JP2785185B2 - カーエアコン用冷凍機油組成物 - Google Patents
カーエアコン用冷凍機油組成物Info
- Publication number
- JP2785185B2 JP2785185B2 JP8219135A JP21913596A JP2785185B2 JP 2785185 B2 JP2785185 B2 JP 2785185B2 JP 8219135 A JP8219135 A JP 8219135A JP 21913596 A JP21913596 A JP 21913596A JP 2785185 B2 JP2785185 B2 JP 2785185B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- refrigerant
- temperature
- car air
- group
- oil composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Lubricants (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は1,1,1,2−テ
トラフルオロエタンを冷媒として使用するカーエアコン
用の冷凍機油組成物に関する。
トラフルオロエタンを冷媒として使用するカーエアコン
用の冷凍機油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】冷凍機は従来から各種のものが使用され
ているが、なかでも冷媒を用いる、いわゆる蒸気圧縮式
冷凍機は、その圧縮機の構造から往復動式、遠心式およ
び回転式に分類されている。このなかでも回転式(ロー
タリー式)の圧縮機を有する冷凍機は小型でも大きな冷
凍能力を有すること、高回転域でも優れた性能を発揮で
きること、なめらかで静粛な運転が可能であることなど
の特徴を有することから、家庭用の冷蔵庫、エアコンお
よびカーエアコン(自動車用エアコン)などに広く用い
られている。
ているが、なかでも冷媒を用いる、いわゆる蒸気圧縮式
冷凍機は、その圧縮機の構造から往復動式、遠心式およ
び回転式に分類されている。このなかでも回転式(ロー
タリー式)の圧縮機を有する冷凍機は小型でも大きな冷
凍能力を有すること、高回転域でも優れた性能を発揮で
きること、なめらかで静粛な運転が可能であることなど
の特徴を有することから、家庭用の冷蔵庫、エアコンお
よびカーエアコン(自動車用エアコン)などに広く用い
られている。
【0003】これらに使用される冷凍機油としては、4
0℃における動粘度が5〜200cStのナフテン系鉱
油、パラフィン系鉱油、アルキルベンゼン、ポリグリコ
ール系油およびこれらの混合物またはこれらの各種基油
に添加剤を配合したものが一般的に使用されている。
0℃における動粘度が5〜200cStのナフテン系鉱
油、パラフィン系鉱油、アルキルベンゼン、ポリグリコ
ール系油およびこれらの混合物またはこれらの各種基油
に添加剤を配合したものが一般的に使用されている。
【0004】一方、圧縮式冷凍機の冷媒としては、トリ
クロロモノフルオロメタン(フロン11)、ジクロロジ
フルオロメタン(フロン12)、モノクロロジフルオロ
メタン(フロン22)あるいはトリクロロトリフルオロ
エタン(フロン113)などに代表されるハロゲン系冷
媒、プロパンに代表される炭化水素系冷媒あるいはアン
モニア、炭酸ガスなどに代表される無機ガス系冷媒が広
く使用されている。
クロロモノフルオロメタン(フロン11)、ジクロロジ
フルオロメタン(フロン12)、モノクロロジフルオロ
メタン(フロン22)あるいはトリクロロトリフルオロ
エタン(フロン113)などに代表されるハロゲン系冷
媒、プロパンに代表される炭化水素系冷媒あるいはアン
モニア、炭酸ガスなどに代表される無機ガス系冷媒が広
く使用されている。
【0005】中でもハロゲン系冷媒は化学的に安定で毒
性が低くまた不燃性でしかも熱力学的にも理想的な特性
を有することから家庭用の冷蔵庫、エアコンあるいはカ
ーエアコンの冷凍機に広く用いられてきた。
性が低くまた不燃性でしかも熱力学的にも理想的な特性
を有することから家庭用の冷蔵庫、エアコンあるいはカ
ーエアコンの冷凍機に広く用いられてきた。
【0006】しかしながら、これらのうちペルハロゲノ
カーボン、すなわち炭化水素のすべての水素をハロゲン
で置換した形のクロロフルオロカーボンは難分解性であ
り安定性が高い故、大気中に放出されると長期間にわた
って分解せず、地上25〜30kmのオゾン層に達し太
陽からの強い紫外線に出合って分解され塩素原子を放出
してオゾンと反応しオゾン層中のオゾン濃度を減少させ
る。このオゾン層は、太陽からの有害な紫外線を吸収し
て地表の生物を保護しているもので、フロンによるオゾ
ン層の破壊を防ごうと国際条約によるフロンガスの生
産、消費規制がなされようとしている。
カーボン、すなわち炭化水素のすべての水素をハロゲン
で置換した形のクロロフルオロカーボンは難分解性であ
り安定性が高い故、大気中に放出されると長期間にわた
って分解せず、地上25〜30kmのオゾン層に達し太
陽からの強い紫外線に出合って分解され塩素原子を放出
してオゾンと反応しオゾン層中のオゾン濃度を減少させ
