JP2661749B2 - 繊維強化樹脂長尺複合成形体の製造方法 - Google Patents
繊維強化樹脂長尺複合成形体の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、連続した多数の長繊維により強化した繊維
強化樹脂長尺複合成形体の製造方法に関する。
強化樹脂長尺複合成形体の製造方法に関する。
(従来の技術) ガラス繊維などの織布、不織布、ロービングに、不飽
和ポリエステル樹脂などの合成樹脂液を含浸して形成し
たプリプレグシートを用いて、繊維強化樹脂長尺複合成
形体を製造する技術は広く知られている。
和ポリエステル樹脂などの合成樹脂液を含浸して形成し
たプリプレグシートを用いて、繊維強化樹脂長尺複合成
形体を製造する技術は広く知られている。
かかる繊維強化樹脂長尺複合成形体の製造技術にあっ
て、織布や不織布を用いる場合は、強度バランスは良い
が、材料コストが高く、しかも合成樹脂液を均一且つ充
分に含浸し難いという問題がある。これに対し、ロービ
ングのような長繊維を用いる場合は、上記のような問題
は少ないという利点がある。
て、織布や不織布を用いる場合は、強度バランスは良い
が、材料コストが高く、しかも合成樹脂液を均一且つ充
分に含浸し難いという問題がある。これに対し、ロービ
ングのような長繊維を用いる場合は、上記のような問題
は少ないという利点がある。
(発明が解決しようとする課題) ところが、ロービングのような長繊維を用いた繊維強
化樹脂長尺複合成形体は、長繊維が長手方向のみに配列
しており、幅方向の強度が低い。そのため、織布や不織
布を用いたものに比べ、耐衝撃性が充分に改善されない
という問題がある。
化樹脂長尺複合成形体は、長繊維が長手方向のみに配列
しており、幅方向の強度が低い。そのため、織布や不織
布を用いたものに比べ、耐衝撃性が充分に改善されない
という問題がある。
また、かかる繊維強化樹脂長尺複合成形体は、これを
芯材として押出機のクロスヘッド金型に導入し、これに
熱可塑性樹脂を溶融押出被覆し一体化する場合、強度に
方向性があり耐熱性も充分でなく、そのためクロスヘッ
ド金型内で樹脂圧力により芯材が変形したり破れを生じ
たりして、均一な製品を得難いという問題もある。
芯材として押出機のクロスヘッド金型に導入し、これに
熱可塑性樹脂を溶融押出被覆し一体化する場合、強度に
方向性があり耐熱性も充分でなく、そのためクロスヘッ
ド金型内で樹脂圧力により芯材が変形したり破れを生じ
たりして、均一な製品を得難いという問題もある。
本発明は、上記の問題を解決するものであり、その目
的とするところは、耐衝撃性が充分に改善され、また製
品の均一性が改善された繊維強化樹脂長尺複合成形体の
製造方法を提供することにある。
的とするところは、耐衝撃性が充分に改善され、また製
品の均一性が改善された繊維強化樹脂長尺複合成形体の
製造方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の繊維強化樹脂長尺複合成形体の製造方法は、
次の二つの発明からなる。
次の二つの発明からなる。
第一の発明は、連続した多数の長繊維を流動床に導入
し、これに粉末状の熱可塑性樹脂を含浸させて少なくと
も二枚の帯状の樹脂含浸繊維材を作り、これを積層一体
化するに際し、その中の少なくとも一枚の樹脂含浸繊維
材に緊張と弛緩とを繰り返し与え、次いでこの樹脂含浸
繊維材を長手方向に対して幅方向に繰り返し揺動させ、
その後全ての樹脂含浸繊維材を積層一体化することを特
徴とする。
し、これに粉末状の熱可塑性樹脂を含浸させて少なくと
も二枚の帯状の樹脂含浸繊維材を作り、これを積層一体
化するに際し、その中の少なくとも一枚の樹脂含浸繊維
材に緊張と弛緩とを繰り返し与え、次いでこの樹脂含浸
繊維材を長手方向に対して幅方向に繰り返し揺動させ、
その後全ての樹脂含浸繊維材を積層一体化することを特
徴とする。
第二の発明は、上記の方法で製造された繊維強化樹脂
