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JP3154477B2 - 微粒子集合体エマルション及びその製造方法 - Google Patents

微粒子集合体エマルション及びその製造方法

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JP3154477B2
JP3154477B2 JP12044089A JP12044089A JP3154477B2 JP 3154477 B2 JP3154477 B2 JP 3154477B2 JP 12044089 A JP12044089 A JP 12044089A JP 12044089 A JP12044089 A JP 12044089A JP 3154477 B2 JP3154477 B2 JP 3154477B2
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emulsion
weight
copolymer
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parts
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JP12044089A
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太 星野
誠 中野
壯 柳原
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塗料、紙コーティング、情報記録紙等に用
いられるコーティング剤の添加剤として有用な微粒子集
合体エマルション及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、有機顔料性物質を目的としてコーティング剤の
添加剤として、様々な粒子状高分子体が検討されてい
る。
もっとも一般的に使用されているものは、粒子径が0.
2〜0.5μの均一な密実型の乳化重合ポリスチレン粒子で
ある。例えば、特開昭59−59741に記載されている方法
では、アニオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面
活性剤の存在下に不飽和カルボン酸及びビニル系単量体
を共重合させ、粒子の90%以上が0.20〜0.28μの粒子径
を有する共重合体エマルションを製造し、紙被覆又は塗
料等の用途に使用する例が例示されている。この方法に
よる有機顔料は、粒子内部も均一なため、十分な隠弊性
や白色度が得られず多量に用いなければ実用上利点が認
められない。
近年、更に隠弊性、白色度を向上させる目的から、上
記の様な均一、密実型から、小孔を有する有機顔料が提
案されている(アメリカ特許第3152280号)。すなわ
ち、芯粒子としてカルボン酸単量体を少なくとも5%共
重合させた重合体分散液に、さや重合体を形成するモノ
エチレン的不飽和さや単量体少なくとも1種類を添加
し、乳化重合したエマルションを、水性揮発性塩基にて
芯重合体を中和膨潤することによって微小空隙を形成す
る水性分散液の製造方法である。
この方法による有機顔料を塗料又は紙被覆用組成物に
用いた場合、均一、密実型の有機顔料よりは隠弊力、白
色度は改良されるものの使用方法により小孔がこわれ、
本来目的とした隠弊力、白色度が損なわれるという欠点
がある。小孔が損なわれる原因としては、凍結による破
壊、塗料配合に用いられるある種の溶剤による破壊、或
いは加熱による破壊で、配合上、或いは使用上制限され
た形でしか使用できない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、塗料、紙コーティング情報記録紙等に用い
た場合、隠弊力、白色度、光沢等の物性を満足すると同
時に、配合時或いは使用時の制限が少なく、安定して使
用できる微粒子集合体エマルションを提供することを第
一の目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、1粒子中に2成分の異種重合体が不均
一に存在する粒子状重合体で、かつそのうちの1種が粒
子中に微粒子の集合体として存在する粒子形状が優れた
