[go: up one dir, main page]

JP3051776B2 - 定着装置 - Google Patents

定着装置

Info

Publication number
JP3051776B2
JP3051776B2 JP3302681A JP30268191A JP3051776B2 JP 3051776 B2 JP3051776 B2 JP 3051776B2 JP 3302681 A JP3302681 A JP 3302681A JP 30268191 A JP30268191 A JP 30268191A JP 3051776 B2 JP3051776 B2 JP 3051776B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone oil
less
oil
fixing
toner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3302681A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05113735A (ja
Inventor
健 校條
憲一 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP3302681A priority Critical patent/JP3051776B2/ja
Publication of JPH05113735A publication Critical patent/JPH05113735A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3051776B2 publication Critical patent/JP3051776B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像形成装置におい
て、転写材上に転写したトナー像を定着する定着装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の定着装置を備えた画像形成装置の
一例としては図1に示すようなカラー画像を形成する電
子写真装置がある。
【0003】図1に示されるカラー電子写真装置は、装
置本体100の右側(図右側)から装置本体100の略
中央部に亘って設けられている転写材搬送系Iと、装置
本体100の略中央部に、上記転写材搬送系Iを構成し
ている転写ドラム18に近接して設けられている潜像形
成部IIと、上記潜像形成部IIと近接して配設されている
現像手段、すなわち回転式現像装置III に大別される。
【0004】上記転写材搬送系Iは、以下のような構成
となっている。先ず、上記装置本体100の右壁(図右
側)に開口部が形成されており、該開口部に着脱自在な
転写材供給用トレイ101,102が一部機外に突出し
て配設されている。該トレイ101,102の略直上部
には給紙用ローラ103,104が配設され、これら給
紙用ローラ103,104と左方に配された矢印A方向
に回転自在な転写手段たる転写ドラム18とを連絡する
ように、給紙ローラ106,107及び給紙ガイド24
a,24bが設けられている。上記転写ドラム18の外
周面近傍には回転方向上流側から下流側に向って当接用
ローラ17、グリッパ16、転写材分離用帯電器22、
分離爪20が順次配設されている。また、上記転写ドラ
ム18の内周側には転写帯電器19、転写材分離用帯電
器23が配設されている。上記転写ドラム18の右側上
部には上記分離爪20と近接して搬送ベルト手段25
が、そして該搬送ベルト手段25の転写材搬送方向終
(右)端には定着装置26が配設されている。該定着装
置26よりもさらに搬送方向後流には装置本体100外
へと延在し、装置本体100に対して着脱自在な排出用
トレイ27が配設されている。
【0005】次に、上記潜像形成部IIの構成を説明す
る。先ず、図1矢印B方向に回転自在な潜像担持体たる
感光ドラム32が、外周面を上記転写ドラム18の外周
面と当接して配設されている。上記感光ドラム32の上
方でその外周面近傍には、該感光ドラム32の回転方向
上流側から下流側に向って除電用帯電器30、クリーニ
ング手段31及び一次帯電器33が順次配設され、さら
に上記感光ドラム32の外周面上に静電潜像を形成する
ためのレーザビームスキャナのごとき像露光手段及び像
露光反射手段が配設されている。
【0006】最後に上記回転式現像装置III の構成は以
下のごとくである。上記感光ドラム32の外周面と対向
する位置に、回転自在な筐体(以下「回転体」という)
34が配設され、該回転体34中には四種類の現像装置
が周方向の四位置に搭載され、上記感光ドラム32の外
周面上に形成された静電潜像を可視化(すなわち現像
化)するようになっている。上記四種類の現像装置は、
それぞれイエロー現像装置34Y、マゼンタ現像装置3
