JP3673061B2 - Pvc鋼板用アルミ蒸着ラミネートフィルム - Google Patents
Pvc鋼板用アルミ蒸着ラミネートフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP3673061B2 JP3673061B2 JP20542597A JP20542597A JP3673061B2 JP 3673061 B2 JP3673061 B2 JP 3673061B2 JP 20542597 A JP20542597 A JP 20542597A JP 20542597 A JP20542597 A JP 20542597A JP 3673061 B2 JP3673061 B2 JP 3673061B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aluminum vapor
- film
- vapor deposition
- steel sheet
- deposited
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、PVC鋼板について、その表面に耐沸騰水性に優れた透明もしくは不透明のプラスチック蒸着シートをラミネートし装飾PVC鋼板を製造するためのPVC鋼板用蒸着アルミラミネートフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鋼板にPVCシートをドライラミネートしPVC鋼板を製造することは一般に行われていた。しかし、PVC鋼板の表面にアルミ金属光沢を有する装飾を施すことはPVCシートの耐熱性に問題があり困難であった。そこでアルミ蒸着加工を施したフィルムをPVCシートにラミネートする方法が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来PVC鋼板の表面にアルミ金属光沢を施す際にラミネートされていたアルミ蒸着加工フィルムでは、鋼版用途に必要な耐沸騰水性(沸騰水中に2時間浸漬)においてアルミ蒸着膜が酸化し金属光沢が消失するという問題があり、実用化が困難であった。そこでこの問題点を解決するために、透明または不透明の基材プラスチックフィルム(A)の片面にアルミ蒸着層を設け、該アルミ蒸着面と透明または不透明な基材プラスチックフィルム(B)をドライラミネートしたことを特徴とする耐沸騰水性に優れたPVC鋼板用アルミ蒸着ラミネートフィルムを提供するものである。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】
上記課題を解決するため、本願発明の請求項1に記載の発明は、片面にアルミ蒸着層を設けたアルミ蒸着加工プラスチックフィルム(A)における前記アルミ蒸着層を設けた側の面であるアルミ蒸着面と、プラスチックフィルム(B)と、をドライラミネートしたフィルムにおいて、前記アルミ蒸着加工プラスチックフィルム(A)における前記アルミ蒸着面とは反対側の面に着色層を設けてなり、前記着色層の表面にシリコン樹脂を塗布することによりシリコン樹脂層を設けてなること、を特徴とする。
また、本願発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のPVC鋼板アルミ蒸着ラミネートフィルムにおいて、前記シリコン樹脂が、その塗布により形成される前記シリコン樹脂層の最表面である空気層界面においてポリシロキサン結合が梯子形に規則的に形成される架橋型アクリルシリコン樹脂であること、を特徴とする。
そして本発明の(透明または不透明の)プラスチックフィルム(A)としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩化ビニル、ポリプロピレン等があるが、アルミ蒸着加工適性があり、密着力が優れており、また鋼板加工時の熱耐性があり、機械的強度に優れたポリエチレンテレフタレートフィルムが最も効果的であり、25〜50μmの範囲から選択して使用するのが好ましい。
【0005】
ポリエチレンテレフタレートフィルムへ蒸着されるアルミ膜厚は一般に10〜50nmの範囲が好ましく、10nm以下では金属光沢が得られにくく、50nm以上では極めて優れた金属光沢は得られるものの、経済的に問題である。アルミ蒸着膜形成方式としては、一般には真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法が有効である。
基材(A)であるポリエチレンテレフタレートフィルムにアルミ蒸着したアルミ蒸着加工フィルムと透明または不透明な基材プラスチックフィルム(B)をドライラミネートする際の接着剤としては、耐沸騰水性に優れたドライラミネート接着剤が必要であり、種々検討した結果、芳香族系ポリエーテルウレタン、芳香族ポリエステル、脂肪族系ポリエステルとポリイソシアネート硬化剤を配合した接着剤が効果的であった。ドライラミネート接着剤の厚みとしては、1〜6μmの範囲がラミネート界面の密着力を得るためには好ましく、塗布方式としては、リバースロールコーティング、ナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、カーテンロールコーティング等のコーティング方式により塗布形成することができる。透明または不透明の基材プラスチックフィルム(B)としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル、アクリロニトリルーブタジエン−スチレン共重合体、塩化ビニル、ポリプロピレン等から選択して使用できるが、ポリエチレンテレフタレートの12〜25μm厚みのものを用いるのがドライラミネート密着性を得るために好ましい。
【0006】
アルミ蒸着した基材プラスチックフィルム(A)であるポリエチレンテレフタレートフィルムのアルミ蒸着加工面の反対面に施す着色層は、ポリエチレンテレフタレートフィルムの保護と加色のために形成されるものである。着色層としては、ポリエチレンテレフタレートフィルムと密着性の良い材料でなければならずポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂または熱硬化樹脂と必要に応じて無機顔料、有機顔料及び染料等の組み合わせにより選択使用できる。着色層の乾燥塗布厚みとしては、0.5〜10μmの範囲が好ましく、塗布方法は、リバースロールコーティング、ナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、カーテンロールコーティング等のコーティング方式により塗布形成することができる。
【0007】
更にこのように形成した着色層表面に塗布形成することによってシリコン樹脂層を設けるのであるが、これに用いるシリコン樹脂は耐汚染性、耐擦傷性に優れたものであり、また塗布後には、形成されたシリコン樹脂層の最表面である空気層界面にポリシロキサン結合が梯子形に規則的に形成されるようなものであること、が望ましいく、具体的には架橋型アクリルシリコン樹脂(製品名昭和電工(株)製 LS−230)で有ることが好ましい。
この架橋型アクリルシリコン樹脂は塗布後、着色層面側にアクリル樹脂が配列する性質があるため、着色層との密着性が極めて向上するのが特徴である。この架橋型アクリルシリコン樹脂の硬化剤としては、耐光性に優れた無黄変型の脂肪族系ポリイソシアネート(製品名 住友バイエルウレタン(株)製 スミジュールN−3500)やブチル化メラミン(製品名 三井東圧(株)製 ユーバン2061)が効果的である。
この架橋型アクリルシリコン樹脂の効果としては、耐汚染性、耐擦傷性に優れているばかりか、耐撥水性に優れており、本発明の効果である耐沸騰水性を相乗的に向上させることが可能である。
以上説明した架橋型アクリルシリコン樹脂を塗布することにより、架橋型アクリルシリコン樹脂層が形成される。
【0008】
この架橋型アクリルシリコン樹脂層は乾燥塗布厚みにおいて、1〜10μm形成することが好ましく、1μm以下では効果が少なく、塗布厚みが厚くなるほど効果が増すが、10μm以上では効果の増大が認められにくく、10μm以上の厚みは不必要である。塗布方式としては、リバースロールコーティング、ナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、カーテンロールコーティング等のコーティング方式により塗布形成することができる。
このようにして作製したPVC鋼板用アルミ蒸着ラミネートフィルムを用いてPVCシートにドライラミネート接着剤にてラミネートをし、その後鋼板に更にラミネートをしたところ、極めて耐沸騰水性、耐汚染性、耐擦傷性に優れたアルミ蒸着フィルムをラミネートした装飾PVC鋼板を製造することができた。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例を用いて説明する。
【0010】
【実施例1】
25μm厚みのヘアーライン加工ポリエチレンテレフタレートフィルムの平滑面にアルミを真空蒸着法にて約40nm蒸着し、反対面であるヘアーライン加工面に有機顔料(チバガイギー(株)製 マイクロリス)を分散配合した二液アクリルウレタン樹脂塗膜を乾燥膜厚1μmグラビアコーティングにより形成した。更にこの着色層上に架橋型アクリルシリコン樹脂及びポリイソシアネート硬化剤を配合、グラビアコーティングにより塗布し、乾燥硬化後、乾燥膜厚2μmの塗膜を形成した。このようにして作製したフィルムのアルミ蒸着面と12μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムをポリエステルウレタン系ドライラミネート接着剤約4μmでラミネートし、本発明のPVC鋼板用アルミ蒸着ラミネートフィルムを作製した。
こうして作製したPVC鋼板用アルミ蒸着ラミネートフィルムをPVCにドライラミネート後、鋼板に貼り合わせたところ、極めて耐沸騰水性、耐汚染性、耐擦傷性の優れた装飾PVC鋼板を製造することができた。
【0011】
【実施例2】
25μm厚みのマット加工ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にアルミを真空蒸着法にて約30nm蒸着し、反対面に有機顔料(チバガイギー(株)製 マイクロリス)を分散配合したポリエステル系樹脂塗膜を乾燥膜厚1.5μmグラビアコーティングにより形成した。更にこの着色層上に架橋型アクリルシリコン樹脂及びポリイソシアネート硬化剤を配合、リバースコーティングにより塗布し、乾燥硬化後、乾燥膜厚5μmの塗膜を形成した。
このようにして作製したフィルムのアルミ蒸着面と12μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムをポリエステルウレタン系ドライラミネート接着剤約5μmでラミネートし、本発明のPVC鋼板用アルミ蒸着ラミネートフィルムを作製した。
こうして作製したPVC鋼板用アルミ蒸着ラミネートフィルムをPVCにドライラミネート後、鋼板に貼り合わせたところ、極めて耐沸騰水性、耐汚染性、耐擦傷性の優れた装飾PVC鋼板を製造することができた。
【0012】
【発明の効果】
本発明は、透明または不透明の基材プラスチックフィルム(A)の片面にアルミ蒸着層を設け、該アルミ蒸着面上に基材プラスチックフィルム(B)を耐沸騰水性に優れたドライラミネート接着剤によりドライラミネートし、更には、該基材のアルミ蒸着加工面の反対面に着色層を設け、ついで該着色層面に架橋型アクリルシリコン樹脂を塗布したことを特徴とすることにより、耐沸騰水性、耐汚染性、耐擦傷性、に優れたPVC鋼板用アルミ蒸着ラミネートフィルムを作製することができた。
Claims (2)
- 片面にアルミ蒸着層を設けたアルミ蒸着加工プラスチックフィルム(A)における前記アルミ蒸着層を設けた側の面であるアルミ蒸着面と、プラスチックフィルム(B)と、をドライラミネートしたフィルムにおいて、
前記アルミ蒸着加工プラスチックフィルム(A)における前記アルミ蒸着面とは反対側の面に着色層を設けてなり、
前記着色層の表面にシリコン樹脂を塗布することによりシリコン樹脂層を設けてなること、
を特徴とする、PVC鋼板用アルミ蒸着ラミネートフィルム。 - 請求項1に記載のPVC鋼板アルミ蒸着ラミネートフィルムにおいて、
前記シリコン樹脂が、その塗布により形成される前記シリコン樹脂層の最表面である空気層界面においてポリシロキサン結合が梯子形に規則的に形成される架橋型アクリルシリコン樹脂であること、
を特徴とする、PVC鋼板用アルミ蒸着ラミネートフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20542597A JP3673061B2 (ja) | 1997-07-15 | 1997-07-15 | Pvc鋼板用アルミ蒸着ラミネートフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20542597A JP3673061B2 (ja) | 1997-07-15 | 1997-07-15 | Pvc鋼板用アルミ蒸着ラミネートフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1134223A JPH1134223A (ja) | 1999-02-09 |
JP3673061B2 true JP3673061B2 (ja) | 2005-07-20 |
Family
ID=16506646
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20542597A Expired - Fee Related JP3673061B2 (ja) | 1997-07-15 | 1997-07-15 | Pvc鋼板用アルミ蒸着ラミネートフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3673061B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4714974B2 (ja) * | 2000-09-07 | 2011-07-06 | Jfeスチール株式会社 | フィルムラミネート鋼板 |
-
1997
- 1997-07-15 JP JP20542597A patent/JP3673061B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1134223A (ja) | 1999-02-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4885363B2 (ja) | 光沢金属化ラミネートフィルム | |
JP6709018B2 (ja) | 加飾フィルム及びそれと一体化した物品 | |
CA2084716A1 (en) | Exterior Automotive Laminate with Pressure-Sensitive Adhesive | |
JP3633367B2 (ja) | 化粧シート | |
WO2019043542A1 (en) | DECORATIVE SHEET, STRUCTURE COMPRISING A DECORATIVE SHEET AND METHOD FOR PRODUCING A DECORATIVE SHEET | |
JP3673061B2 (ja) | Pvc鋼板用アルミ蒸着ラミネートフィルム | |
JP2001001444A (ja) | 金属調化粧板および金属調化粧シート | |
JP2004299384A (ja) | 保護シート付き加飾シートおよび加飾成形品の製造方法 | |
JP3959825B2 (ja) | 化粧シート | |
JP4616634B2 (ja) | 化粧金属板 | |
JP2004284119A (ja) | ステンレス調化粧シート及び化粧材 | |
JP3704421B2 (ja) | Pvc鋼板用耐食性金属蒸着フィルム | |
JP3960021B2 (ja) | 転写シート | |
JP3089656B2 (ja) | 金属化粧板の製造方法 | |
JP3977520B2 (ja) | 積層体 | |
JPH0624199A (ja) | 多彩な輝きをもった化粧材 | |
JPS5919834B2 (ja) | 転写箔基材 | |
JPS59123656A (ja) | 模様付きアルミニユウム材 | |
JP2004174881A (ja) | 光輝性積層フィルム及び光輝性成形品 | |
JPH06238842A (ja) | 新規なる表面硬度改質板とその製法 | |
JP2003154795A (ja) | 転写シート | |
JPH0976448A (ja) | 化粧シート及びその製造方法 | |
JPH11147396A (ja) | 転写シート | |
JPH031998A (ja) | 転写箔及びその製造方法 | |
KR102056353B1 (ko) | 장식시트 및 이의 제조방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040729 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040810 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040922 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050412 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050421 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120428 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |