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JP2806590B2 - 高分子液晶化合物及びその中間体エポキシ化合物 - Google Patents

高分子液晶化合物及びその中間体エポキシ化合物

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JP2806590B2
JP2806590B2 JP2013694A JP1369490A JP2806590B2 JP 2806590 B2 JP2806590 B2 JP 2806590B2 JP 2013694 A JP2013694 A JP 2013694A JP 1369490 A JP1369490 A JP 1369490A JP 2806590 B2 JP2806590 B2 JP 2806590B2
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polymer liquid
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ferroelectric
crystal compound
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元久 井戸
憲次 橋本
俊治 内田
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高分子液晶化合物及びその中間体エポキシ
化合物に関し、詳しくは、光学活性化合物と混合するこ
とにより、室温を含む幅広い温度範囲で強誘電性を示す
とともに、製膜性、配向性及び外的因子に対する高速応
答性に優れた強誘電性高分子液晶組成物が得られる高分
子液晶化合物、及びその製造に用いられる中間体エポキ
シ化合物に関するものである。このような高分子液晶化
合物を用いて得られる強誘電性高分子液晶組成物は、オ
プトエレクトロニクス分野、特に電卓、時計などの表示
素子、電子光学シャッター、電子光学絞り、光変調器、
光通信光路切換スイッチ、メモリー、液晶プリンターヘ
ッド、焦点距離可変レンズなどの種々の電子光学デバイ
スとして有利に使用することができる。
〔従来の技術〕
従来、低分子液晶を用いた表示素子は、電卓、時計な
どのデジタル表示に広く使用されている。これらの利用
分野では、通常、従来の低分子液晶は間隔をミクロンオ
ーダーで制御した2枚のガラス基板の間にはさんで使用
されている。しかしながら、そのような間隙の調整は大
型画面及び曲面画面では実現が不可能であった。この難
点を解決する1つの手段として液晶を高分子化し、それ
自体を成形可能ならしめることが試みられている(J,Po
lym.Sci., Polym.Lett., Ed.13,243(1975)、Polym.
Bull.,,309(1982)、特開昭55−21479号公報、特開
昭61−137133号公報など)。
しかしながら、これら従来の高分子液晶においては、
電解など外的因子の変化に対するその透過光量変化等の
応答速度が一般に遅く、未だ満足しうるものは得られて
いない。
また、前記公開公報に示されている高分子液晶は、高
分子自体は室温では液晶としての性質を示さず、ガラス
転移温度以上で透明化温度未満の温度範囲で加熱して液
晶化しなければならないなどという欠点を有している。
さらに、高分子液晶組成物として、熱可塑性非晶質高
分子化合物と低分子液晶化合物とからなる液晶組成物
(特開昭61−47427号公報)、情報記録媒体としての高
分子液晶化合物と低分子液晶化合物及び高分子化合物か
らなる液晶組成物(特開昭59−10930号公報王)が提案
されているが、これらの高分子液晶組成物は、カイラル
スメクチックC相温度域が高いか、又は低くても温度域
が著しく狭く、しかも降温過程にしかカイラルスメクチ
ックC相が現れないという実用上使い難いものであっ
た。
本出願人は、先に、上記の高分子液晶組成物の難点を
解消し、製膜性、配向性及び高速応答性に優れた強誘電
性高分子液晶組成物を得る手段として、強誘電性低分子
液晶化合物とスメクチックC相を有する側鎖型高分子液
晶化合物との混合を考案するとともに(特開昭64−6628
7号公報)、この混合に用いる高分子液晶の例も特開昭6
4−66287号公報の発明の詳細な説明の欄に開示した。し
かしながら、それらの高分子液晶を強誘電性低分子液晶
化合物と混合して調製された強誘電性高分子液晶組成物
においても、室温付近の外部電界に対する応対速度はミ
リ秒オーダーのものが多く、応答の高速性において十分
に満足しうるものではなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前記問題点を解消し、強誘電性低分子液晶
化合物あるいは非液晶性光学活性化合物といった光学活
性化合物との混合により、室温を含む広い温度範囲で強
誘電性を示し、製膜性、配向性に優れるのみならず、外
部電界に対する高速応答性において特に秀でた強誘電性
高分子液晶組成物が得られるような高分子液晶化合物、