有機顔料としての適性を有することを見出し、本発明に
至った。
すなわち、本発明は、不飽和カルボン酸1〜50重量%
及びこれと共重合可能なビニル系単量体(但し、含フッ
素樹脂を除く)99〜50重量%からなる少なくともその一
部が中和された共重合体(a)0.5〜90重量部と、共重
合体(a)と重合成分及び/又はその成分比が異なる組
成のビニル系単量体を重合してなる異種重合体(b)9
9.5〜10重量部が混在してなる微粒子集合体エマルショ
ンであって、共重合体(b)はその径が0.05〜0.5μm
の粒子として存在し、且つ集合体粒子の粒子径が0.2〜
3.0μmである微粒子集合体エマルションである。
このような構造をもった粒子エマルションは、第1段
階として不飽和カルボン酸1〜50重量%及びこれと共重
合可能なビニル系単量体(但し、含フッ素樹脂を除く)
99〜50重量%を乳化重合し、ついでこの共重合体エマル
ション中のカルボン酸に対して0.3〜3.0モル当量のアル
カリ性物質で中和し、第2段階として上記中和エマルシ
ョンを種粒子として、共重合体(a)と重合成分及び/
又はその成分比が異なる組成のビニル系単量体を該中和
エマルションの固形分0.5〜90重量部に対して、99.5〜1
0重量部を加えて乳化重合することにより得られる。
この中和に際し、不飽和カルボン酸共重合体は、アル
カリにより膨潤することが必要で、粒子の膨潤下に、必
要により架橋性単量体を含む(a)とは異なるビニル系
単量体を加えて乳化重合してはじめて微粒子の集合体で
ある粒子が得られる。
本発明で用いられる不飽和カルボン酸は例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和一塩基
酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などの不飽和二
塩基酸又はこれらのモノエステル類から選択された1種
又は2種以上で、特にアクリル酸、メタアクリル酸が好
ましい。
これら不飽和カルボン酸の使用量は共重合体(a)中
の全単量体成分中1〜50重量部で、好ましくは2〜20重
量部、より好ましくは5〜15重量部である。1重量部未
満ではアルカリによるエマルション粒子の膨潤が少な
く、微粒子の集合体である粒子が得られず、50重量部を
超えると耐水性、耐アルカリ性が不良となる。
共重合体(a)の重合体組成となる不飽和カルボン酸
と共重合可能なビニル系単量体とは、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニ
ル化合物、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)
アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、ピロピオン酸ビニ
ルなどのビニルエステル類、(メタ)アクリロニトリル
のごときビニルシアン化合物、塩化ビニル、塩化ビニリ
デンの如きハロゲン化ビニル化合物などが用いられる。
又、官能基単量体として、不飽和カルボン酸以外に必要
に応じて(メタ)アクリルアミドもしくはN−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートな
どが使用される。
共重合体(a)は中和時に全体が膨潤する必要があ
る。このことより共重合体(a)のガラス転移温度が90
℃以下、特に70℃以下となるように上記単量体を選択、
組み合わせるのが好ましい。
又、アルカリ中和によるエマルション粒子の膨潤度の
調整のため、必要に応じて後述する架橋性単量体を共重
合することができる。この架橋性単量体の使用量は20重
量部以下で、好ましくは10重量部以下であり、不飽和カ
ルボン酸の種類、使用量、ビニル系単量体の種類などに
よって適切な使用量が異なる。
エマルション粒子の膨潤化に用いられるアルカリ性物
質の種類としては、水酸化カリウム、ナトリウム、カル
シウム、珪酸ソーダ等の如き無機アルカリ性物質や、ア
ンモニアの如き揮発性アルカリ性物質、ジメチルエタノ
ールアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミ
ン、モルホリンの如き有機アルカリ性物質を用いること
ができる。
中和度は重合に用いた不飽和カルボン酸に対して、0.
