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JP2958961B2 - 電子制御自動変速装置 - Google Patents

電子制御自動変速装置

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Publication number
JP2958961B2
JP2958961B2 JP63303395A JP30339588A JP2958961B2 JP 2958961 B2 JP2958961 B2 JP 2958961B2 JP 63303395 A JP63303395 A JP 63303395A JP 30339588 A JP30339588 A JP 30339588A JP 2958961 B2 JP2958961 B2 JP 2958961B2
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JP
Japan
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timer
brake
clutch
solenoid valve
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JP63303395A
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圭民 斉藤
信幸 磯野
延保 鈴村
誠 井上
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP63303395A priority Critical patent/JP2958961B2/ja
Publication of JPH02150563A publication Critical patent/JPH02150563A/ja
Priority to US07/790,007 priority patent/US5197006A/en
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、車両に搭載される電子制御自動変速装置に
関し、特に、変速時に自動変速機の係合側のクラッチま
たはブレーキの係合を徐々に行う電子制御自動変速装置
に関する。
(従来の技術) 従来、車両用の自動変速装置において、自動変速機の
クラッチやブレーキを係合する際に、急に係合させるの
ではなく、徐々に係合させる技術が知られている。これ
は、係合割合を徐々に変えることにより急激なクラッチ
やブレーキの係合を防止し、ショックを低減させるため
のものである。
この際に、油圧の遅れにより解放側のクラッチやブレ
ーキを解放が完全に行われる前に係合側のクラッチやブ
レーキの係合が行われることがある。この2重係合の状
態では、駆動トルクが下がってしまうが、完全なニュー
トラル状態にならないので係合側のクラッチやブレーキ
の係合時にショックが少ないという利点がある。
(発明が解決しようとする課題) しかし、従来の装置では、2重係合の状態をうまく検
出することができなかった。このため、2重係合がおき
ずに完全なニュートラル状態になってしまったり、2重
係合が深すぎて駆動トルクの落ち込みが激しくショック
が生じるために、2重係合を利用した制御ができていな
かった。
そこで、本発明においては、係合時にニュートラル状
態が発生したときのエンジン回転の急激な上昇を防止す
ることをその課題とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するために本発明において用いた技術
的手段は、流体圧の印加により作動するクラッチおよび
ブレーキを有し、該クラッチおよびブレーキの係合・非
係合によりギア比を変更する自動変速機、前記クラッチ
およびブレーキへの流体圧の印加を制御する流体圧切換
手段、および車両の走行状態に応じて前記流体圧切換手
段を駆動し、前記クラッチおよびブレーキの係合・非係
合を変更する電子制御手段を備える電子制御自動変速装
置において、変速時に解放側のクラッチまたはブレーキ
の解放後の自動変速機の入力軸の回転数を測定する回転
数測定手段と、該回転数測定手段の検出した回転数の上
昇速度を検出する上昇速度検出手段と、前記回転数測定
手段の検出した回転数の上昇から下降への推移を監視す
るピーク値検出手段とを有し、前記電子制御手段を、変
速時には、解放側のクラッチまたはブレーキの解放を行
ったあとに、前記上昇速度検出手段の検出値に応じて係
合側のクラッチまたはブレーキを所定の係合力で係合さ
せ、前記ピーク値検出手段が自動変速機の入力軸の回転
数の上昇から下降への推移を検出したとき係合側のクラ
ッチまたはブレーキの係合を係合開始時係合力で係合さ
せ、その後、徐々に係合力を増加させるように前記流体
圧切換手段に指示するようにしたことである。
(作用) 上記技術的手段によれば、解放側のクラッチまたはブ
レーキを解放するように電子制御手段が流体圧切換手段
に指示すると、流体圧の遅れによっな実際のクラッチま
たはブレーキの解放は時間的に遅れを生じる。このた
め、エンジン回転数が徐々に上昇していくが、完全に解
放側のクラッチまたはブレーキが解放されると、自動変
速機の入力側と出力側が切断されるので、エンジンの駆
動力がおおきい時には自動変速機の入力側の回転数が急
激に増加する。上昇速度検出手段はこの入力軸の上昇速
度を検出する。そして、この上昇速度に応じて電子制御
手段は係合側のクラッチまたはブレーキに所定の係合力
で係合させる。このため、係合側のクラッチまたはブレ
ーキが作動し、自動変速機の入力側と出力側の間は半ク
ラッチまたは全クラッチ状態となり、エンジンの回転数
の上昇が抑えられる。このあと、エンジンの回転数が上
昇から下降へ推移したときに係合側のクラッチまたはブ
レーキの係合を係合開始時係合力で係合させ、その後、
徐々に係合力を増加させる。したがって、自動変速機の
解放側のクラッチまたはブレーキの解放から係合側のク
ラッチまたはブレーキの係合開始までの間にエンジンの
回転数の急激な上昇はなくなるので、スムーズな係合が
行われる。
(実施例) 以下、本発明を用いた一実施例を図面に基づいて説明
する。本実施例においては、自動変速機本体は従来使用
されている3速オーバードライブ付のものを使用してい
る。
第1図を参照して、この自動変速機の動作を説明す
る。オーバードライブ機構607の入力軸であるタービン
軸600はトルクコンバータを介してエンジンと結合され
ている。このタービン軸600は遊星歯車装置のキャリア6
09に連結されている。キャリア609により回転可能に支
持されたプラネタリピニオン610はODプラネタリギア601
を介して歯車変速機構608の入力軸611に連結されてい
る。またプラネタリピニオン610はサンギア612と噛み合
っている。サンギア612とキャリア609との間にはODクラ
ッチC0が設けられている。サンギア612とハウジング613
との間にはODブレーキB0が設けられている。歯車変速機
構608の入力軸611と中間軸614の間にはフォワードクラ
ッチC1が設けられている。また、入力軸611とサンギア
軸615の間にはダイレクトクラッチC2が設けられてい
る。サンギア軸615とハウジング613との間にはセカンド
ブレーキB1が設けられている。出力軸605に連結された
キャリア617により回転可能に支持されたプラネタリピ
ニオン619はギアおよびキャリア618を介して中間軸614
と連結されている。またプラネタリピニオン619はサン
ギア軸615と噛み合っている。プラネタリピニオン621は
キャリア617およびサンギア軸615と噛み合っている。プ
ラネタリピニオン621とハウジング613との間には1stア
ンドRevブレーキB2が設けられている。
この自動変速機において、クラッチCO,C1,C2およびブ
レーキB0,B1,B2と変速段との関係は下表のようになる。
