JP3131559B2 - 嵩高性不織布およびその製造方法、ならびに面ファスナー雌材 - Google Patents
嵩高性不織布およびその製造方法、ならびに面ファスナー雌材Info
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Description
を有する嵩高性不織布およびその製造方法、ならびにこ
の嵩高性不織布を利用した面ファスナー雌材に関するも
のである。
繊維層を積層し、一方の繊維層を熱収縮させて、もう一
方の繊維層に凹凸を形成させた嵩高性不織布が種々提案
されている。例えば、特開昭60−17164号公報に
は長繊維不織布と熱収縮性の大きな不織布を積層し、長
繊維不織布の表面に畝を形成させた不織布が、また、特
開昭63−309657号公報には、感熱収縮性繊維と
非収縮性繊維とよりなり、感熱収縮性繊維の収縮発現に
より非収縮性繊維に撓みが生じて不織布表面に多数の畝
が形成された不織布が開示されている。
された凸部を係合部として用いる面ファスナー雌材が、
例えば特開平6−33359号公報において提案されて
いる。
れも二つの繊維層をニードルパンチングや高圧柱状水流
による交絡処理によって繊維層間を一体化させた後、一
方の繊維層の熱収縮応力を利用してもう一方の繊維層を
「盛り上がらせる」ようにしたものである。従って凸部
が形成されている部分以外においては、両繊維層の繊維
同士は交絡しており、それによって繊維層間の一体性が
担保されているのである。
な薄い不織布を得ようとする場合、以下のような問題が
ある。
場合、高圧水流の衝撃によって繊維が多少飛び散るが、
繊維ウェブの目付が小さいほど、この繊維の「飛び散
り」がウェブの均一性に与える影響が大きくなり、得ら
れる不織布はムラのあるものとなる。このようなムラの
ある不織布を熱収縮させた場合、収縮は均一に起こら
ず、熱収縮させた繊維層が全体的にでこぼことしたもの
になると同時に、もう一方の繊維層に形成される凸部も
不均一となり、表面状態の悪い嵩高性不織布しか得られ
ない。かかる不都合は、疎水性の繊維を使用した場合、
あるいは繊維端の少ない長繊維ウェブを使用した場合に
特に生じやすい。
面ファスナー雌材として用いた場合、雄材との係合不
良、係合強力の低下といった問題をも招く。また、不織
布が均一でないと面ファスナーをおむつ等の基体へ取り
付ける際の作業性も悪くなる。
たものであり、低目付であっても表面状態の良好な嵩高
性不織布を提供することを目的とする。
め、本発明の嵩高性不織布は、第一繊維層と第二繊維層
とが繊維同士の交絡により一体化されてなる不織布にお
いて、交絡部が筋状に存在し、かつ交絡部以外の部分の
第二繊維層においては交絡部を直交する方向を長手とす
る多数の畝状の凸部が形成されていることを特徴とす
る。
より面収縮する性質を有する第一繊維層の少なくとも片
面に、第一繊維層が面収縮する温度では実質的に面収縮
しない第二繊維層を積層し、これに高圧柱状水流を筋状
に噴射して、両繊維層を一体化させた後、加熱処理を施
すことにより、第一繊維層を面収縮させ、交絡部以外の
部分において、第二繊維層に多数の畝状の凸部を形成さ
せることを特徴とする。
記嵩高性不織布に形成された凸部を係合部として使用す
ることを特徴とするものである。以下、本発明の内容を
説明する。
繊維層に、実質的に熱収縮しない第二繊維層を積層し、
両者の熱収縮率の差を利用して第二繊維層に嵩高な畝状
の凸部を多数形成させるものである。従って、第一繊維
層は十分に熱収縮する必要があり、そのために第一繊維
層は、熱によってその見かけの繊維長が短くなるような
繊維で構成されなければならない。
しい例として、熱によって収縮する熱収縮性繊維を挙げ
ることができる。本発明では、最大熱収縮率が少なくと
も50%以上である熱収縮性繊維を使用することが好ま
しい。ここで最大熱収縮率とは、加熱された繊維が繊維
の形状を保ったままで示す熱収縮率のうちで最大のもの
をいう。最大熱収縮率が50%未満では、第一繊維層の
熱収縮が不十分で第二繊維層に形成される凸部の数が少
なくなり、嵩高性に乏しいものとなる。
0%である熱収縮性繊維として、融解ピーク温度(Tm
℃)が、130<Tm<145℃の範囲内にあるエチレ
ン−プロピレンランダムコポリマーを70重量%以上含