4M、シアン現像装置34C及びブラック現像装置34
BKとなっている。
【0007】上述したごとき構成の画像形成装置全体の
シーケンスについて、まず、フルカラーモードの場合を
例として簡単に説明する。上述した感光ドラム32が図
矢印B方向に回転すると、該感光ドラム32上の感光体
は一次帯電器33によって均等に帯電される。
【0008】一次帯電器33はステンレス鋼より成る電
気的に接地されたシールド板33−1とその中央に張ら
れた直径60μmの金メッキタングステン線から成る一
次ワイヤー33−2を有しており、該一次ワイヤー33
−2に電流を流すことによりシールド板33−1方向及
び感光ドラム32方向にコロナ放電がなされる。また、
シールド板33−1の感光ドラム32方向の開口部に
は、タングステン線より成るグリッドワイヤー33−3
が張られており、該グリッドワイヤー33−3に適度な
電圧を与えることにより感光ドラム32表面を均一にし
かも適度に制御させて帯電させることができる。
【0009】一次帯電器33による感光体に対する均等
な帯電が行われると、原稿のイエロー画像信号にて変調
されたレーザ光Eにより画像露光が行われ、感光ドラム
32上に静電潜像が形成され、回転体34の回転により
あらかじめ現像位置に定置されたイエロー現像装置34
Yによって上記静電潜像の現像が行われる。
【0010】一方、給紙ガイド24a、給紙ローラ10
6、給紙ガイド24bを経由して搬送されてきた転写材
は、所定のタイミングにてグリッパ16により保持さ
れ、当接用ローラ17と該当接用ローラ17と対向して
いる電極とによって静電的に転写ドラム18に巻き付け
られる。転写ドラム18は、感光ドラム32と同期して
図矢印A方向に回転しており、イエロー現像装置34Y
で現像された顕画像は、上記感光ドラム32の外周面と
上記転写ドラム18の外周面とが当接している部位にて
転写帯電器19によって転写される。転写ドラム18は
そのまま、回転を継続し、次の色(図においてはマゼン
タ)の転写に備える。
【0011】他方、感光ドラム32は上記除電用帯電器
30により除電され、クリーニング手段31によってク
リーニングされた後、再び一次帯電器33によって帯電
され、次のマゼンタ画像信号により上記のような像露光
を受ける。上記回転式現像装置は、感光ドラム32上に
上記像露光によってマゼンタ画像信号による静電潜像が
形成される間に回転して、マゼンタ現像装置34Mを上
述した所定の現像位置に定置せしめ所定のマゼンタ現像
を行う。引き続いて、上述したごときプロセスをそれぞ
れシアン色及びブラック色に対しても実施し、四色分の
転写が終了すると、転写材上に形成された四色顕画像は
各帯電器22,23により除電され、上記グリッパ16
による転写材の把持が解除されると共に、該転写材は、
分離爪20によって転写ドラム18より分離され、搬送
ベルト25で定着装置26に送られ、熱と圧力により定
着され一連のフルカラープリントシーケンスが終了し、
所要のフルカラープリント画像が形成されることとな
る。
【0012】次に、本画像形成装置に使用する現像剤た
るカラートナーについて説明する。
【0013】このカラートナーには、熱を印加した際の
溶融性、混色性が良いことが必要であり、軟化点が低
く、かつ溶融粘度の低いシャープメルト性のトナーを使
用することが好ましい。こうしたシャープメルトトナー
を使用することにより、複写物の色再現範囲を広め、原
稿像に忠実なカラーコピーを得ることができるからであ
る。
【0014】このようなシャープメルトトナーは、例え
ばポリエステル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂、着
色剤(染料、昇華性染料)、荷電制御剤等のトナー形成
用材料を溶融混練、粉砕、分級することにより製造され
る。必要とあらば、トナーに各種外添剤を添加する外添
工程を付加してもよい。このようなカラートナーとして
は定着性、シャープメルト性を考慮すると結着樹脂とし
てポリエステル樹脂を使用したものが特に好ましい。シ
ャープメルト性ポリエステル樹脂としてはジオール化合
物とジカルボン酸とから合成される分子の主鎖にエステ
ル結合を有する高分子化合物が例示される。
【0015】特に、次式
【0016】
【化1】 (式R中はエチレンまたはプロピレン基であり、x,y
はそれぞれ1以上の正の整数であり、かつx+yの平均
値は2〜10である。)で代表されるビスフェノール誘
導体もしくはその置換体をジオール成分とし、2価以上
のカルボン酸又はその酸無水物又はその低級アルキルエ
ステルとからなるカルボン酸成分(例えばフマル酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、
トリメリット酸、ピロメリット酸等)とを少なくとも共
縮重合したポリエステル樹脂がシャープな溶融特性を有
するのでより好ましい。
