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JP2972034B2 - ステッピングモータ用負荷トルク測定装置 - Google Patents

ステッピングモータ用負荷トルク測定装置

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JP2972034B2
JP2972034B2 JP20180592A JP20180592A JP2972034B2 JP 2972034 B2 JP2972034 B2 JP 2972034B2 JP 20180592 A JP20180592 A JP 20180592A JP 20180592 A JP20180592 A JP 20180592A JP 2972034 B2 JP2972034 B2 JP 2972034B2
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Japan
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stepping motor
torque
motor
load torque
characteristic value
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JP20180592A
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辺 朝 雄 渡
藤 修 治 佐
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Enu Efu Keisoku Shisutemu Kk
NIPPON PARUSUMOOTAA KK
Original Assignee
Enu Efu Keisoku Shisutemu Kk
NIPPON PARUSUMOOTAA KK
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Publication date
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  • Control Of Stepping Motors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステッピングモータ用
負荷トルク測定装置に関し、特にモータ実装状態での高
精度且つ多機能な実負荷トルク測定を可能とするステッ
ピングモータ用負荷トルク測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ステッピングモータは、OA機器を始
め、数多くの工業製品に応用されている。従来、これら
製品の出荷検査を行うに際しての評価方法としては、モ
ータを定格電圧より低い電圧で駆動したときの正常動作
を確認する等の間接的な評価方法しかなかった。そのた
め、モータの選定に当たっては、マージンを大きくとっ
た大出力のものを選定せざるを得ず、経済的な無駄が多
いだけでなく、不必要に注入された余剰トルクが騒音の
原因になるなどの弊害があった。これは、モータを実装
した状態で、該モータに必要とされる負荷トルクを測定
する方法がなかったことに起因する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来、
ステッピングモータを実装した状態で、モータに必要と
される負荷トルクを測定する有効な手段がなかった。し
たがって、実機の動作状態で必要とされる負荷トルクの
時間、または該モータに印加されるパルス数の関数とし
ての負荷トルクの変動を測定する装置はきわめて有用で
ある。また、モータを実装した機器の試験を行うに際
し、各種の条件下で、負荷トルクの変動を含む多量のデ
ータの収集/解析、測定中の印字ヘッドの動作等、被測
定系に与えられる外乱の影響を測定できれば、測定結果
の解析に基づいた対策を施すことが可能となり、かかる
測定装置が望まれている。更に、ステッピングモータ応
用製品においては、モータを複数台使用し、これらのモ
ータを同期して動かす場合が多く、このような場合にも
有効な測定装置の出現が期待されている。また、モータ
は使用温度により特性に差異が生ずる。このため、実装
されたモータの温度が予め定めた値と異なる場合にも正
確な負荷トルクの測定が可能な装置の出現も待望されて
いる。
【0004】そこで本発明の目的は、モータ実装状態に
おいて高精度且つ多機能な実負荷トルク測定を可能とす
るステッピングモータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述課題を解決するた
め、本発明によるステッピングモータ用負荷トルク測定
装置は、トルク発生装置から定めたトルクを被試験ステ
ッピングモータに与えたときに得られる該ステッピング
モータに流れる電流の特徴値を求め、前記与えられたト
ルクと特徴値との関係データに基づいて前記ステッピン
グモータに働く負荷トルクを測定するステッピングモー
タ用負荷トルク測定装置において、前記トルク発生装置
から発生されるトルクを調整する調整手段を備えて構成
される。
【0006】本発明の他の態様によるステッピングモー
タ用負荷トルク測定装置は、トルク発生装置から定めた
トルクを被試験ステッピングモータに与えたときに得ら
れる該ステッピングモータに流れる電流の特徴値を求
め、前記与えられたトルクと特徴値との関係データに基
づいて前記ステッピングモータに働く負荷トルクを測定
するステッピングモータ用負荷トルク測定装置におい
て、前記トルク発生装置から発生されるトルクを、現在
値からより小さい値に設定変更する際に、該トルク発生
機に接続された被測定モータを回転させる手段を備えて
構成される。
【0007】本発明の他の態様によるステッピングモー
タ用負荷トルク測定装置は、トルク発生装置から定めた
トルクを被試験ステッピングモータに与えたときに得ら
れる該ステッピングモータに流れる電流の特徴値を求
め、前記与えられたトルクと特徴値との関係データに基
づいて前記ステッピングモータに働く負荷トルクを測定
するステッピングモータ用負荷トルク測定装置におい
て、前記測定結果を表示する表示手段と、前記測定結果
を記憶する記憶手段と、前記表示手段の表示態様設定を
変化させるときは、前記記憶手段への記憶を行わないよ
うに制御する制御手段と、を備えて構成される。
【0008】本発明の更に他の態様によるステッピング
モータ用負荷トルク測定装置は、トルク発生装置から定
めたトルクを被試験ステッピングモータに与えたときに
