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JP2935650B2 - 繊維構造物 - Google Patents

繊維構造物

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JP2935650B2
JP2935650B2 JP7178869A JP17886995A JP2935650B2 JP 2935650 B2 JP2935650 B2 JP 2935650B2 JP 7178869 A JP7178869 A JP 7178869A JP 17886995 A JP17886995 A JP 17886995A JP 2935650 B2 JP2935650 B2 JP 2935650B2
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JP
Japan
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intermediate layer
weight
outermost layer
resin
fiber structure
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JP7178869A
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一英 井野
丈門 鈴木
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HIRAOKA SHOKUSEN KK
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  • Fireproofing Substances (AREA)
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  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、戸外用軒出しテン
ト、屋形テント、日除け用シート、自動車用幌シート、
工事用メッシュシート等に好適な繊維構造物に関し、更
に詳しく述べるならば、耐候性、防汚性、耐水性、柔軟
性に優れ、上記の用途に好適な繊維構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用幌シート、工事用メッシュシー
ト等に用いられる繊維構造物の製造方法として、例え
ば、特開昭52−18995号には、ポリエステル繊維
布帛に接着剤前処理を施した後、これにポリ塩化ビニル
系樹脂を被覆する方法が開示されている。この製法で得
られるポリ塩化ビニル系樹脂被覆構造物は、柔軟性、耐
候性に優れているが、しかしポリ塩化ビニル系樹脂に配
合された可塑剤の経時的な滲み出しのため、防汚性が不
良であるという欠点を有している。
【0003】また、特開昭47−121978号には、
ナイロン等の合成繊維からなる布帛上に酸化チタン、お
よびアルコールを含むアクリル酸エステル等の乳化水性
防水剤を配合した処理液を用いて被覆層を形成する方法
が開示されている。この製法で得られる繊維構造物は、
柔軟性に優れたシート構造物を提供するが、しかし、そ
の耐水性、および防汚性は不良であった。
【0004】アクリル酸エステル樹脂の耐水性を向上さ
せる手段として、従来よりメラミン系架橋剤、又はエチ
レンイミン系架橋剤を添加する方法が知られており、こ
の方法によりたしかに耐水性は向上するが、しかし、長
期に渡って屋外で使用する用途に用いる場合について
は、一層の改善が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、戸外用軒出
しテント、屋形テント、日除け用シート、自動車用幌シ
ート、工事用メッシュシート等に好適な繊維構造物を提
供しようとするものである。また、本発明は、長期の屋
外使用においても、樹脂層の剥離、脱落などによる耐水
性の劣化が少なく、防汚耐久性に優れ、しかも廃棄、焼
却が容易な繊維構造物を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る繊維構造物
は、繊維性基布と、その少なくとも1面上に形成され、
かつ100重量部のアクリル系樹脂および1〜100重
量部のイソシアネート系化合物を含有するアクリル系樹
脂中間層と、前記中間層上に形成され、100重量部の
オレフィン系樹脂および0.5〜50重量部のカップリ
ング剤を含有するオレフィン系樹脂最外層とを有するこ
とを特徴とするものである。
【0007】本発明に係る繊維構造物において、前記繊
維性基布は、少なくともそれぞれ、糸間間隙をおいて平
行に配置された経糸と、および、緯糸とを含む糸条によ
り構成された粗目状の編織物、および非粗目編織物から
選ばれることが好ましい。
【0008】本発明に係る繊維構造物において、前記オ
レフィン系樹脂最外層に含まれるオレフィン系樹脂が、
エチレン−アクリル酸共重合体、及びエチレン−メタア
クリル酸共重合体の金属塩から選ばれた少なくとも1種
からなるものであってもよい。
【0009】本発明に係る繊維構造物において、前記ア
クリル系樹脂中間層がさらに難燃性付与剤を含有してい
ることが好ましい。また前記オレフィン系樹脂最外層が
さらに難燃性付与剤を含有していることが好ましい。
【0010】本発明に係る繊維構造物において、前記難
燃性付与剤が、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム
及び水酸化マグネシウム、および臭素を含む有機化合物
から選ばれた少なくとも1種からなるものであってもよ
い。
【0011】本発明に係る繊維構造物において、前記ア
クリル系樹脂中間層が、臭素を含む有機化合物からなる
難燃性付与剤を含有し、前記オレフィン系樹脂最外層
が、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム及び水酸化
マグネシウムから選ばれた少なくとも1種からなる難燃
性付与剤を含有していることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の繊維構造物に用いられる
繊維性基布は、天然繊維、例えば木綿、麻など、無機繊
維、例えばガラス繊維など、再生繊維、例えばビスコー
スレーヨン、キュプラなど、半合成繊維、例えば、ジ−
およびトリアセテート繊維など、および合成繊維、例え
ば、ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル(ポリエ
チレンテレフタレート等)繊維、芳香族ポリアミド繊
維、アクリル繊維、およびオレフィン繊維など、から選
ばれた少なくとも1種からなる布帛である。
【0013】基布中の繊維は短繊維紡績糸条、長繊維糸
条、スプリットヤーン、テープヤーンなどのいずれの形
状のものでもよい。また基布は織物、編物またはこれら
の複合体のいずれであってもよい。基布の編織組織にも
格別の制限はないが、例えば少なくともそれぞれ、糸間
間隙をおいて平行に配置された経糸および緯糸を含む糸
条により構成された粗目状の編織物および非粗目編織物
(糸条間に実質上間隙が形成されていない編織物)から
選択することができる。粗目織物の目付は30〜700
g/m2 であることが好ましく、また、粗目編織物の透
孔面積率は、粗目編織物の面積に対して10〜95%程
度であることが好ましい。また繊維性基布が非粗目編織
物である場合その組織、目付、厚さなどに制限はない
が、繊維構造物の使用目的に応じて、平織、綾織、丸
編、緯編、および経編などの編織組織を選ぶことがで
き、またその目付は50〜1000g/m2 程度とする
ことが好ましい。
【0014】これらの基布に、耐水性、および吸水防止
性を付与する目的をもって、例えば、ワックスエマルジ
ョン、樹脂バインダーを含むワックスエマルジョン、フ
ッ素系化合物およびシリコーン系化合物のエマルジョ
ン、およびこれらの溶液などを噴霧し、又は浸漬する方
法により撥水前処理を施してもよい。
【0015】本発明においてアクリル系樹脂中間層は繊
維構造物に柔軟性と接着性を付与するものである。この
中間層に含まれるアクリル系樹脂としては、アクリル酸
のアルキルエステル、およびメタアクリル酸のアルキル
エステルの単独重合体、および共重合体、並びにこれら
の少なくとも1種と架橋性官能基を含有するα,β−エ
