JP3146803B2 - 耐摩耗性に優れた立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料の製造方法 - Google Patents
耐摩耗性に優れた立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料の製造方法Info
- Publication number
- JP3146803B2 JP3146803B2 JP27534793A JP27534793A JP3146803B2 JP 3146803 B2 JP3146803 B2 JP 3146803B2 JP 27534793 A JP27534793 A JP 27534793A JP 27534793 A JP27534793 A JP 27534793A JP 3146803 B2 JP3146803 B2 JP 3146803B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- boron nitride
- cylindrical container
- cubic boron
- ultra
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 239000000463 material Substances 0.000 title claims description 18
- 229910052582 BN Inorganic materials 0.000 title claims description 8
- PZNSFCLAULLKQX-UHFFFAOYSA-N Boron nitride Chemical compound N#B PZNSFCLAULLKQX-UHFFFAOYSA-N 0.000 title claims description 8
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims description 5
- 239000000843 powder Substances 0.000 claims description 46
- OKKJLVBELUTLKV-UHFFFAOYSA-N Methanol Chemical compound OC OKKJLVBELUTLKV-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 24
- 229910018072 Al 2 O 3 Inorganic materials 0.000 claims description 21
- 239000000203 mixture Substances 0.000 claims description 19
- 239000011812 mixed powder Substances 0.000 claims description 13
- 239000002245 particle Substances 0.000 claims description 13
- 239000012300 argon atmosphere Substances 0.000 claims description 9
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 claims description 9
- 239000002184 metal Substances 0.000 claims description 9
- 238000002156 mixing Methods 0.000 claims description 8
- 239000011230 binding agent Substances 0.000 claims description 7
- 239000002994 raw material Substances 0.000 claims description 7
- TWNQGVIAIRXVLR-UHFFFAOYSA-N oxo(oxoalumanyloxy)alumane Chemical compound O=[Al]O[Al]=O TWNQGVIAIRXVLR-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 6
- 238000001816 cooling Methods 0.000 claims description 4
- 238000000227 grinding Methods 0.000 claims description 4
- 239000012298 atmosphere Substances 0.000 claims description 3
- 238000011049 filling Methods 0.000 claims description 3
- 229910052735 hafnium Inorganic materials 0.000 claims description 3