むポリマーからなる繊維を使用することが望ましい。こ
こで融解ピーク温度とは、示差走査熱量計(DSC)に
よりポリマーの融解熱測定を行ったときにDSC曲線が
最高値を示すときの温度をいう。融解ピーク温度が13
0℃未満であるとポリマーがゴム的弾性を示すようにな
り、繊維のカード通過性が悪くなる。逆に145℃を超
えると、繊維の熱収縮性が通常のポリプロピレン程度と
なってしまうために好ましくない。
る繊維として、熱収縮性繊維のほか、熱によって立体捲
縮を発現する潜在捲縮性繊維を使用することもできる。
本発明では、加熱により1インチあたり25個以上の立
体捲縮を発現するような繊維を使用することが好まし
い。25個未満では、繊維層全体を十分に収縮させるこ
とができないからである。好ましくは、30〜60個で
ある。かかる潜在捲縮性繊維を用いた場合、面収縮した
後の第一繊維層は伸縮性を有するものとなるため、最終
的に得られる不織布には伸縮性が付与されることとな
る。
第一繊維層中に30重量%以上含まれていることが望ま
しい。30重量%未満では、第一繊維層の収縮が不十分
となるからである。これらの繊維が30重量%以上含ま
れていれば、第一繊維層にその他の繊維を混合すること
ができる。混合する繊維は特に限定されず、レーヨン等
の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、ナイロン6、
ナイロン66等のポリアミド系繊維、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエス
テル系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン系繊維等から任意に一あるいは二以上選択して
使用することができる。特に、前述のエチレン−プロピ
レンランダムコポリマーからなる繊維のように疎水性の
繊維を使用する場合には、親水性繊維であるレーヨン繊
維と混合して第一繊維層を構成すると、高圧水流の衝撃
による繊維の「飛び散り」が抑制され、高圧水流による
繊維同士の交絡が強固なものとなるので好ましい。勿
論、第一繊維層は熱収縮性繊維あるいは潜在捲縮性繊維
のみから構成されていてもよい。
なるパラレルウェブ、クロスウェブ、セミランダムウェ
ブ、ランダムウェブなど何れであっても良いが、繊維層
の熱収縮の方向を一方向に集中させるほうが、第二繊維
層に凸部が均一に形成される。従って、第一繊維層はパ
ラレルウェブであることが望ましい。また、後述するよ
うに、本発明においては、第一繊維層と第二繊維層の交
絡処理は部分的に施されるため、交絡部以外の部分にお
いては、第一繊維層中の繊維同士を予め交絡あるいは接
合させておく必要がある。そのため、第一繊維層には予
め高圧水流等による交絡処理を施し、これを不織布の状
態としてから、後述する繊維層間の交絡処理を施すこと
が望ましい。
ことが望ましい。5g/m2 未満では均一な繊維層を作
成することが難しいからである。より好ましくは10〜
40g/m2 である。
繊維層は第一繊維層の熱収縮により、多数の凸部を形成
するものである。従って、第二繊維層を構成する繊維
は、繊維集合物を形成することができ、第一繊維層が収
縮する温度において実質的に収縮しないものであれば、
素材等は特に限定されない。例えば、レーヨン等の再生
繊維、アセテート等の半合成繊維、ナイロン6、ナイロ
ン66等のポリアミド系繊維、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系
繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系繊維等から任意に一あるいは二以上選択して使用す
ることができる。繊維形状等も特に限定されず、分割性
複合繊維や異形断面を有する繊維等を任意に使用するこ
とができる。
第一繊維層と同様、両繊維層間の交絡部以外の部分にお
いては予め繊維同士を交絡あるいは接合させておく必要
がある。従って、第二繊維層は、ステープル繊維からな
るパラレルウェブやクロスウェブ等に高圧水流処理を施
した短繊維不織布や、連続フィラメントからなる長繊維
不織布、あるいはメルトブロー不織布であることが望ま
しい。