及びその製造に用いらるれる中間体エポキシ化合物を提
供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた
結果、特開昭64−66287号公報に開示されたスメクチッ
クC相を有する側鎖型高分子液晶化合物の中でも、特定
の構造を有するポリエーテル系高分子液晶化合物が、そ
れを光学活性化合物と混合した場合、高速応答性のみな
らず強誘電性を示す温度範囲、製膜性及び配向性におい
ても特に優れた性能を示す強誘電性高分子液晶組成物が
得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式からなる繰り返し単
位を有し、スメクチックC相を有する高分子化合物を提
供するものである。
(式中、pは6〜12の整数を表し、 Rは−Z(CH2qHを表し、 ただし、Zは単結合、−O−又は−COO−を表し、 qは4〜8の整数を表す。) さらに本発明は、上記高分子液晶化合物の製造に用い
られる下記一般式からなる構造を有する中間体エポキシ
化合物を提供する。
(式中、pは6〜12の整数を表し、 Rは−Z(CH2qHを表し、 ただし、Zは単結合、−O−又は−COO−を表し、 qは4〜8の整数を表す。) 本発明の高分子液晶化合物は、この中間体エポキシ化
合物を公知の方法で重合することにより得ることができ
る。
特開昭64−66287号公報の発明の詳細な説明の欄に
は、下記一般式で表されるポリエーテル系高分子液晶化
合物が使用できることが記載されているが、 (式中、kは1〜30の整数であり、 Xは−O−(酸素)又は−COO−であり、 Yは−A(CH2mH又は−ACNであり、ここでAはは単結
合、−O−又は−COO−であり、mは0〜10の整数であ
る。) 本発明の高分子液晶化合物を実際に用いた具体例につい
ては記載がない。本発明の化合物を使用することによ
り、下記に示される如き優れた効果が得られることが見
出された。
本発明の高分子液晶化合物において上記式(III)の
スペーサーのポリメチレン基の長さ(k)に相当する数
(p)は6〜12の整数である。pが6より短いと、高分
子液晶化合物のネマチック相の温度範囲が広くなり、ス
メクチックC相を発現しないことが多く、一方pが12よ
り長いと、スメクチックA相の温度範囲が広くなり、や
はりスメクチックC相を発現しないとことが多くなるこ
とが見出された。従って、pを6〜12に限定することに
より、スメクチックC相を安定して発現する高分子液晶
化合物を得ることができる。
上記式(III)のスペーサーと剛直な部分R1を結合し
ているXは−O−又は−COO−であるが、Xが−COO−で
ある場合には−O−であるときに比べて、得られる強誘
電性高分子液晶組成物の自発分極は大きくなるものの、
粘性も大きくなってしまい、応答速度があまり速くなら
ないことが多い。Xに相当する基が−O−に限定されて
いる本発明の高分子液晶化合物を用いた場合、得られる
強誘電性液晶組成物は高速応答性に優れたものとなる。
本発明の高分子液晶化合物においては、側鎖メソゲン
基の剛直な部分が に限定されている。剛直な部分が である高分子液晶化合物は、スメクチックC相の温度範
囲が若干狭く、またそれを用いて得られる強誘電性高分
子液晶組成物の自発分極も小さくなることが見出され、
剛直な部分が である高分子液晶化合物は、化学的な安定性に欠ける。
また、剛直な部分が 又は である高分子液晶化合物は、スメクチックC相を安定し
て発現するものの、液晶状態を示す温度範囲が高く、室
温付近ではガラス状態となってしまうことが多い。本発
明の高分子液晶化合物においては、側鎖メソゲン基の剛
直な部分が に限定されているため、室温を含む広い温度範囲でスメ
クチックC相が安定して発現される。
本発明の高分子液晶化合物においては、側鎖メソゲン
基の末端基が−Z(CH2qHに限定されている。−Z(C
H2qH は−ACN と比較して、スメクチックC相を安定
して発現しやすい。−ACNの場合は、ネマチック温度範
囲が広くなり、スメクチックC相を発現しないことが多
く、また、分子長軸方向の誘電率が大きいため、電界を
かけた時、電極に対して分子が垂直に立ってしまいやす
い。
Zは単結合、−O−又は−COO−である。この3種の結
合基は、−COO−>−O−>単結合の順で高分子液晶化
合物にスメクチックC相を安定に発現させ、あるいはそ
れを用いて得られる強誘電性高分子液晶組成物に大きな
自発分極をもたらす。しかしながら、やはりこの順で粘
性が大きくなってしまうこともあるため、その優劣は一
概には規定できず、また、末端アルキル鎖の長さ(q)
との兼ね合いも考慮しなければならない。本発明におけ
る末端アルキル鎖の長さ(q)は4〜8である。qが4
より短い高分子液晶化合物では、ネマチック相温度範囲
が広く、スメクチックC相を発現しないことが多く、一
方8より長いと、スメクチックA相温度範囲が広く、や
はりスメクチックC相を発現しないことが多いことが見
出された。従って、qを4〜8に限定した本発明の高分
子液晶化合物は、スメクチックC相を安定して発現する