- 150000001247 metal acetylides Chemical class 0.000 claims description 3
- 150000004767 nitrides Chemical class 0.000 claims description 3
- 238000003756 stirring Methods 0.000 claims description 3
- 229910052726 zirconium Inorganic materials 0.000 claims description 3
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 description 19
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 6
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 4
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 4
- 229910000760 Hardened steel Inorganic materials 0.000 description 3
- 238000005245 sintering Methods 0.000 description 3
- 238000005299 abrasion Methods 0.000 description 2
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 description 1
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000009792 diffusion process Methods 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 150000002739 metals Chemical class 0.000 description 1
- JMANVNJQNLATNU-UHFFFAOYSA-N oxalonitrile Chemical compound N#CC#N JMANVNJQNLATNU-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000003647 oxidation Effects 0.000 description 1
- 238000007254 oxidation reaction Methods 0.000 description 1
- RVTZCBVAJQQJTK-UHFFFAOYSA-N oxygen(2-);zirconium(4+) Chemical compound [O-2].[O-2].[Zr+4] RVTZCBVAJQQJTK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910000679 solder Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910052719 titanium Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910001928 zirconium oxide Inorganic materials 0.000 description 1
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一段と優れた耐摩耗
性を有し、特にこれらの特性が要求される高速切削工具
として用いるのに適した立方晶窒化ほう素(以下CBN
という)基超高圧焼結材料に関するものである。
性を有し、特にこれらの特性が要求される高速切削工具
として用いるのに適した立方晶窒化ほう素(以下CBN
という)基超高圧焼結材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特公昭61−43312に
記載されている様に、容量%で(以下%は容量%を示す)
結合相形成成分としてTi、ZrおよびHfの炭化物、窒
化物および炭窒化物のうち1種または2種以上(以下金
属の炭窒化物と言う):10〜60%、同じく結合相形
成成分として酸化アルミニウム(以下Al2O3で示す)
および酸化ジルコニウムのうち1種または2種:0.1
〜18%を含有し、残りが分散相形成成分としてのCB
Nからなる配合組成を有するCBN基超高圧焼結材料が
知られており、また、これらCBN基超高圧焼結材料
は、表面硬化鋼などの高硬度鋼の切削に切削工具として
用いられる事も知られている。
記載されている様に、容量%で(以下%は容量%を示す)
結合相形成成分としてTi、ZrおよびHfの炭化物、窒
化物および炭窒化物のうち1種または2種以上(以下金
属の炭窒化物と言う):10〜60%、同じく結合相形
成成分として酸化アルミニウム(以下Al2O3で示す)
および酸化ジルコニウムのうち1種または2種:0.1