得られる該ステッピングモータに流れる電流の特徴値を
求め、前記与えられたトルクと特徴値との関係データに
基づいて前記ステッピングモータに働く負荷トルクを測
定するステッピングモータ用負荷トルク測定装置におい
て、前記測定結果を表示する表示手段と、前記測定結果
を記憶する記憶手段と、前記測定に際しては、前記表示
に優先して全ての測定値を記憶せしめるように制御する
制御手段と、を備えて構成される。
【0009】本発明の他の態様によるステッピングモー
タ用負荷トルク測定装置は、トルク発生装置から定めた
トルクを被試験ステッピングモータに与えたときに得ら
れる該ステッピングモータに流れる電流の特徴値を求
め、前記与えられたトルクと特徴値との関係データに基
づいて前記ステッピングモータに働く負荷トルクを測定
するステッピングモータ用負荷トルク測定装置におい
て、前記ステッピングモータを駆動するパルスのn倍の
周波数を有するクロックを外部に供給する手段を有して
構成される。
【0010】本発明の更に他の態様によるステッピング
モータ用負荷トルク測定装置は、トルク発生装置から定
めたトルクを被試験ステッピングモータに与えたときに
得られる該ステッピングモータに流れる電流の特徴値を
求め、前記与えられたトルクと特徴値との関係データに
基づいて前記ステッピングモータに働く負荷トルクを測
定するステッピングモータ用負荷トルク測定装置におい
て、前記測定に先立ち、前記ステッピングモータを予め
定めた位置まで回転、移動させる手段を有して構成され
る。
【0011】本発明の他の態様によるステッピングモー
タ用負荷トルク測定装置は、複数の被試験ステッピング
モータのそれぞれに接続され、トルク発生装置から定め
たトルクを被試験ステッピングモータに与えたときに得
られる該ステッピングモータに流れる電流の特徴値を求
め、前記与えられたトルクと特徴値との関係データに基
づいて前記ステッピングモータに働く負荷トルクを測定
する測定装置を複数有するステッピングモータ用負荷ト
ルク測定装置において、前記複数の測定装置のうち1台
をマスタ機とし、他をスレーブ機とし、前記マスタ機が
動作中であることを示す信号を出力する手段と、前記信
号を受けて、前記スレーブ機の動作を自動的に制御する
手段と、を備えて構成される。
【0012】本発明の更に他の態様によるステッピング
モータ用負荷トルク測定装置は、トルク発生装置から定
めたトルクを被試験ステッピングモータに与えたときに
得られる該ステッピングモータに流れる電流の特徴値を
求め、前記与えられたトルクと特徴値との関係データに
基づいて前記ステッピングモータに働く負荷トルクを測
定するステッピングモータ用負荷トルク測定装置におい
て、予め定めた負荷トルクを与えたときに流入する電流
波形特徴を、異なる周波数について記憶する手段と、負
荷トルクを測定するに際し、前記ステッピングモータを
駆動する周波数を時間と共に変化させる手段と、を備
え、該駆動周波数に応じて前記測定を行うように構成さ
れる。
【0013】本発明の更に他の態様によるステッピング
モータ用負荷トルク測定装置は、トルク発生装置から定
めたトルクを被試験ステッピングモータに与えたときに
得られる該ステッピングモータに流れる電流の特徴値を
求め、前記与えられたトルクと特徴値との関係データに
基づいて前記ステッピングモータに働く負荷トルクを測
定するステッピングモータ用負荷トルク測定装置におい
て、前記ステッピングモータに通電させて該ステッピン
グモータの温度を上昇させる手段と、該ステッピングモ
ータのコイル温度を測定する手段と、該ステッピングモ
ータのコイル温度が、予め定めた温度に達した後、該温
度に予め定めた時間だけ維持する手段と、を備えて構成
される。
【0014】
【作用】本発明では、同一の型のステッピンングモータ
においては、定めた負荷トルクを与えた時、該モータに
流入する電流波形の特徴が一義的に決定されることを利
用して負荷トルクを測定している。定めた負荷トルクを
該モータに与える手段として、ヒステリシスブレーキを
応用することができる。この定めたトルクを与える設定
機構を外部から駆動する機構を設け、これを制御装置側
から自動的に制御することにより、必要なときに必要な
大きさのトルクを発生すべく設定を行う。
【0015】上記ヒステリシスブレーキを応用した既知
トルク発生機は、負荷軸を回転させずに、トルクを大き
な設定値から小さな設定値に下げて行くと、負荷軸の回
転角に対する発生トルクが一様でなくなると言う現象
(コギング現象)が発生する。トルク設定を変化させて
いる間、被測定モータを回転させることによりこのコギ
ング現象を防止する。
【0016】上記電流波形特徴は、モータの温度に依存
して変化するので該モータの温度をパラメータとして校
正を行う必要がある。モータのコイルに通電することに
よりコイル温度を上昇させることは容易であるが、該コ
イル以外の部分の温度が所望の値に落ち着くまでにはさ
らに時間が必要である。この対策として、コイルの温度
が所定の値に達した後、予め定めた時間が経過するまで
その温度を維持し、所定の時間が経過後、該当温度にお
ける校正を開始する。
【0017】こうして実装状態での負荷トルクの測定を
可能とするとともに、測定された時間的に連続した一連
のデータを、マイクロコンピュータの外部記憶装置に記
憶しながら、同時にディスプレイ装置に表示することも
可能とする。測定値を記憶することにより、後でコンピ
ュータ等による詳細な解析が可能になる。この際、処理
速度の余裕等から、記憶/表示の双方とも優先させるこ
とが困難な場合は、必要に応じて、その何れかを優先的
に動作させることができる。また、表示に関しては、必
ずしも全てのデータを順次表示する必要はなく、時間的
にサンプリングして実行してもよい。
【0018】被測定モータが実装され、運転中、該機構
部に組織的な外力が加えられる場合、外力が加えられる
タイミングと被験モータにパルスが印加されるタイミン
グとの関係を与えるため、モータ駆動パルスのn逓倍さ
れたサービスクロックを外部へ供給する。例えば、被測
定装置が往復運動を行うような場合の測定に先立つ被測
定機構の初期位置出しのためには、始めに被測定モータ
の任意の回転方向に対し、任意のステップ数のパルスを
与える手段が設けられる。
【0019】また、複数のステッピングモータが同期し
て動作するような機器においては、本発明の装置を複数
用い、内一台をマスタ機とし、他をスレーブ機として動
作させることにより、効率的な測定を可能とする。
【0020】予め必要な周波数範囲での校正を行ってお
けば、被測定モータをスローアップまたはスローダウン
させる場合等のように、測定周波数が変化する場合にも
