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JP2595346B2 - カーエアコン用冷凍機油組成物 - Google Patents

カーエアコン用冷凍機油組成物

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Publication number
JP2595346B2
JP2595346B2 JP1038360A JP3836089A JP2595346B2 JP 2595346 B2 JP2595346 B2 JP 2595346B2 JP 1038360 A JP1038360 A JP 1038360A JP 3836089 A JP3836089 A JP 3836089A JP 2595346 B2 JP2595346 B2 JP 2595346B2
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JP
Japan
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car air
oil
oil composition
weight
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JP1038360A
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English (en)
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JPH0243290A (ja
Inventor
梅吉 佐々木
宏 長谷川
Original Assignee
日本石油株式会社
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Publication date
Application filed by 日本石油株式会社 filed Critical 日本石油株式会社
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Priority to EP89104821A priority patent/EP0336171B1/en
Priority to ES89104821T priority patent/ES2058368T3/es
Priority to DE89104821T priority patent/DE68907763T2/de
Priority to DK198901604A priority patent/DK173246B1/da
Priority to CA000595643A priority patent/CA1334750C/en
Priority to BR898901613A priority patent/BR8901613A/pt
Publication of JPH0243290A publication Critical patent/JPH0243290A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は1,1,1,2−テトラフルオロエタンを冷媒とし
て使用するカーエアコン用の冷凍機油組成物に関する。
[従来の技術] 冷凍機は従来から各種のものが使用されているが、な
かでも冷媒を用いる、いわゆる蒸気圧縮式冷凍機は、そ
の圧縮機の構造から往復動式、遠心式および回転式に分
類されている。このなかでも回転式(ロータリー式)の
圧縮機を有する冷凍機は小型でも大きな冷凍能力を有す
ること、高回転域でも優れた性能を発揮できること、な
めらかで静粛な運転が可能であることなどの特徴を有す
ることから、家庭用の冷蔵庫、エアコンおよびカーエア
コン(自動車用エアコン)などに広く用いられている。
これらに使用される冷凍機油としては、40℃における
動粘度が5〜200cStのナフテン系鉱油、パラフィン系鉱
油、アルキルベンゼン、ポリグリコール系油およびこれ
らの混合物またはこれらの各種基油に添加剤を配合した
ものが一般的に使用されている。
一方、圧縮式冷凍機の冷媒としては、トリクロロモノ
フルオロメタン(フロン11)、ジクロロジフルオロメタ
ン(フロン12)、モノクロロジフルオロメタン(フロン
22)あるいはトリクロロトリフルオロエタン(フロン11
3)などに代表されるハロゲン系冷媒、プロパンに代表
される炭化水素系冷媒あるいはアンモニア、炭酸ガスな
どに代表される無機ガス系冷媒が広く使用されている。
中でもハロゲン系冷媒は化学的に安定で毒性が低くまた
不燃性でしかも熱力学的にも理想的な特性を有すること
から家庭用の冷蔵庫、エアコンあるいはカーエアコンの
冷凍機に広く用いられてきた。
しかしながら、これらのうちペルハロゲノカーボン、
すなわち炭化水素のすべての水素をハロゲンで置換した
形のクロロフルオロカーボンは難分解性であり安定性が
高い故、大気中に放出されると長時間にわたって分解せ
ず、地上25〜30kmのオゾン層に達し太陽からの強い紫外
線に出合って分解され塩素原子を放出してオゾンと反応
しオゾン層中のオゾン濃度を減少させる。このオゾン層
は、太陽からの有害な紫外線を吸収して地表の生物を保
護しているもので、フロンによるオゾン層の破壊を防ご
うと国際条約によるフロンガスの生産、消費規制がなさ
れようとしている。
このような状況のもので、アメリカ合衆国環境保護庁
(EPA)は1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン
(CFC−123)、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロ
エタン(CFC−124)、1,2−ジクロロ−2,2−ジフルオロ
エタン(CFC−132b)、1−クロロ−2,2,2−トリフルオ
ロエタン(CFC−133a)、1,1,1,2−テトラフルオロエタ
ン(FC−134a)および1,1−ジクロロ−1−フルオロエ
タン(CFC−141b)の6種を代替冷媒として提案してい
る。
これらの化合物のうち、1,1,1,2−テトラフルオロエ
タンは、従来から家庭用冷蔵庫、エアコンおよびカーエ
アコンなどの冷凍機に多く使用されているジクロロジフ
ルオロメタン(フロン12)と熱力学的物性が類似してい
ることから、冷媒として1,1,1,2−テトラフルオロエタ
ン(FC−134a)を使用すればそれら冷凍機システムの設
計を大幅に変更することなく、しかも従来と同様の性能
を得ることができるはずである。
しかし、そのためには、圧縮機に充填された冷凍機油
は、吐出ガスに同伴されて凝縮器、蒸発器へと入るた
め、還流冷媒に十分に溶解しサイクル内を循環して圧縮
機に戻る、いわゆる油戻り性がよいことが必要不可欠で
ある。
すなわち、冷凍サイクル内のもっとも低温な部分であ
る膨張弁またはキャピラリーチューブから蒸発器に至る
までの間において温度は−20〜−30℃に達することも珍
しくないため冷凍機油はこのような低温において、冷媒
と二層分離を生じないものが好ましい。
また、圧縮機、レシーバー、凝縮機の間においては高
温に達することも珍しくないため、冷凍機油は、上記低
温領域に加えて高温領域においても冷媒と二層分離を生
じないものが好ましい。
従来、冷凍機油としては、ナフテン系鉱油、パラフィ
ン系鉱油、アルキルベンゼン類およびこれらの混合物あ
るいはこれらの各種基油に添加剤を配合したものが一般
に使用されている。これら従来の冷凍機油については、
例えば特公昭40−11940号公報、特公昭49−4107号公
報、特公昭49−13483号公報、特公昭49−13829号公報、
特公昭49−19084号公報、特公昭52−39509号公報、特公
昭52−43722号公報、特公昭53−17602号公報、特開昭46
−4532号公報、特開昭48−606号公報、特開昭49−47498
号公報、特開昭51−22971号公報、特開昭52−28503号公
報、特開昭52−54707号公報、特開昭53−88007号公報な
どに記載されている。しかしながら、これら従来の冷凍
機油はジクロロジフルオロメタン(フロン12)の代替冷
媒である1,1,1,2−テトラフルオロエタン(FC−134a)
との相溶性がほとんどないため、1,1,1,2−テトラフル
オロエタンとの組合せで使用すると、常温において二層
分離を起こし、冷凍システム内で最も重要な油戻り性が
悪くなって冷凍効率の低下あるいは潤滑性が不良となっ
て圧縮機の焼付け発生など実用上様々な不都合が発生し
使用に耐えない。またポリグリコール類も高粘度指数を
有する冷凍機油として知られており、例えば特公昭57−
42119号公報、特公昭61−52880号公報、特開昭57−5179
5号公報などに記載されている。しかるにこれら先行技
術に具体的に開示されているポリグリコール油ではやは
り1,1,1,2−テトラフルオロエタンとの相溶性が十分で
ないため上記と同じ問題が生じて実用上使用できない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは1,1,1,2−テトラフルオロエタンを冷媒
とした圧縮式カーエアコン用の冷凍機油組成物を開発す
べく研究を重ねた結果、限定された構造および特性を有
するポリグリコール油を基油として用いた場合に、他の
基油では得ることのできない優れた性能を備えた冷凍機
油組成物が得られることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