チレン性不飽和単量体とを共重合して得られる変性アク
リル酸エステル共重合体が好適に用いられる。
【0016】アクリル酸アルキルエステルおよびメタア
クリル酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)ア
クリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエ
ステル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチルエステル、
および(メタ)アクリル酸ノルマルおよびイソプロピル
エステルなどが用いられ、これらから選ばれたアルキル
エステルの単独重合体、およびこれらアルキルエステル
の2種以上の共重合体から選ばれた少なくとも1種から
なるアクリル系樹脂が、本発明の繊維構造物の中間層形
成に用いられる。ここに表記される(メタ)アクリル酸
とは、アクリル酸とメタアクリル酸の両者を含むもので
ある。
【0017】また、これら(メタ)アクリル酸エステル
と共重合される架橋性官能基含有α,β−エチレン性不
飽和単量体は、カルボキシル基含有単量体、例えば(メ
タ)アクリル酸、イタコン酸、およびマレイン酸など、
エポキシド基含有単量体、例えばグリシジル(メタ)ア
クリレート、およびアリルグリシジルエーテルなど、ア
ミノ基含有単量体、例えばジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、およびビニルピリジンなど、水酸基
含有単量体、例えばアリルアルコール、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、および多価アルコールのモノアリ
ルエーテルなど、アミド基含有単量体、例えばN−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、およびマレインアミド
など、イソシアネート基含有単量体、例えばアリルイソ
シアネートなど、から選ばれる。
【0018】アクリル系樹脂は、乳化重合法、懸濁重合
法、溶液重合法、塊状重合法など、いずれの重合法で得
られたものでもよいが、低温時の柔軟性を維持するた
め、ガラス転移温度が0℃以下のものであることが好ま
しい。また、更に柔軟性を付与する目的のために、アク
リル系樹脂にアクリロニトリル−ブタジエン、およびス
チレン−ブタジエンなどの合成ゴムを添加してもよい。
【0019】本発明の繊維構造物の中間層を形成するア
クリル系樹脂にはその100重量部に対し、1〜100
重量部のイソシアネート基含有化合物が必須成分として
添加されている。一般的に、エマルジョン系、又は溶剤
系アクリル系樹脂は分子中に架橋性官能基を含有する構
造を有し、従って自己架橋性を有しているから、特に架
橋剤の添加を必要としないが、更に中間層の耐水性を向
上させる目的のために、メラミン系架橋剤、および/又
はエチレンイミン系架橋剤を添加することが知られてい
る。確かにこれら架橋剤を添加することにより、耐水性
の向上は得られるが、しかし、このような架橋剤による
架橋では、屋外で使用される耐久性構造物においては、
経時的な耐水性の劣化を避けることができず、さらに改
良が必要とされていた。
【0020】本発明においては、イソシアネート基含有
化合物を添加することにより、アクリル系樹脂中に残存
するカルボキシル基などの親水性基がイソシアネート基
と反応して失活し、アクリル系樹脂の欠点であった低い
耐水性が大幅に改善され、それとともに、更に繊維性基
布と中間層との接着力も向上することが見出された。本
発明において用いられるイソシアネート基含有化合物と
しては、脂肪族ジイソシアネート類、例えば、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、およびリジンジイソシアネー
トなど、脂環式ジイソシアネート類、例えば、イソホロ
ンジイソシアネート、および水添トリレンジイソシアネ
ートなど、芳香族ジイソシアネート、例えば、トリレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、およびキシレンジイソシアネートなど、イソシアヌ
レート類、例えば、トリス(ヘキサメチレンイソシアネ
ート)イソシアヌレート、およびトリス(3−イソシア
ネートメチルベンジル)イソシアヌレートなど、前記イ
ソシアネート化合物のイソシアネート基末端をフェノー
ル類、オキシム類、アルコール類、又はラクタム類等の
ブロック化剤でブロックしたブロックイソシアネート化
合物、並びに、前記化合物のイソシアネート基の一部に
エチレングリコールなど親水性単量体が付加された変性
イソシアヌレート化合物を用いることが好ましい。
【0021】エマルジョン系アクリル樹脂に添加される
イソシアネート系化合物としては、分散性、耐水性の改
良及び基布への接着性向上の観点から、特に、ブロック
イソシアネート化合物、及びイソシアネート基の1個に
エチレングリコールなど親水性単量体が付加された変性
部分三量化イソシアヌレート化合物を用いることが好ま
しい。イソシアネート基含有化合物の添加量は、アクリ
ル系樹脂の固形分100重量部に対し1〜100重量部
であることが好ましく、更に好ましくは5〜40重量部
である。イソシアネート基含有化合物の添加量が1重量
部未満となると耐水性向上の効果が少なく、又はなく、
またそれが100重量部を超えると基布と中間層との接
着が過度に強固となり、得られる繊維構造物の引裂強力
が低下するし、また、アクリル系樹脂の架橋が過度に進
行し、このため高周波及び熱による溶着が不可能となる
ことがある。
【0022】本発明の繊維構造物において、アクリル系
樹脂中間層はアクリル系樹脂とイソシアネート基含有化
合物とを含有するエマルジョン、溶液、又は固形配合組
成物により、繊維性基布をコーティング、又はディッピ
ングすること、或いはカレンダー成形したフィルムをラ
ミネートすることにより形成される。中間層形成用配合
組成物中には目的に応じ紫外線吸収剤、酸化防止剤、無
機充填剤、顔料、増粘剤、および消泡剤などを適宜添加
してもよい。繊維性基布に対する中間層の付着重量は3
0〜500g/m2 であることが好ましく、更に好まし
くは50〜300g/m2 である。中間層の付着重量が
30g/m2 未満では、基布と中間層との接着力が不十
分になり、またそれが500g/m2 を越えると得られ
る繊維構造物の柔軟性が不十分になる。
【0023】オレフィン系樹脂最外層は、本発明の繊維
構造物に長期屋外使用における防汚耐久性を付与するも
のである。このオレフィン系樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−ヘキセン共重合体、エ
チレン−α−エチレン共重合体、エチレン−(メタ)ア
クリル酸共重合体及びその金属塩が挙げられる。特に
は、周期律表第1族および第2族から選ばれた、例え
ば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛などの
金属イオンによりイオン架橋されたエチレン−(メタ)
アクリル酸共重合体を用いることが、防汚性、柔軟性の
観点から望ましい。
【0024】本発明の繊維構造物の最外層を形成するオ
レフィン系樹脂には、その100重量部に対し、0.5
〜50重量部のカップリング剤が必須成分として添加さ
れる。カップリング剤を添加することによって、オレフ
ィン系樹脂の屋外耐候性が格段に向上し、またこの最外
層とアクリル系樹脂中間層との層間接着力がより強固な
ものとなる。カップリング剤としては、シラン系カップ
リング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カ
ップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコ
アルミニウム系カップリング剤から選ばれた少なくとも
1種からなるものを用いることが好ましい。
【0025】シラン系カップリング剤としては、アミノ
シラン類、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、およびN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシランなど、エポキシシラン類、例えば、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、およびγ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなど、ビニ
