JP2604705Y2 - 動力伝達装置 - Google Patents
動力伝達装置Info
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- JP2604705Y2 JP2604705Y2 JP1991095517U JP9551791U JP2604705Y2 JP 2604705 Y2 JP2604705 Y2 JP 2604705Y2 JP 1991095517 U JP1991095517 U JP 1991095517U JP 9551791 U JP9551791 U JP 9551791U JP 2604705 Y2 JP2604705 Y2 JP 2604705Y2
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- Transmission Devices (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は自動車のクランクシャフ
トの端部に取り付けられる動力伝達装置に関する。
トの端部に取り付けられる動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、この種の動力伝達装置は、エンジ
ンの回転変動に伴うクランクシャフトの捩り振動を効果
的に吸収・減衰し、トランスミッションギヤの歯打ち音
や所謂こもり音等の異音の発生を抑制するため、クラン
クシャフトに固定される第1質量体と、これに相対回動
可能に組み付ける第2質量体とに分割し、この分割した
質量体をばね部材で回動方向に弾性的に連繋するように
構成している(実開昭60−28650号公報、特開昭
62−204053号公報参照)。
ンの回転変動に伴うクランクシャフトの捩り振動を効果
的に吸収・減衰し、トランスミッションギヤの歯打ち音
や所謂こもり音等の異音の発生を抑制するため、クラン
クシャフトに固定される第1質量体と、これに相対回動
可能に組み付ける第2質量体とに分割し、この分割した
質量体をばね部材で回動方向に弾性的に連繋するように
構成している(実開昭60−28650号公報、特開昭
62−204053号公報参照)。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成した動力伝達装置には、エンジン始動時や停止
時の過渡的運転状態においてエンジンの最大トルク以上
の回転変動トルクが入力される場合がある。これは、ク
ランクシャフト系の捩り振動の共振点が通常エンジンの
アイドル回転数以下の回転数で生じるように設定される
ことに起因している。
うに構成した動力伝達装置には、エンジン始動時や停止
時の過渡的運転状態においてエンジンの最大トルク以上
の回転変動トルクが入力される場合がある。これは、ク
ランクシャフト系の捩り振動の共振点が通常エンジンの
アイドル回転数以下の回転数で生じるように設定される
ことに起因している。
【0004】そこで、エンジン始動時や停止時の過渡的
運転状態における過大入力トルクによりばね部材等が損
傷しないように、ばね部材等を保護する手段を備えた動
力伝達装置の提供が望まれていた。
運転状態における過大入力トルクによりばね部材等が損
傷しないように、ばね部材等を保護する手段を備えた動
力伝達装置の提供が望まれていた。
【0005】本考案は、その要望に応えるために案出さ
れたものである。
れたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本考案は、クランク
シャフトに固定される第1質量体に第2質量体をばね部
材で回動方向に弾性的に連繋してなる動力伝達装置にお
いて、前記第1質量体と第2質量体に形成したばね受容
部内に、ゴム状弾性部材を前記ばね部材と共に円周方向
に直列に配置し、少なくとも一方の質量体に、前記ゴム
状弾性部材の設定量以上の圧縮変形時にそのゴム状弾性
部材の拡張変形面が摺接する摺接面を設けたことを特徴
としている。
シャフトに固定される第1質量体に第2質量体をばね部
材で回動方向に弾性的に連繋してなる動力伝達装置にお
いて、前記第1質量体と第2質量体に形成したばね受容
部内に、ゴム状弾性部材を前記ばね部材と共に円周方向
に直列に配置し、少なくとも一方の質量体に、前記ゴム
状弾性部材の設定量以上の圧縮変形時にそのゴム状弾性
部材の拡張変形面が摺接する摺接面を設けたことを特徴
としている。
【0007】