として用いる場合、第二繊維層は長繊維不織布であるこ
とが望ましい。長繊維不織布は連続したフィラメントか
ら構成されているため、雄材と繰り返し係合させた場合
でも毛羽立ちが少ないからである。長繊維不織布を構成
する繊維が細すぎたり、あるいは長繊維不織布の目付が
大きすぎると、不織布中の繊維と繊維の間の距離が短く
なるためフックが係合しにくくなり、また繊維が太すぎ
たり、目付が小さくなりすぎると、逆に繊維間の距離が
大きくなり、係合に寄与しないフックが存在するように
なるため好ましくない。具体的には3〜12デニールの
合成繊維から構成された目付10〜40g/m2 のもの
を用いることが実用的であり好ましい。
維が含まれる場合、第二繊維層を例えば弾性重合体から
なるメルトブロー不織布にすると、得られる嵩高性不織
布は非常に伸縮性に富むものとなる。
絡により一体化される。本発明においては、両繊維層の
繊維同士が交絡した部分、即ち交絡部が筋状に存在する
ことを特徴とする。「交絡部が筋状に存在する」とは、
図1のように、交絡部(1)がストライプ状に形成さ
れ、それ以外の部分では第一繊維層(2)と第二繊維層
(3)の間が全く交絡していない状態を意味する。
ては、第一繊維層と第二繊維層とからなる積層体に、孔
径0.05〜0.5mmのオリフィスが巾方向に一定の間
隔をおいて穿設されたノズルから高圧水流を噴射する方
法が挙げられる。この方法によれば、水流が被処理物に
衝突する部分はごく一部に限られるので、それだけ繊維
の「飛び散り」を抑制することができ、両繊維層を均一
な状態で一体化させることができる。ここでオリフィス
の間隔は、そのまま交絡部の間隔となる。但し、この間
隔は、後の第一繊維層の熱収縮により狭くなることに留
意する必要がある。本発明においては、オリフィスの間
隔、即ち交絡部の間隔は2〜15mmであることが望まし
い。2mm未満では実質的に不織布全面に水流を噴射した
のと変わらず、繊維の「飛び散り」が無視できなくな
る。また、15mmを超えると、一定面積中に占める交絡
部の割合が小さくなりすぎ、両繊維層間の一体化が不十
分となるため好ましくない。より好ましくは3〜10mm
である。
場合、交絡部の占める面積が小さいため、被処理物全面
に水流を噴射する場合よりも水圧をやや高めに設定して
交絡を強固にするとよい。具体的には、60kg/cm2 以
上であることが好ましい。より好ましくは80〜180
kg/cm2 である。
熱処理を施して、第一繊維層を収縮させ、交絡部以外の
部分の第二繊維層に、不織布の横方向を長手とする畝状
の凸部を多数形成させる。ここで、畝状の凸部の長手と
は、図2に示すように畝(4)の頂部(5)の長さ方向
のことを指す。
絡部の間で単に盛り上がることによって、交絡部と平行
な方向(以下、縦方向という)を長手とする大きな畝が
筋状に形成されるだけでなく、第一繊維層が縦方向にも
大きく熱収縮することによって、図3のように不織布
(6)の交絡部(1)の間でさらに細かな多数の畝状の
凸部(4)が、交絡部と直交する方向(以下、横方向と
いう)を長手として形成されることを特徴とするもので
ある。従って、加熱処理は第一繊維層が縦方向に十分に
収縮し、かつ縦方向の収縮率が横方向のそれよりも大き
くなるように行う必要がある。
収縮率は、10〜80%であることがことが望ましい。
10%未満では、畝の形成が不十分で不織布に十分な嵩
高性を付与することができず、また面ファスナー雌材と
して用いた場合には、凸部の数が少ないために係合力が
不十分となる。収縮率が大きくなるほど、形成される畝
の数は多くなるが、80%以上収縮させると繊維密度が
高くなって触感が硬くなり、またこれを面ファスナー雌
材として用いても係合力は変わらず、むしろ厚みが増
し、柔軟性が悪くなるので好ましくない。
60%程度であることが望ましい。あまり横方向の収縮
率が大きくなると、交絡部の間において、上述したよう
な細かな畝状の凸部が形成されにくくなるからである。
率を押さえるためには、第一繊維層として、構成繊維の
大部分が縦方向に配列したパラレルウェブからなる不織
布を使用するとよい。
あるいは潜在捲縮性繊維が、熱収縮あるいは捲縮する温
度で行う。具体的には、例えば熱風貫通型乾燥機により
行うことができる。この場合、熱収縮率は温度および滞