【0017】シャープメルト性ポリエステル樹脂の軟化
点は、75〜150℃、好ましくは80〜120℃が良
い。
【0018】このシャープメルトトナーの軟化特性の例
を図2に示す。測定条件は以下の通りである。
【0019】フローテスターCFT−500A型(島津
製作所製)を使用し、ダイ(ノズル)の直径0.2mm、
厚み1.0mmとして20kgの押出荷重を加え初期設定温
度70℃で、予熱時間300秒の後、6℃/分の速度で
等速昇温したとき描かれるトナーのプランジャー降下量
−温度曲線(以下軟化S字曲線という)を求めた。試料
となるトナーは1〜3g精秤した微粉末を用い、プラン
ジャー断面積は1.0cm2 とする。軟化S字曲線は図2
のようなカーブとなる。等速昇温するに従い、トナーは
徐々に加熱され流出が開始される(プランジャー降下A
→B)。さらに昇温すると溶融状態となったトナーは大
きく流出し(B→C→D)プランジャー降下が停止し終
了する(D→E)。
【0020】S字曲線の高さHは全流出量を示し、H/
2のC点に対応する温度T0はトナーの軟化点を示す。
【0021】トナー及び結着樹脂がシャープメルト性を
有するか否かは、トナーまたは結着樹脂の見掛けの溶融
粘度を測定することにより判定できる。
【0022】このようなシャープメルト性を有するトナ
ーまたは結着樹脂とは、見掛けの溶融粘度が103 ポイ
ズを示すときの温度をT1、5×102ポイズを示すと
きの温度をT2としたとき、 T1=90〜150℃ |△T|=|T1−T2|=5〜20℃ の条件を満たすものをいう。
【0023】これらの温度−溶融粘度特性を有するシャ
ープメルト性樹脂は加熱されることにより極めてシャー
プに粘度低下を起こすことが特徴である。このような粘
度低下が最上部トナー層と最下部トナー層との適度な混
合を生じせしめ、さらにトナー層自体の透明性を急激に
増加させ、良好な減色混合を起こすものである。
【0024】このようなシャープメルト性のカラートナ
ーは、親和力が大きく、定着ローラにオフセットし易い
という性質も有している。
【0025】したがって、以上のようなカラートナーを
用いる画像形成装置の定着装置においては、長期間に亘
って高い離型性を示すことが必要となる。以下に、本画
像形成装置における定着装置26について図3を用いて
説明する。
【0026】定着装置26は、図3に示すように定着ロ
ーラ1と、これに相対する加圧ローラ2と、定着ローラ
1に離型剤のシリコーンオイルを塗布する離型剤塗布手
段3と、定着ローラ1をクリーニングするクリーニング
手段4とを備えてなっている。
【0027】定着用回転体たる定着ローラ1はアルミニ
ウム製の芯金5上に2.8mm厚のHTV( 高温加硫型)
シリコーンゴム層と、その外層に200μm厚のRTV
( 室温加硫型)シリコーンゴムからなるジメチルシリコ
ーンゴム層6を被覆してなっており、直径40mmに形成
されている。
【0028】一方、加圧ローラ2はアルミニウム製の芯
金8の上に1mm厚のHTVシリコーンゴム層を被覆し、
さらにその表面にフッ素樹脂層9を形成しており、同様
に直径40mmとなっている。
【0029】上記定着ローラ1には熱源であるハロゲン
ヒータ7が配設され、加圧ローラ2には同じくヒータ1
1が芯金内に配設されて両面からの加熱を行っている。
加圧ローラ2に当接されたサーミスタ12aにより加圧
ローラ2の温度が検知され、この検知温度に基づき制御
装置12によりハロゲンヒータ7,11が断続的に制御
され、定着ローラ1の温度及び加圧ローラ2の温度が共
に約170℃に一定に保つように制御される。
【0030】また、離型剤塗布手段3は、容器13内に
収容したシリコーンオイル14として粘度450csの
メチルフェニルシリコーンオイル(信越化学株式会社製
KF54 450cs)を、上下の供給ローラ15A,
15Bで汲み上げて、定着ローラ1のシリコーンゴム層
6に塗布するようになっている。シリコーンゴム層6へ
のシリコーンオイルの塗布量は、上の供給ローラ15A
へ当接させた塗布量調整ブレード10により調整され
る。
【0031】さらに、クリーニング手段4はノーメック
ス(商品名)よりなるウェブを備え、送り出し軸4aか
ら巻き取り軸4cに順次送られ、中央の押し当てローラ
4bにより定着ローラ1に押し当てられて、定着ローラ
1のシリコーンゴム層6にオフセットしたトナーを除去
する。
【0032】以上のような定着装置において、未定着の
トナー像Tを担持した転写材Pが搬送装置(図示せず)
により矢印a方向に搬送されて来ると、駆動装置(図示
せず)により矢印bの方向に回転される定着ローラ1と
加圧ローラ2はその転写材Pを挟持しながら通過させ
る、。これにより、ローラ1,2間の熱及び圧力でトナ
ーが溶融して、トナー像Tが転写材P上に定着される。
【0033】したがって、この定着の際に溶融したトナ
ーが定着ローラ1に付着しないように適量の離型剤を塗
布する必要があるが図3に示す装置ではシリコーンオイ
