JP3223269U - 金箔代替品 - Google Patents
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Abstract
【課題】金箔より簡易に製造可能かつ安価で取り扱いも容易であるとともに、被装飾部材の表面に対して金箔と遜色のない意匠性を付与することが可能な金箔代替品を提供する。【解決手段】被装飾部材表面に貼着して使用されて金箔調表面を付与する金または金合金からなる金光輝層20を有するフィルムよりなり、金光輝層の上面側に上側プライマー層40を介してポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレンポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタラート、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の単独またはこれらの混合物からなる透明樹脂層30を有するとともに、金光輝層の下面側に下側プライマー層60を介してアクリル系粘着剤からなる接着層50を有し、接着層の下面側には使用時に剥離されるセパレータ層70が形成されている。【選択図】図1
Description
本考案は、金箔代替品に関する。
金箔は、金に微量の銀や銅等を加えた金合金が圧延機等で0.02〜0.03mm程度の厚さに延ばされた後、澄工程(上澄)と箔工程(箔打ち)とを経て厚さ約0.0001mmに延ばされて得られる。このようにして製造される金箔は、澄工程と箔工程とが異なる職人によって分業され、しかも各工程の作業手順が非常に多く、職人の手作業による高度な技術が必要であり、製造工程が極めて煩雑で製品も高価となる。
また、金箔は、工芸品、美術品、建築物等の表面の装飾材として使用されることが一般的である。これら工芸品等の被装飾部材に対する金箔の貼り付けは、手作業で行われる(例えば、特許文献1参照)。金箔の貼り付け作業は、被装飾部材の表面を清浄にし、その表面に接着剤を塗布して乾燥させた後、金箔を被装飾部材の表面に乗せて、金箔にしわ等が生じないようにしながら表面を押し付けて被装飾部材表面に接着させ、金箔表面にコーティングが施される。しかしながら、金箔は極めて薄く柔らかい材質であるため、破れやしわが発生しやすく取り扱いが困難である。そのため、手作業での金箔の貼り付けには高度な技術や時間等が必要であり、容易ではなかった。
そこで考案者は、被装飾部材の表面に対して金箔と遜色のない意匠性を付与することが可能でありながら、金箔より簡易に製造可能であり、安価で取り扱いも容易な金箔代替品を考案するに至った。
本考案は、前記の点に鑑みなされたものであって、金箔より簡易に製造可能かつ安価で取り扱いも容易であるとともに、被装飾部材の表面に対して金箔と遜色のない意匠性を付与することが可能な金箔代替品を提供するものである。
すなわち、請求項1の考案は、被装飾部材表面に貼着して使用されて金箔調表面を付与する金または金合金からなる金光輝層を有するフィルムよりなる金箔代替品であって、前記金光輝層の上面側に密着性及び保護性を有する上側プライマー層を介してポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレンポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタラート、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の単独またはこれらの混合物からなる厚さ10〜100μmの透明樹脂層を有するとともに、前記金光輝層の下面側に密着性及び保護性を有する下側プライマー層を介してアクリル系粘着剤からなる厚さ10〜100μmの接着層を有し、前記接着層の下面側には使用時に剥離される厚さ25〜75μmのセパレータ層が形成されていることを特徴とする金箔代替品に係る。
請求項2の考案は、前記上側プライマー層及び下側プライマー層が厚さ0.01〜1μmのポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、尿素−メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂の単独またはこれらの混合物からなる請求項1に記載の金箔代替品に係る。
請求項3の考案は、前記下側プライマー層と前記接着層との間にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタラートの単独またはこれらの混合物からなる厚さ25〜300μmの基材層が介在されている請求項1または2に記載の金箔代替品に係る。
請求項4の考案は、前記透明樹脂層の表面に、該表面を保護し平滑化する表面保護層が形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の金箔代替品に係る。