このクラッチCO,C1,C2およびブレーキB0,B1,B2は第2
図の作動流体の切換手段である油圧回路によりその係合
・解放を制御される。
第2図を参照すると、油溜め701より油圧ポンプ702に
よって汲み上げられた作動油は圧力調整弁703により所
定の圧力に調整される。圧力調整弁703の出力はライン
圧制御用ソレノイドバルブ48を介してライン圧油路704
に供給される。ライン圧油路704は、クラッチC0制御用
ソレノイドバルブ41,クラッチC2制御用ソレノイドバル
ブ42,ブレーキB0制御用ソレノイドバルブ43,ブレーキB1
制御用ソレノイドバルブ44,ブレーキB2制御用ソレノイ
ドバルブ45を介してそれぞれマニュアルバルブ705,706,
707,708,709に接続されている。また、マニュアルバル
ブ705,706,707,708,709には油圧ポンプ702の出力が直接
接続されている。そして、マニュアルバルブ705,706,70
7,708の出力にはそれぞれクラッチC0,クラッチC2,ブレ
ーキB0,ブレーキB1が接続されている。マニュアルバル
ブ709の出力はバルブ710を介してブレーキB2に接続され
ている。バルブ710はロー,リバース禁止用ソレノイド
バルブ46を介してシフト弁711に接続されている。シフ
ト弁711は、またマニュアルバルブ706と接続されてい
る。このシフト弁711は、シフトレバーの動作に対応し
て移動し、Pレンジ以外のときにその内部に油圧ポンプ
702からの油圧がかかるようになっている。また、1st,2
nd,3rdおよびOD時にはクラッチC1に油圧が加わるように
なっている。そして、L,2レンジのときにマニュアルバ
ルブ706へ油圧を供給し、L,Rレンジのときにロー,リバ
ース禁止用ソレノイドバルブ46に油圧を供給する。
この構成により、クラッチC0制御用ソレノイドバルブ
41を開けばマニュアルバルブ705の弁が移動し、油圧ポ
ンプ702の出力がクラッチC0に加わり、クラッチC0が係
合される。クラッチC0制御用ソレノイドバルブ41を閉じ
ればクラッチC0には油圧が加わらず、クラッチC0が解放
される。
クラッチC1には、1st,2nd,3rdおよびOD時に油圧が加
わり係合され、その他のレンジのときには油圧が加わら
ず解放される。
クラッチC2においては、クラッチC2制御用ソレノイド
バルブ42を開けばマニュアルバルブ706の弁が移動し、
油圧がクラッチC2に加わり、クラッチC0が係合される。
クラッチC2制御用ソレノイドバルブ42を閉じればクラッ
チC2には油圧が加わらず、クラッチC2が解放される。た
だし、シフト弁711によりL,2レンジのときにはマニュア
ルバルブ706に油圧が供給され、クラッチC2制御用ソレ
ノイドバルブ42の動きに関わらずクラッチC2への油圧を
カットするようになっている。
ブレーキB0においては、ブレーキB0制御用ソレノイド
バルブ43を開けばマニュアルバルブ707の弁が移動し、
油圧がブレーキB0に加わらなくなり、ブレーキB0が解放
される。ブレーキB0制御用ソレノイドバルブ43を閉じれ
ばブレーキB0には油圧が加わり、ブレーキB0が係合され
る。
ブレーキB1においては、ブレーキB1制御用ソレノイド
バルブ44を開けばマニュアルバルブ708の弁が移動し、
油圧がブレーキB1に加わわらなくなり、ブレーキB1が解
放される。ブレーキB1制御用ソレノイドバルブ44を閉じ
ればブレーキB1には油圧が加わり、ブレーキB1が係合さ
れる。
ブレーキB2においては、ブレーキB2制御用ソレノイド
バルブ45を開けばマニュアルバルブ709の弁が移動し、
油圧がブレーキB2に加わわらなくなり、ブレーキB2が解
放される。ブレーキB2制御用ソレノイドバルブ45を閉じ
ればバルブ710を介してブレーキB2には油圧が加わり、
ブレーキB2が係合される。ただし、RレンジおよびLレ
ンジのときにロー,リバース禁止用ソレノイドバルブ46
をオンとするとバルブ710に油圧が加わりブレーキB2へ
の油圧の供給をカットし、ブレーキB2を解放させる。
その他の構成で、712はロックアップコントロール弁
であり、ロックアップ制御用ソレノイドバルブ47をオン
とするとエンジンの出力軸とタービン回転軸600が直結
されロックアップ状態となる。
各ソレノイドバルブは後述する電子制御回路により駆
動され、走行条件に応じて各クラッチ・ブレーキが第1
表の関係になるように制御される。また、各ソレノイド
バルブは後述する電子制御回路により比較的高周波数で
ON−OFFを繰り返し、そのデューティ比を制御すること
で各マニュアルバルブの弁の開度を調整できるようにし
てある。デューティ比を高くするとマニュアルバルブが
大きく開き、油圧ポンプ702によって発生した油圧が早
く各クラッチ・ブレーキに加わるようになり各クラッチ
・ブレーキの動作速度が早まる。また、デューティ比を
低くするとマニュアルバルブの開度が小さくなり、油圧
ポンプ702によって発生した油圧が各クラッチ・ブレー
キに届くのに時間がかかり、各クラッチ・ブレーキの動
作速度が遅くなる。したがって、デューティ比を制御す
ることにより各クラッチ・ブレーキの動作速度を調整で
き、各クラッチ・ブレーキの係合時に発生するショック
を低減したり、伝達効率を向上させることができる。
第3図は油圧回路内の各ソレノイドバルブを駆動する
電子制御回路である。
車両に搭載されるバッテリ20の端子にはイグニッショ
ンスイッチ21を介して定電圧電源22の入力端が接続され
ている。定電圧電源22の出力端には中央処理ユニットCP
Uの電源端子VCCおよびGNDが接続されている。定電圧電
源22はバッテリ20の出力電圧を中央処理ユニットCPUが
動作可能な電圧に変換するためのものである。
中央処理ユニットCPUの各入力端子には、エンジン回
転センサ23,タービン回転センサ24,出力軸回転センサ2
5,スロットルセンサ26,ニュートラルスタートスイッチ2
7,アイドルスイッチ32およびブレーキスイッチ33が接続
されている。第3図では簡略のために各センサおよびス
イッチの入力インターフェースは省略している。
エンジン回転センサ23は、車両のエンジンの回転数を
検出するセンサである。エンジン回転センサはエンジン
の出力軸の近傍に配設され、エンジンの回転数に応じた
周波数を有するパルス信号を出力する。本実施例では、
エンジン回転センサはエンジンの出力軸に取りつけられ
たリングギアの歯に対向して設置された電磁ピックアッ
プ式の回転センサであり、リングギア1回転に対し120
パルスを出力する。この出力は中央処理ユニットCPUに
送信される。
タービン回転センサ24は、タービンの回転数を検出す
るセンサである。タービン回転センサはタービン回転軸
の近傍に配設され、タービンの回転数に応じた周波数を
有するパルス信号を出力する。本実施例では、タービン
回転センサはタービン軸600に取りつけられたギアの歯
に対向して設置された電磁ピックアップ式の回転センサ
であり、ギア1回転に対し57パルスを出力する。この出
力は中央処理ユニットCPUに送信される。
出力軸回転センサ25は、自動変速機の出力軸の回転数
を検出するセンサである。出力軸回転センサは自動変速
機の出力軸の近傍に配設され、自動変速機の出力軸の回
転数に応じた周波数を有するパルス信号を出力する。本
実施例では、出力軸回転センサは出力軸に取りつけられ
たギアの歯に対向して設置された電磁ピックアップ式の
回転センサであり、ギア1回転に対し18パルスを出力す
る。この出力は中央処理ユニットCPUに送信される。な
お、出力軸回転センサは、自動変速機の出力軸と車輪の
回転数の関係が明確に分かっておれば、車両の速度を検
出する他の種類の車速センサで代用してもよい。
スロットルセンサ26は、エンジンのスロットルバルブ
の開度を検出するセンサである。スロットルセンサに
は、スロットルバルブの回転角度をスイッチにより検出
しスロットルバルブの開度を分割するデジタル式,機械
式のスロットルセンサと、スロットルバルブの回転角度
を電圧値に変換し,A/Dコンバータを使用してスロットル
