JP3029209B2 - 性質の改善されたポリビニルアルコール系位相差フイルムの製造方法 - Google Patents
性質の改善されたポリビニルアルコール系位相差フイルムの製造方法Info
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Description
A)系位相差フイルムの製法に関する。
はシート状物である。位相差フイルムを通過した光は互
いに直交する2方向の屈折率が違うために、通過後にお
いて直交する光線の位相差が生じる。
いるものとして、入射光線の波長λに対して1/4λの位
相差が生じる機能を有する、いわゆる1/4波長板があ
る。これは直線偏光と円偏光との相互交換素子として、
レーザー光線のビームスプリッターに用いたり、直線偏
光子と組み合わせて円偏光板の構成に使用されている。
て、STN−LCDの色ずれ防止のために位相差フイルムが用
いられるようになっている。
が、酢酸セルロース系のフイルムを一軸方向に延伸処理
したものやポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリカーボネートなどからのものとともに、位相差
フイルムに検討され使用されているが、耐熱性に劣るた
めに高熱の雰囲気下において位相差板の性質(レターデ
ーション値(R値))が大きく変動し、PVA系フイルム
またはシート単独で使用することができないという問題
があるため、フイルムまたはシートの方で耐熱の問題を
改善する方法の開発が望まれている。
いた場合の耐熱性に劣るという問題を解決するためにな
されたものである。
た結果、ホウ酸又はホウ砂を含有するポリビニルアルコ
ール系樹脂水溶液を製膜し、得られるフイルム又はシー
トを一軸延伸することを特徴とする性質の改善されたポ
リビニルアルコール系位相差フイルムの製造方法を見出
し、本発明を完成するに至った。
樹脂、ホウ酸又はホウ砂を混合した水溶液を使用する。
1重量%が必要である。0.05重量%以下では本発明の効
果は得難く、一方1重量%を越えると製膜性が低下す
る。
0〜20重量%が好ましい。
剤等公知の添加剤を加えても差し支えない。
ニルをケン化して製造されるが、本発明では必ずしもこ
れに限定されるものではなく、少量の不飽和カルボン酸
(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフ
ィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢
酸ビニルと共重合可能な成分を含有していても良い。又
PVAを酸の存在下でアルデヒド類と反応させた、例えば
ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂
などのいわゆるポリビニルアセタール樹脂及びその他PV
A誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。これらのうちでは、耐熱性が良好であるという点
から、高ケン化度で高重合度のPVAが好ましい。即ち、
ケン化度は95%以上が好ましく、さらには99%以上、と
くには99.5%以上であって、重合度1000以上、望ましく
は1000〜3000のものが好ましい。
てシート又はフイルム状に製膜される。
倍程度に一軸延伸を施される。延伸操作はまず原反フイ
ルム、シートを120〜200℃の温度で30秒〜5分予熱し、
続いて150〜230℃、好ましくは170〜200℃で1.1〜4倍
程度延伸を施す。
が行われる。必要に応じて上記任意の段階で耐水化処理
を行い得る。
好ましくは40〜80μm程度のものであり、物性的にはレ
ターデーション値が100〜700nm程度で、未だ耐湿性を有
しない基材である。
イルムをうるためには原反フイルムまたはシートは、厚
さ精度が良好であり、できるだけ光学的に均質なもので
あるのが好ましい。フイルムまたはシートに製膜時にダ
イラインなどが発生することは好ましくない。
をうるためには、延伸前のフイルム幅Aと延伸後のフイ
ルム幅Bとから定義されるネックイン率(100×(A−
B)/A)を20%以下に抑えることが好ましい。
ルの間をフイルムを通過させることによってフイルムの
予熱を行い、ついで2対の延伸ロールにより所定の倍率
に延伸する方法、多数のロール間をフイルムを通過させ
る間に予熱と段階的な延伸を併行して行いながら、所定
の倍率にまでもっていく方法、テンター法により巾方向
に延伸する横一軸延伸法などの方法が採用されうる。
に行われる。即ち、レターデーション値とは主延伸方向
(MD方向)およびこれに垂直な方向(TD方向)における
屈折率差(IIMD-IITD)と位相差フイルムまたはシート
の厚さ(d)との積で定義され、直交関係にある直線偏
光が同位相で入射した場合の透過光の位相差を意味する
レターデーション値(R値)が、使用光線の波長(λ)
のたとえば1/4の値となるように延伸処理を行った場合
には、1/4波長板が得られ、1/2の値となるように延伸処
理を行った場合には、1/2波長板が得られることとな
る。使用光線が可視光線である場合、1/4波長板として
のレターデーション値は95〜170nmの範囲となる。従っ
て、この範囲にある1/4波長板と直線偏光子とを組み合
わせることによって、ある可視光線における正確な円偏
光が得られることになる。
あるいは両面又は片面に光学的に無配向でかつ透明な高
分子フイルム又はシートを接着剤を用いて積層して用い
られる。かかる高分子フイルムとしては三酢酸セルロー
ス、二酢酸セルロース等のセルロース系フイルム、ポリ
カーボネート系フイルム、ポリメチルメタクリレート系
フイルム、ポリスチレン系フイルム、ポリエチレンテレ
フタレート等のポリエステル系フイルム、ポリサルホン
系フイルム等が挙げられ、接着剤としては、ウレタン
系、アクリル系、エポキシ系のものが多用される。
系樹脂水溶液から得られるフイルム、シートを一軸延伸
することによって、耐湿性を保持しながら耐熱性の優れ
た位相差フイルムが得られる。
酸を水に溶解し、PVA濃度18重量%、ホウ酸濃度0.3重量
%の水溶液を得た。
後、乾燥して膜厚75μmのフイルムを得た。
した。
ネ型コンペンサーター付の偏光顕微鏡(ニコンPOH−1
型)を用い補償法にて測定した(光源は白色光)ところ
390nmであり、品質の良好なものであった。
剤を用いて三酢酸セルロースフイルムを接着させ、更に
アクリル系粘着剤を用いてガラスと貼合させて位相差板
を得た(全厚みは170μm)。この位相差板を40℃×95
%RHの条件下に250時間放置した時(ケースI)のR値
は384nm、又70℃×65%RHの条件下に250時間放置した時
(ケースII)のR値は394nmであり、耐湿性もあり、耐
熱性が優れていることが判明した。
と同じ実験を行った。
ースIが403nm、ケースIIが380nmであった。
用いた(実施例2)、及び実施例1と同じPVAを用いた
が延伸倍率を1.2倍に変更した(実施例3)以外は実施
例1と同じ方法を行った。
及びホウ砂を0.5重量%使用した(実施例5)以外は実
施例1と同じ実験をした。
しているため、高湿あるいは高温の雰囲気下においても
レターデーション値のバラツキがなく品質の良好なもの
である。
Claims (3)
- 【請求項1】ホウ酸又はホウ砂を含有するポリビニルア
ルコール系樹脂水溶液を製膜し、得られるフイルム又は
シートを一軸延伸することを特徴とする性質の改善され
たポリビニルアルコール系位相差フイルムの製造方法。 - 【請求項2】ホウ酸又はホウ砂の含有量が0.05〜1重量
%、ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が10〜30重量
%であるポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いるこ
とを特徴とする請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】一軸延伸したポリビニルアルコール系樹脂
のフイルム又はシートを延伸温度〜130℃で熱処理する
ことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
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