ルシラン類、例えば、ビニルトリエトキシシラン、およ
びビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなど、
並びにメルカプトシラン類、例えば、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシランが挙げられる。
【0026】チタン系カップリング剤としては、アルコ
キシチタン類、例えば、テトライソプロポキシチタン、
テトラ−n−ブトキシチタン、およびテトラキス(2−
エチルヘキソキシ)チタンなど、並びにチタンアシレー
ト類、例えば、トリ−n−ブトキシチタンステアレー
ト、およびイソプロポキシチタントリステアレートなど
が挙げられる。
【0027】ジルコニウム系カップリング剤としては、
例えば、テトラブチルジルコネート、テトラ(トリエタ
ノールアミン)ジルコネート、およびテトライソプロピ
ルジルコネートなどが挙げられる。
【0028】アルミニウム系カップリング剤としては、
例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレ
ートが挙げられる。またジルコアルミニウム系カップリ
ング剤としては、例えば、テトラプロピルジルコアルミ
ネートが挙げられる。これらの中で、防汚耐久性、耐水
性、着色防止性の観点から、特にはγ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、およびγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシランを
用いることが好ましい。
【0029】カップリング剤の添加量は、オレフィン系
樹脂の固形分100重量部に対し0.5〜50重量部で
あることが好ましく、更に好ましくは2〜30重量部で
ある。その添加量が0.5重量部未満では最外層の防汚
耐久性および最外層とアクリル系樹脂中間層との層間接
着力が不十分になり、またそれが50重量部を超える
と、高周波による溶着が不可能となることがある。
【0030】また、カップリング剤に併用して紫外線吸
収剤の添加も防汚耐久性、着色防止性の面から効果的で
ある。紫外線吸収剤の種類には特に制限はないが、2,
4−ジハイドロキシベンゾフェノン、2−ハイドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン
系、2−(2′−ハイドロキシ−5′−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系、
レゾルシノールモノベンゾエートなどのベンゾエート
系、フェニルサリシレートなどのサリシレート系、並び
にエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレー
トなどのシアノアクリレート系、などから選ばれた少な
くとも1種を、オレフィン系樹脂の固形分100重量部
に対し0.01〜10重量部の範囲で添加することが好
ましい。
【0031】オレフィン系樹脂最外層は、オレフィン系
樹脂とカップリング剤を含有したエマルジョン、溶液、
又は固形配合組成物により、アクリル系樹脂中間層の最
外面をコーティング、又はディッピングすること、或い
はカレンダー成形したフィルムをラミネートすることに
より形成される。最外層形成用配合組成物中には目的に
応じ紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機充填剤、顔料、増
粘剤、および消泡剤などを適宜添加してもよい。最外層
の付着重量は5〜300g/m2 であることが好まし
く、更に好ましくは10〜200g/m2 である。この
付着重量が5g/m2 未満では得られる最外層の防汚耐
久性が不十分であり、またそれが300g/m2 を超え
ると得られる繊維構造物の柔軟性が不十分になることが
ある。
【0032】本発明の繊維構造物に難燃性を付与するこ
とを目的として、前記アクリル系樹脂中間層、およびオ
レフィン系樹脂最外層中に難燃性付与剤を含有させるこ
とが好ましい。難燃性付与剤としては、三酸化アンチモ
ン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、及び水酸化マ
グネシウムなど無機充填剤、および、臭素を含む有機化
合物から選ばれた1種以上を含むものが好ましい。臭素
を含む有機化合物としては、2,4,6,−トリブロモ
フェノール、テトラブロモビスフェノールA、ビス(ト
リブロモフェニル)エタン、ビス(ペンタブロモフェニ
ル)エタン、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロ
モビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモフェニル
エーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2
−ハイドロキシエチルエーテル)、ポリ(ペンタブロモ
ベンジル)アクリレート、トリス(2,3−ジブロモプ
ロピル)イソシアヌレート、ポリ−ジブロモフェニレン
オキシド、トリス(2,4,6−トリブロモフェノキ
シ)トリアジン、デカブロモジフェニルエーテル、およ
びヘキサブロモベンゼンなどを用いることができる。特
に、無機充填剤としては三酸化アンチモンを用いること
が好ましく、臭素を含む有機化合物としてはデカブロモ
ジフェニルエーテル、又はビス(ペンタブロモフェニ
ル)エタン、を用いることが好ましく、これらの混合組
成物を用いると、難燃性、耐久性に優れたものが得られ
る。これらを用いると、ポリ塩化ビニル系樹脂で成形さ
れたシートに比べ、燃焼時に有害な塩化水素を発生する
こともなく、低毒性、低腐食性のシート(繊維構造物)
を得ることが可能となる。
【0033】これら難燃性付与剤の添加量は、アクリル
系樹脂、又はオレフィン系樹脂の固形分100重量部に
対し5〜300重量部であることが好ましく、さらに好
ましくは20〜200重量部である。その添加量が5重
量部未満では充分な防炎性を得ることができず、またそ
れが300重量部を超えると樹脂層の強度が低下してし
まいまた防汚耐久性に劣ったものになる。
【0034】高い防炎性を維持し、かつ更に長期の防汚
耐久性を与えるためには、アクリル系樹脂中間層に臭素
を含む有機化合物からなる難燃性付与剤を添加し、オレ
フィン系樹脂最外層に難燃性付与無機充填剤を添加する
ことが最も好ましい。特に、オレフィン系樹脂最外層へ
の難燃性付与剤添加量を抑制することにより、樹脂強度
を低下させることなく、優れた防汚耐久性を付与するこ
とができる。アクリル系樹脂中間層に添加する臭素を含
む有機化合物の量は、アクリル系樹脂100重量部に対
し5〜300重量部であることが好ましく、また、オレ
フィン系樹脂最外層に添加する難燃性付与無機充填剤の
量は、オレフィン系樹脂100重量部に対して5〜10
0重量部であることが好ましい。
【0035】本発明の繊維構造物は、図1、図2又は図
3に示されている積層構造を有するものである。図1に
おいて繊維構造物1は、繊維性基布2と、その1面上に
形成された1層のアクリル系樹脂中間層3と、その上に
形成された1層のオレフィン系樹脂最外層4とからなる
ものである。
【0036】また、図2において繊維構造物1は、繊維
性基布2と、その両面上に形成された2層のアクリル系
樹脂中間層3と、それぞれの上に形成された2層のオレ
フィン系最外層4とからなるものである。図1および2
において、繊維性基布2は、一般に非粗目編織物であっ
て、糸条間に間隙空間が実質上形成されていないもので
あってもよい。
【0037】本発明の繊維構造物において、繊維性基布
が、粗目編織物であって、糸条間に間隙が形成されてい
る場合であっても、アクリル系樹脂中間層およびオレフ
ィン系樹脂最外層がそれぞれ図1および2に示されてい
るように、基布の1面、又は両面の全面を被覆するフィ
ルム層を形成していてもよい。或は、アクリル系中間層
が、粗目編織物の糸条の表面およびそれらの交差点を被
覆し、この中間層被覆糸条の間に間隙空間が形成されて
いてもよい。この場合、オレフィン系樹脂最外層は中間
層被覆糸条編織物の1面又は両面の全面を被覆するフィ
ルム層を形成していてもよく、或は、オレフィン系樹脂
最外層が中間層被覆糸条のまわりの中間層を被覆するよ
