JP2959886B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
自動変速機の制御装置Info
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- JP2959886B2 JP2959886B2 JP3253136A JP25313691A JP2959886B2 JP 2959886 B2 JP2959886 B2 JP 2959886B2 JP 3253136 A JP3253136 A JP 3253136A JP 25313691 A JP25313691 A JP 25313691A JP 2959886 B2 JP2959886 B2 JP 2959886B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動変速機の制御装置
の改良に関する。
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機の制御においては、有
段変速機を用いて段階的に変速比を制御するものである
と無段変速機を用いて無段階的に変速比を制御するもの
であるとを問わず、一般的に車速とスロットル開度とか
ら予め設定されたギヤシフトダイアグラム・マップを検
索して変速比を決定している。
段変速機を用いて段階的に変速比を制御するものである
と無段変速機を用いて無段階的に変速比を制御するもの
であるとを問わず、一般的に車速とスロットル開度とか
ら予め設定されたギヤシフトダイアグラム・マップを検
索して変速比を決定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため従来技術にお
いては、変速比が車速とスロットル開度とから一義的に
決定されてしまい、変速比を決定する上で本来的に影響
を与えるであろう他の運転パラメータが考慮されていな
かった。その結果、熟練運転者が手動変速機車両で行っ
ている変速動作に比し、運転者の意図がシフトスケジュ
ーリングに十分反映しきれていなかった。
いては、変速比が車速とスロットル開度とから一義的に
決定されてしまい、変速比を決定する上で本来的に影響
を与えるであろう他の運転パラメータが考慮されていな
かった。その結果、熟練運転者が手動変速機車両で行っ
ている変速動作に比し、運転者の意図がシフトスケジュ
ーリングに十分反映しきれていなかった。
【0004】より具体的に言えば、従来技術においては
車速とスロットル開度とのみから一義的に変速比を決定
していることから、登坂、降坂など本来的に変速比を決
定する上で影響を与えるであろう運転パラメータが考慮
されていないため、山間地等を走行するときに変速比が
頻繁に変更されてシフトビジーとなり、上記した不都合
を生じていた。また運転者の内的な意図について言え
ば、従来のギヤシフトダイアグラム・マップによる制御
ではこれを変速比の決定に反映させることは極めて困難
であった。
車速とスロットル開度とのみから一義的に変速比を決定
していることから、登坂、降坂など本来的に変速比を決
定する上で影響を与えるであろう運転パラメータが考慮
されていないため、山間地等を走行するときに変速比が
頻繁に変更されてシフトビジーとなり、上記した不都合
を生じていた。また運転者の内的な意図について言え
ば、従来のギヤシフトダイアグラム・マップによる制御
ではこれを変速比の決定に反映させることは極めて困難
であった。
【0005】更に、近時、ファジィ制御が種々の制御に
利用されつつあり、このファジィ制御は熟練者の操作・
経験を制御に反映させるエキスパートシステムになじみ
やすいことから、自動変速機の制御装置にも適してお
り、その点から本出願人もその種の制御装置を先に提案
している(特願平2─112816号)。他方、車速と
スロットル開度とから予め設定されたギヤシフトダイア
グラム・マップを検索して変速比を決定する従来技術
も、制御技術がほぼ確立されている点でメリットがあ
る。
利用されつつあり、このファジィ制御は熟練者の操作・
経験を制御に反映させるエキスパートシステムになじみ
やすいことから、自動変速機の制御装置にも適してお
り、その点から本出願人もその種の制御装置を先に提案
している(特願平2─112816号)。他方、車速と
スロットル開度とから予め設定されたギヤシフトダイア
グラム・マップを検索して変速比を決定する従来技術
も、制御技術がほぼ確立されている点でメリットがあ
る。
【0006】従って、本発明の目的は従来技術の上記し
た欠点を解消し、従来的なギヤシフトダイアグラム・マ
ップの検索による変速比制御とファジィ理論による制御
とを合体させて双方の長所を活かし、変速比を考慮する
上で本来的に考慮すべき種々の運転パラメータに基づい
て制御値を決定することによって車速とスロットル開度
のみから変速比が一義的に決定されることがない様にし
た自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
た欠点を解消し、従来的なギヤシフトダイアグラム・マ
ップの検索による変速比制御とファジィ理論による制御
とを合体させて双方の長所を活かし、変速比を考慮する
上で本来的に考慮すべき種々の運転パラメータに基づい
て制御値を決定することによって車速とスロットル開度
のみから変速比が一義的に決定されることがない様にし
た自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0007】更には、従来的なギヤシフトダイアグラム
・マップによって変速比を決定すると共に、走行抵抗を
含む運転パラメータに基づいてファジィ推論を行って決
定された変速比を補正し、山間地を走行するときも変速
比が頻繁に変更されることがない様にした自動変速機の
制御装置を提供することを目的とする。
・マップによって変速比を決定すると共に、走行抵抗を
含む運転パラメータに基づいてファジィ推論を行って決
定された変速比を補正し、山間地を走行するときも変速
比が頻繁に変更されることがない様にした自動変速機の
制御装置を提供することを目的とする。
【0008】更には、従来的なギヤシフトダイアグラム
・マップによって変速比を決定すると共に、運転者の内
的意図を推論し、その推論値を含む運転パラメータに基
づいてファジィ推論を行って決定された変速比を補正
し、制御中に運転者の内的意図を良く反映させる様にし
た自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
・マップによって変速比を決定すると共に、運転者の内
的意図を推論し、その推論値を含む運転パラメータに基
づいてファジィ推論を行って決定された変速比を補正
し、制御中に運転者の内的意図を良く反映させる様にし
た自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は例えば請求項1項において、車両内燃機関
の変速比を段階的または無段階的に制御する自動変速機
の制御装置であって、前記機関の運転パラメータを求め
る手段、前記求められた運転パラメータ中の少なくとも
車速と機関負荷とから予め設定された特性を検索して変
速比を決定する変速比決定手段、前記求められた運転パ
ラメータの中の運転者が操作する機器を介して変化する
運転パラメータについてファジィ論理に基づく演算を行
い、運転者の加減速意図を示す推論値を演算する加減速
意図推論値演算手段、前記求められた運転パラメータの
中の少なくとも機関負荷から車両の走行抵抗を演算する
走行抵抗演算手段、前記演算された推論値と、前記演算
された走行抵抗と、前記求められた運転パラメータの中
の少なくとも車速と機関負荷とについてファジィ論理に
基づく演算を行い、変速比補正量を演算する変速比補正
量演算手段、前記演算された変速比補正量に基づいて前
記決定された変速比を補正する変速比補正手段、及び、
前記補正された変速比に基づいて変速機構を駆動する駆
動手段を備える如く構成した。
めに本発明は例えば請求項1項において、車両内燃機関
の変速比を段階的または無段階的に制御する自動変速機
の制御装置であって、前記機関の運転パラメータを求め
る手段、前記求められた運転パラメータ中の少なくとも
車速と機関負荷とから予め設定された特性を検索して変
速比を決定する変速比決定手段、前記求められた運転パ
ラメータの中の運転者が操作する機器を介して変化する
運転パラメータについてファジィ論理に基づく演算を行
い、運転者の加減速意図を示す推論値を演算する加減速
