JP3542186B2 - トルクコンバータのロックアップクラッチ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ロックアップクラッチ、特に、入力側のフロントカバーに連結されたインペラから出力側部材に連結されたタービンに流体を介してトルクを伝達するトルクコンバータのロックアップクラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のトルクコンバータには、入力側部材と出力側部材とを直接連結することにより、トルクコンバータ本体を介さずに動力を伝達するロックアップクラッチが取り付けられているものがある。
車輌の発進時には入力側部材からトルクコンバータにトルクが入力され、ここではトルクコンバータのトルク増大作用により車輌はスムーズに発進する。トランスミッションの入力軸の回転数が一定に達すると、ロックアップクラッチが作動し、入力側部材からトランスミッション入力軸に直接トルクが伝達される。このときは、トルクは機械的に伝達されるために、車輌は燃費の良い状態で走行する。
【0003】
車輌の一般走行中におけるトラスミッションの歯打ち音やこもり音等の異音発生を抑えるためには、共振周波数を車輌のアイドル回転数(実用回転数)以下に下げる必要がある。
前記従来の車輌において、ロックアップ装置が作動している一般走行状態では、ロックアップクラッチのコイルスプリングを境にして動力伝達系が入力側と出力側とに分かれる。この動力伝達系において共振周波数をアイドル回転数以下にするためには、出力側の入力側に対する慣性モーメント比を十分に大きくする必要がある。しかし、ロックアップクラッチ連結解除時には、トランスミッション側のクラッチ等に悪影響を及ぼさないために出力側機構の慣性質量を減らすことが好ましい。
【0004】
そこで、環状のウェイトを遠心力機構によってロックアップクラッチに連結・離反させる機構が提案されている。これによれば、タービンの回転数が上昇すると遠心力によって環状ウェイトがタービン等の出力側部材に連結される。その結果、出力側機構の慣性モーメント比が大きくなり、駆動系において共振数を低周波領域に下げることができる。タービンの回転数が低くなると、環状ウェイトがタービン等の出力側部材から切り離される。その結果、トランスミッションのクラッチ等に不具合が生じにくい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のウェイトの連結及び連結解除は遠心力機構によって行っているために、正確な制御を行うことが困難である。
本発明の目的は、トルクコンバータのロックアップクラッチにおいてウェイト部材の出力側機構への連結または連結解除を正確に制御することにある。
【0007】
本発明の一見地に係るトルクコンバータのロックアップクラッチは、入力側フロントカバーに連結されたインペラから出力側部材に連結されたタービンに流体を介してトルクを伝達するものであり、ウェイト部材とピストン部材と弾性部材と出力側プレートと油圧制御装置とを備えている。ウェイト部材はフロントカバーとタービンとの間に配置されている。ピストン部材はウェイト部材と相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に連結されている。弾性部材はピストン部材とフロントカバーとを円周方向に連結する。出力側プレートはウェイト部材とピストン部材との間に配置され出力側部材に連結される。油圧制御装置はトルクコンバータ内の油圧制御によってピストン部材を軸方向に移動させるための装置である。
【0008】
弾性部材は曲がり板ばねからなるのが好ましい。
曲がり板ばねが収容された粘性流体充填室をさらに備えているのが好ましい。
曲がり板ばねは粘性流体が通過する孔を一部に有しているのが好ましい。
曲がり板ばねは複数のばね要素を直列に接続してなり、ばね要素は、一部に開環部を有するリング部と、前記開環部から外方に向かうにしたがって互いに間隔が広がるように延びる1対のレバー部とを有しているのが好ましい。
【0011】
【作用】
本発明の一見地に係るロックアップクラッチでは、油圧制御装置によるトルクコンバータ内の油圧制御によって、ピストン部材がウェイト部材から離反していると、ロックアップクラッチによるトルク伝達は遮断されている。このとき、ウェイト部材は弾性部材を介してフロントカバーに連結されているために、ダイナミックダンパーとして機能し、フロントカバー側の振動を効果的に減衰する。
【0012】
油圧制御装置によるトルクコンバータ内の油圧制御によってピストン部材が出力側プレートをウェイト部材に押圧されると、フロントカバーのトルクは弾性部材、ピストン及び出力側プレートを介して出力側部材に伝達される。フロントカバー側から伝達された捩じり振動は弾性部材が円周方向に伸縮することで減衰される。特に、ロックアップクラッチ連結時にウェイト部材が出力側機構の慣性モーメント比を大きくしているために、トルクコンバータを含む動力伝達系において共振周波数がエンジンのアイドル回転数以下に下げられる。その結果、トランスミッション側で生じるこもり音や歯打ち音等の異音が生じにくい。