測定が可能になる。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例を図面を参照しながら詳
細に説明する。以下の実施例では、ステッピングモータ
により駆動される機構部が該モータに要求する負荷トル
クの変動を測定する例について説明する。図1は本発明
による測定装置の一実施例を示す基本全体構成図であ
る。ステッピングモータ1(本例では4相ユニポーラモ
ータ)の各巻線(バイファイラコイル)ΦA ,ΦA-,Φ
B ,ΦB-の一端は、コネクタ5を介して印加されている
外部電源VMと接続され、他端はコネクタ6を介して各
巻線対応のスイッチングトランジスタQ1,Q3,Q
2,Q4が接続されている。スイッチングトランジスタ
Q1〜Q4を所定のタイミングで動作させることによっ
て各巻線へのパルス供給を制御し、励磁を切り換えてい
る。スイッチングトランジスタQ1〜Q4はステッピン
グモータを駆動する駆動回路7を構成している。
【0022】コントローラ9は、上記巻線へのパルス供
給タイミングの基準となるクロックを発生する発振回路
やステッピングモータの回転角度(位置)を定める位置
決め回路等を含み、時計方向回転用クロックCW、反時
計方向回転用クロックCCW、励磁モード信号等を発生
する。分配回路8は、クロックCLKと励磁モード信号
を受け、各巻線に2ー2相励磁におけるパルスを供給す
る。
【0023】先ず、基準負荷トルク発生機3をカップリ
ング4を介してモータ仕様の確定している良品モータで
あるマスタモータとしてのステッピングモータ1の出力
軸に結合して、トルクを変化させる。このとき、モータ
駆動電圧、モータ駆動周波数、励磁モード、コイル励磁
切換用スイッチングトランジスタ及び付帯するコイル逆
起電力吸収回路(図示せず)を特定する。トルク変化と
対応してコイル電流も変化するのであるが、コイル電流
測定のため、各巻線のうち任意の巻線に挿入した電流検
出部10(本例では、巻線ΦB-に挿入されている)を設
け、コイル電流iB-を検出する。このコイル電流iB-
は、アンプ11で増幅され、スイッチ12の端子S1を
介して特徴抽出部13に供給される。特徴抽出部13に
おける特徴抽出は、例えば、トルク対電流波形の特徴を
抽出するもので、特徴としては種々の情報(パラメー
タ)が用いられる。上記の如き基本トルク測定装置につ
いては本発明者により既に提案されている。例えば、特
願平3ー272018号や特願平3ー290856号参
照。
【0024】図2は、HBタイプのステッピングモータ
を2−2相励磁で定電圧駆動したとき、該モータの任意
の相に流入する電流波形を示したものである。該相に電
流が流入を開始した時点(自相電流投入点)t0におい
ては、電流は負の値を示す。時間の経過に伴って、電流
は正方向に増大し、やがて正の値を示す。その後、電流
は徐々に増大する。ここで、該モータに要求する負荷ト
ルクを図示のように、0,1,2,3Kg−cmと変化
させると、前記電流の増大傾向は変化する。負荷トルク
の増大にともなって、前記部分における電流は増大して
いることが分かる。注目相以外の他相に電流が流入を開
始する時点(他相電流投入点)t1以降は電流の増大傾
向は複雑となり、必ずしもトルクの増加にともなって電
流が増加するとは限らない。
【0025】以上より、図2における電流のt0〜t1間
であって、且つ電流が正の値を示す区間につき、上記電
流値の積分をとると、図3に示すように、積分値Qと負
荷トルクTQとの間には滑らかな関係が存在することが
分かる。ただし、上記の関係は、同一仕様のモータに関
しては再現するが、仕様の異なるモータ間では比較でき
ない。したがって、同一仕様のモータを多数用いて量産
を行うような場合は、代表的なモータにつき、一度前記
QとTQの関係を校正しておくことにより、以後は、実
機に実相されたモータに流入する電流から前記Qを求め
ることにより、負荷トルクTQを測定することができ
る。PM形のモータについても前記と同様に、QとTQ
の関係を求めることができる。
【0026】図4は、上述と同一のモータに関し、駆動
電圧を順次13,12,11Vと変化させた時の電流波
形を示す。これからモータの駆動電圧を低下させた方が
電流波形特徴が顕著になることが判明する。ただし、あ
まりに電圧を下げすぎるとモータは脱調を起こし停止す
る。したがって、必要な負荷トルクを発生するに必要か
つ充分な電圧でモータを駆動すれば良いことが分かる。
現実には、必要な最大負荷トルクを与えたとき、モータ
が脱調を起こす電圧を求め、これに適当な余裕を与えた
最適駆動電圧(E0)で駆動するのが理想的である。前
記電流波形特徴Qと負荷トルクTQとの関係、同じく最
適駆動電圧E0はモータの駆動周波数、及び動作温度に
依存して変化することが分かっている。したがって前記
校正は、必要な範囲の周波数及び温度に関し行う必要が
ある。
【0027】前述の校正により、必要なデータを収集し
ファイル化しておけば、以後、実機機構部に実装された
同一仕様のモータに関しては、校正に用いたモータとは
別個体であっても、モータの製造誤差の範囲内におい
て、それをセンサとして用いて機構部が要求する負荷ト
ルクを測定することができる。
【0028】さて、被験モータに定めたトルクを与える
手段として、図5に示す基準トルク発生機を用いること
ができる。既知のトルクを与える手段であるトルク発生
機としては、コーシン・ラシン(株)社製のパーマトル
ク等を利用することができる。この装置は、ヒステリシ
ス磁性材料を利用しており、固定部と回転可能な可動部
の相互位置関係を示すダイヤルを回し目盛りを既知の値
にセットすることにより、回転軸に既知のトルクを与え
るものである。トルク発生機101は、トルク発生機固
定部102を介して支持部材103に取り付けられてい
る。支持部材106に固定された校正を行うべき被験モ
ータ107とは互いのシャフト105をカップリング1
04により結合され、必要なトルクが与えられる。トル
ク発生機101のダイヤル設定は、支持部材109に取
り付けられ、カップリング108により結合されたギヤ
110付の小型ステッピングモータから成るトルク発生
機設定モータ111の回転により行われる。上述のよう
にトルク発生機が構成されるので、校正に必要なトルク
は、制御装置から指示パルスを与えることにより、自動
的に発生させることが可能である。
【0029】上記ヒステリシスブレーキを用いたトルク
発生装置は、出力軸を回転させない状態で、トルク設定
を大から小の状態に変化させると、残留磁気効果により
出力軸の回転に関し、トルクが一様でなくなる、いわゆ
るコギングの問題が生ずる。この問題を避けるため、本
