JP2900178B2 - 車両のアンチロック制御方法 - Google Patents
車両のアンチロック制御方法Info
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- wheel
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- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 14
- 239000012530 fluid Substances 0.000 description 19
- 230000006837 decompression Effects 0.000 description 11
- 239000008186 active pharmaceutical agent Substances 0.000 description 5
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 5
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 4
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000004904 shortening Methods 0.000 description 1
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- Regulating Braking Force (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、車両の制動時における車輪のロックを防止
するためのアンチロック制御方法に関する。
するためのアンチロック制御方法に関する。
(従来の技術) 一般に車両のアンチロック制御装置は、制動時におけ
る車両の操舵性、走行安定性の確保および制動距離の短
縮を目的として、車輪速度センサで検出された車輪速度
をあらわす電気信号にもとづいてブレーキ液圧の制御モ
ードを決定して、常開型電磁弁よりなるホールドバルブ
および常閉型電磁弁よりなるディケイバルブを開閉し、
これによりブレーキ液圧を加圧、保持または減圧するよ
うにマイクロコンピュータを含むコントロールユニット
で制御している。
る車両の操舵性、走行安定性の確保および制動距離の短
縮を目的として、車輪速度センサで検出された車輪速度
をあらわす電気信号にもとづいてブレーキ液圧の制御モ
ードを決定して、常開型電磁弁よりなるホールドバルブ
および常閉型電磁弁よりなるディケイバルブを開閉し、
これによりブレーキ液圧を加圧、保持または減圧するよ
うにマイクロコンピュータを含むコントロールユニット
で制御している。
第5図はこのようなアンチロック制御における車輪速
度Vw、車輪加速度・減速度dVw/dtおよびブレーキ液圧Pw
の変化と、ホールドバルブおよびディケイバルブを開閉
するためのホールド信号HSおよびディケイ信号DSを示す
制御状態図である。なお、第5図における車輪速度Vwは
各制御系統における制御対象車輪速度を意味し、後述で
はこれを系統速度Vsと称している。また、擬似車体速度
Vvは、4つの車輪速度のうち最高速の車輪速度にもとづ
いて算出される近似車体速度である。
度Vw、車輪加速度・減速度dVw/dtおよびブレーキ液圧Pw
の変化と、ホールドバルブおよびディケイバルブを開閉
するためのホールド信号HSおよびディケイ信号DSを示す
制御状態図である。なお、第5図における車輪速度Vwは
各制御系統における制御対象車輪速度を意味し、後述で
はこれを系統速度Vsと称している。また、擬似車体速度
Vvは、4つの車輪速度のうち最高速の車輪速度にもとづ
いて算出される近似車体速度である。
車両の走行中においてブレーキが操作されていない状
態では、ブレーキ液圧Pwは加圧されておらず、かつホー
ルド信号HSおよびディケイ信号DSがともにOFFであるか
ら、ホールドバルブは開、ディケイバルブは閉の状態に
