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JP2609623B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2609623B2
JP2609623B2 JP62216352A JP21635287A JP2609623B2 JP 2609623 B2 JP2609623 B2 JP 2609623B2 JP 62216352 A JP62216352 A JP 62216352A JP 21635287 A JP21635287 A JP 21635287A JP 2609623 B2 JP2609623 B2 JP 2609623B2
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rubber
butadiene
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molecular weight
butadiene rubber
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昌行 大橋
浩 毛利
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Bridgestone Corp
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、空気入りタイヤに関し、詳しくは耐破壊特
性、耐摩耗性および低発熱性に優れた空気入りタイヤに
関する。
[従来の技術] 従来、空気入りタイヤのトレッドのゴムを改良する場
合、例えば、ゴム材料選択ポイント(日本規格協会、19
79年8月10日第1版発行、107頁〜130頁、タイヤ用ゴム
材料)によれば、タイヤの用途および改良目的に応じた
ゴム材料の選択、ゴム材料の混合およびカーボンブラッ
ク、軟化剤の種類、量を適切にすることが記されてい
る。例えば低発熱性、耐破壊特性を改良するには天然ゴ
ムを使用し、耐摩耗性、耐カット性の如き耐破壊特性を
改良するにはスチレン−ブタジエンゴムを使用し、ある
いは耐摩耗性、低発熱性を改良するにはブタジエンゴム
を使用することが知られている。また改良する目的によ
ってはこれらのゴム材料を適当量にて混合することが行
われている。また、ゴム材料にカーボンブラックを配合
することによって、特にカーボンブラックの粒子径を小
さくかつ多量に配合することによって耐摩耗性を向上さ
せることも知られている。
また、日本ゴム協会誌、第56巻、第7号、418頁(198
3年発行)によれば、ブタジエンゴムの改良について
は、タック(粘着性)、グリーンストレングス(未加硫
ゴムの強度)を改良するため分子量分布の広いブタジエ
ンゴムが開示されている。
また、特開昭59−45337号公報には、ブタジエンゴム
のグリーンストレングスを改良するために重量平均分子
量と数平均分子量との比を5以上にすることが開示され
ている。
一方、従来、空気入りタイヤのサイドウォール用ゴム
組成物としは天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブ
タジエンゴムの混合物が用いられていた。しかし、近
年、屈曲耐久性を改良するためブタジエンゴムの混合割
合が高くなり、現在は天然ゴム、ブタジエンゴムの割合
物が市場で支配的となり、またそのうちブタジエンゴム
の混合割合が50%以上のものも多くなっている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、空気入りタイヤのトレッドゴムの低発
熱性、耐摩耗性、耐破壊特性を改良するために、天然ゴ
ムとブタジエンゴムとの混合物においてブタジエンゴム
を多量に混合すると耐摩耗性は改良されるが、耐クラッ
ク性の如き耐破壊特性が悪化する。また天然ゴムの混合
割合を増大させると耐クラック性は改良されるが、耐摩
耗性が低下する。このように、従来の技術では1つの特
性の改良を試みると他の1つの特性が低下するという問
題があった。
一方、空気入りタイヤのサイドウォールゴムの屈曲耐
久性を改良するために、天然ゴムとブタジエンゴムとの
混合物において、ブタジエンゴムを多量に混合すると、
耐カット性の如き耐破壊特性が低下するという問題があ