ことができる。
本発明の高分子液晶化合物の数平均分子量は、好まし
くは1,000〜20,000である。1,000より小さいと、これを
用いて調製される強誘電性高分子液晶組成物の製膜性が
悪くなることがあり、また、20,000より大きいと、応答
速度が遅くなることがある。
以下に、本発明の高分子液晶化合物の一般的な合成方
法を示す。
上記反応式で示される如く、4−アルケニルオキシ安
息香酸をクロロホルム等の適当な溶媒中で、溶媒量の
ピリジンの存在下、塩化チオニル等のハロゲン化剤でハ
ロゲン化し、酸ハライドを合成する。得られた酸ハラ
イドを、テトラヒドロフラン(THF)等の溶媒中でフ
ェノール誘導体と反応させてエステル化し、化合物
を合成する。得られた化合物をジクロロメタン等の溶
媒中で、m−クロロ過安息香酸(mCPBA)等の過酸でエ
ポキシ化し、本発明の中間体エポキシ化合物を合成す
る。
上記の合成法において用いられる4−アルケニルオキ
シ安息香酸は、具体的には、4−(7−オクテニルオ
キシ)安息香酸、4−(8−ノネニルオキシ)安息香
酸、4−(9−デセニルオキシ)安息香酸、4−(10−
ウンデセニルオキシ)安息香酸、4−(11−ドデセニル
オキシ)安息香酸、4−(12−トリデセニルオキシ)安
息香酸及び4−(13−テトラデセニルオキシ)安息香酸
である。また、上記合成法において用いられるフェノー
ル誘導体は、具体的には、4−n−ブチルフェノー
ル、4−n−ペンチルフェノール、4−n−ヘキシルフ
ェノール、4−n−ヘプチルフェノール、4−n−オク
チルフェノール、4−n−ブチルオキシフェノール、4
−n−ペンチルオキシフェノール、4−n−ヘキシルオ
キシフェノール、4−n−ヘプチルオキシフェノール、
4−n−オクチルオキシフェノール、4−ヒドロキシ安
息香酸n−ブチルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸n
−ペンチルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸n−ヘキ
シルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸n−ヘプチルエ
ステル及び4−ヒドロキシ安息香酸n−オクチルエステ
ルである。
次に、このようにして得られたエポキシ化合物を塩化
合第二スズなどの触媒を用いてジクロロメタン等の溶媒
中でカチオン重合させ、本発明の高分子液晶化合物を
合成する。エポキシ化合物のカチオン重合用触媒とし
ては、塩化第二スズの他、三フッ化ホウ素、塩化アルミ
ニウム、四塩化チタン等のルイス酸、硫酸、リン酸、過
塩素酸等のプロトン酸、三フッ過ホウ素エーテラートな
どを用いることができる。
重合方法としては、上記の溶液重合方式が好ましい
が、塊状重合、スラリー重合など種々の方式を用いるこ
とができる。
重合温度は、触媒の種類に依存し、一様ではないが、
通常、0〜30℃が適当である。
重合時間は重合温度など他の要因によって異なるが、
通常、数時間〜6日間である。
分子量の調節は、公知の分子量調節剤の添加あるいは
モノマーに対する触媒の濃度の調節によって行うことが
できる。
また、重合反応及び前記エポキシ化の反応において
は、必須ではないが、アルゴン、窒素等の不活性ガスで
系を置換して行うことが好ましい。
本発明の高分子液晶化合物は光学活性低分子化合物の
添加により、強誘電性高分子液晶組成物として用いるこ
とができる。その際、本発明の高分子化合物は、1種単
独で使用してもよく、また複数を適宜併用することもで
きる。
強誘電性高分子液晶組成物の調製に用いられる光学活
性低分子化合物としては、液晶性を有するもののみなら
ず、非液晶性のものも用いることができる。
非液晶性の光学活性低分子化合物と本発明の高分子液
晶化合物とを混合して強誘電性高分子液晶組成物を調製
する場合には、強誘電性高分子液晶組成物中の光学活性
低分子化合物の含有量を30モル%以下、好ましくは10〜
20モル%とすることが望ましい。非液晶性の光学活性低
分子化合物の量が30モル%より多いと、組成物中に相分
離が起こることがある。
また、液晶性の光学活性低分子化合物と本発明の高分
子液晶化合物とを混合して強誘電性高分子液晶組成物を
調製する場合には、強誘電性高分子液晶組成物中の光学
活性低分子化合物の含有量を95モル%以下、好ましくは
10〜90モル%とすることが望ましい。光学活性低分子化
合物の量が95モル%より多いと、組成物の配向性、製膜
性が大きく低下することがある。
強誘電性液晶組成物の調製において本発明の高分子液
晶化合物と混合する液晶性の光学活性低分子化合物とし
ては、種々の公知光学活性低分子化合物を用いることが
でき、例えば、シッフ塩基系の強誘電性低分子液晶化合
物、アゾ系及びアゾキシ系強誘電性低分子液晶化合物、
ビフェニル系及びアロマティックスエステル系強誘電性
低分子液晶化合物、ビフェニル系及びアロマティックス
エステル系強誘電性低分子液晶化合物にハロゲン、シア
ノ基等の環置換基を導入したもの、並びに複素環を有す
