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JP2612457B2 - 硬化性樹脂及びその硬化方法 - Google Patents

硬化性樹脂及びその硬化方法

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Publication number
JP2612457B2
JP2612457B2 JP31165287A JP31165287A JP2612457B2 JP 2612457 B2 JP2612457 B2 JP 2612457B2 JP 31165287 A JP31165287 A JP 31165287A JP 31165287 A JP31165287 A JP 31165287A JP 2612457 B2 JP2612457 B2 JP 2612457B2
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Japan
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solution
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JP31165287A
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理 磯崎
直純 岩沢
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
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Priority to CA000584748A priority patent/CA1338575C/en
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Priority to DE3841413A priority patent/DE3841413A1/de
Priority to KR1019880016354A priority patent/KR910008608B1/ko
Publication of JPH01152110A publication Critical patent/JPH01152110A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、硬化性樹脂の溶液又は分散液及びその硬化
方法に関する。
従来の技術及びその問題点 従来、不飽和基を有する樹脂を加熱硬化させる場合、
ラジカル重合触媒やポリチオールを添加することにより
ラジカル付加重合反応を起こさせて樹脂を架橋させるこ
とが一般的に行なわれている。しかしながら、この方法
では、硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が悪く、また空気
中の酸素によって樹脂表面の硬化が妨げられるという欠
点を有している。上記の方法に代る方法として、塩基性
触媒の存在下、ミカエル付加によって活性水素を有する
化合物を重合性不飽和基と反応させて硬化させる方法も
開発されているが、この方法でも、樹脂組成物の貯蔵安
定性が乏しく、また硬化物中に塩基性触媒が残存して硬
化物の耐水性を低下させるという欠点を有している。
問題点を解決するための手段 本発明の目的は、上記欠点のない硬化性樹脂の溶液又
は分散液、即ち、貯蔵安定性に優れていると共に、硬化
性も良好であり、しかも硬化物に優れた耐水性を付与し
得る硬化性樹脂の溶液又は分散液及び該溶液又は分散液
の硬化方法を提供するものである。
本発明によれば、1分子中に下記式(I) 〔式中R1は、水酸基、アルコキシ基、エステル基もしく
はハロゲン原子が置換していてもよい炭素数1〜8の飽
和もしくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示す。−
は、 を示す。ここでZは窒素原子又はリン原子を、Yは硫黄
原子を示す。R2、R3及びR4は、同一又は異なって、酸素
原子が含有されていてもよい、炭素数1〜14の脂肪族、
脂環式又は芳香族炭化水素基を示す。またこれらR2及び
R3又はR2、R3及びR4は一緒になって、これらが結合して
いる窒素原子、リン原子もしくは硫黄原子と共に複素環
基を形成してもよい。〕 で表わされる非プロトン型オニウム塩含有基を有し、更
に重合性不飽和基を有する硬化性樹脂ならびに有機溶剤
及び/又は水を含有することを特徴とする硬化性樹脂の
溶液又は分散液が提供される。更に、本発明によれば、
上記の硬化性樹脂の溶液又は分散液を80℃以上に加熱し
て硬化させることを特徴とする硬化性樹脂の溶液又は分
散液の硬化方法が提供される。
本発明で用いられる硬化性樹脂は、1分子中に上記特
定の非プロトン型オニウム塩含有基を有し、更に重合性
不飽和基を有する樹脂である。ここで樹脂としては、重
合性不飽和基及び上記オニウム塩含有基を含有したもの
である限り、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン
系、ポリブタジエン系、アルキド系、エポキシ系、フエ
ノール系等従来公知の樹脂のいずれでもよく、特に限定
されるものではない。本発明では、一級の水酸基を有す
る樹脂が硬化性の観点から好適である。また該樹脂の分
子量も、特に制限されるものではないが、ゲルパーミユ
エーシヨンクロマトグラフイー(GPC)によるピーク分
子量が250〜100000程度のものが好ましく、500〜20000
程度のものがより好ましい。樹脂の分子量が上記範囲を
越えると、塗装作業性が低下してくる傾向となるのが好
ましくない。
上記重合性不飽和基としては、例えばアクリロイル
基、メタクリロイル基、イタコネート基、マレエート
基、フマレート基、クロトネート基、アクリルアミド
基、メタクリルアミド基、桂皮酸基、ビニル基、アリル
基等が挙げられる。
また非プロトン型オニウム塩含有基は、上記式(I)
で表わされるものであり、オニウム塩の窒素原子、リン
原子もしくは硫黄原子からβ位にある炭素原子が2級の
水酸基を有する基であることが必要である。このような
非プロトン型オニウム塩は、第4級アンモニウム塩、第
4級ホスホニウム塩及び第3級スルホニウム塩のいずれ
かである。非プロトン型オニウム塩含有基における陽イ
オンの具体例を下記に示す。
〔上記各式において、R2、R3及びR4は、同一又は異なっ
て、酸素原子が含有されていてもよい、炭素数1〜14の
脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素基を示す。またこれ
らR2及びR3又はR2、R3及びR4は一緒になって、これらが
結合している窒素原子、リン原子もしくは硫黄原子と共
に複素環基を形成してもよい。〕 R2、R3及びR4で示される酸素原子が含有されていても
よい、炭素数1〜14の脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水
素基としては、アンモニウム塩基、ホスホニウム塩基又
はスルホニウム塩基のイオン化を実質的に妨害するもの
でない限り特に限定されるものではなく、例えば水酸
基、アルコキシ基等の形態で酸素原子を含有していても
よい炭素数1〜14の脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素
基が一般に用いられる。
斯かる脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルア
ルキル基、アリール基及びアラルキル基等を例示でき
る。上記アルキル基は、直鎖状及び分枝鎖状のいずれで
あってもよく、炭素数8個以下、好適には低級のものが
望ましく、例えばメチル、エチル、n−もしくはiso−
プロピル、n−、iso−、sec−もしくはtert−ブチル、
ペンチル、ヘプチル、オクチル基等が挙げられる。上記
シクロアルキル基又はシクロアルキルアルキル基として
は、炭素数5〜8個のものが好ましく、例えばシクロペ
ンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シク
ロヘキシルエチル基等が挙げられる。上記アリール基に
は、フエニル、トルイル、キシリル基等が包含される。
また上記アラルキル基としては、ベンジル基が好適であ
る。
また、酸素原子が含有されている炭化水素基の好まし
い例としては、ヒドロキシアルキル基(特にヒドロキシ
低級アルキル基)、具体的にはヒドロキシメチル、ヒド
ロキシエチル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチ
ル、ヒドロキシヘプチル、ヒドロキシオクチル基等や、
アルコキシアルキル基(特に低級アルコキシ低級アルキ
ル基)、具体的にはメトキシメチル、エトキシメチル、
エトキシエチル、n−プロポキシエチル、iso−プロポ
キシメチル、n−ブトキシメチル、iso−ブトキシエチ
ル、tert−ブトキシエチル基等を例示できる。
R2及びR3又はR2、R3及びR4が一緒になって、これらが
結合している窒素原子、リン原子もしくは硫黄原子と共
に形成される複素環基である場合の−W としては、下
記に示すものを例示できる。
また、上記(I)式におけるR1で示される水酸基、ア
ルコキシ基、エステル基又はハロゲン原子が置換してい
てもよい炭素数1〜8の飽和又は不飽和の炭化水素とし
ては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、
シルロアルキルアルキル基、アリール基、アラルキル基
等の脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素基を例示でき
る。これらのうち、アルキル基及びアルケニル基が好ま
しく、これらの基は直鎖状及び分枝鎖状のいずれであっ
てもよく、特に低級のものが望ましく、例えばメチル、
エチル、n−もしくはiso−プロピル、n−、iso−、se
c−もしくはtert−ブチル、ペンチル、ヘプチル、オク
チル、ビニル、2−メチルビニル基等が挙げられる。水
酸基置換炭化水素基の好ましい例としては、ヒドロキシ
アルキル基(特にヒドロキシ低級アルキル基)、具体的
にはヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシ
ブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘプチル、ヒ
ドロキシオクチル基等が挙げられる。アルコキシ基置換
炭化水素基の好ましい例としては、アルコキシアルキル
基(特に低級アルコキシ低級アルキル基)、具体的には
メトキシメチル、エトキシメチル、エトキシエチル、n
−プロポキシエチル、iso−プロポキシメチル、n−ブ
トキシメチル、iso−ブトキシエチル、tert−ブトキシ
エチル基等が挙げられる。エステル基置換炭化水素基の
好ましい例としては、低級アルコキシカルボニルアルキ
ル基、低級アルコキシカルボニルアルケニル基等、具体
的にはメトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニ
ルエチル、エトキシカルボニルプロピル、メトキシカル
ボニルブチル、メトキシカルボニルエチレニル、エトキ
シカルボニルエチレニル基等が挙げられる。ハロゲン原
子置換炭化水素基の好ましい例としては、具体的にはク
ロロメチル、ブロモメチル、ヨードメチル、ジクロロメ
チル、トリクロロメチル、クロロエチル、クロロブチル
基等が挙げられる。
樹脂の基体部分に含有される上記重合性不飽和基は、
1分子当り少なくとも1個必要であり、硬化性の観点か
ら樹脂固形分1kg当り0.1〜10モルの範囲にあるのが好ま
しく、0.5〜5モルの範囲にあるのがより好ましい。0.1
モルより少なくなると、樹脂の硬化が不充分となり、一
方逆に10モルより多くなると、硬化物の機械的物性が低
下する傾向となるので、いずれも好ましくない。
また上記非プロトン型オニウム塩含有基は、樹脂固形
分1kg当り0.01〜5モルの範囲にあるのが好ましく、0.1
〜2モルの範囲にあるのがより好ましい。0.01モルより
少なくなると、硬化不足になる傾向となるので、好まし
くない。また逆に5モルより多くなると、硬化させて得
られる硬化物の耐水性が低下する虞れがあるので、好ま
しくない。
上記樹脂の基体部分への重合性不飽和基の導入は、従
来公知の手段を採用することにより行ない得る。例えば
(i)カルボキシル基とエポキシ基との付加反応、(i
i)水酸基とエポキシ基との付加反応、(iii)水酸基と
カルボキシル基とのエステル化反応、(iv)イソシアネ
ート基と水酸基との付加反応、(v)水酸基と酸無水物
のハーフエステル化反応、(vi)水酸基とエステル基と
のエステル交換反応等を利用し、これらの官能基を有す
る化合物又は樹脂の一方又は両方に重合性不飽和基を有
するものを使用することにより行なうことができる。
上記樹脂中へのオニウム塩の導入は、例えば下記
(a)又は(b)に示す方法に従って行なうことができ
る。
(a)水混和性不活性有機溶媒中にて、2−ハロゲノ−
1−ヒドロキシエチル基を有する樹脂に第3級アミン、
ホスフイン又はチオエーテルを反応させた後、陰イオン
交換によりハロゲン原子を水酸基に置換し、次いでこれ
に有機酸を反応させる方法。
上記樹脂に反応させるべき化合物として第3級アミン
を用いる場合を例にとり、反応式で示すと以下の通りと
なる。
〔式中は樹脂の基体部分を示し、Xはハロゲン原子を
示す。R2、R3及びR4は前記に同じ。〕 第3級アミンの代りにホスフインを用いる場合には、
上記反応式においてNをPに置き換えればよく、また第
3級アミンの代りにチオエーテルを用いる場合には、上
記反応式においてNをSに置き換え且つ−R4を削除すれ
ばよい。
上記樹脂と第3級アミン等との反応は、約100〜150℃
の加熱下で行なわれ、1〜20時間程度で該反応は完結す
る。
ハロゲン原子を水酸基で置換するには、例えばビーズ
型陰イオン交換樹脂等の通常の陰イオン交換樹脂中に処
理すべき樹脂を通じればよい。
また斯くして得られる水酸基が置換された樹脂と有機
酸との反応は、両者を常温で混合するだけで容易に進行
する。
(b)水混和性不活性有機溶媒中にて、1,2−エポキシ
基を有する樹脂に第3級アミン、ホスフイン又はチオエ
ーテル及び有機酸を同時に反応させる方法。
上記樹脂に反応させるべき化合物として第3級アミン
を用いる場合を例にとり、反応式で示すと以下の通りと
なる。
〔式中R1、R2、R3、R4及びは前記に同じ。〕 第3級アミンの代りにホスフインを用いる場合及び第
3級アミンの代りにチオエーテルを用いる場合には、上
記(a)の場合と同様に上記反応式においてNをPに置
き換えたり、又はNをSに置き換え且つ−R4を削除すれ
ばよい。
上記樹脂、第3級アミン等及び有機酸の反応は、約40
〜80℃の加熱下で行なわれ、1〜20時間程度で該反応は
完結する。
上記(a)及び(b)において用いられる水混和性不
活性有機溶媒としては、例えばエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒等
を挙げることができる。
また有機酸は、上記(I)式におけるR1が水酸基、ア
ルコキシ基、エステル基又はハロゲン原子が置換してい
てもよい炭素数1〜8の炭化水素基を示す陰イオンを生
成する有機カルボン酸である限り、従来公知のものを広
く使用でき、具体的には酢酸、蟻酸、トリメチル酢酸、
アクリル酸、メタクリル酸、乳酸、ヒドロキシ酢酸、ク
ロトン酸、クロル酢酸、マレイン酸モノメチルエステ
ル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノメチ
ルエステル等が例示される。これらの中でも、特に解離
定数(pKa値)が1×10-5以上のものが好適である。
また上記樹脂がアクリル樹脂である場合、該樹脂への
オニウム塩の導入は、上記(a)及び(b)の方法に従
い行ない得るが、下記一般式 〔式中R5は水素原子又はメチル基を示す。R1及びWは前
記に同じ。〕 で表わされる(メタ)アクリル酸エステルモノマーを単
独で又はこれと共重合可能なコモノマーと共に常法に従
い重合させることによっても行なうことができる。
上記の方法に従い重合性不飽和基及び上記オニウム塩
が導入された樹脂は、有機溶剤型として使用されるか、
或は樹脂作成時の溶媒として水混和性の溶媒を使用し、
得られる樹脂液に水を加えるか、又は水中に配合するこ
とによって、水溶液乃至水分散液の形態で使用される。
上記で得られる本発明の硬化性樹脂の溶液又は分散液
には、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、染料、その他レ
ベリング剤、消泡剤、タレ止め剤等の各種添加剤を配合
してもよい。
本発明の硬化性樹脂の溶液又は分散液を硬化させるに
際しては、例えば該硬化性樹脂の溶液又は分散液を、被
塗物にスプレー塗装、ハケ塗り、ロール塗装、浸漬塗装
等の通常の方法に従い塗装し、これを80℃以上の温度、
好ましくは100℃以上、より好ましくは120〜200℃程度
の温度で、好ましくは5分以上、より好ましくは10〜30
分程度加熱処理すればよい。この場合の硬化反応機構は
明確ではないが、赤外線吸収スペクトルの変化におい
て、不飽和基の消失が認められることから、重合性不飽
和基の重合もしくは重合性不飽和基への水酸基等活性水
素の付加反応によるものと考えられる。また上記加熱の
際に、硬化反応以外に、樹脂中のオニウム塩のホフマン
分解が起こり、その結果硬化物に優れた耐水性を付与す
ることができる。
発明の効果 本発明においては、樹脂中に含まれる特定の非プロト
ン型オニウム塩が、樹脂の架橋硬化時の触媒として働
き、樹脂の架橋硬化時に又は架橋硬化後の後に容易に
ホフマン分解が起こり、オニウム塩が硬化物中に含まれ
なくなり、その結果硬化物の耐水性の低下を防止できる
という、優れた作用を発現する。従って、本発明の樹脂
の溶液又は分散液は、貯蔵安定性に優れていると共に、
硬化性も良好なものである。また本発明の方法によれ
ば、耐水性に優れた硬化物を得ることができる。
本発明の樹脂の溶液又は分散液は、低温硬化型塗料等
として好適に使用され得る。
実施例 以下に実施例を掲げて本発明をより一層明らかにす
る。尚、単に「部」及び「%」とあるのは、それぞれ
「重量部」、「重量%」を意味する。各反応物質の部数
の後ろのかっこ書きのモル数は、実施例1においてはエ
ピコート#154を、実施例2及び比較例4においては、
2−ヒドロキシエチルアクリレートを、実施例3におい
ては、エピクロルヒドリンを、1.0モルとした場合のそ
れぞれの物質のモル数である。
実施例1 エピコート#154(商品名、シェル化学社製、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量約174、
分子量約500)209部(1.0モル)、エチレングリコール
モノブチルエーテル139部、アクリル酸84部(2.80モ
ル)、チオジグリコール31部(0.61モル)及びハイドロ
キノン0.3部の混合物を四つ口フラスコ内に仕込み、80
℃で3時間反応させてスルホニウム塩化して樹脂溶液を
得た。得られた樹脂溶液は、不揮発分70%であり、ガー
ドナー粘度(25℃)はZであった。この樹脂のGPCによ
るピーク分子量は約1000であった。該樹脂溶液中、スル
ホニウム塩を有する樹脂分子は、樹脂の基体部分に重合
性不飽和基を有しており、また、陰イオンがアクリル酸
に基づくものであるので、R1も重合性不飽和基を有す
る。
こ樹脂溶液をミガキ軟鋼板及びガラス板にウエツト膜
厚100μに塗布し、120℃で10分間加熱し、硬化させた。
実施例2 2−ヒドロキシエチルアクリレート116部(1.0モ
ル)、グリシジルメタクリレート284部(2.0モル)、n
−ブチルメタクリレート600部(4.23モル)及びアゾビ
スイソブチロニトリル30部の混合物を、n−ブチルアル
コール667部の入った四つ口フラスコ中に130℃で3時間
要して添加し、重合を行なった。その後110℃まで冷却
し、更にメタクリル酸86部(1.0モル)、ハイドロキノ
ン0.5部及びテトラエチルアンモニウムクロライド1部
を添加し、酸価が0になるまで反応させた。この反応に
よって、アクリル樹脂中のグリシジルメタクリレートに
基づくエポキシ基2モルのうちの1モルはメタクリル酸
のカルボキシル基と反応して、重合性不飽和二重結合が
導入された。その後70℃まで冷却し、更に酢酸60部(1.
0モル)及びジメチルアミノエタノール(1.0モル)89部
を添加し、5時間反応させて、残存するグリシジルメタ
クリレートに基づくエポキシ基1モルが、アンモニウム
塩化された樹脂を有する樹脂溶液を得た。得られた樹脂
溶液は不揮発分65%、ガードナー粘度(25℃)はPであ
った。この樹脂のGPCによるピーク分子量が約12000であ
った。上記樹脂において、アンモニウム塩の陰イオンは
酢酸に基づくのでR1は重合性不飽和基を有さず、樹脂の
基体部分であるアクリル樹脂中に重合性不飽和二重結合
を有する。
この樹脂溶液を実施例1と同様に塗装し、100℃で30
分間加熱し、硬化させた。
実施例3 イタコン酸650部(5.0モル)及びエチレングリコール
248部(4.0モル)の混合物を220℃で脱水縮合し、末端
にカルボキシル基を有するGPCによるピーク分子量が約2
000のポリエステルを合成した。その後110℃まで冷却
し、次にこのポリエステルにエピクロルヒドリン93(1.
0モル)部及びiso−ブタノール727部を添加し、酸価が
0になるまで反応させた。この反応において、エピクロ
ルヒドリンが、ポリエステル末端のカルボキシル基の2
個に対して1個の割合で反応し、残りのポリエステル末
端のカルボキシル基は、iso−ブタノールとエステル化
されている。このものに更にピリジン90部(1.14モル)
を添加し、110℃で15時間反応させた。得られた樹脂溶
液に水1000部を添加し、この液を陰イオン交換樹脂で処
理してクロルイオンを除去した後、88%蟻酸50部(0.96
モル)を加えた。得られた水性樹脂溶液は、不揮発分35
%であり、ガードナー粘度(25℃)Bのエマルジヨン状
態で存在していた。得られた樹脂溶液中、樹脂は、基体
部分であるポリエステル樹脂中にイタコン酸に基づく重
合性不飽和基を有し、陰イオンは蟻酸に基づくものであ
るのでR1は重合性不飽和基を有さない。
このエマルジヨン液を実施例1と同様に塗装し、160
℃で5分間加熱し、硬化させた。
比較例1〜3 塗装後の加熱を60℃で2時間行なう以外は、実施例1
〜3と同様に処理したものを比較例1〜3とした。実施
例1は比較例1に、実施例2は比較例2に、実施例3は
比較例3にそれぞれ対応する。
比較例4 実施例2において酢酸60部及びジメチルアミノエタノ
ール89部を反応させる代りにナトリウムエトキシド35部
(0.51モル)を混合する以外は、実施例2と同様にして
樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液中、樹脂は、基体部
分であるアクリル樹脂中に重合性不飽和基を有するが、
オニウム塩を有さず、残存カルボキシル基の一部がナト
リウムイオンで中和されている。該樹脂溶液を、実施例
2と同様に塗装、加熱硬化処理した。
上記実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた塗板に
つき、次の試験を行なった。即ち、ガラス板に塗装した
ものを用いてアセトン抽出試験を行ない、ミガキ軟鋼板
に塗装したものを用いて耐水性試験を行なった。また上
記実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた各樹脂溶液
につき、貯蔵安定性試験を行なった。結果を下記第1表
に示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1分子中に下記式(I) 〔式中R1は、水酸基、アルコキシ基、エステル基もしく
    はハロゲン原子が置換していてもよい炭素数1〜8の飽
    和もしくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示す。−
    は、 を示す。ここでZは窒素原子又はリン原子を、Yは硫黄
    原子を示す。R2、R3及びR4は、同一又は異なって、酸素
    原子が含有されていてもよい、炭素数1〜14の脂肪族、
    脂環式又は芳香族炭化水素基を示す。またこれらR2及び
    R3又はR2、R3及びR4は一緒になって、これらが結合して
    いる窒素原子、リン原子もしくは硫黄原子と共に複素環
    基を形成してもよい。〕 で表わされる非プロトン型オニウム塩含有基を有し、更
    に重合性不飽和基を有する硬化性樹脂ならびに有機溶剤
    及び/又は水を含有することを特徴とする硬化性樹脂の
    溶液又は分散液。
  2. 【請求項2】1分子中に下記式(I) 〔式中R1は、水酸基、アルコキシ基、エステル基もしく
    はハロゲン原子が置換していてもよい炭素数1〜8の飽
    和もしくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示す。−
    は、 を示す。ここでZは窒素原子又はリン原子を、Yを硫黄
    原子を示す。R2、R3及びR4は、同一又は異なって、酸素
    原子が含有されていてもよい、炭素数1〜14の脂肪族、
    脂環式又は芳香族炭化水素基を示す。またこれらR2及び
    R3又はR2、R3及びR4は一緒になって、これらが結合して
    いる窒素原子、リン原子もしくは硫黄原子と共に複素環
    基を形成してもよい。〕 で表わされる非プロトン型オニウム塩含有基を有し、更
    に重合性不飽和基を有する硬化性樹脂ならびに有機溶剤
    及び/又は水を含有することを特徴とする硬化性樹脂の
    溶液又は分散液を、80℃以上に加熱して硬化させること
    を特徴とする硬化性樹脂の溶液又は分散液の硬化方法。
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