る。このオゾン層は、太陽からの有害な紫外線を吸収し
て地表の生物を保護しているもので、フロンによるオゾ
ン層の破壊を防ごうと国際条約によるフロンガスの生
産、消費規制がなされようとしている。
【0007】このような状況のもとで、アメリカ合衆国
環境保護庁(EPA)は1,1−ジクロロ−2,2,2
−トリフルオロエタン(CFC−123)、1−クロロ
−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(CFC−1
24)、1,2−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン
(CFC−132b)、1−クロロ−2,2,2−トリ
フルオロエタン(CFC−133a)、1,1,1,2
−テトラフルオロエタン(FC−134a)および1,
1−ジクロロ−1−フルオロエタン(CFC−141
b)の6種を代替冷媒として提案している。
環境保護庁(EPA)は1,1−ジクロロ−2,2,2
−トリフルオロエタン(CFC−123)、1−クロロ
−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(CFC−1
24)、1,2−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン
(CFC−132b)、1−クロロ−2,2,2−トリ
フルオロエタン(CFC−133a)、1,1,1,2
−テトラフルオロエタン(FC−134a)および1,
1−ジクロロ−1−フルオロエタン(CFC−141
b)の6種を代替冷媒として提案している。
【0008】これらの化合物のうち、1,1,1,2−
テトラフルオロエタンは、従来から家庭用冷蔵庫、エア
コンおよびカーエアコンなどの冷凍機に多く使用されて
いるジクロロジフルオロメタン(フロン12)と熱力学
的物性が類似していることから、冷媒として1,1,
1,2−テトラフルオロエタン(FC−134a)を使
用すればそれら冷凍機システムの設計を大幅に変更する
ことなく、しかも従来と同様の性能を得ることができる
はずである。
テトラフルオロエタンは、従来から家庭用冷蔵庫、エア
コンおよびカーエアコンなどの冷凍機に多く使用されて
いるジクロロジフルオロメタン(フロン12)と熱力学
的物性が類似していることから、冷媒として1,1,
1,2−テトラフルオロエタン(FC−134a)を使
用すればそれら冷凍機システムの設計を大幅に変更する
ことなく、しかも従来と同様の性能を得ることができる
はずである。
【0009】しかし、そのためには、圧縮機に充填され
た冷凍機油は、吐出ガスに同伴されて凝縮器、蒸発器へ
と入るため、還流冷媒に十分に溶解しサイクル内を循環
して圧縮機に戻る、いわゆる油戻り性がよいことが必要
不可欠である。
た冷凍機油は、吐出ガスに同伴されて凝縮器、蒸発器へ
と入るため、還流冷媒に十分に溶解しサイクル内を循環
して圧縮機に戻る、いわゆる油戻り性がよいことが必要
不可欠である。
【0010】すなわち、冷凍サイクル内のもっとも低温
な部分である膨張弁またはキャピラリーチューブから蒸
発器に至るまでの間において温度は−20〜−30℃に
達することも珍しくないため冷凍機油はこのような低温
において、冷媒と二層分離を生じないものが好ましい。
な部分である膨張弁またはキャピラリーチューブから蒸
発器に至るまでの間において温度は−20〜−30℃に
達することも珍しくないため冷凍機油はこのような低温
において、冷媒と二層分離を生じないものが好ましい。
【0011】また、圧縮機、レシーバー、凝縮機の間に
おいては高温に達することも珍しくないため、冷凍機油
は、上記低温領域に加えて高温領域においても冷媒と二
層分離を生じないものが好ましい。
おいては高温に達することも珍しくないため、冷凍機油
は、上記低温領域に加えて高温領域においても冷媒と二
層分離を生じないものが好ましい。
【0012】従来、冷凍機油としては、ナフテン系鉱
油、パラフィン系鉱油、アルキルベンゼン類およびこれ
らの混合物あるいはこれら各種基油に添加剤を配合した
ものが一般に使用されている。これら従来の冷凍機油に
ついては、例えば特公昭40−11940号公報、特公
昭49−4107号公報、特公昭49−13483号公
報、特公昭49−13829号公報、特公昭49−19
084号公報、特公昭52−39509号公報、特公昭
52−43722号公報、特公昭53−17602号公
報、特開昭46−4532号公報、特開昭48−606
号公報、特開昭49−47498号公報、特開昭51−
22971号公報、特開昭52−28503号公報、特
開昭52−54707号公報、特開昭53−88007
号公報などに記載されている。しかしながら、これら従
来の冷凍機油はジクロロジフルオロメタン(フロン1
2)の代替冷媒である1,1,1,2−テトラフルオロ
エタン(FC−134a)との相溶性がほとんどないた
め、1,1,1,2−テトラフルオロエタンとの組合せ
で使用すると、常温において二層分離を起こし、冷凍シ
ステム内で最も重要な油戻り性が悪くなって冷凍効率の
低下あるいは潤滑性が不良となって圧縮機の焼付き発生
など実用上様々な不都合が発生し使用に耐えない。また
ポリグリコール類も高粘度指数を有する冷凍機油として