った。
従って、本発明の目的は、トレッドゴムおよびサイド
ウォールゴムに要求される耐破壊特性、耐摩耗性、低発
熱性のいずれにも優れた空気入りタイヤを提供すること
にある。
[問題点を解決するための手段] 本発明の目的は、(イ)(a)ランタン系列希土類元
素化合物および(b)一般式AlR1R2R3(式中、R1、R2
よびR3は水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基であ
り、全てが水素原子である場合を除く)で表わされる有
機アルミニウム化合物からなり必要に応じて(c)ルイ
ス酸および/または(d)ルイス塩基を含有する触媒の
存在下、不活性有機溶媒中で1,3−ブタジエンを重合し
て得られるポリマーに、(e)一般式R′nMX4-n(式
中、R′は炭素数1〜20のアルキル基またはアリール
基、Mはスズ原子またはゲルマニウム原子、Xはハロゲ
ン原子であり、nは1〜3の整数である)で表わされる
ハロゲル化有機金属を反応させて得られる、シス1,4結
合を70%以上含有しかつ重量平均分子量が30万〜120万
であり重量平均分子量(w)と数平均分子量(n)
の比(w/n)が3〜15であるブタジエンゴム10〜10
0重量%および(ロ)天然ゴム、イソプレンゴム、スチ
レン−ブタジエンゴムおよびブタジエンゴムからなる群
から選ばれる少なくとも1種のジエン系ゴム90〜0重量
%をゴム成分とするゴム組成物より形成されるゴムをト
レッドおよび/またはサイドウォールに備える空気入り
タイヤにより達成される。
本発明で使用されるランタン系列希土類触媒は、ラン
タン系列希土類金属化合物(以下「(a)成分」とい
う)と、(b)前記一般式AIR1R2R3で表される有機アル
ミニウム化合物(以下「(b)成分」という)よりなる
触媒系である。これは、必要に応じて(c)前記ルイス
酸(以下「(c)成分」という)および/または前記
(d)ルイス塩基(以下「(d)成分」という)を含有
することができる。
まず、(a)成分であるランタン系列希土類元素化合
物としては一般式LnY3で表わされる化合物が好適に用い
られる。ここでLnは、周期律表の原子番号が57〜71のラ
ンタン系列希土類元素であり、なかでもセリウム、ラン
タン、プラセオジウム、ネオジムおよびガドリウムが好
ましく、特にネオジムが工業的に入手し易いので好まし
い。
これら希土類元素は、2種以上の混合物であってもよ
い。
また、Yとしては、アルキル、アルコキサイド、チオ
アルコキサイド、アミド、リン酸塩、亜リン酸塩、ハロ
ゲンおよびカルボン酸塩の形であり、特にアルコキサイ
ド、ハロゲン化物、カルボン酸塩が好ましい。
このうち、ランタン系列希土類元素のアルキル型化合
物としては、LnR′で表され、Rとしてはベンジル
基、フェニル基、ブチル基、シクロペンタジエニル基な
どを挙げることができる。
アルコール型化合物(アルコキサイド)としては、一
般式Ln(OR)(式中、LnおよびRは前記に同じ)で表
され、好ましいアルコールとしては2−エチル−ヘキシ
ルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコ
ール、フェノール、ベンジルアルコールなどが挙げられ
る。
チオアルコール型化合物(チオアルコキサイド)とし
ては、一般式Ln(SR)(式中、LnおよびRは前記に同
じ)で表され、好ましいチオアルコールとしてはチオフ
ェノールが挙げられる。
アミド型化合物(アミド)としては一般式Ln(NR)
(式中、LnおよびRは前記に同じ)で表され、好ましい
アミンとしてはジヘキシルアミン、ジオクチルアミンが
挙げられる。
前記希土類元素のリン酸塩としては、一般式 一般式 (式中、Lnは前記に同じ。R5,R6は前記Rに同じ。) で表され、好ましくはトリス(リン酸ジヘキシル)ネオ
ジム、トリス(リン酸ジフェニル)ネオジムなどが挙げ
られる。
前記希土類元素の亜リン酸塩としては、一般式 一般式 (式中、Lnは前記に同じ。R5,R6は前記Rに同じ。) で表され、好ましくはトリス(亜リン酸ジヘキシル)ネ
オジム、トリス[亜リン酸ジ(2−エチルヘキシル)]
ネオジムなどが挙げられる。
ハロゲン型化合物としては、一般式LnX′で表さ
れ、ハロゲン原子としては好ましくは塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子である。
