っ張り試験は、L方向について JIS5号試験片を
用いて通常の方法で行った。 (2) サイドベンド伸びは、試験片寸法を、長さ:200 m
m、幅:40mmとし、図2に示すサイドベンド試験方法に
のっとり、支点間距離:150 mm、標点間距離l0 :50mm
として、曲げにより割れが発生した時点の標点間距離l
1 を測定し、次式により算出した。 サイドベンド伸び(%)=(11−10)/10×100 (3) 穴拡がり率は、試験片寸法を 150mm角とし、図3に
示す穴拡げ試験方法にのっとり、直径36mmφ(D0)の打
ち抜き穴をあけた試験片の中央を、先端部が半径50mmの
球頭ポンチにて押し上げ、微小な割れが発生した時の直
径D1 を測定し、次式より算出した。 穴拡がり率(%)=(D1 −D0)/D0 × 100 (4) 疲労強度は、図4に示す寸法のサンプルを用い、完
全両振り平面曲げ疲労試験により求めた。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】表3から明らかなように、この発明に従い
得られた適合例はいずれも、引っ張り強度:70 kgf/mm2
以上であり、しかも低降伏比でかつ、良好な強度−延性
バランス、サイドベンド伸びおよび穴拡がり率、さらに
は高い疲労強度を有している。 また適合例の組織は、
主にε−Cuの析出により強化されたフェライトとマルテ
ンサイトであったが、特に試料No.11 および14では、残
留オーステナイトも観察された。さらにこれらの適合例
はいずれも、別途調査したスポット溶接部の強度も良好
であった。
得られた適合例はいずれも、引っ張り強度:70 kgf/mm2
以上であり、しかも低降伏比でかつ、良好な強度−延性
バランス、サイドベンド伸びおよび穴拡がり率、さらに
は高い疲労強度を有している。 また適合例の組織は、
主にε−Cuの析出により強化されたフェライトとマルテ
ンサイトであったが、特に試料No.11 および14では、残
留オーステナイトも観察された。さらにこれらの適合例
はいずれも、別途調査したスポット溶接部の強度も良好
であった。
【0036】これに対し、比較例のうち、試料No.16
は、C量が適正範囲の下限に満たないため、サイドベン
ド伸びや穴拡がり率は良好であるものの、降伏比が高
く、疲労強度が低い、いわゆる析出強化鋼に近い特性を
示した。また、試料No.17 は、C量が適正範囲の上限を
超えるため、強度−延性バランスや疲労強度は良好であ
ったものの、サイドベンド伸びや穴拡がり率に劣る、い
わゆる組織強化鋼に近い特性を示し、しかもスポット溶
接部の強度劣化が大きかった。さらに試料No.21 は、Cu
が無添加であるので、強度−延性バランスおよび疲労強
度は良好であったものの、フェライトが析出強化されて
いないため、サイドベンド伸びや穴拡がり率に劣る、い
わゆる組織強化鋼に近い特性を示した。なお試料 No.2
は、スラブ加熱温度が適正範囲の上限を超えたために、
ゴマへゲが発生した。
は、C量が適正範囲の下限に満たないため、サイドベン
ド伸びや穴拡がり率は良好であるものの、降伏比が高
く、疲労強度が低い、いわゆる析出強化鋼に近い特性を
示した。また、試料No.17 は、C量が適正範囲の上限を
超えるため、強度−延性バランスや疲労強度は良好であ
ったものの、サイドベンド伸びや穴拡がり率に劣る、い
わゆる組織強化鋼に近い特性を示し、しかもスポット溶
接部の強度劣化が大きかった。さらに試料No.21 は、Cu
が無添加であるので、強度−延性バランスおよび疲労強
度は良好であったものの、フェライトが析出強化されて
いないため、サイドベンド伸びや穴拡がり率に劣る、い
わゆる組織強化鋼に近い特性を示した。なお試料 No.2
は、スラブ加熱温度が適正範囲の上限を超えたために、
ゴマへゲが発生した。
【0037】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、従来の析出
強化鋼と組織強化鋼の持つそれぞれの特質を備えつつ、
しかもそれらの欠点を克服して、引っ張り強度が 720 k
gf/mm2以上の高強度熱延鋼板を得ることができる。ま
た、この発明によって得られる熱延板は、高強度であり
ながら、低降伏比で、かつ良好な強度−延性バランスを
示すと共に、サイドベンド伸びや穴拡がり率に代表され
る伸びフランジ性、さらには疲労特性やスポット溶接性
にも優れるので、自動車の内板、足廻り部品および強度
部材などに用いて偉効を奏する。
強化鋼と組織強化鋼の持つそれぞれの特質を備えつつ、
しかもそれらの欠点を克服して、引っ張り強度が 720 k
gf/mm2以上の高強度熱延鋼板を得ることができる。ま
た、この発明によって得られる熱延板は、高強度であり
ながら、低降伏比で、かつ良好な強度−延性バランスを
示すと共に、サイドベンド伸びや穴拡がり率に代表され
る伸びフランジ性、さらには疲労特性やスポット溶接性
にも優れるので、自動車の内板、足廻り部品および強度
部材などに用いて偉効を奏する。
【図1】Cu含有量とサイドベンド伸び、穴拡がり率との
関係を示したグラフである。
関係を示したグラフである。
【図2】サイドベンド試験要領を示した模式図ある。
【図3】穴拡げ試験要領を示した模式図である。
【図4】疲労試験片の形状を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−140652(JP,A) 特開 平4−329848(JP,A) 特開 平4−337026(JP,A) 特開 平2−38523(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21D 8/00 - 8/10 C21D 9/46 - 9/48