あるが、ブレーキ操作に伴ってブレーキ液圧Pwは時点t0
から加圧されて急上昇し(通常モード)、これにより車
輪速度Vwは減少して行く。この車輪速度Vwに対して一定
の速度ΔVだけ低い速度差をもって追従する基準速度Vr
が設定されており、かつこの基準速度Vrは、車輪速度Vw
に対する減速側の追従限界を−1Gに限定されている。し
たがってこの基準速度Vrは、車輪の減速度(負の加速
度)dVw/dtが時点t1において所定のしきい値、例えば−
1Gに達すると、この時点t1から−1Gの減速勾配θをもっ
て直線的に下降して行く。そして車輪の減速度dVw/dtが
所定の最大減速度をあらわすしきい値−Gmaxに達した時
点t2においてホールド信号HSをONにしてホールドバルブ
を閉じ、ブレーキ液圧Pwを保持する。
態では、ブレーキ液圧Pwは加圧されておらず、かつホー
ルド信号HSおよびディケイ信号DSがともにOFFであるか
ら、ホールドバルブは開、ディケイバルブは閉の状態に
あるが、ブレーキ操作に伴ってブレーキ液圧Pwは時点t0
から加圧されて急上昇し(通常モード)、これにより車
輪速度Vwは減少して行く。この車輪速度Vwに対して一定
の速度ΔVだけ低い速度差をもって追従する基準速度Vr
が設定されており、かつこの基準速度Vrは、車輪速度Vw
に対する減速側の追従限界を−1Gに限定されている。し
たがってこの基準速度Vrは、車輪の減速度(負の加速
度)dVw/dtが時点t1において所定のしきい値、例えば−
1Gに達すると、この時点t1から−1Gの減速勾配θをもっ
て直線的に下降して行く。そして車輪の減速度dVw/dtが
所定の最大減速度をあらわすしきい値−Gmaxに達した時
点t2においてホールド信号HSをONにしてホールドバルブ
を閉じ、ブレーキ液圧Pwを保持する。
このブレーキ液圧Pwの保持により車輪速度Vwはさらに
減少して、時点t3において車輪速度Vwが基準速度Vrを下
まわるが、この時点t3においてディケイ信号DSをONにし
てディケイバルブを開き、ブレーキ液体Pwの減圧を開始
する。この減圧により、車輪速度は時点t4におけるロー
ピークを境にして加速に転じるが、このローピーク時点
t4において、ディケイ信号DSをOFFとし、ディケイバル
ブを閉じてブレーキ液圧Pwの減圧を終了してブレーキ液
圧Pwを保持する。時点t5で車輪速度Vwがハイピークに達
するが、この時点t5から再びブレーキ液圧Pwの加圧を開
始する。ここでの加圧は、ホールド信号HSを比較的小刻
みにON・OFFすることにより、ブレーキ液圧Pwの加圧と
保持とを交互に反復し、これによりブレーキ液圧Pwを緩
やかに上昇させて車輪速度Vwを減少させ、時点t6(t3対
応)から再び減圧モードを発生させる。
減少して、時点t3において車輪速度Vwが基準速度Vrを下
まわるが、この時点t3においてディケイ信号DSをONにし
てディケイバルブを開き、ブレーキ液体Pwの減圧を開始
する。この減圧により、車輪速度は時点t4におけるロー
ピークを境にして加速に転じるが、このローピーク時点
t4において、ディケイ信号DSをOFFとし、ディケイバル
ブを閉じてブレーキ液圧Pwの減圧を終了してブレーキ液
圧Pwを保持する。時点t5で車輪速度Vwがハイピークに達
するが、この時点t5から再びブレーキ液圧Pwの加圧を開
始する。ここでの加圧は、ホールド信号HSを比較的小刻
みにON・OFFすることにより、ブレーキ液圧Pwの加圧と
保持とを交互に反復し、これによりブレーキ液圧Pwを緩
やかに上昇させて車輪速度Vwを減少させ、時点t6(t3対
応)から再び減圧モードを発生させる。
以上のようなブレーキ液圧Pwの加圧、保持および減圧
の組合せによって、車輪をロックさせることなく車輪速
度Vwを制御して車体速度を減少させることができる。
の組合せによって、車輪をロックさせることなく車輪速
度Vwを制御して車体速度を減少させることができる。
ところで、このようなアンチロック制御方法を車両に
適用する場合には、一般に左右前輪に関しては、左前
輪、右前輪の車輪速度をそれぞれ制御対象車輪速度と
し、左右後輪に関しては2つの車輪速度のうち低速側の