ルを0.08g/A4塗布している。
【0034】なお、上記離型剤塗布手段3によるシリコ
ーンオイルの塗布量は、次のようにして求める。
【0035】先ず、A4サイズの白紙50枚の重量をA
1(g)とし、この白紙上への画像の転写もせず、定着
ローラのゴム層へのシリコーンオイルの塗布もせずに、
定着ローラと加圧ローラとの間を通紙した後の白紙50
枚の重量をB(g)とする。次に、同様に別のA4サイ
ズの白紙50枚の重量をA2(g)とし、この白紙上へ
の画像の転写をしないが、定着ローラのゴム層へのシリ
コーンオイルの塗布は行って、定着ローラと加圧ローラ
との間を通紙した後の白紙50枚の重量をC(g)とす
る。以上のA1,B,A2,Cを用いるとA4サイズの
白紙1枚当たりのシリコーンオイルの塗布量X(g)
は、次式のように求められる。
【0036】X=(C+A1−B−A2)/50
【0037】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
こうした定着装置では以下のような問題点が発生してい
た。
【0038】すなわち、離型剤として使用される定着装
置のオイルが200℃前後に加熱されるため、オイル中
の低分子量成分が蒸発し、機内に充満することにより、
上述した一次帯電器33のワイヤーに付着する。この結
果、ワイヤーのコロナ放電分布にむらが生じ、感光ドラ
ム32上に均一に帯電することができず、線状、帯状に
帯電むらを生じていた。そのため、画像として線や帯状
の濃度むらが生じるといった問題点が発生していた。
【0039】また他にも蒸発したオイル分が反射ミラー
に付着して汚れが生じたり、機内各摺動部に付着し、摺
動を悪くする等の問題点を発生していた。
【0040】上記問題点は、シリコーンオイル14に粘
度70csのアミノ変性シリコーンオイル(信越化学株
式会社製KF857,70cs)を用いた場合、あるい
は、粘度300csのジメチルシリコーンオイル(信越
化学株式会社製KF96,300cs)を用いた場合で
も同様に発生した。
【0041】また、上記問題点の他に、一万枚程度の耐
久試験においてはオフセットが発生し、高い離型性を長
時間維持できないという問題点も有していた。
【0042】本発明は、上記問題点を解決し、蒸発した
オイルの汚れによる帯電不良等を防止し、かつオフセッ
トを有効に防止して長期に亘って良好な画像を形成する
ことのできる定着装置を提供することを目的としてい
る。
【0043】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、内部に熱源を有する定着用回転体と、該定着用回
転体表面に離型剤を塗布する離型剤塗布手段とを備えた
定着装置において、上記離型剤は主要成分の重合度が1
5以下の各低分子量成分の揮発量それぞれ50ppm
以下であり、フェニル基のモル数が25mol未満であ
メチルフェニルシリコーンオイル、又は、主要成分の
重合度が15以下の各低分子量成分の揮発量がそれぞれ
50ppm以下であり、アミン当量が300〜8,00
0であるアミノ変性シリコーンオイルを用いることによ
り達成される。
【0044】
【作用】本発明は、離型剤に主要成分の重合度が15以
下の各低分子量成分の揮発量をそれぞれ50ppm以下
に設定したメチルフェニルシリコーンオイル、あるいは
アミノ変性シリコーンオイルを用いるので、定着用回転
体内部の熱源によって上記離型剤が加熱されても上記低
分子量成分の蒸発量が少なく、帯電器のワイヤーや反射
ミラー等にほとんど付着することがない。したがって、
画像に悪影響を与えたり、装置の動作不良を起こさな
い。また、上記メチルフェニルシリコーンオイルやアミ
ノ変性シリコーンオイルを用いるとオフセットを長期に
亘って防止できることが判った。
【0045】
【実施例】本発明の実施例を参考例と共に説明する。
【0046】〈第一参考例〉 先ず、本発明の第一参考例について説明する。なお、使
用する画像形成装置等の図1ないし図3に示した従来例
との共通箇所については同一符号を付して説明を省略す
る。
【0047】本参考例は定着装置26の離型剤として使
用するメチルフェニルシリコーンオイルに、 ・フェニル基のモル数 25mol ・粘度 450cs ・重合度15以下の低分子量成分を14,13,……,
2,1と各重合グレードで200℃、一時間の加熱にお
ける揮発量を50ppm以下に除去したものを用いたと
ころが従来例と異なる。
【0048】本参考例では上記除去の方法として、従来
公知のストリップ法を用いたが、他の溶剤洗浄法、超臨
界抽出法等の方法を適宜使用することができ、さらに、
減圧下で加熱ストリップする方法、あるいは、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、アセトン等の溶剤を加
えて除去する方法も適宜採用できる。
【0049】こうしたオイルを使用して画像形成の定着
を行ったところ、従来約五万枚にて帯電ワイヤーにオイ