留時間によって決定される。例えば、熱収縮性繊維とし
て前述したエチレン−プロピレンランダムコポリマーか
らなる繊維を用いる場合には、加熱温度(T℃)を10
0<T<Tm+30の範囲内とし、この温度で10秒〜
1分間加熱処理を施せばよい。加熱温度が100℃未満
では熱収縮が不十分であり、Tm+30℃を超えると繊
維が完全に溶融し収縮応力が著しく低下するため好まし
くない。
は、交絡部が筋状に存在し、交絡部の間において不織布
の横方向を長手とする畝状の凸部が多数形成されたもの
である。そして、畝状の凸部においては繊維の自由度が
比較的高いから、不織布全体は非常に柔らかく、また、
面ファスナー雄材の係合部と非常に係合しやすいという
利点を有するものである。また、交絡部の占める割合が
少ないため、低目付であっても均一で、優れた外観を呈
する不織布を得ることができる。
に説明する。なお、得られた不織布の厚みおよび面ファ
スナー性能(引張せん断強力、剥離強力)は、それぞれ
次のような方法で測定した。
荷重を加えた状態で測定した。
型のフック部が1cm2 あたり約200個設けられた幅5
cmの面ファスナー雄材(YKK(株)製)と実施例で作
成した面ファスナー雌材(幅5cm)を8cmの長さで係合
させて2.0kgのローラで加重係合した。次いでこれ
をオリエンテック(株)製テンシロンを用いて、係合し
ていない部分の雄材と雌材の上下をつかみ間隔10cmで
つかみ、速度10cm/分で引張強力試験を行い、最大強
力を読み取り、これを係合部の面積で除した値を引張せ
ん断強力(kgf/cm2 )とした。
て雌材と雌材を係合し、次いで係合した一方の端部4cm
(雄材と雌材の合計8cm)を剥がして、角度180℃の
方向に上と下に分け、オリエンテック(株)製テンシロ
ンを用いて、速度10cm/分、チャート速度10cm/分
で剥離を約3cm行った。そしてグラフから極大点6点、
極小点6点を読み取り、その平均値を試料幅(5cm)で
除した値を剥離強力(gf/cm)とした。
接着剤を塗布して基体へ取り付ける際の作業性を、良い
ものから順に◎、○、△、×で評価した。
て、融解ピーク温度が136℃のエチレン−プロピレン
ランダムコポリマーを260℃で溶融紡糸し、3.5倍
に延伸したものをカットして繊度2デニール、繊維長5
1mmのステープルファイバーとした。この繊維は、15
0℃の雰囲気下に1分間置いたとき92%の乾熱収縮率
(最大熱収縮率)を示した。乾熱収縮率は、繊維を50
本束ねて、黒い綿糸で所定間隔に印をつけ、温度150
℃の雰囲気下に30秒程度曝した後、印をつけた間隔を
測定して算出した。ここでは融解ピーク温度(融点)よ
り高い温度で測定しているが、処理時間が短いので繊維
形状を保ったまま収縮させることができる。
%と、繊度1.5デニール、繊維長40mmのレーヨン繊
維50重量%を混合し、パラレルカードで目付20g/
m2 のパラレルウェブを作成した。次いでこのウェブ
に、水圧40kg/cm2 の高圧柱状水流を噴射し、繊維同
士を交絡させて不織布とし、これを第一繊維層とした。
また、第二繊維層として、繊度6デニールのポリプロピ
レン繊維からなる目付15g/m2 のスパンボンド不織
布を用意し、これを第一繊維層に積層して高圧柱状水流
を噴射し、両繊維層間を一体化させた。高圧水流処理
は、孔径0.13mmのオリフィスが5mm間隔で穿孔され
たノズルから水圧120kg/cm2 の柱状水流を噴射して
行った。次いでこの積層不織布に135℃の熱風貫通型
乾燥機内で12秒間加熱処理を施し、第一繊維層を熱収
縮させて第二繊維層に畝状の凸部を形成させた。得られ
た嵩高性不織布の交絡部の間には、不織布の横方向を長
手とする畝状の凸部が、不織布の縦方向1cmあたり約4
個形成されていた。また第一繊維層側、即ち凸部が形成
されていない面は平滑であり、基体への取付作業を容易
に行うことができた。
外は実施例1と全く同じ方法で嵩高性不織布を作成し
た。得られた嵩高性不織布の交絡部の間には、不織布の
横方向を長手とする畝状の凸部が、不織布の縦方向1cm
あたり約5個形成されていた。また実施例1と同様、裏
面が平滑であり、基体への取付作業を容易に行うことが
できた。
繊維50重量%と、繊度1.5デニール、繊維長40mm
のレーヨン繊維50重量%を混合し、パラレルカードで