Claims (5)
- 【請求項1】 C:0.05〜0.18%、 Si:0.5〜2.5%、 Mn:0.5〜2.5%、 P:0.05%以下、 Al:0.01〜0.1%およびCu:0.5〜3.0% を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成にな
り、降伏比が0.58以下で、かつその組織が、ε−Cuが析
出したフェライトおよび、マルテンサイトまたはマルテ
ンサイトと残留オーステナイトからなる低降伏比高強度
熱延鋼板。 - 【請求項2】請求項1において、さらにCr:0.3〜1.5%
を含有する低降伏比高強度熱延鋼板。 - 【請求項3】請求項1または2において、さらにNi:0.
5〜2.0%を含有する低降伏比高強度熱延鋼板。 - 【請求項4】請求項1、2または3において、さらにN
b:0.01〜0.10%、Ti:0.01〜0.10%のうちから選んだ
1種または2種を含有する低降伏比高強度熱延鋼板。 - 【請求項5】 C:0.05〜0.18%、 Si:0.5〜2.5%、 Mn:0.5〜2.5%、 P:0.05%以下、 Al:0.01〜0.1%およびCu:0.5〜3.0% を含む組成になる連鋳スラブを、直接、または1300℃以
下の温度に加熱後、熱間圧延に供し、800℃以上の温度
で熱間圧延を終了したのち、800〜720℃の温度域に6秒
間以上滞留させ、ついで10℃/s以上の冷却速度で冷却
し、600℃以下の温度で巻き取ることにより、0.58以下
の降伏比を有するとともに、組織がε−Cuが析出したフ
ェライトおよび、マルテンサイトまたはマルテンサイト
と残留オーステナイトからなることを特徴とする低降伏
比高強度熱延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13510892A JP3296591B2 (ja) | 1992-05-27 | 1992-05-27 | 低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13510892A JP3296591B2 (ja) | 1992-05-27 | 1992-05-27 | 低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05331591A JPH05331591A (ja) | 1993-12-14 |
JP3296591B2 true JP3296591B2 (ja) | 2002-07-02 |
Family
ID=15144026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13510892A Expired - Fee Related JP3296591B2 (ja) | 1992-05-27 | 1992-05-27 | 低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3296591B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100799822B1 (ko) | 2006-01-18 | 2008-01-31 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 저항복비 내화 강재 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2387322C (en) * | 2001-06-06 | 2008-09-30 | Kawasaki Steel Corporation | High-ductility steel sheet excellent in press formability and strain age hardenability, and method for manufacturing the same |
JP4599768B2 (ja) * | 2001-06-29 | 2010-12-15 | Jfeスチール株式会社 | プレス成形性と歪時効硬化特性に優れた高延性冷延鋼板およびその製造方法 |
EP1559798B1 (en) | 2004-01-28 | 2016-11-02 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) | High strength and low yield ratio cold rolled steel sheet and method of manufacturing the same |
JP4288364B2 (ja) | 2004-12-21 | 2009-07-01 | 株式会社神戸製鋼所 | 伸びおよび伸びフランジ性に優れる複合組織冷延鋼板 |
-
1992
- 1992-05-27 JP JP13510892A patent/JP3296591B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|---|---|---|
KR100799822B1 (ko) | 2006-01-18 | 2008-01-31 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 저항복비 내화 강재 |
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JPH05331591A (ja) | 1993-12-14 |
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