【0013】
このロックアップクラッチでは、出力側プレートの両面でトルク伝達を行うために、トルク伝達容量が同じであれば面圧が下がり出力側プレートの磨耗を減らせる。
第2弾性部材が曲がり板ばねからなる場合には、曲がり板ばねはコイルスプリングに比較して幅寸法を小さくできるので、ロックアップクラッチ全体の軸方向を短縮できる。
【0014】
粘性流体充填室をさらに備えている場合は、曲がり板ばねは粘性流体充填室内で伸縮するので、この伸縮によって曲がり板ばねと粘性流体充填室との間の隙間を粘性流体が通過し、所定の粘性抵抗が生じる。このように、従来の弾性連結機構及び摩擦抵抗発生機構の両機能を、粘性流体充填室及び曲がり板ばねによって実現でき、装置のより一層の小型化が図れる。
【0015】
曲がり板ばねの一部に粘性流体が通過し得る孔を形成した場合は、曲がり板ばねが圧縮されたとき、粘性流体収容部と曲がり板ばねとの間に形成された閉空間に存在する粘性流体は孔を介して流出する。このため、曲がり板ばねの圧縮時に、曲がり板ばねが半径方向に変形するのを抑えることができ、閉空間を維持できる。したがって、曲がり板ばねと粘性流体充填室との間の隙間を予め設定された隙間に維持でき、大きな粘性抵抗が得られる。
【0016】
【実施例】
第1参考例
図1は本発明の第1参考例としてのトルクコンバータ1を示す断面模式図であり、図2はその力学モデル図である。このトルクコンバータ1は、エンジン側のクランクシャフト(図示せず)からトランスミッション(図示せず)のメインドライブシャフト9にトルクを伝達するための機構である。
【0017】
トルクコンバータ1は、3種類の羽根車、すなわちインペラ3とタービン4とステータ5とから主に構成されている。インペラ3は、エンジン側のクランクシャフト(図示せず)に連結されたフロントカバー2とともに作動油室を構成している。タービン4は、タービンハブ8を介してメインドライブシャフト9に連結されている。ステータ5はインペラ3の内周部とタービン8の内周部との間に配置されている。
【0018】
ロックアップクラッチ10は、フロントカバー2とタービン4との間の空間に配置されている。ロックアップクラッチ10は、主に、イナーシャプレート11と、複数のコイルスプリング12と、ピストン16とから構成されている。
イナーシャプレート11はフロントカバー2の側方に配置された円板状の部材である。イナーシャプレート11の内周端はトランスミッション側に突出した円筒形状であり、スラストベアリング13及びブッシュ14によってフロントカバー2に対して相対回転自在に支持されている。イナーシャプレート11のの外周には、円環状のウェイト11aが固定されている。また、イナーシャプレート11の外周部は複数のコイルスプリング12を介してフロントカバー2に連結されている。
【0019】
ピストン16は、イナーシャプレート11の側方に配置された円板状の部材であり、内周端が軸受19を介してタービンハブ8に相対回転自在にかつ軸方向に移動自在に係合している。ピストン16の外周部においてイナーシャプレート11と対向する側の面には、円環状の摩擦部材16aが固定されている。
以上のような構成により、イナーシャプレート11の外周部とピストン16の摩擦部材16aとによってクラッチ50が形成されている。タービン4の背面とピストン16との間には空間Iが形成され、ピストン16とイナーシャプレート11との間には空間IIが形成され、イナーシャプレート11とフロントカバー2との間には空間IIIが形成されている。空間Iと空間IIIとは外周側で連通している。空間IIは、外周側でピストン16の摩擦部材16aがイナーシャプレート11に当接した状態で閉鎖される。空間IIは内周側がメインドライブシャフト9を通る第3油路48(後述)に連通している。
【0020】
図3は、トルクコンバータ1内の油圧を制御するための油圧制御回路40を示している。作動油はオイルポンプ41からプレッシャ・レギュレータ42を介してトルクコンバータ1とロックアップ制御バルブ43とロックアップ・ソレノイド44に供給される。第1油路46は、プレッシャ・レギュレータ42から延びインペラ3に作動油を供給するための油路である。第2油路47は、タービン4から流れる作動油を排出するための油路である。第3油路48は、ロックアップ制御バルブ43から延びさらにメインドライブシャフト9内を通って、トルクコンバータ1内の空間IIに連通している。
【0021】
次に動作について説明する。