3〜3.0モル当量が好ましく、より好ましくは0.5〜2.0モ
ル当量である。0.3モル当量未満ではアルカリ性物質で
の膨潤度が少なく、目的とする粒子が得られない。又、
3.0モル当量を超えると、できあがった有機顔料のpHが
高すぎ、耐水性等が不良となり実用的ではない。
種粒子となる共重合体(a)の作成は通常の乳化重合
法により行われる。用いられる界面活性剤としては、ア
ニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が単独又は
組み合わせて使用される。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベ
ンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウ
ム、ジアルキルスルフォンコハク酸ナトリウム、ナフタ
レンスルフォン酸ホルマリン縮合物などがあげられる。
又、ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェノールエーテル、エチレンオキシド−プロピレ
ンオキサイドブロック共重合体、ソルビタン脂肪酸エス
テル等があげられる。
界面活性剤の使用量は特に限定されないが、通常総単
量体100重量部に対して0.1〜10重量部位である。
重合開始剤としては、通常の乳化重合に用いられてい
るものであれば良く、例えば、過硫酸カリウム、ナトリ
ウム、アンモニウムなどの過硫酸塩や、ベンゾイルハイ
ドロパーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソ
ブチロニトリルの如きアゾ化合物などである。必要に応
じて還元剤と組み合わせてレドックス系開始剤として使
用することもできる。
種粒子を生成するに当たっては、前記の重合開始剤、
界面活性剤の存在下に各種の単量体を一括、分割、或い
は連続的に滴下して重合を行う。その際重合は、通常窒
素パージ下に重合温度20〜90℃で行われる。
この様にして得られた共重合体エマルションを前述の
アルカリ性物質で中和し、第2段階として中和エマルシ
ョンを種粒子として共重合体(a)と異なる組成の必要
により架橋性単量体を含むビニル系単量体を加え、乳化
重合することにより1粒子内に異種重合体(b)粒子が
集合した集合体エマルションを得る。この際、種粒子と
して使用する共重合体(a)は0.5〜90重量部、好まし
くは1〜60重量部、より好ましくは3〜40重量部であ
る。0.5重量部以下では第2段階として共重合体(a)
と異なる組成のビニール単量体を加えて乳化重合する
際、種粒子とは別に新粒子が発生し易くなり、本発明の
目的となる粒子形状が得られない。
また、90重量部以上では、目的とする微粒子集合体内
の異種重合体(b)の粒子径が小さくなり、実質的に、
本発明の目的の粒子は得られない。
必要に応じて用いられる架橋性単量体としては、重合
性不飽和結合を一分子中に2個以上保有する単量体で、
例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタ
クリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレ
ングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート等
である。
上記架橋性単量体を使用する場合は、ビニル系単量体
に対して20重量部以下、好ましくは10重量部以下であ
る。架橋性単量体を用いることにより耐ブロッキング
性、耐熱性、耐溶剤性が改良されるが、20重量部を超え
ると重合がうまくいかず、多量の凝集物が生成する。
ビニル系単量体とは、例えばスチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル
酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの
ビニルエステル類、(メタ)アクリロニトリルなどのビ
ニルシアン化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデンの如き
ハロゲン化ビニル化合物、ブタジエンなどの共役ジエン
化合物などである。
又、エマルションの機械的安定性、混和性など種々の
安定性付与の目的から官能基単量体として、共重合体
(a)で用いられた不飽和カルボン酸の他に(メタ)ア
クリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレートなど通常の乳化重合に用いら
れる官能基単量体が1種又は組み合わせて使用される。
第2段階に用いられる上記単量体の組み合わせにより
得られる異種重合体(b)のガラス転移点は50℃以上が
好ましく、より好ましくは70℃以上である。この様な意
味からスチレン、メタクリル酸メチル、アクリロニトリ
ル単独或いは他の単量体と組み合わせて用いるのが好ま
しい。
不飽和カルボン酸を共重合した共重合体(a)と必要
により架橋性単量体を含む異種重合体(b)の組成は異
なる組成である必要があり、同一組成では目的の粒子構
造のものが得られず、有機顔料として用いたとき白色
度、隠弊力等が十分得られない。好ましい組成として
は、不飽和カルボン酸共重合体(a)と必要により架橋
性単量体を含む異種重合体(b)との屈折率が異なって
いること、又、重合体間の相溶性が不良なもので、相分
離しやすいものが好ましい。
第2段階の重合方法としては、第1段階の不飽和カル
ボン酸を共重合した共重合体エマルションをアルカリ性
物質で中和膨潤後、必要により架橋性単量体を含むビニ
ル系単量体をそのまま、又は乳化して引き続いて一括も
しくは分割もしくは連続的に添加することにより得られ
る。その際新粒子が生成しない様な重合条件を選択する
必要がある。
この様にして得られた粒子状重合体は、不飽和カルボ
ン酸及びこれと共重合可能なビニル系単量体からなる共
重合体(a)と、これと異なる組成の必要により架橋性
単量体を含む異種重合体(b)からなり、(a)、
(b)が1粒子中に不均一に存在し、(a)、(b)の
混在する粒子の粒子径が0.2〜3.0μで、かつ粒子内の異
種重合体(b)の粒子径が0.05〜0.5μの微粒子の集合
体である。
(a)、(b)の混在する粒子の粒子径が02μ未満で
は十分な隠弊力、白色度が得られず、3.0μを超えると
隠弊力、白色度の他に光沢、印刷光沢が不十分となる。
又、粒子内の異種重合体(b)の粒子径が0.05μ未満で
は隠弊力、白色度が不十分であり、0.5μを超えると微
粒子の集合体が安定に得られない。
粒子中の異種重合体(b)の粒子径は共重合体(a)
からなる種粒子中のカルボン酸量およびその中和度、ま
た重合時の開始剤量、異種重合体(b)の架橋度等によ
ってコントロールできる。例えば、種粒子中のカルボン
酸量を少なくすれば異種重合体(b)の粒子径は大きく
なる。また集合体粒子自体は種粒子の粒子径及び種粒子
の量を変えることにり容易にコントロールできる。
また共重合体(a)の存在形態には特に制限はない。
例えば共重合体(a)の量が異種重合体(b)に比較し
て多い場合は共重合体(a)は連続層として存在し、該
連続相の中に異種重合体(b)が粒子として存在する。
共重合体(a)の量が異種重合体(b)に比較して少な
い場合は異種重合体(b)の粒子の間に介在しており、
好ましい形態である。
このようにして得られた微粒子集合体エマルション
は、従来の相分離による金平糖状粒子の作成方法(例え
ば高分子論文集,33,575(1976)とは異なり、金平糖状
エマルションが粒子表面或いは表面近傍で重合し、金平
糖になっているものとは大巾に異なり、粒子全体が微粒
子の集合体であるという特徴を有する。
又、微粒子の集合体にする方法として、反対電荷を有
する粒子同士のブレンド、塩析法等の2次凝集法による
凝集体エマルションを作成する方法が知られている。し
かしながら、この方法では粒径分布が広く均一な凝集体
にすることは困難である。本方法の微粒子集合体エマル
ションは、重合方法の特徴から粒径分布が狭く、シャー
プであるという特徴を有する。
〔実施例〕
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
尚、部及び%は全て重量部或いは重量%を示す。
実施例1 攪拌機、温度計、還流コンデンサー付のセパラブルフ
ラスコに、第1段階として水100部、ラウリル硫酸ナト
リウム0.05部を仕込み、攪拌下に窒素置換しながら70℃
迄昇温する。内温を70℃に保ち重合開始剤として過硫酸
カリウム0.8部添加し、溶解したことを確認してメタク
リル酸メチル4部、アクリル酸ブチル4部、メタクリル
酸2部の混合単量体を仕込み2時間反応させた。
反応終了後、得られた共重合体エマルションに28%ア
