JP2884819B2 - 含フッ素共重合体の製造方法 - Google Patents
含フッ素共重合体の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤に可溶で塗料
用に好適な、水酸基およびカルボキシル基を有する含フ
ッ素共重合体の製造方法に関するものである。
用に好適な、水酸基およびカルボキシル基を有する含フ
ッ素共重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】含フッ素重合体は、耐薬品
性および耐候性に優れているため、塗料用樹脂として好
適であり、例えばクロロトリフルオロエチレン、シクロ
ヘキシルビニルエーテル、アルキルビニルエーテルおよ
びヒドロキシアルキルビニルエーテルを共重合して得ら
れる含フッ素共重合体(特開昭57−34107号公
報)、およびクロロトリフルオロエチレン、脂肪酸ビニ
ルエステルおよび水酸基含有アリルエーテルからなる含
フッ素共重合体(特開昭61−57609号公報)のよ
うな溶剤に可溶で、かつ水酸基を有する種々の共重合体
がが塗料用に提案されている。さらに、最近では、顔料
分散性および基材への密着性に優れる、水酸基とカルボ
キシル基の二種類の官能基を併せ有する含フッ素共重合
体が望まれており、かかる共重合体は、上記単量体など
と共に、クロトン酸、アクリル酸あるいは二価カルボン
酸のヒドロキシアルキルビニルエーテルのモノエステル
などのカルボキシル基含有不飽和単量体を共重合させ
る、という方法等によって合成されるのが一般的であ
る。しかしながら、上記方法によって得られる、水酸基
およびカルボキシル基を有する含フッ素共重合体におい
ては、重合後の重合体溶液に残存する未重合の水酸基含
有単量体および/またはカルボキシル基含有単量体を完
全に除去するために、重合体溶液を多量の貧溶媒中に注
ぎ、重合体を沈澱させるという煩雑な方法に依らざるを
得ないという問題があった。
性および耐候性に優れているため、塗料用樹脂として好
適であり、例えばクロロトリフルオロエチレン、シクロ
ヘキシルビニルエーテル、アルキルビニルエーテルおよ
びヒドロキシアルキルビニルエーテルを共重合して得ら
れる含フッ素共重合体(特開昭57−34107号公
報)、およびクロロトリフルオロエチレン、脂肪酸ビニ
ルエステルおよび水酸基含有アリルエーテルからなる含
フッ素共重合体(特開昭61−57609号公報)のよ
うな溶剤に可溶で、かつ水酸基を有する種々の共重合体
がが塗料用に提案されている。さらに、最近では、顔料
分散性および基材への密着性に優れる、水酸基とカルボ
キシル基の二種類の官能基を併せ有する含フッ素共重合
体が望まれており、かかる共重合体は、上記単量体など
と共に、クロトン酸、アクリル酸あるいは二価カルボン
酸のヒドロキシアルキルビニルエーテルのモノエステル
などのカルボキシル基含有不飽和単量体を共重合させ
る、という方法等によって合成されるのが一般的であ
る。しかしながら、上記方法によって得られる、水酸基
およびカルボキシル基を有する含フッ素共重合体におい
ては、重合後の重合体溶液に残存する未重合の水酸基含
有単量体および/またはカルボキシル基含有単量体を完
全に除去するために、重合体溶液を多量の貧溶媒中に注
ぎ、重合体を沈澱させるという煩雑な方法に依らざるを
得ないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、重合体溶液
を多量の貧溶媒中に注ぐという煩雑な操作に依らなくて
も、未重合の水酸基含有単量体および/またはカルボキ
シル基含有単量体を含まない、水酸基およびカルボキシ
ル基を有する含フッ素共重合体の製造方法を提供しよう
とするものである。
を多量の貧溶媒中に注ぐという煩雑な操作に依らなくて
も、未重合の水酸基含有単量体および/またはカルボキ
シル基含有単量体を含まない、水酸基およびカルボキシ
ル基を有する含フッ素共重合体の製造方法を提供しよう
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、フルオロオレフィ
ンとの共重合性に優れるクロトン酸を使用して、カルボ
キシル基のみを有する含フッ素共重合体を合成し、しか
る後カルボキシル基と反応性のエポキシ基含有化合物を
前記共重合体と反応させることにより、塗料用に好適な
量の水酸基およびカルボキシル基を有する含フッ素共重
合体が容易に得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、フルオロオレフィン単
量体単位、クロトン酸単量体単位、カルボン酸ビニル単
量体単位またはアルキルビニルエーテル単量体単位、お
