JP2874552B2 - 連続鋳造機鋳型内の湯面レベル制御方法及びその装置 - Google Patents
連続鋳造機鋳型内の湯面レベル制御方法及びその装置Info
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Description
面レベルを制御する方法及びその実施に使用する装置に
関する。
鋳型に溶融金属(溶湯)を注入し、該鋳型の水冷された
内壁に溶湯を接触させることによって冷却し、外側を凝
固シェルにて被膜された鋳片を得て、これを鋳型の下側
開口部から連続的に引き抜きつつ更に冷却し、内側にま
で凝固が進行した後に所定の寸法に切断して、圧延等の
後工程での素材となる製品鋳片を得る手順にて行われ
る。
出,ブレークアウトの発生等、安定操業を阻害する各種
の不都合を未然に防止し、生産能力の向上を図ると共
に、鋳型内部での冷却,凝固状態を安定化させ、製品鋳
片の品質向上を図るべく、鋳型内部に注入した溶湯を予
め定めた目標レベルに維持する湯面レベル制御が行われ
ている。
レベルを検出し、この検出結果と目標レベルとの偏差に
基づく比例積分微分(PID)演算により、鋳型への注
湯を行うための注湯手段(スライディングノズル等)の
開度調節量を求め、これを実現すべく前記注湯手段の駆
動源(油圧シリンダ等)を動作させるフィードバック制
御により行われていた。
開昭62−192246号公報に開示されているように、制御精
度を向上させるべくPID演算のゲインを大きくした場
合、注湯手段の開度調節が過度に行われる結果、湯面レ
ベルの変動が目標レベルを越え、これを整定させるまで
に時間を要し、却って制御精度が悪化するという問題が
あった。
の1つとして、本願出願人により特開平3−142469号公
報に提案された最適制御方法がある。この方法は、湯面
レベルに影響を及ぼす状態量、即ち、注湯手段の開度,
鋳型内部の湯面レベル,及び鋳込み速度のそれぞれに対
する最適制御ゲインを、開度の応答特性,湯面レベルの
応答特性及び評価関数に基づいて求め、現状の湯面レベ
ルと目標レベルとの偏差(制御偏差)及び各状態量の検
出値と前記最適制御ゲインとに基づいて算出した開度変
更量となるように制御するものである。
手段の開度Xとすると、その応答特性は開度指令Uを含
む次式により表される。 Xn =a1 Xn-1 +a2 Xn-2 +b1 Un-1 +b2 Un-2 …(11) 但し、a1 ,a2 :応答特性の開度における定数 b1 ,b2 :応答特性の開度指令における定数 n:制御タイミング
答特性は、開度X及び鋳込み速度Vを含む次式により表
される。 Yn =c1 Yn-1 +c2 Yn-2 +d1 Xn-2 +d2 Xn-3 +f1 Vn-1 +f2 Vn-2 …(12) 但し、c1 ,c2 :応答特性の湯面レベルにおける定数 d1 ,d2 :応答特性の開度における定数 f1 ,f2 :応答特性の鋳込み速度における定数
と、開度X,湯面レベルY,開度指令U及び鋳込み速度
Vの変化量ΔX,ΔY,ΔU,ΔVと、これらに対する
最適制御ゲインk1 〜k9 とを含む次式にて表される。 ΔU* =k1 En +k2 ΔYn +k3 ΔYn-1 +k4 ΔXn +k5 ΔXn-1 +k6 ΔXn-2 +k7 ΔUn-1 +k8 ΔVn +k9 ΔVn-1 …(13)
ンk1 〜k9 の値を、前記(11)式及び(12)式に基づ
いて状態マトリックスを求め、制御偏差E,開度指令U
及び重み係数ωを含む次の(14)式にて表される評価関
数Jを最小とすべく、リカッチの方程式を解くことによ
って求める。そして開度X,湯面レベルY及び鋳込み速
度Vを測定し、(13)式に基づいて算出した開度変更量
ΔU* となるように注湯手段の駆動源の動作を制御す
る。
機においては、一時的に、湯面レベルに短周期の変動が
発生することがあり、このような短周期の湯面レベルの
変動に対して従来の制御方法を適用すると、この変動が
継続し又は増大して安定操業ができないという問題があ
った。そこで、これを防止すべくオペレータが制御ゲイ
ンの値を減少させる調整を行って湯面レベルの制御の安
定性を増加させていた。しかし、調整後の制御ゲインに
