JP3289711B2 - 円筒ころ軸受 - Google Patents
円筒ころ軸受Info
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
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Description
ジェットエンジン、マシニングセンタ等の工作機械等の
高速回転機械に組み込まれ、高速で回転する回転軸を支
承する為の円筒ころ軸受の改良に関する。
を支持する為に従来から、例えば特開平7−12119
号公報等に記載された円筒ころ軸受が広く使用されてい
る。図1は、この公報に記載される等により従来から広
く知られている、円筒ころ軸受1の1例を示している。
この円筒ころ軸受1は、外周面に内輪軌道2を有する内
輪3と、内周面に外輪軌道4を有する外輪5と、上記内
輪軌道2と外輪軌道4との間に転動自在に設けられた複
数個の円筒ころ6と、この複数個の円筒ころ6を保持し
た状態で、上記内輪軌道2と外輪軌道4との間に回転自
在に設けられた保持器7とを備えている。
形成している。この鍔8、8同士の間隔は、上記円筒こ
ろ6の軸方向(図1の左右方向)に亙る長さ寸法よりも
僅かに大きい。従って上記各円筒ころ6は、これら1対
の鍔8、8により軸方向両側から挟まれ、軸方向への変
位を防止される。又、上記各円筒ころ6は転動面9と軸
方向両端面10、10との間に面取り部11、11を設
けている。
用時には、例えば上記内輪3を回転軸の中間部に外嵌固
定し、上記外輪5をハウジングに内嵌固定する。回転軸
の回転時には、上記複数個の円筒ころ6が転動する事
で、上記外輪5の内側で内輪3が回転する事を許容す
る。
上記各円筒ころ6の中心軸と上記内輪3及び外輪5の中
心軸とが非平行になった状態のまま各円筒ころ6が回転
する、所謂スキューが発生する事が避けられない。この
様なスキューが発生した場合には、上記各円筒ころ6の
両端面外周縁部と上記各鍔8、8とが摺接する為、何ら
かの対策を施さない限り、潤滑不良等の悪条件下では、
上記各円筒ころ6の両端部及び上記各鍔8、8に著しい
摩耗を生じる場合がある。
(r.p.m.)との積であるdm ・nが150万を越える様
な条件で使用される、高速円筒ころ軸受の場合には、異
常摩耗や焼き付き等の問題が発生し易くなる為、高速化
の障害になっている。とりわけ、潤滑剤の供給量を少な
くする微量潤滑が主流を占める工作機械の分野では、上
記問題が発生し易い。
タービン等に使用されるジェット潤滑下では、鍔の内側
面を傾斜させると共に、鍔及び円筒ころ端面の縁部を丸
める(隅Rを形成する)事が行なわれている。更には、
特開昭56−17415号公報に開示されている様に、
鍔の内側面の傾斜角度を途中で変化させたり、或は米国
特許第4027930号明細書に記載されている様に、
鍔の内側面を所定の曲率半径で湾曲した凸面とする事も
考えられている。これらの技術によれば、円筒ころがス
キューした場合に、この円筒ころの端部と鍔との間にく
さび効果によって潤滑油の膜を形成し、上記異常摩耗や
焼き付き等の発生を防止できる。又、円筒ころの動的不
釣り合い(アンバランス)を小さくして、スキュー自体
を発生しにくくする事も行なわれている。
摩耗や焼き付きを防止する為の、上述の様な従来技術の
場合、より厳しい条件下では十分に対応できない。即
ち、工作機械の高性能化を図る為に、円筒ころ軸受によ
り回転自在に支持している主軸の回転速度をより高くす
る要望があり、この様な高速化に合わせて、回転抵抗低
減の為、上記円筒ころに供給する潤滑剤の量をより少な
くする事が望まれている。
筒ころ軸受は、全周に亙って一様に負荷を受ける状態で
使用される事はない。言い換えれば、使用時に円筒ころ
軸受は、その円周方向の一部がラジアル荷重を支承する
負荷圏となり、直径方向反対側はラジアル荷重を受けな
い非負荷圏となる。従って円筒ころ軸受の運転時に各円