うに形成され、中間層および最外層被覆糸条間に間隙空
間が形成されていてもよい。粗目基布の両面に中間層と
最外層とが、又は最外層のみがフィルム層をなして形成
されている場合、表裏両面の被覆フィルム層がその糸条
間隙において互に接着合体していてもよい。図3A〜C
には工事用粗目シート等に好んで用いられるメッシュシ
ートの構造を例示する。
【0038】図3Aは本発明の粗目(メッシュ状)繊維
構造物1aの平面説明図であり、図3Bは、図3Aの粗
目構造物1aの一部分の線B−Bに沿う拡大横方向断面
説明図であり、図3Cは、図3Aの粗目構造物1aの一
部分の線C−Cに沿う拡大縦方向断面説明図である。図
3A〜3Cにおいて、経糸2aおよび緯糸2bからなる
粗目繊維性基布の各糸条およびそれらの交差点のまわり
に、アクリル系樹脂中間層3が形成され、さらにその上
にオレフィン系樹脂最外層4が形成され、これら樹脂被
覆糸条6a,6bの間に間隙空間5が形成されている。
図3Bには、樹脂被覆経糸6aの横方向断面を示した
が、樹脂被覆緯糸6bの横断面も図3Bと同様である。
また、図3Cには、樹脂被覆経糸6aの縦断面(長さ方
向の断面)を示したが、樹脂被覆緯糸6bの長さ方向の
断面も図3Cと同様である。
【0039】
【実施例】本発明を下記実施例により更に具体的に説明
する。製品の性能評価に用いられた測定方法は下記の通
りである。
【0040】耐屈曲性 JIS L−1096のスコット形法に準じ、つかみ間
隔2cm、押圧荷重1Kgf の条件下に試験片に回数1,0
00回の屈曲試験を施し、結果を目視で評価した。防汚性 JIS L−1021に従って、試験片に、回転数10
0rpm の汚染試験を施し、その結果をJIS L−08
05汚染用グレースケールを用いて評価した。接着力 高周波溶着装置(山本ビニター(株)製、YF−700
0)を用いて溶着した試験片の剥離強力を、JIS K
−6328に従って測定した。
【0041】耐燃焼性 JIS L−1091の45度メッケルバーナー法に従
って、試験片に燃焼試験を施した。耐水性 耐水試験は試験片を70℃温水中に1週間浸漬する方法
で行った。耐候性 耐候試験は、サンシャインウェザリングオスモメーター
(スガ試験器(株)製、WEL−SUN−Tc型)によ
り、試験片に480時間紫外線を照射して行った。
【0042】実施例1 繊維性基布として、 を使用した。
【0043】アクリル系樹脂中間層形成用組成物とし
て、アクリル酸メチルエステルとアクリル酸エチルエス
テルとの共重合アクリル樹脂(共重合モル比6:4)の
水性エマルジョン(固形分濃度:40%)と、トリス
(ヘキサメチレンイソシアネート)イソシアヌレートの
1個のイソシアネート基末端に、ポリエチレングリコー
ルが付加されている部分変性三量化イソシアヌレートか
らなるイソシアネート系架橋剤とを含む下記組成のエマ
ルジョンを用いた。 アクリル樹脂 100重量部 イソシアネート系架橋剤 4重量部 炭酸カルシウム 15重量部 顔料(大日本インキ(株)製、リュウダイ−W69) 3重量部 紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製、チヌビン765) 0.5重量部 上記組成物におけるイソシアネート系架橋剤の添加量
は、アクリル樹脂固形成分重量に対して10重量%であ
った。
【0044】前記アクリル系樹脂エマルジョンに前記繊
維性基布を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥
し、160g/m2 の中間層を形成した。
【0045】オレフィン系樹脂最外層形成用オレフィン
樹脂としてエチレン−メタアクリル酸の亜鉛塩を主成分
とする水性エマルジョン(固形分濃度:30%)を用
い、また、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランを用いて、下記組成のエマルジ
ョンを調製した。 オレフィン系樹脂 100重量部 カップリング剤 1.8重量部 顔料(大日本インキ(株)製、リュウダイ−W69) 3重量部 紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製、チヌビン765) 0.5重量部 上記組成物において、カップリング剤の添加量は、エチ
レン−メタアクリル酸亜鉛塩固体成分重量に対して6重
量%であった。
【0046】前記オレフィン系樹脂エマルジョンに前記
中間層形成基布を浸漬し、マングルで絞った後100℃
で乾燥し、更に160℃で熱処理して、オレフィン樹脂
最外層付着量が50g/m2 、樹脂合計付着量210g
/m2 の防水シート状繊維構造物を作製した。この繊維
構造物の中間層および最外層の組成並びに試験結果を表
1および表2に示す。
【0047】実施例2 実施例1と同じ処理操作および試験を行った。但し、ア
クリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤として、
トリレンジイソシアネート(TDI)のイソシアネート
末端をノニルフェノールによりブロック化したブロック
イソシアネートを用いた。得られた繊維構造物の中間層
および最外層の組成並びに試験結果を表1および表2に
示す。
【0048】実施例3 実施例1と同じ操作および試験を行った。但し、オレフ
ィン系樹脂最外層のカップリング剤の添加量を13.5
重量部とした。このときのカップリング剤の添加量は、
エチレン−メタアクリル酸亜鉛塩固体成分重量に対して
45重量%であった。得られた繊維構造物の中間層およ
び最外層の組成並びに試験結果を表1および表2に示
す。
【0049】実施例4 実施例1と同じ操作および試験を行った。但し、オレフ
ィン系樹脂最外層のカップリング剤の添加量を0.3重
量部とした。このときのカップリング剤の添加量は、エ
チレン−メタアクリル酸亜鉛塩固体成分重量に対して1
重量%であった。得られた繊維構造物の中間層および最
外層並びに試験結果を表1および表2に示す。
【0050】実施例5〜8 実施例5〜8の各々において、実施例1と同じ操作およ
び試験を行った。但し、オレフィン系樹脂最外層のカッ
プリング剤を、テトライソプロポキシチタン(実施例
5)、テトラブチルジルコネート(実施例6)、アセト
アルコキシアルミニウムジイソプロピレート(実施例
7)、およびテトラプロピルジルコアルミネート(実施
例8)とした。得られた繊維構造物の中間層および最外
層の組成並びに試験結果を表1および表2に示す。
【0051】比較例1 実施例1と同じ操作および試験を行った。但し、アクリ
ル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤と、オレフィ
ン系樹脂最外層のカップリング剤との使用を省略し、樹
脂合計付着量を210g/m2 とした。得られた繊維構
造物の中間層および最外層の組成、並びに試験結果を表
1および表2に示す。
【0052】比較例2 実施例1と同様の操作および試験を行った。但し、アク
リル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤の使用を省
略し、樹脂合計付着量を210g/m2 とした。得られ
た繊維構造物の中間層および最外層の組成並びに試験結
果を表1および表2に示す。
【0053】比較例3 実施例1と同じ操作および試験を行った。但し、アクリ
ル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤にかえてメチ
ロールメラミン架橋剤を用い、樹脂合計付着量を210
g/m2 とした。得られた繊維構造物の中間層および最
外層の組成、並びに試験結果を表1および表2に示す。
【0054】比較例4 実施例1と同じ操作および試験を行った。但し、オレフ
ィン系樹脂最外層のカップリング剤の使用を省略し、樹
脂合計付着量を210g/m2 とした。得られた繊維構
造物の中間層および最外層の組成並びに試験結果を表1
および表2に示す。
【0055】比較例5 実施例1と同じ操作および試験を行った。但し、オレフ
ィン系樹脂最外層のカップリング剤の添加量を0.9重
量部とした。このときのカップリング剤の添加量は、エ
チレン−メタアクリル酸亜鉛塩固体成分重量に対し0.
3重量%であった。得られた繊維構造物の中間層および
最外層の組成並びに試験結果を表1および表2に示す。
【0056】比較例6 実施例1と同様の操作および試験を行った。但し、オレ
フィン系樹脂最外層のカップリング剤の添加量を15.