【作用】エンジンの始動時や停止時等の過渡的運転状態
において、動力伝達装置に過大な回転エネルギーが入力
されると、ゴム状弾性部材が設定量以上圧縮変形してそ
の拡張変形面が質量体の摺接面に接触し、そのときゴム
状弾性部材の圧縮変形量に応じた大きな摩擦抵抗を生じ
させて、その過大入力エネルギーを吸収する。そして、
ゴム状弾性部材の変形量は入力トルクに応じたものとな
るため、このときに発生する摩擦抵抗は入力トルクに応
じたものとなる。また、過大トルクの入力のない常用運
転域においては、ゴム状弾性部材とばね部材がばね受容
部内で直列に作用し、回動方向のばね剛性が小さく抑え
られる。
において、動力伝達装置に過大な回転エネルギーが入力
されると、ゴム状弾性部材が設定量以上圧縮変形してそ
の拡張変形面が質量体の摺接面に接触し、そのときゴム
状弾性部材の圧縮変形量に応じた大きな摩擦抵抗を生じ
させて、その過大入力エネルギーを吸収する。そして、
ゴム状弾性部材の変形量は入力トルクに応じたものとな
るため、このときに発生する摩擦抵抗は入力トルクに応
じたものとなる。また、過大トルクの入力のない常用運
転域においては、ゴム状弾性部材とばね部材がばね受容
部内で直列に作用し、回動方向のばね剛性が小さく抑え
られる。
【0008】
【実施例】図1は本考案の一実施例を示す動力伝達装置
の取付状態断面図であり、この図に示すように、クラン
クシャフト1の軸端には第1質量体としての入力部材2
をボルト3で固定してある。この入力部材2の両側には
入力部材2に対して回動できるようにドライブプレート
4a,4bを配置し、これら一対のドライブプレート4
a,4bの内周側を複数のストップピン5で所定の間隔
をもって固定すると共に、その外周側を複数のリベット
6で固定してある。そして、ドライブプレート4bの外
周端には図外のスタータモータのピニオンギヤに噛合す
るリングギヤ7を溶接してあり、これらドライブプレー
ト4a,4bとリングギヤ7とで第2質量体8を構成し
ている。
の取付状態断面図であり、この図に示すように、クラン
クシャフト1の軸端には第1質量体としての入力部材2
をボルト3で固定してある。この入力部材2の両側には
入力部材2に対して回動できるようにドライブプレート
4a,4bを配置し、これら一対のドライブプレート4
a,4bの内周側を複数のストップピン5で所定の間隔
をもって固定すると共に、その外周側を複数のリベット
6で固定してある。そして、ドライブプレート4bの外
周端には図外のスタータモータのピニオンギヤに噛合す
るリングギヤ7を溶接してあり、これらドライブプレー
ト4a,4bとリングギヤ7とで第2質量体8を構成し
ている。
【0009】尚、入力部材2に形成した周方向溝9にス
トップピン5を係合してストッパ機構10を構成し、こ
のストッパ機構10でドライブプレート4a,4b(第
2質量体)と入力部材2(第1質量体)の相対回動角度
を所定角度に規制している。又、一方のドライブプレー
ト4aの内周端と入力部材2のショルダー部2aとの間
には軸受11を介装してあり、ドライブプレート4a,
4bが入力部材2に対して円滑に回動できるように工夫
してある。
トップピン5を係合してストッパ機構10を構成し、こ
のストッパ機構10でドライブプレート4a,4b(第
2質量体)と入力部材2(第1質量体)の相対回動角度
を所定角度に規制している。又、一方のドライブプレー
ト4aの内周端と入力部材2のショルダー部2aとの間
には軸受11を介装してあり、ドライブプレート4a,
4bが入力部材2に対して円滑に回動できるように工夫
してある。
【0010】12は入力部材2の周方向に複数形成した
ばね受容部であり(図2参照)、このばね受容部12に
は一対のアーク状のばね部材13,13とこれらの間に
位置する略円柱状のゴム状弾性部材14をリテーナ15
を介して収容してある。
ばね受容部であり(図2参照)、このばね受容部12に
は一対のアーク状のばね部材13,13とこれらの間に
位置する略円柱状のゴム状弾性部材14をリテーナ15
を介して収容してある。
【0011】16a,16bはドライブプレート4a,
4bに形成したばね係合部である。このばね係合部16
a,16bは入力部材2のばね受容部12に対応させて
形成してあり、ゴム状弾性部材14及びばね部材13,
13の外周に所定の隙間が生じるように形成してある。
そして、この周方向に隣り合う各ばね係合部16a,1
6b間のドライブプレート4a,4bの内側壁にはリテ
ーナプレート17をリベット18で固定してあり、この