て操業を継続すると、制御の応答が十分でないため良好
な湯面レベル制御精度が得られず、凝固状態の不安定化
を招いて製品鋳片の品質が低下するため、制御ゲインを
増加させる再調整を行わなければならず、操作が煩雑で
あるという問題があった。
であって、その目的とするところは湯面レベルの変動状
態に応じた最適制御ゲインに変更することによって、オ
ペレータによらずとも操業中、制御精度を良好に保ち得
る連続鋳造機鋳型内の湯面レベル制御方法及びその実施
に使用する装置を提供することにある。
機鋳型内の湯面レベル制御方法は、鋳型内の湯面レベル
を検出し、その検出値に基づいて求めた制御ゲインを用
いて連続鋳造機鋳型内の湯面レベルを制御する方法にお
いて、検出した湯面レベルの変動に基づいて、所定の時
間T2 より短い周期の変動幅が所定値以上ある場合は前
記制御ゲインを小さくし、時間T1 (T1 >T2 )から
時間T2 間の周期の変動幅が所定値以上ある場合は前記
制御ゲインを大きくすることを特徴とする。
ベル制御方法は、鋳型内の湯面レベルを検出し、その検
出値に基づいて求めた制御ゲインを用いて連続鋳造機鋳
型内の湯面レベルを制御する方法において、現在から時
間T1 前までの時間領域における湯面レベルの変動幅に
基づいて第1指標を算出し、前記時間領域を時間T
2(T2 <T1 )ずつに分割したそれぞれの時間領域に
おける湯面レベルの変動幅に基づいて第2指標を算出
し、算出した第1指標及び第2指標と各々に対応する閾
値とを比較し、第2指標がそれに対応する閾値より大き
い場合は前記制御ゲインを小さくし、第2指標がそれに
対応する閾値より小さく、第1指標がそれに対応する閾
値より大きい場合は前記制御ゲインを大きくすることを
特徴とする。
ベル制御方法は、第1及び第2発明において、前記時間
T1 ,T2 は、種々の周期の湯面レベルの変動に対して
異なる値の制御ゲインを適用した場合の制御の効果に基
づいて定めることを特徴とする。
ベル制御装置は、鋳型内の湯面レベルを検出し、その検
出値に基づいて求めた制御ゲインを用いて連続鋳造機鋳
型内の湯面レベルを制御する装置において、検出した湯
面レベルの変動に基づいて、所定の時間T2 より短い周
期の変動幅及び時間T1 (T1 >T2 )から時間T2間
の周期の変動幅を算出する変動幅算出手段と、該変動幅
算出手段にて算出された変動幅それぞれと各々に対応す
る所定値とを比較する比較手段と、該比較手段の結果に
基づいて、時間T2 より短い周期の変動幅が所定値以上
ある場合は前記制御ゲインを小さくし、時間T1 から時
間T2 間の周期の変動幅が所定値以上ある場合は前記制
御ゲインを大きくする制御ゲイン調整手段とを備えるこ
とを特徴とする。
ベル制御装置は、鋳型内の湯面レベルを検出し、その検
出値に基づいて求めた制御ゲインを用いて連続鋳造機鋳
型内の湯面レベルを制御する装置において、現在から時
間T1 前までの時間領域における湯面レベルの変動幅に
基づいて第1指標を算出する第1指標算出手段と、前記
時間領域を時間T2 (T2 <T1 )ずつに分割したそれ
ぞれの時間領域における湯面レベルの変動幅に基づいて
第2指標を算出する第2指標算出手段と、両指標算出手
段が算出した第1指標及び第2指標と各々に対応する閾
値とを比較する比較手段と、第2指標がそれに対応する
閾値より大きい場合は前記制御ゲインを小さくし、第2
指標がそれに対応する閾値より小さく、第1指標がそれ
に対応する閾値より大きい場合は前記制御ゲインを大き
くする制御ゲイン調整手段とを備えることを特徴とす
る。
て異なる値の制御ゲインを適用した場合の制御効果をシ
ミュレーションした結果を示すグラフである。図1にお
いて横軸は、変動の周期を長周期から短周期に向かって
示しており、縦軸は、制御効果を(制御時の変動幅/非
制御時の変動幅)として示している。従って、この比の
値が小さな値である程、その制御効果は高い。また破線
は小さい値の制御ゲインを適用した場合を、実線は大き
い値の制御ゲインを適用した場合をそれぞれ示してい
る。図1から明らかな如く、湯面レベルの変動の周期が
時間T1 より長い場合は、制御ゲインの大小に拘わらず
これを略完全に解消することができる。
くなるに従って、制御効果が徐々に減少するが、大きい
値の制御ゲインを適用した方が小さい値を適用するより
制御効果の減少カーブは緩やかである。一方、小さい値
の制御ゲインを適用した場合は、湯面レベルの変動の周
期が短くなるに従って略直線的に制御効果が低下し、大
きい値の制御ゲインを適用した場合よりも長周期側に
て、その制御効果が略1.0 になるものの、変動の周期が
更に短くなった場合でもその状態を維持している。これ
に対し、大きい値の制御ゲインを適用した場合は、短周
期側の時間T2 にてその制御効果は小さい値の制御ゲイ
ンを適用した場合と同じ程度(略1.0 )まで低下し、そ
の周期が時間T2 より短くなると更に制御効果が低下す
る。
時間T2 より短い周期の変動幅が所定値以上ある場合は
制御ゲインを小さくする。これによって制御効果の低下
を抑制しつつ、湯面レベルの変動が解消する。そして、
時間T1 から時間T2 間の周期の変動幅が所定値以上で
ある場合は、制御ゲインを大きくする。これによって制
御効果が大きくなる。またどちらでもない場合は、制御
ゲインは適当であるとして、前述した変更を行わない。
を第2時間T2 ずつに分割し、それぞれの時間領域にお
ける湯面レベルの変動幅に基づいて第2指標を算出す
る。これによって、時間T2 より短い周期の変動幅に関
する指標が得られる。そして第2指標と、それに応じて
予め設定された閾値とを比較し、該閾値より第2指標が
大きい場合は、湯面レベルの変動は時間T2 より短い周
期のものが多いと判断し、制御ゲインを小さくする。
おける湯面レベルの変動幅に基づいて第1指標を算出す
る。これによって、時間T1 より短い周期の変動幅に関
する指標が得られる。そして、第2指標がそれに対応す
る閾値より小さい場合、第1指標と、それに応じて予め
設定された閾値とを比較し、該閾値より第1指標が大き
い場合は、湯面レベルの変動は時間T2 より短い周期の
ものが少なく、時間T 1 より短い周期のものが多いと判
断し、制御ゲインを大きくする。
する閾値より小さい場合は現在の制御ゲインが適当であ
るとして、現在と同じ制御ゲインとする。これによって
湯面レベルの変動を詳細に解析することなく、制御に要
する湯面レベルの情報を容易に得ることができる。
て具体的に説明する。図2は本発明に係る連続鋳造機の
模式図及びその制御系を示すブロック図であり、図中T
はその内部に溶湯3を貯留するタンディッシュである。
タンディッシュTの下方には所定距離を隔てて、上下に
開口を有する鋳型Mが配してあり、鋳型Mの内部には、
タンディッシュTの底面にその基端を開口させた浸漬ノ
ズル4が延設されている。タンディッシュT内の溶湯3
は、浸漬ノズル4を介して鋳型Mに注入され、鋳型Mの
内壁との接触により冷却されて外側を凝固シェル50にて
被覆された鋳片5となり、外側に転接するピンチロール
6,6の回転により、鋳型Mの下方に連続的に引き抜か
れつつ更に冷却され、内側にまで凝固が進行した後に適
宜の寸法に切断されて製品鋳片となる。
と略直交する面内でのゲート板7aの移動により浸漬ノズ
ル4を開閉して、鋳型Mへの注湯量を調節するスライデ
ィングノズル7が固定してある。前記ゲート板7aは、油
圧シリンダ8の出力ロッドの先端に連結され、スライデ
ィングノズル7の開度調節は、油圧シリンダ8の進退動
作によりゲート板7aを移動させて行われる。
ル7の開度は、油圧シリンダ8に付設された開度検出器
70により、出力ロッドの進退位置を媒介として検出され
る。また、スライディングノズル7を経て注入されて、
鋳型Mの内部に滞留する溶湯3の湯面レベルは、該溶湯
3に臨ませて配されたレベル検出器30により検出され
る。更に、鋳片5に引き抜き力を付与するピンチロール
6,6には、これらの回転数を媒介として溶湯3の鋳込
み速度を検出する鋳込み速度検出器60が付設されてい
る。
部の湯面レベル、鋳込み速度検出器60により検出された
鋳込み速度、及び開度検出器70により検出されたスライ
ディングノズル7のノズル開度は、制御目標となる目標
レベルと共に、開度制御部1に与えられる。開度制御部
1は、各検出値と目標レベルとに基づいて、後述する如
く、目標レベルを実現するためのスライディングノズル
7の開度を演算して、その演算結果を開度指令としてシ
リンダ制御部2に与える。
により検出されるスライディングノズル7のノズル開度
が与えられており、シリンダ制御部2は、開度制御部1
から与えられた開度指令と、スライディングノズル7の
ノズル開度との偏差を求め、該偏差を解消すべく油圧シ
リンダ8に動作指令を発する。そしてこの動作指令によ
って油圧シリンダ8が進退動作を行い、ゲート板7aを開
閉してスライディングノズル7の開度を調節する。
示すブロック図であり、図4は開度制御部1の動作手順
を示すフローチャートである。開度制御部1の周波数成
分演算部12には湯面レベルYが与えられるようになって
おり、後述する如く、各制御タイミングにおける湯面レ
ベルの変動幅を算出する(ステップS1)。また周波数
成分演算部12には、後述する如くシミュレーションにて
求めた第1時間T1 及び第2時間T2 (T1 >T2 )が
予め与えられており、現在から第1時間T1 前まで(第
1区間)の湯面レベルYの変動幅H0 、第1区間を第2
時間T2 毎に分割した複数の第2区間における変動幅の
平均値である第2湯面変動指標H2 、及び変動幅H0 と
第2湯面変動指標H2 との比である第1湯面変動指標H
1 を算出し(ステップS2)て、これを制御ゲイン選択
部13に与える。なお、これら変動周波数成分を表す第1
湯面変動指標H1 及び第2湯面変動指標H2 は、第2時
間T2 毎に算出する。
及び各重み係数ωに係る最適制御ゲインk1 〜k9 を有
するテーブルと、前記第1湯面変動指標H1 及び第2湯
面変動指標H2 に対応する閾値THD1 ,THD2 とが
予め設定されており、制御ゲイン選択部13は第2湯面変
動指標H2 と閾値THD2 とを比較し(ステップS
3)、H2 ≧THD2 であった場合は、次の表1の如
く、重み係数ωが1ポイント小さい値にて算出された最
適制御ゲインk1 〜k9 を選択し(ステップS4)、そ
れを開度変更量演算部10に与える。
に、第1湯面変動指標H1 と閾値THD1 とを比較し
(ステップS5)、H1 ≧THD1 であった場合は、重
み係数ωが1ポイント大きい値にて算出された最適制御
ゲインk1 〜k9 を選択し(ステップS6)、H1 <T
HD1 であった場合は、現在の最適制御ゲインk1 〜k
9を選択し(ステップS7)、それを開度変更量演算部1
0に与える。なお閾値THD1 は1.1 〜5.0 の値であ
り、後述する如く、現在から第1時間T1 前までの湯面
レベルYの変動幅H0 に応じて変更する。またTHD2
は、短周期の変動が一時的に発生した区間を除いた区間
において、制御ゲインが適切である場合の湯面レベルの
最大変動幅である。
鋳込み速度V,開度指令U,及びノズル開度Xが目標レ
ベルと共に与えられるようになっており、開度変更量演
算部10は次の(1)式中の最適制御ゲインk1 〜k9 を
制御ゲイン選択部13から与えられた値に更新し(ステッ
プS8)てノズル開度変更量ΔU* を算出し(ステップ
S9)、それを開度指令修正部11に与える。開度指令修
正部11は開度指令Uにノズル開度変更量ΔU* を加えた
新たな開度指令Uをシリンダ制御部2(図2参照)へ出
力する(ステップS10)ようになっている。 ΔU* =k1 En +k2 ΔYn +k3 ΔYn-1 +k4 ΔXn +k5 ΔXn-1 +k6 ΔXn-2 +k7 ΔUn-1 +k8 ΔVn +k9 ΔVn-1 …(1) 但し、E :制御偏差 ΔX:ノズル開度Xの変化量 ΔY:湯面レベルYの変化量 ΔU:開度指令Uの変化量 ΔV:鋳込み速度Vの変化量 k1 〜k9 :最適制御ゲイン n :制御タイミング
発生した場合、これに即応して制御の安定性が増加する
方向,即ち重み係数ωが大きい方向へ最適制御ゲインk
1 〜k9 が逐次更新されて、制御精度が高レベルに維持
された状態にて前記変動が解消される。そして変動が解
消されるに従い、制御の応答性が高い方向,即ち重み係
数ωが大きい方向へ最適制御ゲインk1 〜k9 が逐次更
新されて、制御精度が向上する。
について詳述する。図5はシミュレーション装置の構成
を示すブロック図であり、図中21は開度変更量演算部で
ある。開度変更量演算部21には目標レベル,開度指令
U,鋳込み速度V,ノズル開度X,及び湯面レベルYD
が入力されるようになっている。また開度変更量演算部
21には前述した(1)式が設定してあり、開度変更量演
算部21は(1)式に前記各入力値を代入してノズル開度
変更量ΔU* を算出し、それを加算器22へ出力する。
フィードバックして入力するようになっており、開度指
令Uに前述したノズル開度変更量ΔU* を加えた新たな
開度指令Uをプロセスシミュレート部23の開度演算部24
へ出力すると共に、前述した開度変更量演算部21へ与え
る。開度演算部24は開度指令Uに基づいて次の(2)式
にてノズル開度Xを演算して、それを湯面レベル演算部
25へ出力すると共に、開度変更量演算部21に与える。 Xn =a1 Xn-1 +a2 Xn-2 +b1 Un-1 +b2 Un-2 …(2) 但し、a1 ,a2 :応答特性の開度における定数 b1 ,b2 :応答特性の開度指令における定数
が与えられるようになっており、次の(3)式にて湯面
レベルYを算出してそれを加算器26へ出力する。 Yn =c1 Yn-1 +c2 Yn-2 +d1 Xn-2 +d2 Xn-3 +f1 Vn-1 +f2 Vn-2 …(3) 但し、c1 ,c2 :応答特性の湯面レベルにおける定数 d1 ,d2 :応答特性の開度における定数 f1 ,f2 :応答特性の鋳込み速度における定数
られるようになっており、湯面レベルYと外乱Dとを加
算した湯面レベルYD を出力すると共に、それを開度変
更演算部21に与える。そして次の手順にてシミュレーシ
ョンを行うことによって前述した図1のグラフを得る。
セスシミュレート部23の出力値である湯面レベルYD の
変動幅を得る。次に外乱Dの周期を種々変更して、湯面
レベルYD の変動幅を得る。更に、前述した(2)式,
(3)式及び重み係数ωを含む評価関数である次の
(4)式に基づいて算出される最適制御ゲインk1 〜k
9を、重み係数ωの値を変更させることによって、複数
の重み係数ω及び該重み係数ωに係る最適制御ゲインk
1 〜k9 を有するテーブルを予め用意しておき、前述し
た(1)式の最適制御ゲインk1 〜k9 を順次変更し
て、前同様に湯面レベルYD の変動幅を得る。一方
(1)式において最適制御ゲインk1 〜k9 を零とする
ことによって非制御時の湯面レベルYD の変動幅を得
る。これらを整理すると図1のグラフが得られる。
を適用した場合の曲線(実線)と大きい重み係数ωを適
用した場合の曲線(破線)との2交点をそれぞれ求め
る。そして両交点の内、短周期側の交点の周期を第2時
間T2 とし、該第2時間T2 の整数倍で2曲線の他の交
点に最も近い周期を第1時間T1 とする。
2湯面変動指標H2 を求める方法について詳述する。現
在より第1時間T1 前までの各制御タイミング(n,n
−1,…,n−A+1;A=T1 /t,tは制御周期)
における湯面レベルYn 〜Y n-A+1 を次の表2の如く用
意し、その最大値Fmax 及び最小値Fmin を求める。
n-A+1 を、第2時間T2 毎に分割して、各区分の湯面レ
ベルYn 〜Yn-B+1 ,Yn-B 〜Yn-2B+1,…,Yn-A+B
〜Yn-A+1 (B=T2 /t)における最大値Gmax 1 ,
Gmax 2 ,…,Gmax m、最小値Gmi n 1 ,Gmin 2 ,
…,Gmin mをそれぞれ求める(m=T1 /T2 )。そ
して第1湯面変動指標H1 及び第2湯面変動指標H2 を
次の(5)式及び(6)式にて求める。
る。図6は、本発明方法と従来法とを同一条件にて実施
し、両者における湯面レベルの変動状態を比較した結果
を示すグラフである。図6(a)は本発明方法による結
果を、また(b)は従来法による結果をそれぞれ示して
いる。なお比較試験に使用した連続鋳造機にあっては、
本発明方法による閾値THD2 は4.0 であり、閾値TH
D1 は前述した偏差H0 の値に応じて変更する。
る閾値THD1 の値と偏差H0 との関係を示すグラフで
ある。図7の如く、偏差H0 が大きくなるに従って閾値
THD1 の値を小さくする。
来法においては±3.0 mmのレベル変動が生じているのに
対し、本発明方法におけるレベル変動はその略1/2の
±1.5 mmであり、制御精度が略2倍向上した。
造機の湯面レベル制御方法にあっては、検出した湯面レ
ベルの変動に基づいて、時間T2 より短い周期の変動が
所定以上ある場合は前記制御ゲインを小さくし、時間T
1 (T1 >T2 )から時間T2の間の周期の変動が所定
以上ある場合は前記制御ゲインを大きくするため、オペ
レータによらずとも、湯面レベルの変動の周期に応じた
制御ゲインに自動的に変更され、操業中の制御精度が良
好に保たれる。
御方法にあっては、現在から時間T 1 前までの時間領域
における湯面レベルの変動幅に基づいて第1指標を算出
し、前記時間領域を時間T2 ずつに分割したそれぞれの
時間領域における湯面レベルの変動幅に基づいて第2指
標を算出するため、本発明に対応した指標が容易に算出
され、またその算出速度が速い。
御方法にあっては、時間T1 ,T2は、種々の周期の湯
面レベルの変動に対して異なる値の制御ゲインを適用し
た場合の制御の効果に基づいて定めるため、連続鋳造機
の各鋳型に対応して適切に両時間を定めることができ、
制御精度が向上する。
御装置にあっては、検出した湯面レベルの変動に基づい
て、所定の時間T2 より短い周期の変動幅及び時間T1
(T 1 >T2 )から時間T2 間の周期の変動幅を算出す
る変動幅算出手段と、該変動幅算出手段にて算出された
変動幅それぞれと各々に対応する所定値とを比較する比
較手段と、該比較手段の結果に基づいて、時間T2 より
短い周期の変動幅が所定値以上ある場合は前記制御ゲイ
ンを小さくし、時間T1 から時間T2 間の周期の変動幅
が所定値以上ある場合は前記制御ゲインを大きくする制
御ゲイン調整手段とを備えるため、オペレータによらず
とも、湯面レベルの変動の周期に応じた制御ゲインに自
動的に変更され、操業中の制御精度が良好に保たれる。
御装置にあっては、現在から予め定めた時間T1 前まで
の時間領域における湯面レベルの変動幅に基づいて第1
指標を算出する第1指標算出手段と、前記時間領域を予
め定めた時間T2 (T2 <T 1 )ずつに分割したそれぞ
れの時間領域における湯面レベルの変動幅に基づいて第
2指標を算出する第2指標算出手段とを備えるため、本
発明に対応した指標が容易に算出され、またその算出速
度が速い。
値の制御ゲインを適用した場合の制御効果をシミュレー
ションした結果を示すグラフである。
系を示すブロック図であ。
図である。
ある。
である。
両者における湯面レベルの変動状態を比較した結果を示
すグラフである。
D1 の値と偏差H0 との関係を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 鋳型内の湯面レベルを検出し、その検出
値に基づいて求めた制御ゲインを用いて連続鋳造機鋳型
内の湯面レベルを制御する方法において、 検出した湯面レベルの変動に基づいて、所定の時間T2
より短い周期の変動幅が所定値以上ある場合は前記制御
ゲインを小さくし、時間T1 (T1 >T2 )から時間T
2 間の周期の変動幅が所定値以上ある場合は前記制御ゲ
インを大きくすることを特徴とする連続鋳造機鋳型内の
湯面レベル制御方法。 - 【請求項2】 鋳型内の湯面レベルを検出し、その検出
値に基づいて求めた制御ゲインを用いて連続鋳造機鋳型
内の湯面レベルを制御する方法において、 現在から時間T1 前までの時間領域における湯面レベル
の変動幅に基づいて第1指標を算出し、前記時間領域を
時間T2 (T2 <T1 )ずつに分割したそれぞれの時間
領域における湯面レベルの変動幅に基づいて第2指標を
算出し、算出した第1指標及び第2指標と各々に対応す
る閾値とを比較し、第2指標がそれに対応する閾値より
大きい場合は前記制御ゲインを小さくし、第2指標がそ
れに対応する閾値より小さく、第1指標がそれに対応す
る閾値より大きい場合は前記制御ゲインを大きくするこ
とを特徴とする連続鋳造機鋳型内の湯面レベル制御方
法。 - 【請求項3】 前記時間T1 ,T2 は、種々の周期の湯
面レベルの変動に対して異なる値の制御ゲインを適用し
た場合の制御の効果に基づいて定める請求項1又は2記
載の連続鋳造機鋳型内の湯面レベル制御方法。 - 【請求項4】 鋳型内の湯面レベルを検出し、その検出
値に基づいて求めた制御ゲインを用いて連続鋳造機鋳型
内の湯面レベルを制御する装置において、 検出した湯面レベルの変動に基づいて、所定の時間T2
より短い周期の変動幅及び時間T1 (T1 >T2 )から
時間T2 間の周期の変動幅を算出する変動幅算出手段
と、該変動幅算出手段にて算出された変動幅それぞれと
各々に対応する所定値とを比較する比較手段と、該比較
手段の結果に基づいて、時間T2 より短い周期の変動幅
が所定値以上ある場合は前記制御ゲインを小さくし、時
間T1 から時間T2 間の周期の変動幅が所定値以上ある
場合は前記制御ゲインを大きくする制御ゲイン調整手段
とを備えることを特徴とする連続鋳造機鋳型内の湯面レ
ベル制御装置。 - 【請求項5】 鋳型内の湯面レベルを検出し、その検出
値に基づいて求めた制御ゲインを用いて連続鋳造機鋳型
内の湯面レベルを制御する装置において、 現在から時間T1 前までの時間領域における湯面レベル
の変動幅に基づいて第1指標を算出する第1指標算出手
段と、前記時間領域を時間T2 (T2 <T1 )ずつに分
割したそれぞれの時間領域における湯面レベルの変動幅
に基づいて第2指標を算出する第2指標算出手段と、両
指標算出手段が算出した第1指標及び第2指標と各々に
対応する閾値とを比較する比較手段と、第2指標がそれ
に対応する閾値より大きい場合は前記制御ゲインを小さ
くし、第2指標がそれに対応する閾値より小さく、第1
指標がそれに対応する閾値より大きい場合は前記制御ゲ
インを大きくする制御ゲイン調整手段とを備えることを
特徴とする連続鋳造機鋳型内の湯面レベル制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9641694A JP2874552B2 (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | 連続鋳造機鋳型内の湯面レベル制御方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9641694A JP2874552B2 (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | 連続鋳造機鋳型内の湯面レベル制御方法及びその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07299551A JPH07299551A (ja) | 1995-11-14 |
JP2874552B2 true JP2874552B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=14164375
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP9641694A Expired - Lifetime JP2874552B2 (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | 連続鋳造機鋳型内の湯面レベル制御方法及びその装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2874552B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3277864B2 (ja) * | 1997-06-25 | 2002-04-22 | 日本鋼管株式会社 | 連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法 |
CN110586891A (zh) * | 2019-09-30 | 2019-12-20 | 河钢股份有限公司 | 一种连铸结晶器液面控制精度的评价方法 |
-
1994
- 1994-05-10 JP JP9641694A patent/JP2874552B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07299551A (ja) | 1995-11-14 |
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