筒ころは、公転運動に伴って、上記負荷圏と非負荷圏と
を交互に通過する。そして、これら各円筒ころは、この
うちの負荷圏に位置する間は、内輪軌道と外輪軌道との
間で強く挟持されるので、姿勢(スキュー角)は殆ど変
化せず、安定した状態のまま自転しつつ公転する。これ
に対して、上記非負荷圏に位置する上記各円筒ころは、
上記内輪軌道と外輪軌道とによる拘束を受けず、比較的
自由にその姿勢を変化させる。
各円筒ころの姿勢が、これら各円筒ころの動的不釣り合
いにより発生するモーメントや、これら各円筒ころの公
転運動に伴うこれら各円筒ころのスキュー角の変動に伴
って発生するモーメントにより変化すると、これら各円
筒ころの自転運動及び公転運動が不安定になる。この結
果、これら各円筒ころの端面と鍔との間の摩擦が大きく
なり、前記異常摩耗や焼き付きが発生し易くなる。本発
明は、この様な厳しい条件(高速回転・微量潤滑)の下
でも、スキューに基づく異常摩耗や焼き付きを有効に防
止できる円筒ころ軸受を実現すべく発明したものであ
る。
は、前述した従来の円筒ころ軸受と同様に、外周面に円
筒形の内輪軌道を有する内輪と、内周面に円筒形の外輪
軌道を有する外輪と、上記内輪軌道と外輪軌道との間に
転動自在に設けられた複数個の円筒ころと、上記内輪軌
道と外輪軌道とのうちの一方の軌道の両側に、これら各
円筒ころの長さ寸法よりも僅かに大きな間隔をあけて設
けられた1対の鍔とを備える。そして、上記外輪を静止
させ、上記内輪を回転させる状態で使用される。
ジャイロモーメントSを、上記各円筒ころの動的不釣り
合いにより発生するモーメントUと、これら各円筒ころ
のスキュー角の変動に伴って発生するモーメントCとの
和以上(S≧U+C)としている。同時に、上記各円筒
ころがスキューしてこれら各円筒ころの端面と上記各鍔
の内側面とが摺接した状態で、上記各モーメントS、
U、Cに基づいて摺接点でこれら各円筒ころの端面と上
記各鍔の内側面とを互いに押し付け合う方向に作用する
力Qと、上記摺接点での滑り速度Vとの積Q・Vを、6
0kgf・m/s 以下としている。
イロモーメントSは、上記各円筒ころの自転軸X回りの
慣性モーメントをIX とし、これら各円筒ころの中心点
でこれら各円筒ころの自転軸Xに対し直交するZ軸回り
の慣性モーメントをIZ とし、これら各円筒ころの公転
角速度をωC とし、これら各円筒ころの自転角速度をω
B とし、これら各円筒ころのスキュー角をψとし、これ
ら各円筒ころが1回自転する間のスキュー角の変動を△
ψとし、これら各円筒ころの動的不釣り合いにより発生
する、これら各円筒ころの中心点でこれら各円筒ころ自
転軸に対し直交する軸回りのモーメントをIU とした場
合に、 S=IX ・ωC ・ωB ・ sinψ−(IX −IZ )・ωC 2
・ sinψ・ cosψ で表される。又、上記各円筒ころの動的不釣り合いによ
り発生する、上記Z軸回りのモーメントの最大値Uは、 U=IU ・ωB 2 で表される。更に、上記各円筒ころがスキューする事に
よりこれら各円筒ころの端面と上記各鍔の内側面とが摺
接しつつこれら各円筒ころが自転する場合に、これら各
円筒ころのスキュー角の変動に伴って発生するモーメン
トの最大値Cは、 C=IZ ・△ψ・ωB 2 で表される。
ジャイロモーメントSを、上記各円筒ころの動的不釣り
合いにより発生するZ軸回りのモーメントの最大値U
と、これら各円筒ころのスキュー角の変動に伴って発生
するモーメントの最大値Cとの和以上としている為、ジ
ャイロモーメントSが、上記各円筒ころの姿勢を安定に
保つ。又、上記各円筒ころの端面と各鍔の内側面との摺
接点で、これら各円筒ころの端面と上記各鍔の内側面と
を互いに押し付け合う方向に作用する力Qと、上記摺接
点での滑り速度Vとの積Q・Vを、60kgf・m/s 以下と
している。言い換えれば、上記ジャイロモーメントSが
過度に大きくなる事を防止している為、上記摺接点での