ル分が付着し、画像上すじや帯の濃度むらが発生してし
まったのに対し、本実施例では二十万枚まで画像上全く
問題のない画像形成が可能となった。
【0050】〈第二参考例〉 次に、本発明の第二参考例について説明する。なお、第
参考例との共通箇所は説明を省略する。
【0051】本参考例は、図3に示す離型剤塗布手段3
を省略し、ウェブ4にオイルを含浸させて定着ローラ1
上に塗布するようにしたところが第一参考例と異なる。
含浸させたオイルは第一参考例と同じである。
【0052】本参考例によれば、定着装置として有する
オイルの量が従来例のように多くならず、減少したこと
とも相俟って、オイルの蒸発による画像上不具合の発生
までの期間がさらに延び、四十万枚まで良好な画像を得
ることが可能となった。
【0053】〈第実施例〉 次に、本発明の第実施例について説明する。なお、第
参考例との共通箇所については説明を省略する。
【0054】本実施例は、第一参考例と同様の装置を用
いたが、塗布する離型剤として ・フェニル基のモル数 15mol ・粘度 300cs ・重合度15以下の低分子量成分を200℃、一時間の
加熱における揮発量で各50ppm以下に除去したメチ
ルフェニルシリコーンオイルを用いたところが第一参考
例と異なる。
【0055】本実施例では、フェニル基のモル数を減ら
すことにより後述するような熱による粘度低下を25m
olの場合より軽減させているため蒸気揮発量が減り効
果も大きく、第一参考例以上に二十万枚以上画像上全く
問題のない画像形成が可能となった。
【0056】上述した実施例においては、メチルフェニ
ルシリコーンオイルの粘度を300cs〜450csと
した例を示したが、50cs〜100,000csの広
い範囲に亘り本発明は有効である。また、フェニル基の
モル数が25mol未満である場合に、本発明有効で
り、5mol以上25mol未満、更には15mol
以上25mol未満であることが好ましい
【0057】ここで、特開昭63−311372、特開
平1−311128においてシリコーンオイルまたはジ
メチルシリコーンオイルとして重合度10以上または分
子量2000以下の含有量を300ppm以下とする発
明が提案されているが、本発明のメチルフェニルシリコ
ーンオイルとこの公知例とは以下に述べるように定着装
置に使用するにあたり、大きくその効果が違う。
【0058】先ず、定着ローラ表層材質にジメチルシリ
コーンゴムを使用する場合、塗布するオイルが同系統の
ジメチルシリコーンオイルであると、ゴムがオイルを吸
収することによりいわゆる膨潤し、ゴムが膨張する。こ
の結果、ローラ径が大きくなったり、または熱劣化等に
相俟ってゴム破壊を起こすことがある。
【0059】ところが、本発明のように、メチルフェニ
ルシリコーンオイルを使用する場合はゴムとオイルの親
和力が少ないために吸収されず、すなわち膨潤せずに上
記のような不具合が発生しない。したがって、シリコー
ンオイルまたはジメチルシリコーンオイルを用いずに本
発明のオイルを使用することは上記公知例に比べて優れ
た効果を発揮することが判る。
【0060】また、メチルフェニルシリコーンオイルは
温度上昇に伴う粘度低下が急激であり、室温状態でジメ
チルシリコーンオイルと同粘度であったメチルフェニル
シリコーンオイルの粘度は加熱状態で(例えば150〜
200℃)ジメチルシリコーンオイルより低くなる。つ
まり、ジメチルシリコーンオイルを用いると低分子量成
分が蒸発し易くなるために帯電器等に付着して画像に与
えるダメージは大きくなるが、本発明によるメチルフェ
ニルシリコーンオイルの重合度15以上のオイルを使用
すれば、蒸発量が少なく画像に悪影響を与えることがな
い。
【0061】また、上述したシャープメルト性カラート
ナーのようなオフセットのし易いトナーを離型するため
のオイルとして、ジメチルシリコーンオイルよりメチル
フェニルシリコーンオイルの方が大きな効果を発生す
る。この原因は明確ではないが、ジメチルシリコーンオ
イルはゴム中に侵入する際、溶解したトナーを一緒に取
り込むため、ゴム表層がトナー成分で覆われてしまうの
に対し、ゴム中に侵入しないメチルフェニルシリコーン
オイルは溶解したトナーもゴム中に侵入させないために
ゴム表面が常に汚染されず、離型性を保つものと考えら
れる。
【0062】したがって、定着試験を行うと、ジメチル
シリコーンオイルでは一万枚しかオフセットまでの寿命
がもたなかったのに対し、メチルフェニルシリコーンオ
イルでは三万枚までオフセットしない長寿命とすること
ができる。
【0063】また、特開昭63−44681において、
200℃で10mmHg以上の蒸気圧を有する低分子シロキ
サンの含有量が0.2重量%より少ないフェニル基を有
するシリコーンゴムの提案がなされているが、本発明に
おける定着装置に塗布する離型用オイルとしてのメチル
フェニルシリコーンオイルとは、大きく異なる。
【0064】なお、「重合度15以下の低分子量成分の