本発明は冷媒として1,1,1,2−テトラフルオロエタン
を使用する圧縮式カーエアコンに使用するのに適した、
特に低温において冷媒と分離せずさらに潤滑性、密封性
および安定性のよいカーエアコン用冷凍機油組成物を提
供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、 一般式 R1OR2 aOH [式中、R1は炭素数1〜18のアルキル基を示し、aは
5〜70の整数を示し、またR2は炭素数2〜4のアルキレ
ン基を示し、かつ一分子中の(R2がエチレン基である−
OR2−基の数)/aの比率(以下αとする)が0〜0.8で
ある] で表わされ、かつ流動点が−10℃以下で、100℃におけ
る動粘度が5〜(30+100α)cStであるポリオキシアル
キレングリコールモノエーテルを基油とし、基油100重
量部に対して、 (A)一般式 [式中、R3は炭素数1〜3のアルキル基を示し、bは
0〜2の整数を示す]で表わされるホスフェート0.1〜
5.0重量部、 を必須の成分として配合してなることを特徴とする1,1,
1,2−テトラフルオロエタンを冷媒として使用するカー
エアコン用冷凍機油組成物を提供するものである。
また本発明は、前記冷凍機油組成物は、さらに基油10
0重量部に対して、 (B)(i)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化
合物、 (ii)エポキシ化脂肪酸モノエステル、および (iii)エポキシ化植物油、 から成る群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化
合物0.1〜5.0重量部、 を必須の成分として配合してなるカーエアコン用冷凍機
油組成物を提供するものである。
また本発明は、前記ポリオキシアルキレングリコール
モノエーテルが、数平均分子量が500〜1500で、かつ重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/M
n)が1.00〜1.20のものであるカーエアコン用冷凍機油
組成物を提供するものである。
以下、本発明の内容をより詳細に説明する。
本発明の冷凍機油組成物の基油は、 [I]一般式 R1OR2 aOH で表わされるポリオキシアルキレングリコールモノエー
テルである。式中、R1は炭素数1〜18の直鎖あるいは分
枝状のアルキル基を示し、aは5〜70となる整数をそれ
ぞれ示している。またR2は炭素数2〜4のアルキル基を
示している。R1としては具体的には例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、
ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシ
ル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル
基、オクタデシル基などが挙げられ、その中でもメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基がよ
り好ましい。
またR2としては、具体的には例えば、 エチレン基(−CH2CH2−)、 トリメチレン基(−CH2CH2CH2−)、 テトラメチレン基(−CH2CH2CH2CH2−) などが挙げられ、その中でもエチレン基、プロピレン
基、ブチレン基、テトラメチレン基がより好ましい。
さらに本発明におけるポリオキシアルキレングリコー
ルモノエーテルにおいては一分子中に炭素数が異なるア
ルキレン基が存在しても良く、すなわち炭素数が異なる
オキシアルキレン基がランダム共重合またはブロック共
重合したものであってもよいが、一分子中の(R2がエチ
レン基である−OR2−基の数)/aの比率(α)が0〜0.
8であることが必要である。αの値が0.8を超える場合に
は、冷凍機油が常温で固体となってしまうか、またはそ
の流動点が高くなってしまうため好ましくない。
また、本発明におけるポリオキシアルキレングリコー
ルモノエーテルは流動点が−10℃以下で、好ましくは−
20〜−50℃であり、かつ100℃における動粘度が5〜(3
0+100α)cSt、好ましくは8〜(30+100α)cStの範
囲であることが必要である。流動点が−10℃を超える場
合は低温時に冷凍システム内で冷凍機油が固化する恐れ
があるため好ましくない。また100℃における動粘度が5
cSt未満の場合は圧縮機の密封性を保つことができなく
なり、一方動粘度が(30+100α)cStを超える場合には
冷媒である1,1,1,2−テトラフルオロエタンとの溶解性
が悪くなり、低温下で二層分離するためそれぞれ好まし
くない。
また、本発明におけるポリオキシアルキレングリコー
ルモノエーテルとしては、圧縮機の密封性をより向上さ