る強誘電性低分子液晶化合物を挙げることができる。こ
れら液晶性の光学活性低分子化合物の代表的な例を以下
に示す。
シッフ塩基系強誘電性低分子液晶化合物 アゾ系及びアゾキシ系強誘電性低分子液晶化合物 ビフェニル系及びアロマティックスエステル系強誘電性
低分子液晶化合物 ハロゲン、シアノ基等の環置換基を導入した強誘電性低
分子液晶化合物 複素環を有する強誘電性低分子液晶化合物 強誘電性液晶組成物の調製において本発明の高分子液
晶化合物と混合する非液晶性の光学活性低分子化合物と
しては、種々の公知の光学活性低分子化合物を用いるこ
とができ、なかでも好適な代表例として下記の化合物を
挙げることができる。
なお、これらの光学活性低分子化合物を本発明の高分
子液晶化合物と混合して強誘電性高分子液晶組成物を調
製するにあたっては、これらの光学活性低分子化合物は
1種単独で使用することもでき、また複数を適宜併用す
ることもできる。
このようにして本発明の高分子液晶化合物と光学活性
低分子化合物とを配合して得られる強誘電性高分子液晶
組成物は、公知の製膜法、例えばキャスティング法、T
ダイ法、インフレーション法、カレンダー法、延伸法な
どによってフィルムに成形して用いることができる。フ
ィルム状の高分子液晶組成物は、2枚の通常のガラス基
板はもとより、大型のガラス基板、曲面状のガラス基
板、ポリエステルフィルムなど可撓性の基板の間に通常
の導電膜を介してはさんで液晶ディスプレー、電子光学
シャッター、電子光学絞りなどの種々のオプトエレクト
ロニクスの分野に利用することができる。また、適当な
溶媒に溶解した高分子液晶組成物の溶液を基板面に塗布
し、溶媒を蒸発させることによって、直接基板面上に密
着した状態でフィルム化することもできる。
このようにして製膜された強誘電性高分子液晶組成物
のフィルムの配合に好適な方法としては、力学的配向法
が好ましく、特に好ましくは延伸配合法、ロールを用い
てフィルムに曲げ変形による剪断応力を与えて配向する
曲げ配向法などがある。
延伸配向法としては、プラスチックフィルムの延伸に
通常用いられる方法、例えば一軸延伸法、二軸延伸法、
プレス延伸法、及びインフレーション延伸法等が挙げら
れる。これらの方法のうち一軸延伸法が好適に用いられ
る。延伸率は通常30〜1000%、好ましくは50〜600%で
ある。延伸率が30%未満だと液晶の配向度が低く、良好
なコントラスト比が得られない。また、1000%を超える
と、連続性のある膜が得られない。
高分子液晶組成物の配向処理は、高分子液晶組成物単
独で行ってもよいし、又は2枚の可撓性プラスチックフ
ィルムで挟んで行ってもよい。また、透明基板に高分子
液晶組成物を挾持した状態でプレスすることにより配合
することもできる。
高分子液晶組成物のフィルムの両面に位置する2枚の
導電膜のうち、少なくとも1枚は透明導電膜とする。透
明導電膜としては、酸化スズを被着させたNESA膜、酸化
スズと酸化インジウムよりなるITO膜等を用いることが
できる。そして、この透明導電膜は、ガラス、プラスチ
ック(ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、
ポリエーテルスルフォン樹脂等)の透明基板の内側に設
けることが好ましい。高分子液晶組成物を表示素子とし
て用いる場合は、透明基板の外側に偏光板や反射板を設
けることが好ましい。
透明導電膜を使用しない場合に用いられる不透明な導
電膜としては、アルミ、金の蒸着膜、スパッタリング膜
等が挙げられる。
なお、強誘電性高分子液晶組成物を調製するにあたっ
ては、本発明の高分子液晶化合物と光学活性化合物の他
に、他のポリマー、安定剤、可塑剤などを含めた種々の
無機、有機及び金属類等の添加剤の添加など、当業界に
おいてよく知られている処理方法により、改善すること
ができる。
〔実施例〕
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
なお、得られたエポキシ化合物の構造は、1H−NMR及
び元素分析により確認し、得られた高分子液晶化合物の
構造は1H−NMRにより確認した。また、相転移温度の測
定及び相の確認は、それぞれDSC及び偏光顕微鏡により
行った。
相状態は、次の略号を用いて示した。(glass:ガラス
状態、Cry:結晶状態、SmX:未同定の高次のスメクチック
相、SmC:スメクチックC相、SmC:カイラルスメクチ
ックC相、SmA:スメクチックA相、N:ネマチック相、Is
o:等方相)また、相転移挙動を表す式において、数字は
相変化温度を℃で表したものである。
実施例1 高分子液晶化合物の合成 下記式で表される繰り返し単位を有する高分子液晶化
合物を合成した。
4(9−デセニルオキシ)安息香酸10ミリモル(2.76
g)のクロロホルム(CHCl3)20ml溶液に、塩化チオニル
20ミリモル(2.38g)と数滴のピリジンを加えた。得ら
れた混合物を2時間加熱還流した後、溶媒及び過剰な塩
化チオニルを留去した。残った油状物質をテトラヒドロ
フラン10mlに溶解させ、4−ヒドロキシ安息香酸n−ブ