請求項5の考案は、前記透明樹脂層の表面に凹凸状の艶消面が形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の金箔代替品に係る。
請求項6の考案は、前記透明樹脂層が着色されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の金箔代替品に係る。
請求項1の考案に係る金箔代替品は、被装飾部材表面に貼着して使用されて金箔調表面を付与する金または金合金からなる金光輝層を有するフィルムよりなる金箔代替品であって、前記金光輝層の上面側に密着性及び保護性を有する上側プライマー層を介してポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレンポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタラート、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の単独またはこれらの混合物からなる厚さ10〜100μmの透明樹脂層を有するとともに、前記金光輝層の下面側に密着性及び保護性を有する下側プライマー層を介してアクリル系粘着剤からなる厚さ10〜100μmの接着層を有し、前記接着層の下面側には使用時に剥離される厚さ25〜75μmのセパレータ層が形成されているため、金箔と遜色ない外観を有しながら、金箔よりも簡便かつ安価に製造することができて汎用性にも優れるとともに、金箔と比較して取り扱いやすく被装飾部材への貼着の作業性が格段に向上し、保管等もしやすくなって製品としての利便性が高められる。
請求項2の考案に係る金箔代替品は、請求項1において、前記上側プライマー層及び下側プライマー層が厚さ0.01〜1μmのポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、尿素−メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂の単独またはこれらの混合物からなるため、十分な密着性が得られるとともに、透明樹脂層の膨潤を効果的に防止することができる。
請求項3の考案に係る金箔代替品は、請求項1または2において、前記下側プライマー層と前記接着層との間にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタラートの単独またはこれらの混合物からなる厚さ25〜300μmの基材層が介在されているため、強度が向上して破れにくくなるとともに、保形性が高められてより取り扱いやすくなる。
請求項4の考案に係る金箔代替品は、請求項1ないし3において、前記透明樹脂層の表面に、該表面を保護し平滑化する表面保護層が形成されているため、製造時、輸送時、保管時、被装飾部材への貼着時等において透明樹脂層の表面を保護するとともに、金箔調の光沢感をより向上させることができる。
請求項5の考案に係る金箔代替品は、請求項1ないし3において、前記透明樹脂層の表面に凹凸状の艶消面が形成されているため、よりリアルな金箔調の装飾が可能となるとともに、金箔調表面にさらに意匠性を付与することも可能となる。
請求項6の考案に係る金箔代替品は、請求項1ないし5において、前記透明樹脂層が着色されているため、実際の金箔の多様な色合いに対応する金箔調の色感を発現させることができる。
本考案は、図1〜4に示すように、被装飾部材表面に貼着して使用されて金箔調表面を付与する金箔代替品10であって、金光輝層20を有するフィルムよりなる。被装飾部材は、本来の金箔による装飾が行われる漆器や陶磁器等の工芸品、仏像や屏風等の美術品、神社仏閣等の建築物に加え、パーソナルコンピュータ、スマートホンの筐体やカバーケース、電化製品、ルームライト等の家電類、自動車のメッキ部品や樹脂部品等の自動車部品類等の各種製品が挙げられる。
図1は、第1実施形態に係る金箔代替品10Aである。金箔代替品10Aは、金光輝層20の上面側に上側プライマー層40を介して透明樹脂層30を有するとともに、金光輝層20の下面側に下側プライマー層60を介して接着層50を有し、接着層50の下面側にセパレータ層70が形成されている。
金光輝層20は、金箔調の色彩や光沢を発現させるための薄膜層であって、金または金合金からなる。金合金は、金を主体として、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、インジウム、ガリウム等のいずれか1つまたは複数で構成される合金である。金光輝層20を成膜する手法としては、公知の真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、マグネトロンスパッタリング法等の物理的成膜法が適宜選択される。金光輝層20の厚みは、価格や外観性等の観点から、0.03〜0.1μmであることが好ましい。金光輝層20が薄すぎると十分な金箔調の色彩が発現されないおそれがあり、厚すぎるとクラックが生じやすくなったりコスト面で不利となったりする等の問題がある。