よび所望により他のラジカル重合性単量体単位からな
り、全単量体単位の合計量を基準としてクロトン酸単量
体単位を3〜30モル%含有する共重合体中のカルボキ
シル基の一部とエボキシ化合物を反応させることによ
り、前記共重合体中に水酸基を導入することを特徴とす
る、水酸基およびカルボキシル基を有する含フッ素共重
合体の製造方法である。
を解決するために鋭意検討した結果、フルオロオレフィ
ンとの共重合性に優れるクロトン酸を使用して、カルボ
キシル基のみを有する含フッ素共重合体を合成し、しか
る後カルボキシル基と反応性のエポキシ基含有化合物を
前記共重合体と反応させることにより、塗料用に好適な
量の水酸基およびカルボキシル基を有する含フッ素共重
合体が容易に得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、フルオロオレフィン単
量体単位、クロトン酸単量体単位、カルボン酸ビニル単
量体単位またはアルキルビニルエーテル単量体単位、お
よび所望により他のラジカル重合性単量体単位からな
り、全単量体単位の合計量を基準としてクロトン酸単量
体単位を3〜30モル%含有する共重合体中のカルボキ
シル基の一部とエボキシ化合物を反応させることによ
り、前記共重合体中に水酸基を導入することを特徴とす
る、水酸基およびカルボキシル基を有する含フッ素共重
合体の製造方法である。
【0005】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明においては、上記のとおり、フルオロオレフ
ィン単量体単位、クロトン酸単量体単位、カルボン酸ビ
ニル単量体単位またはアルキルビニルエーテル単量体単
位、および所望により他のラジカル重合性単量体単位か
らなり、全単量体単位の合計量を基準としてクロトン酸
単量体単位を3〜30モル%含有する共重合体を使用す
る。共重合体におけるクロトン酸単量体単位の量が3モ
ル%未満であると、カルボキシル基の量が少なすぎ、そ
の一部を水酸基に変換して得られる含フッ素共重合体
は、カルボキシル基および水酸基の量が過少であり、塗
料用に適さない。一方クロトン酸単量体単位の量が30
モル%を越えると、得られる含フッ素共重合体における
親水性官能基の量が多すぎ、耐水性に劣る。共重合体を
構成する各単量体単位の好ましい割合は、全単量体単位
の合計量を規準とするモル%で表すと、フルオロオレフ
ィン単量体単位/クロトン酸単量体単位/カルボン酸ビ
ニル単量体単位またはアルキルビニルエーテル単量体単
位/他のラジカル重合性単量体単位=30〜60/3〜
30/10〜50/0〜20である。
る。本発明においては、上記のとおり、フルオロオレフ
ィン単量体単位、クロトン酸単量体単位、カルボン酸ビ
ニル単量体単位またはアルキルビニルエーテル単量体単
位、および所望により他のラジカル重合性単量体単位か
らなり、全単量体単位の合計量を基準としてクロトン酸
単量体単位を3〜30モル%含有する共重合体を使用す
る。共重合体におけるクロトン酸単量体単位の量が3モ
ル%未満であると、カルボキシル基の量が少なすぎ、そ
の一部を水酸基に変換して得られる含フッ素共重合体
は、カルボキシル基および水酸基の量が過少であり、塗
料用に適さない。一方クロトン酸単量体単位の量が30
モル%を越えると、得られる含フッ素共重合体における
親水性官能基の量が多すぎ、耐水性に劣る。共重合体を
構成する各単量体単位の好ましい割合は、全単量体単位
の合計量を規準とするモル%で表すと、フルオロオレフ
ィン単量体単位/クロトン酸単量体単位/カルボン酸ビ
ニル単量体単位またはアルキルビニルエーテル単量体単
位/他のラジカル重合性単量体単位=30〜60/3〜
30/10〜50/0〜20である。
【0006】上記共重合体の合成に使用するフルオロオ
レフィンとしては、モノフルオロエチレン、ジフルオロ
エチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロ
エチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプ
ロピレン等が挙げられ、好ましくはクロロトリフルオロ
エチレンおよびテトラフルオロエチレンである。カルボ
ン酸ビニルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル、ラウリン酸ビニル、バ−サティック酸ビニルまたは
ステアリン酸ビニルのような脂肪族カルボン酸ビニルエ
ステル;シクロヘキサンカルボン酸ビニルのような脂環
式カルボン酸ビニルエステル等が挙げられ、好ましくは
ピバリン酸ビニルおよび酢酸ビニルである。アルキルビ