前記希土類元素のカルボン酸塩としては、一般式(RC
OO)3Lnで表され、Rとしては、炭素数1〜20の炭化水
素基であり、好ましくは飽和および不飽和のアルキル基
であり、かつ直鎖状、分岐状あるいは環状であり、カル
ボキシル基は1級、2級または3級の炭素原子に結合し
ているものである。具体的には、好まいしカルボン酸の
例としては、オクタン酸、2−エチル−ヘキサン酸、オ
レイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸が挙げ
られる。
これら(a)成分の具体例としては、例えば三塩化ネ
オジム、三塩化ジジム(ネオジム72重量%,ランタン20
重量%、プラセオジム8重量%の希土類金属の三塩化物
の混合物、2−エチルヘキサン酸・ネオジム、2−エチ
ルヘキサル酸・ジジム、ナフテン酸・ネオジム、2,2−
ジエチルヘキサン酸・ネオジム、ネオジムトリメタクリ
レート、ネオジムトリメタクリレートの重合体などが挙
げられる。
(b)成分である有機アルミニウム化合物は、前記一
般式AlR1R2R3(式中、R1R2およびR3は水素原子または炭
素数1〜8の炭化水素基であり、全てが水素原子である
場合を除く)で表される化合物であり、具体的にはトリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイ
ソプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、ト
リイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウ
ム、トリシクロヘキシルアルミニウム、ジイソブチルア
ルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイド
ライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、エチル
アルミニウムジハイドライド、プロピルアルミニウムジ
ハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド
などが挙げられる。
(c)成分であるルイス酸としては、例えば一般式Al
R4 mX3-m(式中、R4は炭素数1〜8の炭化水素基、mは
0〜3の整数、Xは前記に同じ)で表されるハロゲン化
アルミニムウム化合物、ハロゲン元素およびスズ、チタ
ンなどのハロゲン化物が挙げられる。
このうち、特に好ましいのは、ジメチルアルミニウム
クロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジブチ
ルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキ
クロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エ
チルアルミニウムジクロライド、およびこれらのブロマ
イド、アイオダイド化合物などである。
(d)成分であるルイス塩基としては、アセチルアセ
トン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリ
エチルアミン、有機リン化合物、1価または2価のアル
コール類が挙げられる。
本発明で使用されるランタン系列希土類金属触媒の組
成は、通常、次の通りである。
(b)成分/(a)成分(モル比)は、10〜150、好
ましくは15〜100であり、10未満では重合活性が低く、
一方150を超えても重合活性への影響は少なく、経済的
に不利である。
又、(c)成分/(a)成分(モル比)は、0〜6、
好ましくは0.5〜5.0であり、6を超えると重合活性が低
くなる。
さらに、(d)成分/(a)成分(モル比)は、0〜
20、好ましくは1〜15であり、20を超えると重合活性が
低くなり好ましくない。
触媒成分として、前記(a)、(b)、(c)、
(d)成分のほかに、必要に応じて共役ジエンを(a)
成分であるランタン系列希土類元素化合物1モル当た
り、0〜50モルの割合で用いてもよい。触媒調製に用い
る共役ジエンは、イソプレン、1,3−ブタジエン、1,3−
ペンタジエンなどが用いられる。触媒成分としての共役
ジエンは必須ではないが、これを併用することにより触
媒成分の触媒活性が一段と向上する。
触媒を調製するには、例えば溶媒に溶解した(a)〜
(d)成分、さらに必要に応じて共役ジエンを反応され
ることによりなる。その際、各成分の添加順序は、任意
でよい。これらの各成分は、あらかじめ混合、反応さ
せ、熟成させることが重合活性の向上、重合開始誘導期
間の短縮の意味から好ましいが重合に際し溶媒およびモ
ノマー中に直接触媒各成分を順次添加してもよい。
重合触媒としては、不活性の有機溶媒であり、例えば
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶
媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ブタン、シクロ
ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、メチルシクロペン
タン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素溶媒、二塩
化エチレン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素
溶媒およびこれらの混合物が使用できる。
重合温度は、通常、−20℃〜150℃で、好ましくは30
〜120℃である。重合反応は、回分式でも、連続式でも
よい。
なお、溶媒中の単量体温度は、通常、5〜50重量%、
好ましくは10〜35重量%である。
また、リビングポリマーを製造するために、本発明の
ランタン系列希土類金属触媒およびリビングポリマーを
失活させないために、重合系内に酸素、水あるいは炭酸
ガスなどの失活作用のある化合物の混入を極力なくすよ
うな配慮が必要である。
本発明では、このようにしてランタン系列希土類金属
触媒を用いて不活性有機溶媒中で1,3ブタジエンを重合
中に、前記触媒系のリビング重合性が高いことを利用
し、ポリマー成長末端を主に(b)有機アルミニウム化
合物に連鎖移動させることにより、ポリマー末端に有機
アルミニウム化合物を付加させ、引き続き得らえるポリ
マー末端に特定のハロゲン化有機金属を反応させ、変性
することにより、重合体の官能基を導入し、新規な重合
体を得るものである。
この変性により、耐摩耗性、発熱特性、機械的特性の
改良効果が得られる。
本発明において、1,3−ブタジエン重合体製造後に反
応させるハロゲン化有機金属(以下「(e)成分」とい
う)としては、下記一般式で表される。
R′nMX4-n (式中、R′は炭素数1〜20のアルキル基またはアリー
ル基、Mはスズ原子またはゲルマニウム原子、Xは前記
に同じであり、nは1〜3の整数である、以下「(e)
成分」という) ここで、Mがスズ原子の場合には、(e)成分として
は、例えばトリフェニルスズクロリド、トリブチルスズ
クロリド、トリ−イソプロピルスズクロリド、ジフェニ
ルスズジクロリド、ジオクチルスズジクロリド、ジブチ
ルスズジクロリド、フェニルスズトリクロリド、ブチル
スズトリクロリドなどが挙げられる。
また、Mがゲルマニウム原子の場合には、(e)成分
としては、例えばトリフェニルゲルマニウムクロリド、
ジブチルゲルマニウムジクロリド、ジフェニルゲルマニ
ウムジクロリド、ブチルゲルマニウムトリクロリドなど
の化合物が挙げられる。
これら(e)成分は、任意の割合で併用してもよい。
(a)成分に対する(e)成分の使用量は、(e)成
分/(a)成分(モル比)=0.1〜100、さらに好ましく
は0.5〜50であり、0.1未満では反応の進行が充分ではな
く、また耐摩耗性改良効果がでず、一方100を超えて使
用しても不必要であり、また場合によりトルエン不溶分
(ゲル)を生成し好ましくない。
このカップリング反応は、160℃以下、好ましくは0
〜130℃の温度で撹拌下に0.1〜10時間、好ましくは0.2
〜5時間実施することが望ましい。
反応終了後、ポリマー溶液中にスチームを吹き込んで
溶媒を除去するか、あるいはメタノールなどの貧溶媒を
加えて変性重合体を凝固したのち、熱ロールもしくは減
圧下で乾燥して重合体を得ることができる。また、ポリ
マー溶液を直接減圧下で溶媒を除去して重合体を得るこ
ともできる。この様にして、本発明に用いるブタジエン
ゴムが得られる。
さらに、前記重合法で得られるブタジエンゴムは、例
えば赤外吸収スペクトルにより、Sn−φ結合に起因する
700cm-1付近の吸収、Sn−CH3結合に起因する770cm-1
近の吸収などにより、その構造を確認することができ
る。
一方、(e)成分として、ジフェニルスズジクロリド
を用いた場合、フーリエ・トランスフォーム・エヌエム
アール・スペクトロメーター(Fourier Transform NMR
Spectrometer;以下、「FT−NMR」という)により、テト
ラメチルシランを標準物質とし、Sn−φ結合に起因する
δ=7.4ppm付近のピークによりその構造を確認できる。
また、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー
(GPC)分析では、254nmの紫外線を検出器に用いて、
(e)成分を用いないポリブタジエンの分子量分布は測
定できない。しかし、(e)成分としては例えばジフェ
ニルスズジクロリドを用いた場合、Sn−φ結合が存在す
るために、紫外線で求めた分子量分布と示差屈折計で求
めた分子量分布とが対応して求められる。
前記重合法で得られるブタジエンゴムは、ゴム組成物
に調製され、さらにゴムに形成され、空気入りタイヤの
トレッド、サイドウォールのいずれか一方または両方に
備えられる。
前記重合法で得られるブタジエンゴムは、高シス1,4
重合体であるが、本発明の効果を奏するためには、シス
1,4結合が70%以上であることが必要であり、90%以上
であることが好ましい。シス1,4結合が70%未満である
と、所望する低発熱性を奏し得ない。
また、前記重合法で得られるブタジエンゴムの分子量
は、広い範囲に渡って変化させることができるが、本発
明の効果を奏するためには、重量平均分子量(w)が
30万〜120万の範囲であることが必要である。wが30
万未満であると、耐破壊特性、耐摩耗性、低発熱性のい
ずれも低下する。wが120万を超えると、引張り強
さ、破断伸びが低下するので、空気入りタイヤに用いる
と、耐カット性、耐リブティア性、耐チッピング性など
の耐破壊特性が低下する。
また、前記重合法で得られるブタジエンゴムは、重量
平均分子量wと数平均分子量nの比w/nで表さ
れる分子量分布を広い範囲に渡って変化させることがで
きるが、本発明の効果を奏するためには、w/nが3
〜15の範囲であることが必要である。w/nが3未満
であると、カット性、リブティア性、チッピング性など
の耐破壊特性が充分でない。w/nが15を超えると耐
摩耗性が低下する。
前記重合法で得られるブタジエンゴム10〜100重量%
と、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン
ゴムおよびブタジエンゴムからなる群から選ばれる少な
くとも1種のジエン系ゴム90〜0重量%とをゴム成分と
するゴム組成物を調製し、これより形成されるゴムを、
トレッド、サイドウォールのいずれか一方または両方に
備えることにより本発明の効果が得られる。前記重合法
で得られるブタジエンゴムの混合量が10重量%未満であ
ると、ブタジエンゴムの特徴である耐摩耗性、低発熱性
が十分に発揮されない。
また、ゴム組成物にはカーボンブラックを添加するこ
とができ、ゴム成分100重量部に対するカーボンブラッ
クの配合量は、ヨウ素吸着量が80〜150g/kgでDBPが100
〜180cm2/100gの特性を有するカーボンブラックを用い
て30〜80重量部の範囲が好ましい。
本発明によるポリブタジエンゴムと前記ジエン系ゴム
の混合物はタイヤのトレッドゴム、サイドウォールゴム
の他ゴムチェーファー、カーカスコーティングゴム、ベ
ースゴム、ビードフィラーゴムなどにも適宜使用するこ
とができる。
実施例 以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
本発明で規定するミクロ構造は赤外吸収スペクトル法
(モレロ法)により測定した。また、重量平均分子量
w及び分子量分布w/nはWater社製200型GPC測定装
置を用いTHF溶媒により測定して求めた。
ランタン系列希土類金属触媒により重合された直後の
リビングポリマーと(e)成分との反応は、反応前後の
ムーニー粘度の変化あるいは数平均分子量数千のモデル
反応を行い、GPC分析と赤外分析で確認を行なった。
ムーニー粘度は予備加熱1分、測定4分、温度100℃
で測定した(JIS K 6300に準じた)。以下に示す重合方
法によるゴム試料No1〜8のポリブタジエンゴムを得