摩擦を抑えて、異常摩耗や焼き付きの発生を防止でき
る。
る。尚、以下の説明は、内輪3の外周面に鍔8、8を形
成した場合に就いて述べる。外輪5の内周面に鍔を形成
した場合でも同様である。先ず、ジャイロモーメントS
を、上記モーメントの最大値Uと、上記モーメントの最
大値Cとの和以上(S≧U+C)として、上記各円筒こ
ろの姿勢を安定させる点に就いて説明する。尚、言い換
えれば本発明は、円筒ころがスキューする事により発生
するジャイロモーメントSを、非負荷圏に位置する円筒
ころの姿勢を安定させる為の制御因子として積極的に利
用するものである。
な円筒ころ軸受1の場合、前述した様に、内輪3の外周
面両端部に形成した1対の鍔8、8同士の間隔は、円筒
ころ6の軸方向に亙る長さ寸法よりも僅かに大きい。従
って、これら各円筒ころ6の軸方向両端面と上記鍔8、
8の内側面との間には若干の隙間が存在し、この隙間に
基づいて、上記各円筒ころ6は、スキューした状態で、
自転しつつ公転する。この様に上記各円筒ころ6が、ス
キューした状態で自転しつつ公転する結果、これら各円
筒ころ6が図2に示す様な歳差運動をして、これら各円
筒ころ6に、次の(1)式に示す様な大きさのジャイロ
モーメントSが作用する。
ころ6の自転軸X回りの慣性モーメント、IZ は、同じ
くこれら各円筒ころ6の中心点でこれら各円筒ころ6の
自転軸Xと直交するZ軸回りの慣性モーメント、ωB
は、これら各円筒ころ6の自転角速度、ωC は、これら
各円筒ころ6の公転角速度、ψはこれら各円筒ころ6の
スキュー角で、正の値(>0)である。又、図2中、H
は、上記各円筒ころ6が歳差運動をしている場合の角運
動量(ベクトル)を表している。又、ωC は、上述の様
に、上記各円筒ころ6の公転角速度である。
1の通常の諸元では、この円筒ころ軸受1を、外輪5を
静止させ、内輪3を回転させる状態で使用する場合に
は、ω B /(ωC ・ cosψ)>1である。この為、外力
(ジャイロモーメントS以外の力)を考慮しなければ、
上記各円筒ころ6がスキューした場合にこのジャイロモ
ーメントSは、これら各円筒ころ6がスキューしている
のと同じ向きに、即ち、スキューを助長し、スキュー角
ψを大きくしようとする向きに作用する。図4に、上記
各円筒ころ6がスキューした場合に上記ジャイロモーメ
ントSがスキュー角ψを大きくしようとする向きに作用
する範囲{1−IZ /IX ≦ωB /(ωC・ cosψ)}
で、且つ、IZ /IX ≧0の範囲を、斜線で示した。上
記図4は、横軸が上記各円筒ころ6の前記各慣性モーメ
ントIX 、IZ の比IZ /IX であり、縦軸がωB /
(ωC ・ cosψ)である。
りに発生する動的不釣り合い(アンバランス)によるモ
ーメントUV が、次の(2)式で表される大きさで、作
用する。 UV =U・cos (ωB t) −−− (2) 又、この(2)式中、上記モーメントUV の最大値であ
るUは、次の(2)′式で表される。 U=IU ・ωB 2 −−− (2)´ 尚、この(2)´式中、IU は、上記各円筒ころ6の動
的不釣り合いにより発生するモーメントを、ωB はこれ
ら各円筒ころ6の自転角速度を、それぞれ表している。
又、上記モーメントIU は、次の(3)式で表される。 IU =(M6 /2)・e・L −−− (3) この(3)式中、M6 は上記各円筒ころ6の質量を、e
は、図5に示す様に、これら各円筒ころ6の各重心が幾
何学的中心からずれており、そのずれ成分をこれら各円
筒ころ6の両端部に存在させたと仮定した状態での、こ
れら各円筒ころ6の半径方向の偏心量を、Lは、上記各
円筒ころ6の軸方向長さを、それぞれ表している。
事でその軸方向両端面外周縁部が、前記各鍔8、8の内
側面に押し付けられた状態のまま、自転しつつ公転す
る。この結果、上記各円筒ころ6には、これら各円筒こ
ろ6や上記各鍔8、8の形状誤差等に基づき、スキュー
角ψが変化する事に伴って発生するモーメントCV が、