車輪速度を選択(セレクトロー)してこれを後輪制御対
象車輪速度として、それぞれ独立的にブレーキ液圧の制
御を行なう3系統(3チャンネル)アンチロック制御方
法が広く用いられる。
適用する場合には、一般に左右前輪に関しては、左前
輪、右前輪の車輪速度をそれぞれ制御対象車輪速度と
し、左右後輪に関しては2つの車輪速度のうち低速側の
車輪速度を選択(セレクトロー)してこれを後輪制御対
象車輪速度として、それぞれ独立的にブレーキ液圧の制
御を行なう3系統(3チャンネル)アンチロック制御方
法が広く用いられる。
ところが、上述のような3系統アンチロック制御方法
において、摩擦係数μ(以下、路面μと呼ぶ)が左右で
異なる路面(以下スプリットμ路と呼ぶ)を走行中にア
ンチロック制御を行なう場合、左右の前輪を完全に独立
して制御しているために、高μ路側の前輪の制動力が大
きく、また低μ路側の前輪の制動力は高μ路側に比べ小
さくなるので左右前輪に作用する制動力に大きな差が生
じることになる。
において、摩擦係数μ(以下、路面μと呼ぶ)が左右で
異なる路面(以下スプリットμ路と呼ぶ)を走行中にア
ンチロック制御を行なう場合、左右の前輪を完全に独立
して制御しているために、高μ路側の前輪の制動力が大
きく、また低μ路側の前輪の制動力は高μ路側に比べ小
さくなるので左右前輪に作用する制動力に大きな差が生
じることになる。
したがって、車体にヨーモーメントが発生して方向安
定性が失なわれることになり、これをハンドル操作で修
正するのは容易ではなかった。
定性が失なわれることになり、これをハンドル操作で修
正するのは容易ではなかった。
(発明の目的) そこで本発明は、スプリットμ路における制動時のヨ
ーモーメントの増大を防止し、方向安定性を確保しうる
車両のアンチロック制御方法を提供することを目的とす
る。
ーモーメントの増大を防止し、方向安定性を確保しうる
車両のアンチロック制御方法を提供することを目的とす
る。
(発明の構成) 本発明によるアンチロック制御方法は、摩擦係数が左
右で異なる路面を車両が走行している場合、高摩擦係数
側の車輪速度を、左右の車輪速度の差に関数として、左
右の車輪速度の間の速度に補正するとともに、高摩擦係
数側の車輪に属する制御系統の1加圧期間中に、低摩擦
係数側の車輪に属する制御系統の減圧動作が所定回数以
上行われた場合、高摩擦係数側の車輪に属する制御系統
のブレーキ圧の加圧を中止して減圧を開始することを特
徴とする。
右で異なる路面を車両が走行している場合、高摩擦係数
側の車輪速度を、左右の車輪速度の差に関数として、左
右の車輪速度の間の速度に補正するとともに、高摩擦係
数側の車輪に属する制御系統の1加圧期間中に、低摩擦
係数側の車輪に属する制御系統の減圧動作が所定回数以
上行われた場合、高摩擦係数側の車輪に属する制御系統
のブレーキ圧の加圧を中止して減圧を開始することを特
徴とする。
(実施例) 以下図面を参照して本発明の実施例について詳細に説
明する。
明する。
第1図は本発明を適用した3系統(3チャンネル)ア
ンチロック制御装置を示すブロック図で、車輪速度セン
サ1〜4の出力は演算回路5〜8に送られて演算され、
各車輪速度Vw1〜Vw4をそれぞれあらわす信号が得られ
る。そして左前輪速度Vw1および右前輪速度Vw2は、それ
ぞれ第1および第2の系統速度算出回路9、10に送られ
る。また、左前輪速度Vw1および右前輪速度Vw2のうちの
高速側の車輪速度VwHが前輪セレクトハイ回路11で選択
されて、上記系統速度算出回路9、10に送られるととも
に、上記速度Vw1、Vw2のうちの低速側の車輪速度VwLが
前輪セレクトロー回路12で選択されて、同様に系統速度
算出回路9、10に送られる。これら系統速度算出回路
9、10においてそれぞれ算出された速度値は、第1およ
び第2系統速度Vs1、Vs2として第1および第2の制御ロ
ジック回路13、14に送られる。
ンチロック制御装置を示すブロック図で、車輪速度セン
サ1〜4の出力は演算回路5〜8に送られて演算され、
各車輪速度Vw1〜Vw4をそれぞれあらわす信号が得られ