透明樹脂層30は、表面を保護し耐候性を付与するとともに金光輝層20の金箔調の色彩を透過させる層である。透明樹脂層30は、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレンポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタラート、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の単独またはこれらの混合物からなる。
この透明樹脂層30は、透明樹脂フィルムまたはグラビアロールコーティング法等の公知の手法によって形成される。透明樹脂層30の厚みは、耐候性等の性能や価格等の観点から、10〜100μmとされる。透明樹脂層30が薄すぎると耐候性等の性能を十分に確保することが困難となり、厚すぎると価格的な観点から問題となる。要求される耐候性としては、金箔代替品10単品でのサンシャインウェザーメーター2000時間処理による色差のΔEが少なくとも3以内であることが好ましく、耐候性を向上させるために透明樹脂層30に公知の紫外線吸収剤を添加してもよい。また、必要に応じて、透明樹脂層30を着色してもよい。透明樹脂層30の着色は、顔料等の適宜の着色剤の添加、透明樹脂フィルムの着色コーティング等の適宜の着色方法によって行われる。
上側プライマー層40は、金光輝層20と透明樹脂層30との間に形成されて、両者の密着性及び保護性を高める層である。この上側プライマー層40は、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、尿素−メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂の単独またはこれらの混合物からなる。
上側プライマー層40は、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等の公知の手法によって金光輝層20の上面に塗布され、乾燥されて形成される。上側プライマー層40の厚みは、金光輝層20と透明樹脂層30との密着性が十分得られるならば特に限定されるものではなく、例えば0.01〜1μmが好ましい。上側プライマー層40が薄すぎると密着効果が得られず、厚すぎても密着しにくくなって価格的にも不利となる。
接着層50は、当該金箔代替品10の使用時に被装飾部材表面に貼着可能とするための層であって、アクリル系粘着剤からなる。接着層50は、グラビアロールコーティング法等の公知の手法によって形成される。接着層50の厚みは、接着強度や価格等の観点から、10〜100μmが好ましい。接着層50が薄すぎると満足な接着強度が得られず、厚すぎると価格的に不利となる。
下側プライマー層60は、金光輝層20と接着層50との間に形成されて、両者の密着性及び保護性を高める層である。この下側プライマー層60は、上側プライマー層40と同様に、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、尿素−メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂の単独またはこれらの混合物からなる。
下側プライマー層60は、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等の公知の手法によって金光輝層20の下面に塗布され、乾燥されて形成される。下側プライマー層60の厚みは、金光輝層20と接着層50との密着性が十分得られるならば特に限定されるものではなく、例えば0.01〜1μmが好ましい。下側プライマー層60が薄すぎると密着効果が得られず、厚すぎても密着しにくくなって価格的にも不利となる。
また、上側プライマー層40及び下側プライマー層60は、金光輝層20と透明樹脂層30や接着層50との密着性向上に加え、透明樹脂層30の保護性を有する。この種の積層体においては、接着層50に含まれる溶剤が金光輝層20を通過して透明樹脂層30に浸透することによって、膨潤が発生して透明樹脂層30が劣化するおそれがある。そのため、透明樹脂層30と接着層50との間に上側プライマー層40や下側プライマー層60を介在させることにより、接着層50の溶剤による透明樹脂層30の膨潤を効果的に防止することができる。
セパレータ層70は、接着層50の下面側に形成されて、当該金箔代替品10の未使用時(使用前)に接着層50の不用意な接触を防止するとともに、使用時に剥離されるフィルム層である。このセパレータ層70は、ポリエチレンテレフタラート(PET)等のポリエステル系、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系等の熱可塑性樹脂からなる。セパレータ層70の厚みは、保護性や価格的な観点から、厚さ25〜75μmがこのましい。セパレータ層70が薄すぎると接着層50を保護できなくなるおそれがあり、厚すぎると価格的に不利となる。