次の(4)式の様な大きさで作用する。 CV =C・cos (ωB t+θ) −−− (4) 尚、この(4)式中、θは、上記モーメントUV に対す
る上記モーメントCVの位相差を表している。又、この
(4)式中、上記モーメントCV の最大値であるCは、
次の(4)′式で表される。 C=IZ ・△ψ・ωB 2 −−− (4)´ この(4)´式中、△ψは、上記各円筒ころ6が1回自
転する毎のスキュー角ψの変動量を、ωB はこれら各円
筒ころ6の自転角速度を、それぞれ表している。
上記各鍔8、8の内側面と接触した状態で自転している
ものと仮定し、これら各円筒ころ6が上記各鍔8、8か
ら受けるスキューモーメントをTとすれば、これら各円
筒ころ6のスキュー角ψに関する以下の方程式が得られ
る。但し、前記内輪、外輪両軌道2、4から上記各円筒
ころ6に作用するスキューモーメントは、小さいものと
して無視する。 IZ ・(d2ψ/dt2 )=S+UV −T −−− (5) 又、この(5)式の左辺は、 IZ ・(d2ψ/dt2 )=IZ ・d2/dt2 {△ψ・cos (ωB t+θ)} =IZ ・{−△ψ・ωB 2 ・cos (ωB t+θ)} =−CV であるから、上記(5)式は、次の(6)式の様に書き
換えられる。 T=S+UV +CV −−− (6) 今、θ=0、即ち、UV とCV との位相が互いに一致し
た場合を考えると、上記(6)式は、 T=S+(U+C)・cos (ωB t) −−− (7) となる。即ち、上記各円筒ころ6が上記各鍔8、8から
受けるスキューモーメントTは、これら各円筒ころ6が
1回自転する間に周期的に変動する。この様子を示した
ものが図6である。
8から受けるスキューモーメントTが最大となるのは、
これら各円筒ころ6が上記各鍔8、8の間で最もスキュ
ーした状態で、これら各円筒ころ6がこれら各鍔8、8
から、それぞれスキュー角ψが小さくなる方向に押し戻
される場合で、且つ、これら各円筒ころ6が上記各鍔
8、8の間で最もスキューした状態で、これら各円筒こ
ろ6のアンバランスによるスキューモーメントUV によ
って、これら各円筒ころ6が上記各鍔8、8に最も押し
付けられる場合である。又、上記各円筒ころ6が上記各
鍔8、8から受けるスキューモーメントTが最小となる
のは、これら各円筒ころ6のスキュー角ψが最も小さく
なった状態で、これら各円筒ころ6のスキュー角ψが大
きくなる際に、これら各円筒ころ6が上記各鍔8、8か
ら離れる方向に、上記モーメントC V が上記各円筒ころ
6に作用する場合で、且つ、上記各円筒ころ6のスキュ
ー角ψが最も小さくなった状態で、これら各円筒ころ6
が上記各鍔8、8から離れる方向に、上記スキューモー
メントUV が上記各円筒ころ6に作用する場合である。
の間で、特許請求の範囲を満たす、S≧U+Cなる関係
が成立した場合に就いて説明する。式(7)から常にT
≧0である為、円筒ころ6は一定の方向のスキュー角を
保ちながら常に鍔8、8に押し付けられている状態、即
ち、円筒ころ6は常に鍔8、8に案内されながら公転し
ている事になり、鍔8、8から離れる事がない。この様
に、上記各円筒ころ6が、上記鍔8、8に案内される事
によって、安定した状態のまま自転しつつ公転する為、
円筒ころ軸受1が、前述した様に非負荷圏を有する状態
で使用されても、この円筒ころ軸受1の運転を安定した
状態で行なえる。
円筒ころ6は、その軸方向両端面を上記各鍔8、8の内
側面に押し付けたまま、自転しつつ公転し、同じ姿勢の
まま(スキュー角ψの方向を変えないまま)で、再び上
記負荷圏に入り込む。この為、上記各円筒ころ6が1回
公転する間に、これら各円筒ころ6の挙動が不安定にな
る事はない。
筒ころ6のスキュー角ψを変える力となり得る要素とし
ては、前述した各モーメントUV、CV の他に、内輪3と
外輪5とのミスアライメント、或は内輪軌道2又は外輪
軌道4の形状誤差(傾斜)等により誘発されるスキュー