図3に示す状態では、ロックアップ・ソレノイド44がオフされており、作動油はロックアップ・ソレノイド44のバルブからドレインされている。その結果、ロックアップ制御バルブ43のピストン頭部の油圧がなくなり、ピストンはスプリングの力で図の右側に押されドレインを閉じている。このようにしてロックアップ制御バルブ43は、プレッシャ・レギュレータ42からの作動油を第3油路48に導く。この結果、トルクコンバータ1内の空間IIに作動油圧が作用し、ピストン16が図1の右方に移動している。この状態では、ピストン16の摩擦部材16aはイナーシャプレート11から離れている。すなわち、ロックアップクラッチ10は解除状態である。このとき、ウェイト11aはコイルスプリング12を介して入力側機構のダイナミックダンパーとして機能し、エンジン側の振動を減衰する。
【0022】
次に、車速が一定に達すると、図示しない車速センサからの信号によりロックアップ・ソレノイド44がオンされる。すると、図4に示すように、作動油圧によってロックアップ制御バルブ43のピストンが図の左側に押され、そのためトルクコンバータ1の空間II内の作動油は第3油路48を介してさらにロックアップ制御バルブ43を介してドレインされる。すると、空間II内の作動油圧が空間I,IIIより低くなり、その結果ピストン16が図1の左側に移動する。この状態では、ピストン16の摩擦部材16aがイナーシャプレート11に押し付けられる。このとき、図2から明らかなように、トルクはフロントカバー2からコイルスプリング12を介してメインドライブシャフト9に伝達される。このとき、ウェイト11aは出力側機構の入力側機構に対する慣性モーメント比を増大させている。この結果、共振周波数が車速のアイドル回転数以下に下げられており、一般走行中にトランスミッションの歯打ち音やこもり音等の異音発生が抑えられている。
第2参考例
図5に示す第2参考例は、第1参考例のコイルスプリング12の代わりに曲がり板ばね18を用いている。ここでは、第1参考例と異なる部分についてのみ説明し、同様の構造については説明を省略する。
【0023】
曲がり板ばね18は、フロントカバー2に連結された粘性流体充填室からプレート部材31にトルクを伝達するための部材である。プレート部材31はイナーシャプレート11に連結されている。曲がり板ばね18は、図6に示すように、一定の幅を有する板状の部材を長手方向に順番に折り曲げたものであり、ここでは2枚用いられている。粘性流体充填室はプレート32等により円環状に形成されており、その内部は2室に分割されている。粘性流体充填室の内周壁はプレート部材31により形成されている。各曲がり板ばね18は粘性流体充填室の2室にそれぞれ円環状になって配置されている。
【0024】
曲がり板ばね18を図6を用いて詳細に説明する。図に示すように、曲がり板ばね18はリング部20とレバー部21とからなる複数のばね要素を直列に接続してなるものである。各ばね要素は、レバー部21で互いに接続されている。
複数のリング部20は、ほぼ同径の環状体であり、隣接する各リング部20の間には自由状態で所定の隙間s1 を有している。リング部20の内側は開環部23となっている。開環部23は自由状態及びセット状態において隙間s2 が形成されており、開環部23の両側からはレバー部21がそれぞれ外方へ延びている。レバー部21は外方に向かうにしたがって互いの間隔が広がるように延び、対向するリング部20のレバー部21の一方に連続している。
【0025】
また、曲がり板ばね18の幅は粘性流体充填室の幅とほぼ等しく、半径方向の長さは粘性流体充填室の長さより小さい。このような曲がり板ばね18を粘性流体充填室に装着した場合、図7に示すように、ピストン16の外側壁と曲がり板ばね18との間に複数の閉空間25が形成される。そして、曲がり板ばね18のレバー部21の一部には、一部の閉空間25内に溜まった作動油を流出させるための孔24が形成されている。この実施例では、複数の閉空間25において、1つおきに閉空間25内の作動油が流出するように孔24が形成されている。
【0026】
また、図7に示すように、プレート32の外側壁には、対向する2か所に内周側に突出する係止部32aが形成されている。この係止部32aは曲がり板ばね18の外周側のリング部20を係止している。さらに、プレート部材31の外周部には、対向する2か所に外周側に突出する係止部31aが形成されている。係止部31aは曲がり板ばね18の内周側のリング部20に係止している。このような構成により、プレート32に入力されたトルクは曲がり板ばね18を介してプレート部材31に伝達される。また、係止部32aと係止部31aとによって粘性流体充填室が2室に分割されている。
【0027】
クラッチ50が連結された状態でプレート32に捩じり振動が伝達されると、曲がり板ばね18が伸縮を繰り返し、捩じり振動を減衰する。具体的には、曲がり板ばね18が圧縮されると、各レバー部21の開角度が小さくなり、リング部20に曲げモーメントが作用する。このとき、レバー部21は開環部23を支点として撓む。そして、レバー部21には曲げモーメントが均一に長手方向に分布するとともに、複数のリング部20に弾性エネルギーが分散して蓄えられる。