る。そして左前輪速度Vw1および右前輪速度Vw2は、それ
ぞれ第1および第2の系統速度算出回路9、10に送られ
る。また、左前輪速度Vw1および右前輪速度Vw2のうちの
高速側の車輪速度VwHが前輪セレクトハイ回路11で選択
されて、上記系統速度算出回路9、10に送られるととも
に、上記速度Vw1、Vw2のうちの低速側の車輪速度VwLが
前輪セレクトロー回路12で選択されて、同様に系統速度
算出回路9、10に送られる。これら系統速度算出回路
9、10においてそれぞれ算出された速度値は、第1およ
び第2系統速度Vs1、Vs2として第1および第2の制御ロ
ジック回路13、14に送られる。
一方、左後輪速度Vw3および右後輪速度Vw4のうちの低
速側の車輪速度が後輪セレクトロー回路15で選択されて
そのまま第3系統速度Vs3として第3の制御ロジック回
路16に送られる。
速側の車輪速度が後輪セレクトロー回路15で選択されて
そのまま第3系統速度Vs3として第3の制御ロジック回
路16に送られる。
各制御ロジック回路13、14、16では、上記系統速度Vs
1〜Vs3をそれぞれ制御対象車輪速度とし、これを基準と
してホールドバルブHVおよびディケイバルブDVのON・OF
F制御を行なう。
1〜Vs3をそれぞれ制御対象車輪速度とし、これを基準と
してホールドバルブHVおよびディケイバルブDVのON・OF
F制御を行なう。
左前輪系統および右前輪系統の各制御ロジック回路1
3、14は、それぞれ減圧回路カウンタ17、18を備えてい
る。これらカウタ17、18は、ロジック回路13、14からそ
れぞれディケイ信号DSを受けて自系統におけるブレーキ
液圧の減圧回数をカウントする機能を有し、各カウンタ
17、18は自系統における減圧回数が所定回数nに達した
場合、このことをあらわす信号を、他方の前輪系統の制
御ロジック回路に対し出力し、かつ上記他方の前輪系統
のカウンタから同様の信号を受けるようになっている。
3、14は、それぞれ減圧回路カウンタ17、18を備えてい
る。これらカウタ17、18は、ロジック回路13、14からそ
れぞれディケイ信号DSを受けて自系統におけるブレーキ
液圧の減圧回数をカウントする機能を有し、各カウンタ
17、18は自系統における減圧回数が所定回数nに達した
場合、このことをあらわす信号を、他方の前輪系統の制
御ロジック回路に対し出力し、かつ上記他方の前輪系統
のカウンタから同様の信号を受けるようになっている。
また、各車輪速度Vw1〜Vw4をあらわす信号は擬似車体
速度演算回路19に送られるが、この演算回路19は、4つ
の車輪速度Vw1〜Vw4をセレクトハイとし、さらにこの最
高速車輪速度に対する追従限界を±1Gに限定した速度を
擬似車体速度Vvとして各制御ロジック回路13、14、16に
出力する。
速度演算回路19に送られるが、この演算回路19は、4つ
の車輪速度Vw1〜Vw4をセレクトハイとし、さらにこの最
高速車輪速度に対する追従限界を±1Gに限定した速度を
擬似車体速度Vvとして各制御ロジック回路13、14、16に
出力する。
次に第2図は、上記系統速度算出回路9、10で実行さ
れる第1、第2系統速度算出ルーチンを示すフローチャ
ートであり、第4図を参照しつつ説明する。まずステッ
プS1でスプリットμ路走行時における左右前輪のうち低
μ路側の車輪の車輪速度VwLに着目し、アンチロック制
御の第1サイクルであるか否かを判定する。すなわち第
4図に示すようにブレーキの操作によって低μ路側の車
輪速度VwLが減少し始めた時点Aからローピークを経て
回復しハイピークに達する時点Bまでの期間内であるか
否かを判定する。そして、第1サイクルであると判定さ
れたときは、ステップS2に進み、以下に示す数式におけ
う係数αの値をα=15%に設定して、ステップS4へ進
み、第2サイクル以降はステップS3でα=75%に設定し
てステップS4へ進む。ステップS4では、左右前輪のうち
高μ路側を走行中の車輪が属する制御系統の系統速度Vs
Hを、 式 VsH=α(VwH−VwL)+VwL …(1) (但し、αは0<α<1の範囲にある係数) にもとづいて、すなわち、速度VwH−VwLの関数として算