200℃、一時間における揮発量が各50ppm以下」
とはメチルフェニルシリコーンオイル200gを熱媒に
より200℃に加熱し、一時間2.5 l/min で空気を
導入し、トラップ溶剤としてのイソプロピルアルコール
(以下、IPAとする)に揮発分をトラップさせる方法
で検出する。かかるIPA10gをガスクロマトグラフ
にて分析し、各量体における量(ppm)を分析する。
【0065】以下に、一般的なジメチルシリコーンオイ
ル300csと、重合度15以下を各50ppmにカッ
トした本発明メチルフェニルシリコーンオイルの揮発量
の一例を表に示す。
【0066】
【表1】 〈第実施例〉 次に、本発明の第実施例について説明する。なお、第
参考例との共通箇所の説明は省略する。
【0067】本実施例は、離型剤としてアミノ変性シリ
コーンオイルを用い、KF857(信越化学株式会社
製)をベースとして重合度15以下を15,14……,
1と各重合グレードで200℃、一時間の加熱における
揮発量を50ppm以下に除去したものを用いた。
【0068】除去の方法は第一参考例と同様である。本
実施例によっても第一参考例と同様に二十万枚までオイ
ルの蒸発が原因となる画像不良がなく良好な画像が得ら
れた。
【0069】また、従来のジメチルシリコーンオイルで
は定着通紙試験において約一万枚でオフセットが発生し
たのに対し、本実施例ではオイルの塗布量が従来例と同
じ約0.08g/A4であっても約五万枚までオフセッ
トが発生しなかった。
【0070】〈第実施例〉 次に、本発明の第実施例について説明する。なお、第
実施例との共通箇所の説明は省略する。
【0071】本実施例はウェブ4にオイルを含浸させて
定着ローラ1上に塗布するようにしたところが第実施
例と異なる。含浸させたオイルは第実施例と同じであ
る。
【0072】本実施例によれば、定着装置として有する
オイルの量が従来例のように多くなく、減少したことも
相俟って、オイルの蒸発による画像上不具合の発生する
までの期間がさらに延び、四十万枚まで良好な画像を得
ることが可能となった。
【0073】オフセットに関しても五万枚まで発生する
ことがなかった。
【0074】なお、本実施例では塗布量が0.01g/
A4と少なくなったが、アミノ変性シリコーンオイルの
相手物質への吸着性効果により被膜形成が強固に行われ
ているために離型性及び耐久性に問題はなかった。
【0075】〈第実施例〉 次に、本発明の第実施例について説明する。なお、第
実施例との共通箇所の説明は省略する。
【0076】本実施例は、第実施例と同様の装置を用
いたが塗布する離型剤としてKF860(信越化学株式
会社製)をベースに重合度15以下の200℃、一時間
加熱における揮発量を各50ppm以下に除去したアミ
ノ変性シリコーンオイルを用いたところが第実施例と
異なる。
【0077】本実施例では、第実施例より粘度が上が
ったことにより上記揮発量が減り、効果も大きく、第
実施例以上に二十万枚以上画像上全く問題のない画像形
成が可能となった。
【0078】オフセットも五万枚まで発生しなかった。
【0079】上述した実施例においては、KF857,
KF860(信越化学株式会社製)を使用した実施例を
示したが、本発明はこれに限るものではなく粘度におい
て50cs〜50,000csの広い範囲で効果が発生
する。
【0080】第一参考、第二参考例及び実施例に
用いた本発明のメチルフェニルシリコーンオイルが、特
開昭63−311372及び特開平1−311128に
提案されたシリコーンオイルまたはジメチルシリコーン
オイルよりも優れた効果を発揮するこことは上述した通
りであるが、第実施例ないし第実施例に用いた本発
明のアミノ変性シリコーンオイルも上記公知例のシリコ
ーンオイルまたはジメチルシリコーンオイルより優れた
効果を発揮する。特に、カラートナーのような相手物質
との親和力が高くオフセットし易いトナーにおいて上記
公知例よりも高い離型性を示すことが確認された。
【0081】これは、アミノ変性シリコーンオイルが相
手物質との強い吸着性を示すためであると推察される。
例えば、ジメチルシリコーンオイルは定着ローラ表面に
保護膜状の離型層として形成されるが、紙等の転写材の
吸収性により大部分が転写材に吸収される。したがっ
て、離型層の形成が不完全なものとなり、オフセットが
発生し易かった。
【0082】これに対し、アミノ変性シリコーンオイル
は相手物質との吸着性が高いため転写材の吸収によって
も定着ローラ表面上に離型層として残存し、上記公知例
よりも優れた離型性を長期に亘って保持するものと考え
られる。
【0083】また、アミノ変性シリコーンオイルはアミ
ン当量が変化可能で アミノ変性シリコーンオイル アミン当量 KF857 830 KF860 7,600 (信越化学株式会社カタログ値より) であるが、アミン当量は多すぎると耐熱性等の問題で不
具合が発生する虞れもあるため、300〜8,000で