モーメントも考えられる。但し、これらにより生じるス
キューモーメントは、本発明が対象としている様な、d
m ・nが150万を越える様な高速で使用される場合に
は、上記各モーメントS、U、Cよりも遥かに小さい。
従って、上記ミスアライメントや形状誤差に基づくスキ
ューモーメントは考慮しなくても、特に問題とはならな
い。
上記各鍔8、8の内側面との摺接点でこれら各円筒ころ
6の端面とこれら各鍔8、8の内側面とを互いに押し付
け合う方向の力Qと、上記摺接点での滑り速度Vとの積
Q・Vを、60kgf・m/s 以下とし、上記摺接点での摩擦
を抑えて、異常摩耗や焼き付きの発生を防止する点に就
いて説明する。上述した様に、ジャイロモーメントS
を、それぞれ前述した各モーメントの最大値UとCとの
和以上にすれば、これら各円筒ころ6の運動は安定し、
その面からは、上記異常摩耗や焼き付きの防止を図れ
る。但し、上記ジャイロモーメントSが大き過ぎると、
上記各円筒ころ6の軸方向両端面を上記各鍔8、8の内
側面に押し付ける力Qが大きくなり過ぎる。
(8)式で表される、上記摺接点でのQ・V値が大きく
なり、上記異常摩耗及び焼き付きが発生し易くなる。 Q・V=(M/B)・V −−−−−(8) 尚、この(8)式中、Qは、上記各円筒ころ6が図8〜
9に示す様にスキューし、これら各円筒ころ6の軸方向
両端面の外周縁部と上記各鍔8、8の内側面とが接触し
た場合に、接触点Gで発生する、互いに押し付け合う方
向の力(kgf )を、Vは、この接触点Gでの、上記各円
筒ころ6の軸方向両端面外周縁部と上記各鍔8、8の内
側面との間の滑り速度(m/s )を、それぞれ表してい
る。又、Mは、上記各円筒ころ6のスキュー角ψを小さ
くする方向に作用するスキューモメント(kgf・m )で、
前述した各モーメントS、U、Cの和(M=S+U+
C)である。又、Bは、図9に示す様に、上記各円筒こ
ろ6をスキューさせた場合に、これら各円筒ころ6端面
と鍔8の内側面とが当接する部分の長さ(m)を、それ
ぞれ表している。
値が上記各円筒ころ6の軸方向端面及び上記各鍔8、8
の内側面の摩耗に及ぼす影響に就いて知る為の実験を行
なった。この結果、上記Q・V値が60kgf・m/s 以下
(Q・V≦60kgf・m/s )であれば、上記各円筒ころ6
の軸方向両端面及び上記各鍔8、8の内側面に異常摩耗
や焼き付きが発生しない事が分った。そこで、上記各モ
ーメントS、U、C同士の関係で本発明の範囲を、S≧
U+Cで、且つ、これら各モーメントの和(S+U+
C)によって発生するQ・V値の上限を60kgf・m/s と
した。
本発明の範囲を、斜格子で示している。この図11の横
軸は、上記Q・V値のうち、上記ジャイロモーメントS
により生じる部分を、同じく縦軸は、このQ・V値のう
ち、それぞれ上記各モーメントUとCとの和(U+C)
により生じる部分を、それぞれ表している。
の範囲から外れる部分のうち、斜線で示した、(U+
C)>Sなる領域では、図10(A)に斜線で示した様
に、上記各円筒ころ6の端面が偏心摩耗する。即ち、
(U+C)>Sなる領域では、円筒ころ軸受1の運転に
伴って、上記各円筒ころ6が不安定な運動をするので、
これら各円筒ころ6の軸方向端面が、偏心摩耗する。こ
れに対して、上記図11に梨地模様で示した、S≧U+
CであるがQ・V>60kgf・m/s なる領域では、上記円
筒ころ軸受1の運転に伴う上記各円筒ころ6の運動が安
定するので、これら各円筒ころ6の軸方向端面が、図1
0(B)に斜線で示す様に同心円状に摩耗する。但し、
同心円状に摩耗するにしても、Q・V>60kgf・m/s で
ある限り、摩耗量は多くなり、焼き付きが発生する可能
性もある。
域、即ち、S≧U+Cで、且つQ・V≦60kgf・m/s と
する事により、上記円筒ころ軸受1の運転に伴う上記各
円筒ころ6の運動を安定させ、且つ、摩耗を抑えて焼き
付きの危険性を低くするものである。この様な、2つの