リテーナプレート17を入力部材2のアーム部2bの両
側に隙間をもって係合してある(図2〜図4参照)。こ
の結果、ドライブプレート4a,4bと入力部材2は、
一対のばね部材13,13及びこれらばね部材13,1
3間に配置したゴム状弾性部材14で連繋されることと
なる。この実施例の場合、ばね係合部16a,16bと
リテーナプレート17が第2質量体8側のばね受容部を
構成している。尚、入力部材2のばね受容部12には潤
滑用グリースを収容してあり、入力部材2とドライブプ
レート4a,4b間に配置したシール部材19a,19
bでこの潤滑用グリースの漏出を防止している。また、
ゴム状弾性部材14は両側のばね部材13,13から荷
重を受けて軸方向に圧縮変形し、その圧縮変形に伴って
径方向に拡張変形するが、ゴム状弾性部材14が設定量
以上に圧縮変形したときには、ゴム状弾性部材14の外
周の拡張変形面がドライブプレート4a,4bのばね係
合部16a,16bの内側面と、入力部材2のばね受容
部周面12aとに圧接されるようになっている。したが
って、この実施例の場合、ばね係合部16a,16bの
内周面とばね受容部周面12aとが本考案における摺接
面を構成している。
4bに形成したばね係合部である。このばね係合部16
a,16bは入力部材2のばね受容部12に対応させて
形成してあり、ゴム状弾性部材14及びばね部材13,
13の外周に所定の隙間が生じるように形成してある。
そして、この周方向に隣り合う各ばね係合部16a,1
6b間のドライブプレート4a,4bの内側壁にはリテ
ーナプレート17をリベット18で固定してあり、この
リテーナプレート17を入力部材2のアーム部2bの両
側に隙間をもって係合してある(図2〜図4参照)。こ
の結果、ドライブプレート4a,4bと入力部材2は、
一対のばね部材13,13及びこれらばね部材13,1
3間に配置したゴム状弾性部材14で連繋されることと
なる。この実施例の場合、ばね係合部16a,16bと
リテーナプレート17が第2質量体8側のばね受容部を
構成している。尚、入力部材2のばね受容部12には潤
滑用グリースを収容してあり、入力部材2とドライブプ
レート4a,4b間に配置したシール部材19a,19
bでこの潤滑用グリースの漏出を防止している。また、
ゴム状弾性部材14は両側のばね部材13,13から荷
重を受けて軸方向に圧縮変形し、その圧縮変形に伴って
径方向に拡張変形するが、ゴム状弾性部材14が設定量
以上に圧縮変形したときには、ゴム状弾性部材14の外
周の拡張変形面がドライブプレート4a,4bのばね係
合部16a,16bの内側面と、入力部材2のばね受容
部周面12aとに圧接されるようになっている。したが
って、この実施例の場合、ばね係合部16a,16bの
内周面とばね受容部周面12aとが本考案における摺接
面を構成している。
【0012】20はトルクコンバータ21のコンバータ
ハウジングであり、このコンバータハウジング20にド
ライブプレート4a,4bの外周端部をボルト22で固
定してある。又、23は出力軸24にスプライン嵌合さ
せたタービンハブであり、このタービンハブ23のフラ
ンジ部23aにはタービン・ランナ25を固定し、ボス
部23bにはロックアップクラッチとしてのピストン2
6をスライドできるように嵌合してある。ピストン26
は、その背面に形成した複数の爪27をタービンハブ2
3のフランジ部23aの外周端に形成した溝28に係合
してあるため、タービンハブ23と一体回動する。そし
て、このピストン26は、車両速度が所定速度以上とな
り、ピストン26の背面側の油圧力P1がピストン26
の正面側の油圧力P2よりも大きくなると、図1中左側
方向へスライドしてコンバータハウジング20の内側壁
20aに接合(ロックアップ)する。
ハウジングであり、このコンバータハウジング20にド
ライブプレート4a,4bの外周端部をボルト22で固
定してある。又、23は出力軸24にスプライン嵌合さ
せたタービンハブであり、このタービンハブ23のフラ
ンジ部23aにはタービン・ランナ25を固定し、ボス
部23bにはロックアップクラッチとしてのピストン2
6をスライドできるように嵌合してある。ピストン26
は、その背面に形成した複数の爪27をタービンハブ2
3のフランジ部23aの外周端に形成した溝28に係合
してあるため、タービンハブ23と一体回動する。そし
て、このピストン26は、車両速度が所定速度以上とな
り、ピストン26の背面側の油圧力P1がピストン26