あることが必要である。この値は使用する定着装置の設
定温度にも依存し、上記範囲内で適宜選択されるべきも
のである。
【0084】なお、本発明のアミノ変性シリコーンオイ
ルは上述のように単体で用いてアミン当量を変化させて
も良いし、ジメチルシリコーンオイルと適宜混入させて
アミン当量を制御しても良い。このようにすることによ
って、コストの高いアミノ変性シリコーンオイルの量を
少なくすることができ、コストの低減にもなる。
【0085】また、オイル塗布量に関しては、0.08
g/A4,0.01g/A4の例を示したが、0.00
01g/A4〜05g/A4程度の広いの範囲で本発明
の効果を得ることができる。好ましくは、0.001g
/A4〜0.1g/A4の範囲で用いれば良い。
【0086】なお、「重合度15以下の低分子量成分の
200℃、一時間における揮発量が各50pm以下」と
は第一参考例、第二参考例及び実施例のメチルフェ
ニルシリコーンオイルの場合と同様であり、説明を省略
する。
【0087】また、従来、特公昭59−4699におい
て、官能基にアミノ基を有する重合体流体が開示されて
おり、一般白黒トナーに対しては、発色性、混色性等の
要求が多くないためにトナー自体を高離型性、すなわ
ち、オフセットし難くすることが可能であった。しか
し、カラートナーにおいては、上述したようにトナー自
体に離型性をもたせられないために特に外部からの離型
補助が大きな役割となり、この点において本発明は上記
公知例よりもカラートナー等に対して特に優れた効果を
発揮する。
【0088】さらに、従来の重合性流体を適用する融着
部材としては、陽極処理アルミニウム、及びその合金、
鋼、ステンレス鋼、ニッケル及びその合金、ニッケルメ
ッキ銅、銅、ガラス、亜鉛、カドミウム等及び上記の組
み合わせであって、官能基を有する重合レリーズ流体と
相互作用し得る材料でなければならなかったが、本発明
によれば、シリコーンゴムのような、それ自体離型性が
高く、適度に塗布された離型剤を吸収する弾性体を用い
ることができ、従来例と大きく異なる。
【0089】また、特開昭61−236783において
はアミン含有化合物を0.001〜5wt%含む有機ポ
リシロキサン流体の提案がなされているが、該提案は熱
安定性に対する開示はあるものの本発明のようなカラー
画像定着装置における帯電不良防止及びオフセット防止
等の効果は開示されておらず、本発明とは全く異なるも
のである。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
内部に熱源を有する定着用回転体と、該定着用回転体表
面に離型剤を塗布する離型剤塗布手段とを備えた定着装
置において、上記離型剤主要成分の重合度が15以下
の各低分子量成分の揮発量それぞれ50ppm以下
あり、フェニル基のモル数が25mol未満であるメチ
ルフェニルシリコーンオイル、又は、主要成分の重合度
が15以下の各低分子量成分の揮発量がそれぞれ50p
pm以下であり、アミン当量が300〜8,000であ
アミノ変性シリコーンオイルを用いるので、上記低分
子量成分の蒸発により帯電器や反射ミラーを汚すことが
なく、良好な画像が得られる。またシャープメルト性の
カラートナーに対して良好な離型性を長期間に亘って維
持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の定着装置を備えた画像形成装置の概略構
成を示す断面図である。
【図2】図1装置に用いられるカラートナーのシャープ
メルト性を示す図である。
【図3】図1装置に用いられる定着装置の概略構成を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ(定着用回転体) 3 離型剤塗布手段 7 ハロゲンヒータ(熱源) 14 離型剤
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−311128(JP,A) 特開 昭63−311372(JP,A) 特開 平3−168788(JP,A) 特開 昭60−14270(JP,A) 特開 昭59−74579(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/20 104

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に熱源を有する定着用回転体と、該
    定着用回転体表面に離型剤を塗布する離型剤塗布手段と
    を備えた定着装置において、上記離型剤は主要成分の重
    合度が15以下の各低分子量成分の揮発量それぞれ5
    0ppm以下であり、フェニル基のモル数が25mol
    未満であるメチルフェニルシリコーンオイルであること
    を特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 内部に熱源を有する定着用回転体と、該