実施例では、被験モータの校正を行うに際しては、該ト
ルク発生機のトルク設定を減ずる方向に変化させる間、
被験モータを適当な周波数で回転させる。こうして、モ
ータを実機に実装したままの状態でモータ自身を負荷ト
ルクセンサとして実機機構部が必要とする負荷トルクの
ダイナミックな測定を可能とする。
【0030】図6は、図5に示すヒステリシスブレーキ
を用いた基準トルク発生機を操作して、被験モータに既
知の負荷トルクを与えるためのフローチャートである。
基準トルク発生機の目盛りは、それが基準の位置にある
ときから、トルク発生機設定用モータに供給するパルス
Pの数に換算できる。そこで、所定のトルクTQを発生
させるために必要なPの値P(TQ)を求める(ステッ
プS1)。現時点で、設定用モータには既にPaのパル
スが与えられているとすると、モータを所定位置まで移
動させるために必要なパルス数PTを(P−Pa)の絶
対値として求める(ステップS2)。
【0031】設定用モータの回転方向をとりあえずCW
に設定しておき(ステップS3)、PとPaを比較した
結果(ステップS4)に基づき、PがPaより小なる場
合は改めて回転方向をCCWに設定し直し(ステップS
5)、かつ所要パルス数PTに、設定用モータ及びギヤ
により生ずるバックラッシュの補正分PBを加算した上
(ステップS6)、前述のコギング発生を防止するた
め、被験モータを適当な周波数で回転させる(ステップ
S7)。設定用モータの回転方向がCWの場合はコギン
グ発生の恐れはないので、被験モータを回転させる必要
はない。
【0032】設定用モータの回転方向がCWまたはCC
Wの何れかに決定した後、そのための準備が整ったら、
設定用モータを回転させる(ステップS8)。設定用モ
ータにPTパルスが印加されるのを待ち(ステップS
9)、設定用モータの回転方向を判断し(ステップS1
0)、回転方向がCCWでなければ設定用モータを停止
させて設定作業を終了する(ステップS16)。回転方
向がCCWの場合は、前述のように、被験モータを停止
させ(ステップS11)、回転方向をCWとし(ステッ
プS12)、PBをPTとし(ステップS12)、PBを
PTとして(ステップS13)、設定用モータを回転さ
せる(ステップS14)。RTパルス回転させてから設
定用モータを停止させる(ステップS16)。このと
き、バックラッシュ補正分PBだけ戻すため、設定用モ
ータをCW方向に回転する必要がある。設定用モータを
CW方向に回転させる場合はコギング発生の恐れはない
ので、被験モータは停止させてよい。また、基準トルク
発生機としては、ヒステリシスブレーキの他に、米国バ
イブラック社のトルクセンサー付きパウダーブレーキ式
トルク発生機を用いることも勿論可能であり、正確なト
ルクを発生し得るものであればよい。
【0033】次に、本発明に係る測定装置をマイクロコ
ンピュータを応用したシステムとして実現した実施例に
ついて詳述する。図7は、上記システムの一実施例を示
す。バスBUS上にマイクロコンピュータ(CPU)2
13、ROM212、RAM211が通常のシステムの
場合と同様に配置されている。また、適切なインタフェ
ースI/F217を介してLCD/ソフトウエアスイッ
チ駆動部215を制御し、LCD/ソフトウエアスイッ
チ部214を駆動するとともに、インタフェースI/F
218を介して、キーボード216が接続され、マンマ
シンインタフェースを構成する。これにより、測定条件
の入力及び本装置側からの指示や、測定結果の表示を行
う。更に、GP−IBインタフェース部222またはR
S232Cインタフェース223を介して、外部のコン
ピュータ(パソコン)との間でデータの授受を行うこと
ができる。また、バスには、FDD221を制御するF
DD制御部220が接続されるとともに、外部インタフ
ェース219が接続される。
【0034】バス上に配置された駆動パルス発生部20
6からはCPU213からの指示により、被測定モータ
200への駆動タイミングが発生される。ユニポーラ型
モータ用の駆動回路201またはバイポーラモータ用駆
動回路202を必要に応じて使い分ける。該駆動回路
は、電圧可変電源205から電源の供給を受け、図1に
示す例と同様にトランジスタQ1〜Q4等により構成す
ることができる。該駆動回路により、被測定モータ20
0が駆動される。駆動回路には、図1の場合と同様に、
抵抗等による電流/電圧検出手段207が設けられる。
検出された電流の瞬時値は、A/D変換器により、適切
なサンプリング間隔で、デジタル値に変換された後、D
MA制御部208の制御により、RAM211に順次記
憶される。該サンプリングは、バス上に配置されたトリ
ガ発生部からの指示によりA/D変換を開始することに
より実行される。さらに、該トリガ発生部から発生する
サンプリングのタイミングを前記モータ駆動パルスのタ
イミングと同期させるために、該トリガ発生部は、前記
パルス発生部から同期パルスを受信する。
【0035】測定に先立ち、CPU213からの制御の
下、基準トルク設定機制御部209が制御され、駆動回
路204により基準トルク設定機203が駆動される。
本実施例においては、負荷トルクの変動に対して、電流
波形の特徴を顕著にするため、被測定モータの駆動電圧
を適切に設定する必要がある。このため、バス上に配置
された、電圧可変電源205から、前記駆動回路に適切
に設定された電圧が供給される。
【0036】図8にはモータの回転に伴って、負荷トル
クが変動する様子が示されている。(A)は設定が不適
切な例を示す。画面上で、トルクを示すスケールの設定
を適切に変更することにより、(B)に示すように画面
を適切な状態に設定することができる。ところで、本発
明のスッテッピングモータ用負荷トルク測定装置では、
モータが実装された実機の負荷トルクをダイナミックに
測定できる。したがって、測定結果をファイルに保存す
れば、後でこれをコンピュータにより解析することが可
能になる。この目的にしたがって、測定データをファイ
ル化する場合は、各測定点において得られた全てのデー
タを順次ファイル化することが望ましい。
【0037】高い周波数で動作する型のステッピングモ
ータを用いた機構部のトルクのダイナミックな特性を測
定する場合、前記測定ファイルを作成しながら、同時に
画面の表示を実行することは、処理速度の関係から必ず
しも容易ではない場合がある。このような場合、必要に
応じて、ファイル作成作業と、表示動作の優先度を変更
することにより、より、使いやすい測定装置を供給する
ことが可能になる。
【0038】図8に示す画面設定を変更する場合、例え
ばオシロスコープを利用する場合には、画面の設定は最
初、表示が測定を実行するに適切に設定されるようにす