意図推論値演算手段、前記求められた運転パラメータの
中の少なくとも機関負荷から車両の走行抵抗を演算する
走行抵抗演算手段、前記演算された推論値と、前記演算
された走行抵抗と、前記求められた運転パラメータの中
の少なくとも車速と機関負荷とについてファジィ論理に
基づく演算を行い、変速比補正量を演算する変速比補正
量演算手段、前記演算された変速比補正量に基づいて前
記決定された変速比を補正する変速比補正手段、及び、
前記補正された変速比に基づいて変速機構を駆動する駆
動手段を備える如く構成した。
【0010】
【作用】車速と機関負荷とからギヤシフトダイアグラム
・マップ(前記予め設定された特性)を検索して基本的
な制御値(前記変速比)を決定すると共に、種々の運転
パラメータからファジィ論理に基づく演算を行って基本
的な制御値を補正する様にしたので、変速比を決定する
上で本来的に考慮すべきパラメータをそのファジィ推論
パラメータに含めることができて、従来的な車速と機関
負荷とから予め設定された特性に従って変速比を決定す
る制御技術として確立した長所を活かしつつ、しかも運
転状況の変化に即応して無段階に修正することが可能と
なり、車速と機関負荷のみから変速比が一義的に決定さ
れることがない。この結果、例えばギヤシフトダイアグ
ラム・マップの変速特性を低燃費側に設定して実際の走
行をファジィ制御で補正することが可能となってマップ
特性の設定の自由度が大きくなる。またマップによって
全運転領域を確実に包含することができるので、安定し
た制御を実現することができる。また実車に搭載するの
も容易である。更に、変速比をファジィ制御のみで決定
する場合に比し、基本値はマップから決定することか
ら、ファジィ演算量が低減して例えば制御装置をマイク
ロ・コンピュータで実現するときも、記憶容量が比較的
少なくて足る。更には、従来的なギヤシフトダイアグラ
ム・マップによって変速比を決定すると共に、走行抵抗
を含む運転パラメータに基づいてファジィ推論を行って
決定された変速比を補正するので、山間地を走行すると
きなども変速比が頻繁に変更されることがない。また、
従来的なギヤシフトダイアグラム・マップによって変速
比を決定すると共に、運転者の内的な加減速意図を推論
し、その推論値を含む運転パラメータに基づいてファジ
ィ推論を行って決定された変速比を補正するので、制御
中に運転者の内的意図を良く反映させることができる。
・マップ(前記予め設定された特性)を検索して基本的
な制御値(前記変速比)を決定すると共に、種々の運転
パラメータからファジィ論理に基づく演算を行って基本
的な制御値を補正する様にしたので、変速比を決定する
上で本来的に考慮すべきパラメータをそのファジィ推論
パラメータに含めることができて、従来的な車速と機関
負荷とから予め設定された特性に従って変速比を決定す
る制御技術として確立した長所を活かしつつ、しかも運
転状況の変化に即応して無段階に修正することが可能と
なり、車速と機関負荷のみから変速比が一義的に決定さ
れることがない。この結果、例えばギヤシフトダイアグ
ラム・マップの変速特性を低燃費側に設定して実際の走
行をファジィ制御で補正することが可能となってマップ
特性の設定の自由度が大きくなる。またマップによって
全運転領域を確実に包含することができるので、安定し
た制御を実現することができる。また実車に搭載するの
も容易である。更に、変速比をファジィ制御のみで決定
する場合に比し、基本値はマップから決定することか
ら、ファジィ演算量が低減して例えば制御装置をマイク
ロ・コンピュータで実現するときも、記憶容量が比較的
少なくて足る。更には、従来的なギヤシフトダイアグラ
ム・マップによって変速比を決定すると共に、走行抵抗
を含む運転パラメータに基づいてファジィ推論を行って
決定された変速比を補正するので、山間地を走行すると
きなども変速比が頻繁に変更されることがない。また、
従来的なギヤシフトダイアグラム・マップによって変速
比を決定すると共に、運転者の内的な加減速意図を推論
し、その推論値を含む運転パラメータに基づいてファジ
ィ推論を行って決定された変速比を補正するので、制御
中に運転者の内的意図を良く反映させることができる。
【0011】
【実施例】以下、添付図面に即して有段変速機を例にと
って本発明の実施例を説明する。
って本発明の実施例を説明する。
【0012】図1は本発明に係る自動変速機の制御装置
を全体的に示す概略図であり、同図に従って説明する
と、符号10は内燃機関の本体を示す。機関本体10に
は吸気路12が接続されており、その先端側にはエアク
リーナ14が取着され、エアクリーナ14から導入され
た吸気は、車両運転席床面のアクセルペダル(図示せ
ず)に連動して作動するスロットル弁16を介して流量
を調節されて機関本体に至る。吸気路12の燃焼室(図
示せず)付近の適宜位置には燃料噴射弁(図示せず)が
設けられて燃料を供給し、吸入空気は燃料と混合されて
燃焼室内に入りピストン(図示せず)で圧縮された後点
火プラグ(図示せず)を介して着火されて爆発し、ピス
トンを駆動する。ピストン駆動力は回転運動に変換され
て機関出力軸18から取り出される。
を全体的に示す概略図であり、同図に従って説明する
と、符号10は内燃機関の本体を示す。機関本体10に
は吸気路12が接続されており、その先端側にはエアク
リーナ14が取着され、エアクリーナ14から導入され
た吸気は、車両運転席床面のアクセルペダル(図示せ
ず)に連動して作動するスロットル弁16を介して流量
を調節されて機関本体に至る。吸気路12の燃焼室(図
示せず)付近の適宜位置には燃料噴射弁(図示せず)が
設けられて燃料を供給し、吸入空気は燃料と混合されて
燃焼室内に入りピストン(図示せず)で圧縮された後点
火プラグ(図示せず)を介して着火されて爆発し、ピス
トンを駆動する。ピストン駆動力は回転運動に変換され
て機関出力軸18から取り出される。
【0013】機関本体10の後段にはトランスミッショ
ン20が接続され、機関出力軸18はそこでトルクコン
バータ22に接続され、そのポンプインペラ22aに連
結される。トルクコンバータ22のタービンランナ22
bはメインシャフト(ミッション入力軸)24に接続さ
れる。メインシャフト24にはカウンタシャフト(ミッ
ション出力軸)26が並置されており、両シャフト間に
は1速〜4速ギヤG1〜G4 及びリバースギヤGR が設
けられると共に、それぞれのギヤには多板式の油圧クラ
ッチCL1〜CL4が対応して設けられる(リバースギヤの
クラッチは図示省略)。また1速ギヤG1 にはワンウェ
イクラッチ28が装着される。前記した油圧クラッチ群
と油圧源(図示せず)とを結ぶ油路30の中途にはA,
B2個のシフトバルブ32,34が介挿され、それらシ
フトバルブは電磁ソレノイド36,38の励磁・非励磁
によって位置を変えてクラッチ群への圧油の供給・排出
を制御する。尚、符号40は、トルクコンバータ22の
ロックアップ機構を示す。カウンタシャフト26はプロ
ペラシャフト42を介してディファレンシャル装置44
に接続すると共に、ディファレンシャル装置44はドラ
イブシャフト46を介して車輪48に接続されており、
これらを経て変速された機関出力が車輪48に伝達され
る。
ン20が接続され、機関出力軸18はそこでトルクコン
バータ22に接続され、そのポンプインペラ22aに連
結される。トルクコンバータ22のタービンランナ22
bはメインシャフト(ミッション入力軸)24に接続さ
れる。メインシャフト24にはカウンタシャフト(ミッ
ション出力軸)26が並置されており、両シャフト間に
は1速〜4速ギヤG1〜G4 及びリバースギヤGR が設
けられると共に、それぞれのギヤには多板式の油圧クラ
ッチCL1〜CL4が対応して設けられる(リバースギヤの
クラッチは図示省略)。また1速ギヤG1 にはワンウェ
イクラッチ28が装着される。前記した油圧クラッチ群
と油圧源(図示せず)とを結ぶ油路30の中途にはA,
B2個のシフトバルブ32,34が介挿され、それらシ
フトバルブは電磁ソレノイド36,38の励磁・非励磁
によって位置を変えてクラッチ群への圧油の供給・排出
を制御する。尚、符号40は、トルクコンバータ22の
ロックアップ機構を示す。カウンタシャフト26はプロ
ペラシャフト42を介してディファレンシャル装置44
に接続すると共に、ディファレンシャル装置44はドラ
イブシャフト46を介して車輪48に接続されており、
これらを経て変速された機関出力が車輪48に伝達され
る。
【0014】また、前記吸気路12のスロットル弁16