せる点から、数平均分子量が300〜4000のものが好まし
く使用され、数平均分子量が500〜3500のものがより好
ましく使用される。さらに、高温下における冷媒との二
層分離温度を上昇させる点から、数平均分子量が500〜1
500のものがさらに好ましく用いられる。
さらに、本発明におけるポリオキシアルキレングリコ
ールモノエーテルとしては、重量平均分子量(Mw)と数
平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.00〜1.20である
ものが、高温下における冷媒との二層分離温度をより上
昇させる点から好ましい。
基油である上記のポリオキシアルキレングリコールモ
ノエーテルを単独で使用しても、すなわち添加剤を何も
配合しなくてもそれだけで1,1,1,2−テトラフルオロエ
タンを冷媒として使用するカーエアコン用の冷凍機油と
して優れた性能を示す。しかしながら、本発明において
は、その耐摩耗性および耐荷重性(焼付防止性)をさら
に高めるため、 (A)一般式 で表わされるホスフェートを配合することが必要であ
る。式中、R3は炭素数1〜3のアルキル基、好ましくは
メチル基を示し、またbは0〜2、好ましくは0〜1の
整数をそれぞれ示している。R3としては、具体的には例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。
上記(A)成分であるホスフェートとしては、具体的
にはトリフェニルホスフェート、トリトリルホスフェー
ト(トリクレジルホスフェート)およびこれらの混合物
などが好ましく用いられる。
本発明のカーエアコン用冷凍機油組成物において、そ
の耐摩耗性および耐荷重性をさらに改良するために
(A)成分を用いるが、その配合量は基油100重量部に
対して0.1〜5.0重量部、好ましくは0.2〜2.0重量部であ
る。
(A)成分の配合量がこの範囲に達しない場合は
(A)成分配合による耐摩耗性、耐荷重性の向上の効果
が乏しく、一方(A)成分の配合量がこの範囲を超える
場合は熱安定性が低下したり冷凍システム内の金属類の
腐食が発生する恐れがあるためそれぞれ好ましくない。
本発明のカーエアコン用冷凍機油組成物において、上
述したとおり(A)成分を必須の成分として特定量配合
することにより、その耐摩耗性および耐荷重性が向上す
るが、冷凍システムにおいては配管類などに銅や銅合金
が使用されている場合には、時として(A)成分の配合
によってそれら金属に腐食が生じる危険性がある。
したがって、カーエアコン用の冷凍機油としての総合
性能を高める目的で、さらに、 (B)(i)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化
合物、 (ii)エポキシ化脂肪酸モノエステル、および (iii)エポキシ化植物油 かな成る群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合
物を配合するのが好ましい。
ここでいう(i)フェニルグリシジルエーテル型エポ
キシ化合物としては、フェニルグリシジルエーテルまた
はアルキルフェニルグリシジルエーテルが例示できる。
ここでいうアルキルフェニルグリシジルエーテルとは、
炭素数1〜13のアルキル基を1〜3個有するものであ
り、中でも炭素数4〜10のアルキル基を1個有するも
の、例えばブチルフェニルグリシジルエーテル、ペンチ
ルフェニルグリシジルエーテル、ヘキシルフェニルグリ
シジルエーテル、ヘプチルフェニルグリシジルエーテ
ル、オクチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェ
ニルグリシジルエーテル、デシルフェニルグリシジルエ
ーテルが好ましい。
また(ii)エポキシ化脂肪酸モノエステルとしては、
エポキシ化された炭素数12〜20の脂肪酸と炭素数1〜8
のアルコールまたはフェノール、アルキルフェノールと
のエステルが例示できる。特にエポキシステアリン酸の
ブチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、メトキ
シエチル、オクチル、フェニルおよびブチルフェニルエ
ステルが好ましく用いられる。
また(iii)エポキシ化植物油としては、大豆油、ア
マニ油、綿実油などの植物油のエポキシ化合物が例示で
きる。
これら(i)〜(iii)のエポキシ化合物の中でも
(B)成分として好ましいものは、フェニルグリシジル
エーテル型エポキシ化合物およびエポキシ化脂肪酸モノ
エステルである。中でもフェニルグリシジルエーテル型
エポキシ化合物がより好ましく、フェニルグリシジルエ
ーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテルおよびこれ
らの混合物が特に好ましい。