るために行うのであり、実際の測定に入ってからは、画
面の設定をみだりに変更しないのが普通である。ただ
し、測定中は表示されるデータに注意を集中させる。画
面の設定変更を行うためには、CPUには相当の処理時
間を必要とする。したがって、画面設定の変更を行って
いる間は、測定データを確実に外部記憶装置に記憶させ
る余裕がない。
【0039】同様に、図8に示す画面の設定変更も、測
定に先立って画面の調整を行うとの意味合が強い。した
がって、この時点においては、測定データを画面の設定
に応じて表示することが大切で、反面、測定データを外
部記憶装置に記憶することは必ずしも必要ない。反対
に、画面の設定を終わり測定を開始してからは、前述の
ように測定されたデータを確実に外部記憶装置に記憶さ
せることが大切である。また、この時には、画面の設定
を変更する必要は殆ど無いのが普通である。
【0040】以上を考慮して、本実施例による測定装置
は、画面の設定を行っているときは、測定データを外部
記憶装置に記憶せず、反対に、測定データを外部記憶装
置に記憶させているときには、画面の設定を行わないよ
うに構成される。
【0041】図9には測定結果を表示するための画面の
設定、測定結果を外部記憶装置へ記憶させ、測定結果の
記憶装置への記憶を画面表示より優先させる制御を行う
フローチャートが示されている。画面と測定条件の初期
化を行い(ステップS21とS22)、さらに外部記憶
装置への書き込みのための初期化を行い(ステップS2
3)、初期化が終了したら、スタートボタンが押下され
るのを待つ(ステップS24)。スタートボタンの押下
を待って、被験モータを回転し始める(ステップS2
5)。その後、被験モータからトルクが測定される度に
(ステップS26)、セーブモード(外部記憶装置に測
定データを保存するモード)を判断し(ステップS2
7)、セーブモードでなければ、セーブを実行せず、画
面の設定が必要であれば設定を行う。このとき、設定条
件変更を判断し(ステップS33)、変更がなければ、
そのまま、また、変更があれば設定を変更し(ステップ
S34)、ステップS29に移行する。
【0042】セーブモードの場合は、測定データを外部
記憶装置に記憶させるが(ステップS28)、画面の設
定は行わない。ここで、前回起動された作画が完了して
おれば、今回測定されたデータの作画起動を指示する
(ステップS29とS30)。もし、前回のデータを作
画中であれば、今回のデータの作画は行わない。上記の
操作をストップボタンが押下されるまで続行する(ステ
ップS31)。その後、ストップボタンが押下されたら
被験モータを停止し測定を終了する(ステップS3
2)。
【0043】前述のように、データ速度が大なる場合に
おいても、測定データを外部記憶装置に記憶させる場合
には、測定されたデータの全てを記憶させることが必要
である。反対に、画面への表示には、測定データを全て
表示しても、描画速度が大きい場合には、全てのデータ
を目視することは困難である。したがって、本実施例に
おいては、特にデータ速度が大であり、測定データの記
憶と画面への描画の双方を両立させることが困難な場合
は、測定データの外部記憶装置への記憶動作を優先さ
せ、表示装置への描画はサンプリング形式で、いわば途
中のデータが間引いて描画を行うこともできる。
【0044】図10は被測定モータが回転中に組織的な
外乱が発生し、それに伴って、被験モータに要求される
負荷トルクが変動する様子を示す。図10に示す実施例
では、前記外乱を与えるタイミングを、被測定モータの
駆動パルスとの位相関係において表示している。
【0045】具体的な事例として、ファクシミリにおけ
る紙送りと、印字ヘッドへの電流流入による印字のタイ
ミングの関係を考える。被験モータ(紙送りモータ)が
(b)に示すタイミングで駆動されているとする。その
結果、記録紙は(c)に示すように、時間と共にその位
置を変える。ここで、(d)に示すように、モータの駆
動クロックに同期して印字ヘッドへ電流を供給すると、
(e)に示すように、該モータには記録紙を送るに必要
なトルクと、印字が行われたために印字ヘッドと記録紙
が張り付くために生ずるトルクの双方を負担せねばなら
ず、比較的大きなトルクを必要とする。
【0046】そこで、(d’)に示すように、モータの
駆動タイミングに対し、印字のタイミングを少し遅らせ
てみる。すると今度は、記録紙が動き出してから印字が
行われるため、両者に必要なトルクが時間的に分散し、
(e’)に示すように該モータに要求されるトルクが減
少する様子が伺える。
【0047】上述の印字タイミングの制御を可能にする
ため、本実施例による測定装置では、(a)に示すよう
に、被験モータの駆動パルス(b)のn逓倍されたパル
スをサービスクロックとして装置の外部へ供給する。外
部装置は、上記モータ駆動パルスを基準とし、これに上
記n逓倍パルスを利用して、該駆動パルスに対し、印字
を行うタイミングを細かく制御することができる。
【0048】図11は上記n逓倍パルスを発生させるた
めの実施例を示す。源発信器201からは、モータを駆
動するに必要な周波数の1/n倍の周波数クロックが発
生する。このクロックは、外部装置へのn逓倍クロック
として供給される。これを分周器202により1/nに
分周された後、モータ駆動パルス発生器203に図10
(b)のようなクロックとして供給される。
【0049】本実施例の負荷トルク測定装置の測定対象
として、被測定モータが一定の方向に連続的に回転する
場合の他、一定パルス数だけ回転した後に、逆方向に回
転をする場合等、種々のケースがある。したがって、場
合によっては、測定を開始するに先立って被測定装置を
原点まで移動させる必要が生ずる。このような場合、本
実施例装置ではマニュアルによる動作指示により、被験
モータを回転させることにより、被験装置の初期位置出
しを行うことができる。
【0050】図12は、測定開始に先立ち、被測定機構
部を所定の位置まで移動させる(初期位置出し)ための
フローチャートを示す。始めに被験モータの駆動周波数
を位置出し用の周波数f0に初期化する(ステップS4
1)。次に、駆動電圧を周波数f0における値に初期化
する(ステップS42)。スタートボタンが押下され
て、測定が開始されるまでの間は、被測定機構部をCW
方向またはCCW方向へ回転させるための、各々のボタ
ンが押下されるのを監視する(ステップS43とS4
5)。もし、CW方向への回転を指示するボタンが押下
されれば、被測定モータをCW方向へ回転させる(ステ
ップS44)。また、被測定モータをCCW方向へ回転
するよう指示するボタンが押下されれば、モータをCC
W方向へ回転させる(ステップS46)。上記の操作を
必要なだけ繰り返すことにより、被測定機構部の初期位
置出しが完了する。
【0051】初期位置出しが完了し、測定のための準備
が整い、スタートボタンを押下すると(ステップS4
7)、測定が開始される。測定時は、被測定モータの駆
動周波数を測定周波数fMにセットし(ステップS4
8)、fMに従った最適駆動電圧を印加し(図示せ
ず)、被験モータを回転させながら負荷トルクの測定と
表示を、ストップボタンが押下されるまで続ける。(ス
テップS49、S50、S51及びS52)。ストップ
ボタンが押下されたら、モータを停止し(ステップS5
3)、測定を終了する。
【0052】ところで、同種または異種ステッピングモ
ータが同一の装置に複数個使用される場合、本発明の負
荷トルク測定装置を対応付けて複数台用いて、前記複数
台のモータに加わる負荷トルクを同時に測定する必要が
生ずる場合がある。本実施例の負荷トルク測定装置にマ
スタ/スレーブ機能を付加して効率的な測定を可能とす
る。マスタ機に指定された方の測定装置は、通常のよう
に、測定動作を行うが、測定中はGO信号をオンにす
る。スレーブ動作を指定された測定装置は、前記マスタ
機からのGO信号が「真」の値を示している間、測定を
実行する。このようにすることにより、複数の負荷トル
ク測定装置を用いて、動作に互いに関連性を有する複数
のモータの負荷トルク特性の挙動を同時に観測すること
が可能である。
【0053】図13は本実施例による負荷トルク測定装
置を複数台連動して動作させ、ステッピングモータを複
数台連動して用いる被測定装置の測定を実行する上記実
施例のフローチャートである。図の左側に、マスタ機の
動作を、右側にはマスタ機の指示によりマスタ機と連動
するスレーブ機の動作を示す。先ず、マスタ機、及びス
レーブ機の双方とも、測定を開始するに必要な初期化が
なされる(ステップS61とS71)。マスタ機に於
て、マスタ機からスレーブ機へ動作開始/継続を指示す
る信号GOの値がクリアされる(ステップS62)の
で、スレーブ機はマスタ機からのGO信号待ちとなり、
停止している(ステップS72)。
【0054】マスタ機のスタートボタンが押下されると
(ステップS63)、GO信号を真とした上で(ステッ
プS64)、マスタ機に接続された被測定モータを回転
し始める(ステップS65)。スレーブ機はマスタ機の
GO信号が真となったのを受けて(ステップS72)動
作を開始し、スレーブ機に接続された被測定モータを回
転し始める(ステップS73)。以後、マスタ機におい
ては、ストップボタンが押下されるまでの間、負荷トル
クを測定し、表示を続け(ステップS66とS67)、
この間はGO信号は真のままである。GO信号が真であ
る間は、スレーブ機もマスタ機同様、モータの回転と、
負荷トルク測定、表示を続ける(ステップS74とS7
5)。
【0055】マスタ機において、ストップボタンが押下
されたことが判断されると(ステップS68)、GO信
号を偽とした(ステップS69)上で被測定モータを停
止させ(ステップS70)、測定を終了する。マスタ機
のGO信号が偽になったのを検出して(ステップS7
6)、スレーブ機もモータを停止させ(ステップS7
7)、測定を終了する。このようにして、マスタ機とス
レーブ機とは連動し、複数のモータを有する機器の動作
を同期させて測定することが可能になる。上記の説明で
は、スレーブ機は1台のみの例を示したが、スレーブ機
が複数台あっても矛盾なく制御できることは明かであ
る。
【0056】さて、公知の如く、ステッピングモータを
高速で回転させる場合には、一度、最終周波数より低い
周波数で回転させ(自起動)た後、目的周波数に向かっ
て徐々に周波数を上昇させる。このような方式をスロー
スタートまたはスローアップと称する。逆に、高速で回
転しているモータを減速または停止させる場合にも上記
と逆の動作をさせる場合がある。これをスローダウンと
称する。被測定モータがスローアップまたはスローダウ
ン動作を行っている間にも、該モータに要求される負荷
トルクの測定を行う必要がある。
【0057】前述のように、ステッピングモータに加え
られる負荷トルクの大きさTQと、この時に該モータに
流入する電流波形の特徴Qの関係から、負荷トルクの測
定を行うことができる。前記TQとQの関係は、モータ
の駆動電圧の大きさや、駆動周波数により変化する。し
たがって、校正を行うときは、駆動周波数の必要な範囲
に於て、前記最適な駆動電圧を求め、最適駆動電圧でモ
ータが駆動されたとき、周波数をパラメータとしてTQ
とQの関係を求めておく。
【0058】このように準備された状態で、スローアッ
プまたはスローダウン中のモータに加わる負荷トルクの
大きさを測定するには、瞬時の周波数を検出し、被測定
モータに、周波数に見合った最適駆動電圧を瞬時瞬時に
印加し、Qを測定する。そして、周波数をパラメータと
した、前記TQとQの関係から、トルクを測定する。
【0059】図14はスローアップ行程を含む被測定モ
ータの負荷トルクを測定するためのフローチャートを示
す。なお、本例では簡単のため、スローダウン行程の説
明は省略されているが、スローアップ行程と同様であ
る。始めに表示条件と測定条件が各々初期化された後
(ステップS81とS82)、スタートボタンが押下さ
れるのを待つ(ステップS83)。ボタンが押下された
ら、被測定モータを駆動する周波数fを自起動周波数f
lに初期化する(ステップS84)。その後、スローア
ップシーケンスを開始する。
【0060】駆動周波数fが最終周波数fhに達するま
では、fを微小量Δfだけ増大させる(スローアップ)
(ステップS85とS86)。最高値fhに達したら、
以後は周波数fhで回転を続ける。被測定モータの駆動
周波数fが決定したら、それに見合う最適駆動電圧E0
を該モータに印加し(ステップS87)、モータを回転
させる(ステップS88)。回転中のモータの負荷トル
クは、予め校正された被測定モータの負荷トルクTQと
電流波形特徴Qの該当する駆動周波数における特性と比
較することにより測定され(ステップS89)、表示さ
れる(ステップS90)。次に、周波数fをΔfだけ増
大させるに先立って、微小時間Δtだけ待つ(ステップ
S91)。これにより、Δf/Δtで決定される勾配に
したがって、ステップS92で測定終了と判断されるま
で、被測定モータはスローアップシーケンスを続け、測
定を終了する。
【0061】前記負荷トルクTQと電流波形特徴Qとの
関係は、前述のパラメータの他、モータの温度にも依存
する。図15はPM型モータについてモータ温度が25
゜C及び48゜Cにある場合のモータの特性の差を示す
例である。これより、特殊な温度に於て負荷トルクを測
定する必要がある場合は、該当する温度におけるTQと