の付近にはその開度を検出するポテンショメータ等から
なるスロットルセンサ50が設けられると共に、機関本
体10付近のディストリビュータ(図示せず)等の回転
部には電磁ピックアップ等からなるクランク角センサ5
2が設けられ、ピストンのクランク角位置を検出して所
定クランク角度毎に信号を出力する。また機関吸気路1
2のスロットル弁16下流の適宜位置には吸気圧センサ
54が設けられ、吸気圧力を絶対値で検出する。更に、
車両運転席床面に設置されたブレーキペダル(図示せ
ず)の近傍にはブレーキペダルの踏み込みを検出するブ
レーキスイッチ56が設けられると共に、ドライブシャ
フト46の適宜位置にはリードスイッチ等からなる車速
センサ58が設けられてドライブシャフトの所定回転毎
に信号を出力する。これらの出力は、変速制御ユニット
60に送られる。更に、この制御ユニットには、レンジ
セレクタの選択位置を検出するレンジセレクタスイッチ
62の出力も送られる。
の付近にはその開度を検出するポテンショメータ等から
なるスロットルセンサ50が設けられると共に、機関本
体10付近のディストリビュータ(図示せず)等の回転
部には電磁ピックアップ等からなるクランク角センサ5
2が設けられ、ピストンのクランク角位置を検出して所
定クランク角度毎に信号を出力する。また機関吸気路1
2のスロットル弁16下流の適宜位置には吸気圧センサ
54が設けられ、吸気圧力を絶対値で検出する。更に、
車両運転席床面に設置されたブレーキペダル(図示せ
ず)の近傍にはブレーキペダルの踏み込みを検出するブ
レーキスイッチ56が設けられると共に、ドライブシャ
フト46の適宜位置にはリードスイッチ等からなる車速
センサ58が設けられてドライブシャフトの所定回転毎
に信号を出力する。これらの出力は、変速制御ユニット
60に送られる。更に、この制御ユニットには、レンジ
セレクタの選択位置を検出するレンジセレクタスイッチ
62の出力も送られる。
【0015】図2は変速制御ユニット60の詳細を示す
ブロック図である。同図に示す如く、スロットルセンサ
50等のアナログ出力はユニット内でレベル変換回路6
8に入力されて増幅された後、マイクロ・コンピュータ
70に入力される。マイクロ・コンピュータ70は、入
力I/O70a、A/D変換回路70b、CPU70
c、ROM70d、RAM70e及び出力I/O70f
並びに一群のレジスタ、カウンタ(後の2つは図示せ
ず)を備えており、回路68の出力はA/D変換回路7
0bに入力されてデジタル値に変換されてRAM70e
に格納される。またクランク角センサ52等のデジタル
出力も波形整形回路72で波形整形された後、入力I/
O70aを介してマイクロ・コンピュータ内に入力され
てRAM70eに格納される。CPU70cは入力値及
びそれから算出した演算値に基づいて後述の如くシフト
位置(変速比)を決定し、出力I/O70fから第1、
第2出力回路74,76に送出し、電磁ソレノイド3
6,38を励磁してギヤ段を切り換える、乃至はホール
ドする。
ブロック図である。同図に示す如く、スロットルセンサ
50等のアナログ出力はユニット内でレベル変換回路6
8に入力されて増幅された後、マイクロ・コンピュータ
70に入力される。マイクロ・コンピュータ70は、入
力I/O70a、A/D変換回路70b、CPU70
c、ROM70d、RAM70e及び出力I/O70f
並びに一群のレジスタ、カウンタ(後の2つは図示せ
ず)を備えており、回路68の出力はA/D変換回路7
0bに入力されてデジタル値に変換されてRAM70e
に格納される。またクランク角センサ52等のデジタル
出力も波形整形回路72で波形整形された後、入力I/
O70aを介してマイクロ・コンピュータ内に入力され
てRAM70eに格納される。CPU70cは入力値及
びそれから算出した演算値に基づいて後述の如くシフト
位置(変速比)を決定し、出力I/O70fから第1、
第2出力回路74,76に送出し、電磁ソレノイド3
6,38を励磁してギヤ段を切り換える、乃至はホール
ドする。
【0016】続いて、図3以下のフロー・チャートを参
照して本制御装置の動作を説明する。
照して本制御装置の動作を説明する。
【0017】ここで、具体的な説明に入る前に図4を参
照して本制御装置の特徴を概略的に説明すると、本制御
装置においては従来的な車速Vとスロットル開度θTHと
からギヤシフトダイアグラム・マップを検索してシフト
位置(変速比)を決定すると共に、ファジィ推論器を設
けて推論結果からマップ検索されたシフト位置を補正す
る様にした。またファジィ推論器は2段構成されてお
り、第1の推論器で運転者の内的意図(減速意図)を推
論すると共に、その推論値を含めた運転パラメータから
第2の推論器でシフト位置補正量(ΔSMAP)を推論し、
その推論値をマップ検索シフト位置(SMAP)に加算して
補正する様にした。尚、推論値は少数部を含むことがあ
るため、その後段で加算値の整数化(ヒステリシス計
算)とリミットチェックを行って制御値を最終決定す
る。図5に第2のファジィ推論器で使用するファジィプ
ロダクションルール群を示す。基本的な制御特性はマッ
プに設定されることから、図5に示すルール群は、登坂
等の限定的な走行状態を対象とする。図6は第1のファ
ジィ推論器で使用する減速意図推論用のファジィプロダ
クションルール群を示す。ファジィ推論においては、こ
れらのルール群で使用する種々の運転パラメータを求
め、ルールに定義される運転パラメータに対応するメン
バーシップ関数を用いて推論して出力値を決定する。
照して本制御装置の特徴を概略的に説明すると、本制御
装置においては従来的な車速Vとスロットル開度θTHと
からギヤシフトダイアグラム・マップを検索してシフト
位置(変速比)を決定すると共に、ファジィ推論器を設
けて推論結果からマップ検索されたシフト位置を補正す
る様にした。またファジィ推論器は2段構成されてお
り、第1の推論器で運転者の内的意図(減速意図)を推
論すると共に、その推論値を含めた運転パラメータから
第2の推論器でシフト位置補正量(ΔSMAP)を推論し、
その推論値をマップ検索シフト位置(SMAP)に加算して
補正する様にした。尚、推論値は少数部を含むことがあ
るため、その後段で加算値の整数化(ヒステリシス計
算)とリミットチェックを行って制御値を最終決定す
る。図5に第2のファジィ推論器で使用するファジィプ
ロダクションルール群を示す。基本的な制御特性はマッ
プに設定されることから、図5に示すルール群は、登坂
等の限定的な走行状態を対象とする。図6は第1のファ
ジィ推論器で使用する減速意図推論用のファジィプロダ
クションルール群を示す。ファジィ推論においては、こ
れらのルール群で使用する種々の運転パラメータを求
め、ルールに定義される運転パラメータに対応するメン
バーシップ関数を用いて推論して出力値を決定する。
【0018】従って、図3に戻ると、先ずS10におい
て入力計算、即ち、マップ検索及びファジィ推論で使用
するパラメータを検出、算出する。マップ検索パラメー
タとしては言うまでもなく、車速Vとスロットル開度θ
THを用いるが、ファジィ推論パラメータとしては図5に
示すものは、走行抵抗〔kg〕、スロットル開度θTH
〔度:0〜84度(WOT )〕、車速V〔km/h〕、実
際のシフト位置(ギヤ段)、及び運転者の内的意図の一
例として”減速意図”(後述)を用いる。また図6に示
す減速意図推論用のパラメータとしては、スロットル開
度θTH、車両の加速度α〔m/s2 〕、ブレーキ操作時
の車速VBRK 〔km/h〕を使用する。これらの中、ス
ロットル開度θTHはスロットルセンサ出力値から検出
し、車速Vは車速センサ出力値から算出する。また実際
のシフト位置は後述の如く演算で求める。また車両の加
速度αは車速値の1階差分値を用いる。但し、走行抵抗
は特殊な手法で求めるので、以下、それについて説明す
る。
て入力計算、即ち、マップ検索及びファジィ推論で使用
するパラメータを検出、算出する。マップ検索パラメー
タとしては言うまでもなく、車速Vとスロットル開度θ
THを用いるが、ファジィ推論パラメータとしては図5に
示すものは、走行抵抗〔kg〕、スロットル開度θTH
〔度:0〜84度(WOT )〕、車速V〔km/h〕、実
際のシフト位置(ギヤ段)、及び運転者の内的意図の一
例として”減速意図”(後述)を用いる。また図6に示
す減速意図推論用のパラメータとしては、スロットル開
度θTH、車両の加速度α〔m/s2 〕、ブレーキ操作時
の車速VBRK 〔km/h〕を使用する。これらの中、ス