条件(S≧U+C、Q・V≦60kgf・m/s )を何れも満
たす円筒ころ軸受1としては、例えば、転動面の直径
(外径)Dよりも軸方向寸法Lが小さい(L/D<
1)、所謂短寸ころを使用する事が考えられる。
実験に就いて説明する。実験は、図12(A)に示す様
な、転動面の直径(外径)Dと軸方向寸法Lと(D、L
に関しては図5参照)が等しい(L/D=1)、円筒こ
ろ6aとして所謂等長等径ころを使用し、本発明の範囲
からは外れた円筒ころ軸受1aと、図12(B)に示す
様な、転動面の直径(外径)Dよりも軸方向寸法Lが小
さい(L/D<1)、円筒ころ6bとして所謂短寸ころ
を使用し、本発明の範囲に含まれる円筒ころ軸受1bと
を使用して行なった。尚、使用した円筒ころ軸受1a、
1bは、呼び番号がN1014に準ずるもので、外径が
110mm、内径が70mm、幅が20mmである。又、円筒
ころの数は何れも18個とした。この様な各円筒ころ軸
受1a、1bを、それぞれ微量潤滑(オイルエア潤滑)
の下で内輪3を回転させ、焼き付きに至る回転数を測定
した。その結果を図13に示す。
11−6526号公報に記載されている如き浸炭窒化鋼
製の等長等径ころを使用した場合の、□印は、この浸炭
窒化鋼製の短寸ころを使用した場合の、それぞれ実験結
果を示している。この実験から明らかな様に、短寸ころ
を使用すれば、外輪温度上昇が小さく、耐焼付性が向上
する。
8の互いに対向する内側面を、これら両内側面同士の間
隔が直径方向外方に向かう程大きくなる方向に傾斜さ
せ、各円筒ころ6がスキューしてこれら各円筒ころ6の
端面外周縁部が上記各鍔8、8に当接した場合に、この
端面外周縁部が上記傾斜した内側面に当接する様にすれ
ば、油のくさび効果により摺接部に強固な油膜を形成す
る事が可能になる。この為、高速微量潤滑下でも、前述
した異常摩耗や焼き付きの発生をより有効に防止でき
る。
受(S≧U+C、且つ、Q・V≦60kgf・m/s なる条件
を満たす円筒ころ軸受)は、この円筒ころ軸受を構成す
る各部の寸法やこの円筒ころ軸受の運転条件等を、例え
ば、以下の様に規制する事により実施できる。 円筒ころの外径D(mm)×軸方向寸法L(mm) : φ9×9 円筒ころの軸方向両端面と両鍔の内側面との間 に存在する隙間の大きさ : 約0.04(mm) 内輪軌道又は外輪軌道からの鍔の高さh(図1) : 2.6(mm) 鉛直面に対する鍔(外開き)の内側面の傾斜角度 : 約40(分) 円筒ころのアンバランス(IU ) : 20(mg・mm2)以下 円筒ころの軸方向端面の直角度 : 0.003(mm)以下 円筒ころ軸受の運転条件 : 30000(r.p.m.)以下
通り構成され作用する為、円筒ころ端面並びに鍔内側面
の摩耗防止並びに焼き付き防止を図って、円筒ころ軸受
を組み込んだ各種機械装置の耐久性、信頼性を向上させ
る事ができる。
部分断面図。
イロモーメントを説明する為の模式図。
図。
ントがスキュー角を大きくしようとする向きに作用する
範囲を示すグラフ。
図。
筒ころのスキュー角の変動に伴って発生するモーメント
との関係を示すグラフ。
図。
図。
使用した円筒ころ軸受の2例を示す部分断面図。
結果を示すグラフ。
Claims (2)
- 【請求項1】 外周面に円筒形の内輪軌道を有する内輪
と、内周面に円筒形の外輪軌道を有する外輪と、上記内
輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個
の円筒ころと、上記内輪軌道と外輪軌道とのうちの一方
の軌道の両側に、これら各円筒ころの長さ寸法よりも僅
かに大きな間隔をあけて設けられた1対の鍔とを備え、
上記外輪を静止させ、上記内輪を回転させる状態で使用
される円筒ころ軸受に於いて、 上記各円筒ころの自転軸X回りの慣性モーメントをIX
とし、これら各円筒ころの中心点でこれら各円筒ころの
自転軸Xに対し直交するZ軸回りの慣性モーメントをI