た。
ゴム試料No1 内容積5の撹拌機付き反応器に窒素雰囲気下でシク
ロヘキサン2.5kg、1,3−ブタジエン500gを仕込んだの
ち、あらかじめ1,3−ブタジエン4.6ミリモルの存在下で
(a)2−エチルヘキサン酸ネオジム0.93ミリモル、
(b)トリエチルアルミニウム27.7ミリモル、(b)ジ
イソブチルアルミニウムハイドライド10.2ミリモル、
(c)ジエチルアルミニウムクロリド2.3ミリモル、お
よび(d)アセチルアセトン1.85ミリモルを混合し、40
℃、30分間熟成して調製した触媒を添加して、70℃から
断熱反応で1.5時間反応を行った。1,3−ブタジエンの反
応率は、ほぼ100%であった。ムーニー粘度を測定する
ために、重合溶液を一部抜き取り、凝固、乾燥した。ム
ーニー粘度は、49であった。
次に、重合溶液の温度を60℃に冷却後、(e)ジフェ
ニルスズジクロリド2.33ミリモルを添加した。その後、
30分間撹拌放置し、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール3.0gを添加した後、スチーム凝固し、100℃の熱ロ
ールで乾燥した。この反応で得られたポリ1,3−ブタジ
エンのミクロ構造は、シス−1,4結合含量が97.3%、ト
ランス−1,4−結合含量が1.3%、ビニル結合含量が1.4
%であった。
また、ムーニー粘度は、64であった。
ゴム試料No2,No3 ゴム試料No2はゴム試料No1のジフェニルスズジクロリ
ドを用いない場合、ゴム試料No3は、市販のポリブタジ
エン(日本合成ゴム(株)製、BR−01)を用いた。
ゴム試料No4〜8 ゴム試料No4はゴム試料No1に対し分子量分布(w/
n)を狭くした場合、ゴム試料No5はゴム試料No1に対し
wを大きくした場合、ゴム試料No6はゴム試料No1のジ
フェニルスズジクロリドの代わりにフェニルスズトリク
ロリドを用いた場合、ゴム試料No7はゴム試料No1のジフ
ェニルスズジクロリドの代わりにトリフェニルスズクロ
リドを用いた場合、ゴム試料No8はゴム試料No1のジフェ
ニルスズジクロリドの代わりにジブチルスズクロリドを
用いた場合である。
以上のサンプルのゴム特性を表−1にまとめる。
実施例1〜4、比較例1〜4 ブタジエンゴム試料No1〜8を下記 天然ゴム 70重量部 ブタジエンゴム 30 〃 ISAFカーボンブラック 50 〃 ステアリン酸 2 〃 アミン系老化防止剤 1.5〃 亜 鉛 華 4 〃 スルフェンアミド系加硫促進剤 1 〃 硫黄 1.5〃 の配合割合で配合し、通常の方法によりトレッドゴムを
作成した。これらのトレッドゴムはトラック・バス用ラ
ジアルタイヤ1000R2014プライのリブパターンタイヤの
トレッドに適用し、通常のタイヤ製造方法によってそれ
ぞれの試験タイヤを製造した。試験タイヤの性能を表−
2に示す。
試 験 試験はそれぞれの試験はタイヤについて、トレッドゴ
ムの加工性、トレッドゴムの耐破壊特性、耐摩耗性につ
き実施し、表−2に示した。
トレッドゴムの加工性はトレッドゴム製造時に評価し
た。ゴムの加工性の評価は、トレッドゴムの混練時のカ
ーボン分散性、ゴムのまとまりの性状、押出し時のトレ
ッドゴムの性状を観察して極めて良好なものを◎、良好
なものを○、悪いものを△、極めて悪いものを×として
評価した。
トレッドゴムの耐破壊特性、耐摩耗性の試験は試験タ
イヤを試験車に装着し、一部未舗装道路を含む路面で7
万km走行した。トレッドゴムの耐破壊特性はタイヤのト
レッドの周上全域にわたりリブティ故障、チッピング故
障、カット故障の有無およびその大小の程度により判定
した。結果は、それぞれ極めて良好◎、良好○、悪いも
のを△、極めて悪いものを×として評価した。また、ト
レッドゴムの耐摩耗性はタイヤ周上8個所の残溝を平均
した値で比較し、比較例1(BR01)のタイヤを100とし
て摩耗指数により、指数表示してあり、数値は大きいほ
ど耐摩耗性が良好である。
発熱性の指標としては、タイヤトレッドよりサンプリ
ングしたゴム試料のダンロップ反発弾性試験による反発
弾性(%)を用いた。この測定方法は、BS903に準じ
た。反発弾性(%)が大きいほど発熱が少なく良好であ
ることを示す。
表−2に示した試験結果より明らかな様に実施例1〜
4は耐破壊特性、発熱性そして特に耐摩耗性が比較例1
〜4よりも優れている。
実施例5,比較例5 次に、ゴム成分中に占める本発明に係るブタジエンゴ
ムの割合は、10〜100重量%でなければならないことを
示す。
ブタジエンゴムは実施例1のゴム試料No1を用いブタ
ジエンゴムと天然ゴムの混合比を表−3の様に変え、他
の配合及びタイヤの製造、試験方法は実施例1と同様に
した。試験タイヤの性能を表−3に示す。
表−3に示した試験結果より明らかな様に実施例5は
比較例5より耐摩耗性、低発熱性が向上している。
実施例6,7、比較例6,7 次にサイドウォールでの効果を示す。
ブタジエン試料No1,2,3,8を下記 天然ゴム 50重量部 ブタジエンゴム 50 〃 FEFカーボンブラック 30 〃 GPFカーボンブラック 20 〃 アロマオイル 15 〃 亜 鉛 華 5 〃 ステアリン酸 2 〃 老化防止剤 810NA 2 〃 サンタイトE 2 〃 加硫促進剤 NBS 0.4〃 加硫促進剤 DM 0.3〃 硫黄 1.5〃 の配合割合で配合し、通常の方法によりサイドウォール
ゴムを作成した。これらのサイドウォールゴムは乗用車
用タイヤ175/70SR13のサイドウォールに適用し、通常の
タイヤ製造方法によってそれぞれの試験タイヤを製造し
た。試験タイヤの性能を表−4に示す。
試 験 (1)耐亀裂成長性 試験片60mm×100mm×1.0mmの中央に0.3mmの傷を入れ
振動数300サイクル/分、歪50%の条件下で伸長歪を与
え、これが20mmに成長するまでの時間で評価した。
コントロールは比較例7を選んだ。
値が大きいほど、耐亀裂成長性が良いことを示してい
る。
(2)耐摩耗性 タイヤサイドウォールよりサンプリングしたゴム試料
を、ASTM D 2228(ピコ法)により評価した。ピコ摩耗
数は比較例6の摩耗量を基準の指数100として求めた。
指数が大きいほど耐摩耗性は良好である。
(3)発熱性 タイヤサイドウォールよりサンプリングしたゴム試料
のダンロップ反発弾性試験により反発弾性(%)により
評価した。この測定方法は、BS903に準じた。反発弾性
(%)が大きいほど発熱が少なく良好であることを示
す。
(4)耐候性 〜6万km走行後の試験タイヤのオゾンラックの有無を
評価した。
表−4に示した試験結果より明らかな様に実施例6,7
は耐摩耗性、低発熱性が比較例6,7と比べて向上してい
る。
[発明の効果] 本発明によればトレッドゴムおよびサイドウォールゴ
ムに要求される耐破壊特性、耐摩耗性、低発熱性のいず
れにも優れた空気入りタイヤが得られる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)(a)ランタン系列希土類元素化合
    物および(b)一般式AlR1R2R3(式中、R1、R2およびR3
    は水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基であり、全
    てが水素原子である場合を除く)で表わされる有機アル
    ミニウム化合物からなり必要に応じて(c)ルイス酸お
    よび/または(d)ルイス塩基を含有する触媒の存在
    下、不活性有機溶媒中で1,3−ブタジエンを重合して得
    られるポリマーに、(e)一般式R′nMX4-n(式中、
    R′は炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基、M
    はスズ原子またはゲルマニウム原子、Xはハロゲン原子
    であり、nは1〜3の整数である)で表わされるハロゲ
    ル化有機金属を反応させて得られる、シス1,4結合を70
    %以上含有しかつ重量平均分子量が30万〜120万であり
    重量平均分子量(w)と数平均分子量(n)の比
    (w/n)が3〜15であるブタジエンゴム10〜100重
    量%および (ロ)天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエ
    ンゴムおよびブタジエンゴムからなる群から選ばれる少
    なくとも1種のジエン系ゴム90〜0重量% をゴム成分とするゴム組成物より形成されるゴムをトレ
    ッドおよび/またはサイドウォールに備えることを特徴
    とする空気入りタイヤ。
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