この金箔代替品10Aは、金光輝層20を有するフィルムからなり、表面の透明樹脂層30により金光輝層20の色彩や光沢が透過されるため、表面に金箔調の外観を発現させることができ、公知の製造装置等により極めて簡易に製造することができる。そのため、金箔と遜色ない外観を有しながら、金箔よりも簡便かつ安価に製造することが可能である。また特に、金箔代替品10Aは、大きなサイズの製品としても製造可能であることから、壁紙等の大型の装飾部材として用いることもできる。従って、家電類や自動車部品類等製品や、室内の壁面装飾等の一般的に金箔の装飾が行われない被装飾部材にも金箔調の装飾を施すことができ、金箔よりも格段に汎用性の高い製品を提供することが可能となる。
さらに、金箔が被装飾部材に接着剤を塗布して乾燥させてから貼り付け作業を行うのに対し、金箔代替品10Aは接着層50を備えているため、被装飾部材に対する接着剤の塗布及び乾燥作業を行わずに直接貼着することができる。しかも、金箔代替品10Aの表面が保護性に優れた透明樹脂層30で構成されるため、柔軟でありながら強度にも優れて破れにくくなるとともに、表面にしわ等も発生しにくくなる。特に、貼着時に熱を加える等により、被装飾部材の形状に対応させやすくなり、しわ等の発生をより抑制することができる。従って、金箔と比較して高度な技術がなくても簡単かつ的確に貼着することができて取り扱いやすくなり、被装飾部材への貼着の作業性が格段に向上する。
また、金箔代替品10Aでは、未使用時(使用前)に接着層50を保護するセパレータ層70を有するため、接着層50の接着力を保持することが可能となる。特に、セパレータ層70により、未使用時(使用前)の接着層50の不用意な接触を回避することができるため、保管等がしやすくなって製品としての利便性が高められる。
加えて、透明樹脂層30を着色することにより、透明樹脂層30を透過する金光輝層20の金箔調の色感を変化させることができる。例えば、一般的な金箔は、圧延しやすくするために金に銀や銅等が添加された金合金で構成され、その添加量に応じて赤金、白金色等の多様な色合いに形成される。透明樹脂層30の着色により実際の金箔の多様な色合いに対応する金箔調の色感を発現させることができ、よりリアルな金箔調の装飾が可能となる。
図2は、第2実施形態に係る金箔代替品10Bである。金箔代替品10Bは、下側プライマー層60と接着層50との間に基材層80が介在されている。なお、以下の説明において、図1の金箔代替品10Aと同一の符号は同一の構成を表すものとして説明を省略する。
基材層80は、当該金箔代替品10Bの強度を向上させるとともに、機械成形する際の支持体として機能するフィルム層である。基材層80は、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタラートの単独またはこれらの混合物からなる。基材層80の厚みは、強度や価格等の観点から、25〜300μmが好ましい。基材層80が薄すぎると十分な強度が得られないおそれがあり、厚すぎると当該金箔代替品10Bの柔軟性が低下してしわや折れ目等が発生しやすくなるとともに価格的にも不利となる。
金箔代替品10Bは、基材層80を有することにより、強度が向上して破れにくくなる。また、基材層80が各層の支持体として機能して保形性が高められる。そのため、貼着作業時により取り扱いやすくなって、作業性が向上する。
図3は、第3実施形態に係る金箔代替品10Cである。金箔代替品10Cは、透明樹脂層30の表面に表面保護層90が形成されている。表面保護層90は、製造時、輸送時、保管時、被装飾部材への貼着時等において、金箔代替品10Cの透明樹脂層30の表面を保護して損傷等を防止するとともに、透明樹脂層30の表面を平滑化するためのフィルム層である。表面保護層90は、ポリエチレンテレフタラート(PET)等のポリエステル系、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系等の熱可塑性樹脂からなる。表面保護層90の厚みは、保護性能や価格等の観点から、12〜75μmが好ましい。表面保護層90が薄すぎると十分な保護性能が得られず、厚すぎると価格的に不利となる。
また、表面保護層90は、製造時のキャリアフィルムとしても機能する。金箔代替品10Cの製造に際しては、表面保護層90の裏面側に、透明樹脂層30、上側プライマー層40、金光輝層20、下側プライマー層60、基材層80、接着層50、セパレータ層70の順に各層が形成される。表面保護層90は、金箔代替品10Cの使用時等において最終的には剥離除去される。
金箔代替品10Cは、表面保護層90により、製造時、輸送時、保管時、被装飾部材への貼着時等において透明樹脂層30の表面を保護することに加え、表面保護層90を剥離することによって透明樹脂層30の表面が平滑化されて平滑面が形成される。透明樹脂層30の平滑面により、光の反射率を向上させて透明樹脂層30を透過する金光輝層20の金箔調の光沢感をより向上させることができる。
図4は、第4実施形態に係る金箔代替品10Dである。金箔代替品10Dは、透明樹脂層30の表面に凹凸状の艶消面31が形成されている。艶消面31は、透明樹脂層30の表面において凹凸により光を拡散させて反射率を低下させ、艶消し効果を発現させる。この艶消面31は、凹凸面96を有する転写層95によって形成される。
転写層95は、下面側に凹凸面96が形成されたフィルム層であり、透明樹脂層30の表面に形成されて、剥離することによって透明樹脂層30表面に凹凸面96の凹凸形状を転写して艶消面31を形成するためのフィルム層である。転写層95は、表面保護層90も兼ねるものであって、ポリエチレンテレフタラート(PET)等のポリエステル系、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系等の熱可塑性樹脂からなる。転写層95の厚みは、表面保護層90と同様に12〜75μmが好ましい。
転写層95の凹凸面96は、適宜の無機物を練り込んで凹凸を形成する練り込み処理、砂等の異物を転写層95の下面に衝突させて凹凸を形成するサンドマット処理、転写層95の下面を化学的に処理して凹凸を形成するケミカルマット処理、転写層95の下面をヘアライン調の凹凸を形成した公知のヘアライン加工等の適宜の手法によって形成される。転写層95の凹凸面96により、透明樹脂層30の表面に凹凸面96の形状に応じた艶消面31を簡便に形成することができる。
金箔代替品10Dは、透明樹脂層30に艶消面31を形成したことにより、透明樹脂層30に艶消し効果を付与して、実際の金箔の質感に対応した金箔調の質感を再現することができ、よりリアルな金箔調の装飾が可能となる。特に、透明樹脂層30を着色すれば、赤金、白金色等の多様な金箔調の色感をよりリアルに再現することができる。また、艶消面31の凹凸形状をヘアライン調等とすれば、金箔調表面にさらに意匠性を付与することもできる。
本考案の金箔代替品は、被装飾部材表面に貼着して使用されて金箔調表面を付与する金光輝層を有するフィルムよりなるため、金箔と遜色ない外観を有しながら、金箔よりも簡便かつ安価に製造することができて汎用性にも優れ、金箔と比較して取り扱いやすく貼着の作業性が格段に向上し、保管等もしやすくなって製品としての利便性が高められる。従って、金箔の代替として有望である。
10,10A,10B,10C,10D 金箔代替品
20 金光輝層
30 透明樹脂層
31 艶消面
40 上側プライマー層
50 接着層
60 下側プライマー層
70 セパレータ層
80 基材層
90 表面保護層
95 転写層
96 凹凸面
20 金光輝層
30 透明樹脂層
31 艶消面
40 上側プライマー層
50 接着層
60 下側プライマー層
70 セパレータ層
80 基材層
90 表面保護層
95 転写層
96 凹凸面
Claims (6)
- 被装飾部材表面に貼着して使用されて金箔調表面を付与する金または金合金からなる金光輝層を有するフィルムよりなる金箔代替品であって、
前記金光輝層の上面側に密着性及び保護性を有する上側プライマー層を介してポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレンポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタラート、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の単独またはこれらの混合物からなる厚さ10〜100μmの透明樹脂層を有するとともに、
前記金光輝層の下面側に密着性及び保護性を有する下側プライマー層を介してアクリル系粘着剤からなる厚さ10〜100μmの接着層を有し、
前記接着層の下面側には使用時に剥離される厚さ25〜75μmのセパレータ層が形成されている
ことを特徴とする金箔代替品。 - 前記上側プライマー層及び下側プライマー層が厚さ0.01〜1μmのポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、尿素−メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂の単独またはこれらの混合物からなる請求項1に記載の金箔代替品。
- 前記下側プライマー層と前記接着層との間にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタラートの単独またはこれらの混合物からなる厚さ25〜300μmの基材層が介在されている請求項1または2に記載の金箔代替品。
- 前記透明樹脂層の表面に、該表面を保護し平滑化する表面保護層が形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の金箔代替品。
- 前記透明樹脂層の表面に凹凸状の艶消面が形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の金箔代替品。
- 前記透明樹脂層が着色されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の金箔代替品。
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