目付20g/m2のパラレルウェブを作成し、これを第
一繊維層とした。また、第二繊維層として実施例1で使
用したものと同じ長繊維不織布を用意し、これに第一繊
維層を積層して高圧柱状水流を噴射し、両繊維層間を一
体化させた。高圧水流処理は、孔径0.13mmのオリフ
ィスが1mm間隔で穿孔されたノズルから水圧40kg/cm
2 の柱状水流を噴射して行った。次いでこの積層不織布
に実施例1と同じ方法で加熱処理を施した。得られた不
織布の表面にはランダムな形状の凸部が多数形成されて
いた。また、高圧水流処理の際、繊維が飛び散ったた
め、不織布が平らでなく、全体的にでこぼこしていた。
外は比較例1と全く同じ方法で不織布を作成した。得ら
れた不織布の表面にはランダムな形状の凸部が多数形成
されていた。また、比較例1同様、不織布が平らでな
く、全体的にでこぼこしていた。
を表1に示す。
し、交絡部の間において不織布の横方向を長手とする畝
状の凸部が多数形成されたものである。そして、畝状の
凸部においては繊維の自由度が比較的高いから、不織布
全体は非常に柔らかく、また、面ファスナー雄材の係合
部と非常に係合しやすい。また、交絡部の占める割合が
少ないため、低目付であっても均一で、優れた外観を呈
する不織布を得ることができる。従って、この不織布
は、紙おむつ等のディスポーザブル商品に使用される面
ファスナー雌材として特に好ましく使用される。
示す斜視図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 熱により面収縮する性質を有する第一繊
維層と第一繊維層が面収縮する温度では実質的に面収縮
しない第二繊維層とが繊維同士の交絡により一体化され
てなる不織布において、交絡部が筋状に存在し、かつ交
絡部以外の部分の第二繊維層において、交絡部と直交す
る方向を長手とする畝状の凸部が多数形成されているこ
とを特徴とする嵩高性不織布。 - 【請求項2】 第一繊維層が、最大熱収縮率が少なくと
も50%以上の熱収縮性繊維を30重量%以上含む繊維
層である請求項1記載の嵩高性不織布。 - 【請求項3】 熱収縮性繊維が、融解ピーク温度(Tm
℃)が130<Tm<145のエチレン−プロピレンラ
ンダムコポリマーを少なくとも70重量%以上含むポリ
マーからなる繊維であることを特徴とする請求項2記載
の嵩高性不織布。 - 【請求項4】 第一繊維層が、熱により立体捲縮を発現
した潜在捲縮性繊維を30重量%以上含む繊維層である
請求項1記載の嵩高性不織布。 - 【請求項5】 交絡部の間隔が、2〜15mmである請求
項1記載の嵩高性不織布。 - 【請求項6】 熱により面収縮する性質を有する第一繊
維層の少なくとも片面に、第一繊維層が面収縮する温度
では実質的に面収縮しない第二繊維層を積層し、これに
高圧柱状水流を筋状に噴射して、両繊維層を一体化させ
た後、加熱処理を施すことにより、第一繊維層を面収縮
させ、交絡部以外の部分の第二繊維層に、交絡部と直交
する方向を長手とする畝状の凸部を多数形成させること
を特徴とする嵩高性不織布の製造方法。 - 【請求項7】 第一繊維層が筋状の交絡部と平行な方向
に10〜80%、交絡部と直交する方向に2〜60%収
縮し、かつ交絡部と平行な方向の収縮率が直交する方向
の収縮率よりも大きくなるように加熱処理を施すことを
特徴とする請求項6記載の嵩高性不織布の製造方法。 - 【請求項8】 第一繊維層が、最大熱収縮率が少なくと
も50%である熱収縮性繊維を30重量%以上含む繊維
層である請求項6もしくは7記載の嵩高性不織布の製造
方法。 - 【請求項9】 第一繊維層が、熱により立体捲縮を発現
する潜在捲縮性繊維を30重量%以上含む繊維層である
請求項6もしくは7記載の嵩高性不織布の製造方法。 - 【請求項10】 交絡部の間隔が、2〜15mmである請
求項6記載の嵩高性不織布の製造方法。 - 【請求項11】 請求項1〜5いずれか1項記載の嵩高
性不織布において、第二繊維層に形成された凸部を係合
部として使用することを特徴とする面ファスナー雌材。 - 【請求項12】 第二繊維層が長繊維不織布である請求
項11記載の面ファスナー雌材。
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