ニルエーテルとしては、エチルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルおよび
4−メチルシクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられ
る。また、上記単量体以外に、所望によりエチレン、プ
ロピレン、化ビニル、塩化ビニリデン、クロトン酸メチ
ルおよびクロトン酸エチルなどのラジカル重合性単量体
を併用しても良い。各単量体単位の割合が前記した割合
である、好ましい構成の共重合体を得るため重合に供す
る上記単量体の仕込み比は、単量体混合物における全単
量体の合計量を規準にして、フルオロオレフィン35〜
65モル%、クロトン酸4〜40モル%、カルボン酸ビ
ニルまたはアルキルビニルエーテル5〜45モル%およ
びその他のラジカル重合性単量体0〜20モル%程度で
良い。
レフィンとしては、モノフルオロエチレン、ジフルオロ
エチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロ
エチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプ
ロピレン等が挙げられ、好ましくはクロロトリフルオロ
エチレンおよびテトラフルオロエチレンである。カルボ
ン酸ビニルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル、ラウリン酸ビニル、バ−サティック酸ビニルまたは
ステアリン酸ビニルのような脂肪族カルボン酸ビニルエ
ステル;シクロヘキサンカルボン酸ビニルのような脂環
式カルボン酸ビニルエステル等が挙げられ、好ましくは
ピバリン酸ビニルおよび酢酸ビニルである。アルキルビ
ニルエーテルとしては、エチルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルおよび
4−メチルシクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられ
る。また、上記単量体以外に、所望によりエチレン、プ
ロピレン、化ビニル、塩化ビニリデン、クロトン酸メチ
ルおよびクロトン酸エチルなどのラジカル重合性単量体
を併用しても良い。各単量体単位の割合が前記した割合
である、好ましい構成の共重合体を得るため重合に供す
る上記単量体の仕込み比は、単量体混合物における全単
量体の合計量を規準にして、フルオロオレフィン35〜
65モル%、クロトン酸4〜40モル%、カルボン酸ビ
ニルまたはアルキルビニルエーテル5〜45モル%およ
びその他のラジカル重合性単量体0〜20モル%程度で
良い。
【0007】上記単量体の共重合は、以下に示すような
ラジカル発生型重合開始剤の存在下に、重合温度30〜
80℃程度で、圧力3〜10kg/cm2の条件で、溶
液重合法によって行うことが好ましい。ラジカル発生型
重合開始剤としては、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、
ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド
等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
イソバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。溶
液重合に使用する重合溶媒としては、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素化合物;酢酸エチル、酢酸ブチル
などのエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジメチル
ホルムアムド、ジメチルアセトアミド、ピリジン等の含
窒素系化合物;1,1,1−トリクロロエタン、トリク
ロロエチレン等の含ハロゲン系化合物;ブタノール、ヘ
キサノール等のアルコール類などが挙げられる。
ラジカル発生型重合開始剤の存在下に、重合温度30〜
80℃程度で、圧力3〜10kg/cm2の条件で、溶
液重合法によって行うことが好ましい。ラジカル発生型
重合開始剤としては、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、
ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド
等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
イソバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。溶