出する。ここで、上式(1)におけるVwHおよびVwLは、
何れも同じ時点で検出された車輪速度であって、VwHは
そのうちの高速側(高μ路を走行中)、VwLは低速側
(低μ路を走行中)の速度をあらわすものである。また
他方の低μ路側を走行中の車輪が属する制御系統の系統
速度VsLに関してはVsL=VwLとして設定し、これら系統
速度VsHおよびVsLにもとづいて左右それぞれの前輪系統
のブレーキ液圧の制御を行なう。
れる第1、第2系統速度算出ルーチンを示すフローチャ
ートであり、第4図を参照しつつ説明する。まずステッ
プS1でスプリットμ路走行時における左右前輪のうち低
μ路側の車輪の車輪速度VwLに着目し、アンチロック制
御の第1サイクルであるか否かを判定する。すなわち第
4図に示すようにブレーキの操作によって低μ路側の車
輪速度VwLが減少し始めた時点Aからローピークを経て
回復しハイピークに達する時点Bまでの期間内であるか
否かを判定する。そして、第1サイクルであると判定さ
れたときは、ステップS2に進み、以下に示す数式におけ
う係数αの値をα=15%に設定して、ステップS4へ進
み、第2サイクル以降はステップS3でα=75%に設定し
てステップS4へ進む。ステップS4では、左右前輪のうち
高μ路側を走行中の車輪が属する制御系統の系統速度Vs
Hを、 式 VsH=α(VwH−VwL)+VwL …(1) (但し、αは0<α<1の範囲にある係数) にもとづいて、すなわち、速度VwH−VwLの関数として算
出する。ここで、上式(1)におけるVwHおよびVwLは、
何れも同じ時点で検出された車輪速度であって、VwHは
そのうちの高速側(高μ路を走行中)、VwLは低速側
(低μ路を走行中)の速度をあらわすものである。また
他方の低μ路側を走行中の車輪が属する制御系統の系統
速度VsLに関してはVsL=VwLとして設定し、これら系統
速度VsHおよびVsLにもとづいて左右それぞれの前輪系統
のブレーキ液圧の制御を行なう。
次に、上記制御ロジック回路13、14および減圧回数カ
ウンタ17、18で実行されるスプリットμ路対策ルーチン
を示すフローチャートである第3図について説明する。
まずステップS11において、自系統が加圧中であるか否
かを判定する。自系統が加圧中のときは、ステップS12
において他系統が減圧開始点を迎えたか否かを判定し、
この判定結果が「YES」であればステップS13において他
系統の減圧回数をカウントする。そして次のステップS1
4では、他系統の減圧回数が所定のn回(例えばn=2
〜4)に達したか否かを判定し、n回未満のときは、上
記ステップS11〜S13の判断および処理を反復するが、n
回に達したときは、自系統が通常のアンチロック制御に
おける減圧開始点に達していないにもかかわらずステッ
プS15において自系統の減圧を強制的に開始する。
ウンタ17、18で実行されるスプリットμ路対策ルーチン
を示すフローチャートである第3図について説明する。
まずステップS11において、自系統が加圧中であるか否
かを判定する。自系統が加圧中のときは、ステップS12
において他系統が減圧開始点を迎えたか否かを判定し、
この判定結果が「YES」であればステップS13において他
系統の減圧回数をカウントする。そして次のステップS1
4では、他系統の減圧回数が所定のn回(例えばn=2
〜4)に達したか否かを判定し、n回未満のときは、上
記ステップS11〜S13の判断および処理を反復するが、n
回に達したときは、自系統が通常のアンチロック制御に
おける減圧開始点に達していないにもかかわらずステッ
プS15において自系統の減圧を強制的に開始する。
一方、上記ステップS11における判定結果が「NO」の
ときは、ステップS16に進み、自系統が加圧開始点を迎
えたか否かを判定する。そして自系統が加圧開始点を迎
えたときは、次のステップS17においてその時点まで作
動状態にあった他系統の減圧数カウンタをクリアする。
ときは、ステップS16に進み、自系統が加圧開始点を迎
えたか否かを判定する。そして自系統が加圧開始点を迎
えたときは、次のステップS17においてその時点まで作
動状態にあった他系統の減圧数カウンタをクリアする。
以上が本実施例において実行されるフローチャートの
説明であるが、上述のように本実施例では、スプリット
μ路を走行中にアンチロック制御を開始した左右前輪の
車輪速度のうち高μ路側の車輪速度VwHと、低μ路側の
車輪速度VwLとが検出されている状況において、高μ路
側の車輪が属する制御系統の系統速度VsHを、速度差VwH
−VwLの関数として式 VsH=α(VwH−VwL)+VwLにも
とづいて算出し、両速度VwHとVwLの間の値に設定する。
また、低μ路側の車輪が属する制御系統の系統速度VsL
はVsL=VwLとして設定する。そして低μ路側の車輪速度
VwLがアンチロック制御の第1サイクルにある間は、上
式の係数αの値をα=15%として設定する。すなわち、
アンチロック制御開始直後は、高μ路側の制御系統の系
統速度VsHを速度差VwH−VwLの関数として低μ路側制御
系統の系統速度VsLの近傍まで低下させることによって
高μ路側系統のブレーキ液圧の急上昇を抑制し、左右前
輪に対する制動力に大きな差が生じないようにしてい
る。また、低μ路側の車輪速度VwLがアンチロック制御
の第2サイクル以降に入ったときは係数αの値を75%に
設定して、高μ路側の系統速度VsHをある程度低下させ
るとともに、第4図からも明らかなように高μ路側制御
系統が加圧中のとき、低μ路側制御系統における減圧が
所定回数(例えば2〜4回)行なわれた場合は、高μ路
側の車輪が属する制御系統の加圧を中止して強制的に減
圧を開始するようにしている。このようにして、スプリ
ットμ路走行時における左右前輪のブレーキ液圧の差が
小さくなるように制御している。
説明であるが、上述のように本実施例では、スプリット
μ路を走行中にアンチロック制御を開始した左右前輪の
車輪速度のうち高μ路側の車輪速度VwHと、低μ路側の
車輪速度VwLとが検出されている状況において、高μ路
側の車輪が属する制御系統の系統速度VsHを、速度差VwH
−VwLの関数として式 VsH=α(VwH−VwL)+VwLにも
とづいて算出し、両速度VwHとVwLの間の値に設定する。
また、低μ路側の車輪が属する制御系統の系統速度VsL
はVsL=VwLとして設定する。そして低μ路側の車輪速度
VwLがアンチロック制御の第1サイクルにある間は、上
式の係数αの値をα=15%として設定する。すなわち、
アンチロック制御開始直後は、高μ路側の制御系統の系
統速度VsHを速度差VwH−VwLの関数として低μ路側制御
系統の系統速度VsLの近傍まで低下させることによって
高μ路側系統のブレーキ液圧の急上昇を抑制し、左右前
輪に対する制動力に大きな差が生じないようにしてい
る。また、低μ路側の車輪速度VwLがアンチロック制御
の第2サイクル以降に入ったときは係数αの値を75%に
設定して、高μ路側の系統速度VsHをある程度低下させ
るとともに、第4図からも明らかなように高μ路側制御
系統が加圧中のとき、低μ路側制御系統における減圧が
所定回数(例えば2〜4回)行なわれた場合は、高μ路
側の車輪が属する制御系統の加圧を中止して強制的に減
圧を開始するようにしている。このようにして、スプリ
ットμ路走行時における左右前輪のブレーキ液圧の差が
小さくなるように制御している。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によるアンチ
ロック制御方法によれば、スプリットμ路走行時におい
て左右車輪の属する制御系統に生じたブレーキ液圧の差
が小さくなるようにしているので、制御時のヨーモーメ
ント増大を予防し、方向安定性を改善することができ
る。
ロック制御方法によれば、スプリットμ路走行時におい
て左右車輪の属する制御系統に生じたブレーキ液圧の差
が小さくなるようにしているので、制御時のヨーモーメ
ント増大を予防し、方向安定性を改善することができ
る。
第1図は本発明を適用した3系統アンチロック制御装置
のブロック図、第2図はその系統速度算出ルーチンを示
すフローチャート、第3図はそのスプリットμ路対応ル
ーチンを示すフローチャート、第4図は本発明の動作の
説明図、第5図は従来のアンチロック制御方法の説明図
である。 1〜4……車輪速度センサ 5〜8……演算回路 9、10……系統速度算出回路 11……前輪セレクトハイ回路 12……前輪セレクトロー回路 13、14、16……制御ロジック回路 17、18……減圧回数カウンタ 19……擬似車体速度演算回路
のブロック図、第2図はその系統速度算出ルーチンを示
すフローチャート、第3図はそのスプリットμ路対応ル
ーチンを示すフローチャート、第4図は本発明の動作の
説明図、第5図は従来のアンチロック制御方法の説明図
である。 1〜4……車輪速度センサ 5〜8……演算回路 9、10……系統速度算出回路 11……前輪セレクトハイ回路 12……前輪セレクトロー回路 13、14、16……制御ロジック回路 17、18……減圧回数カウンタ 19……擬似車体速度演算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三ツ出 幸征 埼玉県羽生市東5丁目4番71号 曙ブレ ーキ工業株式会社開発本部内 (72)発明者 柿崎 英紀 埼玉県羽生市東5丁目4番71号 曙ブレ ーキ工業株式会社開発本部内 (72)発明者 加藤 文男 埼玉県羽生市東5丁目4番71号 曙ブレ ーキ工業株式会社開発本部内 (56)参考文献 特開 昭61−166763(JP,A) 特開 平1−197158(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 8/34 - 8/86
Claims (1)
- 【請求項1】互いに異なる制御系統に属する左右の車輪
に対し、それぞれ独立的にブレーキ圧制御を行うように
した車両のアンチロック制御方法において、 摩擦係数が左右で異なる路面を車両が走行している場
合、高摩擦係数側の車輪速度を、左右の車輪速度の差の
関数として、左右の車輪速度の間の速度に補正するとと
もに、高摩擦係数側の車輪に属する制御系統の1加圧期
間中に、低摩擦係数側の車輪に属する制御系統の減圧動
作が所定回数以上行われた場合、高摩擦係数側の車輪に
属する制御系統のブレーキ圧の加圧を中止して減圧を開
始するようにしたことを特徴とする車両のアンチロック
制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14865790A JP2900178B2 (ja) | 1990-06-08 | 1990-06-08 | 車両のアンチロック制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14865790A JP2900178B2 (ja) | 1990-06-08 | 1990-06-08 | 車両のアンチロック制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0443152A JPH0443152A (ja) | 1992-02-13 |
JP2900178B2 true JP2900178B2 (ja) | 1999-06-02 |
Family
ID=15457711
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14865790A Expired - Lifetime JP2900178B2 (ja) | 1990-06-08 | 1990-06-08 | 車両のアンチロック制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2900178B2 (ja) |
-
1990
- 1990-06-08 JP JP14865790A patent/JP2900178B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0443152A (ja) | 1992-02-13 |
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