本発明のカーエアコン用冷凍機油組成物において、
(B)成分を必須の成分として使用する場合の(B)成
分の配合量は、基油100重量部に対して0.1〜5.0重量
部、好ましくは0.2〜2.0重量部である。
(B)成分の配合量がこの範囲に達しない場合は
(B)成分配合による腐食防止性向上の効果が乏しく、
一方(B)成分の配合量がこの範囲を超える場合は耐摩
耗性、耐荷重性に悪影響を及ぼすためそれぞれ好ましく
ない。
本発明のカーエアコン用冷凍機油組成物に対して、そ
の性能をさらに高めるため、必要に応じて従来より公知
の冷凍機油添加剤、例えばジーtert−ブチル−p−クレ
ゾールなどのフェノール系、フェニル−α−ナフチルア
ミン、N,N'−ジ(2−ナフチル)−p−フェニレンジア
ミンなどのアミン系の酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛、
塩素化パラフィン、脂肪坂、硫黄系などの耐荷重添加
剤、シリコーン系の消泡剤、ベンゾトリアゾールなどの
金属不活性化剤、グリシジルメタクリレート、亜リン酸
エステル系などの塩化水素捕捉剤などを単独で、または
数種組み合わせて配合することも可能である。
本発明の1,1,1,2−テトラフルオロエタンを冷媒とし
て使用するカーエアコン用の冷凍機油組成物は回転式
(ロータリー式)の圧縮機を有するカーエアコンに特に
好ましく用いられるものであるが、その他の往復動式や
遠心式の圧縮機を有するカーエアコンにも好ましく用い
ることができる。
[実施例] 以下、基油評価例、実施例および比較例により本発明
の内容をより具体的に説明する。
基油1〜17および比較基油1〜5 実施例および比較例に用いた冷凍機油の基油の性状を
第1表に示す。
本発明に係わる基油(基油1〜17)と冷媒との低温分
離性を測定するために、冷媒である1,1,1,2−テトラフ
ルオロエタンに基油1〜17を10、20、30、40、50および
70重量部配合した混合液をつくり、この混合液を室温か
ら徐々に冷却していき、混合液が白濁または二層に分離
した時の温度、すなわち低温側の二層分離温度を求め
た。なお、室温ですでに白濁あるいは二層分離している
場合には、徐々に加熱して白濁あるいは二層分離がなく
なった温度を求め、これを低温側の二層分離温度とし
た。それらの結果を第2表に示した。
また本発明に係わる基油(基油1〜17)と冷媒との高
温分離性を測定するために、上記と同様の冷媒に基油1
〜17を3、10および30重量部配合した混合液をつくり、
得られた混合液を室温から徐々に加熱していき、混合液
が白濁または二層に分離した時の温度、すなわち高温側
の二層分離温度を求めた。なお、室温ですでに白濁ある
いは二層分離している場合には、徐々に冷却して白濁あ
るいは二層分離がなくなった温度を求め、これを高温側
の二層分離温度とした。それらの結果を第2表に示し
た。
また比較のため、本発明でいう基油の範囲外である比
較基油1〜5についても基油1〜17と同様の方法で低温
側の二層分離温度を求めた。その結果も第2表に併記し
た。
実施例1〜5および比較例1〜5 第3表に示す組成により本発明に係わるカーエアコン
用冷凍機油組成物を得た。なお、実施例1〜2は請求項
1の発明、実施例3〜5は請求項2に係るものであり、
比較例1〜5は基油のみからなるものである。
これらの組成物に対して下記に示す試験法によりその
性能評価を行ない、その結果も第3表に併記した。
(ファレックス焼付荷重試験) ASTM D3233に準拠し、初期油温25℃、慣らし運転250l
b、5分の条件で焼付荷重を測定した。
(シールドチューブ試験) 油と冷媒(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)の等容
量混合物を銅と鉄の触媒と共にガラス管に密封し、175
℃で1000時間加熱した後の油および触媒の変色を観察し
測定した。
なお、油の変色は黒かっ色を11、無色を0として12段
階に変色度を分類した。また金属触媒の変色は光沢を失
う程度であれば問題はないが、鉄触媒が銅メッキされて
しまうと不良である。
第2表の二層分離温度の結果から明らかに通り、本発
明に係わる基油である基油1〜17は、冷媒である1,1,1,
2−テトラフルオロエタンと−20〜−30℃程度の低温に
おいても非常に良好な相溶性を示している。それに対し
て比較基油1〜3の鉱油やアルキルベンゼン、およびポ
リグリコール油であっても比較基油4のようなジエーテ
ル、および比較基油5のようにモノエーテルであっても
本発明の基油の粘度範囲以外のものの場合は、低温下
で、特に比較基油1〜4においては常温ですら冷媒と二
層分離を起こしてしまい、実用に供することはできな
い。
さらに、Mnが500〜1500であり、かつMw/Mnが1.00〜1.