バルブの開度を分割するアナログ式,電気式のスロット
ルセンサがある。本発明では、両方のスロットルセンサ
を持ち合わせており、切り換えて使用しているが、通常
の装置では何方か一方だけでもかまわない。スロットル
センサは、スロットルバルブの開度を16分割した信号を
4本の信号ラインから出力する。全閉状態をθ0,全開状
態をθ15とする。θ0とθ15の間はθ1〜θ14とする。
ニュートラルスタートスイッチ27はシフトレバーの位
置を検出するものであり、D(ドライブ)レンジスイッ
チ,L(ロー)レンジスイッチ,2(セカンド)レンジスイ
ッチ,3(サード)レンジスイッチ,N(ニュートラル)レ
ンジスイッチ,R(リバース)レンジスイッチおよびP
(パーキング)レンジスイッチを有し、D,L,2,3,N,R,P
の各レンジを検出する。
アイドルスイッチ32は、エンジンのアイドル状態を検
出するセンサであり、アイドル時(本実施例ではスロッ
トル開度1.5%以下)に接点がONになる。
ブレーキスイッチ33は、ブレーキのオン・オフを検出
する。
中央処理ユニットCPUの各出力端子には、クラッチC0
制御用ソレノイドバルブ41,クラッチC2制御用ソレノイ
ドバルブ42,ブレーキB0制御用ソレノイドバルブ43,ブレ
ーキB1制御用ソレノイドバルブ44,ブレーキB2制御用ソ
レノイドバルブ45,ロー・リバースシフト禁止用ソレノ
イドバルブ46,ロックアップ制御用ソレノイドバルブ47
およびライン圧制御用ソレノイドバルブ48が接続されて
いる。第3図では簡略のために各ランプおよびソレノイ
ドの出力インターフェースまたは駆動装置は省略してい
る。これらのソレノイドバルブはそれぞれ中央処理ユニ
ットCPUにより制御される。
中央処理ユニットCPUは、内部にRAM,ROM等のメモリ
ー,タイマー,レジスタを有しており、イグニッション
スイッチがオンとなり、中央処理ユニットCPUに電圧が
供給されはじめると、第4図のメインルーチンを実行し
始める。
第4図は中央制御ユニットCPUのメインルーチン,車
速センサ割り込み,タービン回転センサ割り込み,エン
ジン回転センサ割り込みおよび定時割り込みのフローチ
ャートである。
(メインルーチン) 中央制御ユニットCPUがスタートすると、まず各入出
力ポートの入出力方向の設定,各メモリのイニシャライ
ズ,割り込みの有無の設定等が行われる(ステップ5
0)。
そのあと、入出力読み込みルーチンが実行され、入力
に接続された各センサ,スイッチの状態の読み込みやノ
イズ除去,そして各センサ,スイッチの状態に応じたデ
ータの設定が行われる(ステップ51)。
次に、回転数演算処理ルーチンが実行され、車速,タ
ービン回転数およびエンジン回転数の演算が行われる
(ステップ52)。
エンジン回転数NEの計算は次の式で行われる。尚、
エンジン回転センサからの出力は高周波数であるので、
8分周してから計算している。
ここで、 nEi:今回のパルスによるエンジン回転数、 TEi:前回パルスより10mSを越えた最初の1パルスのエ
ッジまでの時間カウント、 PCEi:TEi中のパルス数、 である。
タービン回転数NTの計算は次の式で行われる。尚、
タービン回転センサからの出力は高周波数であるので、
4分周してから計算している。
ここで、 nTi:今回のパルスによるタービン回転数、 TTi:前回パルスより10mSを越えた最初の1パルスのエ
ッジまでの時間カウント、 PCTi:TTi中のパルス数、 である。
出力軸回転数N0の計算は次の式で行われる。
ここで、 n0i:今回のパルスによる出力軸回転数、 T0i:前回パルスより10mSを越えた最初の1パルスのエッ
ジまでの時間カウント、 PC0i:T0i中のパルス数、 である。
車両停止(後述する定時割り込みルーチン内で判定し
ている)後の最初の出力軸回転数N0の計算は、 とする。
出力軸と車軸のギア比および車輪の半径は予め求めら
れるので、この出力軸回転数N0から車速を求めることが
できる。
車両加速度AGは、次式で求められる。
N0i≧N0(i−1)のとき 車両停止後の最初の計算は、 とする。また、N0i<N0(i−1)のとき、AGを最大値
(¥FF)とする。
次に、制御用の車速差,スリップ率演算ルーチンが実
行され、制御用の車速差,スリップ率が求められる(ス
テップ53)。タービンスリップ率SLPtは、次式で求めら
れる。
次に、ライン圧制御・変速制御ルーチンが実行され、
ライン圧の設定および制御,制御モードの設定そして変
速判断が行われる(ステップ54)。ライン圧設定値はス
ロットル開度とタービン回転数により設定される。ライ
ン圧ソレノイドは、この設定値に従ってデューティー駆
動される。
変速制御では、スロットル開度と車速と現在のシフト
段で予め作成されている変速線図に基づいて変速判断の
有無を判定している。
上記の処理が終了すると、次に、ライン圧制御・変速
制御ルーチンにおいて変速可であると判断され,かつ現
在変速中でないときには変速処理ルーチンが実行され、
変速処理が行われる。
次に、ロックアップ判断ルーチンが実行され、ロック
アップの変更有りの場合にはロックアップ処理ルーチン
が実行され、ロックアップの処理が行われる。ここで、
ロックアップの処理の一部としてエンジンブレーキ制御
が行われる。ここでは、スロットル開度全閉(アイドル
接点オン)で設定車速(15km/h)以上の時シフト段に関
わらずエンジン回転数<タービン回転数の状態の間ロッ
クアップソレノイドをオンし直結することでエンジンブ
レーキをかける。アイドル接点オフまたはエンジン回転
数>タービン回転数である状態が、0.6sec経過後にはそ
の時の変速段による変速判断を行う。
次に、スコート制御ルーチンが実行され、車両停止時
にレンジがニュートラルレンジから外れたときに変速段
を1時的に3rdに上げてショックを和らげるスコート制
御が行われる(ステップ61)。
次に、フェールセーフ制御が行われ、フェールセーフ
処理が行われる(ステップ64)。
最後に、出力制御ルーチンが実行され、出力制御が行
われる(ステップ65)。
(割り込みルーチン) 出力軸回転センサ,タービン回転センサ,エンジン回
転センサの出力はそれぞれ中央処理ユニットCPUの割り
込み入力端子に接続されており、割り込み端子の電圧レ
ベルが変わる度に、それぞれ、出力軸回転センサ割り込
みルーチン,タービン回転センサ割り込みルーチン,エ
ンジン回転センサ割り込みルーチンが実行される。
出力軸回転センサ割り込みルーチンでは、まず割り込
み時の時刻をタイマーより読み取り、ここで、出力軸回
転数計算用の演算フラグをオンとする。次に、タービン
回転センサおよびエンジン回転センサの故障を判定す
る。(ステップ66〜68)。この故障判定は出力軸回転数
とタービン回転数およびエンジン回転数との比較により
行う。
タービン回転センサ割り込みルーチンでは、まず割り
込み時の時刻をタイマーより読み取り、ここで、入力パ
ルスを4分周するために割り込みが4回カウントされた
ときタービン回転数計算用の演算フラグをオンとする。
そして、エンジン回転センサおよび出力軸回転センサの
故障を判定する。(ステップ69〜71)。この故障判定は
タービン回転数とエンジン回転数および出力軸回転数と
の比較により行う。
エンジン回転センサ割り込みルーチンでは、まず割り
込み時の時刻をタイマーより読み取り、ここで、入力パ
ルスを8分周するために割り込みが8回カウントされた
ときエンジン回転数計算用の演算フラグをオンとする。
そして、出力軸回転センサおよびタービン回転センサの
故障を判定する。(ステップ72〜74)。この故障判定は
エンジン回転数と出力軸回転数およびタービン回転数と
の比較により行う。
中央制御ユニットCPUには、一定時間経過ごとに発生
する定時割り込みを有している。この実施例では、4ms
ごとに定時割り込みルーチンが実行される。ここでは、
まず、制御に使用する各種のタイマーの減算が行われる
(ステップ75)。次に、車両停止の判定が行われる(ス
テップ76)。この実施例では、車両停止速度Nstop=144