チルエステル10ミリモル(1.94g)とトリエチルアミン1
0ミリモル(1.01g)が溶解しているテトラヒドロフラン
20ml溶液に滴下し、室温で6時間撹拌した。得られた反
応溶液から溶媒を留去した後、エーテル抽出し、抽出液
を希塩酸水溶液で洗浄した。エーテル層を硫酸マグネシ
ウムで乾燥した後、エーテルを留去し、残渣をメタノー
ルから再結晶することにより、目的とするフェニルベン
ゾエート誘導体3.85gを得た。
(収率 85%) 得られたフェニルベンゾエート誘導体の1H−NMRの測
定結果を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3) 8.10(d,4H)、7.25(d,2H)、 6.95(d,2H)、 6.20〜5.30(m,1H)、 5.15〜4.80(m,2H)、 4.30(t,2H)、4.00(t,2H)、 2.30〜0.80(m,21H) 1.(1)で得られたフェニルベンゾエート誘導体10ミ
リモル(4.53g)のジクロロメタン20ml溶液に、m−ク
ロロ過安息香酸15ミリモル(2.59g)を加え、室温で5
時間反応させた。反応混合物を一晩放置した後、炭酸カ
リウム30ミリモル(4.15g)が溶解している水溶液で洗
浄し、更に、シクロロメタン層を硫酸マグネシウムで乾
燥した。乾燥したジクロロメタン層から溶媒を留去し、
残渣をメタノールから再結晶することにより、目的とす
るエポキシ化合物4.12gを得た。
(収率 88%) 得られたエポキシ化合物の1H−NMRの測定結果及び元
素分析の結果を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3) 8.06(d,4H)、7.25(d,2H)、 6.92(d,2H)、4.30(t,2H)、 4.00(t,2H)、 3.00〜2.32(m,3H)、 2.10〜0.80(m,21H) 1.(2)で得られたエポキシ化合物5ミリモル(2.34
g)のジクロロメタン25ml溶液に、アルゴンガス雰囲気
下、塩化第二スズ0.25ミリモル(0.029ml)を滴下し、
室温で5日間反応させた。反応終了後、反応溶液から溶
媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ
ゲル充填、酢酸エチル/n−ヘキサン 20〜50%展開)に
より精製し、目的とする高分子液晶化合物1.62gを得
た。(転化率 69%) 得られた高分子液晶化合物の相転移挙動及び数平均分
子量を第1表に示し、1H−NMR測定結果を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3) 8.07(d,4H)、7.21(d,2H)、 6.87(d,2H)、4.28(t,2H)、 3.92(t,2H)、 3.25〜3.80(m,3H)、 2.05〜0.75(m,21H) 実施例2 高分子液晶化合物の合成 下記式で表される繰り返し単位を有する高分子液晶化
合物を合成した。
実施例1.(1)において、4−ヒドロキシ安息香酸n
−ブチルエステルの代わりに4−ヒドロキシ安息香酸n
−ヘキシルエステルを用い、実施例1.(1)及び(2)
と同様の操作を行うことにより、上記式で表されるエポ
キシ化合物を得た。
得られたエポキシ化合物の1H−NMR測定結果及び元素
分析の結果を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3) 8.07(d,4H)、7.20(d,2H)、 6.88(d,2H)、4.30(t,2H)、 3.95(t,2H)、 3.10〜2.25(m,3H)、 2.05〜0.70(m,25H) 2(1)で得られたエポキシ化合物を用い、実施例1.
(3)と同様の操作を行うことにより、上記式で表され
る繰り返し単位を有する高分子液晶化合物を得た。
得られた高分子液晶化合物の相転移挙動及び数平均分
子量を第1表に示し、1H−NMR測定結果を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3) 8.07(d,4H)、7.20(d,2H)、 6.88(d,2H)、4.30(t,2H)、 3.95(t,2H)、 3.26〜3.79(m,3H)、 2.10〜0.80(m,25H) 実施例3 高分子液晶化合物の合成 下記式で表される繰り返し単位を有する高分子液晶化
合物を合成した。
実施例1.(1)において、4−ヒドロキシ安息香酸n
−ブチルエステルの代わりに4−ヘキシルオキシフェノ
ールを用い、実施例1.(1)及び(2)と同様の操作を
行い、上記式で表されるエポキシ化合物を合成した。
得られたエポキシ化合物の1H−NMR測定結果及び元素
分析の結果を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3) 8.05(d,2H)、 7.20〜6.70(m,6H)、 3.75〜4.15(m,4H)、 3.05〜2.30(m,3H)、 2.05〜0.70(m,25H) 3.(1)で得られたエポキシ化合物を用い、実施例1.
