JP2839813B2 - 連続圧延機の材料張力およびルーパ角度制御装置 - Google Patents
連続圧延機の材料張力およびルーパ角度制御装置Info
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- Control Of Metal Rolling (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】連続圧延機のスタンド間に機械式
ルーパを備えて、スタンド間材料張力とルーパ角度をそ
れぞれの設定値に制御する制御装置に関するものであ
る。
ルーパを備えて、スタンド間材料張力とルーパ角度をそ
れぞれの設定値に制御する制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】まず、連続圧延機とそのスタンド間に配
置されているルーパの作用について説明する。図2に連
続圧延機の概要を示す。被圧延材1は、図2の左から搬
入され前段スタンド2で圧延された後、スタンド間を通
り後段スタンド3で圧延され図2で右方に搬出される。
この時、被圧延材は前段スタンドと後段スタンドとの間
でつながって同時に圧延されるため、前段スタンドから
出る量と後段スタンドに引き込まれる量に従い、被圧延
材には張力が働いている。この材料張力は製品寸法の精
度や圧延の安定性に大きく影響を与えるため、スタンド
間にルーパと呼ばれる装置4が設置されている。このル
ーパが軸を中心として反時計回りに回転すると、スタン
ド間の非圧延材を押し上げ被圧延材の張力が増加し、時
計回りに回転すると、逆に被圧延材の張力が減少する。
置されているルーパの作用について説明する。図2に連
続圧延機の概要を示す。被圧延材1は、図2の左から搬
入され前段スタンド2で圧延された後、スタンド間を通
り後段スタンド3で圧延され図2で右方に搬出される。
この時、被圧延材は前段スタンドと後段スタンドとの間
でつながって同時に圧延されるため、前段スタンドから
出る量と後段スタンドに引き込まれる量に従い、被圧延
材には張力が働いている。この材料張力は製品寸法の精
度や圧延の安定性に大きく影響を与えるため、スタンド
間にルーパと呼ばれる装置4が設置されている。このル
ーパが軸を中心として反時計回りに回転すると、スタン
ド間の非圧延材を押し上げ被圧延材の張力が増加し、時
計回りに回転すると、逆に被圧延材の張力が減少する。
【0003】従来の制御手法を以下に述べる。材料先端
や尾端など被圧延材の寸法や温度が大きく変化する場合
の圧延では、スタンド間の材料張力が大きく変動しルー
パが不安定になり易い。このため図3に示すように、材
料張力の設定値とルーパ角度の検出値を入力し、材料張
力を設定値にするために必要となるルーパ駆動トルクを
演算する張力制御装置9と、ルーパ角度の設定値と検出
値との偏差を入力し、その偏差をゼロにするように圧延
速度の修正量を計算するルーパ高さ制御装置10とを用
いて制御を行うのが一般的である(参考文献:日本鉄鋼
協会編「板圧延の理論と実際」p.306)。図3を参考に
してこの制御方法を詳しく説明する。
や尾端など被圧延材の寸法や温度が大きく変化する場合
の圧延では、スタンド間の材料張力が大きく変動しルー
パが不安定になり易い。このため図3に示すように、材
料張力の設定値とルーパ角度の検出値を入力し、材料張
力を設定値にするために必要となるルーパ駆動トルクを
演算する張力制御装置9と、ルーパ角度の設定値と検出
値との偏差を入力し、その偏差をゼロにするように圧延
速度の修正量を計算するルーパ高さ制御装置10とを用
いて制御を行うのが一般的である(参考文献:日本鉄鋼
協会編「板圧延の理論と実際」p.306)。図3を参考に
してこの制御方法を詳しく説明する。
【0004】まず、図3の張力制御装置10について説
明する。ルーパ角度θ[rad]と材料張力T[kgf/mm2]の静
的な釣合を考えると、ルーパ回転軸にかかるトルクは次
の3つに分けられる。 (1)材料張力によるトルク GT(T,θ) = k1{sin(θ+θ2)-sin(θ-θ1)}T [N・m] ・・・(1) (2)材料の重量WS[kg]とルーパの重量WL[kg]による
トルク GW(θ) = (k2WS+k3WL)cos(θ) [N・m] ・・・(2) (3)材料を曲げたことによるトルク GB(θ) = k4(Lsin(θ)−H)cos(θ) [N・m] ・・・(3) これらの式で、k1〜k4は正の定数、Lはスタンド間距離
[mm]、Hはパスライン高さ[mm]である。これらより、ル
ーパ角度がθ[rad]で材料張力がT[kgf/mm2]のときに、
ルーパ軸にかかるトルクは、 GM(T,θ) = GT(T,θ) + GW(θ) + GB(θ) ・・・(4) となる。従って、ルーパ角度の検出値θ[rad]と材料張
力の設定値To[kgf/mm2]により(1)〜(4)式を計算し、ル
ーパ回転軸にGM(To,θ)のトルクをルーパモータより
与えれば、材料張力Tはその設定値Toに釣り合うこと
になる。
明する。ルーパ角度θ[rad]と材料張力T[kgf/mm2]の静
的な釣合を考えると、ルーパ回転軸にかかるトルクは次
の3つに分けられる。 (1)材料張力によるトルク GT(T,θ) = k1{sin(θ+θ2)-sin(θ-θ1)}T [N・m] ・・・(1) (2)材料の重量WS[kg]とルーパの重量WL[kg]による
トルク GW(θ) = (k2WS+k3WL)cos(θ) [N・m] ・・・(2) (3)材料を曲げたことによるトルク GB(θ) = k4(Lsin(θ)−H)cos(θ) [N・m] ・・・(3) これらの式で、k1〜k4は正の定数、Lはスタンド間距離
[mm]、Hはパスライン高さ[mm]である。これらより、ル
ーパ角度がθ[rad]で材料張力がT[kgf/mm2]のときに、
ルーパ軸にかかるトルクは、 GM(T,θ) = GT(T,θ) + GW(θ) + GB(θ) ・・・(4) となる。従って、ルーパ角度の検出値θ[rad]と材料張
力の設定値To[kgf/mm2]により(1)〜(4)式を計算し、ル
ーパ回転軸にGM(To,θ)のトルクをルーパモータより
与えれば、材料張力Tはその設定値Toに釣り合うこと
になる。
【0005】つぎに、図3のルーパ高さ制御装置10に
ついて説明する。ルーパ角度の検出値θ[rad]とその設
定値θo[rad]との偏差Δθ[rad] Δθ = θo−θ ・・・(5) をゼロにするようにPID制御を行い、前段および/ま
たは後段スタンドのミルモータ速度を修正する。圧延速
度の修正量Δv[mm/s]は次式によって計算する。 Δv = k5・d{Δθ}/dt + k6・Δθ + k7・∫Δθdt ・・・(6) ここで、k5〜k7は定数であり前段スタンドのミルモータ
速度を修正する場合には正の値であり、後段スタンドの
ミルモータ速度を修正する場合には負の値を持つ。ま
た、d{Δθ}/dtはΔθの時間微分、∫ΔθdtはΔθの時
間積分を表している。
ついて説明する。ルーパ角度の検出値θ[rad]とその設
定値θo[rad]との偏差Δθ[rad] Δθ = θo−θ ・・・(5) をゼロにするようにPID制御を行い、前段および/ま
たは後段スタンドのミルモータ速度を修正する。圧延速
度の修正量Δv[mm/s]は次式によって計算する。 Δv = k5・d{Δθ}/dt + k6・Δθ + k7・∫Δθdt ・・・(6) ここで、k5〜k7は定数であり前段スタンドのミルモータ
速度を修正する場合には正の値であり、後段スタンドの
ミルモータ速度を修正する場合には負の値を持つ。ま
た、d{Δθ}/dtはΔθの時間微分、∫ΔθdtはΔθの時
間積分を表している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】材料の先端部において
は、ルーパ角度θと張力Tは共にそれぞれの設定値θo
とToよりも小さくなっている。従来の制御装置の場
合、ルーパ角度θを圧延速度を修正することにより制御
し、材料張力Tをルーパモータ電流で制御することにな
るため、ルーパ駆動トルクGM(To,θ)と圧延速度の修
正量Δvを(1)〜(6)式に基づいて計算すると、GM(To,
θ)とΔvは共に増加する方向に作用する。ルーパ駆動
トルクGM(To,θ)を増加させることは、ルーパを上昇
させ材料張力を増加させる作用があり、圧延速度の修正
量Δvを増加させることは、ルーパの上昇を助けるが、
材料張力は減少させる効果がある。このため、材料張力
から見るとGM(To,θ)とΔvによる作用が相殺され、
材料張力が設定値に到達するまでの時間が遅くなる。
は、ルーパ角度θと張力Tは共にそれぞれの設定値θo
とToよりも小さくなっている。従来の制御装置の場
合、ルーパ角度θを圧延速度を修正することにより制御
し、材料張力Tをルーパモータ電流で制御することにな
るため、ルーパ駆動トルクGM(To,θ)と圧延速度の修
正量Δvを(1)〜(6)式に基づいて計算すると、GM(To,
θ)とΔvは共に増加する方向に作用する。ルーパ駆動
トルクGM(To,θ)を増加させることは、ルーパを上昇
させ材料張力を増加させる作用があり、圧延速度の修正
量Δvを増加させることは、ルーパの上昇を助けるが、
材料張力は減少させる効果がある。このため、材料張力
から見るとGM(To,θ)とΔvによる作用が相殺され、
材料張力が設定値に到達するまでの時間が遅くなる。
【0007】材料の尾端部においては、前段スタンドか
ら材料が抜けたときに、材料が跳ね上がるのを防止する
ため、ルーパ角度の設定値θoと材料張力の設定値Toを
共に定常状態の圧延時より小さくする。設定値を小さく
した直後は、ルーパ角度θと張力Tは共にそれぞれの設
定値θoとToよりも大きくなっている。同様に、ルーパ
駆動トルクGM(To,θ)と圧延速度の修正量Δvを(1)〜
(6)式に基づいて計算すると、GM(To,θ)とΔvは共に
減少する方向に作用する。ルーパ駆動トルクGM(To,
θ)を減少させることは、ルーパを下降させ材料張力を
減少させる作用があり、圧延速度の修正量Δvを小さく
することは、ルーパの下降を助けるが、材料張力は増加
させる作用がある。このため、材料張力に対してはG
M(To,θ)とΔvによる作用が相殺され、やはり材料張
力が設定値に到達するまでの時間が長くなる。
ら材料が抜けたときに、材料が跳ね上がるのを防止する
ため、ルーパ角度の設定値θoと材料張力の設定値Toを
共に定常状態の圧延時より小さくする。設定値を小さく
した直後は、ルーパ角度θと張力Tは共にそれぞれの設
定値θoとToよりも大きくなっている。同様に、ルーパ
駆動トルクGM(To,θ)と圧延速度の修正量Δvを(1)〜
(6)式に基づいて計算すると、GM(To,θ)とΔvは共に
減少する方向に作用する。ルーパ駆動トルクGM(To,
θ)を減少させることは、ルーパを下降させ材料張力を
減少させる作用があり、圧延速度の修正量Δvを小さく
することは、ルーパの下降を助けるが、材料張力は増加
させる作用がある。このため、材料張力に対してはG
M(To,θ)とΔvによる作用が相殺され、やはり材料張
力が設定値に到達するまでの時間が長くなる。
【0008】連続圧延においては、スタンド間の材料張
力の影響は製品寸法や圧延の安定性に大きく影響を与え
るため、材料張力を速やかに設定値に到達させることが
望ましい。しかし、従来の制御装置の場合、先の原因に
より材料張力を速やかに設定値に到達させることは困難
である。
力の影響は製品寸法や圧延の安定性に大きく影響を与え
るため、材料張力を速やかに設定値に到達させることが
望ましい。しかし、従来の制御装置の場合、先の原因に
より材料張力を速やかに設定値に到達させることは困難
である。
【0009】本発明は連続圧延機のスタンド間張力ルー
パ角度制御装置において、先端部と尾端部の材料張力を
速やかに設定値に到達させる制御装置を提供することを
目的とする。
パ角度制御装置において、先端部と尾端部の材料張力を
速やかに設定値に到達させる制御装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、連続圧延機に
おいて、スタンド間に配置されたルーパ角度の設定値と
スタンド間の材料張力の設定値を入力しルーパ角度を設
定値に保持するために必要となるルーパ駆動トルクを演
算し、前記ルーパ駆動トルクに基づいてルーパモータ電
流制御装置に指令を与える第1の制御装置と、材料張力
の検出信号とその設定値を入力し材料張力を設定値に保
持するために必要となる圧延速度修正量を演算し、前記
圧延速度修正量に基づいて前段スタンドおよび/または
後段スタンドのミルモータ速度制御装置に指令を与える
第2の制御装置とを合わせ持つことを特徴とする連続圧
延機のスタンド間材料張力およびルーパ角度制御装置で
ある。
おいて、スタンド間に配置されたルーパ角度の設定値と
スタンド間の材料張力の設定値を入力しルーパ角度を設
定値に保持するために必要となるルーパ駆動トルクを演
算し、前記ルーパ駆動トルクに基づいてルーパモータ電
流制御装置に指令を与える第1の制御装置と、材料張力
の検出信号とその設定値を入力し材料張力を設定値に保
持するために必要となる圧延速度修正量を演算し、前記
圧延速度修正量に基づいて前段スタンドおよび/または
後段スタンドのミルモータ速度制御装置に指令を与える
第2の制御装置とを合わせ持つことを特徴とする連続圧
延機のスタンド間材料張力およびルーパ角度制御装置で
ある。
【0011】
【作用】本発明の作用を図1を用いて説明する。第1の
制御装置11は、ルーパ角度の設定値θoと材料張力の
設定値Toを入力し、ルーパ角度θをその設定値θoに保
持するために必要となるルーパ駆動トルクを演算する。
従って、現在のルーパ角度がその設定値より小さい場
合、ルーパモータの電流を増加させる方向に作用する。
逆に、現在のルーパ角度がその設定値より大きい場合、
ルーパモータの電流を減少させる方向に作用する。
制御装置11は、ルーパ角度の設定値θoと材料張力の
設定値Toを入力し、ルーパ角度θをその設定値θoに保
持するために必要となるルーパ駆動トルクを演算する。
従って、現在のルーパ角度がその設定値より小さい場
合、ルーパモータの電流を増加させる方向に作用する。
逆に、現在のルーパ角度がその設定値より大きい場合、
ルーパモータの電流を減少させる方向に作用する。
【0012】第2の制御装置12は、材料張力の検出信
号Tとその設定値Toを入力し、材料張力Tをその設定
値Toに保持するために必要となる圧延速度修正量を演
算する。従って、現在の材料張力がその設定値より小さ
い場合、圧延速度を修正してスタンド間の材料を引っ張
る方向に作用する。逆に、現在の張力がその設定値より
大きい場合、スタンド間の材料を緩める方向に作用す
る。
号Tとその設定値Toを入力し、材料張力Tをその設定
値Toに保持するために必要となる圧延速度修正量を演
算する。従って、現在の材料張力がその設定値より小さ
い場合、圧延速度を修正してスタンド間の材料を引っ張
る方向に作用する。逆に、現在の張力がその設定値より
大きい場合、スタンド間の材料を緩める方向に作用す
る。
【0013】ルーパモータの電流を増加させることは、
ルーパを上昇させると共にスタンド間の材料を引っ張る
作用がある。ミルモータの速度を修正してスタンド間の
材料を引っ張ることは、張力を増加させると共に、ルー
パを下降させる作用がある。材料の先端部においては、
ルーパ角度θと張力Tは共にそれぞれの設定値θoとTo
よりも小さくなっている。この時、本発明の制御装置
は、ルーパ電流を増加することにより、ルーパ駆動トル
クを大きくし、また前段スタンドおよび/または後段ス
タンドのミルモータ速度を修正することによりスタンド
間の材料を引っ張り、材料張力を増加させる方向に作用
する。このことは、ルーパから見るとルーパ電流による
作用とミルモータによる作用が相殺されその上昇速度は
遅くなるが、材料張力から見るとルーパ電流による作用
とミルモータによる作用が加え合わされ素早く設定値に
到達させる作用がある。
ルーパを上昇させると共にスタンド間の材料を引っ張る
作用がある。ミルモータの速度を修正してスタンド間の
材料を引っ張ることは、張力を増加させると共に、ルー
パを下降させる作用がある。材料の先端部においては、
ルーパ角度θと張力Tは共にそれぞれの設定値θoとTo
よりも小さくなっている。この時、本発明の制御装置
は、ルーパ電流を増加することにより、ルーパ駆動トル
クを大きくし、また前段スタンドおよび/または後段ス
タンドのミルモータ速度を修正することによりスタンド
間の材料を引っ張り、材料張力を増加させる方向に作用
する。このことは、ルーパから見るとルーパ電流による
作用とミルモータによる作用が相殺されその上昇速度は
遅くなるが、材料張力から見るとルーパ電流による作用
とミルモータによる作用が加え合わされ素早く設定値に
到達させる作用がある。
【0014】材料の尾端部においては、前段スタンドか
ら材料が抜けたときに、材料が跳ね上がるのを防止する
ため、ルーパ角度の設定値θoと材料張力の設定値Toを
共に定常状態の圧延時より小さくする。設定値を小さく
した直後は、ルーパ角度θと張力Tは共にそれぞれの設
定値θoとToよりも大きくなっている。この時、本発明
の制御装置は、ルーパ電流を減少することにより、ルー
パ駆動トルクを小さくし、また前段スタンドおよび/ま
たは後段スタンドのミルモータ速度を修正することによ
りスタンド間の材料を緩め、材料張力を減少させる方向
に作用する。このことは、ルーパから見るとルーパ電流
による作用とミルモータによる作用が相殺されその下降
速度は遅くなるが、材料張力から見るとルーパ電流によ
る作用とミルモータによる作用が加え合わされ素早く設
定値に到達させる作用がある。
ら材料が抜けたときに、材料が跳ね上がるのを防止する
ため、ルーパ角度の設定値θoと材料張力の設定値Toを
共に定常状態の圧延時より小さくする。設定値を小さく
した直後は、ルーパ角度θと張力Tは共にそれぞれの設
定値θoとToよりも大きくなっている。この時、本発明
の制御装置は、ルーパ電流を減少することにより、ルー
パ駆動トルクを小さくし、また前段スタンドおよび/ま
たは後段スタンドのミルモータ速度を修正することによ
りスタンド間の材料を緩め、材料張力を減少させる方向
に作用する。このことは、ルーパから見るとルーパ電流
による作用とミルモータによる作用が相殺されその下降
速度は遅くなるが、材料張力から見るとルーパ電流によ
る作用とミルモータによる作用が加え合わされ素早く設
定値に到達させる作用がある。
【0015】
【実施例】図1の第1の制御装置11は、ルーパ角度の
目標値θoと材料張力の目標値Toを(4)式に代入した式
(7) GM(To,θo) = GT(To,θo) + GW(θo) + GB(θo) ・・・(7) を計算し、ルーパモータがルーパ回転軸へトルクGM(T
o,θo)[N・m]を与えるように、ルーパモータ電流制御装
置8へ指令を与える。このとき、ルーパ角度θと材料張
力Tがそれぞの設定値θo,Toに一致したとき、ルーパ
モータがルーパ回転軸へ与えるトルクと、材料張力やル
ーパ自重がルーパ回転軸に与えるトルクと釣り合う。ま
た、材料張力Tがその設定値Toに一致し、ルーパ角度
θがその設定値θoよりも大きい場合、材料張力がルー
パ回転軸に与えるトルクは(7)式のトルクより大きくな
るため、結果としてルーパ回転軸には下向きにトルクが
働き、ルーパ角度θはその設定値θoへ向かう。材料張
力Tがその設定値Toに一致し、ルーパ角度θがその設
定値θoよりも小さい場合も、同様に、ルーパ角度θは
その設定値θoへ向かう。いずれにしても、材料張力T
がその設定値Toに一致しさえすれば、ルーパ角度θは
その設定値θoへ収束する。
目標値θoと材料張力の目標値Toを(4)式に代入した式
(7) GM(To,θo) = GT(To,θo) + GW(θo) + GB(θo) ・・・(7) を計算し、ルーパモータがルーパ回転軸へトルクGM(T
o,θo)[N・m]を与えるように、ルーパモータ電流制御装
置8へ指令を与える。このとき、ルーパ角度θと材料張
力Tがそれぞの設定値θo,Toに一致したとき、ルーパ
モータがルーパ回転軸へ与えるトルクと、材料張力やル
ーパ自重がルーパ回転軸に与えるトルクと釣り合う。ま
た、材料張力Tがその設定値Toに一致し、ルーパ角度
θがその設定値θoよりも大きい場合、材料張力がルー
パ回転軸に与えるトルクは(7)式のトルクより大きくな
るため、結果としてルーパ回転軸には下向きにトルクが
働き、ルーパ角度θはその設定値θoへ向かう。材料張
力Tがその設定値Toに一致し、ルーパ角度θがその設
定値θoよりも小さい場合も、同様に、ルーパ角度θは
その設定値θoへ向かう。いずれにしても、材料張力T
がその設定値Toに一致しさえすれば、ルーパ角度θは
その設定値θoへ収束する。
【0016】図1の第2の制御装置12は、材料張力の
検出値Tとその設定値To[kgf/mm2]との偏差ΔT[kgf/m
m2] ΔT = To−T ・・・(8) をゼロにするようにPID制御を行い、前段および/ま
たは後段スタンドのミルモータ速度を修正する。圧延速
度の修正量Δv1[mm/s]は、次式によって計算する。 Δv1 = k8・d{ΔT}/dt + k9・ΔT + k10・∫ΔTdt ・・・(9) ここで、k8〜k10は定数であり前段スタンドのミルモー
タ速度を修正する場合には負の値であり、後段スタンド
の圧延速度を修正する場合には正の値を持つ。また、d
{ΔT}/dtはΔTの時間微分、∫ΔTdtはΔTの時間積
分を表している。制御装置12は、材料張力Tがその設
定値Toより小さい場合、(8)式のΔTは正の値となる。
前段スタンドミルモータ速度を修正すると決めた場合、
(9)式のΔv1は負の値を持つため、スタンド間の材料は
引っ張られ張力Tは増加する。材料張力Tがその設定値
Toより大きい場合も同様に張力Tは減少する。さら
に、材料張力Tとその設定値Toとの誤差ΔTを積分し
てΔv1を計算しているため、誤差ΔTがゼロでないと
Δv1は徐々に大きな値を持ち、誤差ΔTは必ずゼロに
なる。 以上より、材料張力Tは必ずその設定値Toに
収束し、かつ、そのときルーパ角度θはその設定値θo
に収束する。
検出値Tとその設定値To[kgf/mm2]との偏差ΔT[kgf/m
m2] ΔT = To−T ・・・(8) をゼロにするようにPID制御を行い、前段および/ま
たは後段スタンドのミルモータ速度を修正する。圧延速
度の修正量Δv1[mm/s]は、次式によって計算する。 Δv1 = k8・d{ΔT}/dt + k9・ΔT + k10・∫ΔTdt ・・・(9) ここで、k8〜k10は定数であり前段スタンドのミルモー
タ速度を修正する場合には負の値であり、後段スタンド
の圧延速度を修正する場合には正の値を持つ。また、d
{ΔT}/dtはΔTの時間微分、∫ΔTdtはΔTの時間積
分を表している。制御装置12は、材料張力Tがその設
定値Toより小さい場合、(8)式のΔTは正の値となる。
前段スタンドミルモータ速度を修正すると決めた場合、
(9)式のΔv1は負の値を持つため、スタンド間の材料は
引っ張られ張力Tは増加する。材料張力Tがその設定値
Toより大きい場合も同様に張力Tは減少する。さら
に、材料張力Tとその設定値Toとの誤差ΔTを積分し
てΔv1を計算しているため、誤差ΔTがゼロでないと
Δv1は徐々に大きな値を持ち、誤差ΔTは必ずゼロに
なる。 以上より、材料張力Tは必ずその設定値Toに
収束し、かつ、そのときルーパ角度θはその設定値θo
に収束する。
【0017】従来の制御装置と本発明の制御装置とを用
い、材料張力に関して比較した結果を図4に示す。同図
で明らかなように本発明の制御装置を用いると、従来の
制御装置に比べ、材料張力が設定値に到達する時間が約
1/3以下に減少している。
い、材料張力に関して比較した結果を図4に示す。同図
で明らかなように本発明の制御装置を用いると、従来の
制御装置に比べ、材料張力が設定値に到達する時間が約
1/3以下に減少している。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来の制御装置と比べ、材料張力が設定値に到達する時間
が著しく減少するので、先端部および尾端部の製品寸法
精度が向上する効果がある。また、連続圧延の場合低張
力であると材料が蛇行して操業が停止する危険性があ
る。本発明の制御装置の場合、低張力の時間を短くする
ことができるため、操業停止の危険性を減少させ、操業
の安定性を向上させる効果がある。
来の制御装置と比べ、材料張力が設定値に到達する時間
が著しく減少するので、先端部および尾端部の製品寸法
精度が向上する効果がある。また、連続圧延の場合低張
力であると材料が蛇行して操業が停止する危険性があ
る。本発明の制御装置の場合、低張力の時間を短くする
ことができるため、操業停止の危険性を減少させ、操業
の安定性を向上させる効果がある。
【図1】 本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。
ある。
【図2】 連続圧延機の概要とルーパの作用を説明する
ための概要側面図である。
ための概要側面図である。
【図3】 従来の制御装置の構成を示すブロック図であ
る。
る。
【図4】 従来の制御装置と本発明の制御装置の作用を
比較したシミュレーション結果を示すグラフである。
比較したシミュレーション結果を示すグラフである。
1:被圧延材料 2:前段ス
タンド 3:後段スタンド 4:ルーパ
装置 5:ミルモータ 6:ルーパ
モータ 7:ミルモータ速度制御装置 8:ルーパ
モータ電流制御装置 9:張力制御装置 10:ルーパ
高さ制御装置 11:第1の制御装置 12:第2
の制御装置
タンド 3:後段スタンド 4:ルーパ
装置 5:ミルモータ 6:ルーパ
モータ 7:ミルモータ速度制御装置 8:ルーパ
モータ電流制御装置 9:張力制御装置 10:ルーパ
高さ制御装置 11:第1の制御装置 12:第2
の制御装置
Claims (1)
- 【請求項1】 連続圧延機において、スタンド間に配置
されたルーパ角度の設定値とスタンド間の材料張力の設
定値を入力しルーパ角度を設定値に保持するために必要
となるルーパ駆動トルクを演算し、前記ルーパ駆動トル
クに基づいてルーパモータ電流制御装置に指令を与える
第1の制御装置と、材料張力の検出信号とその設定値を
入力し材料張力を設定値に保持するために必要となる圧
延速度修正量を演算し、前記圧延速度修正量に基づいて
前段スタンドおよび/または後段スタンドのミルモータ
速度制御装置に指令を与える第2の制御装置とを合わせ
持つことを特徴とする連続圧延機の材料張力およびルー
パ角度制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5047093A JP2839813B2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 連続圧延機の材料張力およびルーパ角度制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5047093A JP2839813B2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 連続圧延機の材料張力およびルーパ角度制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06262231A JPH06262231A (ja) | 1994-09-20 |
JP2839813B2 true JP2839813B2 (ja) | 1998-12-16 |
Family
ID=12765579
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5047093A Expired - Lifetime JP2839813B2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 連続圧延機の材料張力およびルーパ角度制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2839813B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113083911B (zh) * | 2021-03-31 | 2023-01-10 | 北京首钢股份有限公司 | 一种轧制过程控制方法 |
-
1993
- 1993-03-09 JP JP5047093A patent/JP2839813B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06262231A (ja) | 1994-09-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19980922 |