ンモニア水を1.6部(約1.1モル当量)加え、良く攪拌し
て中和膨潤させ種粒子とする。
別に水50部、ラウリル硫酸ナトリウム0.5部にスチレ
ン85部、ジビニルベンゼン5部を加えてよく攪拌し、第
2段階の単量体乳化物を作成しておく。第2段階として
前述の中和膨潤させた種粒子に、このビニル単量体乳化
物を連続的に4時間かけて注入し反応を行い、注入後3
時間の熟成を行う。
得られたエマルションは固形分約40%、粘度65cps(B
M型粘度計ローターNo.1、回転数60rpm、温度25℃)、pH
8.5であった。粒子径は電子顕微鏡にて測定したとこ
ろ、平均粒子径0.9μで微粒子集合体の(b)成分の粒
子径は0.1〜0.3μであった。
実施例2〜7 界面活性剤量、中和度、アルカリ性物質の違い、共重
合体(a)/異種重合体(b)比、単量体組成、架橋性
単量体、官能基単量体をかえて、表−1に示す組成にて
実施例1の方法により重合を行い、微粒子集合体エマル
ションを得た。
比較例1 第1段階として、実施例1に示すビニル単量体組成と
全く同一組成で重合を行い共重合体エマルションを得
た。アルカリ性物質での中和膨潤は行わない未中和の状
態のものをそのまま種粒子として用い、第2段階の単量
体組成を実施例1と全く同一組成のものを同一の方法で
添加して重合を行った。
得られたエマルションは、pHが2.2、固形分約40%、
粘度10cpsで平均粒子径は0.9μであったが、実施例1に
みられる様な微粒子の集合体ではなく、表面に凹凸を有
する金平糖状の粒子であった。
比較例2〜4 実施例1の不飽和カルボン酸単量体を全く使用しない
ものを比較例2とし、実施例6の第1段階単量体組成比
で第2段階の反応を行い、全く同一組成で重合したもの
を比較例3とし、又、実施例1と全く同一方法で粒径を
細かくするため、第1段階のラウリル硫酸ナトリウムの
量を大巾に増加させたものを比較例4とした。表−1に
比較例2〜4の組成を示す。
応用例1(塗料用としての応用) 実施例1〜7並びに比較例1〜4の微粒子集合体エマ
ルションを、有機顔料としてルチル型2酸化チタンの一
部におきかえて塗料配合を行った。尚、その際塗料用ビ
ヒクルとして、樹脂固形分45%のアクリルエマルション
マルマテックスE−208を用いた。
塗料配合は以下のとうりである。
水 45.0部 25%タモール731水溶液(分散剤) 12.2 〔ロームアンドハース(株)製〕 エチレングリコール 40.0 2−アミノ2−メチルプロパノール 3.0 ノプコDF−122NS(消泡剤) 0.8 〔サンノプコ(株)製〕 ルチル型2酸化チタン 164.5 微粒子集合体エマルション(40%) 102.8 アルマテックスE−208 676.0 〔三井東圧化学(株)製〕 エチレングリコールモノブチルエーテル1部とCS−12
〔チッソ(株)〕 40.0 (造膜助剤)2部の混合溶剤 ヒドロキシエチルセルローズ1部とプロピレングリコ
ール10混合液 12.4 塗料固形分 46.9% 塗料固形分中の顔料重量% 40.0% 塗料粘度 70〜80KU 塗料の調整は、水、タモール731、エチレングリコー
ル、2−アミノ2−メチルプロパノール、ノプコDF−12
2NS、ルチル型2酸化チタンを顔料分散機で十分分散
後、実施例、比較例で製造した微粒子集合エマルション
及びアルマテックスE−208、ブチルセロソルブ/テキ
サノール、ヒドロキシエチルセルローズ/プロピレング
リコールを加え攪拌し、ストーマ粘度計で70〜80KUにな
るよう塗料を調整した。
得られた塗料をスレート板に乾燥膜厚が約40μになる
様塗布し、常温乾燥1週間後に性能評価を行った。
尚、隠弊率は日本テストパネル工業(株)製隠弊率試
験紙を用いて、アプリケーターで乾燥膜厚が75μになる
様塗布し、1週間後常温乾燥後、45゜/0゜の反射率の比
より計算した。
表−2にその結果を示す。
測定方法 光沢 須賀試験機(株)製光沢計にて60゜の角度に
て測定。
隠弊力 JIS−K−5663に準じて測定。
耐水性 JIS−K−5663に準じて測定し、フクレ、白
化など異常ないものを○と判定。
耐アルカリ性 同上 耐候性 ウェザーメーターにて500時間照射後のフク
レ、白化、光沢低下など異常なきものを○と判定。
耐洗浄性 JIS K−5663に準じて測定。
2000回以上で塗膜剥離ないものを○と判定。
1000〜2000回で塗膜剥離生じるものを△と判定。
密着性 クロスカット剥離にて密着性良好なものを○
と判定。
若干カット部が剥離するものを△と判定。
応用例2 紙コーティング用としての応用 実施例1〜7並びに比較例1〜4で得られた微粒子集
合体エマルションを紙コーティング用塗工剤の有機顔料
又は有機填料として用いた場合の性能評価を行った。
配合並びに評価方法を下記に示す。
配合 UW−90〔EMC(株)製〕 90部 顔料又は填料 10 アロンT−40〔東亜合成化学工業(株)製〕 0.09 (分散剤) MS−4600〔日本食品工業(株)製〕 3 ポリラック755〔三井東圧化学(株)製〕 12 塗工液固形分 62% 塗工液の調整は、水に分散剤である固形分40%のアロ
ンT−40を加え、カウレスミキサーにてカオリンクレー
UW−90を十分に分散し、これに有機顔料として前述の共
重合体エマルションを加える。比較のため無機顔料とし
て固形分62%の2酸化チタンペースト〔大日精化(株)
製〕無機填料として固形分60%の軽質炭酸カルシウムス
ラリーTP−222HS〔奥多摩工業(株)製〕を用いた。バ
インダーとしてはリン酸エステル化澱粉MS−4600、固形
分50%のポリラック755を加えて塗工液とした。
上記塗工液をアプリケーターにて乾燥塗布量として、
約14〜15g/m2になる様上質紙に塗布し、乾燥条件が120
℃20秒で乾燥したものをキャレンダロールにてロール温
度60度、線圧100kg/cm、速度10m/分の条件にて2回通し
て塗工液を得、その性能評価を行った。
その結果を表−3に示す。
評価方法 カラー粘度 BM型粘度計60rpm No.4ローター 白紙光沢 JIS P−8142 75゜反射率にて測定。
印刷光沢 東洋インキ(株)製ニューブライト藍0.
4ccを用いてRI印刷試験機にて印刷。乾燥後JIS P−8142
75゜反射率にて測定。
白色度 JIS P−8123 ハンター白色度計にて測定。
不透明度 JIS P−8138の方法にて測定。
ドライピック RI印刷試験機にて試験 10点満点法 ウエットピックRI印刷試験機にて試験 10点満点法 〔効果〕 本発明の微粒子集合体エマルションは、その形態的特
徴から、例えば塗料或いは紙コーティング剤の顔料及び
填料に用いた場合、隠弊力、白色度、光沢、耐水性等に
すぐれる。又、配合時或いは使用時の限定条件も少なく
安定に使用可能である。この様な用途では2酸化チタ
ン、カオリンクレー、炭酸カルシウムの一部又は全部の
代替が可能である。
その他、軽量化、ブロッキング性、硬度、耐摩耗性、
耐熱性等の改良効果があり、各種配合物の添加剤として
用い、紙、金属、アルカリ性素材、プラスチック類、繊
維、布類等に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 33/00 C08F 2/22 C08F 2/44 D21H 21/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和カルボン酸1〜50重量%及びこれと
    共重合可能なビニル系単量体(但し、含フッ素樹脂を除
    く)99〜50重量%からなる少なくともその一部が中和さ
    れた共重合体(a)0.5〜90重量部と、共重合体(a)
    と重合成分及び/又はその成分比が異なる組成のビニル
    系単量体を重合してなる異種重合体(b)99.5〜10重量
    部が混在してなる微粒子集合体エマルションであって、
    共重合体(b)はその径が0.05〜0.5μmの粒子として
    存在し、且つ集合体粒子の粒子径が0.2〜3.0μmである
    微粒子集合体エマルション。
  2. 【請求項2】第1段階として不飽和カルボン酸1〜50重
    量%及びこれと共重合可能なビニル系単量体(但し、含
    フッ素樹脂を除く)99〜50重量%を乳化重合し、ついで
    この共重合体エマルション中のカルボン酸に対して0.3
    〜3.0モル当量のアルカリ性物質で中和し、第2段階と
    して上記中和エマルションを種粒子として、共重合体
    (a)と重合成分及び/又はその成分比が異なる組成の
    ビニル系単量体を該中和エマルションの固形分0.5〜90
    重量部に対して、99.5〜10重量部を加えて乳化重合する
    ことを特徴とする請求項1記載の微粒子集合体エマルシ
    ョンの製造方法。
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