    定着用回転体表面に離型剤を塗布する離型剤塗布手段と
    を備えた定着装置において、上記離型剤は主要成分の重
    合度が15以下の各低分子量成分の揮発量それぞれ5
    0ppm以下であり、アミン当量が300〜8,000
    であるアミノ変性シリコーンオイルであることを特徴
    する定着装置。
JP3302681A 1991-10-23 1991-10-23 定着装置 Expired - Fee Related JP3051776B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3302681A JP3051776B2 (ja) 1991-10-23 1991-10-23 定着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3302681A JP3051776B2 (ja) 1991-10-23 1991-10-23 定着装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05113735A JPH05113735A (ja) 1993-05-07
JP3051776B2 true JP3051776B2 (ja) 2000-06-12

Family

ID=17911908

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3302681A Expired - Fee Related JP3051776B2 (ja) 1991-10-23 1991-10-23 定着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3051776B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05113735A (ja) 1993-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4064313A (en) Heat fixing member for electrophotographic copiers
US4078286A (en) Heat fixing roll for electrophotographic duplicators
US5049943A (en) Fixing rotating member coated with an elastic layer and an offset prevention layer with a predetermined oil absorption rate
JP3880208B2 (ja) 加熱加圧定着装置およびシリコーンゴムローラ
JP3118096B2 (ja) 画像形成装置
JP2651248B2 (ja) 画像形成装置
JP2915510B2 (ja) 画像形成装置
JPS5858669B2 (ja) トナ−像を溶着させる方法
JPH0812523B2 (ja) 定着装置
JP3051776B2 (ja) 定着装置
US20020019479A1 (en) Roll member and fusing device using the same
JP3093412B2 (ja) 混色定着装置
JP2851216B2 (ja) 画像形成装置
JPH02308289A (ja) 画像定着装置
JP2847005B2 (ja) 画像形成装置
CA1100829A (en) Heat fixing member for electrophotographic copiers
JPH05113734A (ja) 定着装置
JPH09269692A (ja) 加熱定着装置
JP3182004B2 (ja) 画像形成装置
JP2525258B2 (ja) 画像定着装置
JP2899186B2 (ja) 画像形成装置
JPH03282579A (ja) 定着装置
JP2851215B2 (ja) 画像形成装置
JPH07219378A (ja) 定着装置
JPH0830927B2 (ja) 画像定着装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080331

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090331

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100331

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100331

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110331

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees