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JP2595541B2 - 新規な共役ジエン系重合体の製造方法 - Google Patents

新規な共役ジエン系重合体の製造方法

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Publication number
JP2595541B2
JP2595541B2 JP14194487A JP14194487A JP2595541B2 JP 2595541 B2 JP2595541 B2 JP 2595541B2 JP 14194487 A JP14194487 A JP 14194487A JP 14194487 A JP14194487 A JP 14194487A JP 2595541 B2 JP2595541 B2 JP 2595541B2
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JP
Japan
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polymer
conjugated diene
component
compound
rare earth
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Expired - Lifetime
Application number
JP14194487A
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JPS63305101A (ja
Inventor
岩和 服部
満彦 榊原
Original Assignee
日本合成ゴム株式会社
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Publication date
Application filed by 日本合成ゴム株式会社 filed Critical 日本合成ゴム株式会社
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Priority to US07/090,347 priority patent/US4906706A/en
Priority to DE3750749T priority patent/DE3750749T2/de
Priority to EP90117137A priority patent/EP0406920B1/en
Priority to DE3750760T priority patent/DE3750760T2/de
Priority to EP87307899A priority patent/EP0267675B1/en
Publication of JPS63305101A publication Critical patent/JPS63305101A/ja
Priority to US07/448,332 priority patent/US5064910A/en
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ランタン系列希土類金属触媒により共役ジ
エンを重合し、重合された直後のポリマーに、特定のハ
ロゲン化合物を反応させることによって得られる耐摩耗
性および機械的特性に優れた新規な共役ジエン系重合体
の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、ゴム部材として耐久性、高寿命性がますます求
められるようになり、耐摩耗性、機械的特性、低発熱性
などのゴムの特性を向上させることが重要になってき
た。
従来、ニッケル、コバルト、チタンなどを主成分とす
る触媒によって得られるゴム状重合体であるポリブタジ
エンは、耐摩耗性に劣るものである。
一方、耐摩耗性の優れたゴム状重合体として、ランタ
ン系列希土類金属触媒によって製造されたポリブタジエ
ンが知られており、中でも本発明者らが特開昭58−5741
0号公報において提案したランタン系列希土類金属触媒
によって製造されたポリブタジエンは、特に耐摩耗性に
優れているものである。
また、特開昭60−40109号公報には、加工性改良の目
的でランタン系列希土類金属触媒によって製造されたポ
リブタジエンとテトラハロメタンまたはこれと特定の有
機アルミニウム化合物とを反応させることによって加工
性の改良されたポリブタジエンが得られるとの記載があ
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、これらの公知のポリブタジエンでは、
耐摩耗性が未だ不充分である。
本発明は、前記従来の技術的課題を背景になされたも
ので、耐摩耗性、機械的特性、低発熱性を同時に満足す
る共役ジエン系重合体を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、(イ)ランタン系列希土類元素
化合物、および(b)一般式AlR1R2R3(ここで、R1、R2
およびR3は同一または異なり、水素原子または炭素数1
〜8の炭化水素基であり、全てが水素原子ではない)で
表される有機アルミニウム化合物よりなり、必要に応じ
て(c)ルイス酸および/または(d)ルイス塩基を含
有する触媒の存在下に不活性有機溶媒中で共役ジエンを
重合し、次いで(ロ)分子中に一般式 (Xはハロゲン原子を示す)を有するハロゲン化イソシ
アノ化合物および/または (Xは前記に同じ)を有する酸ハロゲン化物(以下、上
記ハロゲン化イソシアノ化合物と酸ハロゲン化物を総称
して「ハロゲン化合物」ともいう)を反応させることを
特徴とする新規な共役ジエン系重合体の製造方法を提供
するものである。
本発明は、ポリブタジエンなどの共役ジエン系重合体
を得るに際し、ランタン系列希土類金属触媒系により重
合された直後のポリマーに、特定のハロゲン化合物を反
応させることにより、耐摩耗性、低発熱性、機械的特性
などの諸特性をさらに改良したものである。
本発明で使用されるランタン系列希土類金属触媒は、
(a)ランタン系列希土類金属化合物(以下「(a)成
分」という)と、(b)前記一般式AlR1R2R3で表される
有機アルミニウム化合物(以下「(b)成分」という)
よりなる触媒系である。この触媒系は、必要に応じて
(c)前記ルイス酸(以下「(c)成分」という)およ
び/または前記(d)ルイス塩基(以下「(d)成分」
という)を含有することができる。
まず、(a)成分であるランタン系列希土類元素化合
物としては、一般式LnY′で表される化合物が好適に
用いられる。ここで、Lnは、周期律表の原子番号が57〜
71のランタン系列希土類元素であり、なかでもセリウ
ム、ランタン、プラセオジウム、ネオジムおよびガドリ
ウムが好ましく、特にネオジムが工業的に入手し易いの
で好ましい。
これらの希土類元素は、2種以上の混合物であっても
よい。
また、Y′としては、アルキル、アルコキサイド、チ
オアルコキサイド、アミド、リン酸塩、亜リン酸塩、ハ
ロゲンおよびカルボン酸塩の形であり、特にアルコキサ
イド、ハロゲン化物、カルボン酸塩が好ましい。
このうち、ランタン系列希土類元素のアルキル型化合
物としては、LnR3で表され、Rとしてはベンジル基、フ
ェニル基、ブチル基、シクロペンタジエニル基などの炭
素数1〜20の炭化水素基を挙げることができる。
アルコール型化合物(アルコキサイド)としては、一
般式Ln(OR)(式中、LnおよびRは前記に同じ)で表
され、好ましいアルコールとしては2−エチル−ヘキシ
ルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコ
ール、フェノール、ベンジルアルコールなどが挙げられ
る。
チオアルコール型化合物(チオアルコキサイド)とし
ては、一般式Ln(SR)(式中、LnおよびRは前記に同
じ)で表され、好ましいチオアルコールとしてはチオフ
ェノールが挙げられる。
アミド型化合物(アミド)としては、一般式Ln(N
R2(式中、LnおよびRは前記に同じ)で表され、好
ましいアミンとしてはジヘキシルアミン、ジオクチルア
ミンが挙げられる。
前記希土類元素のリン酸塩としては、 一般式 (式中、Ln、Rは前記に同じ)で表され、好ましくはト
リス(リン酸ジヘキシル)ネオジム、トリス(リン酸ジ
フェニル)ネオジムが挙げられる。
前記希土類元素の亜リン酸塩としては、 一般式 (式中、Ln、Rは前記に同じ)で表され、好ましくはト
リス(亜リン酸ジヘキシル)ネオジム、トリス〔亜リン
酸ジ(2−エチルヘキシル)〕ネオジムが挙げられる。
ハロゲン型化合物としては、一般式LnX3(式中、Lnは
前記に同じ、Xは前記に同じでありハロゲン原子を示
す)で表され、ハロゲン原子としては好ましくは塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子である。
前記希土類元素のカルボン酸塩としては、一般式(RC
OO)3Lnで表され、Rとしては、炭素数1〜20の炭化水
素基であり、好ましくは飽和および不飽和のアルキル基
であり、かつ直鎖状、分岐状あるいは環状であり、カル
ボキシル基は1級、2級または3級の炭素原子に結合し
ているものである。具体的に好ましいカルボン酸の例と
しては、オクタン酸、2−エチル−ヘキサン酸、オレイ
ン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸が挙げられ
る。
これら(a)成分の具体例としては、例えば三塩化ネ
オジム、三塩化ジジム(ネオジム72重量%、ランタン20
重量%、プラセオジム8重量%の希土類金属の三塩化物
の混合物)、2−エチルヘキサン酸・ネオジム、2−エ
チルヘキサン酸・ジジム、ナフテン酸・ネオジム、2,2
−ジエチルヘキサン酸・ネオジム、ネオジムトリメタク
レート、ネオジムトリメタクリレートの重合体などが挙
げられる。
(b)成分である有機アルミニウム化合物は、前記一
般式AlR1R2R3(ここで、R1、R2およびR3は同一または異
なり、水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基であ
り、全てが水素原子ではない)で表される化合物であ
り、具体的にはトリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリブチ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘ
キシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウ
ム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチル
アルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハ
イドライド、エチルアルミニウムジハイドライド、プロ
ピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニ
ウムジハイドライドなどが挙げられる。
(c)成分であるルイス酸としては、例えば一般式Al
R4 mX3-m(式中、R4は炭素数1〜8の炭化水素基、mは
0〜3の整数、Xは前記に同じ)で表されるハロゲン化
アルミニウム化合物、ハロゲン元素およびスズ、チタン
などのハロゲン化物が挙げられる。
このうち、特に好ましいのは、ジメチルアルミニウム
クロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジブチ
ルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムセスキ
クロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エ
チルアルミニウムジクロライド、およびこれらのブロマ
イド、アイオダイド化合物などである。
(d)成分であるルイス塩基としては、アセチルアセ
トン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリ
エチルアミン、有機リン化合物、1価または2価のアル
コール類が挙げられる。
本発明で使用されるランタン系列希土類金属触媒の組
成は、通常、次の通りである。
(b)成分/(a)成分(モル比)は、10〜150、好
ましくは15〜100であり、10未満では重合活性が低く、
一方150を超えても重合活性への影響は少なく、経済的
に不利である。
また、(c)成分/(a)成分(モル比)は、0〜
6、好ましくは0.5〜5.0であり、6を超えると重合活性
が低くなる。
さらに、(d)成分/(a)成分(モル比)は、0〜
20、好ましくは1〜15であり、20を超えると重合活性が
低くなり好ましくない。
触媒成分として、前記(a)、(b)、(c)、
(d)成分のほかに、必要に応じて共役ジエンを(a)
成分であるランタン系列希土類元素化合物1モル当た
り、0〜50モルの割合で用いてもよい。触媒調製に用い
る共役ジエンは、重合用のモノマーと同じイソプレン、
1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが用いられ
る。触媒成分としての共役ジエンは必須ではないが、こ
れを併用することにより触媒成分の触媒活性が一段と向
上する。
触媒を調製するには、例えば溶媒に溶解した(a)〜
(d)成分、さらに必要に応じて共役ジエンを反応させ
ることよりなる。その際、各成分の添加順序は、任意で
よい。これらの各成分は、あらかじめ混合、反応させ、
熟成させることが重合活性の向上、重合開始誘導期間の
短縮の意味から好ましいが、重合に際し溶媒およびモノ
マー中に直接触媒各成分を順序添加してもよい。
なお、本発明に使用される触媒の調製方法の一例を第
1図に示す。第1図から明らかなように、本発明で使用
されるランタン系列希土類金属触媒は、(A)遷移金属
成分である(a)ランタン系列希土類元素化合物と、
(B)有機金属成分である(b)アルミニウム化合物
と、(C)第三成分である(c)ルイス酸および/また
は(d)ルイス塩基とからなり、これらの(a)〜
(d)成分の添加順序は特に限定されるものではない。
この触媒調製では、(a)成分と(d)成分とを接触さ
せるのが好ましいが、その他の成分の添加順序は特に限
定されるものではない。
重合溶媒としては、不活性の有機溶媒であり、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ブタン、シ
クロヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、メチルシクロ
ペンタン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素溶媒、
二塩化エチレン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化
水素溶媒およびこれらの混合物が使用できる。
重合温度は、通常、−20℃〜150℃で、好ましくは30
〜120℃である。重合反応は、回分式でも、連続式でも
よい。
なお、溶媒中の単量体濃度は、通常、5〜50重量%、
好ましくは10〜35重量%である。
また、ポリマーを製造するために、本発明のランタン
系列希土類金属触媒およびポリマーを失活させないため
に、重合系内に酸素、水あるいは炭酸ガスなどの失活作
用のある化合物の混入を極力なくすような配慮が必要で
ある。
なお、本発明の触媒で重合できる共役ジエンとして
は、イソプレン、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,
3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、ミルセンなどがあ
り、単独または2種以上を併用することができ、特に1,
3−ブタジエンが好ましい。
本発明では、このようにしてランタン系列希土類金属
触媒を用いて不活性有機溶媒中で共役ジエンを重合中
に、前記触媒系のリビング重合性が高いことを利用し、
ポリマー成長末端を主に(b)有機アルミニウム化合物
に連鎖移動させることにより、ポリマー末端に有機アル
ミニウム化合物を付加させ、引き続き得られたポリマー
末端に、特定のハロゲン化合物を反応させ、有機アルミ
ニウムのポリマーとハロゲン化物のハロゲンとを交換す
ることによって変性し、重合体に官能基を導入した新規
な重合体を得るものである。
この変性により、耐摩耗性、発熱特性、機械的特性の
改良効果が得られる。
本発明において、共役ジエン重合体製造後に反応させ
るハロゲン化合物(以下「(e)成分」という)として
は、上記一般式で表される構造を有する化合物である。
ここで、(e)成分とうち、 を有する化合物としては、例えば2−アミノ−6−クロ
ロピリジン、2,5−ジブロモピリジン、4−クロロ−2
−フェニルキナゾリン、2,4,5−トリブロモイミダゾー
ル、3,6−ジクロロ−4−メチルピリダジン、3,4,5−ト
リクロロピリダジン、4−アミノ−6−クロロ−2−メ
ルカプトピリミジン、2−アミノ−4−クロロ−6−メ
チルピリミジン、2−アミノ−4,6−ジクロロピリジ
ン、6−クロロ−2,4−ジメトキシピリジン、2−クロ
ロピリミジン、2,4−ジクロロ−6−メチルピリミジ
ン、4,6−ジクロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン、
2,4,5,6−テトラクロロピリミジン、2,4,6−トリクロロ
ピリミジン、2−アミノ−6−クロロピラジン、2,6−
ジクロロピラジン、2,4−ビス(メチルチオ)−6−ク
ロロ−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリクロロ−1,3,5
−トリアジン、2−ブロモ−5−ニトロチアゾール、2
−クロロベンゾチアゾール、2−クロロベンゾオキサゾ
ールなどが挙げられる。
また、(e)成分のうち、 を有する化合物としては、例えばプロピオン酸クロリ
ド、オクタン酸クロリド、ステアリン酸クロリド、安息
香酸クロリド、フタル酸クロリド、マレイン酸クロリド
などが挙げられる。
これらの(e)成分のうち、好ましくは2,4,6−トリ
クロロ−1,3,5−トリアジン、安息香酸クロリドであ
る。
(a)成分に対する(e)成分の使用量は、(e)成
分/(a)成分(モル比)=0.1〜200、さらに好ましく
は0.5〜100であり、0.1未満では反応の進行が充分では
なく、また耐摩耗性改良効果が発現されず、一方200を
超えて使用しても物性の改良効果は飽和しており、経済
上好ましくない。
この変性反応は、160℃以下、好ましくは−30〜+130
℃の温度で撹拌下に0.1〜10時間、好ましくは0.2〜5時
間実施することが望ましい。
反応終了後、ポリマー溶液中にスチームを吹き込んで
溶媒を除去するか、あるいはメタノールなどの貧溶媒を
加えて変性重合体を凝固したのち、熱ロールもしくは減
圧下で乾燥して重合体を得ることができる。また、ポリ
マー溶液を直接減圧下で溶媒を除去して重合体を得るこ
ともできる。
なお、本発明で得られる重合体は、高シス1,4−ジエ
ン系重合体であり、ポリブタジエンの場合には、シス1,
4−結合含量が70%以上、好ましくは80%以上である。
また、ポリイソプレンの場合には、シス1,4−結合含量
が88%以上である。
高シス1,4−ブタジエン−イソプレン共重合体は、ブ
タジエンユニットのシス1,4−結合含量が80%以上であ
り、かつイソプレンユニットのシス1,4−結合含量が88
%以上である。
このときの共重合体中のブタジエンとイソプレンの組
成は、任意に選べる。
また、本発明で得られる重合体の分子量は、広い範囲
にわたって変化させることができ、特に工業用ゴム製品
として用いる場合、そのムーニー粘度(ML1+4、100℃)
は、通常、10〜120、好ましくは15〜100の範囲である
が、特に限定されるものではない。
さらに、本発明の重合体は、例えば赤外吸収スペクト
ルにより、一般に を有する化合物で変性した場合、 に基づく1,500〜1,650cm-1付近の吸収、また を有する化合物で変性した場合、1,650〜1,750cm-1付近
の吸収によって官能基が付加した構造を確認することが
できる。
また、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー
(GPC)分析では、254nmの紫外線(UV)を検出器に用い
ると、(e)成分を用いないポリブタジエンの分子量分
布は測定できない。
しかし、(e)成分として例えばフェニル基を含有す
る化合物を用いた場合、フェニル基の紫外線吸収が存在
するために、紫外線で求めた分子量分布と示差屈折計で
求めた分子量分布とが対応して求められ、ポリマー中に
官能基が導入されていることが確認できる。
かくて、本発明の重合体は、単独、または天然ゴム、
シス−1,4−ポリイソプレンをはじめ、乳化重合スチレ
ン−ブタジエン共重合体、溶液重合スチレン−ブタジエ
ン共重合体、低シス−1,4−ポリブタジエン、、高シス
−1,4−ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体、クロロプレン、ハロゲン化ブチルゴム、NB
Rなどとブレンドして使用され、必要ならば芳香族系、
ナフテン系、パラフィン系などのオイルで油展し、次い
でカーボンブラック、シリカ、炭酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、ガラス繊維などの充填剤、ステアリン酸、
亜鉛華、老化防止剤、加硫促進剤ならびに加硫剤などの
通常の加硫ゴム配合剤を加え組成物となすことができ
る。
得られる組成物は、成形加工後、加硫を行い、トレッ
ド、アンダートレッド、カーカース、サイドウオール、
ビート部分などのタイヤ用途をはじめ、ホース、ベル
ト、靴底、窓枠、シール材、防振ゴム、その他の工業用
品などの用途に用いることができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的に説明す
るが、本発明のその要旨を超えない限り、以下の実施例
に何ら制約されるものではない。
なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り、
重量部および重量%を意味する。
また、実施例中の各種の測定は、下記の方法に拠っ
た。
ランタン系列希土類金属触媒により重合された直後の
ポリマーと特定のハロゲン化合物との反応は、反応前後
のムーニー粘度の変化、あるいは数平均分子量数千のモ
デル反応を行い、GPC分析と赤外分析で確認を行った。
ムーニー粘度は、予熱1分、測定4分、温度100℃で
測定した(JIS K6300に準じた)。
重合体のミクロ構造は、赤外吸収スペクトル法(モレ
ロ法)によって求めた。
本発明の重合体を用いて下記に示す配合処方に従っ
て、230ccブラベンダーおよび6インチロールで混練り
配合したのち、145℃で所定時間加硫を行った加硫物を
用いて各種測定を行った。配合処方 (部) ポリマー 100 カーボンブラック(HAF) 50 亜鉛華 3 ステアリン酸 2 老化防止剤(810NA)*1 1 加硫促進剤(TP)*2 0.8 加硫促進剤(MSA)*3 1 イオウ 1.5 *1)N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニ
レンジアミン *2)ソジウムジブチルジチオカーバメイト *3)N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールス
ルフェンアミド 引張特性、硬さは、JIS K6301に従って測定した。
発熱性の指標としては、ダンロップ反撥弾性試験によ
る反撥弾性(%)を用いた。この測定方法は、BS903に
準じた。反撥弾性(%)が大きいほど発熱が少なく良好
であることを示す。
摩耗試験は、ASTM D2228(ピコ法)に準じた。ピコ
摩耗指数は、ブタジエン共重合体(日本合成ゴム(株)
製、ポリブタジエンBR−01)の加硫物のピコ法による摩
耗量を基準の指数100として求めた。指数が大きいほど
耐摩耗性は良好である。
実施例1 内容積100mlの耐圧ビンにチッ素雰囲気下でシクロヘ
キサン60g、1,3−ブタジエン6gを仕込んだのち、あらか
じめ1,3−ブタジエン0.555ミリモルの存在下で、(a)
2−エチルヘキサン酸ネオジム0.111ミルモル、(b)
ジイソブチルアルミニウムハイドライド3.33ミリモル、
(c)ジエチルアルミニウムクロライド0.222ミリモ
ル、および(d)アセチルアセトン0.167ミリモルを混
合し、40℃、30分間熟成して調製した触媒を添加して、
60℃で断熱反応下、1時間重合を行った。1,3−ブタジ
エンの重合率は、ほぼ100%であった。
次に、重合溶液に(e)2,4,6−トリクロロ−1,3,5−
トリアジン(以下「TCT」という)を3.3ミリモル添加し
た。
その後、1時間撹拌放置し、メタノールで凝固した。
この得られた重合体をトルエンに溶解し、メタノールで
凝固する操作を3回行い、未反応のTCTを完全に除去し
た。これを、室温下で減圧乾燥した。
この反応で得られたポリ−1,3−ブタジエンのミクロ
構造は、シス−1,4結合含量が97.4%、トランス−1,4結
合含量が1.2%、ビニル結合含量が1.4%であった。
この重合体のGPCチャートを、第2図に示す。
第2図から明らかなように、示差屈折計によって求め
た分子量分布と、紫外線(UV、254nm)で求めた分子量
分布とが、GPCカウントに対応して現れ、しかもUV吸収
スペクトルは低分子量側ほど吸収強度が大きく、ポリマ
ーの末端数と対応していることが分かる。
次に、第3図に、この重合体の赤外吸収スペクトルを
示す。第3図から明らかなように、1,540cm-1付近に1,
3,5−トリアジン環に基づく吸収スペクトルが現れ、重
合体にTCTが反応して付加していることが確認できた。
比較例1 実施例1と同様に1,3−ブタジエンの重合を行い、
(e)成分としてTCTを用いなかった以外は、実施例1
と全く同様にして重合体を得た。
比較例1で得られた重合体のGPCチャートを第4図
に、また赤外吸収スペクトルを第5図に示す。
実施例1と比較例1とから、本発明の重合体には、高
シス−1,4構造で官能基が付加しており、従来にない新
規な重合体であることが分かる。
実施例2 実施例1のTCTの代わりに、(e)成分として安息香
酸クロリドを用いて、重合体の変性を行う以外は実施例
1と全く同様の操作を実施した。
得られた重合体のGPCチャートを第6図に示す。第6
図から、重合体に官能基が付加していることが分かる。
実施例3 内容積5の撹拌機付き反応器に窒素雰囲気下でシク
ロヘキサン2.5kg、1,3−ブタジエン350gを仕込んだの
ち、あらかじめ1,3−ブタジエン4.6ミリモルの存在下で
(a)2−エチルヘキサン酸ネオジム0.43ミリモル、
(b)トリエチルアルミニウム12.1ミルモル、(b)ジ
イソブチルアルミニウムハイドライド9.5ミリモル、
(c)ジエチルアルミニウムクロライド0.56ミリモル、
および(d)アセチルアセトン0.86ミリモルを混合し、
40℃、30分間熟成して調製した触媒を添加して、70℃か
ら断熱反応で1.5時間反応を行った。1,3−ブタジエンの
重合率は、ほぼ100%であった。ムーニー粘度を測定す
るために、重合溶液を一部抜き取り、凝固、乾燥した。
ムーニー粘度は、31であった。
次に、重合溶液の温度を60℃に冷却後、(e)成分と
してTCTを2.88ミリモル添加して1時間撹拌放置した。
その後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール2.1g
を添加したのち、スチーム凝固し、100℃の熱ロールで
乾燥した。この反応で得られたポリ1,3−ブタジエンの
ミクロ構造は、シス−1,4結合含量が97.0%、トランス
−1,4結合含量が1.8%、ビニル結合含量が1.2%であっ
た。また、ムーニー粘度は、37であった。加硫物の物性
評価結果を、第1表に示す。
比較例2 実施例3同様に、1,3−ブタジエンの重合を行い、
(e)成分としてTCTを用いなかった以外は、実施例1
と全く同様にして重合体を得た。
得られた重合体のミクロ構造と加硫物性の評価結果
を、第1表に示す。
比較例3 市販のポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製、ポリ
ブタジエンBR−01)の加硫物性を、第1表に示す。
ランタン系列希土類金属触媒により重合された直後の
ポリマーとTCTとを反応させた本発明の重合体は、耐摩
耗性と発熱特性、引張強度が大きく改善されていること
が分かる。
実施例4 実施例3の(e)成分であるTCTの代わりに、安息香
酸クロリド8.64ミリモルを添加し、実施例3と同様にし
てポリ−1,3−ブタジエンの変性を行った。得られた重
合体のミクロ構造と加硫物性の評価結果を、第1表に示
す。
比較例4 実施例3の(e)成分であるTCTの代わりに、四塩化
炭素5.1ミリモルを用いた以外は、実施例3と同様にし
て重合体を得た。重合結果と、得られた重合体の加硫物
性を第1表に示す。
〔発明の効果〕 本発明は、不活性有機溶媒中で、ランタン系列希土類
金属触媒を用いて共役ジエンを重合して得られるポリマ
ーに、特定のハロゲン化合物を反応させることによって
新規な共役ジエン系重合体を製造する方法であり、ゴム
加硫物として用いる場合、得られる重合体は特定の官能
器を持ち、工業用ゴム製品として用いた場合、機械的特
性(特に、モジュラス、引張強度)、発熱特性が良好
で、公知の共役ジエン系重合体よりも大きく改良された
耐摩耗性を有する加硫物が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に使用される触媒の調製方法の一例を説
明するためのフローチャート、第2図は実施例1で得ら
れた重合体のGPCチャート、第3図は同赤外吸収スペク
トル、第4図は比較例1で得られた重合体のGPCチャー
ト、第5図は同赤外吸収スペクトル、第6図は実施例2
で得られた重合体のGPCチャートである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)(a)ランタン系列希土類元素化合
    物、および(b)一般式AlR1R2R3(ここで、R1、R2およ
    びR3は同一または異なり、水素原子または炭素数1〜8
    の炭化水素基であり、全てが水素原子ではない)で表さ
    れる有機アルミニウム化合物よりなり、必要に応じて
    (c)ルイス酸および/または(d)ルイス塩基を含有
    する触媒の存在下に不活性有機溶媒中で共役ジエンを重
    合し、次いで (ロ)分子中に一般式 (Xはハロゲン原子を示す)を有するハロゲン化イソシ
    アノ化合物および/または (Xは前記に同じ)を有する酸ハロゲン化合物を反応さ
    せることを特徴とする新規な共役ジエン系重合体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】共役ジエンが1,3−ブタジエンおよび/ま
    たはイソプレンである特許請求の範囲第1項記載の新規
    な共役ジエン系重合体の製造方法。
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