0重量部とした。このときのカップリング剤の添加量
は、エチレン−メタアクリル酸亜鉛塩固体成分重量に対
して50重量%であった。得られた繊維構造物の中間層
および最外層の組成並びに試験結果を表1および表2に
示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】実施例9 実施例1と同様の操作および試験を行った。但し、繊維
性基布として、 を使用し、中間層および最外層を、糸条およびその交点
部のまわりに形成し、糸条間に間隙空間を残した。得ら
れた構造物において、中間層の付着量が120g/
2 、最外層の付着量が40g/m2 、樹脂合計付着量
が160g/m2 であった。得られた繊維構造物は、糸
条間に間隙空間が残っているため通風性を有するメッシ
ュ状シートであった。この繊維構造物を前記試験に供し
た。このメッシュ状繊維構造物の中間層および最外層の
組成並びに試験結果を表3および表4に示す。
【0060】実施例10 実施例9と同様の処理操作および試験を行った。但し、
アクリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤とし
て、トリレンジイソシアネート(TDI)のイソシアネ
ート末端をノニルフェノールによりブロック化したブロ
ックイソシアネートを用いた。得られたメッシュ状繊維
構造物の中間層および最外層の組成並びに試験結果を表
3および表4に示す。
【0061】実施例11 実施例9と同様の操作および試験を行った。但し、アク
リル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤添加量を
0.8重量部とした。このときのイソシアネート系架橋
剤の添加量は、アクリル樹脂固体成分重量に対して2.
0重量%であった。得られたメッシュ状繊維構造物の中
間層および最外層の組成並びに試験結果を表3および表
4に示す。
【0062】実施例12 実施例9と同様の処理操作および試験を行った。但し、
アクリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤添加量
を36重量部とした。このときのイソシアネート系架橋
剤の添加量は、アクリル樹脂固体成分重量に対して90
重量%であった。得られたメッシュ状繊維構造物の中間
層および最外層の組成並びに試験結果を表3および表4
に示す。
【0063】実施例13〜16 実施例13〜16の各々において、実施例9と同様の操
作および試験を行った。但し、オレフィン系樹脂最外層
のカップリング剤を、それぞれテトライソプロポキシチ
タン(実施例13)、テトラブチルジルコネート(実施
例14)、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピ
レート(実施例15)、およびテトラプロピルジルコア
ルミネート(実施例16)とした。このメッシュ状繊維
構造物の中間層および最外層の組成並びに試験結果を表
3および表4に示す。
【0064】比較例7 実施例9と同様の操作および試験を行った。但し、アク
リル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤と、オレフ
ィン系樹脂最外層のカップリング剤の使用を省略し、樹
脂合計付着量を160g/m2 とした。得られたメッシ
ュ状繊維構造物の中間層および最外層の組成並びに試験
結果を表3および表4に示す。
【0065】比較例8 実施例9と同様の操作および試験を行った。但しアクリ
ル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤の使用を省略
し、樹脂合計付着量を160g/m2 とした。得られた
メッシュ状繊維構造物の中間層および最外層の組成並び
に試験結果を表3および表4に示す。
【0066】比較例9 実施例9と同様の操作および試験を行った。但し、アク
リル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤にかえてメ
チロールメラミン架橋剤を用い、樹脂合計付着量を16
0g/m2 とした。得られたメッシュ状繊維構造物の中
間層および最外層の組成並びに試験結果を表3および表
4に示す。
【0067】比較例10 実施例9と同様の操作および試験を行った。但し、オレ
フィン系樹脂最外層のカップリング剤の添加を省略し、
樹脂合計付着量を160g/m2 とした。得られたメッ
シュ状繊維構造物の中間層および最外層の組成並びに試
験結果を表3および表4に示す。
【0068】比較例11 実施例9と同様の操作および試験を行った。但し、アク
リル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤添加量を
0.2重量部とした。このときのイソシアネート系架橋
剤の添加量は、アクリル樹脂固体成分重量に対して0.
5重量%であった。得られたメッシュ状繊維構造物の中
間層および最外層の組成並びに試験結果を表3および表
4に示す。
【0069】比較例12 実施例9と同様の操作および試験を行った。但し、アク
リル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤添加量を4
0重量部とした。このときのイソシアネート系架橋剤の
添加量はアクリル樹脂固体成分重量に対して100重量
%であった。得られたメッシュ状繊維構造物の中間層お
よび最外層の組成並びに試験結果を表3および表4に示
す。
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】実施例17 繊維性基布として、実施例1と同一のポリエステルスパ
ン糸高密度平織布を使用した。アクリル系樹脂中間層形
成用水性エマルジョンを、実施例1と同じアクリル樹
脂、およびイソシアネート系架橋剤を用い、下記組成で
調製した。 アクリル樹脂 100重量部 イソシアネート系架橋剤 4重量部 ビス(ペンタブロモフェニル)エタン 20重量部 三酸化アンチモン 10重量部 顔料(大日本インキ(株)製、リュウダイ−W69) 3重量部 紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製、チヌビン765) 0.5重量部 上記組成において、イソシアネート系架橋剤の添加量
は、アクリル樹脂固体成分重量に対して10重量%であ
り、ビス(ペンタブロモフェニル)エタンの添加量は、
アクリル樹脂固体成分重量に対して50重量%であっ
た。前記アクリルエマルジョン溶液に前記繊維性基布を
浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、樹脂付
着量が170g/m2 の中間層被覆基布を得た。
【0073】オレフィン系樹脂最外層形成用水性エマル
ジョンを、実施例1と同一のオレフィン樹脂、およびカ
ップリング剤を用いて、下記組成で調製した。 オレフィン系樹脂 100重量部 カップリング剤 1.8重量部 ビス(ペンタブロモフェニル)エタン 15重量部 三酸化アンチモン 10重量部 顔料(大日本インキ(株)製、リュウダイ−W69) 3重量部 紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製、チヌビン765) 0.5重量部 上記組成において、カップリング剤の添加量はエチレン
−メタアクリル酸亜鉛塩固体成分重量に対して6重量%
であり、ビス(ペンタブロモフェニル)エタンの添加量
は、オレフィン系樹脂固体成分重量に対して50重量%
であった。
【0074】前記オレフィンエマルジョン溶液に前記中
間層形成基布を浸漬し、マングルで絞った後100℃で
乾燥し、更に160℃で熱処理して、オレフィン樹脂最
外層付着量が50g/m2 、樹脂合計付着量が220g
/m2 の防水シート状繊維構造物を作製した。この繊維
構造物を前記試験に供した。この繊維構造物の中間層お
よび最外層の組成並びに試験結果を表5および6に示
す。
【0075】実施例18 実施例17と同様の処理操作および試験を行った。但
し、アクリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤と
して、トリレンジイソシアネート(TDI)のイソシア
ネート末端をノニルフェノールによりブロック化したブ
ロックイソシアネートを用い、また、臭素含有有機化合
物としてデカブロモジフェニルエーテルを用いた。この
繊維構造物の中間層および最外層の組成並びに試験結果
を表5および表6に示す。
【0076】実施例19 実施例17と同様の操作および試験を行った。但し、臭
素含有有機化合物としてデカブロモジフェニルエーテル
を用いた。得られた繊維構造物の中間層および最外層の
組成並びに試験結果を表5および表6に示す。
【0077】実施例20〜21 実施例20〜21の各々において実施例17と同様の操
作および試験を行った。但し、三酸化アンチモンの代り
に水酸化アルミニウム(実施例20)、又は水酸化マグ
ネシウム(実施例21)を用いた。得られた繊維構造物
の中間層および最外層の組成並びに試験結果を表5およ
び表6に示す。
【0078】実施例22〜25 実施例22〜25の各々において、実施例17と同様の
操作および試験を行った。但し、オレフィン系樹脂最外
層のカップリング剤として、テトライソプロポキシチタ
ン(実施例22)、テトラブチルジルコネート(実施例
23)、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレ
ート(実施例24)、およびテトラプロピルジルコアル
ミネート(実施例25)を使用した。得られた繊維構造
物の中間層および最外層の組成、並びに試験結果を表5
および表6に示す。
【0079】比較例13 実施例17と同様の操作および試験を行った。但し、ア
クリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤と、オレ
フィン系樹脂最外層のカップリング剤の添加を省略し、
樹脂合計付着量を220g/m2 とした。得られた繊維
構造物の中間層および最外層の組成並びに試験結果を表
5および表6に示す。
【0080】比較例14 実施例17と同様の操作および試験を行った。但し、ア
クリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤の使用を
省略し、樹脂合計付着量を220g/m2 とした。得ら
れた繊維構造物の中間層および最外層の組成並びに試験
結果を表5および表6に示す。
【0081】比較例15 実施例17と同様の操作および試験を行った。但し、ア
クリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤にかえて
メチロールメラミン架橋剤を用い、樹脂合計付着量を2
20g/m2 とした。得られた繊維構造物の中間層およ
び最外層の組成並びに試験結果を表5および表6に示
す。
【0082】比較例16 実施例17と同様の操作および試験を行った。但し、オ
レフィン系樹脂最外層のカップリング剤の使用を省略
し、樹脂合計付着量を220g/m2 とした。得られた
繊維構造物の中間層および最外層の組成並びに試験結果
を表5および表6に示す。
【0083】参考例1 実施例17と同様の操作および試験を行った。但し、三
酸化アンチモンの代りに炭酸カルシウムを用い、樹脂合
計付着量を220g/m2 とした。得られた繊維構造物
の中間層および最外層の組成並びに試験結果を表5およ
び表6に示す。
【0084】参考例2 実施例17と同様の操作および試験を行った。但し、三
酸化アンチモンの代りにシリカを用い、かつ樹脂合計付
着量を220g/m2 とした。得られた繊維構造物の中
間層および最外層の組成並びに試験結果を表5および表
6に示す。
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】実施例26 実施例17と同様の操作および試験を行った。但し、繊
維性基布として、実施例9で用いたポリエステルフィラ
メント粗目状織物を使用した。得られた構造物におい
て、中間層は糸条およびその交差部のまわりに形成さ
れ、その付着量は120g/m2 であり、最外層は前記
中間層のまわりに形成され、その付着量は40g/m2
であり、樹脂合計付着量は160g/m2 であって、こ
の繊維構造物は通風性のあるメッシュ状シートであっ
た。このメッシュ状繊維構造物を前記試験に供した。こ
の繊維構造物の中間層および最外層の組成並びに試験結
果を表7および表8に示す。
【0088】実施例27 実施例26と同様の操作および試験を行った。但し、ア
クリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤として、
トリレンジイソシアネート(TDI)のイソシアネート
末端をノニルフェノールによりブロック化したブロック
イソシアネートを用い、また、臭素含有有機化合物とし
てデカブロモジフェニルエーテルを用いた。得られた繊
維構造物の中間層および最外層の組成並びに試験結果を
表7および表8に示す。
【0089】実施例28 実施例26と同様の操作および試験を行った。但し、臭
素含有有機化合物としてデカブロモジフェニルエーテル
を用いた。得られた繊維構造物の中間層および最外層の
組成並びに試験結果を表7および表8に示す。
【0090】実施例29〜30 実施例29〜30の各々において、実施例26と同様の
操作および試験を行った。但し、三酸化アンチモンの代
りに水酸化アルミニウム(実施例29)、および水酸化
マグネシウム(実施例30)を用いた。得られた繊維構
造物の中間層および最外層の組成並びに試験結果を表7
および表8に示す。
【0091】実施例31〜34 実施例31〜34の各々において、実施例26と同様の
操作および試験を行った。但し、オレフィン系樹脂最外
層のカップリング剤として、テトライソプロポキシチタ
ン(実施例31)、テトラブチルジルコネート(実施例
32)、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレ
ート(実施例33)、テトラプロピルジルコアルミネー
ト(実施例34)を用いた。得られた繊維構造物の中間
層および最外層の組成並びに試験結果を表7および表8
に示す。
【0092】比較例17 実施例26と同様の操作および試験を行った。但し、ア
クリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤と、オレ
フィン系樹脂最外層のカップリング剤との使用を省略し
た。また樹脂合計付着量を160g/m2 とした。得ら
れた繊維構造物の中間層および最外層の組成並びに試験
結果を表7および表8に示す。
【0093】比較例18 実施例26と同様の操作および試験を行った。但し、ア
クリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤の添加を
省略し、樹脂合計付着量を160g/m2 とした。得ら
れた繊維構造物の中間層および最外層の組成並びに試験
結果を表7および表8に示す。
【0094】比較例19 実施例26と同様の操作および試験を行った。但し、ア
クリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤にかえて
メチロールメラミン架橋剤を用いた。また樹脂合計付着
量は160g/m2 であった。得られた繊維構造物の中
間層および最外層の組成並びに試験結果を表7および表
8に示す。
【0095】比較例20 実施例26と同様の操作および試験を行った。但し、オ
レフィン系樹脂最外層のカップリング剤の添加を省略
し、樹脂合計付着量を160g/m2 とした。得られた
繊維構造物の中間層および最外層の組成並びに試験結果
を表7および表8に示す。
【0096】参考例3 実施例26と同様の操作および試験を行った。但し、三
酸化アンチモンの代りに炭酸カルシウムを用い、樹脂合
計付着量を160g/m2 とした。得られた繊維構造物
の中間層および最外層の組成並びに試験結果を表7およ
び表8に示す。
【0097】参考例4 実施例26と同様の操作および試験を行った。但し三酸
化アンチモンの代りにシリカを使用し、樹脂合計付着量
を160g/m2 とした。得られる繊維構造物の中間層
および最外層の組成および試験結果を表7および8に示
す。
【0098】
【表7】
【0099】
【表8】
【0100】実施例35 繊維性基布として、実施例1と同一のポリエステルスパ
ン糸高密度平織布を使用した。またアクリル系樹脂中間
層形成用組成物として、実施例1と同一のアクリル系樹
脂、およびイソシアネート系架橋剤を用い、下記組成の
水性エマルジョンを調製した。 アクリル樹脂 100重量部 イソシアネート系架橋剤 4重量部 ビス(ペンタブロモフェニル)エタン 36重量部 顔料(大日本インキ(株)製、リュウダイ−W69) 3重量部 紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製、チヌビン765) 0.5重量部 上記組成物において、イソシアネート系架橋剤の添加量