の正面側の油圧力P2よりも大きくなると、図1中左側
方向へスライドしてコンバータハウジング20の内側壁
20aに接合(ロックアップ)する。
【0013】以上の実施例構造によれば、ロックアップ
時等の低トルク入力時には、入力部材2とドライブプレ
ート4a,4bの相対回動に伴ってばね部材13,ゴム
状弾性部材14及びばね部材13がドライブプレート4
a,4bに固定したリテーナプレート17と入力部材2
のアーム部2bとの間で押し縮められ、これらばね部材
13,ゴム状弾性部材14及びばね部材13が直列に作
用してエンジンの回転変動に起因する衝撃力及び捩り振
動を吸収・減衰する。この結果、エンジンの動力が動力
伝達装置Aを介してクランクシャフト1からコンバータ
ハウジング20に円滑に伝達され、車室内のこもり音等
の異音が効果的に低減されることとなる。
時等の低トルク入力時には、入力部材2とドライブプレ
ート4a,4bの相対回動に伴ってばね部材13,ゴム
状弾性部材14及びばね部材13がドライブプレート4
a,4bに固定したリテーナプレート17と入力部材2
のアーム部2bとの間で押し縮められ、これらばね部材
13,ゴム状弾性部材14及びばね部材13が直列に作
用してエンジンの回転変動に起因する衝撃力及び捩り振
動を吸収・減衰する。この結果、エンジンの動力が動力
伝達装置Aを介してクランクシャフト1からコンバータ
ハウジング20に円滑に伝達され、車室内のこもり音等
の異音が効果的に低減されることとなる。
【0014】エンジンの始動時や停止時における過渡的
運転状態においては、クランクシャフト系の共振点がエ
ンジンのアイドル回転数以下の回転数で生じるように設
定されているため、エンジンの回転変動が増幅されて、
瞬間的に高トルクが動力伝達装置Aに作用する。この
際、図5〜図6に示すように、入力部材2とドライブプ
レート4a,4bとの相対回動に伴って、ゴム状弾性部
材14がばね部材13とばね部材13との間で圧縮され
て径方向に拡張変形し、そのゴム状弾性部材14の外周
の拡張変形面がドライブプレート4a,4bのばね係合
部16a,16bの内側面及び入力部材2のばね受容部
周面12aに押し付けられることとなり、ゴム状弾性部
材14とドライブプレート4a,4b及び入力部材2と
の間に大きな摩擦抵抗力(ヒステリシストルク)が生
じ、これにより過大入力エネルギーを吸収することがで
きる。そして、このとき発生する摩擦抵抗力は、ゴム状
弾性部材14の変形量に応じた、つまり、入力トルクに
応じたものとなるため、過大入力エネルギーは円滑に、
かつ、効率良く吸収される。従って、この動力伝達装置
Aは、過大入力トルクによるばね部材13等の損傷を防
止し、より一層円滑でかつ確実な動力伝達を可能とす
る。
運転状態においては、クランクシャフト系の共振点がエ
ンジンのアイドル回転数以下の回転数で生じるように設
定されているため、エンジンの回転変動が増幅されて、
瞬間的に高トルクが動力伝達装置Aに作用する。この
際、図5〜図6に示すように、入力部材2とドライブプ
レート4a,4bとの相対回動に伴って、ゴム状弾性部
材14がばね部材13とばね部材13との間で圧縮され
て径方向に拡張変形し、そのゴム状弾性部材14の外周
の拡張変形面がドライブプレート4a,4bのばね係合
部16a,16bの内側面及び入力部材2のばね受容部
周面12aに押し付けられることとなり、ゴム状弾性部
材14とドライブプレート4a,4b及び入力部材2と
の間に大きな摩擦抵抗力(ヒステリシストルク)が生
じ、これにより過大入力エネルギーを吸収することがで
きる。そして、このとき発生する摩擦抵抗力は、ゴム状
弾性部材14の変形量に応じた、つまり、入力トルクに
応じたものとなるため、過大入力エネルギーは円滑に、
かつ、効率良く吸収される。従って、この動力伝達装置
Aは、過大入力トルクによるばね部材13等の損傷を防
止し、より一層円滑でかつ確実な動力伝達を可能とす
る。
【0015】図7は本実施例の動力伝達装置Aを組み付
けた動力伝達系の簡易振動モデルであり、この図におい
てI1は入力部材2やクランクシャフト1等を含めた入
力側慣性モーメント、I2はドライブプレート4a,4
b,リングギヤ7,コンバータハウジング20等の出力
側慣性モーメント、I3は出力軸24や出力軸24とと
もに回動するその他のパワートレインの慣性モーメント
である。又、この図7において、K1は動力伝達装置A
の直列に作用するばね部材13,13とゴム状弾性部材