液重合に使用する重合溶媒としては、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素化合物;酢酸エチル、酢酸ブチル
などのエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジメチル
ホルムアムド、ジメチルアセトアミド、ピリジン等の含
窒素系化合物;1,1,1−トリクロロエタン、トリク
ロロエチレン等の含ハロゲン系化合物;ブタノール、ヘ
キサノール等のアルコール類などが挙げられる。
【0008】上記重合によって得られるカルボキシル基
を有する共重合体においては、その重合体溶液を減圧下
に加熱して蒸発乾固することにより、未重合のクロトン
酸(沸点189℃)を容易に蒸散させることができる。
斯くして得られた上記共重合体と、エポキシ基含有化合
物(以下単にエポキシ化合物という)を反応させること
により、未重合の単量体を含まない、カルボキシル基お
よび水酸基を有する含フッ素共重合体を得ることができ
る。
を有する共重合体においては、その重合体溶液を減圧下
に加熱して蒸発乾固することにより、未重合のクロトン
酸(沸点189℃)を容易に蒸散させることができる。
斯くして得られた上記共重合体と、エポキシ基含有化合
物(以下単にエポキシ化合物という)を反応させること
により、未重合の単量体を含まない、カルボキシル基お
よび水酸基を有する含フッ素共重合体を得ることができ
る。
【0009】本発明においては、前述のとおり、上記共
重合体におけるカルボキシル基の一部とエポキシ化合物
を反応させて、カルボキシル基および水酸基を有する含
フッ素共重合体を得る。本発明によって製造される含フ
ッ素共重合体におけるカルボキシル基および水酸基の好
ましい量は、全単量体単位の合計量を規準にして、それ
ぞれカルボキシル基単量体単位1〜20モル%および水
酸基単量体単位2〜29モル%である。かかる含フッ素
共重合体は、エポキシ基含有化合物と反応させる前のカ
ルボキシル基含有共重合体について、酸価を測定し、得
られた酸価に基づき導入すべき水酸基の量を決定し、そ
の量に見合うエポキシ化合物を、テトラヒドロフラン、
キシレンまたはシクロヘキサノンなどの有機溶剤溶液中
で前記共重合体と反応させることにより得られる。
重合体におけるカルボキシル基の一部とエポキシ化合物
を反応させて、カルボキシル基および水酸基を有する含
フッ素共重合体を得る。本発明によって製造される含フ
ッ素共重合体におけるカルボキシル基および水酸基の好
ましい量は、全単量体単位の合計量を規準にして、それ
ぞれカルボキシル基単量体単位1〜20モル%および水
酸基単量体単位2〜29モル%である。かかる含フッ素
共重合体は、エポキシ基含有化合物と反応させる前のカ
ルボキシル基含有共重合体について、酸価を測定し、得
られた酸価に基づき導入すべき水酸基の量を決定し、そ
の量に見合うエポキシ化合物を、テトラヒドロフラン、
キシレンまたはシクロヘキサノンなどの有機溶剤溶液中
で前記共重合体と反応させることにより得られる。
【0010】エポキシ化合物としては、エチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、
1,2−エポキシヘキサンのような脂肪族エポキシ化合
物;グリシジルメチルエーテル、グリシジルn-プロピル
エーテル、グリシジルイソプロピルエーテル、グリシジ
ルフェニルエーテルのようなエーテル基含有エポキシ化
合物;グリシドール等が挙げられ、好ましくは沸点が6
0〜250℃のエポキシ化合物であり、具体的には1,
2−エポキシヘキサン、グリシジルメチルエーテル、グ
リシジルイソプロピルエーテル、グリシジルフェニルエ
ーテルおよびグリシドールである。エポキシ化合物の沸
点が60℃未満であると、カルボキシル基含有共重合体
との反応を常圧下で行う場合、系外に蒸発し易く、仕込
んだエポキシ化合物の全量が反応し難く、目的とする水
酸基量を導入し難い。一方沸点が250℃を越えると、
未反応で僅かに残るエポキシ化合物を蒸留で除去し難い
・反応は、温度50〜150℃で、反応時間30分〜6
時間程度の条件が適当であり、無触媒で行うこともでき
るが、3級アミン類、第4級アンモニウム塩およびトリ
フェニルホスフィン等の触媒の存在下に行うのがより好
ましい。上記エポキシ化合物は、共重合中のカルボキシ
ル基と定量的に反応させることができるため、上記反応
の結果、溶媒以外に低分子量化合物を含まず、しかも塗
料用に好適な量のカルボキシル基および水酸基を分子中
に有する含フッ素共重合体が得られる。
ド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、
1,2−エポキシヘキサンのような脂肪族エポキシ化合
物;グリシジルメチルエーテル、グリシジルn-プロピル
エーテル、グリシジルイソプロピルエーテル、グリシジ
ルフェニルエーテルのようなエーテル基含有エポキシ化
合物;グリシドール等が挙げられ、好ましくは沸点が6
0〜250℃のエポキシ化合物であり、具体的には1,
2−エポキシヘキサン、グリシジルメチルエーテル、グ
リシジルイソプロピルエーテル、グリシジルフェニルエ
ーテルおよびグリシドールである。エポキシ化合物の沸
点が60℃未満であると、カルボキシル基含有共重合体
との反応を常圧下で行う場合、系外に蒸発し易く、仕込
んだエポキシ化合物の全量が反応し難く、目的とする水
酸基量を導入し難い。一方沸点が250℃を越えると、
未反応で僅かに残るエポキシ化合物を蒸留で除去し難い
・反応は、温度50〜150℃で、反応時間30分〜6
時間程度の条件が適当であり、無触媒で行うこともでき
るが、3級アミン類、第4級アンモニウム塩およびトリ
フェニルホスフィン等の触媒の存在下に行うのがより好
ましい。上記エポキシ化合物は、共重合中のカルボキシ
ル基と定量的に反応させることができるため、上記反応
の結果、溶媒以外に低分子量化合物を含まず、しかも塗
料用に好適な量のカルボキシル基および水酸基を分子中
に有する含フッ素共重合体が得られる。
【0011】本発明によって得られる含フッ素共重合体
は、その重合体溶液中に、例えば日本ポリウレタン工業
(株)製コロネートEHあるいはコロネート2507等
の多価イソシアネート化合物を併用することにより、常
温硬化型塗料として使用できる。また、本含フッ素共重
合体は、メラミン、尿素樹脂、多塩基性酸あるいはその
無水物を併用して、加熱硬化型塗料としても使用するこ
とができる。塗料の調製に当たっては、含フッ素共重合
体の溶液中に、顔料、流動調節剤、紫外線吸収剤、分散
安定剤および酸化防止剤等の各種添加剤、並びに必要に
応じて他の樹脂等を加えてもよい。なお、含フッ素共重
合体をワニスとして用いる場合には、固形分濃度40〜
60重量%程度にすると良い。
は、その重合体溶液中に、例えば日本ポリウレタン工業
(株)製コロネートEHあるいはコロネート2507等
の多価イソシアネート化合物を併用することにより、常
温硬化型塗料として使用できる。また、本含フッ素共重
合体は、メラミン、尿素樹脂、多塩基性酸あるいはその
無水物を併用して、加熱硬化型塗料としても使用するこ
とができる。塗料の調製に当たっては、含フッ素共重合
体の溶液中に、顔料、流動調節剤、紫外線吸収剤、分散
安定剤および酸化防止剤等の各種添加剤、並びに必要に
応じて他の樹脂等を加えてもよい。なお、含フッ素共重
合体をワニスとして用いる場合には、固形分濃度40〜
60重量%程度にすると良い。
【0012】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明をさらに具
体的に説明する。 実施例1 (カルボキシル含有共重合体の合成)攪拌機を備えた1
リットルのオートクレーブに酢酸エチル270g、ター
シャリーブチルパーオキシピバレート3.5gを仕込ん
だ後、ピバリン酸ビニル179(1.4モル)g、クロト
ン酸80g(0.9モル)を仕込む。窒素置換して減圧脱
気後に、クロロトリフルオロエチレン(以下CTFEと
略す)270g(2.3モル)を導入し、徐々に昇温する
(単量体の仕込みモル%;ピバリン酸ビニル/クロトン
酸/CTFE=30/20/50)。60℃で8時間重
合を行った後、未反応のCTFEを除去し、オートクレ
ーブを開放して、共重合体溶液を得た。得られた重合体
溶液を減圧下に加熱して、乾固させることにより、39
7gの共重合体を得た(収率75%)。得られた共重合
体の酸価は、61mgKOH/gで、数平均分子量は7
600であり、それを構成する各単量体単位の割合につ
いては、クロトン酸の量を酸価によって求め、CTFE
の量をアリザリンコンプレクソン法で測定し、残量をピ
バリン酸ビニルとした結果、ピバリン酸ビニル/クロト
ン酸/CTFE=39/13/48(モル%)であっ
た。 (エポキシ化合物との反応)攪拌機を備えた1リットル
の反応器に、上記重合により得られたカルボキシル含有
共重合体200gおよびテトラヒドロフラン(以下TH
Fと略す)200g(カルボキシル基のモル数で0.22
モル)を仕込み、攪拌して均一にした後、トリメチルベ
ンジルアンモニウムクロライド0.5gおよびグリシジ
ルイソプロピルエーテル21.5g(0.185モル)を加
え、80℃で5時間反応させ、カルボキシル基および水
酸基を有する含フッ素共重合体を製造した。得られた含
フッ素共重合体における官能基の量は、それぞれ水酸基
価47mgKOH/g(水酸基含有単量体単位のモル%
で11モル%)、酸価8mgKOH/g(カルボキシル
含有単量体単位のモル%で2モル%)であった。
体的に説明する。 実施例1 (カルボキシル含有共重合体の合成)攪拌機を備えた1
リットルのオートクレーブに酢酸エチル270g、ター
シャリーブチルパーオキシピバレート3.5gを仕込ん
だ後、ピバリン酸ビニル179(1.4モル)g、クロト
ン酸80g(0.9モル)を仕込む。窒素置換して減圧脱
気後に、クロロトリフルオロエチレン(以下CTFEと
略す)270g(2.3モル)を導入し、徐々に昇温する
(単量体の仕込みモル%;ピバリン酸ビニル/クロトン
酸/CTFE=30/20/50)。60℃で8時間重
合を行った後、未反応のCTFEを除去し、オートクレ
ーブを開放して、共重合体溶液を得た。得られた重合体
溶液を減圧下に加熱して、乾固させることにより、39
7gの共重合体を得た(収率75%)。得られた共重合
体の酸価は、61mgKOH/gで、数平均分子量は7
600であり、それを構成する各単量体単位の割合につ
いては、クロトン酸の量を酸価によって求め、CTFE
の量をアリザリンコンプレクソン法で測定し、残量をピ
バリン酸ビニルとした結果、ピバリン酸ビニル/クロト
ン酸/CTFE=39/13/48(モル%)であっ
た。 (エポキシ化合物との反応)攪拌機を備えた1リットル
の反応器に、上記重合により得られたカルボキシル含有
共重合体200gおよびテトラヒドロフラン(以下TH
Fと略す)200g(カルボキシル基のモル数で0.22
モル)を仕込み、攪拌して均一にした後、トリメチルベ
ンジルアンモニウムクロライド0.5gおよびグリシジ
ルイソプロピルエーテル21.5g(0.185モル)を加
え、80℃で5時間反応させ、カルボキシル基および水
酸基を有する含フッ素共重合体を製造した。得られた含
フッ素共重合体における官能基の量は、それぞれ水酸基
価47mgKOH/g(水酸基含有単量体単位のモル%
で11モル%)、酸価8mgKOH/g(カルボキシル
含有単量体単位のモル%で2モル%)であった。
【0013】実施例2 実施例1で得られたカルボキシル基含有共重合体200
gをTHF200gに溶解させた溶液に、トリメチルベ
ンジルアンモニウムクロライド0.5gおよびグリシド
ール13.7g(0.185モル)を加え、80℃で5時間
反応させることにより、水酸基価が98mgKOH/g
(水酸基含有単量体単位のモル%で11モル%)で、酸
価が8mgKOH/g(カルボキシル含有単量体単位の
モル%で2モル%)である含フッ素共重合体を製造し
た。
gをTHF200gに溶解させた溶液に、トリメチルベ
ンジルアンモニウムクロライド0.5gおよびグリシド
ール13.7g(0.185モル)を加え、80℃で5時間
反応させることにより、水酸基価が98mgKOH/g
(水酸基含有単量体単位のモル%で11モル%)で、酸
価が8mgKOH/g(カルボキシル含有単量体単位の
モル%で2モル%)である含フッ素共重合体を製造し
た。
【0014】実施例3 実施例1と同様な操作によって、ピバリン酸ビニル11
9g(0.93モル)、クロトン酸120g(1.39モ
ル)およびCTFE270g(2.32モル)を共重合し
て(単量体の仕込みモル%;ピバリン酸ビニル/クロト
ン酸/CTFE=20/30/50)、カルボキシル含
有共重合体を得た。得られた重合体溶液を減圧下に加熱
して、乾固させることにより、315gの共重合体を得
た(収率69%)。得られた共重合体の酸価は、106
mgKOH/gで、数平均分子量は7500であり、そ
れを構成する各単量体単位の割合は、実施例1と同様な
方法に測定した結果、ピバリン酸ビニル/クロトン酸/
CTFE=32/22/47(モル%)であった。次
に、カルボキシル含有共重合体200g(カルボキシル
基のモル数で0.378モル)当たり、グリシジルイソプ
ロピルエーテル20g(0.172モル)を反応させ、水
酸基価が44mgKOH/g(水酸基含有単量体単位の
モル%で9.8モル%)で、酸価が53mgKOH/g
(カルボキシル含有単量体単位のモル%で12モル%)
であるた含フッ素共重合体を製造した。
9g(0.93モル)、クロトン酸120g(1.39モ
ル)およびCTFE270g(2.32モル)を共重合し
て(単量体の仕込みモル%;ピバリン酸ビニル/クロト
ン酸/CTFE=20/30/50)、カルボキシル含
有共重合体を得た。得られた重合体溶液を減圧下に加熱
して、乾固させることにより、315gの共重合体を得
た(収率69%)。得られた共重合体の酸価は、106
mgKOH/gで、数平均分子量は7500であり、そ
れを構成する各単量体単位の割合は、実施例1と同様な
方法に測定した結果、ピバリン酸ビニル/クロトン酸/
CTFE=32/22/47(モル%)であった。次
に、カルボキシル含有共重合体200g(カルボキシル
基のモル数で0.378モル)当たり、グリシジルイソプ
ロピルエーテル20g(0.172モル)を反応させ、水
酸基価が44mgKOH/g(水酸基含有単量体単位の
モル%で9.8モル%)で、酸価が53mgKOH/g
(カルボキシル含有単量体単位のモル%で12モル%)
であるた含フッ素共重合体を製造した。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、顔料を良好に分散し、
また基材に対して優れた密着性を示すのに必要な量の水
酸基およびカルボキシル基を有し、しかも、未重合の単
量体を含有しない、塗料用に極めて好適な含フッ素共重
合体が容易に得られる。
また基材に対して優れた密着性を示すのに必要な量の水
酸基およびカルボキシル基を有し、しかも、未重合の単
量体を含有しない、塗料用に極めて好適な含フッ素共重
合体が容易に得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08F 214/18 220:04 218:02) (72)発明者 丸本 悦造 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成化学工業株式会社 名古屋総合 研究所内 (72)発明者 飯田 晃人 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成化学工業株式会社 名古屋総合 研究所内 審査官 油科 壮一 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 8/00,8/14
Claims (1)
- 【請求項1】フルオロオレフィン単量体単位、クロトン
酸単量体単位、カルボン酸ビニル単量体単位またはアル
キルビニルエーテル単量体単位、および所望により他の
ラジカル重合性単量体単位からなり、全単量体単位の合
計量を基準としてクロトン酸単量体単位を3〜30モル
%含有する共重合体中のカルボキシル基の一部とエボキ
シ化合物を反応させることにより、前記共重合体中に水
酸基を導入することを特徴とする、水酸基およびカルボ
キシル基を有する含フッ素共重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12173091A JP2884819B2 (ja) | 1991-04-25 | 1991-04-25 | 含フッ素共重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12173091A JP2884819B2 (ja) | 1991-04-25 | 1991-04-25 | 含フッ素共重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04325502A JPH04325502A (ja) | 1992-11-13 |
JP2884819B2 true JP2884819B2 (ja) | 1999-04-19 |
Family
ID=14818465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12173091A Expired - Fee Related JP2884819B2 (ja) | 1991-04-25 | 1991-04-25 | 含フッ素共重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2884819B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5352511A (en) * | 1993-11-15 | 1994-10-04 | W. L. Gore & Associates, Onc. | Hydrophilic compositions with increased thermal resistance |
JP2015194681A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-11-05 | 住友理工株式会社 | 無端ベルト |
-
1991
- 1991-04-25 JP JP12173091A patent/JP2884819B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04325502A (ja) | 1992-11-13 |
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