はアクリル系樹脂固体成分重量に対し10重量%であ
り、ビス(ペンタブロモフェニル)エタンの添加量は、
アクリル系樹脂固体成分重量に対して90重量%であっ
た。前記アクリル系樹脂エマルジョンに前記繊維性基布
を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、基布
上に樹脂付着量が160g/m2 の中間層を形成した。
【0101】オレフィン系樹脂最外層用形成組成物とし
て、実施例1と同一のオレフィン樹脂、およびカップリ
ング剤を用いて、下記組成のエマルジョンを調製した。 オレフィン系樹脂 100重量部 カップリング剤 1.8重量部 三酸化アンチモン 10重量部 顔料(大日本インキ(株)製、リュウダイ−W69) 3重量部 紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製、チヌビン765) 0.5重量部 上記組成物において、カップリング剤の添加量は、エチ
レン−メタアクリル酸亜鉛塩固体成分重量に対して6重
量%であった。前記オレフィンエマルジョンに前記中間
層形成基布を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾
燥し、更に160℃で熱処理して、オレフィン樹脂最外
層付着量が50g/m2 、樹脂合計付着量が210g/
2 の防水シート状の繊維構造物を作製した。この繊維
構造物を前記試験に供した。この繊維構造物の中間層お
よび最外層の組成並びに試験結果を表9および表10に
示す。
【0102】実施例36 実施例35と同様の処理操作および試験を行った。但
し、アクリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤と
して、トリレンジイソシアネート(TDI)のイソシア
ネート末端をノニルフェノールによりブロック化したブ
ロックイソシアネートを用い、臭素含有有機化合物とし
てデカブロモジフェニルエーテルを用いた。得られた繊
維構造物の中間層および最外層の組成並びに試験結果を
表9および表10に示す。
【0103】実施例37 実施例35と同様の操作および試験を行った。但し、ア
クリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤として、
トリレンジイソシアネート(TDI)のイソシアネート
末端をノニルフェノールによりブロック化したブロック
イソシアネートを用いた。得られた繊維構造物の中間層
および最外層の組成並びに試験結果を表9および表10
に示す。
【0104】実施例38 実施例35と同様の操作および試験を行った。但し、ア
クリル系樹脂中間層の臭素含有有機化合物としてデカブ
ロモジフェニルエーテルを用いた。得られた繊維構造物
の中間層および最外層の組成並びに試験結果を表9およ
び表10に示す。
【0105】実施例39〜42 実施例39〜42の各々において、実施例35と同様の
操作および試験を行った。但しオレフィン系樹脂最外層
のカップリング剤として、テトライソプロポキシチタン
(実施例39)、テトラブチルジルコネート(実施例4
0)、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレー
ト(実施例41)、およびテトラプロピルジルコアルミ
ネート(実施例42)を用いた。得られた繊維構造物の
中間層および最外層の組成並びに試験結果を表9および
表10に示す。
【0106】比較例21 実施例35と同様の操作および試験を行った。但し、ア
クリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤、および
オレフィン系樹脂最外層のカップリング剤の使用を省略
し、樹脂合計付着量を210g/m2 とした。得られた
繊維構造物の中間層および最外層の組成、並びに試験結
果を表9および表10に示す。
【0107】比較例22 実施例35と同様の操作および試験を行った。但し、ア
クリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤の使用を
省略し、樹脂合計付着量を210g/m2 とした。得ら
れた繊維構造物の中間層および最外層の組成並びに試験
結果を表9および表10に示す。
【0108】比較例23 実施例35と同様の操作および試験を行った。但し、ア
クリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤にかえて
メチロールメラミン架橋剤を用いた。また樹脂合計付着
量は210g/m2 であった。得られた繊維構造物の中
間層および最外層の組成、並びに試験結果を表9および
表10に示す。
【0109】比較例24 実施例35と同様の操作および試験を行った。但し、オ
レフィン系樹脂最外層のカップリング剤の添加を省略
し、樹脂合計付着量を210g/m2 とした。得られた
繊維構造物の中間層および最外層の組成、並びに試験結
果を表9および表10に示す。
【0110】参考例5 実施例35と同様の操作および試験を行った。但し、実
施例35のアクリル系樹脂中間層形成用組成物に、三酸
化アンチモンを10重量部添加し、かつオレフィン系最
外層形成用組成物より三酸化アンチモンを除去した。中
間層の付着量を180g/m2 に、最外層の付着量を4
0g/m2 に、そして樹脂合計付着量を220g/m2
に調整した。得られた繊維構造物の中間層および最外層
の組成並びに試験結果を表9および表10に示す。
【0111】参考例6 実施例35と同様の操作および試験を行った。但し、実
施例35のオレフィン系最外層形成用組成物に、ビス
(ペンタブロモフェニル)エタン36重量部を添加し、
アクリル系樹脂中間層形成用組成物よりビス(ペンタブ
ロモフェニル)エタンを除去した。中間層の付着量を1
40g/m2 に、最外層の付着量を80g/m2 に、そ
して樹脂合計付着量を220g/m2 に調整した。得ら
れた繊維構造物の中間層および最外層の組成並びに試験
結果を表9および表10に示す。
【0112】
【表9】
【0113】
【表10】
【0114】実施例43 実施例35と同様の処理操作および試験を行った。但
し、繊維性基布として、実施例9と同一のポリエステル
フィラメント粗目状織物を使用した。アクリル系樹脂中
間層の付着量は120g/m2 であり、オレフィン樹脂
最外層の付着量は40g/m2 であり、樹脂合計付着量
は160g/m2 であった。得られた繊維構造物は、メ
ッシュ状シートであった。このメッシュ状繊維構造物の
中間層および最外層の組成および試験結果を表11およ
び表12に示す。
【0115】実施例44 実施例43と同様の処理操作および試験を行った。但
し、アクリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤と
して、トリレンジイソシアネート(TDI)のイソシア
ネート末端をノニルフェノールによりブロック化したブ
ロックイソシアネートを用い、臭素含有有機化合物とし
てデカブロモジフェニルエーテルを用いた。得られたメ
ッシュ状繊維構造物の中間層および最外層の組成並びに
試験結果を表11および表12に示す。
【0116】実施例45 実施例43と同様の処理操作および試験を行った。但
し、アクリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤と
して、トリレンジイソシアネート(TDI)のイソシア
ネート末端をノニルフェノールによりブロック化したブ
ロックイソシアネートを用いた。得られたメッシュ状繊
維構造物の中間層および最外層の組成並びに試験結果を
表11および表12に示す。
【0117】実施例46 実施例43と同様の処理操作および試験を行った。但
し、アクリル系樹脂中間層の臭素含有有機化合物として
デカブロモジフェニルエーテルを用いた。得られたメッ
シュ状繊維構造物の中間層および最外層の組成並びに試
験結果を表11および表12に示す。
【0118】実施例47〜50 実施例47〜50の各々において、実施例43と同様の
処理操作および試験を行った。但し、オレフィン系樹脂
最外層のカップリング剤として、テトライソプロポキシ
チタン(実施例47)、テトラブチルジルコネート(実