14の合成ばね定数であり、K2は出力軸24等の合成
ばね定数、Thは動力伝達装置Aで生じる摩擦抵抗であ
る。尚、C0はエンジンオイルの粘性減衰抵抗を示し、
C3はトランスミッションオイルの粘性減衰抵抗を示
す。又、T・sinWtはエンジンのトルク変動を示す。
けた動力伝達系の簡易振動モデルであり、この図におい
てI1は入力部材2やクランクシャフト1等を含めた入
力側慣性モーメント、I2はドライブプレート4a,4
b,リングギヤ7,コンバータハウジング20等の出力
側慣性モーメント、I3は出力軸24や出力軸24とと
もに回動するその他のパワートレインの慣性モーメント
である。又、この図7において、K1は動力伝達装置A
の直列に作用するばね部材13,13とゴム状弾性部材
14の合成ばね定数であり、K2は出力軸24等の合成
ばね定数、Thは動力伝達装置Aで生じる摩擦抵抗であ
る。尚、C0はエンジンオイルの粘性減衰抵抗を示し、
C3はトランスミッションオイルの粘性減衰抵抗を示
す。又、T・sinWtはエンジンのトルク変動を示す。
【0016】図8は前記図7の簡易振動モデルを使用し
て計算した結果を従来例と比較した図である。この図に
示すように、本実施例は、斜線部に相当する変動トルク
を低減化できる。
て計算した結果を従来例と比較した図である。この図に
示すように、本実施例は、斜線部に相当する変動トルク
を低減化できる。
【0017】尚、前記実施例は、ゴム状弾性部材14を
ドライブプレート4a,4b及び入力部材2のばね受容
部周面12aに摺接させる態様を示したが、入力部材2
のばね受容部周面12aにのみ摺接させて摩擦抵抗力を
生じさせるようにしてもよい。又、ゴム状弾性部材14
をドライブプレート4a,4bの内側面にのみ摺接させ
て摩擦抵抗力を生じさせるようにしてもよい。
ドライブプレート4a,4b及び入力部材2のばね受容
部周面12aに摺接させる態様を示したが、入力部材2
のばね受容部周面12aにのみ摺接させて摩擦抵抗力を
生じさせるようにしてもよい。又、ゴム状弾性部材14
をドライブプレート4a,4bの内側面にのみ摺接させ
て摩擦抵抗力を生じさせるようにしてもよい。
【0018】
【考案の効果】以上の説明から明らかなように本考案
は、第1質量体と第2質量体に形成したばね受容部内
に、ゴム状弾性部材をばね部材と共に円周方向に直列に
配置し、少なくとも一方の質量体に、前記ゴム状弾性部
材の設定量以上の圧縮変形時にそのゴム状弾性部材の拡
張変形面が摺接する摺接面を設けるようにしたため、エ
ンジンの始動時や停止時等の過渡的運転状態において過
大な回転エネルギーが入力されても、ゴム状弾性部材と
質量体の摺接面の間で発生する入力トルクに応じた大き
な摩擦抵抗力でもって、そのエネルギーを円滑にかつ効
率良く吸収することができる。従って、本考案によれ
ば、より一層円滑で確実な動力の伝達が可能である。ま
た、本考案は、ゴム状弾性部材を両質量体のばね受容部
内にばね部材と共に直列に配置して、ゴム状弾性部材の
摺接する摺接面を質量体に設ける、という極めて簡単な
構成によって上記の機能を得られるようにしたため、部
品点数や占有スペースのさしたる増加がなく、そのこと
から低コスト化と装置の小型化を図ることができる。そ
して、さらに本考案は、ゴム状弾性部材をばね部材と直
列にばね受容部内に配置しているため、過大トルクの入
力のない常用運転域ではゴム状弾性部材とばね部材が直
列に作用して、吸振性能面で有利な小さなばね剛性を得
れるようになる。したがって、本発明によれば、常用運
転域での吸振性能の低下を招くことなく、エンジン始動
時や停止時の過大な入力トルクを確実に吸収することが
できる。
は、第1質量体と第2質量体に形成したばね受容部内
に、ゴム状弾性部材をばね部材と共に円周方向に直列に
配置し、少なくとも一方の質量体に、前記ゴム状弾性部
材の設定量以上の圧縮変形時にそのゴム状弾性部材の拡
張変形面が摺接する摺接面を設けるようにしたため、エ
ンジンの始動時や停止時等の過渡的運転状態において過
大な回転エネルギーが入力されても、ゴム状弾性部材と
質量体の摺接面の間で発生する入力トルクに応じた大き
な摩擦抵抗力でもって、そのエネルギーを円滑にかつ効
率良く吸収することができる。従って、本考案によれ
ば、より一層円滑で確実な動力の伝達が可能である。ま
た、本考案は、ゴム状弾性部材を両質量体のばね受容部
内にばね部材と共に直列に配置して、ゴム状弾性部材の
摺接する摺接面を質量体に設ける、という極めて簡単な
構成によって上記の機能を得られるようにしたため、部
品点数や占有スペースのさしたる増加がなく、そのこと
から低コスト化と装置の小型化を図ることができる。そ
して、さらに本考案は、ゴム状弾性部材をばね部材と直
列にばね受容部内に配置しているため、過大トルクの入
力のない常用運転域ではゴム状弾性部材とばね部材が直
列に作用して、吸振性能面で有利な小さなばね剛性を得
れるようになる。したがって、本発明によれば、常用運
転域での吸振性能の低下を招くことなく、エンジン始動
時や停止時の過大な入力トルクを確実に吸収することが
できる。
【図1】本考案の一実施例を示す動力伝達装置の取付状
態断面図。
態断面図。
【図2】一部を切り欠いて示す動力伝達装置の正面図。
【図3】図2のB−B線に沿う断面図。
【図4】図2のC−C線に沿う断面図。
【図5】過大トルク入力時の動力伝達装置の要部正面
図。
図。
【図6】図5のD−D線に沿う断面図。
【図7】動力伝達系の簡易振動モデル図。
【図8】入力変動トルク−エンジン回転数関係図。
1…クランクシャフト、2…第1質量体(入力部材)、
8…第2質量体、13…ばね部材、14…ゴム状弾性部
材、A…動力伝達装置。
8…第2質量体、13…ばね部材、14…ゴム状弾性部
材、A…動力伝達装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/12 - 15/13 F16F 15/30 F16H 41/24 F16H 45/02
Claims (1)
- 【請求項1】 クランクシャフトに固定される第1質量
体に第2質量体をばね部材で回動方向に弾性的に連繋し
てなる動力伝達装置において、前記第1質量体と第2質
量体に形成したばね受容部内に、ゴム状弾性部材を前記
ばね部材と共に円周方向に直列に配置し、少なくとも一
方の質量体に、前記ゴム状弾性部材の設定量以上の圧縮
変形時にそのゴム状弾性部材の拡張変形面が摺接する摺
接面を設けたことを特徴とする動力伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991095517U JP2604705Y2 (ja) | 1991-11-21 | 1991-11-21 | 動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991095517U JP2604705Y2 (ja) | 1991-11-21 | 1991-11-21 | 動力伝達装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0545287U JPH0545287U (ja) | 1993-06-18 |
JP2604705Y2 true JP2604705Y2 (ja) | 2000-06-05 |
Family
ID=14139764
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991095517U Expired - Fee Related JP2604705Y2 (ja) | 1991-11-21 | 1991-11-21 | 動力伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2604705Y2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000002313A (ja) * | 1998-06-16 | 2000-01-07 | Unisia Jecs Corp | 捩じりダンパ |
JP5212239B2 (ja) * | 2009-04-16 | 2013-06-19 | トヨタ自動車株式会社 | エンジン始動装置 |
JP2012180907A (ja) * | 2011-03-02 | 2012-09-20 | Toyota Motor Corp | 捩り振動低減装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0534361Y2 (ja) * | 1987-07-06 | 1993-08-31 |
-
1991
- 1991-11-21 JP JP1991095517U patent/JP2604705Y2/ja not_active Expired - Fee Related
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