(3)と同様の操作を行うことにより、上記式で表され
る繰り返し単位を有する高分子液晶化合物を得た。
得られた高分子液晶化合物の相転移挙動及び数平均分
子量を第1表に示し、1H−NMR測定結果を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3) 8.05(d,2H)、 7.20〜6.70(m,6H)、 3.75〜4.15(m,4H)、 3.20〜3.75(m,3H)、 2.05〜0.70(m,25H) 実施例4 高分子液晶化合物の合成 下記式で表される繰り返し単位を有する高分子液晶化
合物を合成した。
実施例1.(1)において、4−ヒドロキシ安息香酸n
−ブチルエステルの代わりに4−ヘキシルフェノールを
用い、実施例1.(1)及び(2)と同様の操作を行うこ
とにより、上記式で表されるエポキシ化合物を合成し
た。
得られたエポキシ化合物の1H−NMR測定結果及び元素
分析の結果を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3) 8.10(d,2H)、7.10(d,4H)、 6.90(d,2H)、4.00(t,2H)、 3.00〜2.25(m,5H)、 2.10〜0.70(m,25H) 4.(1)で得られたエポキシ化合物を用い、実施例1.
(3)と同様の操作を行うことにより、上記式で表され
る繰り返し単位を有する高分子液晶化合物を得た。
得られた高分子液晶化合物の相転移挙動及び数平均分
子量を第1表に示し、1H−NMR測定結果を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3) 8.10(d,2H)、7.10(d,4H)、 6.90(d,2H)、4.00(t,2H)、 3.70〜3.30(m,3H)、 2.60(t,2H)、 2.10〜0.70(m,25H) 実施例5 高分子液晶化合物の合成 下記式で表される繰り返し単位を有する高分子液晶化
合物を合成した。
実施例1.(1)において、4−(9−デセニルオキ
シ)安息香酸の代わりに4−(7−オクテニルオキシ)
安息香酸を、4−ヒドロキシ安息香酸n−ブチルエステ
ルの代わりに4−ヒドロキシ安息香酸n−オクチルエス
テルを用い、実施例1.(1)及び(2)と同様の操作を
行うことにより、上記式で表されるエポキシ化合物を合
成した。
得られたエポキシ化合物の1H−NMR測定結果及び元素
分析の結果を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3) 8.05(d,4H)、7.20(d,2H)、 6.88(d,2H)、4.25(t,2H)、 3.90(t,2H)、 3.05〜2.30(m,3H)、 2.10〜0.80(m,25H) 5.(1)で得られたエポキシ化合物を用い、実施例1.
(3)と同様の操作を行うことにより、上記式で表され
る繰り返し単位を有する高分子液晶化合物を得た。
得られた高分子液晶化合物の相転移挙動及び数平均分
子量を第1表に示し、1H−NMR測定結果を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3) 8.05(d,4H)、7.20(d,2H)、 6.88(d,2H)、4.25(t,2H)、 3.90(t,2H)、 3.80〜3.25(m,3H)、 2.05〜0.75(m,25H) 実施例6 高分子液晶化合物の合成 下記式で表される繰り返し単位を有する高分子液晶化
合物を合成した。
実施例1.(1)において、4−(9−デセニルオキ
シ)安息香酸の代わりに4−(10−ウンデセニルオキ
シ)安息香酸を、4−ヒドロキシ安息香酸n−ブチルエ
ステルの代わりに4−n−ブチルフェノールを用い、実
施例1.(1)及び(2)と同様の操作を行い、上記式で
表されるエポキシ化合物を合成した。
得られたエポキシ化合物の1H−NMR測定結果及び元素
分析の結果を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3) 8.10(d,2H)、7.10(d,4H)、 6.95(d,2H)、4.05(t,2H)、 3.05〜2.30(m,5H)、 2.10〜0.70(m,23H) 6.(1)で得られたエポキシ化合物を用い、実施例1.
(3)と同様の操作を行うことにより、上記式で表され
る繰り返し単位を有する高分子液晶化合物を得た。
得られた高分子液晶化合物の相転移挙動及び数平均分
子量を第1表に示し、1H−NMR測定結果を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3) 8.10(d,2H)、7.10(d,4H)、 6.95(d,2H)、4.05(t,2H)、 3.75〜3.30(m,3H)、 2.60(t,2H)、 2.10〜0.75(m,23H) 実施例7 A:高分子液晶化合物(実施例2で得られた高分子液晶化
合物) B:強誘電性低分子液晶化合物(HS−78P、帝国化学社
製、商品名) 高分子液晶化合物Aと、強誘電性低分子液晶化合物B
から、次のような方法で、Bの含有量が70モル%の強誘
電性高分子液晶組成物を調製した。
即ち、高分子液晶化合物A1.41g(3ミリモル)と強誘
電性低分子液晶化合物B2.68g(7ミリモル)をジクロロ
メタン20mlに溶解させ、均一な溶液とした。この溶液を
常圧で50℃に加熱し、溶媒を除去した、更に、減圧下で
乾燥を行って溶媒を完全に除去し、目的とする強誘電性
高分子液晶組成物を得た。
この強誘電性液晶組成物の相転移挙動を顕微鏡での観
察によって判定したところ、以下に示すとおりであっ
た。
また、この強誘電性液晶組成物の電界に対する応答時
間を測定したところ、25℃で600μsであった。電界に
対する応答時間の測定は、次のようにして行った。
即ち、2枚のITOガラス基板間に強誘電性液晶組成物
を挟み、シアリング法によって厚み約2μmの配向セル
を作製した。更にクロスニコル下で±20MV/mの電界を印
加して、その時の光透過率の変化量が0〜90%に達する
のに要する時間を測定した。
実施例8 基板材料として2枚の透明電極付き可撓性連続基板を
用い、実施例7で調製した強誘電性高分子液晶組成物を
液晶材料とする液晶光学素子を作製した。作製に用いた
製造装置を第1図に略図する。
第1図に示される製造装置は、一方の連続基板上に強
誘電性高分子液晶組成物の溶融物又は溶液を塗布する塗
布工程A、強誘電性高分子液晶組成物からなる液晶層を
塗布された連続基板と対向基板とを積層するラミネート
工程B、得られた積層体中に挾持された強誘電性高分子
液晶組成物を配向処理する配向処理工程Cからなる。製
造ラインは一定速度vで運転される。
透明電極付き可撓性基板25が基板繰り出しロール1か
ら繰り出されると同時に、基板25の両面に貼付されてい
た基板保護フィルム21及び22がそれぞれ保護フィルム巻
き取りロール2及び3により巻き取られ、基板25から剥
ぎ取られる。保護フィルムを除去された基板25は、補助
ロール4を経て塗布工程Aへ送られる。
塗布工程Aで用いられる塗布装置は、強誘電性高分子
液晶組成物の溶融物又は溶液を定量的に吐出する定量吐
出器7、先端に含浸材を装着した含浸塗布用ヘッド5、
定量吐出器7から吐出された強誘電性高分子液晶組成物
の溶融物又は溶液を含浸塗布用ヘッド5へ送るシリコン
ゴムチューブ6からなる。含浸塗布用ヘッド5は、その
含浸材が基板25の透明電極層面に間欠的に接触するよう
に、シリコンゴムチューブ6側の端部を固定点として一
定の周期運動をする。含浸材が基板25の透明電極層に接
している間、定量吐出器7が含浸塗布用ヘッド5の動き
に連動して強誘電性高分子液晶組成物の溶融物又は溶液
を定量的に吐出し、吐出された強誘電性高分子液晶組成
物の溶融物又は溶液は、シリコンゴムチューブ6を経
て、基板25に接触している含浸塗布用ヘッド5の含浸材
に送られ、一定のライン速度vで移動している基板5の
透明電極層上に塗布される。
強誘電性高分子液晶組成物の溶融物又は溶液を塗布さ
れた基板25は、補助ロール8及び9を経てラミネート工
程Bへ送られる。強誘電性高分子液晶組成物の溶液を塗
布された場合には、補助ロール8、9間に設けられた温
風乾燥器28内で、塗布層を乾燥し、溶液調製に用いられ
た溶媒を除去する。
ラミネート工程Bへは、強誘電性高分子液晶層を塗布
された基板25が送られるとともに、対向する透明電極付
き可撓性基板26が対向基板繰り出しロール18から繰り出
され、基板25と同様に保護フィルム巻き取りロール19及
び20によって基板保護フィルム23及び24を除去された
後、基板25と同じライン速度vで送られる。次いで、ラ
ミネート工程Bへ送られた基板25と対向基板26とを一対
のラミネートロール10、11間を通すことにより、基板25
の透明電極上に塗布された強誘電性高分子液晶組成物が
基板25と対向基板26上の透明電極間に挾持されるように
積層する。ラミネートロール10及び11は、液晶組成物の
塗布時に生じた小さな凹凸を平坦化し、気泡を噛み込ま
ないようにするため、加熱されている(ラミネートロー
ルの表面温度:T1)。得られた積層体は、補助ロール12
及び29を経て配合処理工程Cへ送られる。
配向処理工程Cでは、積層体をまず赤外ヒータと送風
機を具備した加熱炉13を通して液晶が等方相又は等方相
と液晶相との混相を示すような温度まで加熱(加熱炉内
温度:T2)した後、配向用冷却ロール14及び15のロール
面に順次密着させて移動させることにより、積層体内の
強誘電性高分子液晶組成物に曲げ変形を与えて配向せし
める。この配向処理においては、液晶を冷却しながら剪
断によって配向させるために、配向用冷却ロール14及び
15の表面温度は、それぞれ液晶がスメクチックA相、カ
イラルスメクチックC相などの液晶相を示すような温度
(配向用冷却ロール14の表面温度:T3、配向用冷却ロー
ル15の表面温度:T4)に調節されている。
積層体を配向処理して得られた液晶光学素子27は補助
ロール16を経て巻き取りロール17に巻き取られる。巻き
取りロール17に巻き取られた液晶光学素子27は、その
後、適当な大きさに切断することができる。
このように、液晶光学素子の製造を連続基板及び第1
図に示される製造装置を用いて行うことにより、高分子
液晶組成物の塗布、積層、配向処理を連続的に行うこと
ができる。
本実施例においては、可撓性連続基板としてITO付きP
ES(ポリエーテルスルフォン)基板(厚み:100μm、幅
28cm)(FST−1351、住友ベークライト(株)製、商品
名)を用い、下記の条件で液晶光学素子を製造した。
ライン速度: v=2.2m/分 温風乾燥器内温度:T5=40℃ ラミネートロール10、11の表面温度:T1=40℃ 加熱炉13内温度:T2=85℃ 配向用冷却ロール14の表面温度:T3=76℃ 配向用冷却ロール15の表面温度:T4=70℃ 補助ロール4、8、9、12、16及び29としては、表面
をクロムメッキした鉄管(直径40mm、幅300mm)を用い
た。ラミネートロール10としては、ゴム製ロール(φ80
mm、幅300mm)を、ラミネートロール11としては、表面
をクロムメッキした鉄管(φ80mm、幅300mm)を用い
た。配向用冷却ロール14及び15としては、それぞれ表面
をクロムメッキされた鉄管(φ80mm、幅300mm)を用い
た。
実施例7で調製した強誘電性高分子液晶組成物のジク
ロロメタンの10重量%溶液を用いて、定量吐出器7から
1回の塗布ごとに2.7ccを含浸塗布用ヘッド5に送っ
た。含浸塗布用ヘッド5は含浸材として鐘紡(株)製の
ベルクリン(商品名)を幅25cmに切断したものを用いて
おり、1回の塗布ごとに、基板25の透明電極層上に約40
cmの長さで上記強誘電性高分子液晶組成物の溶液を塗布
した。次いで、上記の条件でラミネート工程、及び配向
処理工程を実施し、得られた液晶光学素子を巻き取りロ
ール17で巻き取った。巻き取り後、約30分経過後、ロー
ル状の液晶光学素子から25cm×40cmの液晶光学素子を切
り出した。切り出された液晶光学素子の液晶部の膜厚
は、約2.3μmであった。この液晶光学素子についてク
ロスニコル下でコントラストを測定したところ、±5Vの
印加で46という良好な値を得た。また、素子全体にわた
ってコントラストのむらや、液晶部の厚みのむらに基づ
く色むらも認められず、良好な配向フィルム得られてい
ることが確認された。
〔発明の効果〕
本発明によって得られる高分子液晶化合物を光学活性
化合物と混合することにより、室温を含む広い温度範囲
で強誘電性を示し、製膜性、配向性に優れるのみなら
ず、外部電界に対する高速応答性において特に秀でた強
誘電性高分子液晶組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例において使用した液晶光学素子の製造
装置を表す略図である。 符号の説明 A:塗布工程、B:ラミネート工程、 C:配向処理工程 1:基板繰り出しロール 2、3、19、20:保護フィルム巻き取りロール 4、8、9、12、16、29:補助ロール 5:含浸塗布用ヘッド 6:シリコンゴムチューブ、7:定量吐出器 10、11:ラミネートロール 13:赤外ヒータと送風機を具備した加熱炉 14、15:配向用冷却ロール 17:巻き取りロール 18:対向基板繰り出しロール 21、22、23、24:基板保護フィルム 25、26:透明電極付き可撓性連続基板 27:液晶光学素子(切断前) 28:温風乾燥器、v:ライン速度 T1:ラミネートロール10、11の表面温度 T2:加熱炉13内の温度 T3:配向用冷却ロール14の表面温度 T4:配向用冷却ロール15の表面温度 T5:温風乾燥器28内の温度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−264629(JP,A) 特開 昭64−6088(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/92 C09K 19/38 C07D 303/22 C08G 65/22 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式からなる繰り返し単位を有し、
    スメクチックC相を有する高分子液晶化合物。 (式中、pは6〜12の整数を表し、 Rは−Z(CH2qHを表し、 ただし、Zは単結合、−O−又は−COO−を表し、 qは4〜8の整数を表す。)
  2. 【請求項2】下記一般式からなる構造を有するエポキシ
    化合物。 (式中、pは6〜12の整数を表し、 Rは−Z(CH2qHを表し、 ただし、Zは単結合、−O−又は−COO−を表し、 qは4〜8の整数を表す。)
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