〜18%を含有し、残りが分散相形成成分としてのCB
Nからなる配合組成を有するCBN基超高圧焼結材料が
知られており、また、これらCBN基超高圧焼結材料
は、表面硬化鋼などの高硬度鋼の切削に切削工具として
用いられる事も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削機械
の高性能化は目覚しく、かつ切削加工の省力化とも相ま
って、切削が高速化する傾向にあるが、上記の従来CB
N基超高圧焼結材料で構成された切削工具においては、
これを高速切削に使用すると、摩耗の進行が早く、比較
的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
の高性能化は目覚しく、かつ切削加工の省力化とも相ま
って、切削が高速化する傾向にあるが、上記の従来CB
N基超高圧焼結材料で構成された切削工具においては、
これを高速切削に使用すると、摩耗の進行が早く、比較
的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明者等は、上記問
題点を解決するために、上記従来CBN基焼結材料に着
目し、これのより一層の耐摩耗性向上を計るべく、研究
を行った結果、原料粉末として、1〜10μmの範囲内
の所定の平均粒径を有するCBN粉末、金属の炭窒化物
粉末およびAl 2 O 3 粉末、さらにAl(OH) 3 粉末を用
意し、まず前記CBN粉末と前記Al(OH) 3 粉末とを
NH 4 OH溶液の中で撹拌混合した後、乾燥することに
よりAl 2 O 3 で包まれたAl 2 O 3 包囲CBN粉末を調整
し、これら原料粉末を配合し、これらの配合粉末を、そ
れぞれWC基超硬合金で内張りされた粉砕ミル内に装入
し、さらに前記配合粉末に対してメチルアルコールを加
えて混合し、混合後、前記ミルの蓋をアルゴン雰囲気中
で開放し、加焼して前記メチルアルコールを蒸発させ、
乾燥し、ついで同じくアルゴン雰囲気内において、別途
用意したTi製円筒型容器の底部に、まず同じく別途用
意したWC基超硬合金製円板を装入し、この円板上に上
記混合粉末を装入し、押し棒で押えて充填し、この充填
混合粉末上にWC基超硬合金製円板を敷置し、つぎにア
ルゴン雰囲気から取りだした後、さらにTi製上蓋をか
ぶせてプレスして前記Ti製円筒型容器内の混合粉末の
厚みを圧縮し、引続いて前記円筒型容器に前記上蓋を溶
接して、これを密封し、このように上記混合粉末を充填
して密封した円筒型容器を超高圧超高温発生装置に装入
し、最高付加圧力:4〜5GPa、温度範囲:1300〜
1500℃の条件で保持した後、冷却についで圧力解放
を行うことで、CBN基焼結材料において結合相を形成
する金属の炭窒化物とCBN粒子との間にAl2O3層を
介在、すなわちCBN粒子の表面に連続的または断続的
にAl2O3包囲層を形成すると、前記Al2O3包囲層
は、CBN粒子および上記結合相のいずれに対しても優
れた密着性を持つことから、これを切削工具として用
い、高速切削を行ってもCBN粒子の脱落が著しく抑制
される様になることから、一段と優れた耐摩耗性を発揮
し、長期に亘って優れた切削性能を示すという研究結果
を得たのである。
題点を解決するために、上記従来CBN基焼結材料に着
目し、これのより一層の耐摩耗性向上を計るべく、研究
を行った結果、原料粉末として、1〜10μmの範囲内
の所定の平均粒径を有するCBN粉末、金属の炭窒化物
粉末およびAl 2 O 3 粉末、さらにAl(OH) 3 粉末を用
意し、まず前記CBN粉末と前記Al(OH) 3 粉末とを
NH 4 OH溶液の中で撹拌混合した後、乾燥することに
よりAl 2 O 3 で包まれたAl 2 O 3 包囲CBN粉末を調整
し、これら原料粉末を配合し、これらの配合粉末を、そ
れぞれWC基超硬合金で内張りされた粉砕ミル内に装入
し、さらに前記配合粉末に対してメチルアルコールを加
えて混合し、混合後、前記ミルの蓋をアルゴン雰囲気中
で開放し、加焼して前記メチルアルコールを蒸発させ、
乾燥し、ついで同じくアルゴン雰囲気内において、別途
用意したTi製円筒型容器の底部に、まず同じく別途用
意したWC基超硬合金製円板を装入し、この円板上に上
記混合粉末を装入し、押し棒で押えて充填し、この充填
混合粉末上にWC基超硬合金製円板を敷置し、つぎにア
ルゴン雰囲気から取りだした後、さらにTi製上蓋をか
ぶせてプレスして前記Ti製円筒型容器内の混合粉末の
厚みを圧縮し、引続いて前記円筒型容器に前記上蓋を溶
接して、これを密封し、このように上記混合粉末を充填
して密封した円筒型容器を超高圧超高温発生装置に装入
し、最高付加圧力:4〜5GPa、温度範囲:1300〜
1500℃の条件で保持した後、冷却についで圧力解放
を行うことで、CBN基焼結材料において結合相を形成
する金属の炭窒化物とCBN粒子との間にAl2O3層を
介在、すなわちCBN粒子の表面に連続的または断続的
にAl2O3包囲層を形成すると、前記Al2O3包囲層
は、CBN粒子および上記結合相のいずれに対しても優
れた密着性を持つことから、これを切削工具として用
い、高速切削を行ってもCBN粒子の脱落が著しく抑制