【0028】
この場合の捩じり特性は、曲がり板ばね18の捩じり剛性によって決定される。すなわち、開環部23に隙間s2 を有する小さい捩じり角範囲では、曲がり板ばね18のリング部20の外周部を支点としてリング部20及びレバー部21が同一方向に撓み、捩じり剛性は小さい。一方、捩じり角が大きくなると、隙間s2 が0となり、開環部23を支点としてリング部20に弾性エネルギーが蓄えられるので、捩じり剛性は大きくなる。
【0029】
このような曲がり板ばねを用いることで、大きなストッパートルクが得られる。
前述のように粘性流体充填室内で曲がり板ばね18が伸縮すると、曲がり板ばね18と粘性流体充填室との隙間を作動油が流通し、その粘性力によって振動減衰力が生じる。この効果について、図7を用いて説明する。
【0030】
図7で説明するように、複数の閉空間25のうち斜線を施した領域Aでは、閉空間25を形成するレバー部21に孔が形成されていない。このため、曲がり板ばね18が伸縮するとき、粘性流体充填室との間の小さい隙間を作動油が流通し、大きな粘性抵抗が発生する。一方、複数の閉空間25のうちの他の領域Bには、レバー部21に孔24が形成されている。したがって、孔24を通って作動油が流通し、粘性抵抗は小さくなる。
【0031】
ここで、粘性流体充填室内に収容される作動油と曲がり板ばね18とによって構成される動力伝達系を模式化すると、図8のように表される。図8において、K1は図7の領域Bの部分によって形成されるばね成分であり、K2は領域Aの部分によって形成されるばね成分である。またCは領域Aの部分によって形成される粘性抵抗発生部分である。この図8において、粘性力Fc及びばね力Fkは、それぞれ、
Fc=C・dθ/dt dθ/dt:回転角速度
Fk=K・θ θ:回転角変位
以上の構成において、領域A部分には非圧縮性の粘性流体が収容されるので、また隙間が小さいので、領域A部分のばね力は小さくかつ粘性抵抗は大きくなる。すなわち、Fc>>Fk2となる。このため、図8におけるばね成分K2は無視できることとなり、ばね成分K1によるばね力と粘性抵抗とが直列に作用する。このため、共振を減らせる。
【0032】
なお、曲がり板ばね18の一部に孔24を形成しなかった場合には、作動油が非圧縮性であるために、曲がり板ばね18が粘性流体充填室の外側壁から離れるように内周側に変形する。この場合には、作動油の流通する隙間が大きくなり、所望の粘性抵抗が得られず、前述のようなばね力と粘性抵抗とが直列に作用する動力伝達系が実現できなくなる。
【0033】
このような本実施例では、曲がり板ばね18を用いることにより、従来のコイルスプリングに比較して軸方向寸法を小さくできる。また、粘性流体充填室および曲がり板ばね18とによって弾性力と粘性抵抗との両方を得ることができるので、非常に簡単な構成で捩じり振動を効果的に減衰できる。
前記実施例においては、曲がり板ばねのセット時において、開環部23に隙間s2 を確保していたが、セット時に開環部23の隙間s2 が0であってもよい。
【0034】
第1実施例
図9に示すロックアップクラッチ60は、主に、イナーシャプレート61と出力側プレート62とピストン64とコイルスプリング65とから構成されている。イナーシャプレート61は、フロントカバー2の側方に配置された円板状の部材である。イナーシャプレート61の内周端は、スラストベアリング13とブッシュ14とにより回転自在にフロントカバー2に支持されている。イナーシャプレート61の外周部には、円環状のウェイト61aが設けられている。
【0035】
出力側プレート62は円板状の部材であり、その内周端はタービンハブ8に固定されている。出力側プレート62の外周部両側面には、環状の摩擦フェーシング63が固定されている。
ピストン64は、出力側プレート62の側方に配置された円板状の部材である。ピストン64の内周端は、軸受19を介してタービンハブ8に回転自在に支持されている。ピストン64の外周端は、ウェイト61aと相対回転不能にかつ軸方向に移動自在に係合している。さらに、ピストン64の外周部は複数のコイルスプリング65を介してフロントカバー2に連結されている。この実施例では、ロックアップクラッチ60の連結が解除された状態で、ウェイト61aが複数のコイルスプリング65を介してフロントカバー2側のダイナミックダンパーとして機能する。
【0036】
ロックアップクラッチ60が連結されると、フロントカバー2からロックアップクラッチ60を介してタービンハブ8に直接トルクが伝達される。このとき、前記実施例の効果に加えて、出力側プレート64の両面によってトルク伝達が行われているために、トルク伝達容量が同じ場合には摩擦フェーシング63の磨耗が少なくなる。
【0037】
第2実施例
この実施例では、前記第1実施例のコイルスプリング65に代えて曲がり板ばね75を用いている。この実施例では、第1実施例の効果に加えて第2参考例に詳細に説明した曲がり板ばねの効果が得られる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の一見地に係るロックアップクラッチでは、出力側プレートの両面でトルク伝達を行うために、トルク伝達容量が同じであれば出力側プレートの磨耗を減らせる。
【0039】
第2弾性部材が曲がり板ばねからなる場合には、ロックアップクラッチ全体の軸方向を短縮できる。
粘性流体充填室をさらに備えている場合は、従来の弾性連結機構及び摩擦抵抗発生機構の両機能を、粘性流体充填室及び曲がり板ばねによって実現でき、装置のより一層の小型化が図れる。
【0040】
曲がり板ばねの一部に粘性流体が通過し得る孔を形成した場合は、曲がり板ばねと粘性流体充填室との間の隙間を予め設定された隙間に維持でき、大きな粘性抵抗が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1参考例としてのトルクコンバータの断面模式図。
【図2】トルクコンバータの力学モデル図(第1参考例)。
【図3】ロックアップ解除時における油圧回路図(第1参考例)。
【図4】ロックアップ差動時における油圧回路図(第1参考例)。
【図5】第2参考例における、図1に相当する図。
【図6】曲がり板ばねの正面図(第2参考例)。
【図7】粘性流体重点室及び曲がり板ばねの正面部分断面図(第2参考例)。
【図8】曲がり板ばね部分における動力伝達形の力学モデル図(第2参考例)。
【図9】第1実施例における、図1に相当する図。
【図10】第2実施例における、図1に相当する図。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ
3 インペラ
4 タービン
10 ロックアップクラッチ
11 イナーシャプレート
12 コイルスプリング
11a ウェイト
16 ピストン
40 油圧制御回路
Claims (5)
- 入力側フロントカバーに連結されたインペラから出力側部材に連結されたタービンに流体を介してトルクを伝達するトルクコンバータのロックアップクラッチであって、
前記フロントカバーと前記タービンとの間に配置されたウェイト部材と、
前記ウェイト部材と相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に連結されたピストン部材と、
前記ピストン部材と前記フロントカバーとを円周方向に弾性的に連結する弾性部材と、
前記ウェイト部材と前記ピストン部材との間に配置され前記出力側部材に連結される出力側プレートと、
前記トルクコンバータ内の油圧制御によって前記ピストン部材を軸方向に移動させるための油圧制御装置と、
を備えたトルクコンバータのロックアップクラッチ。 - 前記弾性部材は曲がり板ばねからなる請求項1に記載のトルクコンバータのロックアップクラッチ。
- 前記曲がり板ばねが収容された粘性流体充填室をさらに備えた請求項2に記載のトルクコンバータのロックアップクラッチ。
- 前記曲がり板ばねは粘性流体が通過する孔を一部に有している、請求項3に記載のトルクコンバータのロックアップクラッチ。
- 前記曲がり板ばねは複数のばね要素を直列に接続してなり、
前記ばね要素は、一部に開環部を有するリング部と、前記開環部から外方に向かうにしたがって互い間隔が広がるように延びる1対のレバー部とを有している、請求項4に記載のトルクコンバータのロックアップクラッチ。
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DE112009001267T5 (de) | 2008-06-03 | 2011-06-01 | Exedy Corp., Neyagawa | Überbrückungsvorrichtung und Kraftübertragungsvorrichtung des Fluidtyps |
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1995
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DE112009001267T5 (de) | 2008-06-03 | 2011-06-01 | Exedy Corp., Neyagawa | Überbrückungsvorrichtung und Kraftübertragungsvorrichtung des Fluidtyps |
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