施例48)、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロ
ピレート(実施例49)、およびテトラプロピルジルコ
アルミネート(実施例50)を用いた。得られたメッシ
ュ状繊維構造物の中間層および最外層の組成並びに試験
結果を表11および表12に示す。
【0119】比較例25 実施例43と同様の処理操作および試験を行った。但
し、アクリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤お
よびオレフィン系樹脂最外層のカップリング剤の使用を
省略し、樹脂合計付着量を160g/m2 とした。得ら
れたメッシュ状繊維構造物の中間層および最外層の組成
並びに試験結果を表11および表12に示す。
【0120】比較例26 実施例43と同様の処理操作および試験を行った。但
し、アクリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤の
使用を省略し、樹脂合計付着量を160g/m2とし
た。得られたメッシュ状繊維構造物の中間層および最外
層の組成並びに試験結果を表11および表12に示す。
【0121】比較例27 実施例43と同様の処理操作および試験を行った。但
し、アクリル系樹脂中間層のイソシアネート系架橋剤に
かえてメチロールメラミン架橋剤を用い、樹脂合計付着
量を160g/m2 とした。得られたメッシュ状繊維構
造物の中間層および最外層の組成並びに試験結果を表1
1および表12に示す。
【0122】比較例28 実施例43と同様の処理操作および試験を行った。但
し、オレフィン系樹脂最外層のカップリング剤の使用を
省略し、樹脂合計付着量を160g/m2 とした。得ら
れたメッシュ状繊維構造物の中間層および最外層の組成
並びに試験結果を表11および表12に示す。
【0123】参考例7 実施例43と同様の処理操作および試験を行った。但
し、実施例43のアクリル系樹脂中間層形成用組成物
に、三酸化アンチモン10重量部を添加し、オレフィン
系最外層形成用組成物より三酸化アンチモンを除去し
た。中間層付着量は130g/m2 であり、最外層付着
量は30g/m2 であり、樹脂合計付着量は160g/
2 であった。得られたメッシュ状繊維構造物の中間層
および最外層の組成並びに試験結果を表11および表1
2に示す。
【0124】参考例8 実施例43と同様の処理操作および試験を行った。但し
実施例43のオレフィン系最外層形成用組成物に、ビス
(ペンタブロモフェニル)エタン36重量部を添加し、
アクリル系樹脂中間層形成用組成物よりビス(ペンタブ
ロモフェニル)エタンを除外した。中間層付着量は11
0g/m2 であり、最外層付着量は50g/m2 であ
り、樹脂合計付着量は160g/m2 であった。得られ
た繊維構造物の中間層および最外層の組成並びに試験結
果を表11および表12に示す。
【0125】
【表11】
【0126】
【表12】
【0127】表1,2および表3,4から明らかなよう
に、アクリル系樹脂中間層にイソシアネート系化合物を
添加した配合系は、イソシアネート系化合物無添加系或
いはメラミン系架橋剤添加系に比べ、接着力、耐水性に
優れている。また、オレフィン系樹脂最外層にカップリ
ング剤を添加することにより、防汚耐久性が大幅に向上
するとともに、アクリル系樹脂中間層との層間接着力に
優れた防水シート、通風性(メッシュ状)シートを得る
ことができる。
【0128】表5,6および表7,8から明らかなよう
に、アクリル系樹脂中間層にイソシアネート系化合物を
添加し、オレフィン系樹脂最外層にカップリング剤を添
加するとともに更に難燃性付与剤を添加することによ
り、JIS L−1091の45度メッケルバーナー法
の区分3に合格する防炎性を得ることができ、かつ、防
汚耐久性、接着力に優れた繊維構造物を得ることができ
る。
【0129】また、表9,10および表11,12から
明らかなようにアクリル系樹脂中間層にイソシアネート
系化合物と臭素含有有機化合物とを添加し、オレフィン
系樹脂最外層にカップリング剤と三酸化アンチモンとを
添加することにより、防炎性に優れ、更に防汚耐久性、
接着力に優れた繊維構造物を得ることができる。
【0130】実施例51〜56 実施例51〜56の各々において、アクリル系樹脂中間
層形成用アクリル樹脂としてアクリル酸メチルエステ
ル、メタアクリル酸エチルエステル、アクリル酸及びN
−メチロールアクリルアミドの共重合体(共重合モル比
3:5:1.5:0.5)を用いたことを除き、実施例
1,9,17,26,35、および43のそれぞれと同
様の処理操作および試験を行った。得られた繊維構造物
は、すべて接着力、耐屈曲耐久性、および防汚持続性に
優れたものであった。
【0131】
【発明の効果】本発明で得られる繊維構造物は、耐水
性、接着力、防汚耐久性に優れており、特に屋外で使用
される日除け、屋形テント、自動車用幌、建築養生用メ
ッシュなどに好適である。また、この繊維構造物は焼
却、廃棄が容易であり、環境への悪影響もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の繊維構造物の一実施態様の構成
を示す断面説明図。
【図2】図2は本発明の繊維構造物の他の実施態様の構
成を示す断面説明図。
【図3】図3Aは本発明の粗目繊維構造物の一実施例の
平面説明図。図3Bは、図3Aの粗目繊維構造物の一部
分の線B−Bに沿う横断面説明図。図3Cは図3Aの粗
目繊維構造物の他の一部分の線C−Cに沿う縦断面説明
図。
【符号の説明】
1…繊維構造物 2…繊維性基布 3…アクリル系樹脂中間層 4…オレフィン系樹脂最外層 1a…粗目繊維構造物 2a…経糸 2b…緯糸 5…間隙空間 6a…樹脂被覆経糸 6b…樹脂被覆緯糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 21/00 C09K 21/00 D06M 11/00 D06M 11/00 15/227 15/227 15/263 15/263 // D03D 15/00 D03D 15/00 E D06M 11/04 E

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維性基布と、その少なくとも1面上に
    形成され、かつ100重量部のアクリル系樹脂および1
    〜100重量部のイソシアネート系化合物を含有するア
    クリル系樹脂中間層と、前記中間層上に形成され、10
    0重量部のオレフィン系樹脂および0.5〜50重量部
    のカップリング剤を含有するオレフィン系樹脂最外層と
    を有することを特徴とする繊維構造物。
  2. 【請求項2】 前記繊維性基布が、少なくともそれぞ
    れ、糸間間隙をおいて平行に配置された経糸および、緯
    糸を含む糸条により構成された粗目状の編織物、および
    非粗目編織物から選ばれる請求項1に記載の繊維構造
    物。
  3. 【請求項3】 前記オレフィン系樹脂最外層に含まれる
    オレフィン系樹脂が、エチレン−アクリル酸共重合体、
    及びエチレン−メタアクリル酸共重合体の金属塩から選
    ばれた少なくとも1種からなる請求項1に記載の繊維構
    造物。
  4. 【請求項4】 前記アクリル系樹脂中間層がさらに難燃
    性付与剤を含有する請求項1に記載の繊維構造物。
  5. 【請求項5】 前記オレフィン系樹脂最外層がさらに難
    燃性付与剤を含有する請求項1に記載の繊維構造物。
  6. 【請求項6】 前記難燃性付与剤が、三酸化アンチモ
    ン、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムおよび
    臭素を含む有機化合物から選ばれた少なくとも1種を含
    有する請求項4又は5に記載の繊維構造物。
  7. 【請求項7】 前記アクリル系樹脂中間層が臭素を含む
    有機化合物からなる難燃性付与剤を含有し、前記オレフ
    ィン系樹脂最外層が三酸化アンチモン、水酸化アルミニ
    ウム及び水酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1
    種からなる難燃性付与剤を含有している請求項4に記載
    の繊維構造物。
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