される様になることから、一段と優れた耐摩耗性を発揮
し、長期に亘って優れた切削性能を示すという研究結果
を得たのである。
【0005】この発明は、上記研究結果にもとづいてな
されたもので、原料粉末として、1〜10μmの範囲内
の所定の平均粒径を有するCBN粉末、金属の炭窒化物
粉末およびAl 2 O 3 粉末、さらにAl(OH) 3 粉末を用
意し、まず前記CBN粉末と前記Al(OH) 3 粉末とを
NH 4 OH溶液の中で撹拌混合した後、乾燥することに
よりAl 2 O 3 で包まれたAl 2 O 3 包囲CBN粉末を調整
し、これら原料粉末を配合し、これらの配合粉末を、そ
れぞれWC基超硬合金で内張りされた粉砕ミル内に装入
し、さらに前記配合粉末に対してメチルアルコールを加
えて混合し、混合後、前記ミルの蓋をアルゴン雰囲気中
で開放し、加焼して前記メチルアルコールを蒸発させ、
乾燥し、ついで同じくアルゴン雰囲気内において、別途
用意したTi製円筒型容器の底部に、まず同じく別途用
意したWC基超硬合金製円板を装入し、この円板上に上
記混合粉末を装入し、押し棒で押えて充填し、この充填
混合粉末上にWC基超硬合金製円板を敷置し、つぎにア
ルゴン雰囲気から取りだした後、さらにTi製上蓋をか
ぶせてプレスして前記Ti製円筒型容器内の混合粉末の
厚みを圧縮し、引続いて前記円筒型容器に前記上蓋を溶
接して、これを密封し、このように上記混合粉末を充填
して密封した円筒型容器を超高圧超高温発生装置に装入
し、最高付加圧力:4〜5GPa、温度範囲:1300〜
1500℃の条件で保持した後、冷却についで圧力解放
を行うことを特徴とする、結合相形成成分としてのT
i、ZrおよびHfの炭化物、窒化物および炭窒化物のう
ち1種または2種以上:20〜40vol%、酸化アルミニ
ウム:6〜40vol%、分散相形成成分としての立方晶窒
化ほう素:残り、からなる配合組成、並びに上記酸化ア
ルミニウムのうち全体に占める割合で1〜20vol%は、
立方晶窒化ほう素粒子の表面部に連続または断続包囲層
を形成し、残りの酸化アルミニウムは結合相中に分散し
て存在する組織を有し、実質的に配合組成と同一の成分
組成を有する耐摩耗性に優れた立方晶窒化ほう素基超高
圧焼結材料の製造方法に特徴を有するものである。
されたもので、原料粉末として、1〜10μmの範囲内
の所定の平均粒径を有するCBN粉末、金属の炭窒化物
粉末およびAl 2 O 3 粉末、さらにAl(OH) 3 粉末を用
意し、まず前記CBN粉末と前記Al(OH) 3 粉末とを
NH 4 OH溶液の中で撹拌混合した後、乾燥することに
よりAl 2 O 3 で包まれたAl 2 O 3 包囲CBN粉末を調整
し、これら原料粉末を配合し、これらの配合粉末を、そ
れぞれWC基超硬合金で内張りされた粉砕ミル内に装入
し、さらに前記配合粉末に対してメチルアルコールを加
えて混合し、混合後、前記ミルの蓋をアルゴン雰囲気中
で開放し、加焼して前記メチルアルコールを蒸発させ、
乾燥し、ついで同じくアルゴン雰囲気内において、別途
用意したTi製円筒型容器の底部に、まず同じく別途用
意したWC基超硬合金製円板を装入し、この円板上に上
記混合粉末を装入し、押し棒で押えて充填し、この充填
混合粉末上にWC基超硬合金製円板を敷置し、つぎにア
ルゴン雰囲気から取りだした後、さらにTi製上蓋をか
ぶせてプレスして前記Ti製円筒型容器内の混合粉末の
厚みを圧縮し、引続いて前記円筒型容器に前記上蓋を溶
接して、これを密封し、このように上記混合粉末を充填
して密封した円筒型容器を超高圧超高温発生装置に装入
し、最高付加圧力:4〜5GPa、温度範囲:1300〜
1500℃の条件で保持した後、冷却についで圧力解放
を行うことを特徴とする、結合相形成成分としてのT
i、ZrおよびHfの炭化物、窒化物および炭窒化物のう
ち1種または2種以上:20〜40vol%、酸化アルミニ
ウム:6〜40vol%、分散相形成成分としての立方晶窒
化ほう素:残り、からなる配合組成、並びに上記酸化ア
ルミニウムのうち全体に占める割合で1〜20vol%は、
立方晶窒化ほう素粒子の表面部に連続または断続包囲層
を形成し、残りの酸化アルミニウムは結合相中に分散し
て存在する組織を有し、実質的に配合組成と同一の成分
組成を有する耐摩耗性に優れた立方晶窒化ほう素基超高
圧焼結材料の製造方法に特徴を有するものである。
【0006】次に、この発明のCBN基超高圧焼結材料
の製造方法において、組成を上記の通り限定した理由を
説明する。 (a) 金属の炭窒化物: これらの成分は、耐熱性と焼結性を向上させる作用があ
るが、その割合が20%未満では、前記作用に所望の向
上効果が得られず、一方その割合が40%を越えると、
耐摩耗性が低下するようになることから、その割合を2
0〜40%と定めた。(b) Al2O3 : Al2O3には強度を向上させる作用があるが、その割合
が6%未満では、所望の強度向上効果が得られず、一方
その割合が40%を越えると耐摩耗性が低下する様にな
ることから、その割合を6〜40%と定めた。 (c)Al2O3包囲層: Al2O3包囲層は、分散相形成成分であるCBN粒子と