Qの関係を校正しておく必要がある。
【0062】ステッピングモータはコイルに比較的大き
い電流を流し続けることにより、簡単に温度を上昇させ
ることができる。ただし、この操作により直接温度が上
昇するのはモータのコイルである。また、抵抗法を利用
して、該モータのコイルの温度は容易に測定可能であ
る。
【0063】したがって、モータのコイルに電流を流し
続けることにより、該モータの温度を校正を行うべき値
にまで高めることができる。コイルが所定の温度に達し
たとき、モータの他の部分の温度はまだコイルの温度よ
り低い。特に該モータのロータに配されたマグネットの
特性は温度により大きく変化する。したがって、校正を
始める前に、マグネットを含むモータ全体の温度を所定
の値にする必要がある。現実にはコイル以外のモータの
各部の温度を測定・管理することは容易ではない。そこ
で一般に行われている現実的な処理として、モータの特
性を評価する場合、モータの温度が一定になってから所
定の時間が経過してから測定を開始する方法を準用す
る。
【0064】図16は特定の温度における校正を開始す
までの昇温過程を示す。モータコイルに通電を開始する
と、コイル温度は上昇を始め、tr時間後には所定の温
度Tに達する。その後は温度Tを保つようコイル電流を
制御する。その後は予め定めた時間thの間、温度Tに
保たれた状態を維持する。これにより、モータを所定の
温度に保ったとしても実用上差し仕えのない状態と見な
せるようになる。時間thが経過したら該当の温度にお
ける校正を開始する。
【0065】図17はモータを任意の温度で校正を行う
に際し、モータを所定の温度に昇温する過程と、続いて
到達温度に所定の時間だけ保持した後校正を行うための
フローチャートを示す。始めに、校正条件の設定を行っ
てから(ステップS101)、通電状態にないモータの
温度を、サーミスタその他の手段により測定し、その温
度におけるモータコイルの抵抗値を測定し、コイル温度
とコイル抵抗の関係を求める(ステップS102)。
【0066】準備が出来たらモータの昇温を開始する。
静止状態のモータに電流を流し(ステップS103)、
コイル温度を上昇させる。この時、コイル温度TPは、
コイル抵抗を測定することにより、上述のコイル抵抗/
コイル温度の関係から測定される(ステップS104と
S105)。ステップS106で、コイル温度TPが所
定の温度TP0に達したと判断されるまでコイルに通電を
続ける。コイル温度が所定値TP0に達したら、保持時間
を計測するためのタイマtをクリアする(ステップS1
07)。その後はコイル抵抗を測定し(ステップS10
8)、これよりコイル温度TPを求め(ステップS10
9)、TPが所定温度TP0を維持するように、TPとTP0
の大小関係により、コイルに流す電流を通電したり、遮
断したりする(ステップS110、S111及びS11
2)。コイルの温度が所定値TP0に保持された状態が予
め定めた保持時間thだけ継続したら校正のシーケンス
を開始する(ステップS113とS114)。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるステ
ッピンングモータ用負荷トルク測定装置によれば、モー
タを実機に実装したままの状態で、モータ自身を負荷ト
ルクセンサとして実機機構部が必要とする負荷トルクを
ダイナミックに測定することができるので、産業上の応
用価値が極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による測定装置の一実施例を示す基本全
体構成図である。
【図2】HBタイプのステッピングモータを2−2相励
磁で定電圧駆動したとき、該モータの任意の相に流入す
る電流波形を示した図である。
【図3】積分値Qと負荷トルクTQとの関係を示す図で
ある。
【図4】駆動電圧を13,12,11Vのように順次変
化させた時の電流波形を示す図である。
【図5】被験モータに定めたトルクを与える基準トルク
発生機の構成を示す図である。
【図6】図5に示すヒステリシスブレーキを用いた基準
トルク発生機を操作して、被験モータに既知の負荷トル
クを与えるためのフローチャートである。
【図7】本発明の構成システム例を示す図である。
【図8】本発明の他の実施例を示し、モータの回転に伴
って、負荷トルクが変動する様子を示す図である。
【図9】本発明の実施例における測定結果を表示するた
めの画面の設定、測定結果を外部記憶装置へ記憶させ、
測定結果の記憶装置への記憶を画面表示より優先させる
制御を行うフローチャートである。
【図10】本発明の実施例における被測定モータが回転
中に組織的な外乱が発生し、それに伴って、被験モータ
に要求される負荷トルクが変動する様子を示す図であ
る。
【図11】図10における実施例におけるn逓倍パルス
を発生させるための実施例を示す図である。
【図12】本発明の実施例において、測定開始に先立
ち、被測定機構部を所定の位置まで移動させる(初期位
置出し)ためのフローチャートである。
【図13】本発明の負荷トルク測定装置を複数台連動し
て動作させ、ステッピングモータを複数台連動して用い
る被測定装置の測定を実行する実施例のフローチャート
である。
【図14】本発明の実施例におけるスローアップ行程を
含む被測定モータの負荷トルクを測定するためのフロー
チャートを示す図である。
【図15】PM型モータについてモータ温度が25゜C
及び48゜Cにある場合のモータの特性の差を示す図で
ある。
【図16】特定の温度における校正を開始すまでの昇温
過程を示す図である。
【図17】モータを任意の温度で校正を行うに際し、モ
ータを所定の温度に昇温する過程と、続いて到達温度に
所定の時間だけ保持した後校正を行うためのフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 ステッピングモータ 2 実機機構部 3
基準負荷トルク発生機 4 カップリング 5,6
コネクタ 7 駆動回路 8
分配回路 9 コントローラ 10
電流検出部 11 アンプ 12
スイッチ 13,15 特徴抽出部 14
基準値メモリ 16 測定値メモリ 17
照合判断部 18 ディスプレイ 19
プリンタ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−43049(JP,A) 特開 平2−155496(JP,A) 特開 平3−150087(JP,A) 特開 平2−60496(JP,A) 特開 昭55−71196(JP,A) 特開 昭56−166439(JP,A) 特開 平1−311885(JP,A) 特開 昭63−31497(JP,A) 特開 平4−312398(JP,A) 特開 平3−78483(JP,A) 特開 平2−51386(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01L 5/00 H02P 8/34

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トルク発生装置から定めたトルクを被試験
    ステッピングモータに与えたときに得られる該ステッピ
    ングモータに流れる電流の特徴値を求め、前記与えられ
    たトルクと特徴値との関係データに基づいて前記ステッ
    ピングモータに働く負荷トルクを測定するステッピング
    モータ用負荷トルク測定装置において、 前記トルク発生装置から発生されるトルクを調整する調
    整手段を備えて成ることを特徴とするステッピングモー
    タ用負荷トルク測定装置。
  2. 【請求項2】トルク発生装置から定めたトルクを被試験
    ステッピングモータに与えたときに得られる該ステッピ
    ングモータに流れる電流の特徴値を求め、前記与えられ
    たトルクと特徴値との関係データに基づいて前記ステッ
    ピングモータに働く負荷トルクを測定するステッピング
    モータ用負荷トルク測定装置において、 前記トルク発生装置から発生されるトルクを、現在値か
    らより小さい値に設定変更する際、該トルク発生機に接
    続された被測定モータを回転させる手段を備えて成るこ
    とを特徴とするステッピングモータ用負荷トルク測定装
    置。
  3. 【請求項3】トルク発生装置から定めたトルクを被試験
    ステッピングモータに与えたときに得られる該ステッピ
    ングモータに流れる電流の特徴値を求め、前記与えられ
    たトルクと特徴値との関係データに基づいて前記ステッ
    ピングモータに働く負荷トルクを測定するステッピング
    モータ用負荷トルク測定装置において、 前記測定結果を表示する表示手段と、 前記測定結果を記憶する記憶手段と、 前記表示手段の表示態様設定を変化させるときは、前記
    記憶手段への記憶を行わないように制御する制御手段
    と、を備えて成ることを特徴とするステッピングモータ
    用負荷トルク測定装置。
  4. 【請求項4】トルク発生装置からめたトルクを被試験ス
    テッピングモータに与えたときに得られる該ステッピン
    グモータに流れる電流の特徴値を求め、前記与えられた
    トルクと特徴値との関係データに基づいて前記ステッピ
    ングモータに働く負荷トルクを測定するステッピングモ
    ータ用負荷トルク測定装置において、 前記測定結果を表示する表示手段と、 前記測定結果を記憶する記憶手段と、 前記測定に際しては、前記表示に優先して全ての測定値
    を記憶せしめるように制御する制御手段と、を備えて成
    ることを特徴とするステッピングモータ用負荷トルク測
    定装置。
  5. 【請求項5】トルク発生装置から定めたトルクを被試験
    ステッピングモータに与えたときに得られる該ステッピ
    ングモータに流れる電流の特徴値を求め、前記与えられ
    たトルクと特徴値との関係データに基づいて前記ステッ
    ピングモータに働く負荷トルクを測定するステッピング
    モータ用負荷トルク測定装置において、 前記ステッピングモータを駆動するパルスのn倍の周波
    数を有するクロックを外部に供給する手段を有すること
    を特徴とするステッピングモータ用負荷トルク測定装
    置。
  6. 【請求項6】トルク発生装置から定めたトルクを被試験
    ステッピングモータに与えたときに得られる該ステッピ
    ングモータに流れる電流の特徴値を求め、前記与えられ
    たトルクと特徴値との関係データに基づいて前記ステッ
    ピングモータに働く負荷トルクを測定するステッピング
    モータ用負荷トルク測定装置において、 前記測定に先立ち、前記ステッピングモータを予め定め
    た位置まで回転、移動させる手段を有することを特徴と
    するステッピングモータ用負荷トルク測定装置。
  7. 【請求項7】複数の被試験ステッピングモータのそれぞ
    れに接続され、トルク発生装置から定めたトルクを被試
    験ステッピングモータに与えたときに得られる該ステッ
    ピングモータに流れる電流の特徴値を求め、前記与えら
    れたトルクと特徴値との関係データに基づいて前記ステ
    ッピングモータに働く負荷トルクを測定する測定装置を
    複数有するステッピングモータ用負荷トルク測定装置に
    おいて、 前記複数の測定装置のうち1台をマスタ機とし、他をス
    レーブ機とし、前記マスタ機が動作中であることを示す
    信号を出力する手段と、 前記信号を受けて、前記スレーブ機の動作を自動的に制
    御する手段と、を備えて成ることを特徴とするステッピ
    ングモータ用負荷トルク測定装置。
  8. 【請求項8】トルク発生装置から定めたトルクを被試験
    ステッピングモータに与えたときに得られる該ステッピ
    ングモータに流れる電流の特徴値を求め、前記与えられ
    たトルクと特徴値との関係データに基づいて前記ステッ
    ピングモータに働く負荷トルクを測定するステッピング
    モータ用負荷トルク測定装置において、 定めた負荷トルクを与えたときに流入する電流波形特徴
    を、異なる周波数について記憶する手段と、 負荷トルクを測定するに際し、前記ステッピングモータ
    を駆動する周波数を時間と共に変化させる手段と、を備
    え、該駆動周波数に応じて前記測定を行うことを特徴と
    するステッピングモータ用負荷トルク測定装置。
  9. 【請求項9】トルク発生装置から定めたトルクを被試験
    ステッピングモータに与えたときに得られる該ステッピ
    ングモータに流れる電流の特徴値を求め、前記与えられ
    たトルクと特徴値との関係データに基づいて前記ステッ
    ピングモータに働く負荷トルクを測定するステッピング
    モータ用負荷トルク測定装置において、 前記ステッピングモータに通電させて該ステッピングモ
    ータの温度を上昇させる手段と、 該ステッピングモータのコイル温度を測定する手段と、 該ステッピングモータのコイル温度が、予め定めた温度
    に達した後、該温度に予め定めた時間だけ維持する手段
    と、を備えて成ることを特徴とするステッピングモータ
    用負荷トルク測定装置。
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