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JP3008296B2 - ジアリールグリコール酸の製造方法 - Google Patents

ジアリールグリコール酸の製造方法

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JP3008296B2
JP3008296B2 JP1289298A JP28929889A JP3008296B2 JP 3008296 B2 JP3008296 B2 JP 3008296B2 JP 1289298 A JP1289298 A JP 1289298A JP 28929889 A JP28929889 A JP 28929889A JP 3008296 B2 JP3008296 B2 JP 3008296B2
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Japan
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diaryl
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倶通 石川
昭夫 増田
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日本石油化学株式会社
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、1,1−ジアリールエチレングリコールを酸
素酸化することを特徴とする2,2−ジアリールグリコー
ル酸の新規な製造方法に関するものである。
ジアリールグリコール酸の中には、有機合成の原料あ
るいは医薬品の中間原料として有用な化合物が多い。例
えば、ジフェニルグリコール酸(別名ベンジル酸)は副
交感神経抑制剤として用いられる塩酸ジフェニン、塩酸
ベナクチジン、臭化メペンゾレート、ピペンゾレートメ
チルブロマイド等を製造するための中間体として利用さ
れる化合物である。
[従来の技術] これらの化合物の中からベンジル酸を例にとり説明す
る。
ベンジル酸の有用性は非常に高く、従来から種々の製
造方法が提案されている。例えば、ベンジル酸転位、ベ
ンゾフェノンの電解還元カルボキシル化、ジフェニル酢
酸の酸化、ジフェニルグリコールアルデヒドの酸化等の
方法が知られている。その中で、工業敵にも実施されて
いるベンジル酸転位による製法は、ベンジルに苛性カリ
のアルコール溶液あるいは濃厚な水溶液を作用させ加熱
する方法である[Organic Synthesis,Vol.1,29,(192
1)]。
[発明が解決しようとする課題] 上記の方法の反応それ自体は簡単なものであるが、原
料となるベンジルは、通常ベンズアルデヒドのエタノー
ル溶液にシアン化カリウムを加え煮沸しベンゾインとし
た後、更に酸化して製造される。このように原料の合成
が有毒なシアン化カリウムを使用して危険な上に、原料
も高価であり、工業的な製法として未だ充分であるとは
言えない。
また、本発明のようなグリコールの酸化により直接ベ
ンジル酸を合成する例は見当たらない。
例えば、エチレングリコールを白金触媒の存在下にア
ルカリ水溶液中で酸素酸化し、ヒドロキシ酢酸を製造す
る方法がある(テトラヘドロンレターズ、、67−75
(1960))。しかしながら、エチレングリコールを基質
とする場合では、得られた目的物であるヒドロキシ酢酸
の有するヒドロキシル基は酸化され易く、最終的に高次
酸化物である蓚酸になり易い。そのために、酸化の進行
を正確に調節しなければならない。
また、エチレングリコールを非アルカリ性下に酸素酸
化する方法も提案されている(特開昭53−46916号公
報)。しかしながら、1,1−ジアリールエチレングリコ
ールの酸素酸化の場合は、非アルカリ性下では極端に収
率が低下し、適当ではないことが本発明者らの実験によ
り分かった。
従って、本発明は、容易に入手できる原料である1,1
−ジアリールエチレングリコールから、高い収率で、例
えばベンジル酸を製造する方法をも提供し、更に各種の
農薬、医薬品などの中間原料として有用であるジアリー
ルグリコール酸を製造する方法を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、医薬品などの中間原料として有用である2,
2−ジアリールグリコール酸を、容易に入手できる安価
な原料から高い収率を以て製造する方法に関するもので
ある。
即ち、本発明は、1,1−ジアリールエチレングリコー
ルと反応系を塩基性にするために十分な量の塩基との混
合物を、遷移金属触媒の存在下に、温度0〜200℃で、
分子状酸素により酸化することを特徴とする2,2−ジア
リールグリコール酸の製造法に関するものである。
次に本発明を詳しく説明する。
本発明の原料は、下記一般式(I)で示す1,1−ジア
リールエチレングリコールである。
ここで下記式のAr1あるいはAr2は、例えば、フェニル
基、ナフチル基、ビフェニリル基などの置換基を有する
ことのあるアリール基を表わし、同一または異なるもの
である。該アリール基は、塩素、弗素、臭素、沃素等の
ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、メチル基、エチル
基等の低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基等の低
級アルコキシ基からなる群より選ばれる1〜3個の置換
基で置換されていてもよい。
具体的な1,1−ジアリールエチレングリコールとして
は、1,1−ジフェニルエチレングリコール、1,1−ビスク
ロロフェニルエチレングリコール、1,1−フェニルピリ
ジルエチレングリコール、1,1−フェニルトリルエチレ
ングリコール、1,1、−フェニルメトキシフェニルエチ
レングリコール、1,1−フェニルニトロフェニルエチレ
ングリコール、1,1−フェニルナフチルエチレングリコ
ール等が挙げられる。
本発明により製造することのできる2,2−ジアリール
グリコール酸は下記一般式(II)により表わされる。
式中、Ar1およびAr2は上記式(I)と同じ置換基を表
わす。
本発明の方法により製造されるジアリールグリコール
酸としては、上記式(I)の芳香族の置換基はそのまま
保存される。
具体的には、例えば、1,1−ジフェニルエチレングリ
コールからはベンジル酸(2,2−ジフェニルグリコール
酸)が、また、1,1−フェニルトリルエチレングリコー
ルからは2,2−フェニルトリルグリコール酸がそれぞれ
得られる。
本発明においては、反応を促進する目的で触媒を使用
する。触媒としては、遷移金属、例えば、白金、パラジ
ウム、ロジウム、ルテニウム、レニウム、イリジウム、
ニッケル、鉄、コバルト、銅およびこれらの混合物が用
いられ、また、これらの酸化物、硫化物、塩化物などや
その塩等も用いられる。触媒は、好ましくは白金であ
る。遷移金属は如何なる酸化数の遷移金属であっても、
何等問題なく本発明に使用できる。また、触媒は活性
炭、珪藻土、炭酸バリウム、アルミナ、シリカゲル、マ
グネシア、チタニア、ジルコニア等の適宜の不活性担体
に担持されたものでもよい。
触媒の具体例は、白金−カーボン、白金黒、コロイド
白金、酸化白金、パラジウム−カーボン、パラジウム
黒、ロジウム−カーボン、レニウム黒等が挙げられる。
触媒の使用量については、例えば、原料の1,1−ジア
リールエチレングリコールに対して0.01〜20重量%、好
ましくは0.1〜10重量%が適当である。触媒の使用量が
この範囲の下限より少ない場合には反応は充分には進ま
ず、また、触媒の使用量を上記の範囲の上限の値より多
くしても、反応速度の向上に殆ど寄与せず、却って触媒
の回収に手間取るようになり好ましくない。
本発明の反応では塩基を用いる。塩基としては水酸化
ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
リチウム等のアルカリ金属塩、あるいは水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属塩を用いるこ
とができる。塩基の使用量は、反応系を塩基性にするた
めに十分な量であれば特に限定されない。
本反応における酸化は分子状酸素により行なう。酸素
としては、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、メ
タン、エタン等の反応に不活性なガスで稀釈したもので
もよい。また、空気を用いることもできる。
反応温度は、0〜200℃、好ましくは50〜100℃であ
る。0℃よりも低い温度では、反応溶媒である水あるい
は反応原料が凝固したり、反応温度が低過ぎるために反
応速度が遅くなるので好ましくない。また、200℃を超
える高い温度では反応生成物である2,2−ジアリールグ
リコール酸の熱分解等による副生成物が生じ、目的物の
選択性が著しく低下するので何れも好ましくない。
また、反応時間は反応温度などの反応条件によっても
異なるが、一般には10分から10時間の範囲から選ばれ
る。
反応時の反応系の圧力は、なんら本発明の反応には影
響を与えないので、適宜に選択できるが、通常は常圧で
充分である。
1,1−ジアリールエチレングリコールと酸素あるいは
塩基との接触効率を向上させるために溶媒を用いてもよ
く、このような溶媒としては、例えば、水、ジオキサ
ン、アセトン、アセトニトリル、イソオクタン、ベンゼ
ン、クロロホルムなどの単一あるいはこれらの混合溶媒
などが用いられ、好ましくは水が用いられる。
本反応は、例えば、次のようにして行なうことができ
る。
反応容器に1,1−ジアリールエチレングリコール、遷
移金属触媒および反応溶媒を入れ、所定の条件下で、酸
素雰囲気下で反応を進行させる。但し、これらの添加順
序は特に制限はない。
反応後においては、遷移金属触媒を濾過等の手段によ
り分離した後酸性にし、常法に従い、ベンゼン、酢酸エ
チル、クロロホルムなどの有機溶媒によって反応混合物
を抽出した後、通常の再結晶等により高純度の2,2−ジ
アリールグリコール酸を容易に得ることができる。
[発明の効果] 以上に記述したように、本発明によれば、1,1−ジア
リールエチレングリコールを、遷移金属触媒と塩基の存
在下に、温度0〜200℃において分子状酸素により酸化
することにより、医薬品などの中間原料として有用であ
る2,2−ジアリールグリコール酸を高い収率で製造する
ことができる。
[実施例] 以下に本発明を実施例により更に説明する。
<実施例1> 1,1−ジアリールエチレングリコールとして、1,1−ジ
フェニルエチレングリコール2.14g(10mmol)、5%担
持の白金−カーボン0.4gおよび0.33N水酸化ナトリウム
水溶液350mlの混合物を、85℃で激しく攪拌しながら、
純酸素を6/hrの速度で4時間導入した。室温まで冷
却した後、反応液から触媒を濾別し、塩酸酸性にした
後、エーテルで抽出した。エーテル層を乾燥した後、蒸
留により濃縮した。
生成物は液体クロマトグラフ(カラム:ERMA ERC−100
0、溶離液:70%メタノール水溶液、検出器:UV−225nm)
で分離し、NMRおよびIRで分析したところ、ベンジル酸
が88%の収率で得られた。なお、1,1−ジフェニルエチ
レングリコールは全て消費されていた。
<実施例2> 反応温度を50℃にしたこと以外は実施例1と同様に反
応を行なったところ、転化率は42%に過ぎなかった。
<実施例3> 実施例1における5%担持の白金−カーボンを次表に
示す遷移金属触媒に代えた他は、実施例1と同様に反応
させた。結果を次表にまとめて示す。
<実施例4> 1,1−ジアリールエチレングリコールとして、1,1−ジ
トリルエチレングリコール、1,1−ビスクロロフェニル
エチレングリコール、1,1−ビスメトキシフェニルエチ
レングリコールを、各々10mmol用い、実施例1と同様な
操作を行なったところ、1,1−ジトリルグリコール酸、
1,1−ビスクロロフェニルグリコール酸、1,1−ビスメト
キシフェニルグリコール酸が、各々81%、79%および89
%の収率で得られた。また、実施例1と同じく、原料の
ジアリールエチレングリコールは全て消費されていた。
<比較例1> 反応触媒である5%担持の白金−カーボンを加えず
に、実施例1と同様に反応させたところ、原料の転化率
は2%に過ぎず、目的物であるベンジル酸は全く生成し
なかった。
<比較例2> 0.33N水酸化ナトリウム水溶液350mlの代わりに同量の
水を加えた他は実施例1と同様にして反応を行なった。
反応生成物の分析結果では、ベンジル酸が8%という
低い収率で得られた。なお、1,1−ジフェニルエチレン
グリコールは10%消費されていた。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表わされる1,1−ジア
    リールエチレングリコールと反応系を塩基性にするため
    に十分な量の塩基との混合物を、遷移金属触媒の存在下
    に、温度0〜200℃において分子状酸素により酸化する
    ことを特徴とする、下記一般式(II)で表わされる2,2
    −ジアリールグリコール酸を選択的に製造する方法、 式中、Ar1およびAr2は同一または異なるアリール基であ
    る。
  2. 【請求項2】前記式のアリール基がハロゲン原子、ニト
    ロ基、アミノ基、低級アルキル基および低級アルコキシ
    基からなる群より選ばれる1〜3個の置換基を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の2,2−ジアリールグリコ
    ール酸を製造する方法。
  3. 【請求項3】白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウ
    ム、レニウム、イリジウム、ニッケル、鉄、コバルトお
    よび銅から選ばれる何れか一種の遷移金属を反応触媒と
    して用いることを特徴とする請求項1記載の2,2−ジア
    リールグリコール酸を製造する方法。
  4. 【請求項4】塩基がアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
    塩であることを特徴とする請求項1記載の2,2−ジアリ
    ールグリコール酸を製造する方法。
  5. 【請求項5】塩基が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
    であることを特徴とする請求項1記載の2,2−ジアリー
    ルグリコール酸を製造する方法。
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