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JP3029209B2 - 性質の改善されたポリビニルアルコール系位相差フイルムの製造方法 - Google Patents

性質の改善されたポリビニルアルコール系位相差フイルムの製造方法

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JP3029209B2
JP3029209B2 JP30147890A JP30147890A JP3029209B2 JP 3029209 B2 JP3029209 B2 JP 3029209B2 JP 30147890 A JP30147890 A JP 30147890A JP 30147890 A JP30147890 A JP 30147890A JP 3029209 B2 JP3029209 B2 JP 3029209B2
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film
polyvinyl alcohol
retardation film
stretching
sheet
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自秀 福田
好英 緑
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐熱性の向上したポリビニルアルコール(PV
A)系位相差フイルムの製法に関する。
[従来の技術] 位相差フイルムとは、複屈折性を有するフイルムまた
はシート状物である。位相差フイルムを通過した光は互
いに直交する2方向の屈折率が違うために、通過後にお
いて直交する光線の位相差が生じる。
位相差フイルムとして現在市販され、実用に供されて
いるものとして、入射光線の波長λに対して1/4λの位
相差が生じる機能を有する、いわゆる1/4波長板があ
る。これは直線偏光と円偏光との相互交換素子として、
レーザー光線のビームスプリッターに用いたり、直線偏
光子と組み合わせて円偏光板の構成に使用されている。
また、STN型液晶ディスプレイ(STN−LCD)におい
て、STN−LCDの色ずれ防止のために位相差フイルムが用
いられるようになっている。
[発明が解決しようとする課題] PVAまたはその誘導体からなるフイルムまたはシート
が、酢酸セルロース系のフイルムを一軸方向に延伸処理
したものやポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリカーボネートなどからのものとともに、位相差
フイルムに検討され使用されているが、耐熱性に劣るた
めに高熱の雰囲気下において位相差板の性質(レターデ
ーション値(R値))が大きく変動し、PVA系フイルム
またはシート単独で使用することができないという問題
があるため、フイルムまたはシートの方で耐熱の問題を
改善する方法の開発が望まれている。
本発明は前記PVAフイルムを位相差フイルムとして用
いた場合の耐熱性に劣るという問題を解決するためにな
されたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者等はかかる問題を解決すべく鋭意検討を重ね
た結果、ホウ酸又はホウ砂を含有するポリビニルアルコ
ール系樹脂水溶液を製膜し、得られるフイルム又はシー
トを一軸延伸することを特徴とする性質の改善されたポ
リビニルアルコール系位相差フイルムの製造方法を見出
し、本発明を完成するに至った。
本発明の位相差フイルムを製造するためには、PVA系
樹脂、ホウ酸又はホウ砂を混合した水溶液を使用する。
水溶液中においてホウ酸又はホウ砂の含有量は0.05〜
1重量%が必要である。0.05重量%以下では本発明の効
果は得難く、一方1重量%を越えると製膜性が低下す
る。
又、PVA系樹脂の含有量は10〜30重量%、好ましくは1
0〜20重量%が好ましい。
必要に応じて該水溶液中には紫外線吸収剤や各種安定
剤等公知の添加剤を加えても差し支えない。
PVA系樹脂は通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビ
ニルをケン化して製造されるが、本発明では必ずしもこ
れに限定されるものではなく、少量の不飽和カルボン酸
(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフ
ィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢
酸ビニルと共重合可能な成分を含有していても良い。又
PVAを酸の存在下でアルデヒド類と反応させた、例えば
ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂
などのいわゆるポリビニルアセタール樹脂及びその他PV
A誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。これらのうちでは、耐熱性が良好であるという点
から、高ケン化度で高重合度のPVAが好ましい。即ち、
ケン化度は95%以上が好ましく、さらには99%以上、と
くには99.5%以上であって、重合度1000以上、望ましく
は1000〜3000のものが好ましい。
該水溶液はキャスト法、押出法等の公知の方法に従っ
てシート又はフイルム状に製膜される。
製膜された原反フイルム又はシートは続いて1.1〜4
倍程度に一軸延伸を施される。延伸操作はまず原反フイ
ルム、シートを120〜200℃の温度で30秒〜5分予熱し、
続いて150〜230℃、好ましくは170〜200℃で1.1〜4倍
程度延伸を施す。
最後に延伸温度以下〜130℃の範囲で1〜5分熱固定
が行われる。必要に応じて上記任意の段階で耐水化処理
を行い得る。
かくして得られたフイルムは厚さ30〜100μm程度、
好ましくは40〜80μm程度のものであり、物性的にはレ
ターデーション値が100〜700nm程度で、未だ耐湿性を有
しない基材である。
光学主軸が一定で、かつ光学的色斑が少ない位相差フ
イルムをうるためには原反フイルムまたはシートは、厚
さ精度が良好であり、できるだけ光学的に均質なもので
あるのが好ましい。フイルムまたはシートに製膜時にダ
イラインなどが発生することは好ましくない。
本発明において光学的に色斑が小さい位相差フイルム
をうるためには、延伸前のフイルム幅Aと延伸後のフイ
ルム幅Bとから定義されるネックイン率(100×(A−
B)/A)を20%以下に抑えることが好ましい。
前記一軸延伸する方法としては、たとえば多数のロー
ルの間をフイルムを通過させることによってフイルムの
予熱を行い、ついで2対の延伸ロールにより所定の倍率
に延伸する方法、多数のロール間をフイルムを通過させ
る間に予熱と段階的な延伸を併行して行いながら、所定
の倍率にまでもっていく方法、テンター法により巾方向
に延伸する横一軸延伸法などの方法が採用されうる。
延伸は目的とする位相差フイルムの用途に応じて適宜
に行われる。即ち、レターデーション値とは主延伸方向
(MD方向)およびこれに垂直な方向(TD方向)における
屈折率差(IIMD-IITD)と位相差フイルムまたはシート
の厚さ(d)との積で定義され、直交関係にある直線偏
光が同位相で入射した場合の透過光の位相差を意味する
レターデーション値(R値)が、使用光線の波長(λ)
のたとえば1/4の値となるように延伸処理を行った場合
には、1/4波長板が得られ、1/2の値となるように延伸処
理を行った場合には、1/2波長板が得られることとな
る。使用光線が可視光線である場合、1/4波長板として
のレターデーション値は95〜170nmの範囲となる。従っ
て、この範囲にある1/4波長板と直線偏光子とを組み合
わせることによって、ある可視光線における正確な円偏
光が得られることになる。
得られる位相差フイルムは実用に当たってはそのまま
あるいは両面又は片面に光学的に無配向でかつ透明な高
分子フイルム又はシートを接着剤を用いて積層して用い
られる。かかる高分子フイルムとしては三酢酸セルロー
ス、二酢酸セルロース等のセルロース系フイルム、ポリ
カーボネート系フイルム、ポリメチルメタクリレート系
フイルム、ポリスチレン系フイルム、ポリエチレンテレ
フタレート等のポリエステル系フイルム、ポリサルホン
系フイルム等が挙げられ、接着剤としては、ウレタン
系、アクリル系、エポキシ系のものが多用される。
[作用] 本発明においては、ホウ酸又はホウ砂を含有するPVA
系樹脂水溶液から得られるフイルム、シートを一軸延伸
することによって、耐湿性を保持しながら耐熱性の優れ
た位相差フイルムが得られる。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
実施例1 重合度1700、平均ケン化度99.8モル%のPVA及びホウ
酸を水に溶解し、PVA濃度18重量%、ホウ酸濃度0.3重量
%の水溶液を得た。
該液をポリエチレンテレフタレートフイルム上に流涎
後、乾燥して膜厚75μmのフイルムを得た。
該フイルムをテンター方式にて下記の条件で一軸延伸
した。
予熱工程:180℃、2分 延伸工程:190℃、1.12倍延伸 熱固定工程:150℃、2分 得られた位相差フイルム(膜厚72μm)のR値をバビ
ネ型コンペンサーター付の偏光顕微鏡(ニコンPOH−1
型)を用い補償法にて測定した(光源は白色光)ところ
390nmであり、品質の良好なものであった。
次に、上記の位相差フイルムの両面にPVA系樹脂粘度
剤を用いて三酢酸セルロースフイルムを接着させ、更に
アクリル系粘着剤を用いてガラスと貼合させて位相差板
を得た(全厚みは170μm)。この位相差板を40℃×95
%RHの条件下に250時間放置した時(ケースI)のR値
は384nm、又70℃×65%RHの条件下に250時間放置した時
(ケースII)のR値は394nmであり、耐湿性もあり、耐
熱性が優れていることが判明した。
対照例1 実施例1においてホウ酸の使用を省略した以外は同例
と同じ実験を行った。
位相差フイルムのR値は392nm、位相差板のR値はケ
ースIが403nm、ケースIIが380nmであった。
実施例2〜3 PVAとして重合度3000、ケン化度99.5モル%のものを
用いた(実施例2)、及び実施例1と同じPVAを用いた
が延伸倍率を1.2倍に変更した(実施例3)以外は実施
例1と同じ方法を行った。
結果は次の通りであった。
実施例4〜5 ホウ酸の含有量を0.2重量%に変更した(実施例4)
及びホウ砂を0.5重量%使用した(実施例5)以外は実
施例1と同じ実験をした。
結果は次の通りであった。
[効果] 本発明の位相差フイルムは、ホウ酸又はホウ砂を含有
しているため、高湿あるいは高温の雰囲気下においても
レターデーション値のバラツキがなく品質の良好なもの
である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホウ酸又はホウ砂を含有するポリビニルア
    ルコール系樹脂水溶液を製膜し、得られるフイルム又は
    シートを一軸延伸することを特徴とする性質の改善され
    たポリビニルアルコール系位相差フイルムの製造方法。
  2. 【請求項2】ホウ酸又はホウ砂の含有量が0.05〜1重量
    %、ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が10〜30重量
    %であるポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】一軸延伸したポリビニルアルコール系樹脂
    のフイルム又はシートを延伸温度〜130℃で熱処理する
    ことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
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