結合相形成成分である金属の炭窒化物のいずれに対して
も優れた密着性を持つことから、Al2O3でCBN粒子
の包囲層を形成することにより、CBN粒子と金属の炭
窒化物との結合強度が一段と向上し、この結果CBN粒
子の脱落が著しく抑制され、耐摩耗性の顕著な向上がも
たらされるようになるが、その割合が全体に占める割合
で1%未満では、前記作用に所望の効果が得られず、一
方その割合が20%を越えると包囲層の厚さが大きくな
り過ぎて、耐摩耗性が低下するようになることから、そ
の割合を全体に占める割合で1〜20%と定めた。
の製造方法において、組成を上記の通り限定した理由を
説明する。 (a) 金属の炭窒化物: これらの成分は、耐熱性と焼結性を向上させる作用があ
るが、その割合が20%未満では、前記作用に所望の向
上効果が得られず、一方その割合が40%を越えると、
耐摩耗性が低下するようになることから、その割合を2
0〜40%と定めた。(b) Al2O3 : Al2O3には強度を向上させる作用があるが、その割合
が6%未満では、所望の強度向上効果が得られず、一方
その割合が40%を越えると耐摩耗性が低下する様にな
ることから、その割合を6〜40%と定めた。 (c)Al2O3包囲層: Al2O3包囲層は、分散相形成成分であるCBN粒子と
結合相形成成分である金属の炭窒化物のいずれに対して
も優れた密着性を持つことから、Al2O3でCBN粒子
の包囲層を形成することにより、CBN粒子と金属の炭
窒化物との結合強度が一段と向上し、この結果CBN粒
子の脱落が著しく抑制され、耐摩耗性の顕著な向上がも
たらされるようになるが、その割合が全体に占める割合
で1%未満では、前記作用に所望の効果が得られず、一
方その割合が20%を越えると包囲層の厚さが大きくな
り過ぎて、耐摩耗性が低下するようになることから、そ
の割合を全体に占める割合で1〜20%と定めた。
【0007】
【実施例】 ついで、この発明のCBN基超高圧焼結材
料の製造方法を実施例により具体的に説明する。原料粉
末として、1〜10μmの範囲内の所定の平均粒径を有
するCBN粉末、各種の金属の炭窒化物粉末およびAl
2O3粉末、さらにAl(OH)3粉末を用意し、まず前記
CBN粉末と前記Al(OH)3粉末とをNH4OH溶液の
中で撹拌混合した後、130℃で乾燥することにより表
1に示される割合のAl2O3で包まれたAl2O3包囲C
BN粉末を調整し、これら原料粉末をそれぞれ表1に示
される配合組成に配合し、これらの配合粉末を、それぞ
れWC基超硬合金で内張りされた粉砕ミル内に装入し、
さらに前記配合粉末に対して40容量%のメチルアルコ
ールを加えて24時間混合し、混合後、前記ミルの蓋を
アルゴン雰囲気中で開放し、温度:130℃に加焼して
前記メチルアルコールを蒸発させ、乾燥し、ついで同じ
くアルゴン雰囲気内において、別途用意した内径:10
mφ×高さ:15mmの寸法をもったTi製円筒型容器の底
部に、まず同じく別途用意した直径:9.8mmφ×厚
さ:2mmの寸法をもったWC基超硬合金製円板を装入
し、この円板上に厚みが7mmとなるように上記混合粉末
を装入し、押し棒で軽く押えて充填し、この充填混合粉
末上に厚さ2mmのWC基超硬合金製円板を敷置し、つぎ
にアルゴン雰囲気から取りだした後、さらにTi製上蓋
をかぶせてプレスして前記Ti製円筒型容器内の混合粉
末の厚みを5.5mmに圧縮し、引続いて前記円筒型容器
に前記上蓋を溶接して、これを密封し、このように上記
混合粉末を充填して密封した円筒型容器を公知の超高圧
超高温発生装置に装入し、最高付加圧力:4〜5GPa、
温度範囲:1300〜1500℃の条件で30分間保持
した後、冷却についで圧力解放を行うことによって、実
質的に配合組成と同一の成分組成を有し、かつ上記WC
基超硬合金製の上下円板に拡散結合した状態の本発明に
よるCBN基超高圧焼結材料1〜9をそれぞれ製造し
た。なお、表2に示させる通り、CBN粉末へのAl2
O3包囲層の形成を行う以外は同一の条件で、従来CB
N基超高圧焼結材料1〜9を製造した。
料の製造方法を実施例により具体的に説明する。原料粉
末として、1〜10μmの範囲内の所定の平均粒径を有
するCBN粉末、各種の金属の炭窒化物粉末およびAl
2O3粉末、さらにAl(OH)3粉末を用意し、まず前記
CBN粉末と前記Al(OH)3粉末とをNH4OH溶液の
中で撹拌混合した後、130℃で乾燥することにより表
1に示される割合のAl2O3で包まれたAl2O3包囲C
BN粉末を調整し、これら原料粉末をそれぞれ表1に示
される配合組成に配合し、これらの配合粉末を、それぞ
れWC基超硬合金で内張りされた粉砕ミル内に装入し、
さらに前記配合粉末に対して40容量%のメチルアルコ
ールを加えて24時間混合し、混合後、前記ミルの蓋を
アルゴン雰囲気中で開放し、温度:130℃に加焼して
前記メチルアルコールを蒸発させ、乾燥し、ついで同じ
くアルゴン雰囲気内において、別途用意した内径:10
mφ×高さ:15mmの寸法をもったTi製円筒型容器の底
部に、まず同じく別途用意した直径:9.8mmφ×厚
さ:2mmの寸法をもったWC基超硬合金製円板を装入
し、この円板上に厚みが7mmとなるように上記混合粉末
を装入し、押し棒で軽く押えて充填し、この充填混合粉
末上に厚さ2mmのWC基超硬合金製円板を敷置し、つぎ
にアルゴン雰囲気から取りだした後、さらにTi製上蓋
をかぶせてプレスして前記Ti製円筒型容器内の混合粉
末の厚みを5.5mmに圧縮し、引続いて前記円筒型容器
に前記上蓋を溶接して、これを密封し、このように上記
混合粉末を充填して密封した円筒型容器を公知の超高圧
超高温発生装置に装入し、最高付加圧力:4〜5GPa、
温度範囲:1300〜1500℃の条件で30分間保持
した後、冷却についで圧力解放を行うことによって、実
質的に配合組成と同一の成分組成を有し、かつ上記WC
基超硬合金製の上下円板に拡散結合した状態の本発明に
よるCBN基超高圧焼結材料1〜9をそれぞれ製造し
た。なお、表2に示させる通り、CBN粉末へのAl2
O3包囲層の形成を行う以外は同一の条件で、従来CB
N基超高圧焼結材料1〜9を製造した。
【0008】つぎに、上記本発明によるCBN基超高圧
焼結材料1〜9と従来CBN基超高圧焼結材料1〜9を
別途用意した四角形状のWC基超硬合金製チップに銀ろ
うによって固定し、さらにノーズRを0.4mmに仕上げ
て切削工具とし、被削材:浸炭焼入鋼(ロックウェル硬
さ:60)、切削速度:200m/min、送り:0.08m
m/rev、切込み:0.1mm、の条件での高硬度鋼の連続
高速切削試験を行い、切刃の逃げ面摩耗幅が0.2mmに
達するまでの切削時間を測定した。(これらの測定結果
を表1、2に示した。)
焼結材料1〜9と従来CBN基超高圧焼結材料1〜9を
別途用意した四角形状のWC基超硬合金製チップに銀ろ
うによって固定し、さらにノーズRを0.4mmに仕上げ
て切削工具とし、被削材:浸炭焼入鋼(ロックウェル硬
さ:60)、切削速度:200m/min、送り:0.08m
m/rev、切込み:0.1mm、の条件での高硬度鋼の連続
高速切削試験を行い、切刃の逃げ面摩耗幅が0.2mmに
達するまでの切削時間を測定した。(これらの測定結果
を表1、2に示した。)
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】
【発明の効果】 表1、2に示される結果から本発明に
よるCBN基超高圧焼結材料1〜9は、従来CBN基超
高圧焼結材料1〜9に比べ、これを切削工具として用
い、高硬度鋼の高速切削を行った場合、いずれも一段と
優れた対摩耗性を示し、長期に亘って優れた切削性能を
発揮することが明らかである。
よるCBN基超高圧焼結材料1〜9は、従来CBN基超
高圧焼結材料1〜9に比べ、これを切削工具として用
い、高硬度鋼の高速切削を行った場合、いずれも一段と
優れた対摩耗性を示し、長期に亘って優れた切削性能を
発揮することが明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/583 - 35/5835
Claims (1)
- 【請求項1】 原料粉末として、1〜10μmの範囲内
の所定の平均粒径を有するCBN粉末、金属の炭窒化物
粉末およびAl 2 O 3 粉末、さらにAl(OH) 3 粉末を用
意し、まず前記CBN粉末と前記Al(OH) 3 粉末とを
NH 4 OH溶液の中で撹拌混合した後、乾燥することに
よりAl 2 O 3 で包まれたAl 2 O 3 包囲CBN粉末を調整
し、これら原料粉末を配合し、これらの配合粉末を、そ
れぞれWC基超硬合金で内張りされた粉砕ミル内に装入
し、さらに前記配合粉末に対してメチルアルコールを加
えて混合し、混合後、前記ミルの蓋をアルゴン雰囲気中
で開放し、加焼して前記メチルアルコールを蒸発させ、
乾燥し、ついで同じくアルゴン雰囲気内において、別途
用意したTi製円筒型容器の底部に、まず同じく別途用
意したWC基超硬合金製円板を装入し、この円板上に上
記混合粉末を装入し、押し棒で押えて充填し、この充填
混合粉末上にWC基超硬合金製円板を敷置し、つぎにア
ルゴン雰囲気から取りだした後、さらにTi製上蓋をか
ぶせてプレスして前記Ti製円筒型容器内の混合粉末の
厚みを圧縮し、引続いて前記円筒型容器に前記上蓋を溶
接して、これを密封し、このように上記混合粉末を充填
して密封した円筒型容器を超高圧超高温発生装置に装入
し、最高付加圧力:4〜5GPa、温度範囲:1300〜
1500℃の条件で保持した後、冷却についで圧力解放
を行うことを特徴とする、結合相形成成分としてのT
i、ZrおよびHfの炭化物、窒化物および炭窒化物のう
ち1種または2種以上:20〜40vol%、酸化アルミニ
ウム:6〜40vol%、分散相形成成分としての立方晶窒
化ほう素:残り、からなる配合組成、並びに上記酸化ア
ルミニウムのうち全体に占める割合で1〜20vol%は、
立方晶窒化ほう素粒子の表面部に連続または断続包囲層
を形成し、残りの酸化アルミニウムは結合相中に分散し
て存在する組織を有し、実質的に配合組成と同一の成分
組成を有する耐摩耗性に優れた立方晶窒化ほう素基超高