Z とし、これら各円筒ころの公転角速度をωC とし、こ
れら各円筒ころの自転角速度をωB とし、これら各円筒
ころのスキュー角をψとし、これら各円筒ころが1回自
転する間のスキュー角の変動を△ψとし、これら各円筒
ころの動的不釣り合いにより発生する、これら各円筒こ
ろの中心点でこれら各円筒ころの自転軸に対し直交する
軸回りのモーメントをIU とした場合に、 S=IX ・ωC ・ωB ・ sinψ−(IX −IZ )・ωC 2
・ sinψ・ cosψ で表されるジャイロモーメントSを、 U=IU ・ωB 2 で表される、各円筒ころの動的不釣り合いにより発生す
る、上記Z軸回りのモーメントの最大値Uと、 C=IZ ・△ψ・ωB 2 で表される、各円筒ころがスキューする事によりこれら
各円筒ころの端面と上記各鍔の内側面とが摺接しつつこ
れら各円筒ころが自転する場合に、これら各円筒ころの
スキュー角の変動に伴って発生するモーメントの最大値
Cとの和以上とすると共に、上記各円筒ころがスキュー
してこれら各円筒ころの端面と上記各鍔の内側面とが摺
接した状態で、上記各モーメントS、U、Cに基づいて
摺接点でこれら各円筒ころの端面と上記各鍔の内側面と
を互いに押し付け合う方向に作用する力Qと、上記摺接
点での滑り速度Vとの積Q・Vを、60kgf・m/s 以下と
した事を特徴とする円筒ころ軸受。 - 【請求項2】 1対の鍔の互いに対向する内側面が、こ
れら両内側面同士の間隔がこれら各鍔の直径方向に関す
る先端側に向かう程大きくなる方向に傾斜しており、各
円筒ころがスキューしてこれら各円筒ころの端面外周縁
部が上記各鍔に当接した場合に、この端面外周縁部が上
記傾斜した内側面で且つ上記各鍔の先端縁よりも基端に
寄った部分に当接する、請求項1に記載した円筒ころ軸
受。
Priority Applications (2)
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GB0022159A GB2355770B (en) | 1999-09-13 | 2000-09-11 | Cylindrical roller bearing |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25835599A JP3289711B2 (ja) | 1999-09-13 | 1999-09-13 | 円筒ころ軸受 |
Publications (2)
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JP2001082464A JP2001082464A (ja) | 2001-03-27 |
JP3289711B2 true JP3289711B2 (ja) | 2002-06-10 |
Family
ID=17319090
Family Applications (1)
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JP25835599A Expired - Lifetime JP3289711B2 (ja) | 1999-09-13 | 1999-09-13 | 円筒ころ軸受 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3289711B2 (ja) |
GB (1) | GB2355770B (ja) |
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Publication number | Publication date |
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GB2355770A (en) | 2001-05-02 |
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