rpm(約3km)以下を車両停止とする。また、中央制御ユ
ニットCPUへの入力周波数Tstop=23.13mS以上パルスが
ないとき車両停止とする。
以下、出力制御の詳細をフローチャートをもとに説明
する。
(出力制御ルーチン) 第5図は出力制御ルーチンのフローチャートである。
変速許可フラグがオン時に、Rレンジのときおよびア
ップシフト時かつパワーオフ(θ<θ2またはアイドル
スイッチオン)時にはパワーオフアップシフトフラグを
セットし、変速許可フラグをクリアし、変速中フラグを
セットする(ステップ292,295,296)。Rレンジ以外で
アップシフト時かつパワーオン(θ≧θ2)時にはパワ
ーオンアップシフトフラグをセットし、変速許可フラグ
をクリアし、変速中フラグをセットする(ステップ293,
295,296)。Rレンジ以外でダウンシフト時にはダウン
シフトフラグをセットし、変速許可フラグをクリアし、
変速中フラグをセットする(ステップ294,295,296)。
変速許可フラグがオン時または変速中フラグがオンの
時には、ダウンシフトフラグがオンであればダウンシフ
トルーチンが実行され、パワーオフアップシフトフラグ
オンであればパワーオフアップシフトルーチンが実行さ
れ、パワーオンアップシフトフラグオンであればパワー
オンアップシフトルーチンが実行される(297〜303)。
そして各シフトルーチン内で設定される解放側ソレノイ
ドバルブのデューティ比SDOFFが0パーセント以下でな
ければ解放側ソレノイドバルブをデューティ比SDOFFで
制御する(ステップ304,305)。また、各シフトルーチ
ン内で設定される係合側ソレノイドバルブのデューティ
比SDONが100パーセント以上でなければ係合側ソレノイ
ドバルブをデューティ比SDONで制御する(ステップ306,
307)。係合側ソレノイドバルブ,解放側ソレノイドバ
ルブはシフト毎に設定される。各シフト毎のソレノイド
バルブは下表による。
逆シフト時には係合側と解放側のソレノイドバルブが逆
になる。
この後、他のソレノイドバルブ,例えばロックアップ
制御用ソレノイドバルブを変化させる必要があれば、そ
のソレノイドバルブを駆動するように出力を出し、その
後、メインルーチンに復帰する。
(パワーオンアップシフトルーチン) 第6a図,第6b図および第6c図はパワーオンアップシフ
トルーチンのフローチャートである。
この処理の中では通常はタイマーカウンタが0から1,
2…5,6と順に変更され、タイマーカウンタの値毎に処理
が行われる。
このルーチンでは、まず、エンジン回転数NEをモニ
タし、エンジン回転数NEが所定値RENDになったかどう
かを判断する(ステップ452)。RENDは変速終了後に到
達するであろうエンジン回転数であり、図示しないが変
速判断時に(次の変速段)×(車速)として求めてい
る。したがって、変速開始時にはNE≠RENDであるので
ステップ457にすすむ。変速過程においてNE=RENDと
なると変速終了の処理をステップ453〜456で行う。この
変速処理のなかでタイマーカウンタが0とされる(ステ
ップ454)ので、変速開始時には常にステップ458以降が
最初に実行される。
(1)タイマーカウンタ=0 変速判断直後ではタイマーカウンタ0であるので、ス
テップ458〜466が実行される。まず、次の処理のために
タイマーカウンタが1とされ(ステップ458)、TONタ
イマーがセットされ、TONタイマーがスタートする(ス
テップ459)。TONタイマーには、変速判断から係合側
ソレノイドバルブを100%係合させるまでの時間がセッ
トされる。
次に、TOFFタイマーの値が、変速条件によりマップ
サーチし設定される値VOFFに前回の変速時のエンジン
回転上昇ピーク値RTOPより求まる値ΔTOFFを加えた値
に設定される(ステップ460)。値VOFFは解放側のソレ
ノイドバルブを解放するまでの基本時間であり、値ΔT
OFFは補正値になる。TOFFタイマーは、設定後、定時割
り込みによって減算されるため、この時点でスタートす
ることになる。その後、制御用のメモリであるメモリTO
P,OVC,OVL,ΔROVおよびROVCに0をセットする。そし
て、現在のエンジン回転数をメモリROVにセットする
(ステップ461〜466)。
その後、出力制御ルーチンを介してメインルーチンに
復帰する。
(2)タイマーカウンタ=1 タイマーカウンタ=0のときにタイマーカウンタが1
にセットされるので、次にパワーオンアップシフトルー
チンが実行されると、ステップ468〜476が実行される
(ステップ467)。
ここでは、タイマーカウンタ=0のときにスタートし
たTONタイマーが終了しているかどうかを判断し、終了
していればTONタイマーをクリアし、TUPタイマーをス
タートさせると同時にメモリSDONを100%とする(ステ
ップ469〜471)。メモリSDONの値は前述したように出力
制御中に係合側のソレノイドバルブのデューティ比とし
て扱われる。したがって、この処理により係合側のソレ
ノイドバルブのデューティ比は100%つまり完全に係合
となる。TUPタイマーには係合側ソレノイドバルブを10
0%係合させ続ける時間がセットされる。
次にTUPタイマーが終了しているかどうかを判断す
る。TUPタイマーが終了していればTUPタイマーをクリ
アし、マップよりサーチした値をTg1タイマーにセット
し、Tg1タイマーをスタートさせ、タイマーカウントを
2とした後、メモリSDONに値SDHOLDを代入する(ステッ
プ473〜476)。SDHOLDはマニュアルバルブが動作を開始
する最低レベルの油圧に相当するデューティ比であり、
このデューティ比を加えることによって次の動作時の応
答性を良くしている。
このようにTONタイマー終了からTUPタイマー終了ま
では係合側ソレノイドバルブのデューティ比は100%に
なる。TUPタイマー終了後は係合側ソレノイドバルブの
デューティ比は値SDHOLDとなる。Tg1タイマーには変速
時にエンジン回転の上昇がない場合の係合側ソレノイド
バルブのデューティ比を値SDHOLDに固定する時間のリミ
ット時間が設定される。
(3)タイマーカウンタ=2 TUPタイマー終了時にタイマーカウンタが2にセット
されるので、次にパワーオンアップシフトルーチンが実
行されると、ステップ478〜483が実行される(ステップ
477)。
ここでは、タイマーカウンタ=0のときにスタートし
たTOFFタイマーが終了しているかどうかを判断し、終
了していれば、TOFFタイマーをクリアし、メモリSDOFF
に0%をセットし、メモリROVに現在のエンジン回転数
をセットし、タイマーカウンタを3とし、フラグFRUSH
をオフにする(ステップ478〜483)。これにより、TOF
Fタイマーの実行中は解放側のソレノイドバルブは変速
判断前のデューティ比を保持し、TOFFタイマーの終了
後は0%つまり完全に解放される。
(4)タイマーカウンタ=3 TOFFタイマー終了時にタイマーカウンタが3にセッ
トされるので、次にパワーオンアップシフトルーチンが
実行されると、ステップ485以降が実行される(ステッ
プ484)。
まず、エンジン回転数が値ROVに対し変化があったか
どうかをチェックする(ステップ485)。タイマーカウ
ンタ=3の開始時には値ROVはTOFFタイマー終了時即
ち解放側ソレノイドバルブの解放時のエンジン回転数と
なっている。本実施例では、エンジン回転の入力を8分
周しているので、メインルーチンが1周する間にエンジ
ン回転数NEの値が変化しないことがある。このときに
はステップ485により処理の大半がスキップされる。エ
ンジン回転数に変化があった場合には、値ROVに対し現
在のエンジン回転数が増加方向か減少方向かを調べる
(ステップ486)。変化が増加方向であればメモリOVCの
値を1だけ増加し、メモリOVLを0とし、値ΔROVに現
在のエンジン回転数から値ROVを引いた値を加え、値R
OVを現在のエンジン回転数に更新する(ステップ487〜4
90)。値ΔROVは、エンジン回転が変化する前のエンジ
ン回転数と現在のエンジン回転数の差となっている。ま
た、メモリOVCには値ΔROVを更新した回数がカウント
される。
次に、フラグFRUSHがオンがどうかを判定する(ステ
ップ491)。タイマーカウンタ=2のときにフラグFRUS
Hはオフとなっているので、ΔROVが20rpmより上かどう
かをみる。これはΔROVが20rpmより上になり、ステッ
プ495でフラグFRUSHがオンとされるまで続けられる。
ΔROVが20rpmより上になると、値AGLRUSHにΔROV/OVC
を代入し、値AGLRUSHからΔTOFF,VD1,AGL1を算出する
(ステップ493〜494)。VD1およびAGL1は係合側ソレノ
イドバルブの制御時間および制御量を表す値である。値
AGLRUSHはエンジン回転が変化する前のエンジン回転数
と現在のエンジン回転数の差を、値ΔROVを更新した回
数つまりエンジン回転が変化する前の時間と現在の時間
との差に対応する値で割ったものであるので、エンジン
回転の上昇速度に相当する値である。解放側ソレノイド
バルブを解放にしたとき、実際には油圧回路の遅れによ
りクラッチまたはブレーキの解放は遅くなる。このクラ
ッチまたはブレーキの解放が進むにつれ、自動変速機の
ニュートラルの状態が増してくるのでエンジン回転数は
スロットル開度が大きい場合には次第に早くなってく
る。したがって、AGLRUSHの大きさから実際のクラッチ
またはブレーキの解放の状態を推測できる。また、AGLR
USHは、スロットル開度の大きさに応じて、エンジン回
転数の上昇速度は異なり、AGLRUSHの値も変わってく
る。したがって、AGLRUSHの値から車両の負荷を推定す
ることもできる。このAGLRUSHにより変速に使用する値V
D1,AGL1を変更するため、走行状態,車両の状態に合っ
たクラッチまたはブレーキの係合をおこなうことができ
る。
この後、フラグFRUSHをオンとし、メモリSDONに上昇
速度検出手段の検出値に応じた所定のデューティ比(係
合力)である値SDSTを代入する(ステップ495〜496)。
ステップ486でエンジン回転数が減少方向に移動した
とき、メモリOVCを0とし、OVLを1だけ増加させる。
次にメモリOVLの値が2でないときにはステップ513に
跳び、その後メインルーチンへと復帰する。メモリOVL
の値が2であったならば、つまりエンジン回転数が2回
つづいて減少方向であるならば、前に設定された値ROV
をエンジン回転数の最大値RTOPとし(ステップ503)、
タイマーTDRPに20msをいれ、タイマーTDRPをスタート
させる(ステップ505)。尚、エンジン回転の計算には
1回約10ms使用するので、エンジン回転が下降し始めて
からメモリOVLの値が2になるのに約20msかかる。そし
て、エンジン回転数の最大値RTOPから決められる係合
開始時係合力である値SD1を算出し、係合側ソレノイド
バルブのデューティを値SD1にする(ステップ506,50
7)。また、エンジン回転数の最大値RTOPからΔTD1お
よびΔAGL1を算出する(ステップ508)。エンジン回転
数の最大値RTOPは解放側のクラッチまたはブレーキの
解放の状態によってその大きさが変わってくる。したが
って、RTOPから解放側のクラッチまたはブレーキの解
放の状態を知ることができる。このRTOPにより係合側
のクラッチまたはブレーキの係合開始時のデューティ比
SD1および係合後の最初の傾きAGL1を算出・補正してい
るので、最適な状態で変速をおこなうことができる。
次に、値VD1を走行状態に応じてマップから読み取る
(ステップ509)。そして、VD1にΔTD1を加算した値を
タイマーTD1にセットし、タイマーTD1をスタートさせ、
かつAGL1にΔAGL1を加算し補正する(ステップ509〜51
1)。このあと、タイマーカウンタを4とする(ステッ
プ510〜512)。
タイマーカウント=3のときに、エンジン回転数が解
放側ソレノイドバルブの解放時の回転数より20rpm以上
上昇しないうちにTg1タイマーが終了すると、Tg2タイマ
ーをスタートさせ、タイマーカウントを9とする(ステ
ップ497〜499)。通常はアップシフトの場合解放側ソレ
ノイドバルブと係合側のソレノイドバルブをともに解放
するとエンジンには負荷がかからなくなるのでエンジン
回転が上昇する。しかし、ここでエンジン回転数が所定
時間内に20rpm以上上昇しないときにはタイマーカウン
ト=9の例外処理が行われる。
(5)タイマーカウンタ=4 エンジン回転数が下降しはじめるとタイマーカウンタ
が4にセットされるので、次にパワーオンアップシフト
ルーチンが実行されると、ステップ515以降が実行され
る(ステップ514)。
TD1タイマーが終了していないときには、タイマーカ
ウンタ=4の処理毎に、係合側ソレノイドバルブのデュ
ーティ比は値AGL1に基づいた値ΔSD(AGL1)だけ加算さ
れる(ステップ520)。
この後、TDRPタイマーが終了すると、メモリROVCの
値が1だけ増加させられて、エンジン回転数の最大値R
TOPから現在のエンジン回転数を引いた値がΔROVに格
納される。そして、メモリROVCの値が4になっていな
ければTDRPタイマーに40msを代入し再びスタートさ
せ、ΔTD3およびΔAGL3をクリアする(ステップ524,52
8,529)。メモリROVCの値が4になる、即ち4回TDRP
タイマーが走り終えた時(エンジン回転数が下降しはじ
めてから最初のTDRPタイマーが走り始めるまでに約20m
s,最初のTDRPタイマーが20msで後の3回が40msである
ので合わせて160ms経過)、ΔROVを16で割り、割った
値でΔROVを更新し(これによりΔROVは10ms間のエン
ジン回転数の平均どれだけ下降したかを示す)、TDRP
タイマーをクリアし、ΔROVの値からΔTD3とΔAGL3を
算出する(ステップ524〜527)。
タイマーカウンタが4のときに、TD1タイマーが終了
すると、TD1タイマーがクリアされ、TD2タイマーがスタ
ートし、AGL2が求められ、タイマーカウンタが5となる
(ステップ515〜520)。
(6)タイマーカウンタ=5 TD1タイマーが終了するとタイマーカウンタが5にセ
ットされるので、次にパワーオンアップシフトルーチン
が実行されると、ステップ531以降が実行される(ステ
ップ530)。
TD2タイマーが終了していないときには、タイマーカ
ウンタ=5の処理毎に、係合側ソレノイドバルブのデュ
ーティ比は値AGL2に基づいた値ΔSD(AGL2)だけ加算さ
れる(ステップ536)。このあと、タイマーカウンタ=
4のステップ521へ跳び、同様の処理を行う。つまり、
エンジン回転数が下降しはじめてからTD2タイマーが終
了するまでに4回TDRPタイマーが走り終える(エンジ
ン回転数が下降しはじめてから160ms経過)とΔTD3およ
びΔAGL3が算出される。
TD2タイマーが終了すると、TD2タイマーがクリアさ
れ、タイマーカウンタが6とされる(ステップ532,53
3)。次に、その時の走行状態に応じて値VD3がマップよ
りサーチされる。そして値VD3にΔTD3を加えた値がタイ
マーTD3にセットされ、タイマーTD3がスタートする(ス
テップ534〜535)。ΔTD3の値はエンジン回転数が下降
しはじめてから160ms以内のときは0であり160msを経過
すると、160ms間の平均下降数ΔROVから求めた値にな
る。
(7)タイマーカウンタ=6 TD2タイマーが終了するとタイマーカウンタが6にセ
ットされるので、次にパワーオンアップシフトルーチン
が実行されると、ステップ538以降が実行される(ステ
ップ537)。
TD3タイマーが終了していないときには、タイマーカ
ウンタ=6の処理毎に、係合側ソレノイドバルブのデュ
ーティ比は値AGL3に基づいた値ΔSD(AGL3)だけ加算さ
れる(ステップ542)。
TD3タイマーが終了すると、TD3タイマーがクリアさ
れ、タイマーカウンタが7となりAGL4の値が算出される
(ステップ538〜541)。
(8)タイマーカウンタ=7 TD3タイマーが終了するとタイマーカウンタが7にセ
ットされるので、次にパワーオンアップシフトルーチン
が実行されると、ステップ548が実行される。ここで
は、係合側ソレノイドバルブのデューティ比は値AGL4に
基づいた値ΔSD(AGL4)だけ加算される。
(9)タイマーカウンタ=9 タイマーカウンタが3のときにエンジン回転数が所定
時間内に20rpm以上上昇しないときにはタイマーカウン
ト=9の例外処理が行われる。ここではTg2タイマーが
終了するまで係合側ソレノイドバルブのデューティ比に
値AGL3に基づいた値ΔSD(AGL3)だけ加算し、Tg2タイ
マーが終了するとTg2タイマーをクリアし、係合側ソレ
ノイドバルブのデューティを100%とし、係合側ソレノ
イドバルブは完全に係合させる。
(10)パワーオンアップシフト終了 以上述べた処理の途中でエンジン回転数が変速終了後
に到着するであろうエンジン回転数RENDとなると、変
速中フラグがクリアされ、タイマーカウンタが0とな
り、係合側ソレノイドバルブのデューティを100%と
し、Tg2タイマーをクリアして、パワーオンアップシフ
トの制御を終了する。
以上述べた処理の流れを第9図にタイムチャートとし
て示す。係合側ソレノイドバルブのデューティは変速判
断からTON秒後に100%となり、その後TUP秒経過する
とSDHOLD%となる。そしてエンジン回転数が20rpm以上
上昇するとSDST%となりエンジン回転数が最高値に達す
るとSD1%となる。その後、TD1秒間は傾きAGL1で上昇
し、続いてTD2秒間は傾きAGL2で上昇し、TD3秒間は傾き
AGL3で上昇し、最後に傾きAGL4で上昇する。この間にエ
ンジン回転数がRENDに達すると係合側ソレノイドバル
ブのデューティを100%とし制御を終了する。解放側ソ
レノイドバルブは変速判断からTOFF後に0%となる。
(パワーオンアップシフトルーチン) 第7a図,第7b図および第7c図はパワーオンアップシフ
トルーチンのフローチャートである。
この中の処理もパワーオンアップシフトルーチンと同
様にタイマーカウンタの値ごとに行われる。
(1)タイマーカウンタ=0 どの変速終了時にもタイマーカウンタは0にセットさ
れるので、変速判断時にはタイマーカウンタ=0であ
る。
ここでは、タイマーカウンタの値を1に書き換えた
後、TUPタイマーをセットする(ステップ377,378)。
次に、走行状態に応じて値VOFFをマップよりサーチす
る。そして、VOFFにΔTOFFを加算した値をタイマーT
OFFにセットし、タイマーTOFFをスタートさせる(ステ
ップ379)。またTgdタイマーをスタートさせ、係合側ソ
レノイドバルブのデューティを100%にし、メモリOVCお
よびOVLを2とし、メモリROVCおよびΔROVを0とする
(ステップ380〜385)。
(2)タイマーカウンタ=1 タイマーカウンタ=0のときにタイマーカウンタ=1
にセットされるので次にはステップ387以降が実行され
る(ステップ386)。
まず、TUPタイマーが終了しているかどうかをみて、
終了していればTUPタイマーをクリアし、係合側ソレノ
イドバルブのデューティをSDHOLDにする(ステップ387
〜389)。
また、TOFFタイマーが終了しているかどうかをみ
て、終了していればTOFFタイマーをクリアし、解放側
ソレノイドバルブのデューティを0%にし、タイマーカ
ウンタを2として、ROVにエンジン回転数を代入する
(ステップ390〜394)。
(3)タイマーカウンタ=2 TOFFタイマーが終了するとタイマーカウンタ=2と
なる。
まず、エンジン回転数の演算時の更新がなされていな
いときにはステップ413まで跳ぶ。エンジン回転数が上
昇すると、OVLに2を代入し、OVCの値を1減算する(ス
テップ407,408)。このOVCの値が0となると解放側ソレ
ノイドバルブのデューティ比を100%とし解放側を再び
係合する。そしてTOVタイマーの値をマップより読みだ
しTOVタイマーをスタートさせ、またΔTOFFをマップ
より読み出す(ステップ409〜412)。
エンジン回転数が上昇せずに落ちており、かつ下降が
速くなければROVにエンジン回転数を代入する(ステッ
プ405)。
エンジン回転の下降が速いとOVLが2であるかどうか
をみて、OVLが2であればOVLを1とし、ROVにエンジン
回転数を代入する(ステップ401,402)。OVLが2でなけ
れば、マップよりΔTOFFの値をサーチし、その値にマ
イナスをつけたものをΔTOFFとする(ステップ403)。
そしてOVLの値を1減算する(ステップ404)。このとき
はOVCが2とされる。尚、ステップ404の減算によりOVL
が負になってしまった場合にはステップ298にてステッ
プ399からステップ406がスキップされる。
次に、TOVタイマーが終了していればTOVタイマーを
クリアし、解放側ソレノイドバルブのデューティ比を0
%とする(ステップ413〜415)。
そして、Tgdタイマーが終了したかどうかをみて、終
了していればTgdタイマーをクリアし、40msのTROVタイ
マーおよび走行状態に応じて設定されたTD1タイマーを
スタートさせ、AGL1の値を読みだし、ROVにエンジン回
転数を代入し、タイマーカウンタを3とする(ステップ
416〜422)。
この処理によって、解放側ソレノイドバルブを解放し
たあと、エンジン回転が吹き上がれば、再び解放側ソレ
ノイドバルブをTOV時間だけ係合すると同時に、次回の
変速時のTOFF時間を延ばす処理をする。また、解放側
ソレノイドバルブを解放したあと、2回続けてエンジン
回転の落ち込みが激しいと、次回の変速時のTOFF時間
を短くする処理をする。
(4)タイマーカウンタ=3 Tgdタイマーが終了するとタイマーカウンタが3とな
る。
ここでは、TD1タイマーが終了したかどうかをみて、
終了していればタイマーカウンタを4としTD1タイマー
をクリアし、走行状態に応じて設定されたTD2タイマー
をスタートさせ、AGL2を設定する(ステップ424〜42
8)。また、タイマーカウンタ=3の処理毎に係合側ソ
レノイドバルブのデューティ比に値AGL1に基づいた値Δ
SDON(AGL1)を加算する(ステップ429)。
このあと、TROVタイマーが終了したかをみて、終了
していればΔROVに(ROV−エンジン回転数)を加算す
る(ステップ431)。そして、ROVにエンジン回転数を
代入し、ROVCに1を加算する(ステップ432,433)。こ
のROVCが4になるまではTROVCタイマーに40msをセッ
トする(ステップ434,435)。ROVCが4であればΔROV
にΔROV/16を代入し、このΔROVからΔTD3,ΔAGL3を
求める(ステップ436,437)。ΔROVはTgdタイマー終了
から160ms後にTgdタイマー終了時のエンジン回転数から
の下降値を16で割ったものであるため、10ms間の平均下
降値つまり平均下降速度となる。
(5)タイマーカウンタ=4 TD1タイマーが終了するとタイマーカウンタが4とな
る。ここではTD2タイマーが終了するまでΔSDON(AGL
2)ずつ係合側ソレノイドバルブのデューティ比を増加
させる(ステップ439,444)。
TD2タイマーが終了するとTD2タイマーをクリアし、タ
イマーカウンタを5とする(ステップ440,441)。次
に、走行状態に応じて値VD3とAGL3をマップよりサーチ
する。そして、VD3にΔTD3を加算した値をタイマーTD3
にセットし、タイマーTD3をスタートさせる。また、AGL
3にΔAGL3を加え補正する(ステップ442,443)。
(6)タイマーカウンタ=5 TD2タイマーが終了するとタイマーカウンタが5とな
る。ここでの処理はパワーオンアップシフトのタイマー
カウンタ=6の処理と同じであり、TD3タイマーが終了
するまでΔSDON(AGL3)ずつ係合側ソレノイドバルブの
デューティ比を増加させる。
(7)タイマーカウンタ=6 TD3タイマーが終了するとタイマーカウンタが6とな
る。ここでの処理はパワーオンアップシフトのタイマー
カウンタ=7の処理と同じであり、ΔSDON(AGL4)ずつ
係合側ソレノイドバルブのデューティ比を増加させる。
(8)パワーオフアップシフト終了 以上述べた処理の途中でエンジン回転数が変速終了後
に達するであろうエンジン回転数RENDになると、変速
フラグがクリアされ、TD3タイマーがクリアされ、係合
側ソレノイドバルブのデューティ比を100%とする(ス
テップ386〜370)。そして、タイマーカウンタを0と
し、OVC,OVLに2を代入し、ROVC,ΔROVに0を代入し
て、パワーオフアップシフトの制御を終了する。
以上述べた処理の流れを第10図にタイムチャートとし
て示す。解放側のソレノイドバルブのデューティ比はT
OFF秒後に0%とされる。但し、TOFF秒後にエンジン回
転が吹き上がる場合には再びTOV秒間デューティ比が10
0%になる。係合側ソレノイドバルブのデューティ比は
変速判断からTUP秒間100%に固定され、その後変速判
断からTgd秒後までSDHOLD%になる。その後のTD1秒間は
傾きAGL1で上昇し、同様にその後のTD2秒間は傾きAGL2
で上昇、TD3秒間は傾きAGL3で上昇する。そしてその後
は傾きAGL4で上昇しつづける。エンジン回転数がREND
に達するとデューティ比が100%に固定され制御を終了
する。
パワーオフアップシフトの場合にはスロットル開度が
低く、解放側のクラッチまたはブレーキを解放したあと
エンジン回転数が上昇するとは限らない。したがって、
係合側のソレノイドバルブの係合はタイマー(Tgd)に
より行っている。
(ダウンシフトルーチン) 第8a図および第8b図はダウンシフトルーチンのフロー
チャートである。
この中の処理もパワーオンアップシフトルーチンと同
様にタイマーカウンタの値ごとに行われる。
(1)タイマーカウンタ=0 どの変速終了時にもタイマーカウンタは0にセットさ
れるので、変速判断時にはタイマーカウンタ=0であ
る。
ここでは、タイマーカウンタの値を1に書き換えた
後、TUPタイマーをセットする(ステップ315,316)。
次に、走行状態に応じて値VOFFをマップよりサーチす
る。そして、VOFFにΔTOFFを加算した値をタイマーT
OFFにセットし、タイマーTOFFをスタートさせる(ステ
ップ317)。次に、ROVTOPにエンジン回転数を代入し、
ROVをメモリーから読みだし、更にROVにエンジン回転
数を加えた値でROVを更新する(ステップ318)。またT
gdタイマーをスタートさせ、係合側ソレノイドバルブの
デューティを100%にして、OVCを0にセットする(ステ
ップ319〜320)。
(2)タイマーカウンタ=1 タイマーカウンタ=0のときにタイマーカウンタ=1
にセットされるので次にはステップ322以降が実行され
る(ステップ321)。
まず、TUPタイマーが終了しているかどうかをみて、
終了していればTUPタイマーをクリアし、係合側ソレノ
イドバルブのデューティをSDHOLDにする(ステップ322
〜324)。
また、TOFFタイマーが終了しているかどうかをみ
て、終了していればTOFFタイマーをクリアし、解放側
ソレノイドバルブのデューティを0%とする(ステップ
325〜327)。
次に、エンジン回転数が値ROVよりも大きくなったか
どうかをみて、大きければ現在時刻をAレジスタに記憶
し、OVCに2を代入し、係合側ソレノイドバルブのデュ
ーティ比をSDSTとする(ステップ329〜332)。次にOVC
が0かどうかをみる。OVCが0でないとき、エンジン回
転数と値ROVTOPとを比較し、エンジン回転数がROVTOP
よりも大きくなればROVTOPにエンジン回転数を代入
し、OVCを2とする(ステップ334,339,340)。エンジン
回転数がROVTOPよりも小さければOVCの値を1だけ減算
する(ステップ335)。そして、OVCの値が0になれば現
在の時刻からAレジスタに記憶した時刻を引いた値をΔ
TOFFとし、係合側ソレノイドバルブのデューティ比をS
DHOLDとする。(ステップ336〜338)。
そして、Tgdタイマーが終了すれば、Tgdタイマーをク
リアし、また、TD1タイマーをスタートさせ、AGL1をサ
ーチしたのちタイマーカウントを2とする(ステップ34
1〜345)。
メモリOVCは変速開始時に0にセットされており、エ
ンジン回転数が変速開始時よりも所定値以上上昇したと
き2となる。このメモリOVCの値はエンジン回転が上昇
中のときには2のままであり、エンジン回転がピークに
達し、上昇しなくなると1ずつ減算される。そして2回
連続してエンジン回転が上昇しなくなると0になる。こ
の、エンジン回転数が変速開始時よりも所定値以上上昇
してから2回連続してエンジン回転が上昇しなくなるま
での間、係合側ソレノイドバルブのデューティ比はSDST
%に変更される。また、エンジン回転数が変速開始時よ
りも所定値以上上昇してから2回連続してエンジン回転
が上昇しなくなるまでの時間がΔTOFFに格納される。
このΔTOFFは次回の変速時に解放側ソレノイドバルブ
を解放するまでの時間に加算されるので、次回の変速時
にはエンジン回転数の急な上昇は起こりにくくなる。
(3)タイマーカウンタ=2 Tgdタイマーが終了するとタイマーカウンタ=2とな
る。
ここでは、TD1タイマーが終了したかどうかをみて、
終了していればTD1タイマーをクリアし、TD2タイマーを
スタートさせ、AGL2を設定し、タイマーカウンタを3と
する(ステップ347〜351)。また、タイマーカウンタ=
2の処理毎に係合側ソレノイドバルブのデューティ比に
値AGL1に基づいた値ΔSDON(AGL1)を加算する(ステッ
プ352)。
(4)タイマーカウンタ=3 TD1タイマーが終了するとタイマーカウンタが3とな
る。ここではTD2タイマーが終了するまでΔSDON(AGL
2)ずつ係合側ソレノイドバルブのデューティ比を増加
させる。(ステップ359)。
また、TD2タイマーが終了したらTD2タイマーをクリア
し、走行状態に応じて設定したTD3タイマーをスタート
させる。また、走行状態に応じて値AGL3をマップよりサ
ーチし、タイマーカウントを4とする(ステップ355〜3
58)。
(5)タイマーカウンタ=4 TD2タイマーが終了するとタイマーカウンタが4とな
る。ここでの処理はパワーオンアップシフトのタイマー
カウンタ=6の処理と同じであり、TD3タイマーが終了
するまでΔSDON(AGL3)ずつ係合側ソレノイドバルブの
デューティ比を増加させる。
(6)タイマーカウンタ=5 TD3タイマーが終了するとタイマーカウンタが5とな
る。ここでの処理はパワーオンアップシフトのタイマー
カウンタ=7の処理と同じであり、ΔSDON(AGL4)ずつ
係合側ソレノイドバルブのデューティ比を増加させる。
(7)ダウンシフト終了 以上述べた処理の途中でエンジン回転数が変速終了後
に達するであろうエンジン回転数RENDになると、変速
フラグがクリアされ、TD3タイマ1がクリアされ、係合
側ソレノイドバルブのデューティ比を100%とする(ス
テップ310〜312)。そして、タイマーカウンタを0と
し、ダウンシフトの制御を終了する。
以上述べたダウンシフトの処理の流れを第11図にタイ
ムチャートとして示す。解放側のソレノイドバルブのデ
ューティ比はTOFF秒後に0%とされる。係合側ソレノ
イドバルブのデューティ比は変速判断からTUP秒間100
%に固定され、その後変速判断からTgd秒後までSDHOLD
%になる。但し、エンジン回転数が所定値以上上昇した
ときにはエンジン回転数がピークに達するまでの間係合
側ソレノイドバルブのデューティ比をSDST%に上昇させ
る。その後のTD1秒間は傾きAGL1で上昇し、同様にその
後のTD2秒間は傾きAGL2で上昇、TD3秒間は傾きAGL3で上
昇する。そしてその後は傾きAGL4で上昇しつづける。エ
ンジン回転数がRENDに達するとデューティ比が100%に
固定され制御を終了する。
本実施例では、エンジンの回転数が解放側のクラッチ
またはブレーキの解放後にニュートラル状態が発生した
場合、エンジン回転の急上昇が考えられるパワーオンア
ップシフト時とダウンシフト時にのみ係合側クラッチま
たはブレーキの係合開始予定前に係合側クラッチまたは
ブレーキを所定の比率SDST%に固定している。したがっ
て、係合側クラッチまたはブレーキの係合により、変速
のための解放側クラッチまたはブレーキの解放から係合
側クラッチまたはブレーキの係合開始までにエンジン回
転数が急上昇しようとしても抑えられる。このため、係
合側クラッチまたはブレーキの係合開始時のエンジン回
転が変速開始時のエンジン回転より非常に高くなり係合
時にショックが発生するといった現象が防止できる。
尚、安全のために、パワーオフアップシフト時にも、
本発明を実施してもよい。
本発明ではエンジン回転の上昇に応じて係合側クラッ
チまたはブレーキを所定の比率SDST%とした。この値SD
STは、実際に自動変速機を作動させたときによりエンジ
ン回転の上昇を抑えられ、かつ逆に係合が深すぎてショ
ックを生じないような値にしておけばよい。尚、本実施
例において係合側クラッチまたはブレーキを所定の比率
SDST%にする部分を、係合側クラッチまたはブレーキの
係合比率を0%と100%の間で高周波で切り換え、その
デューティ比を制御するようにしても同じ効果が得られ
る。
本実施例では自動変速機の入力軸の回転数の計測にエ
ンジン回転数を用いたが、エンジン回転数の代わりにタ
ービン回転数を代用しても類似の効果が得られる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、流体圧の印加
により作動するクラッチおよびブレーキを有し、該クラ
ッチおよびブレーキの係合・非係合によりギア比を変更
する自動変速機、前記クラッチおよびブレーキへの流体
圧の印加を制御する流体圧切換手段(油圧回路)、およ
び車両の走行状態に応じて前記流体圧切換手段を駆動
し、前記クラッチおよびブレーキの係合・非係合を変更
する電子制御手段(CPU)を備える電子制御自動変速装
置において、変速時に解放側のクラッチまたはブレーキ
の解放後の自動変速機の入力軸の回転数を測定する回転
数測定手段(23または24)と、該回転数測定手段の検出
した回転数の上昇速度を検出する上昇速度検出手段(ス
テップ489〜490,492)と、前記回転数測定手段の検出し
た回転数の上昇から下降への推移を監視するピーク値検
出手段(ステップ500〜502)とを有し、前記電子制御手
段を、変速時には、解放側のクラッチまたはブレーキの
解放(ステップ480)を行ったあとに、前記上昇速度検
出手段の検出値に応じて係合側のクラッチまたはブレー
キに所定の係合力で係合(ステップ496)させ、前記ピ
ーク値検出手段が自動変速機の入力側の回転数の上昇か
ら下降への推移を検出したとき係合側のクラッチまたは
ブレーキの係合を係合開始係合力で係合(ステップ49
6)させ、その後、徐々に係合力を増加(ステップ520、
536、542、547)させるように前記流体切換手段に指示
するようにしたことである。
したがって、自動変速機の解放側のクラッチまたはブ
レーキの解放から係合側のクラッチまたはブレーキの係
合開始までの間にエンジンの回転数の急激な上昇はなく
なるので、スムーズな係合が行われる。この係合のとき
にショックの発生は少ないので変速時のフィーリングが
良くなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である電子制御自動変速装置
の自動変速機を示す。 第2図は第1図の自動変速機を駆動する油圧回路を示
す。 第3図は第2図の油圧回路を制御する電子制御回路を示
す。 第4図は第3図の電子制御回路のCPUのメインルーチ
ン,車速センサ割り込み,タービン回転センサ割り込
み,エンジン回転センサ割り込みおよび定時割り込みの
フローチャートである。 第5図は第3図の電子制御回路のCPUの出力制御ルーチ
ンのフローチャートである。 第6a図,第6b図および第6c図は第5図の出力制御ルーチ
ン内のパワーオンアップシフトルーチンのフローチャー
トである。 第7a図,第7b図および第7c図は第5図の出力制御ルーチ
ン内のパワーオフアップシフトルーチンのフローチャー
トである。 第8a図および第8b図は第5図の出力制御ルーチン内のダ
ウンシフトルーチンのフローチャートである。 第9図,第10図および第11図は本発明の実施例における
パワーオンアップシフト,パワーオフアップシフトおよ
びダウンシフト時のタイムチャートである。 CPU……中央処理ユニット、20……バッテリ、21……イ
グニッションスイッチ、22……定電圧電源、23……エン
ジン回転センサ、24……タービン回転センサ、25……出
力軸回転センサ、26……スロットルセンサ、27……ニュ
ートラルスタートスイッチ、32……アイドルスイッチ、
33……ブレーキスイッチ、41……クラッチC0制御用ソレ
ノイドバルブ、42……クラッチC2制御用ソレノイドバル
ブ、43……ブレーキB0制御用ソレノイドバルブ、44……
ブレーキB1制御用ソレノイドバルブ、45……ブレーキB2
制御用ソレノイドバルブ、46……ロー,リバース禁止用
ソレノイドバルブ、47……ロックアップ制御用ソレノイ
ドバルブ、48……ライン圧制御用ソレノイドバルブ、B2
……1stアンドRevブレーキ、C2……ダイレクトクラッ
チ、B1……セカンドブレーキ、C0……ODクラッチ、B0…
…ODブレーキ、C1……フォワードクラッチ、600……タ
ービン軸、601……ODプラネタリギア、605……出力軸、
607……オーバードライブ機構、608……歯車変速機構、
609,617,618……キャリア、610,619,621……プラネタリ
ピニオン、611……入力軸、612……サンギア、613……
ハウジング、614……中間軸、615……サンギア軸、701
……油溜め、702……油圧ポンプ、703……圧力調整弁、
704……ライン圧油路、705,706,707,708,709……マニュ
アルバルブ、710……バルブ、711……シフト弁、712…
…ロックアップコントロール弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−209256(JP,A) 特開 昭63−43057(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 61/00 - 63/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体圧の印加により作動するクラッチおよ
    びブレーキを有し、該クラッチおよびブレーキの係合・
    非係合によりギア比を変更する自動変速機、 前記クラッチおよびブレーキへの流体圧の印加を制御す
    る流体圧切換手段、 および車両の走行状態に応じて前記流体圧切換手段を駆
    動し、前記クラッチおよびブレーキの係合・非係合を変
    更する電子制御手段を備える電子制御自動変速装置にお
    いて、 変速時に解放側のクラッチまたはブレーキの解放後の自
    動変速機の入力軸の回転数を測定する回転数測定手段
    と、 該回転数測定手段の検出した回転数の上昇速度を検出す
    る上昇速度検出手段と、 前記回転数測定手段の検出した回転数の上昇から下降へ
    の推移を監視するピーク値検出手段と、を有し、 前記電子制御手段は、変速時には、解放側のクラッチま
    たはブレーキの解放を行ったあとに、前記上昇速度検出
    手段の検出値に応じて係合側のクラッチまたはブレーキ
    を所定の係合力で係合させ、前記ピーク値検出手段が自
    動変速機の入力軸の回転数の上昇から下降への推移を検
    出したとき係合側のクラッチまたはブレーキの係合を係
    合開始時係合力で係合させ、その後、徐々に係合力を増
    加させるように前記流体圧切換手段に指示する、電子制
    御自動変速装置。
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