長尺複合成形体を押出機のクロスヘッド金型に導入し、
これに熱可塑性樹脂を溶融押出被覆し一体化することを
特徴とする。
長尺複合成形体を押出機のクロスヘッド金型に導入し、
これに熱可塑性樹脂を溶融押出被覆し一体化することを
特徴とする。
以上の構成により、本発明の目的が達成される。
以下、図面を参照しながら、本発明方法を説明する。
第1図は第一の発明を説明するための概略図である。
第1図において、連続した多数の長繊維11は、ボビンか
ら繰り出され長手方向に帯状に配列されて、多孔質の底
板31を備えた流動床30に導入される。長繊維11は、通
常、流動床30に導入される前か、或いは流動床30の中で
解繊される。図においては、流動床30の中で解繊具32に
より解繊される。長繊維11としては、ガラス繊維、カー
ボン繊維、セラミック繊維などのロービングが好適に用
いられる。
第1図において、連続した多数の長繊維11は、ボビンか
ら繰り出され長手方向に帯状に配列されて、多孔質の底
板31を備えた流動床30に導入される。長繊維11は、通
常、流動床30に導入される前か、或いは流動床30の中で
解繊される。図においては、流動床30の中で解繊具32に
より解繊される。長繊維11としては、ガラス繊維、カー
ボン繊維、セラミック繊維などのロービングが好適に用
いられる。
上方と中間と下方の流動床30には、粉末状の熱可塑性
樹脂12が空気圧により多孔質の底板31の上方に吹き上げ
られて浮遊状態に保たれている。粉末状の熱可塑性樹脂
12の粒子径は、一般に10〜200μ程度とされる。そし
て、上方と中間と下方の流動床30にそれぞれ導入された
多数の長繊維11に、浮遊状態にある粉末状の熱可塑性樹
脂12がそれぞれ含浸され、上中下三枚の帯状の樹脂含浸
繊維材10′が作られる。
樹脂12が空気圧により多孔質の底板31の上方に吹き上げ
られて浮遊状態に保たれている。粉末状の熱可塑性樹脂
12の粒子径は、一般に10〜200μ程度とされる。そし
て、上方と中間と下方の流動床30にそれぞれ導入された
多数の長繊維11に、浮遊状態にある粉末状の熱可塑性樹
脂12がそれぞれ含浸され、上中下三枚の帯状の樹脂含浸
繊維材10′が作られる。
熱可塑性樹脂12としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイドや
ポリエーテルスルフォンなどのエンジニアリング樹脂等
が用いられる。上記長繊維11は熱可塑性樹脂12に対して
90容量%まで含浸され得るが、60容量%以下の範囲で含
浸されるのが好ましい。
レン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイドや
ポリエーテルスルフォンなどのエンジニアリング樹脂等
が用いられる。上記長繊維11は熱可塑性樹脂12に対して
90容量%まで含浸され得るが、60容量%以下の範囲で含
浸されるのが好ましい。
そして、中間の樹脂含浸繊維材10′は張力制御バー又
はロール21に掛けられる。この張力制御バー又はロール
21は、点線で図示したように、上方及び下方へ比較的速
く、一定の振幅及び周期で上下方向に往復移動するよう
に構成されている。したがって、張力制御ロール21が上
方へ移動するときに、中間の樹脂含浸繊維材10′に緊張
が与えられ、張力制御ロール21が下方へ移動するとき
に、中間の樹脂含浸繊維材10′に弛緩が与えられる。こ
のようにして中間の樹脂含浸繊維材10′に緊張と弛緩と
が繰り返し与えられ、中間の樹脂含浸繊維材10′が上下
の樹脂含浸繊維材10′よりも余分に流動床30から引き出
される。
はロール21に掛けられる。この張力制御バー又はロール
21は、点線で図示したように、上方及び下方へ比較的速
く、一定の振幅及び周期で上下方向に往復移動するよう
に構成されている。したがって、張力制御ロール21が上
方へ移動するときに、中間の樹脂含浸繊維材10′に緊張
が与えられ、張力制御ロール21が下方へ移動するとき
に、中間の樹脂含浸繊維材10′に弛緩が与えられる。こ
のようにして中間の樹脂含浸繊維材10′に緊張と弛緩と
が繰り返し与えられ、中間の樹脂含浸繊維材10′が上下
の樹脂含浸繊維材10′よりも余分に流動床30から引き出
される。
次いで、中間の樹脂含浸繊維材10′は揺動装置20に通
される。この揺動装置20はレール上に設置され、樹脂含
浸繊維材10′の長手方向(移送方向)に対して幅方向、
即ち紙面に対して垂直方向に、一定の振幅及び周期で往
復移動するように構成されている。したがって、この揺
動装置に通された中間の樹脂含浸繊維材10′は、幅方向
に繰り返し揺動しながら移送される。
される。この揺動装置20はレール上に設置され、樹脂含
浸繊維材10′の長手方向(移送方向)に対して幅方向、
即ち紙面に対して垂直方向に、一定の振幅及び周期で往
復移動するように構成されている。したがって、この揺
動装置に通された中間の樹脂含浸繊維材10′は、幅方向
に繰り返し揺動しながら移送される。
その直後、この中間の樹脂含浸繊維材10′に上方と下
方の樹脂含浸繊維材10′が重ねられ、一対の積層用の加
熱ピンチロール40に通され、ここで樹脂含浸繊維材10′
の全ての層が熱溶着され積層一体化される。ここで樹脂
含浸繊維材10′の樹脂12が完全に溶融していない場合も
あるので、引き続いて赤外線ヒーター等を備えた加熱炉
41に通されここで樹脂12が完全に溶融され、一対の厚み
調整用のピンチロール42で厚みが調整された後、一対の
引取ピンチロール50で引き取られる。このようにして、
繊維強化樹脂長尺複合成形体10が製造される。この長尺
複合成形体10は、図のように一旦巻き取ってもよいが、
巻き取ることなく次の工程へ連続させてもよい。
方の樹脂含浸繊維材10′が重ねられ、一対の積層用の加
熱ピンチロール40に通され、ここで樹脂含浸繊維材10′
の全ての層が熱溶着され積層一体化される。ここで樹脂
含浸繊維材10′の樹脂12が完全に溶融していない場合も
あるので、引き続いて赤外線ヒーター等を備えた加熱炉
41に通されここで樹脂12が完全に溶融され、一対の厚み
調整用のピンチロール42で厚みが調整された後、一対の
引取ピンチロール50で引き取られる。このようにして、
繊維強化樹脂長尺複合成形体10が製造される。この長尺
複合成形体10は、図のように一旦巻き取ってもよいが、
巻き取ることなく次の工程へ連続させてもよい。
第2図は第二の発明を説明するための概略図である。
第1図に示す方法で製造された長尺複合成形体10は、第
2図に示すように、加熱フォーミング装置60により加熱
軟化され、軒樋、波板、デッキ材などの所望の形状に賦
形され、引き続いて冷却フォーミング装置61により冷却
される。所望の形状に賦形された長尺複合成形体10は、
上記のように冷却フォーミング装置61により冷却した方
が次のクロスヘッド金型への導入が円滑になし得て好ま
しいが、賦形された複合芯材10は必ずしも冷却しないで
もよい。
第1図に示す方法で製造された長尺複合成形体10は、第
2図に示すように、加熱フォーミング装置60により加熱
軟化され、軒樋、波板、デッキ材などの所望の形状に賦
形され、引き続いて冷却フォーミング装置61により冷却
される。所望の形状に賦形された長尺複合成形体10は、
上記のように冷却フォーミング装置61により冷却した方
が次のクロスヘッド金型への導入が円滑になし得て好ま
しいが、賦形された複合芯材10は必ずしも冷却しないで
もよい。
このように賦形された長尺複合成形体10は、引き続い
て押出機71のクロスヘッド金型70に導入され、ここでク
ロスヘッド金型70から溶融押出される熱可塑性樹脂13
が、長尺複合成形体10の全面に融着し被覆一体化され
る。熱可塑性樹脂13としては、前記長繊維11に含浸され
る熱可塑性樹脂12と同様な樹脂が用いられる。また、ク
ロスヘッド金型70のランド部の長さは、押出温度、押出
速度、使用樹脂等により適宜定められ、その間隙は所望
の形状に設計され、軒樋、波板、デッキ材など所望の形
状に賦形される。その後、冷却金型等からなるサイジン
グ装置80により表面仕上げが行われ冷却後、カタピラ式
引張機等の引張装置90で引き取られ、熱可塑性樹脂13で
被覆された繊維強化樹脂長尺複合成形体14が製造され
る。
て押出機71のクロスヘッド金型70に導入され、ここでク
ロスヘッド金型70から溶融押出される熱可塑性樹脂13
が、長尺複合成形体10の全面に融着し被覆一体化され
る。熱可塑性樹脂13としては、前記長繊維11に含浸され
る熱可塑性樹脂12と同様な樹脂が用いられる。また、ク
ロスヘッド金型70のランド部の長さは、押出温度、押出
速度、使用樹脂等により適宜定められ、その間隙は所望
の形状に設計され、軒樋、波板、デッキ材など所望の形
状に賦形される。その後、冷却金型等からなるサイジン
グ装置80により表面仕上げが行われ冷却後、カタピラ式
引張機等の引張装置90で引き取られ、熱可塑性樹脂13で
被覆された繊維強化樹脂長尺複合成形体14が製造され
る。
(作用) 第一発明の方法によれば、連続した多数の長繊維を流
動床に導入して粉末状の熱可塑性樹脂を含浸させるので
含浸が容易に行われる。また、少なくとも一枚の樹脂含
浸繊維材を長手方向に対して幅方向に繰り返し揺動さ
せ、全ての樹脂含浸繊維材と積層一体化するので、揺動
させた樹脂含浸繊維材を構成する長繊維は、長手方向に
対して交又するように斜めに配向し、異方向に対する強
度バランスが良くなる。
動床に導入して粉末状の熱可塑性樹脂を含浸させるので
含浸が容易に行われる。また、少なくとも一枚の樹脂含
浸繊維材を長手方向に対して幅方向に繰り返し揺動さ
せ、全ての樹脂含浸繊維材と積層一体化するので、揺動
させた樹脂含浸繊維材を構成する長繊維は、長手方向に
対して交又するように斜めに配向し、異方向に対する強
度バランスが良くなる。
しかも、揺動させる前の樹脂含浸繊維材には緊張と弛
緩とが繰り返し与えられるので、それによりこの樹脂含
浸繊維材は他の樹脂含浸繊維材よりも余分に流動床から
引き出され、この余分に引き出される樹脂含浸繊維材に
より、その後の幅方向への繰り返し揺動操作が抵抗なく
円滑に行われる。それゆえ、積層一体化の際に、揺動さ
せた樹脂含浸繊維材の揺動度合いが戻って減少すること
が確実に防止される。
緩とが繰り返し与えられるので、それによりこの樹脂含
浸繊維材は他の樹脂含浸繊維材よりも余分に流動床から
引き出され、この余分に引き出される樹脂含浸繊維材に
より、その後の幅方向への繰り返し揺動操作が抵抗なく
円滑に行われる。それゆえ、積層一体化の際に、揺動さ
せた樹脂含浸繊維材の揺動度合いが戻って減少すること
が確実に防止される。
また、第二発明の方法によれば、上記第一発明の方法
により製造された長尺複合成形体を芯材として使用する
ので、この芯材は異方向に対する強度バランスが良く、
これを押出機のクロスヘッド金型に導入しても、クロス
ヘッド金型から溶融押出される熱可塑性樹脂の熱と押出
圧力により長尺複合成形体の芯材が変形したり破れを生
じたりすることが防止される。
により製造された長尺複合成形体を芯材として使用する
ので、この芯材は異方向に対する強度バランスが良く、
これを押出機のクロスヘッド金型に導入しても、クロス
ヘッド金型から溶融押出される熱可塑性樹脂の熱と押出
圧力により長尺複合成形体の芯材が変形したり破れを生
じたりすることが防止される。
そして、クロスヘッド金型から溶融押出される熱可塑
性樹脂の熱と押出圧力により、熱可塑性樹脂は長尺複合
成形体芯材に強く押しつけられて強固に接着し一体化さ
れる。
性樹脂の熱と押出圧力により、熱可塑性樹脂は長尺複合
成形体芯材に強く押しつけられて強固に接着し一体化さ
れる。
(実施例) 以下、本発明の実施例及び比較例を示す。
実施例 本実施例では、第1図及び第2図に示す方法で、軒樋
となる繊維強化樹脂長尺複合成形体を製造した。
となる繊維強化樹脂長尺複合成形体を製造した。
先ず、ガラスロービング(♯4400:日東紡製)11を長
手方向に多数条配列させて流動床30に導入し、そこで解
繊しながら圧力2.5kg/cm2の空気により吹き上げられて
浮遊状態にある粉末状の塩化ビニル樹脂配合物(平均粒
径100μ、融点180℃)(TK−400:信越化学製)12を含浸
させ、帯状の樹脂含浸繊維材10′を、上方、中間、下方
に三枚作成した。この時の速度は0.2m/分であった。こ
の三枚の樹脂含浸繊維材10′の厚さは約0.5mm、ガラス
ロービング含有量は30容量%であった。そして、中間の
樹脂含浸繊維材10′を、振幅が2cm、周期が3往復/秒
で上下方向に移動する張力制御ロール21に通した。
手方向に多数条配列させて流動床30に導入し、そこで解
繊しながら圧力2.5kg/cm2の空気により吹き上げられて
浮遊状態にある粉末状の塩化ビニル樹脂配合物(平均粒
径100μ、融点180℃)(TK−400:信越化学製)12を含浸
させ、帯状の樹脂含浸繊維材10′を、上方、中間、下方
に三枚作成した。この時の速度は0.2m/分であった。こ
の三枚の樹脂含浸繊維材10′の厚さは約0.5mm、ガラス
ロービング含有量は30容量%であった。そして、中間の
樹脂含浸繊維材10′を、振幅が2cm、周期が3往復/秒
で上下方向に移動する張力制御ロール21に通した。
次いで、この中間の樹脂含浸繊維材10′を、振幅が10
cm、周期が1.5往復/分で幅方向に揺動する揺動装置20
に通した。その後、この中間の樹脂含浸繊維材10′に上
方と下方の樹脂含浸繊維材10′を重さね、200℃の溶着
用の加熱ピンチロール40に通し、全ての層を熱圧着して
積層一体化した。引き続いて加熱炉41に通して樹脂12を
200℃に加熱して完全に溶融し、さらに厚み調整用のピ
ンチロール42に通した後、引取ピンチロール50で引き取
り、繊維強化樹脂長尺複合成形体10を製造した。この場
合、中間の樹脂含浸繊維材10′を構成する長繊維11は、
長手方向に対して約13度斜めに配向していた。以上の方
法は第一発明に相当する。
cm、周期が1.5往復/分で幅方向に揺動する揺動装置20
に通した。その後、この中間の樹脂含浸繊維材10′に上
方と下方の樹脂含浸繊維材10′を重さね、200℃の溶着
用の加熱ピンチロール40に通し、全ての層を熱圧着して
積層一体化した。引き続いて加熱炉41に通して樹脂12を
200℃に加熱して完全に溶融し、さらに厚み調整用のピ
ンチロール42に通した後、引取ピンチロール50で引き取
り、繊維強化樹脂長尺複合成形体10を製造した。この場
合、中間の樹脂含浸繊維材10′を構成する長繊維11は、
長手方向に対して約13度斜めに配向していた。以上の方
法は第一発明に相当する。
この長尺複合成形体10を170℃の温度に保持されたフ
ォーミング装置60により加熱軟化させ角型の軒樋状に賦
形した後冷却した。続いて、賦形された長尺複合成形体
10を押出機のクロスヘッド金型70に導入し、この表面に
塩化ビニル樹脂配合物13を185℃で0.5mmの厚さに溶融押
出して被覆した。
ォーミング装置60により加熱軟化させ角型の軒樋状に賦
形した後冷却した。続いて、賦形された長尺複合成形体
10を押出機のクロスヘッド金型70に導入し、この表面に
塩化ビニル樹脂配合物13を185℃で0.5mmの厚さに溶融押
出して被覆した。
次いで、サイジング装置80により表面仕上げを行い冷
却して引張機90で引き取り、厚さ1.5mmの軒樋となる繊
維強化樹脂長尺複合成形体14を製造した。この時のライ
ン速度は3m/分であった。なお、上記のクロスヘッド金
型70は、ランド長さが200mmで、角型の軒樋状の間隙を
有するものを用いた。以上の方法は第二発明に相当す
る。
却して引張機90で引き取り、厚さ1.5mmの軒樋となる繊
維強化樹脂長尺複合成形体14を製造した。この時のライ
ン速度は3m/分であった。なお、上記のクロスヘッド金
型70は、ランド長さが200mmで、角型の軒樋状の間隙を
有するものを用いた。以上の方法は第二発明に相当す
る。
この軒樋複合成形体14について、次の方法で熱伸縮
性、耐衝撃性、押出成形性を評価した。その結果、線膨
張係数は2×10-5/℃、衝撃強度は30kg・cm、押出成形
性の評価では、複合成形体10の変形や破れが認められ
ず、得られた軒樋複合成形体14の厚みは均一であった。
性、耐衝撃性、押出成形性を評価した。その結果、線膨
張係数は2×10-5/℃、衝撃強度は30kg・cm、押出成形
性の評価では、複合成形体10の変形や破れが認められ
ず、得られた軒樋複合成形体14の厚みは均一であった。
(1)熱伸縮性 軒樋複合成形体14を4mの長さに裁断して試験片とし、
これを恒湿恒温室に入れ20℃での長さL20を測定し、次
に60℃に温度を上昇させて60℃での長さL60を測定し、
次式で線膨張係数αを算出した。α=(L60−L20)/
(40(℃)×L20)。
これを恒湿恒温室に入れ20℃での長さL20を測定し、次
に60℃に温度を上昇させて60℃での長さL60を測定し、
次式で線膨張係数αを算出した。α=(L60−L20)/
(40(℃)×L20)。
(2)耐衝撃性 軒樋複合成形体14から50mm×50mmに切断して試験片を
作成し、この試験片にデュポン衝撃試験機で1.5kgの錘
を落下させ、試験片が破損する落下距離から衝撃強度を
測定した。
作成し、この試験片にデュポン衝撃試験機で1.5kgの錘
を落下させ、試験片が破損する落下距離から衝撃強度を
測定した。
(3)押出成形性 芯材となる複合成形体10を押出機のクロスヘッド金型
70に導入し、この表面に塩化ビニル樹脂配合物13を連続
して5時間溶融押出して被覆した際の、複合成形体10の
変形や破れの状態を観察した。
70に導入し、この表面に塩化ビニル樹脂配合物13を連続
して5時間溶融押出して被覆した際の、複合成形体10の
変形や破れの状態を観察した。
比較例 実施例において、中間の樹脂含浸繊維材10′を、張力
制御ロール21及び揺動装置20に通さず、それ以外は実施
例と同様に行った。その結果、線膨張係数は2×10-5/
℃、衝撃強度は7.5kg・cm、押出成形性の評価では、押
出開始後約30分で複合成形体10に破れが発生し、得られ
た軒樋複合成形体14の厚みは、複合成形体10の破れ部分
で不均一であった。
制御ロール21及び揺動装置20に通さず、それ以外は実施
例と同様に行った。その結果、線膨張係数は2×10-5/
℃、衝撃強度は7.5kg・cm、押出成形性の評価では、押
出開始後約30分で複合成形体10に破れが発生し、得られ
た軒樋複合成形体14の厚みは、複合成形体10の破れ部分
で不均一であった。
(発明の効果) 上述の通り、第一発明の方法においては、多数の長繊
維への熱可塑性樹脂の含浸性が良く、また複合成形体を
構成する長繊維が、長手方向に対して交又するように斜
めに確実且つ良好に配向し、異方向に対する強度バラン
スが良くなる。それゆえ、複合成形体の耐衝撃性が改善
される。
維への熱可塑性樹脂の含浸性が良く、また複合成形体を
構成する長繊維が、長手方向に対して交又するように斜
めに確実且つ良好に配向し、異方向に対する強度バラン
スが良くなる。それゆえ、複合成形体の耐衝撃性が改善
される。
また、第二発明の方法においては、溶融押出被覆の際
に芯材となる上記複合成形体が変形したり、破れを生じ
たりすることが防止され、しかも芯材となる複合成形体
とこれに被覆される熱可塑性樹脂とが強固に融着一体化
される。それゆえ、製品の均一性が改善され、耐久性の
優れた樹脂被覆の複合成形体が得られる。
に芯材となる上記複合成形体が変形したり、破れを生じ
たりすることが防止され、しかも芯材となる複合成形体
とこれに被覆される熱可塑性樹脂とが強固に融着一体化
される。それゆえ、製品の均一性が改善され、耐久性の
優れた樹脂被覆の複合成形体が得られる。
第1図は第一発明方法の一例を示す概略図、第2図は第
二発明方法の一例を示す概略図である。 10……長尺複合成形体、10′……樹脂含浸繊維材、11…
…長繊維、12……粉末状の熱可塑性樹脂、13……被覆さ
れた熱可塑性樹脂、14……樹脂被覆の長尺複合成形体、
20……揺動装置、21……張力制御バー又はロール、30…
…流動床、40……積層用の加熱ピンチロール、41……加
熱炉、42……厚み調整用のピンチロール、50……引取ピ
ンチロール、60……加熱フォーミング装置、70……押出
機のクロスヘッド金型、80……サイジング装置、90……
引張装置。
二発明方法の一例を示す概略図である。 10……長尺複合成形体、10′……樹脂含浸繊維材、11…
…長繊維、12……粉末状の熱可塑性樹脂、13……被覆さ
れた熱可塑性樹脂、14……樹脂被覆の長尺複合成形体、
20……揺動装置、21……張力制御バー又はロール、30…
…流動床、40……積層用の加熱ピンチロール、41……加
熱炉、42……厚み調整用のピンチロール、50……引取ピ
ンチロール、60……加熱フォーミング装置、70……押出
機のクロスヘッド金型、80……サイジング装置、90……
引張装置。
Claims (2)
- 【請求項1】連続した多数の長繊維を流動床に導入し、
これに粉末状の熱可塑性樹脂を含浸させて少なくとも二
枚の帯状の樹脂含浸繊維材を作り、これを積層一体化す
るに際し、その中の少なくとも一枚の樹脂含浸繊維材に
緊張と弛緩とを繰り返し与え、次いでこの樹脂含浸繊維
材を長手方向に対して幅方向に繰り返し揺動させ、その
後全ての樹脂含浸繊維材を積層一体化することを特徴と
する繊維強化樹脂長尺複合成形体の製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載の方法で製造された繊維強化
樹脂長尺複合成形体を押出機のクロスヘッド金型に導入
し、これに熱可塑性樹脂を溶融押出被覆し一体化するこ
とを特徴とする繊維強化樹脂長尺複合成形体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1205157A JP2661749B2 (ja) | 1989-08-08 | 1989-08-08 | 繊維強化樹脂長尺複合成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1205157A JP2661749B2 (ja) | 1989-08-08 | 1989-08-08 | 繊維強化樹脂長尺複合成形体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0367646A JPH0367646A (ja) | 1991-03-22 |
JP2661749B2 true JP2661749B2 (ja) | 1997-10-08 |
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ID=16502366
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1205157A Expired - Fee Related JP2661749B2 (ja) | 1989-08-08 | 1989-08-08 | 繊維強化樹脂長尺複合成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2661749B2 (ja) |
-
1989
- 1989-08-08 JP JP1205157A patent/JP2661749B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0367646A (ja) | 1991-03-22 |
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