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JP2869560B2 - 機能性包体 - Google Patents

機能性包体

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Publication number
JP2869560B2
JP2869560B2 JP8830689A JP8830689A JP2869560B2 JP 2869560 B2 JP2869560 B2 JP 2869560B2 JP 8830689 A JP8830689 A JP 8830689A JP 8830689 A JP8830689 A JP 8830689A JP 2869560 B2 JP2869560 B2 JP 2869560B2
Authority
JP
Japan
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water
synthetic resin
resin film
functional
skin
Prior art date
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Application number
JP8830689A
Other languages
English (en)
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JPH02265547A (ja
Inventor
英雄 梅沢
一 六鹿
道康 伊藤
淳子 早川
永二 宮下
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Fueritsuku Kk
Original Assignee
Fueritsuku Kk
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Publication date
Application filed by Fueritsuku Kk filed Critical Fueritsuku Kk
Priority to JP8830689A priority Critical patent/JP2869560B2/ja
Publication of JPH02265547A publication Critical patent/JPH02265547A/ja
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Publication of JP2869560B2 publication Critical patent/JP2869560B2/ja
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  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明は皮膚の創傷部等の皮膚疾患の治療や皮膚の適
用部位の保護に好適に用いられる機能性包体に関するも
のである。
(b)従来の技術 傷等の皮膚疾患を効果的に治療するには、その傷等の
部位に清潔な布の当て、それを覆うように包帯を巻き付
けたり、傷の大きさに応じて、ガーゼ付き絆創膏、救急
包帯といわれる巻き包帯、三角布などが挙げられる。
ところで、傷は皮膚に何等かの力が加わり、その部分
の組織が離断された状態といわれている。
この傷口及びその近傍には体液が滞留し、しかも、こ
の傷口及びその近傍の組織は至極弱まっているため、こ
の傷箇所に、布を当てそれを覆うように包帯を巻き付け
たり、ガーゼ付き絆創膏や救急包帯といわれている巻き
包帯或いは三角布などを当てた場合、その傷口に流出し
た体液を介して、傷口と布や絆創膏等が接着し、この布
や絆創膏等を剥がすとき、傷口やその近傍を再度破壊、
傷を与え、激痛を感じたり、出血が生じる等の問題が生
じる。
そこで、最近では、ガーゼ付き絆創膏において、その
ガーゼにおける傷口への貼着面側に網目状のポリエチレ
ンフィルムを積層したものが提案されている。
このものは、体液との接着を避けるための網目状のポ
リエチレンフィルムをガーゼにおける傷口への貼着面側
に設けたものであり、このため、これを傷口等の適用部
位に適用後、剥離する際、傷口やその近傍の破壊が殆ど
なく痛みをさ程感じさせない点において優れている。
しかしながら、このものは、体液を網目状のポリエチ
レンフィルムの裏側に設けたガーゼに吸収させるのであ
るが、ガーゼはその自重の2〜3倍程度しか体液を吸収
することができず、しかもガーゼは体液の吸収性が乏し
く、このため体液などの老廃物が円滑にガーゼに吸収さ
れないために当該老廃物が皮膚表面に滞留して皮膚表面
を覆うことにより不潔になり、この結果、ばい菌が繁殖
しやすい環境となる。
このため、傷が軽い場合でも化膿を起こして傷が治り
難くなったり、傷の治癒に相当の期間を要することがあ
るなどの課題が有る。
そこで近年、非膠着性外科用当布として、片方の袋
体(1a)が非親水性の合成樹脂のシート状多孔性材料で
他方の袋体(1b)が非透水性の合成樹脂のフィルムで形
成された袋(1)の中に、吸収材(2)を介して吸水に
よりゲル化する吸水保水剤(3)を収納してなるものが
提案されている[実願昭55−77179号(実開昭57−2018
号)のマイクロフィルム]。
即ち、この非膠着性外科用当布は、外傷、火傷および
外科手術により生じた創傷面に適用されることを目的と
するものであって、この目的を達成するために、一方の
側が非親水性の合成樹脂のシート状多孔性材料と、もう
一方の側が非透水性の合成樹脂フィルムとからなる袋内
に、吸水性の紙または木綿ガーゼのような吸収材で変性
ポリビニル系重合体微粒子、でん粉アクリルニトリルグ
ラフト共重合体などの吸水保水剤を包んだものを収納さ
せてなるものである。
具体的には、例えば吸水保水剤が木綿ガーゼで包まれ
たものが、非親水性の合成樹脂シート状多孔性材料と、
非透水性の合成樹脂フィルムとで形成された袋内に収納
されてなるものが記載されている(本公報、第3頁、第
14〜15桁目)。
そして、上記非親水性の合成樹脂シート状多孔性材料
としては、シリコーンで表面処理された合成繊維、例え
ばナイロン、テトロン製ガーゼの他、ポリエステル、ナ
イロン、ポリエチレン、ポリ弗素エチレン、ポリ弗化炭
素系樹脂などの非親水性の薄膜が挙げられている(同、
第2頁、第18行目〜同、第3頁、第3行目)。
この外科用当布においては、合成樹脂シート状多孔性
材料が、外傷、火傷および外科手術により生じた皮膚創
傷面に直接当接され、この皮膚創傷面から分泌された漿
液、血液あるいは膿などの粘性が高く、しかも膠着性が
高い体液の吸収面となるものであって、非親水性の素材
で形成されている点に特徴を有する。
又、創傷被覆保護材として、液体に対しては不透過
性で基体に対しては透過性の材料から成り複数の貫通孔
を有する創面被覆材と、創面被覆材上に載せる交換可能
な吸収材と、液体に対しては不透過性で気体に対しては
透過性の材料から成り、且つ吸収材を覆う吸収材被覆材
とを備え、吸収材被覆材は吸収材を交換するとき開封し
得るように構成したものが提案されている[実開昭59−
165357号(実開昭61−80018号)のマイクロフィル
ム]。
この創傷被覆保護材は、滲出液を創面から積極的に排
出させ、長時間に亙って継続使用可能な創傷被覆保護材
を提供することを目的とし、この目的を達成するため
に、上記の創面被覆材、吸収材及び吸収材被覆材がこの
順序で積層され、皮膚面には創面被覆材が直接接するよ
うに適用される。
この創面被覆材は液体に対して不透過性であり、しか
もその中央部に複数の直径0.1〜2mm程度の貫通孔が形成
されており、(本公報、第4頁、第18〜19行目)、この
貫通孔を体液が透過して吸収材に吸収される。
又、この創傷被覆保護材においては、吸収材の吸収能
力が減退した場合、当該創傷被覆保護材が適用部位に適
用されたままの状態で吸収材被覆材を開封し、吸収能力
の減退した吸収材を新しいものと交換し、そして交換後
の吸収材被覆材を再度閉じるように構成されている。
そして、この吸水材としては、本公報、第5頁、第6
〜10行目において、「吸水材6は吸水量が大きく、形が
くずれないような素材、例えば綿、合成繊維のような繊
維、スポンジ、吸水性高分子(PVA、アクリルデンプン
コポリマーなど)から構成することができ、交換可能で
ある。」、との記載より、布状に形成されているものと
解される。
更に、低粘着性創傷用ドレッシングとして、傷に面
する層と中間吸収層と外層とからなり、傷に面する層が
適合性のエラストマーネット、中間吸収層が親水性ポリ
マーの連続気泡フォーム及び外層が適合性の微孔質フィ
ルムからなるものが提案されている(特開昭59−57654
号公報)。
この低粘着性創傷用ドレッシングは創傷への粘着が低
減され且つバクテリア遮断層として作用する吸収性創傷
用ドレッシングを提供することを目的とし、この目的を
達成するために、適合性の微孔質フィルムからなる外層
と、親水性ポリマーの連続気泡フォームからなる中間吸
収層と、適合性エラストマーネットからなる傷に面する
層とをこの順序で積層したものである。
この低粘着性ドレッシングは、適合性エラストマーネ
ットが適用部位に接するように構成されている。
この低粘着性創傷用ドレッシングにおいて、中間吸収
層を構成する親水性ポリマーの連続気泡フォームの液体
を吸収・保持する性能は、フォームセルのサイズ、フォ
ームの多孔度やフォーム層の厚みに影響を受けるもので
ある(本公報、第3頁、右下欄、第5〜8行目)。
そして、この親水性ポリマーフォームは、親水性ポリ
ウレタンで、特に架橋親水性ポリウレタンで作られたも
のであり(同、第3頁、右下欄、第15〜17行目)、親水
性ポリマーの連続気泡フォームからなる中間吸収層の製
造方法の一例として、水を含有する発泡体混合物(含水
ゲル)を剥離紙上に流延塗布し、得られた流延発泡体を
空気循環炉を通して水分を蒸散、乾燥して多孔質に形成
したものである(同、第5頁、右下欄、1〜14行目)。
更に、傷に面する層を構成するエラストマーネットは
縦方向と横方向の両方向に2〜40/cmのストランドを有
するネットであるが(本公報が援用する特開昭57−1536
44号公報、第4頁、左下欄、第12〜14行目)、これをネ
ット目の大きさに換算すると、このエラストマーネット
は0.25〜5mmの大きさの目を有するものである。
(c)発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記の非膠着性外科用当布において
は、変性ポリビニル系重合体微粒子、でん粉アクリルニ
トリルグラフト共重合体等の吸水保水剤を袋に収納する
際には、かかる吸水保水剤を紙または木綿ガーゼのよう
な吸収材で包むなどする必要があり、その結果、汗や血
液更に膿等の体液の吸収性が悪く、皮膚面が不潔になっ
て衛生状態を良好に保つことができないのであり、又、
傷口の化膿を抑制できないだけでなく、柔軟性が乏しい
うえ、適用部位の屈曲に追従できないので、当該外科用
当布が使用中に剥離して皮膚との密着性が悪化したり、
更に、非膠着性外科用当布が厚くなりごわごわして感触
が悪く、しかも皮膚面への適用に際してその使用感が悪
くなるなど問題が有る。
又、皮膚に直接、当接する合成樹脂シート状多孔性材
料としては、シリコーンで表面処理された合成繊維、例
えばナイロン、テトロン製ガーゼの他、ポリエステル、
ナイロン、ポリエチレン、ポリ弗素エチレン、ポリ弗化
炭素系樹脂などの非親和性の薄膜が用いられているが、
皮膚創傷面から分泌された漿液、血液あるいは膿等の体
液は粘性が高く、しかも膠着性が高いため透過性が悪
く、しかもシート状多孔性材料が非親水性であることと
相俟って、この体液が当該シート状多孔性材料にいよっ
てはじかれてしまい、このシート状多孔性材料を透過す
るのが著しく悪化するのであり、その結果、体液が吸水
剤に有効に吸収されずに皮膚表面に滞留し、細菌の繁殖
や傷口の化膿が生じるだけでなく、この残留した体液が
シート状多孔性材料にまつわりついて乾燥、接着し、当
該外科用当布を剥がす際に患者に疼痛を与えたり、皮膚
創傷面を破損する等の問題を生じるのである。
更に、上記の創傷被覆保護材において、液体に対し
て不透過性の創面被覆材には、その中央部に複数の直径
0.1〜2mmの貫通孔が形成されており、体液がこの貫通孔
を通って吸収材に達するのであるが、貫通孔のない部分
では体液は通過できずその部分に滞留することになり、
その結果、その滞留部分が不潔になり、細菌等が繁殖し
傷口が化膿したり、痒みが生じたりして、使用感が極め
て悪くなるなどの問題がある。
又、このように不透過性の創面被覆材に部分的に貫通
孔を形成し、この貫通孔を介して体液を透過、吸水材に
吸収させる構成では、必然的に体液が貫通孔箇所に集中
する。
ところが、体液は粘性が極めて高く、流動性も悪いか
ら、一旦貫通孔に集中した体液はその部分で固化する恐
れが有る。そして、このように体液が貫通孔箇所で固化
すると、この貫通孔が塞がれその部分における体液の透
過が停止してしまうだけでなく、固まった体液によって
皮膚面との膠着が生じ、その剥離の際に患者に疼痛を与
えたり、皮膚創傷面や皮膚組織を破損する等の問題を生
じるのである。
従って、皮膚組織の弱い子供や老人更に若き女性の適
用には相当の注意を要するのである。
加えて、上記の創傷被覆保護材において、吸水材と
しては、形がくずれないような素材、例えば綿、合成繊
維のような繊維等で形成された布状のものが用いられて
いるが、このものは吸液量が少なく、まして、前述のよ
うに体液が貫通孔箇所に集中すると確実に吸収されず、
一層体液が貫通孔箇所で固化し易く、皮膚創傷面で膠着
が生じ、つまり皮膚創傷面にこびり着き、その剥離の際
に患者に極度の疼痛を与えたり、皮膚創傷面や皮膚組織
を一層破損し易くなるのである。
特に、上記のものは、創傷被覆保護材が適用された
ままの状態で吸水材のみを交換する構成のものであるか
ら、不透過性の創面被覆材は長期間にわたって使用され
るのであり、その結果、不透過性の創面被覆材と固化し
た体液が一層強固に膠着し、その剥離の際に一層大きな
疼痛や、皮膚創傷面更に皮膚組織の破損を生じるのであ
り、しかも吸水材のみの交換に伴う、取扱い上又は処理
手順上の煩雑さが残るなどの点で問題が有る。
上記の低粘着性創傷用ドレッシングにおいては、フ
ォームセルのサイズ、フォームの多孔度やフォーム層の
厚みが親水性ポリマーの連続気泡フォームの液体を吸収
・保持する性能に関連する。
そして、この親水性ポリマーフォームは、親水性ポリ
ウレタンで、特に架橋親水性ポリウレタンで作られたも
のであり、このものは、フォームセルサイズ、フォーム
の多孔度又はフォーム層の厚みをその製造の際に十分に
制御することが重要であるが、発泡体を製造する際にこ
れらフォームセルのサイズやフォームの多孔度などを制
御することは技術的に極めて困難であり、安定した品質
のものを得難く、製造コストの上昇や品質がばらつくな
どの問題が生じる。
又、上記の低粘着性創傷用ドレッシングにおいて、
中間吸収層である親水性ポリマーの連続気泡フォームの
製造方法としては、水を含有する発泡体混合物(含水ゲ
ル)を剥離紙上に流延塗布し、得られた流延発泡体を空
気循環炉を通じて水分を蒸発、乾燥して多孔質に形成す
るものであるが、このような乾燥処理を施した場合、通
常、ポリマーが収縮し、組成が緻密になって吸水性や透
水性が至極悪くなるのである。
その結果、体液の一部が中間吸収層に十分に吸収され
ないまま皮膚表面に滞留し、細菌の繁殖や傷口の化膿を
招来したり、或いは吸収されない体液が固まることで皮
膚面や傷に面する層へ膠着し、その剥離の際に患者に疼
痛を与えたり、皮膚創傷面や皮膚組織を破損する等の問
題を生じるのである。
特に、傷に面する層を構成するエラストマーネットは
縦方向と、横方向の両方向に2〜40/cmのストランドを
有するネットで形成されたものであるが、これをネット
目の大きさに換算すると、このエラストマーネットは0.
25〜5mmの大きさの目を有するものであり、このため、
皮膚表面に滞留した体液がエラストマーネットに絡み付
き、これが固まることでネットや皮膚面に膠着し、剥離
が一層困難になって、その剥離の際に患者に一層激しい
痛みを与えたり、皮膚創傷や皮膚組織を一層破損し易く
なり、その使用に対し躊躇するようになる。
従って、特に、皮膚組織の弱い子供や老人更に若き女
性の適用には相当の注意を要するのである。
本発明は、上記技術的課題に鑑み、通気性合成樹脂フ
ィルムと親水性付与剤で親水処理された多孔性合成樹脂
フィルムの間に、吸水性ポリマー単独、或いは吸水性ポ
リマーと無機質吸水剤からなる吸水性組成物で形成され
た吸水層を介在してなる積層フィルムを用い、この積層
フィルムにおける多孔性合成樹脂フィルム側を傷口等の
適用部位に当てて固定することにより、当該適用部位を
保護し、しかも上記吸水層が汗、血液、膿等の体液を効
果的に且つ多量に吸収して皮膚面を常に清潔にし、これ
によって、傷口の化膿を極力抑制してその治療を促進す
ると共に皮膚との密着性を良好にし、柔軟で、適用部位
の屈曲にも容易に追従して使用感が良好であり、しかも
支持体の酸素透過性を確保して皮膚呼吸を円滑にした経
済的な機能性包体を提供することを目的とする。
(d)課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明における機能性包
体は、皮膚の創傷部或いは適用部位を覆う包体であっ
て、該包体が通気性合成樹脂フィルムと最大孔径が30μ
m以下の多孔性合成樹脂フィルムの間に吸水層を介在さ
せた積層フィルムからなるものにおいて、上記給水層が
吸水性ポリマー単独、或いは吸水性ポリマーと無機質吸
水剤からなる吸水性組成物で形成された吸水性の層であ
り、且つ上記多孔性合成樹脂フィルムが親水性付与剤で
親水処理を施されていることを特徴とするものである。
即ち、本発明の機能性包体においては、通気性合成樹
脂フィルムと親水性付与剤で親水処理された多孔性合成
樹脂フィルムの間に、吸水性ポリマー単独、或いは吸水
性ポリマーと無機質吸水剤からなる吸水性組成物で形成
された吸水層を介在させた積層フィルムで形成したもの
であり、これを傷口等の適用部位に当てることにより、
その適用部位を保護し、また上記吸水層や汗や血液更に
膿等の体液や老廃物を効果的に吸収し、しかも上記多孔
性合成樹脂フィルムによって、吸水層が吸収した体液や
老廃物と皮膚との直接接触を防ぐようにし、これによっ
て、皮膚面を常に清潔にして傷口の化膿を極力押さえる
ことにより皮膚疾患の治癒を促進するのであり、また皮
膚表面に体液や老廃物などが滞留しないので皮膚との密
着性を良好にする上、柔軟で、適用部位の屈曲にも容易
に追従して使用感が良好であり、しかもその酸素透過性
を確保して皮膚呼吸を円滑になしうるようにしたもので
ある。
本発明に用いられる通気性合成樹脂フィルムは、合成
樹脂で形成されたものであれば特に限定されるものでは
なく、単層フィルムであると2層以上の複合フィルムで
あるとを問うものではなく、2層以上の複合フィルムと
することにより通気性や透湿度をコントロールしてもよ
いのである。
上記通気性合成樹脂フィルムはその厚さが特に限定さ
れるものではないが、伸縮性、酸素の透過性、強度、熱
融着などの加工性更に取扱い性等の観点より、5〜50μ
m、特に20〜40μmとするのが好ましい。
この通気性合成樹脂フィルムを製造するための合成樹
脂としては、特に限定されるものではなく、例えばポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、セロファ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
ピニルアルコール、塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等が挙げられるが、これらのうちポリエチ
レン製のものが安価であり、しかも延伸により均質な通
気性合成樹脂フィルムが得られるから好ましい。
上記通気性合成フィルムを得るには、上記合成樹脂を
用いてフィルム状に成形し、これを延伸或いは延伸後可
溶性充填剤を溶出したり、又は合成樹脂フィルムを極細
針で穿孔するなどの方法を採用すれば良いのである。
本発明に用いられる吸水層としては、吸水性ポリマー
単独、或いは吸水性ポリマーと無機質吸水剤等からなる
吸水性組成物、で形成された吸水性の層である。
この吸水層には、所望により、抗菌剤が防かび剤など
を含有させても良いのである。
この吸水層の厚さは特に限定されるものではないが、
吸水量、更に酸素の透過度等の観点より、5〜500μ
m、特に10〜300μmとするのが望ましい。
上記吸水性ポリマーとしては、特に限定されるもので
はないが、特に水に不溶性のものが好ましく、また吸水
能力が自重の15倍以上、好ましくは20倍以上のものが望
ましい。
具体的には、特公昭49−43395号公報に開示されてい
る澱粉−ポリアクリロニトリル共重合体、特公昭51−39
672号公報に開示されている架橋ポリアルキレンオキシ
ド、特公昭53−13495号公報に開示されているビニルエ
ステル−エチレン系不飽和カルボン酸共重合体ケン化
物、特公昭54−30710号公報に開示されている逆相懸濁
重合法によって得られる自己架橋ポリアクリル酸塩、特
開昭54−20093号公報に開示されているポリビニルアル
コール系重合体と環状無水物との反応生成物、特開昭55
−84305号公報に開示されているポリアクリル酸塩架橋
物等が好ましい。
この吸水性ポリマーは汗や血液更に膿等の体液や老廃
物を効果的に、且つ速やかに吸収させるためのものであ
る。
つまり、この吸水層は、汗や血液更に膿等の体液や老
廃物を効果的に吸収させるためのものであり、この体液
や老廃物を速やかに吸収し傷口表面に当該体液や老廃物
が滞留するのを防ぎ、しかもこの吸水層が吸収した体液
や老廃物と皮膚との直接接蝕を、後述する親水性付与剤
で親水処理された多孔性合成樹脂フィルムによって防ぐ
ようにすることにより、皮膚面を常に清潔にして傷口の
化膿を極力押さえ、これによって、皮膚疾患の治癒を促
進するのであり、また皮膚表面に体液や老廃物などが滞
留しないので皮膚との密着性を良好にし、この老廃物を
効率良く吸収するものである。
本発明で用いられる吸水層は、吸水性ポリマー単独、
或いは吸水性ポリマーと無機質吸水剤からなる吸水性組
成物で形成された吸水性の層であるが、該無機質吸水剤
としては、当該吸水層の吸湿能力を向上させたり、体液
や老廃物の吸収性を向上させるものであれば特に限定さ
れるものではないが、具体的には、活性炭、ゼオライ
ト、ゼオライト系多孔質物質、クリストバライト、シリ
カ系多孔質物質、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。
又、上記吸水層には上記の通気性合成樹脂フィルムと
後述する親水性付与剤で親水処理された多孔性合成樹脂
フィルムとの接着性を向上させるために、所望により、
ポリウレタン系の接着剤等の如き親水性の接着剤を添加
するのが望ましい。この接着剤の添加量は、吸水性ポリ
マー100重量部に体して、500重量部以下、好ましくは25
0重量部以下で混合するのがよい。
本発明で使用される親水性付与剤で親水処理が施され
た多孔性合成樹脂フィルムは、吸水層と皮膚面との直接
接蝕を防ぎ、生体から発生した体液や老廃物をこのフィ
ルムを介して吸水層に吸収させ、これによって、皮膚面
への老廃物等の滞留を防ぎ、皮膚面を常に清潔にするた
めのものであり、その最大孔径が30μm以下、特に5〜
25μmのものである。
この多孔性合成樹脂フィルムの最大孔径が30μmを超
えると、フィルム強度が著しく低下しその取り扱い中に
部分的に破れたり、この機能性フィルムを用い、ヒート
シール等で製袋する場合、シール強度が低下して剥離が
生じたり、更に吸水性ポリマーが多孔性合成樹脂フィル
ム表面から滲み出す恐れがあるので好ましくない。
この場合において、この最大孔径の測定方法は、コー
ルター・エレクトロニクス社製のコールター・ポロメー
ターによるバブルポイント法によるものである。
又、この多孔性合成樹脂フィルムはその厚さが特に限
定されるものではないが、フィルム強度、熱融着などの
加工性更に取扱い性等の観点より、200μm以下、特に2
0〜80μmとするものが好ましい。
この多孔性合成樹フィルムは親水性付与剤で親水処理
が施されているので、体液や老廃物の吸収速度が著しく
高くなり、その結果、体液や老廃物の吸収性が著しく向
上するのである。
上記親水性付与剤としてはフィルムの表面に設けられ
て当該フィルムの親水性を向上させるものであれば特に
限定されるものではなく、メタノールやエタノール、プ
ロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール
類、グリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類、或
いは各種界面活性剤等が挙げられる。
上記親水性付与剤を用いて上記多孔性合成樹脂フィル
ムを親水処理する方法としては、当該親水性付与剤を多
孔性合成樹脂フィルム中に混合させる方法と、多孔性合
成樹脂フィルムの表面に親水性付与剤を塗布したり、多
孔性合成樹脂フィルムを親水性付与剤の水溶液中にディ
ッピングする方法、或いはこの水溶液を多孔性合成樹脂
フィルムに噴霧する方法等が挙げられる。
この多孔性合成樹脂フィルムはその孔径やフィルムの
親水性の度合により透湿度が特定されるが、該透湿度が
50g/m2/24hr以上であることが望ましく、50g/m2/24hr未
満では透湿度が低すぎて体液や老廃物の吸収性が悪くな
り皮膚表面にそれらが部分的に滞留する場合があるから
好ましくない。
ところで、この透湿度はJIS Z−0208により測定した
ものである。
この多孔性合成樹脂フィルムを形成するための合成樹
脂としてはフィルム化できるものであり、且つ延伸、延
伸後可溶性物質の抽出、可溶性物質の抽出等の各種方法
により最大孔径30μm以下にフィルムが得られるもので
あれば特に限定されるものではない。
また、この合成樹脂としては、特に、親水性の合成樹
脂や親水化した合成樹脂が水分や水蒸気の透過性が良好
であるので望ましい。
この多孔性合成樹脂フィルムを製造する方法として
は、特に限定されるものではないが、具体的には以下の
ものが挙げられる。
即ち、(イ)ポリオレフィン系樹脂を溶融延伸した
後、熱処理、再延伸するものである。
(ロ)合成樹脂に液体または固体を混入し、これをフ
ィルム化した後、混入した液体または固体を抽出するも
のである。
(ハ)合成樹脂でフィルムを形成し、これを針で穿孔
して多孔質にするものである。
(ニ)合成樹脂に充填剤を添加し、これを溶融製膜し
た後、少なくとも一軸延伸、或いは少なくとも一軸延伸
後可溶性充填剤を水や酸或いはアルカリを用いて抽出す
るものである。
特に、上記(ニ)の場合には、生産性が良く、しかも
コストが低いことから合成樹脂としてはポリオレフィン
樹脂が好ましい。
このポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブタジエン等のホモポリマー、或
いはコポリマー、またはこれらのブレンドポリマーが挙
げられるが、特に、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリ
エチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(L・LDP
E)が上述の観点より好ましい。
上記充填剤としては、無機及び有機の充填剤が用いら
れ、無機充填剤としては炭酸カルシウム、タルク、クレ
ー、カオリン、シリカ、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭
酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグ
ネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チ
タン、アルミナ、マイカ、アスベスト粉、ガラス粉、シ
ラスバルーン、ゼオライト、硅酸白土等が使用され、特
に炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、珪藻土、
硫酸バリウム等が好適であり、一方、有機充填剤として
は、木粉、パルプ、メラミン粉末、シリコーン樹脂粉末
等が挙げられる。
上記充填剤はその平均粒径が10μm以下、特に合成樹
脂との混合性やフィルムの均質化等の観点より、0.5〜
5μmの範囲とするのが好ましく、又、その添加量は、
合成樹脂100重量部に対し、50〜500重量部、好ましくは
100〜400重量部とするのが良い。
本発明の機能性包体においては、吸水層が全面に介在
されていることにより、これを傷口に当てる際、どの部
分でも体液や老廃物の吸収能力を有するためその皮膚へ
の適用に何等神経を使う必要がなく、何人も手軽に使用
できる上、体液や老廃物の吸収量が多くなるので好まし
い。
又、この場合には、皮膚接当面側に粘着剤層が形成さ
れていないから皮膚の創傷部等の傷口の治療に好適であ
る。
ところで、この機能性包体を皮膚に適用するには、こ
れを適用部位に当て、その外側から粘着テープ等で固定
すれば良いのである。
本発明の機能性包体においては、吸水層が全面に亙っ
て部分的に介在されていることにより、酸素の透過度を
向上させ、これによって、皮膚呼吸の一層円滑になしう
るのである。
又、この場合には、皮膚接当面側に粘着剤層が形成さ
れていないから皮膚の創傷部等の傷口の治療に好適であ
る。
ところで、この機能性包体を皮膚に適用するには、こ
れを適用部位に当て、その外側から粘着テープ等で固定
すれば良いのである。
本発明の機能性包体においては、吸水層が周縁部を除
く中間部に介在されていることにより、この中間部を傷
口等の適用部位に当ててその治療を円滑になしうるので
ある。
又、この場合には、皮膚接当面側に粘着剤層が形成さ
れていないから皮膚の創傷部等の傷口の治療に好適であ
る。
ところで、この機能性包体を皮膚に適用するには、こ
れを適用部位に当て、その外側から粘着テープ等で固定
すれば良いのである。
本発明の機能性包体においては、その吸水層が部分的
に形成されている場合、吸水層が介在されていない部位
を熱融着しているものが、取扱い中や使用中にフィルム
相互の剥離が発生しないので信頼性が一層高くなるので
ある。
又、この場合には、皮膚当接面側に粘着剤層が形成さ
れていないから皮膚の創傷部等の傷口の治療に好適であ
る。
ところで、この機能性包体を皮膚に適用するには、こ
れを適用部位に当て、その外側から粘着テープ等で固定
すれば良いのである。
本発明の機能性包体においては、その吸水層が部分的
に形成されている場合、吸水層が介在されていない部位
を接着剤で接着しているものが、取扱い中や使用中にフ
ィルム相互の剥離が発生しないので信頼性が一層高くな
るのである。
又、この場合には、皮膚接当面側に粘着剤層が形成さ
れていないから皮膚の創傷部等の傷口の治療に好適であ
る。
ところで、この機能性包体を皮膚に適用するには、こ
れを適用部位に当て、その外側から粘着テープ等で固定
すれば良いのである。
本発明の機能性包体においては、その多孔性合成樹脂
フィルムの露出面に部分的に粘着剤層が形成されている
ことにより、この粘着剤層を介しての皮膚への適用が極
めて簡単になしうるのである。
このような、機能性包体は皮膚への創傷部などの傷口
には適用できないが、床ずれの予防等に好適である。
即ち、床ずれは半身不随の患者や衰弱した人、特に神
経疾患の患者で失禁する場合、腰に痛みを感ずる。これ
は長い間病床についていると、いつも同じ部分がいつも
圧迫を受けて血液の循環が悪くなり、赤く腫れて、つい
にただれて潰ようが発生する。
これを防ぐには、局所を清潔にする必要がある。
この点、この機能性包体は汗等の生体からの老廃物を
吸水層が円滑に吸収し、これによって、局所を常に清潔
に保ち、床づれを防止しうるのである。
本発明の機能性包体においては、粘着剤層が多孔性合
成樹脂フィルムの露出面全体に亙って部分的に形成され
ていることにより、この粘着剤層を介しての皮膚への適
用が極めて簡単になしうるのである。
このような、機能性包体は皮膚への創傷部などの傷口
には好適である上、床ずれの予防及び治療等に好適であ
る。
本発明の機能性包体においては、粘着剤層が多孔性合
成樹脂フィルムの露出面周縁部のみに形成されているこ
とにより、この粘着剤層を介しての皮膚への適用が極め
て簡単になしうるのである。
このような、機能性包体は皮膚への創傷部などの傷口
には好適である上、床ずれの予防及び治療等に好適であ
る。
本発明の機能性包体においては、その酸素の透過度が
2000〜200000ml/m2/24hr/atmのものが好ましい。
即ち、酸素の透過度が、2000ml/m2/24hr/atm未満であ
ると皮膚呼吸が円滑に為しえず皮膚の白化やカユミ等が
発生するのであり、一方、200000ml/m2/24hr/atmを超え
ると細菌が侵入する恐れがあるから好ましくない。
本発明の機能性包体においては、多孔性合成樹脂フィ
ルムが親水性付与剤で親水処理を施されているものが体
液や老廃物の吸収速度が著しく高くなり、この結果、体
液や老廃物の吸収を一層円滑になしうるので好ましい。
上記親水性付与剤としてはフィルムの表面に設けられ
て当該フィルムの親水性を向上させるものであれば特に
限定されるものではなく、メタノールやエタノール、プ
ロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール
類、グリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類、或
いは各種界面活性剤等が挙げられる。
上記親水性付与剤を用いて上記多孔性合成樹脂フィル
ムを親水処理する方法としては、当該親水性付与剤を多
孔性合成樹脂フィルム中に混合させる方法と、多孔性合
成樹脂フィルムの表面に親水性付与剤を塗布したり、当
該フィルムを親水性付与剤の水溶液中にディッピングす
る方法、或いはこの水溶液を上記フィルムに噴霧する方
法等が挙げられる。
本発明の機能性包体においては、吸水層に殺菌剤が含
有されていることにより、皮膚表面での細菌の発生を防
止して一層傷口等を治癒を促進しうるのである。
この殺菌剤としては、特に限定されるものではなく、
通常の殺菌剤を用いることができるのである。
上記殺菌剤の具体的な代表例としてはヨードホルム、
ヘキサククロフェン、アクリノール、塩化ベンゼトニウ
ム、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジ
ン等が挙げられる。
ところで、本発明の機能性包体を製造するには、特殊
な技術や装置を要するものではなく、常法により得られ
る。
具体的には、例えば通気性合成樹脂フィルム又は親水
性付与剤で親水処理された多孔性合成樹脂フィルムのう
ちいずれか一方のフィルム表面に、吸水性ポリマー、或
いはこれに吸水剤や接着剤を混合して調製した塗工液
を、グラビア方式、ロールコート方式、またはシルクス
クリーン方式によって塗布した後、通気性合成樹脂フィ
ルム又は親水性付与剤で親水処理された多孔性合成樹脂
フィルムのいずれか他方のフィルムをはりあわせるなど
の方法が挙げられる。
この場合、通気性合成樹脂フィルムと親水性付与剤で
親水処理された多孔性合成樹脂フィルムとの接着力、吸
水量、吸湿能力等の観点から吸水性ポリマー単独、或い
は吸水性ポリマーと無機質吸水剤からなる吸水性組成物
で形成された吸水層をフィルムの全面或いは部分的に設
けてもよいのである。
本発明の機能性包体は、その形状や大きさが特に限定
されるものではなく、その用途に応じて、帯状、長方
形、正方形、円形、楕円形等、任意の形状に形成され
る。
尚、本発明の機能性包体においては、公知の方法、例
えばEOG或いはSO2を用いて滅菌したものが望ましい。
(e)作用 本発明の機能性包体は、上記構成を有し、通気性合成
樹脂フィルムと親水性付与剤で親水処理された多孔性合
成樹脂フィルムの間に吸水性ポリマー単独、或いは吸水
性ポリマーと無期質吸水剤からなる吸水性組成物で形成
された吸水層を介在させたものであり、これを傷口等の
適用部位に当てることにより、その適用部位を外部から
の衝撃や細菌の侵入を通気性合成樹脂フィルムが防止
し、また上記吸水層は汗や血液更に膿等の体液や老廃物
を効果的に吸収する吸水性ポリマーで形成されているの
で上記多孔性合成樹脂フィルムを介してこの体液や老廃
物が速やかに吸収されるのであり、しかも上記多孔性合
成樹脂フィルムによって、吸水層が吸収した体液や老廃
物と皮膚との直接接触を防ぐようにし、これによって、
皮膚面を常に清潔にして傷口の化膿を極力押さえる作用
を有するのである。
また上記吸水層が体液や老廃物を速やかに吸収するの
で皮膚表面に体液等が滞留しないのであり、このため、
この機能性包体と皮膚との密着性が常に良好であり、こ
の点からも体液等が長期に亙って効率良く吸収される作
用を有するものである。
更に機能性包体の酸素透過性を確保して皮膚呼吸を円
滑にすることによりその適用部位の白化や赤化、カユミ
更にカブレ等の発生を防止しうる作用を有するのであ
る。
(f)実施例 以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本
発明にはこれに限定されるものではない。
本発明の機能性包体の構造例 第1図〜第4図において、(1)は皮膚の創傷部或い
は床ずれ箇所等の適用部位を覆う機能性包体であり、該
機能性包体(1)は通気性合成樹脂フィルム(2)と親
水性付与剤で親水処理された多孔性合成樹脂フィルム
(3)の間に吸水層(4)を介在させた積層フィルムか
らなる。
上記通気性合成樹脂フィルム(2)は、通気性を有
し、且つ合成樹脂で形成されたものであれば特に限定さ
れるものではなくが、特に皮膚の伸縮に追従させるため
に伸縮性を有するものが望ましい。
上記多孔性合成樹脂フィルム(3)は、親水性付与剤
で親水処理を施されているので、体液や老廃物の吸水速
度が著しく高くなり、その結果、体液や老廃物の吸収が
一層円滑になるので出血の激しい傷でも支障がないので
ある。
上記親水性付与剤としてはフィルムの表面に設けられ
て当該フィルムの親水性を向上させるものであれば特に
限定されるものではなく、アルコール類、多価アルコー
ル類、或いは各種界面活性剤等が挙げられる。
上記多孔性合成樹脂フィルム(3)は、吸水層(4)
を固定し、保持する上、該吸収層(4)と生体との直接
接触を防ぎ、しかもこのフィルム(3)を通じて体液や
老廃物を上記吸水層(4)に吸収させるためのものであ
り、その最大孔径が30μm以下、好ましくは3〜25μm
のものである。最大孔径が、3μm未満では体液や老廃
物の吸収性が阻害され、それらの円滑な吸収が行われな
い場合があるからである。
又、上記吸水層(4)は、吸水性ポリマー単独、或い
は吸水性ポリマーと無機質吸水剤等からなる吸水性組成
物で形成された吸水性の層である。
この吸水層(4)は通気性合成樹脂フィルム(2)と
多孔性合成樹脂フィルム(3)の間にその全面に介在さ
れたり、第1図〜第4図に示すように、吸水層(4)が
全面に亙って部分的に介在されてもよいのである。
このように、吸水層(4)を部分的に形成するにあた
り、第3図及び第4図に示すように、吸水層(4)が周
縁部(1a)を除く中間部に介在されてもよいのである。
上述のように吸水層(4)が部分的に形成した場合に
おいて、吸水層(4)が介在されていない部位(S)
を、第3図に示すように、熱融着したり、或いは第4図
に示すように、吸水層(4)が介在されていない部位
(S)を接触剤(5)で接触してもよいのである。
第5図〜第7図は本発明の機能性包体(1)の他の構
造例を示し、上述の機能性包体(1)において、その他
孔性合成樹脂フィルム(3)の露出面に部分的に粘着剤
層(6)が形成されている。
このように機能性包体(1)において、その多孔性合
成樹脂フィルム(3)の露出面に部分的に粘着剤層
(6)を形成するにあたり、第5図及び第6図に示すよ
うに、該粘着剤層(6)が多孔性合成樹脂フィルム
(3)の露出面全体に亙って部分的に形成されていても
よく、或いは第7図に示すように、該粘着剤層(6)が
多孔性合成樹脂フィルム(3)の露出面周縁部(1a)の
みに形成されていてもよいのである。
上述の機能性包体(1)において、その酸素透過度が
2000〜200000ml/m2/24hr/atmであるものが好ましく、こ
のように構成することにより、皮膚呼吸が円滑に為しえ
て皮膚の白化やカユミ等が発生せず、安全性が一層高く
なる効果を有するのである。
更に、上述の機能性包体(1)においては、吸水性ポ
リマー単独、或いは吸水性ポリマーと無機質吸水剤から
なる吸水性組成物で形成された吸水層(4)に殺菌剤が
含有されていることにより、皮膚表面での化膿を防止し
て一層傷口等を治癒を促進しうる効果を有するのであ
る。
この殺菌剤としては、特に限定されるものではなく、
通常の殺菌剤を用いることができるのである。
上記殺菌剤の具体的な代表例としてはヨードホルム、
ヘキサククロフェン、アクリノール、塩化ベンゼトニウ
ム、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジ
ン等が挙げられる。
本発明に用いられる積層フィルムの製造 以下において、(a)通気性合成樹脂フィルム、
(b)吸水層の素材、(c)多孔性合成樹脂フィルムは
次に挙げるものを用いた。
(a)通気性合成樹脂フィルム 密度0.927g/cm3、MI=2.0、厚み30μmのポリエチレン
フィルム(酸素透過度6000ml/m2/24hr/atm) (b)吸水層 吸水層ポリマーとして澱粉−ポリアクリル酸グラフト
共重合体(三洋化成(株)製、サンウェットIM=300)
を用い、又、ウレタン系接着剤として、大日本インキ
(株)製、(EPS−75A及びKW−40)を用いた。
(c)多孔質合成樹脂フィルム 線状低密度ポリエチレン(密度0.927g/cm3、MI=2.
0)100重量部に対して平均粒度2.5μmの硫酸バリウム1
50重量部を添加し、これを溶融製膜した後、延伸するこ
とにより、厚み20μm、透湿度2000g/m2/24hr、最大孔
径7.5μmのフィルムを得た。次いで、このフィルムの
吸水速度を向上させるため、フィルム表面に、フェノー
ル系の界面活性剤(丸菱油化(株)製、MTN−F684)10
重量%イソプロピルアルコール溶液をディッピング方式
により塗布し、親水処理を施した。
かくして、本発明に用いる多孔性合成樹脂フィルムを
得た。
製造例1 上記(b)で記載したウレタン系接着剤100重量部と
吸水性ポリマー100重量部をホモミキサーにて低速で混
合し、これを、上記(a)で記載したポリエチレンフィ
ルム(通気性合成樹脂フィルム)表面に、グラビアロー
ルにて塗布して吸水層(厚さ10μm)を形成した後、該
吸水層上に、上記(c)で記載した多孔性合成樹脂フィ
ルムを積層し、これによって、本発明で用いる積層フィ
ルムを得た。
この積層フィルムの酸素透過度は4400ml/m2/24hr/atm
であった。
実施例1 上記の積層フィルムを縦12.5cm、横1.9cmに切断し、
これによって、絆創膏タイプの機能性包体を得た。
又、この機能性包体をEOG滅菌法により滅菌した。
実験 この機能性包体を用い、これをラットの背部に形成し
た長さ1cmの創傷部に適用し、更にその上から粘着テー
プで固定後3時間後に剥離した。
その結果、創傷部では完全に止血しており、また汗、
血液などの体液は殆ど滞留しておらず創傷部は清潔で美
麗であった。一方、剥離後の機能性包体には血液等の体
液が完全に吸収され、その上から指で触れても血液等の
体液は殆ど付着しないことが認められるのであり、しか
も機能性包体においてその創傷部に対応する箇所の周辺
では汗の吸収が認められた。
実験 この機能性包体を用い、これを人の指の切り傷部に適
用し、更にその上から粘着テープで固定後30分後に剥離
した。
次いで、この機能性包体を剥離し、その創傷部及び機
能性包体の適用面を肉眼で観察した。
その結果、実験と同様、優れた結果が得られた。
又、この剥離の際、痛みは殆ど感じられなかった。
比較例1 比較例として、市販されている、ポリエチレンメッシ
ュ、ガーゼ及び支持体からなる三層構造の絆創膏を用い
実施例1と同様の実験を行った。
その結果を以下に示す。
即ち、実験と同様の実験をしたところ創傷部ではま
だ出血しており、また汗、血液などの体液は創傷部及び
その近傍に滞留して不衛生であることが認められた。一
方、剥離後の絆創膏には血液等の体液がさ程吸収されて
おらず、しかもその上から指で触れると血液等の体液が
指に付着することが明らかに認められるのであり、しか
も絆創膏においてその創傷部に対応する箇所の周辺では
汗の結露が認められた。
又、実験と同様の実験を行ったところ創傷部ではま
だ出血しており、また体液が創傷部及びその近傍に滞留
して不衛生であることが認められた。一方、剥離後の絆
創膏には血液等の体液がさ程吸収されていないことが認
められた。
ところで、この剥離の際、痛みは殆ど感じられなかっ
た。
実施例2 上記(b)で記載したウレタン系粘着剤100重量部と
吸水ポリマー100重量部をホモミキサーにて混合し、こ
れを上記(a)で記載したポリエチレンフィルム(通気
性合成樹脂フィルム)の全面にグラビアロールにて水玉
模様で吸水部の塗布面積が60%の吸水層(厚さ10μm)
を形成した後、該吸収層上に、上記(c)で記載した多
孔質合成樹脂フィルムを積層し、これによって、本発明
で用いる積層フィルムを得た。
この積層フィルムの酸素透過度は5500ml/m2/24hr/atm
であった。
この積層フィルムを縦7cm、横7cmに切断した。
上記切断フィルムの切断片と同じ大きさに切断した離
型ライナーの四周辺部上に後述するアクリル系粘着剤を
乾燥後の厚みが50μm、幅が5mmとなるように塗工、乾
燥してアクリル系粘着剤層を形成し、これを積層フィル
ムの多孔性合成樹脂フィルムの露出面に転着して、本発
明の機能性包体を得た。
上記アクリル系粘着剤は以下の方法で製造した。
即ち、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル90重量
部、アクリル酸5重量部、酢酸ビニル5重量部及び酢酸
エチル50重量部を用い、実施例1と同様に重合反応させ
て、固形分濃度40重量%、温度25℃の粘度600ポイズの
共重合体溶液を得た。
又、この機能性包体をEOG滅菌法により滅菌した。
比較例2 縦5.5cm、横5.5cmのガーゼを3枚重ねにしたものを用
いた。
実験 実施例2のものと比較例2のものを用い、これを兎
(3才、雄)の背部の縦5cm、横4cmに亙って切り傷を点
在させて設けた患部に当てがい、7日経過後の患部の状
態を肉眼で観察した。
尚、試料数は5とした。
その結果、切り傷部(患部)では完全に止血してお
り、また汗、血液などの体液は殆ど滞留しておらず患部
は清潔で美麗であり、しかも患部はほぼ完治し、患部を
指で押さえても出血は認められなかった。
一方、剥離後の機能性包体には血液等の体液が完全に
吸収され、その上から指で触れても血液等の体液は殆ど
付着しないことが認められた。
これに対して、比較例2のものを用い、実験と同様
の実験をしたところ(患部へのガーゼの固定に粘着テー
プを用いた)、患部は一応止血していたが、この患部を
指で押さえると血がにじみ出ることが認められた。また
汗、血液などの体液は患部及びその近傍に滞留して不衛
生であることが認められた。
また剥離後の比較例2のものには血液等の体液がさ程
吸収されておらず、しかもその上から指で触れると血液
等の体液が指に付着することが明らかに認められた。
又、比較例2のものはガーゼが傷口に接着した状態に
なり、これをはがす際に傷口が破壊され出血が認められ
た。
実施例3 上記(b)で記載したウレタン系粘着剤100重量部と
吸水ポリマー100重量部をホモミキサーにて混合し、こ
れを上記(a)で記載したポリエチレンフィルム(通気
性合成樹脂フィルム、大きさ9.5cm×9.5cm)表面にその
周縁部5mm幅を除いてグラビアロールにて吸水層(厚さ1
0μm)を形成し(8.5cm×8.5cm)、この上に、上記
(c)で記載した多孔性合成樹脂フィルム(大きさ9.5c
m×9.5cm)を積層し、これによって、本発明で用いる積
層フィルムを得た。
この積層フィルムの酸素透過度は5500ml/m2/24hr/atm
であった。
この積層フィルムの多孔性合成樹脂フィルム側の周縁
部に5mm幅の粘着剤層を実施例2と同様の方法により形
成することにより、本発明の機能性包体を得た。
又、この機能性包体をEOG滅菌法により滅菌した。
実験 実施例3で得られた機能性包体を熱傷2度、熱傷面積
約35cm2の腕部の熱傷部に適用し、24時間毎に剥離、貼
着を3回繰返した。
3日後、この機能性包体を剥離し、その創傷部及び機
能性包体の適用面を肉眼で観察した。
その結果、熱傷部位の外部からの細菌等による皮膚傷
害が生じることなく、又過度の血漿の露出もない事が観
察されそれ故治癒効果がある事が認められた。
実施例4 上記(b)で記載したウレタン系粘着剤100重量部と
吸水ポリマー100重量部をホモミキサーにて混合し、こ
れを上記(a)で記載したポリエチレンフィルム(通気
性合成樹脂フィルム、大きさ25cm×25cm)表面にその周
縁部2cm幅を除いてグラビアロールにて吸水層(厚さ10
μm)を形成し(21cm×21cm)、この上に、上記(c)
で記載した多孔性合成樹脂フィルム(大きさ25cm×25c
m)を積層し、これによって、本発明で用いる積層フィ
ルムを得た。
この積層フィルムにおいて吸水層を形成した部位の酸
素透過度は4400ml/m2/hr/atmであった。
この積層フィルムの周縁部を2cm幅に亙って熱融着
し、しかもその多孔性合成樹脂フィルム側の熱融着箇所
全面(2cm幅)に粘着剤層を実施例2と同様の方法によ
り形成することにより、本発明の機能性包体を得た。
又、この機能性包体をEOG滅菌法により滅菌した。
実験 実施例4の機能性包体を長期入院が見込まれ、且つま
だ床ずれを起こしていない寝たきり状態の老人(糖尿病
患者)(男10人、女10人)の腰部に直接多孔性フィルム
側が皮膚に当たるように適用し、これを1日毎に適用、
交換し、その作業を10日間繰返した。
その結果、床ずれは全く認められなかった。
これに対して、上記と同様の老人(糖尿病患者)(男
10人、女10人)の腰部にガーゼを5枚重ね更にその上か
ら粘着テープで固定し(比較例3)、これを1日毎に適
用、交換し、その作業を10日間続けた。
その結果、従来のガーゼを用いる比較例3の場合、男
6人、女8人において初期の床ずれによる皮膚障害が認
められた。
実施例5 上記(a)で記載したポリエチレンフィルム(通気性
合成樹脂フィルム、大きさ200cm×200cm)表面に幅10mm
間隔で4mm幅のアクリル系粘着剤層をスクリーン印刷に
より格子状に形成し、その格子間にグラビアロールに
て、実施例1と同様の吸水層(厚さ10μm)を形成し、
次いで、これをアクリル系粘着剤層のほぼ中央で縦、横
に切断し、これによって、縦12mm、横12mmである注射後
の止血用の機能性包体(四周縁部に2mm幅のアクリル系
粘着剤層が形成されている。)を得た。
この機能性包体において吸水層を形成した部位の酸素
透過度は4400ml/m2/24hr/atmであった。
又、この機能性包体をEOG滅菌法により滅菌した。
実験 実施例5で得られた機能性包体を、50名の採血後、そ
の各々の針穴に吸水層のほぼ中心部が当たるようにして
貼着した。
この50名の針穴部に適用して治験をした結果、適用後
5分で止血効果は全員にみられ、又細菌の外部感染が全
くなく良好であることが認められた。
(g)発明の効果 本発明の機能性包体は、上述のとおり構成されている
ので、次に記載する効果を奏する。
請求項1の機能性包体においては、上記構成を有し、
即ち、本願請求項1の機能性包体においては、上記構成
を有し、通気性合成樹脂フィルムと親水性付与剤で親水
処理された多孔性合成樹脂フィルムの間に、吸水性ポリ
マー単独、或いは吸水性ポリマーと無機質吸水剤からな
る吸水性組成物で形成された吸水層を介在してなる積層
フィルムを用い、この積層フィルムにおける多孔性合成
樹脂フィルム側を傷口等の適用部位に当てて固定するこ
とにより当該適用部位を保護し、しかも上記吸水層が
汗、血液、膿等の体液や老廃物を多量にかつ効果的に吸
収するので、機能性包体を一旦傷口等に適用した後は長
期間に亙って使用し続けることができるという効果を奏
するのである。
また、本願請求項1の機能性包体においては、機能性
包体を傷口等の適用部位に当てることにより、その適用
部位を保護し、しかも上記吸水層は汗、血液、膿等の体
液や老廃物を効果的に且つ多量に吸収するので、皮膚面
を常に清潔にして傷口の化膿を極力抑えたり、皮膚表面
に体液や老廃物などが滞留しない結果、当該皮膚表面が
常に衛生的であるうえ、柔軟で、適用部位の屈曲にも容
易に追従して使用感が良好であり、しかもその酸素透過
性を確保して皮膚呼吸を円滑になし得るのであり、これ
らが相俟って、皮膚疾患の治癒を促進することができ
る、という効果を奏するのである。
更に、本願請求項1の機能性包体で用いられている吸
水層は吸水性ポリマー単独、或いは吸水性ポリマーと無
機質吸水剤からなる吸水性組成物で形成されているもの
であり、この吸水層が体液や老廃物を速やかに吸収する
ので皮膚表面に体液等が滞留することがなく、このた
め、この機能性包体と皮膚との密着性が常に良好であ
り、この点からも体液等が長期にわたって効率良く吸収
される効果を有するのである。
加えて、本願請求項1の機能性包体で用いられている
多孔性合成樹脂フィルムは親水性付与剤で親水処理が施
されており、このため体液や老廃物の吸収速度が著しく
高くなり、その結果、体液や老廃物の吸収が一層円滑に
なしうるから、出血の激しい傷に対しても何等支障なく
体液等を速やかに吸収するのであり、従って、皮膚面へ
の体液の滞留を確実に防ぎ、清潔かつ衛生的で、しかも
皮膚面の化膿も確実に防止されるのである。
請求項2の機能性包体においては、吸水性ポリマー単
独、或いは吸水性ポリマーと無機質吸水剤からなる吸水
性組成物で形成された吸水層が全面に介在されているこ
とにより、これを傷口に当ててる際、どの部分でも体液
や老廃物の吸収能力を有するためその皮膚への適用に何
等神経を使う必要がなく、何人も手軽に使用できるもの
である。
又、この場合には、吸水層が全面に広がっているので
傷部が広範囲に広がっているときに特に有用である。
請求項3の機能性包体においては、吸水性ポリマー単
独、或いは吸水性ポリマーと無機質吸水剤からなる吸水
性組成物で形成された吸水層が全面に亙って部分的に介
在されていることにより、酸素の透過度を向上させ、こ
れによって皮膚呼吸を一層円滑して皮膚のカユミ等を防
止できるのであり、この結果、安全性が高くなるのであ
る。
請求項4の機能性包体においては、吸水性ポリマー単
独、或いは吸水性ポリマーと無機質吸水剤からなる吸水
性組成物で形成された吸水層が周縁部を除く中間部に介
在されていることにより、この中間部を傷口等の適用部
位に当ててその治療を円滑になしうるのである。
請求項5の機能性包体においては、吸水性ポリマー単
独、或いは吸水性ポリマーと無機質吸水剤からなる吸水
性組成物で形成された吸水層が部分的に形成されている
場合、その吸水層が介在されていない部位を熱融着して
いるものが、取扱い中や使用中にフィルム相互の剥離が
発生しないので信頼性が一層高くなる効果を有するので
ある。
請求項6の機能性包体においては、吸水性ポリマー単
独、或いは吸水性ポリマーと無機質吸水剤からなる吸水
性組成物で形成された吸水層が部分的に形成されている
場合、その吸水層が介在されていない部位を接着剤で接
着しているものが、取扱い中や使用中にフィルム相互の
剥離が発生しないので信頼性が一層高くなる効果を有す
るのである。
請求項7の機能性包体においては、親水性付与剤で親
水処理された多孔性合成樹脂フィルムの露出面に部分的
に粘着剤層が形成されていることにより、この粘着剤層
を介しての皮膚への適用が何人も極めて簡単になしうる
効果を有するのである。
請求項8の機能性包体においては、粘着剤層が親水性
付与剤で親水処理された多孔性合成樹脂フィルムの露出
面全体に亙って部分的に形成されていることにより、こ
の粘着剤層を介しての皮膚への適用が極めて簡単になし
うる効果を有するのである。
請求項9の機能性包体においては、粘着剤層が親水性
付与剤で親水処理された多孔性合成樹脂フィルムの露出
面周縁部のみに形成されていることにより、この粘着剤
層を介しての皮膚への適用が極めて簡単になしうるので
ある。
又、この場合、粘着剤層が多孔性合成樹脂フィルムの
露出面周縁部のみに形成されているので皮膚との密着性
が特に良好になるのである。
請求項10の機能性包体においては、その酸素の透過度
が2000〜200000ml/m2/24hr/atmのものとすることによ
り、皮膚呼吸が円滑に為しえて皮膚の白化やカユミ等が
発生せず、安全性が一層高くなる効果を有するのであ
る。
請求項11の機能性包体においては、吸水性ポリマー単
独、或いは吸水性ポリマーと無機質吸水剤からなる吸水
性組成物で形成された吸水層に滅菌剤が含有されている
ことにより、皮膚表面での化膿を防止して一層傷口等を
治癒を促進しうる効果を有するのである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はそれぞれ本発明の実施例を示す平面
図、第3図及び第4図はそれぞれ他の実施例を示す断面
図、第5図及び第6図はそれぞれ更に他の実施例を示す
平面図、第7図は他の実施例を示す斜視図である。 (1)……機能性包体、(1a)……周縁部、(2)……
通気性合成樹脂フィルム、(3)……多孔性合成樹脂フ
ィルム、(4)……吸水層、(5)……接着剤、(6)
……粘着剤層、(S)……吸水層の無い部位。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−51849(JP,A) 特開 昭59−57654(JP,A) 実開 昭57−2018(JP,U) 実開 昭61−80018(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61F 13/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】皮膚の創傷部或いは適用部位を覆う包体で
    あって、該包体が通気性合成樹脂フィルムと最大孔径が
    30μm以下の多孔性合成樹脂フィルムの間に吸水層を介
    在させた積層フィルムからなる機能性包体において、上
    記吸水層が吸水性ポリマー単独、或いは吸水性ポリマー
    と無機質吸水剤からなる吸水性組成物で形成された吸水
    性の層であり、且つ上記多孔性合成樹脂フィルムが親水
    性付与剤で親水処理を施されていることを特徴とする機
    能性包体。
  2. 【請求項2】吸水層が全面に介在されている請求項1に
    記載の機能性包体。
  3. 【請求項3】吸水層が全面に亙って部分的に介在されて
    いる請求項1に記載の機能性包体。
  4. 【請求項4】吸水層が周縁部を除く中間部に介在されて
    いる請求項1に記載の機能性包体。
  5. 【請求項5】請求項3又は4に記載の機能性包体におい
    て、吸水層が介在されていない部位を熱融着している機
    能性包体。
  6. 【請求項6】請求項3又は4に記載の機能性包体におい
    て、吸水層が介在されていない部位を接着剤で接着して
    いる機能性包体。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれか1項に記載の
    機能性包体において、その多項孔合成樹脂フィルムの露
    出面に部分的に粘着剤層が形成されている機能性包体。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の機能性包体において、粘
    着剤層が多孔性合成樹脂フィルムの露出面全体に亙って
    部分的に形成されている機能性包体。
  9. 【請求項9】請求項7に記載の機能性包体において、粘
    着剤層が多孔性合成樹脂フィルムの露出面周縁部のみに
    形成されている機能性包体。
  10. 【請求項10】請求項1ないし9のいずれか1項に記載
    の機能性包体において、その酸素透過度が2000〜200000
    ml/m2/24hr/atmである機能性包体。
  11. 【請求項11】吸水層に殺菌剤が含有されている請求項
    1ないし10のいずれか1項に記載の機能性包体。
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