ロットル開度θTHはスロットルセンサ出力値から検出
し、車速Vは車速センサ出力値から算出する。また実際
のシフト位置は後述の如く演算で求める。また車両の加
速度αは車速値の1階差分値を用いる。但し、走行抵抗
は特殊な手法で求めるので、以下、それについて説明す
る。
【0019】図7フロー・チャートは走行抵抗の算出を
示すサブルーチン・フロー・チャートである。本実施例
において走行抵抗はトルクセンサ等を使用せず、演算で
求める。同図に従って説明すると、先ずS100におい
て現状のトルクTEを下記の如く算出する。 現在のトルク=(716.2×実馬力)/機関回転数 〔kg・m〕 実馬力の算出は例えば機関回転数と吸気圧力とから検索
自在なマップをROM内に予め用意し、それを検索して
行う。尚、”716.2”は馬力−トルク換算用の定数
である。続いて、S102において図8に示す如き特性
を備えたマップを検索してトルクコンバータ22の増幅
度を算出し、S104で換算トルクに乗じて補正し、S
106で補正トルクの平均値を算出する。これは、スロ
ットル開度の変化か機関出力に反映されるまで若干の遅
れがあるので、それを補償するためである。図9はその
平均化作業を示す説明図である。続いて、S108でブ
レーキ操作が行われていないことを確認した後、S11
0で走行抵抗R/Lを以下の如く算出する。 走行抵抗R/L=〔(平均トルクTRQ×伝達効率η×総減速比G/R)/タ イヤ有効半径r〕−〔(1+等価質量)×車体質量M×加速度α〕〔kg〕 尚、伝達効率η、総減速比G/R、タイヤ有効半径r、
等価質量(相当質量係数)、車体質量M(理想値)は、
予めデータを求めてROM内に格納しておく。
示すサブルーチン・フロー・チャートである。本実施例
において走行抵抗はトルクセンサ等を使用せず、演算で
求める。同図に従って説明すると、先ずS100におい
て現状のトルクTEを下記の如く算出する。 現在のトルク=(716.2×実馬力)/機関回転数 〔kg・m〕 実馬力の算出は例えば機関回転数と吸気圧力とから検索
自在なマップをROM内に予め用意し、それを検索して
行う。尚、”716.2”は馬力−トルク換算用の定数
である。続いて、S102において図8に示す如き特性
を備えたマップを検索してトルクコンバータ22の増幅
度を算出し、S104で換算トルクに乗じて補正し、S
106で補正トルクの平均値を算出する。これは、スロ
ットル開度の変化か機関出力に反映されるまで若干の遅
れがあるので、それを補償するためである。図9はその
平均化作業を示す説明図である。続いて、S108でブ
レーキ操作が行われていないことを確認した後、S11
0で走行抵抗R/Lを以下の如く算出する。 走行抵抗R/L=〔(平均トルクTRQ×伝達効率η×総減速比G/R)/タ イヤ有効半径r〕−〔(1+等価質量)×車体質量M×加速度α〕〔kg〕 尚、伝達効率η、総減速比G/R、タイヤ有効半径r、
等価質量(相当質量係数)、車体質量M(理想値)は、
予めデータを求めてROM内に格納しておく。
【0020】この走行抵抗の算出について説明を補足す
ると、車両の動力性能は運動方程式から、 駆動力F−走行抵抗R=(1+等価質量)×(車体重量W/重力加速度G)× 加速度α 〔kg〕........ となる。ここで F=(トルク(平均)TRQ ×総減速比G/R ×伝達効率
η)/タイヤ有効半径r〔kg〕 R=(ころがり抵抗μ0+勾配sin θ)×車重Wr +空
気抵抗(μA ×V2 )〔kg〕 上式において走行状態によって変化するものは、乗員数
及び積載貨物量により変動する実際の車重Wr と、走行
路面に応じて異なる勾配sin θであり、これらは全て走
行抵抗に含まれる(尚、Vは車速を示す)。従って、
式を変形することにより、 走行抵抗R=駆動力F−(1+等価質量)×車体質量M
×加速度α 〔kg〕 と求められる(ここで車体質量M=車体重量W/重力加
速度G)。尚、S108でブレーキ操作中と判断された
場合は制動力が加わって正確な値を求め難いので、S1
12に進んで前回算出値を使用する。
ると、車両の動力性能は運動方程式から、 駆動力F−走行抵抗R=(1+等価質量)×(車体重量W/重力加速度G)× 加速度α 〔kg〕........ となる。ここで F=(トルク(平均)TRQ ×総減速比G/R ×伝達効率
η)/タイヤ有効半径r〔kg〕 R=(ころがり抵抗μ0+勾配sin θ)×車重Wr +空
気抵抗(μA ×V2 )〔kg〕 上式において走行状態によって変化するものは、乗員数
及び積載貨物量により変動する実際の車重Wr と、走行
路面に応じて異なる勾配sin θであり、これらは全て走
行抵抗に含まれる(尚、Vは車速を示す)。従って、
式を変形することにより、 走行抵抗R=駆動力F−(1+等価質量)×車体質量M
×加速度α 〔kg〕 と求められる(ここで車体質量M=車体重量W/重力加
速度G)。尚、S108でブレーキ操作中と判断された
場合は制動力が加わって正確な値を求め難いので、S1
12に進んで前回算出値を使用する。
【0021】図3のS10においては以上のパラメータ
を算出・検出する。尚、ブレーキ操作時の車速VBRK は
図10に示す様に、ブレーキを踏んだ時点t0 からの車
速の降下幅を意味しており、ブレーキ操作を検出して経
過時間を計測しつつ車速から求める。
を算出・検出する。尚、ブレーキ操作時の車速VBRK は
図10に示す様に、ブレーキを踏んだ時点t0 からの車
速の降下幅を意味しており、ブレーキ操作を検出して経
過時間を計測しつつ車速から求める。
【0022】図3フロー・チャートにおいては続いてS
12に進んで、ギヤシフトダイアグラム・マップを検索
してシフト位置SMAP(基本制御値)を決定する。図11
はその特性を示し、これ自体は公知なものであって周知
の如く車速Vとスロットル開度θTHとから検索する。
12に進んで、ギヤシフトダイアグラム・マップを検索
してシフト位置SMAP(基本制御値)を決定する。図11
はその特性を示し、これ自体は公知なものであって周知
の如く車速Vとスロットル開度θTHとから検索する。
【0023】続いてS14に進んで第1のファジィ推論
を行って減速意図を推論し、続いてS16に進んで減速
意図を含む前述した運転パラメータから第2のファジィ
推論を行ってシフト位置補正量ΔSMAPを決定する。この
ファジィ推論は先に本出願人が提案した技術(特願平2
─112816号)に詳細に示されており、推論手法自
体は本願の要旨ではないので、図6を参照して簡単に説
明する程度に止める。先ず各ルールについて前件部(前
提部、IF部)で検出(算出)パラメータを対応するメ
ンバーシップ関数にあてはめて縦軸の値(メンバーシッ
プ値)を読み取り、その最小値を前提部の適合度とす
る。続いて、各ルールの後件部(結論、THEN部)の
出力値(重心の位置と重さ)を前件部の適合度で重みづ
けして平均値を求める。即ち、 ファジィ演算出力=Σ{(各ルールの適合度)×(出力
の重心の位置)×(重さ)}/Σ{(各ルールの適合
度)×(重さ)} で算出する。より具体的には図6の場合に重さを全て1.
0とすると、 ファジィ演算出力={(0.7×0.03×1.0)+(0.3
×−0.03×1.0)}/{(0.7×1.0)+(0.3×1.
0)}=0.012 となる。尚、公知の手法を用いて各ルールの前提部の適
合度で結論の出力値を頭切りし、次いでその波形を合成
して重心を求めてファジィ演算出力を決定しても良い。
を行って減速意図を推論し、続いてS16に進んで減速
意図を含む前述した運転パラメータから第2のファジィ
推論を行ってシフト位置補正量ΔSMAPを決定する。この
ファジィ推論は先に本出願人が提案した技術(特願平2
─112816号)に詳細に示されており、推論手法自
体は本願の要旨ではないので、図6を参照して簡単に説
明する程度に止める。先ず各ルールについて前件部(前
提部、IF部)で検出(算出)パラメータを対応するメ
ンバーシップ関数にあてはめて縦軸の値(メンバーシッ
プ値)を読み取り、その最小値を前提部の適合度とす
る。続いて、各ルールの後件部(結論、THEN部)の
出力値(重心の位置と重さ)を前件部の適合度で重みづ
けして平均値を求める。即ち、 ファジィ演算出力=Σ{(各ルールの適合度)×(出力
の重心の位置)×(重さ)}/Σ{(各ルールの適合
度)×(重さ)} で算出する。より具体的には図6の場合に重さを全て1.
0とすると、 ファジィ演算出力={(0.7×0.03×1.0)+(0.3
×−0.03×1.0)}/{(0.7×1.0)+(0.3×1.
0)}=0.012 となる。尚、公知の手法を用いて各ルールの前提部の適
合度で結論の出力値を頭切りし、次いでその波形を合成
して重心を求めてファジィ演算出力を決定しても良い。
【0024】ここで図6に示す減速意図の推論について
説明を若干補足すると、何故この様に運転者の内的意図
を推論するかと言えば、前頁の図5ルールにおいては登
坂、降坂、減速等の限定的な運転状況を対象とするもの
であるが、このうち登坂等は車両が位置する走行環境で
あるのに対し、減速は運転者自らの意図によって生じる
運転状況の変化である場合が多い。よってその様な運転
状況は物理量パラメータのみから把握するよりも、運転
者の内面意図を推測し、その内的意図を含めたパラメー
タから総合的に推論する方が、より人の感性に適合した
制御を実現する上で望ましいと考えられるからである。
その意味において、実施例では減速意図のみを例示した
が、他にも加速意図、低燃費意図等を適宜推論すること
も可能である。減速意図推論パラメータとしては前記し
た様にスロットル開度θTH、加速度α、ブレーキ操作時
の車速VBRK を使用するが、運転者の”意図”は運転者
の内面的な問題であり、現実には車両において運転者が
操作するアクセルペダル等の機器を介して変化する運転
パラメータから類推するしかない。そこで種々検討した
結果、アクセルペダルが踏まれず、ブレーキペダルが踏
まれ、加速度が負方向にある場合は減速意図が増加し、
アクセルペダルが踏まれる場合は減速意図が減少すると
ほぼ推定することができると考えて図示の如きルールを
作成した。
説明を若干補足すると、何故この様に運転者の内的意図
を推論するかと言えば、前頁の図5ルールにおいては登
坂、降坂、減速等の限定的な運転状況を対象とするもの
であるが、このうち登坂等は車両が位置する走行環境で
あるのに対し、減速は運転者自らの意図によって生じる
運転状況の変化である場合が多い。よってその様な運転
状況は物理量パラメータのみから把握するよりも、運転
者の内面意図を推測し、その内的意図を含めたパラメー
タから総合的に推論する方が、より人の感性に適合した
制御を実現する上で望ましいと考えられるからである。
その意味において、実施例では減速意図のみを例示した
が、他にも加速意図、低燃費意図等を適宜推論すること
も可能である。減速意図推論パラメータとしては前記し
た様にスロットル開度θTH、加速度α、ブレーキ操作時
の車速VBRK を使用するが、運転者の”意図”は運転者
の内面的な問題であり、現実には車両において運転者が
操作するアクセルペダル等の機器を介して変化する運転
パラメータから類推するしかない。そこで種々検討した
結果、アクセルペダルが踏まれず、ブレーキペダルが踏
まれ、加速度が負方向にある場合は減速意図が増加し、
アクセルペダルが踏まれる場合は減速意図が減少すると
ほぼ推定することができると考えて図示の如きルールを
作成した。
【0025】図3フロー・チャートにおいては続いてS
18に進んでマップ検索値とファジィ推論値とを加算し
てシフト指令値DLTSFTを求める。
18に進んでマップ検索値とファジィ推論値とを加算し
てシフト指令値DLTSFTを求める。
【0026】続いてS20に進んで整数化(ヒステリシ
ス計算)と過回転防止のリミットチェックを行う。最初
のヒステリシス計算について言えば、ファジィ推論値は
加重平均値であるため少数部を含むことが多く、シフト
指令値DLTSFTも”0.8”の如く少数部を含むことが多い
ため、整数化してシフトすべきギヤ段を特定するもので
ある。
ス計算)と過回転防止のリミットチェックを行う。最初
のヒステリシス計算について言えば、ファジィ推論値は
加重平均値であるため少数部を含むことが多く、シフト
指令値DLTSFTも”0.8”の如く少数部を含むことが多い
ため、整数化してシフトすべきギヤ段を特定するもので
ある。
【0027】図12はその作業を示すサブルーチン・フ
ロー・チャートであり、先ずS200において現在のシ
フト位置So を決定する。本実施例ではシフトポジショ
ンスイッチを設けて行うのではなく、論理で決定する。
ロー・チャートであり、先ずS200において現在のシ
フト位置So を決定する。本実施例ではシフトポジショ
ンスイッチを設けて行うのではなく、論理で決定する。
【0028】図13はそのサブルーチン・フロー・チャ
ートであり、先ずS300においてレンジセレクタスイ
ッチの中、2速を示すSWATP2が1であるか否か判断し、
肯定されるときはS302に進んで現在のシフト位置を
2速とし、S304においてタイマTSOLMOVE,TSFTMOVE
(後述)をリセットしてプログラムを終了する。また否
定されたときはS306に進み、N,P,Rレンジを示
すSWATNP,PR が1であるか否か判断し、肯定されるとき
はS308で現在のシフト位置を4速とし、S304を
経てプログラムを終了する。
ートであり、先ずS300においてレンジセレクタスイ
ッチの中、2速を示すSWATP2が1であるか否か判断し、
肯定されるときはS302に進んで現在のシフト位置を
2速とし、S304においてタイマTSOLMOVE,TSFTMOVE
(後述)をリセットしてプログラムを終了する。また否
定されたときはS306に進み、N,P,Rレンジを示
すSWATNP,PR が1であるか否か判断し、肯定されるとき
はS308で現在のシフト位置を4速とし、S304を
経てプログラムを終了する。
【0029】否定されてDレンジにあると判断されると
きは次いでS310に進み、そこで電磁ソレノイド3
6,38のソレノイドパターンに示されるシフト位置S
A と現在のシフト位置So とが一致するか否か判断す
る。通例は一致と判断され、S312で変速中フラグF
SFTINGも零(変速中ではない)と判断され、S314で
タイマTSOLMOVEを零にリセットし、S316でTSOLMOVE
<TOUT(後述)と判断され、S318でタイマTSFTMOVE
を零にリセットしてプログラムを終了する。この場合は
ソレノイドパターンによるシフト位置が現在のシフト位
置とされる。
きは次いでS310に進み、そこで電磁ソレノイド3
6,38のソレノイドパターンに示されるシフト位置S
A と現在のシフト位置So とが一致するか否か判断す
る。通例は一致と判断され、S312で変速中フラグF
SFTINGも零(変速中ではない)と判断され、S314で
タイマTSOLMOVEを零にリセットし、S316でTSOLMOVE
<TOUT(後述)と判断され、S318でタイマTSFTMOVE
を零にリセットしてプログラムを終了する。この場合は
ソレノイドパターンによるシフト位置が現在のシフト位
置とされる。
【0030】而して、変速が指令されてソレノイドパタ
ーンに変化が生じると、S310での判断は否定され、
S316でタイマ値TSOLMOVEと所定値TOUTとが比較され
る。ここでタイマ値TSOLMOVEはソレノイドパターンが変
化してからの経過時間を示し、TOUTは新たな変速指令を
受け付けることが出来る時間を意味する。S316でTS
OLMOVE≧TOUTと判断された場合には油圧の排出が終わり
つつあることを意味するので、次いでS320に進んで
タイマ値TSFTMOVEと所定値TINとを比較する。ここでタ
イマ値TSFTMOVEは変速が始まってからの経過時間を示
し、TIN は変速中フラグのビットを1にセットした後リ
セットする迄の時間、より具体的には次のギヤの油圧係
合が終了するまでの時間を意味する。最初はS320で
TSFTMOVE<TIN と判断されてS322に進み、変速中フ
ラグFSFTINGを1にセットする。尚、この間は次段のギ
ヤに向けて係合中であるので、シフト指令値を算出して
も意味がないことから、シフト指令値の算出を中止す
る。尚、シフト位置についてはソレノイドパターンに示
される次段のシフト位置を現在のシフト位置(ギヤ)と
する。次いでS320で時間経過が確認された後はS3
24に進み、そこで変速中フラグをリセットすると共
に、現在のシフト位置So を目標シフト位置OBJSFTとす
る。この目標シフト位置OBJSFTについては後述する。
ーンに変化が生じると、S310での判断は否定され、
S316でタイマ値TSOLMOVEと所定値TOUTとが比較され
る。ここでタイマ値TSOLMOVEはソレノイドパターンが変
化してからの経過時間を示し、TOUTは新たな変速指令を
受け付けることが出来る時間を意味する。S316でTS
OLMOVE≧TOUTと判断された場合には油圧の排出が終わり
つつあることを意味するので、次いでS320に進んで
タイマ値TSFTMOVEと所定値TINとを比較する。ここでタ
イマ値TSFTMOVEは変速が始まってからの経過時間を示
し、TIN は変速中フラグのビットを1にセットした後リ
セットする迄の時間、より具体的には次のギヤの油圧係
合が終了するまでの時間を意味する。最初はS320で
TSFTMOVE<TIN と判断されてS322に進み、変速中フ
ラグFSFTINGを1にセットする。尚、この間は次段のギ
ヤに向けて係合中であるので、シフト指令値を算出して
も意味がないことから、シフト指令値の算出を中止す
る。尚、シフト位置についてはソレノイドパターンに示
される次段のシフト位置を現在のシフト位置(ギヤ)と
する。次いでS320で時間経過が確認された後はS3
24に進み、そこで変速中フラグをリセットすると共
に、現在のシフト位置So を目標シフト位置OBJSFTとす
る。この目標シフト位置OBJSFTについては後述する。
【0031】再び図12に戻ると、次いでS202でシ
フト指令値DLTSFTの正負を判断する。零又は正値であれ
ば現在ギヤをホールド乃至はシフトアップと言うことに
なり、フロー・チャートを下方に降りてS204に進
み、そこでOBJSFTからSo を減算した値と値ISFTとを比
較し、値ISFTがその差以上であればS206に進んでヒ
ステリシスHIST に0.5を加算した値をスレッシュホー
ルド値TH とする。ここで、OBJSFTはヒステリシス(後
述)計算後の目標シフト位置を、So は既述した如く現
在のシフト位置を、値ISFTはシフト指令値DLTSFTの整数
部を示すが、この点について図14〜図15を参照して
説明すると、図14においていま時刻tpであったとす
る。時刻tp において目標シフト位置OBJSFTと現在のシ
フト位置So とは、図13のS324で決定した如く、
等しいから差は零となる。またシフト指令値DLTSFTが例
えば0.8であったとすると、シフト指令値DLTSFTの整数
部は0であるから、0=0となり、S206に進む。而
して、ギヤシフトにおいてはハンチングを避けるためア
ップ側とダウン側で通例ヒステリシスが設けられるが、
本実施例においても図15に示す如きヒステリシスが設
けられる。このヒステリシスは同図において、現在位置
から1速アップする場合には0.5+所定値HIST 、例え
ば0.2ならば0.5+0.2=0.7と決められ、S206で
これがシフトアップに必要なスレッシュホールド値TH
となる。
フト指令値DLTSFTの正負を判断する。零又は正値であれ
ば現在ギヤをホールド乃至はシフトアップと言うことに
なり、フロー・チャートを下方に降りてS204に進
み、そこでOBJSFTからSo を減算した値と値ISFTとを比
較し、値ISFTがその差以上であればS206に進んでヒ
ステリシスHIST に0.5を加算した値をスレッシュホー
ルド値TH とする。ここで、OBJSFTはヒステリシス(後
述)計算後の目標シフト位置を、So は既述した如く現
在のシフト位置を、値ISFTはシフト指令値DLTSFTの整数
部を示すが、この点について図14〜図15を参照して
説明すると、図14においていま時刻tpであったとす
る。時刻tp において目標シフト位置OBJSFTと現在のシ
フト位置So とは、図13のS324で決定した如く、
等しいから差は零となる。またシフト指令値DLTSFTが例
えば0.8であったとすると、シフト指令値DLTSFTの整数
部は0であるから、0=0となり、S206に進む。而
して、ギヤシフトにおいてはハンチングを避けるためア
ップ側とダウン側で通例ヒステリシスが設けられるが、
本実施例においても図15に示す如きヒステリシスが設
けられる。このヒステリシスは同図において、現在位置
から1速アップする場合には0.5+所定値HIST 、例え
ば0.2ならば0.5+0.2=0.7と決められ、S206で
これがシフトアップに必要なスレッシュホールド値TH
となる。
【0032】従って、次にS210においてスレッシュ
ホールド値TH とRSFT(シフト指令値DLTSFTの少数部の
絶対値)とを比較する。例の場合には0.8>0.7となっ
てS212に進み、そこでDLTSFTの整数部ISFTに1が加
算され、0+1=1となる。よってS214において現
在のシフト位置So +1に目標シフト位置OBJSFT( ヒス
テリシス計算後の) が変更される。
ホールド値TH とRSFT(シフト指令値DLTSFTの少数部の
絶対値)とを比較する。例の場合には0.8>0.7となっ
てS212に進み、そこでDLTSFTの整数部ISFTに1が加
算され、0+1=1となる。よってS214において現
在のシフト位置So +1に目標シフト位置OBJSFT( ヒス
テリシス計算後の) が変更される。
【0033】次いでS216に進んで目標シフト位置OB
JSFT(ヒステリシス計算後の)が4速を超えるか否か判
断し、超えるときはS218で最終指令値SFTCOM(ヒス
テリシス計算後で、斯るチェックを経て後の目標シフト
位置)を4速に制限する。また4速以下と判断されたと
きはS220に進み、そこで目標シフト位置OBJSFTが1
速未満か否か判断し、1速未満であるときはS222に
おいて1速を最終指令値SFTCOMとし、然らざればS22
4において目標シフト位置OBJSFTを最終指令値SFTCOMに
置き換えてプログラムを一旦終了する。
JSFT(ヒステリシス計算後の)が4速を超えるか否か判
断し、超えるときはS218で最終指令値SFTCOM(ヒス
テリシス計算後で、斯るチェックを経て後の目標シフト
位置)を4速に制限する。また4速以下と判断されたと
きはS220に進み、そこで目標シフト位置OBJSFTが1
速未満か否か判断し、1速未満であるときはS222に
おいて1速を最終指令値SFTCOMとし、然らざればS22
4において目標シフト位置OBJSFTを最終指令値SFTCOMに
置き換えてプログラムを一旦終了する。
【0034】而して、次回以降のプログラム起動時に、
例えば図14において時刻tq にプログラムが起動され
たとし、その時にシフト指令値がダウン方向に減少し、
例えば0.3となったとする。その場合、S202での判
断は依然0.3>0であってS204に進み、そこで右辺
=0、左辺=1となってS208に進み、そこでスレッ
シュホールド値がTH =0.5−0.2=0.3と変更され
る。その結果、S210では0.3=0.3となり、S21
4〜224のステップを経てプログラムを抜けることに
なる。即ち、図14に示す如く、シフト指令値DLTSFTは
運転状況に応じて頻繁に変わることから、例えば0.8と
1速アップ方向に指令がなされた後、0.3と減少方向に
転じることもあり得る。その場合、スレッシュホールド
値を変えないでおくと、一旦アップ方向に決定しつつあ
ったシフトがホールド(乃至はダウン方向)に変化させ
られることになり、ハンチングを生じて好ましくない。
従って、この実施例においてはスレッシュホールド値を
一旦0.5+HIST とした後に0.5−HIST と変化させ、
よって図14においてシフト指令値DLTSFTが0.5−HIS
T を下回らない限り、アップ方向へのシフト指令に変更
がない様にした。
例えば図14において時刻tq にプログラムが起動され
たとし、その時にシフト指令値がダウン方向に減少し、
例えば0.3となったとする。その場合、S202での判
断は依然0.3>0であってS204に進み、そこで右辺
=0、左辺=1となってS208に進み、そこでスレッ
シュホールド値がTH =0.5−0.2=0.3と変更され
る。その結果、S210では0.3=0.3となり、S21
4〜224のステップを経てプログラムを抜けることに
なる。即ち、図14に示す如く、シフト指令値DLTSFTは
運転状況に応じて頻繁に変わることから、例えば0.8と
1速アップ方向に指令がなされた後、0.3と減少方向に
転じることもあり得る。その場合、スレッシュホールド
値を変えないでおくと、一旦アップ方向に決定しつつあ
ったシフトがホールド(乃至はダウン方向)に変化させ
られることになり、ハンチングを生じて好ましくない。
従って、この実施例においてはスレッシュホールド値を
一旦0.5+HIST とした後に0.5−HIST と変化させ、
よって図14においてシフト指令値DLTSFTが0.5−HIS
T を下回らない限り、アップ方向へのシフト指令に変更
がない様にした。
【0035】この事情は図12フロー・チャートにおい
てシフト指令値DLTSFTがダウン側(負値)であったとき
も同様であり、S226〜234を経てS214で目標
シフト位置OBJSFTが変更され、チェックを終わって最終
指令値SFTCOMが決定される間、S230においてスレッ
シュホールド値の変更が行われる。この場合には一旦ダ
ウン方向にシフトが決定されると、スレッシュホールド
値はアップ方向に変更されることになる。
てシフト指令値DLTSFTがダウン側(負値)であったとき
も同様であり、S226〜234を経てS214で目標
シフト位置OBJSFTが変更され、チェックを終わって最終
指令値SFTCOMが決定される間、S230においてスレッ
シュホールド値の変更が行われる。この場合には一旦ダ
ウン方向にシフトが決定されると、スレッシュホールド
値はアップ方向に変更されることになる。
【0036】続いて、過回転防止のためのリミットチェ
ックを行う。その詳細は先の出願に述べられているの
で、ここでは簡単に説明するに止めると、決定したシフ
ト位置について、再度チェックを行い、 目標シフト位置にシフトダウンしたとき、明らかにオ
ーバレブすると思われるほど車速が高いときは目標シフ
ト位置を1速アップする、 目標シフト位置と現在のシフト位置とが同一であり、
シフトしなければ機関回転数の上昇によりオーバレブす
ると思われる場合、その前に目標シフト位置を1速アッ
プする、 ものである。
ックを行う。その詳細は先の出願に述べられているの
で、ここでは簡単に説明するに止めると、決定したシフ
ト位置について、再度チェックを行い、 目標シフト位置にシフトダウンしたとき、明らかにオ
ーバレブすると思われるほど車速が高いときは目標シフ
ト位置を1速アップする、 目標シフト位置と現在のシフト位置とが同一であり、
シフトしなければ機関回転数の上昇によりオーバレブす
ると思われる場合、その前に目標シフト位置を1速アッ
プする、 ものである。
【0037】図3フロー・チャートに戻ると、最後にS
22に進んで最終指令値SFTCOMを出力して終わる。
22に進んで最終指令値SFTCOMを出力して終わる。
【0038】本実施例は上記の如く構成したので、技術
的に確立したマップ検索の利点を活かしつつ、登坂路、
降坂路等の運転状況に応じて無段階にシフトスケジュー
リングを変化させることができて、常に最適なシフト位
置の使用が可能となる。例えば登坂路であればファジィ
補正量が負の値となってマップ検索値をダウン方向に補
正するので、シフトビジーが生じることがない。またマ
ップ特性を低燃費側に設定しておき、実際の走行はファ
ジィ制御で補正する等、マップ特性の設定の自由度を増
すことができる。またマップにおいて全運転領域が確実
にカバーされていることから、安定した制御を実現する
ことができる。
的に確立したマップ検索の利点を活かしつつ、登坂路、
降坂路等の運転状況に応じて無段階にシフトスケジュー
リングを変化させることができて、常に最適なシフト位
置の使用が可能となる。例えば登坂路であればファジィ
補正量が負の値となってマップ検索値をダウン方向に補
正するので、シフトビジーが生じることがない。またマ
ップ特性を低燃費側に設定しておき、実際の走行はファ
ジィ制御で補正する等、マップ特性の設定の自由度を増
すことができる。またマップにおいて全運転領域が確実
にカバーされていることから、安定した制御を実現する
ことができる。
【0039】またファジィ推論にはファジィ関係による
ものとファジィプロダクションルールによるものとの2
種があるが、本実施例ではファジィプロダクションルー
ルによる推論を使用したことから、変速比の決定の様な
現在の事象を分析して制御値を決定する、いわゆる前向
きの推論には最適となり、知識ベースを作りやすく、ま
た対話形式による制御則作りも可能となって熟練運転者
が手動変速機車両で経験して得た操作ノウハウを容易に
取り込むことができ、更に制御則の改変も容易である。
但し、ファジィ関係による推論を用いても良いことは言
うまでもない。更に、ファジィ推論でマップ検索値を補
正することから、全てをファジィ推論で決定する場合に
比してファジィ演算量も少なくて済みメモリの容量も少
なくて足る。
ものとファジィプロダクションルールによるものとの2
種があるが、本実施例ではファジィプロダクションルー
ルによる推論を使用したことから、変速比の決定の様な
現在の事象を分析して制御値を決定する、いわゆる前向
きの推論には最適となり、知識ベースを作りやすく、ま
た対話形式による制御則作りも可能となって熟練運転者
が手動変速機車両で経験して得た操作ノウハウを容易に
取り込むことができ、更に制御則の改変も容易である。
但し、ファジィ関係による推論を用いても良いことは言
うまでもない。更に、ファジィ推論でマップ検索値を補
正することから、全てをファジィ推論で決定する場合に
比してファジィ演算量も少なくて済みメモリの容量も少
なくて足る。
【0040】またマップ検索とファジィ制御とを組み合
わせる様にしたので、実車への搭載も容易である。更
に、走行抵抗についても演算で求める様にしたので、セ
ンサ系のコストを低減することができる。
わせる様にしたので、実車への搭載も容易である。更
に、走行抵抗についても演算で求める様にしたので、セ
ンサ系のコストを低減することができる。
【0041】尚、上記した実施例において有段変速機を
例にとって説明したが、これに限られるものではなく、
無段変速機にも応用可能である。また機関負荷をスロッ
トル開度から捉えたが、アクセル開度(アクセルペダル
踏み込み量)等を用いても良い。
例にとって説明したが、これに限られるものではなく、
無段変速機にも応用可能である。また機関負荷をスロッ
トル開度から捉えたが、アクセル開度(アクセルペダル
踏み込み量)等を用いても良い。
【0042】
【発明の効果】請求項1項にあっては、求められた運転
パラメータ中の少なくとも車速と機関負荷とから予め設
定された特性を検索して変速比を決定する変速比決定手
段、前記求められた運転パラメータの中の運転者が操作
する機器を介して変化する運転パラメータについてファ
ジィ論理に基づく演算を行い、運転者の加減速意図を示
す推論値を演算する加減速意図推論値演算手段、前記求
められた運転パラメータの中の少なくとも機関負荷から
車両の走行抵抗を演算する走行抵抗演算手段、前記演算
された推論値と、前記演算された走行抵抗と、前記求め
られた運転パラメータの中の少なくとも車速と機関負荷
とについてファジィ論理に基づく演算を行い、変速比補
正量を演算する変速比補正量演算手段、前記演算された
変速比補正量に基づいて前記決定された変速比を補正す
る変速比補正手段、及び、前記補正された変速比に基づ
いて変速機構を駆動する駆動手段を備える如く構成した
ので、制御技術として確立しているマップ検索による変
速比決定技術を利用しつつ、そのシフトスケジューリン
グを運転状況に応じて無段階に変化させることができ、
従来技術の如く車両と機関負荷とから変速比を一義的に
決定する不都合を解消することができ、またファジィ推
論運転パラメータを適宜選択することによって最適なシ
フト位置の使用が可能となる。その結果、例えばマップ
特性を低燃費側に設定しておいて実際の走行をファジィ
推論値で補正することができて、マップ特性の設定の自
由度が増す利点も有する。またマップが全運転領域を確
実に包含することから、安定した制御を実現することが
できる。更に、実車への搭載も容易であると共に、全て
ファジィ推論で変速比を決定する場合に比して制御装置
をマイクロ・コンピュータで実現するときもファジィ演
算量が低減し、記憶容量も少なくて済む利点も備える。
更には、従来的なギヤシフトダイアグラム・マップによ
って変速比を決定すると共に、走行抵抗を含む運転パラ
メータに基づいてファジィ推論を行って決定された変速
比を補正するので、山間地を走行するときなども変速比
が頻繁に変更されることがない。また、従来的なギヤシ
フトダイアグラム・マップによって変速比を決定すると
共に、運転者の内的な加減速意図を推論し、その推論値
を含む運転パラメータに基づいてファジィ推論を行って
決定さ れた変速比を補正するので、制御中に運転者の内
的意図を良く反映させることができる。
パラメータ中の少なくとも車速と機関負荷とから予め設
定された特性を検索して変速比を決定する変速比決定手
段、前記求められた運転パラメータの中の運転者が操作
する機器を介して変化する運転パラメータについてファ
ジィ論理に基づく演算を行い、運転者の加減速意図を示
す推論値を演算する加減速意図推論値演算手段、前記求
められた運転パラメータの中の少なくとも機関負荷から
車両の走行抵抗を演算する走行抵抗演算手段、前記演算
された推論値と、前記演算された走行抵抗と、前記求め
られた運転パラメータの中の少なくとも車速と機関負荷
とについてファジィ論理に基づく演算を行い、変速比補
正量を演算する変速比補正量演算手段、前記演算された
変速比補正量に基づいて前記決定された変速比を補正す
る変速比補正手段、及び、前記補正された変速比に基づ
いて変速機構を駆動する駆動手段を備える如く構成した
ので、制御技術として確立しているマップ検索による変
速比決定技術を利用しつつ、そのシフトスケジューリン
グを運転状況に応じて無段階に変化させることができ、
従来技術の如く車両と機関負荷とから変速比を一義的に
決定する不都合を解消することができ、またファジィ推
論運転パラメータを適宜選択することによって最適なシ
フト位置の使用が可能となる。その結果、例えばマップ
特性を低燃費側に設定しておいて実際の走行をファジィ
推論値で補正することができて、マップ特性の設定の自
由度が増す利点も有する。またマップが全運転領域を確
実に包含することから、安定した制御を実現することが
できる。更に、実車への搭載も容易であると共に、全て
ファジィ推論で変速比を決定する場合に比して制御装置
をマイクロ・コンピュータで実現するときもファジィ演
算量が低減し、記憶容量も少なくて済む利点も備える。
更には、従来的なギヤシフトダイアグラム・マップによ
って変速比を決定すると共に、走行抵抗を含む運転パラ
メータに基づいてファジィ推論を行って決定された変速
比を補正するので、山間地を走行するときなども変速比
が頻繁に変更されることがない。また、従来的なギヤシ
フトダイアグラム・マップによって変速比を決定すると
共に、運転者の内的な加減速意図を推論し、その推論値
を含む運転パラメータに基づいてファジィ推論を行って
決定さ れた変速比を補正するので、制御中に運転者の内
的意図を良く反映させることができる。
【0043】
【0044】請求項2項記載の装置は、前記運転者が操
作する機器を介して変化する運転パラメータが、スロッ
トル開度、車両の加速度、及びブレーキ操作時の車速で
ある如く構成したので、請求項1項で述べた効果に加え
て、運転者の内的な加減速意図を良く推論することがで
き、変速比の決定に反映させることができる。
作する機器を介して変化する運転パラメータが、スロッ
トル開度、車両の加速度、及びブレーキ操作時の車速で
ある如く構成したので、請求項1項で述べた効果に加え
て、運転者の内的な加減速意図を良く推論することがで
き、変速比の決定に反映させることができる。
【図1】本発明に係る自動変速機の制御装置を全体的に
示す概略図である。
示す概略図である。
【図2】図1中の変速制御ユニットの構成を示すブロッ
ク図である。
ク図である。
【図3】本制御装置の動作を示すメイン・フロー・チャ
ートである。
ートである。
【図4】本制御装置の特徴を示す説明ブロック図であ
る。
る。
【図5】図3フロー・チャートの第2のファジィ推論で
使用するシフト位置補正量の推論のためのファジィプロ
ダクションルール群を示す説明図である。
使用するシフト位置補正量の推論のためのファジィプロ
ダクションルール群を示す説明図である。
【図6】図3フロー・チャートの第1のファジィ推論で
使用する減速意図の推論のためのファジィプロダクショ
ンルール群を示す説明図である。
使用する減速意図の推論のためのファジィプロダクショ
ンルール群を示す説明図である。
【図7】図3フロー・チャートの入力計算の中の走行抵
抗の算出作業を示すサブルーチン・フロー・チャートで
ある。
抗の算出作業を示すサブルーチン・フロー・チャートで
ある。
【図8】図7フロー・チャートのトルク比マップの特性
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図9】図7フロー・チャートの補正トルク平均値の算
出作業を示す説明図である。
出作業を示す説明図である。
【図10】図3フロー・チャートのブレーキ操作時の車
速を示す説明図である。
速を示す説明図である。
【図11】図3フロー・チャートで検索するマップの特
性を示す説明図である。
性を示す説明図である。
【図12】図3フロー・チャートの整数化(ヒステリシ
ス計算)とリミットチェック作業を示すサブルーチン・
フロー・チャートである。
ス計算)とリミットチェック作業を示すサブルーチン・
フロー・チャートである。
【図13】図12フロー・チャートの現在のシフト位置
の決定作業を示すサブルーチン・フロー・チャートであ
る。
の決定作業を示すサブルーチン・フロー・チャートであ
る。
【図14】図12フロー・チャートで使用するスレッシ
ュホールド値を示す説明図である。
ュホールド値を示す説明図である。
【図15】図12フロー・チャートで使用するヒステリ
シス特性を示す説明図である。
シス特性を示す説明図である。
10 内燃機関本体 18 機関出力軸 20 トランスミッション 22 トルクコンバータ 24 メインシャフト(ミッション入力軸) 26 カウンタシャフト(ミッション出力軸) 36,38 電磁ソレノイド 60 変速制御ユニット 70 マイクロ・コンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 59:54 59:70 (56)参考文献 特開 平3−84254(JP,A) 特開 平3−125062(JP,A) 特開 平2−138561(JP,A) 特開 平5−71621(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 61/00 F16H 59:00 F16H 59:24 F16H 59:44 F16H 59:48 F16H 59:54 F16H 59:70
Claims (2)
- 【請求項1】 車両内燃機関の変速比を段階的または無
段階的に制御する自動変速機の制御装置であって、 a.前記機関の運転パラメータを求める手段、 b.前記求められた運転パラメータ中の少なくとも車速
と機関負荷とから予め設定された特性を検索して変速比
を決定する変速比決定手段、c .前記求められた運転パラメータの中の運転者が操作
する機器を介して変化す る運転パラメータについてファ
ジィ論理に基づく演算を行い、運転者の加減 速意図を示
す推論値を演算する加減速意図推論値演算手段、 d .前記求められた運転パラメータの中の少なくとも機
関負荷から車両の走行抵 抗を演算する走行抵抗演算手
段、 e .前記演算された推論値と、前記演算された走行抵抗
と、前記求められた運転パラメータの中の少なくとも車
速と機関負荷とについてファジィ論理に基づく演算を行
い、変速比補正量を演算する変速比補正量演算手段、 f .前記演算された変速比補正量に基づいて前記決定さ
れた変速比を補正する変 速比補正手段、 及び、g .前記補正された変速比に基づいて変速機構を駆動す
る駆動手段、 を備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 【請求項2】 前記運転者が操作する機器を介して変化
する運転パラメータが、スロットル開度、車両の加速
度、及びブレーキ操作時の車速であることを特徴とする
請求項1項記載の自動変速機の制御装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3253136A JP2959886B2 (ja) | 1991-09-04 | 1991-09-04 | 自動変速機の制御装置 |
CA002077096A CA2077096C (en) | 1991-09-04 | 1992-08-28 | Vehicle automatic transmission control system |
EP92308052A EP0531154B1 (en) | 1991-09-04 | 1992-09-04 | Vehicle automatic transmission control system |
US07/941,189 US5323318A (en) | 1991-09-04 | 1992-09-04 | System for controlling vehicle automatic transmission using fuzzy logic |
DE69216011T DE69216011T2 (de) | 1991-09-04 | 1992-09-04 | Steuersystem für automatisches Kraftfahrzeuggetriebe |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3253136A JP2959886B2 (ja) | 1991-09-04 | 1991-09-04 | 自動変速機の制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0565955A JPH0565955A (ja) | 1993-03-19 |
JP2959886B2 true JP2959886B2 (ja) | 1999-10-06 |
Family
ID=17247014
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3253136A Expired - Fee Related JP2959886B2 (ja) | 1991-09-04 | 1991-09-04 | 自動変速機の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2959886B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02138561A (ja) * | 1988-11-18 | 1990-05-28 | Honda Motor Co Ltd | 自動変速機の制御装置 |
JP2956074B2 (ja) * | 1989-08-24 | 1999-10-04 | トヨタ自動車株式会社 | 自動変速機の変速制御装置 |
JP2621509B2 (ja) * | 1989-10-06 | 1997-06-18 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用無段変速機の変速制御装置 |
-
1991
- 1991-09-04 JP JP3253136A patent/JP2959886B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0565955A (ja) | 1993-03-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19990629 |
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