20であるポリオキシアルキレングリコールモノエーテル
を使用した基油1〜9の冷凍機油は、低温のみならず60
〜80℃程度の高温においても上記冷媒と非常に良い相溶
性を示している。
また第3表の性能評価試験の結果から明らかなとお
り、本発明の基油のみからなる比較例1〜5の冷凍機油
はファレックス試験とシールドチューブ試験で優れた性
能を示すものの、請求項1の発明に係わる実施例1およ
び2の組成物は(A)成分の配合によりファレックス試
験での焼付荷重が著しく向上しており、より潤滑性の優
れた冷凍機油となっている。さらに本発明の請求項2の
発明に係わる実施例3〜5の組成物は優れた潤滑性を維
持しながら実施例1および2の組成物よりシールドチュ
ーブ試験の結果が改善されている。特に実施例3〜5の
組成物よりシールドチューブ試験の結果が改善されてい
る。特に実施例3〜5の組成物は基油のみからなる比較
例1〜5の冷凍機油よりもシールドチューブ試験の結果
が向上しており、冷凍機油の安定性に及ぼす(B)成分
の配合効果が明白に現われている。
[発明の効果] 以上説明の如く、本発明の組成物は冷媒として1,1,1,
2−テトラフルオロエタンを用いるカーエアコンに使用
するのに適した、低温において冷媒と分離せずさらに潤
滑性、密封性および安定性のよいカーエアコン用冷凍機
油組成物である。
特に、数平均分子量が一定範囲内にあり、かつ重量平
均分子量と数平均分子量との比も一定範囲内にあるポリ
アルキレングリコールモノエーテルを基油として使用す
ると、低温のみならず高温においても冷媒と分離しない
カーエアコン用冷凍機油組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129:66 137:04) C10N 20:00 20:02 20:04 40:30

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 R1OR2 aOH [式中、R1は炭素数1〜18のアルキル基を示し、aは5
    〜70の整数を示し、またR2は炭素数2〜4のアルキレン
    基を示し、かつ一分子中の(R2がエチレン基である−O
    R2−基の数)/aの比率(以下αとする)が0〜0.8であ
    る] で表わされ、かつ流動点が−10℃以下で、100℃におけ
    る動粘度が5〜(30+100α)cStであるポリオキシアル
    キレングリコールモノエーテルを基油とし、基油100重
    量部に対して、 (A)一般式 [式中、R3は炭素数1〜3のアルキル基を示し、bは0
    〜2の整数を示す]で表わされるホスフェート0.1〜5.0
    重量部、 を必須の成分として配合してなることを特徴とする1,1,
    1,2−テトラフルオロエタンを冷媒として使用するカー
    エアコン用冷凍機油組成物。
  2. 【請求項2】前記冷凍機油組成物は、さらに基油100重
    量部に対して、 (B)(i)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化
    合物、 (ii)エポキシ化脂肪酸モノエステル、および (iii)エポキシ化植物油、 から成る群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合
    物0.1〜5.0重量部、 を必須の成分として配合してなる請求項1に記載のカー
    エアコン用冷凍機油組成物。
  3. 【請求項3】前記ポリオキシアルキレングリコールモノ
    エーテルが、数平均分子量が500〜1500で、かつ重量平
    均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が
    1.00〜1.20のものである請求項1または2に記載のカー
    エアコン用冷凍機油組成物。
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