圧焼結材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27534793A JP3146803B2 (ja) | 1993-11-04 | 1993-11-04 | 耐摩耗性に優れた立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27534793A JP3146803B2 (ja) | 1993-11-04 | 1993-11-04 | 耐摩耗性に優れた立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07133154A JPH07133154A (ja) | 1995-05-23 |
JP3146803B2 true JP3146803B2 (ja) | 2001-03-19 |
Family
ID=17554210
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27534793A Expired - Fee Related JP3146803B2 (ja) | 1993-11-04 | 1993-11-04 | 耐摩耗性に優れた立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3146803B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8500834B2 (en) | 2004-02-20 | 2013-08-06 | Diamond Innovations, Inc. | Sintered compact |
DE602005006389T2 (de) | 2004-02-20 | 2009-06-10 | Diamond Innovations, Inc., Worthington | Sinterkörper |
JP5485999B2 (ja) | 2008-09-17 | 2014-05-07 | ダイヤモンド イノベイションズ インコーポレーテッド | 立方晶窒化ホウ素セラミック複合体およびその製造方法 |
JP6098882B2 (ja) * | 2013-05-30 | 2017-03-22 | 三菱マテリアル株式会社 | 耐欠損性にすぐれた立方晶窒化硼素焼結体切削工具 |
-
1993
- 1993-11-04 JP JP27534793A patent/JP3146803B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07133154A (ja) | 1995-05-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1313887B1 (en) | Method of producing an abrasive product containing cubic boron nitride | |
JP2020514235A (ja) | 焼結多結晶立方晶窒化ホウ素材料 | |
JPH0621315B2 (ja) | cBN焼結体およびその製造方法 | |
JP2523452B2 (ja) | 高強度立方晶窒化ホウ素焼結体 | |
JPS627149B2 (ja) | ||
JP3146803B2 (ja) | 耐摩耗性に優れた立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料の製造方法 | |
JPS6335589B2 (ja) | ||
JP2861487B2 (ja) | 高硬度焼結体切削工具 | |
JPS644988B2 (ja) | ||
JPH06198504A (ja) | 高硬度焼結体切削工具 | |
JP3257255B2 (ja) | 耐摩耗性のすぐれた立方晶窒化硼素基超高圧焼結材料製切削工具 | |
JPS644989B2 (ja) | ||
JPS5935423B2 (ja) | 立方晶窒化硼素含有の切削工具用焼結材料 | |
JPS6335591B2 (ja) | ||
JPS6157382B2 (ja) | ||
JPS61197469A (ja) | 切削工具用立方晶窒化硼素基焼結材料の製造方法 | |
JPS6232151B2 (ja) | ||
JP2643503B2 (ja) | 高靭性を有する立方晶窒化ほう素セラミック材の製造法 | |
JPS63201066A (ja) | 切削工具用立方晶窒化硼素基超高圧焼結体の製造方法 | |
JPH0377151B2 (ja) | ||
JPS621592B2 (ja) | ||
JPS638072B2 (ja) | ||
JPS644987B2 (ja) | ||
JP2932738B2 (ja) | 高靭性を有する立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料の製造方法 | |
JPH07172906A (ja) | セラミック焼結体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20001205 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |