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JP2829716B2 - アルコール飲料の製造法 - Google Patents

アルコール飲料の製造法

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JP2829716B2
JP2829716B2 JP21414195A JP21414195A JP2829716B2 JP 2829716 B2 JP2829716 B2 JP 2829716B2 JP 21414195 A JP21414195 A JP 21414195A JP 21414195 A JP21414195 A JP 21414195A JP 2829716 B2 JP2829716 B2 JP 2829716B2
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JP
Japan
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methanol
juice
pectin
fruit
gas
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JP21414195A
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JPH0937759A (ja
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行蔵 浅野
一哉 富永
修司 吉川
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HOTSUKAIDO
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HOTSUKAIDO
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、果実酒およびその蒸留
酒の製造に関する。ペクチン含有量の多い果実を発酵原
料として用いると果実の過熟の過程で生成するペクチン
エステラーゼによって、ペクチンのメトキシ基が分解さ
れ、メタノールが蓄積する。この発明は、果汁を酵母に
よってアルコール発酵させるアルコール飲料、特に蒸留
によってメタノールが濃縮される蒸留酒において効果的
で、中でもペクチン質の多い果実を原料として用いるフ
ルーツブランデーの製造分野への利用は効果が高い。
【0002】
【従来の技術】アルコール飲料に含まれるメタノール濃
度については、食品衛生法で規制されている。すなわ
ち、酒精飲料1立方センチメートル中1ミリグラム以上
のメタノールを含むものは有害な飲料と認められるとさ
れている。
【0003】果実酒のメタノール含量を低減する方法と
しては、従来から3つの方法が知られていた。即ち、
1)スーパーアロスパス等の蒸留装置を用いる方法、
2)果実を加熱処理して酵素を失活させる、3)皮を除
去する方法である。
【0004】スーパーアロスパス等の蒸留装置を用いる
方法は、高純度のアルコール蒸留酒を製造する際に用い
る方法である。この方法で蒸留すると、エタノールとメ
タノールを分離できる。しかし、同時にブランデー(蒸
留酒)として求められる複雑な香味が失われ、原料果実
の特徴を残した優良な蒸留酒を得ることはできなかっ
た。加熱処理法では、大量の果実をタンパク変成を起こ
させるほどの温度に上昇させるのは、加熱装置を設ける
必要もある上、加熱による香味の分解もあった。皮を除
去する方法は、発酵の前に絞り機で果実の内容物だけを
分離すれば良く、実施に困難な点は少ないが、メタノー
ルの除去効果も高いものではなかった。
【0005】一方、種類の製造に窒素や二酸化炭素など
の気体で果実を満たす手法は従来からあった。カーボニ
ック・マセレーションと呼ばれる方法で赤ワイン製造に
用いられる。この方法は、ブドウを容器に入れ、二酸化
炭素あるいは窒素ガスで充満させ、密封する。嫌気的抽
出と発酵によってワインは柔らかな風味と複雑なアロマ
を生成する。しかし、この方法では、窒素や二酸化炭素
などの気体を放出しないのでメタノール濃度を減少させ
ることは出来なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ペクチン質の多い果実
を原料にして、酵母によってアルコール発酵して得られ
るアルコール飲料、さらにそれを蒸留して得られる蒸留
酒において、メタノール濃度を減少させ、かつ原料から
の香味の特徴を出すことの出来る製造法が求められてい
た。
【0007】当該発明の課題は、メタノール含量の低い
アルコール飲料の製造方法を開発し、食品衛生法の規制
値以下のメタノール含量に抑えた製品を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手法】本発明者の研究により、
ペクチンエステラーゼと酸素を含まない気体の使用によ
って上記の目的が達成されることを見いだした。
【0009】即ち、果汁にペクチンエステラーゼを添加
して、ペクチンのすべてのメトキシ基を解離させ、メタ
ノールとして果汁中に蓄積させる。次に、この果汁に酸
素を含まない気体を分散させ、メタノールを気体と共に
空気中に揮散させ、果汁中のメタノール濃度を減少させ
る。その後、醸造用酵母を添加し、アルコール発酵を行
いアルコール飲料製造し、食品衛生法の規制値以下のメ
タノール含量に抑えた製品を製造することが出来る。さ
らに、このアルコール飲料を蒸留し、蒸留酒(ブランデ
ー)を生成させても、食品衛生法の規制値以下のメタノ
ール含量に抑えた製品を製造することが出来る。
【0010】使用するペクチンエステラーゼは、その起
源を問わない。植物であっても微生物であってもかまわ
ない。また、市販のペクチナーゼは、通常は純粋でな
く、ペクチンエステラーゼが共存しているのが普通であ
るので、市販のペクチナーゼ製剤を当該発明に用いるこ
とが出来る。。
【0011】果汁に中に吹き込む気体は、酸素を含まな
い気体が望ましい。酸素が含まれる気体を果汁に吹き込
んだ場合、果汁が腐敗する。よって、当該発明に用いる
気体は、二酸化炭素、窒素、あるいはヘリウム等の気体
やそれらの混合気で、かつ酸素を含まない気体が必要で
ある。
【0012】アルコール飲料を得るために発酵に用いる
酵母は、醸造用の酵母であれば、特に限定せず用いるこ
とが出来る。
【0013】
【作用】ペクチン質の多い果実を原料とした醸造製品で
は、メタノールの含量が高くなる。これは、ペクチンを
修飾しているメチル基が、ペクチンエステラーゼによっ
て加水分解されるためである。ペクチンエステラーゼ
は、ペクチナーゼとともに果実の過熟性にともなって果
実内で生合成される酵素である。
【0014】当該発明では、ペクチンエステラーゼの添
加によって、果実ペクチンに由来するメタノールを生成
させる。そして、酸素を含まない気体を吹き込むことに
よって揮散させ、メタノール濃度を減少させるものであ
る。
【0015】その後、アルコール発酵を行うので、発酵
によって生成される香気成分は、揮散する事はない。
【0016】
【実施例】以下に実施例を示し当該発明を詳細に説明す
る。ただし、当該発明はこれらの例に限定されない。
【0017】発酵原料は、完熟したプラム(レッドスタ
ー種)を使用した。冷凍保存したプラムを自然解凍し、
種を除去した。これをミキサーで破砕し、プラム果汁と
した。糖分がBrix約12%であった。この果汁3Kgにペ
クチンエステラーゼを添加したが、市販のペクチナーゼ
製剤を用いた。ペクチナーゼ製剤は、ペクチネックス・
ウルトラ(Novo Nordisk)を使用し、果汁に対して 0.1%
添加し、45℃で2時間保温した。ペクチナーゼ添加によ
るメタノール生成に要する反応時間は、45℃では2時間
で十分で、メタノールは約 820ppm 生成し、プラトーに
達した。
【0018】一方、対象区として実施したのは、ペクチ
ナーゼ及び二酸化炭素処理を行わなかった果汁を用い
た。その他の条件は同一である。
【0019】メタノールを出し切らせた果汁に二酸化炭
素を吹き込んだ。ディフューザーを用い、気泡を小さく
し、毎分300mlを吹き込んだ。果汁中に存在するメタノ
ールは、時間と共に減少し、二酸化炭素の吹き込み18時
間で70%以上が、揮散した。
【0020】次に、メタノールを揮散させた果汁をアル
コール発酵させた。発酵に用いた酵母は、山梨県工業技
術センターから分与された低温発酵性酵母 Saccharomyc
es cerevisiae 山梨 W-3株を使用した。酵母は予めYPD
培地で培養、集菌し、20%グリセロール中、-80℃で保存
した。使用時には凍結酵母をYPD培地で活性化した。な
お、処理したプラム果汁中の糖分が 25% 程度となるよ
うにグルコースを補った。これに酵母を添加し、25℃で
アルコール発酵させた。
【0021】生成した、プラムワインは、メタノール濃
度は、40ppmと無処理の対象区の583ppmと比較すると1
割以下に押さえられていた。
【0022】生成されたプラムワインを単式蒸留器で蒸
留し、粗留ブランデーとした。メタノール濃度は、当該
発明の方法で製造した蒸留酒では、117ppmと食品衛生法
で定められた1000ppmよりはるかに低い濃度となった。
しかし、対象区では、1615ppmと食品衛生法の基準を上
回っていた(表1)。製造されたプラムワイン及び粗留
ブランデーは、香味も優れかつメタノール濃度の低い優
良なものであった。
【0023】
【表1】 枠01
【0024】
【発明の効果】当該発明に従う、ペクチンエステラーゼ
処理および酸素を含まない気体によるメタノールの揮散
処理を行うことにより、メタノール濃度が低く、食品衛
生法の基準に合致した果実酒及び果実ブランデー等のア
ルコール飲料を製造することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Food Chem.4[2 ](1979)p.143−148 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12G 3/02 118 C12G 3/08 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペクチン含量の多い果実を原料としてア
    ルコール飲料を製造する際、ペクチンエステラーゼを含
    む酵素剤を果汁に添加し、ペクチンからメタノールを生
    成させ、この果汁に気体を吹き込みメタノールを揮散さ
    せ、その後、醸造用酵母によってアルコール発酵させる
    製造行程を経るアルコール飲料の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の気体が二酸化炭素あるいは窒
    素、もしくは両者の混合物などで酸素を含まない気体を
    用いるアルコール飲料の製造方法。
JP21414195A 1995-07-31 1995-07-31 アルコール飲料の製造法 Expired - Fee Related JP2829716B2 (ja)

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JPH0937759A JPH0937759A (ja) 1997-02-10
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AU2011247632B2 (en) * 2010-04-27 2014-10-02 Chr. Hansen A/S Method for inoculating yeast into fruit juice
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Food Chem.4[2](1979)p.143−148

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