知られており、例えば特公昭57−42119号公報、
特公昭61−52880号公報、特開昭57−5179
5号公報などに記載されている。しかるにこれら先行技
術に具体的に開示されているポリグリコール油ではやは
り1,1,1,2−テトラフルオロエタンとの相溶性が
十分でないため上記と同じ問題が生じて実用上使用でき
ない。
油、パラフィン系鉱油、アルキルベンゼン類およびこれ
らの混合物あるいはこれら各種基油に添加剤を配合した
ものが一般に使用されている。これら従来の冷凍機油に
ついては、例えば特公昭40−11940号公報、特公
昭49−4107号公報、特公昭49−13483号公
報、特公昭49−13829号公報、特公昭49−19
084号公報、特公昭52−39509号公報、特公昭
52−43722号公報、特公昭53−17602号公
報、特開昭46−4532号公報、特開昭48−606
号公報、特開昭49−47498号公報、特開昭51−
22971号公報、特開昭52−28503号公報、特
開昭52−54707号公報、特開昭53−88007
号公報などに記載されている。しかしながら、これら従
来の冷凍機油はジクロロジフルオロメタン(フロン1
2)の代替冷媒である1,1,1,2−テトラフルオロ
エタン(FC−134a)との相溶性がほとんどないた
め、1,1,1,2−テトラフルオロエタンとの組合せ
で使用すると、常温において二層分離を起こし、冷凍シ
ステム内で最も重要な油戻り性が悪くなって冷凍効率の
低下あるいは潤滑性が不良となって圧縮機の焼付き発生
など実用上様々な不都合が発生し使用に耐えない。また
ポリグリコール類も高粘度指数を有する冷凍機油として
知られており、例えば特公昭57−42119号公報、
特公昭61−52880号公報、特開昭57−5179
5号公報などに記載されている。しかるにこれら先行技
術に具体的に開示されているポリグリコール油ではやは
り1,1,1,2−テトラフルオロエタンとの相溶性が
十分でないため上記と同じ問題が生じて実用上使用でき
ない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは1,1,
1,2−テトラフルオロエタンを冷媒とした圧縮式カー
エアコン用の冷凍機油組成物を開発すべく研究を重ねた
結果、限定された構造および特性を有するポリグリコー
ル油を基油として用いた場合に、他の基油では得ること
のできない優れた性能を備えた冷凍機油組成物が得られ
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
1,2−テトラフルオロエタンを冷媒とした圧縮式カー
エアコン用の冷凍機油組成物を開発すべく研究を重ねた
結果、限定された構造および特性を有するポリグリコー
ル油を基油として用いた場合に、他の基油では得ること
のできない優れた性能を備えた冷凍機油組成物が得られ
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0014】本発明は冷媒として1,1,1,2−テト
ラフルオロエタンを使用する圧縮式カーエアコンに使用
するに適した、低温および高温において冷媒と分離せず
さらに潤滑性、密封性および安定性のよいカーエアコン
用冷凍機油組成物を提供することを目的とする。
ラフルオロエタンを使用する圧縮式カーエアコンに使用
するに適した、低温および高温において冷媒と分離せず
さらに潤滑性、密封性および安定性のよいカーエアコン
用冷凍機油組成物を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式
【化2】 [式中、R1 は炭素数1〜18のアルキル基を示し、a
は5〜70の整数を示し、またR2 は炭素数2〜4のア
ルキレン基を示し、かつ一分子中の(R2 がエチレン基
である−OR2 −基の数)/aの比率(以下αとする)
が0〜0.8である]で表わされ、流動点が−10℃以
下で、100℃における動粘度が5〜(30+100
α)cStであり、数平均分子量が300以上2000
未満で、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比(Mw/Mn)が1.00〜1.20であ
るポリオキシアルキレングリコールモノエーテルを基油
ととすることを特徴とする、1,1,1,2−テトラフ
ルオロエタンを冷媒として使用するカーエアコン用冷凍
機油組成物を提供するものである。
は5〜70の整数を示し、またR2 は炭素数2〜4のア
ルキレン基を示し、かつ一分子中の(R2 がエチレン基
である−OR2 −基の数)/aの比率(以下αとする)
が0〜0.8である]で表わされ、流動点が−10℃以
下で、100℃における動粘度が5〜(30+100
α)cStであり、数平均分子量が300以上2000
未満で、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比(Mw/Mn)が1.00〜1.20であ
るポリオキシアルキレングリコールモノエーテルを基油
ととすることを特徴とする、1,1,1,2−テトラフ
ルオロエタンを冷媒として使用するカーエアコン用冷凍
機油組成物を提供するものである。
【0016】以下、本発明の内容をより詳細に説明す
る。本発明の冷凍機油組成物の基油は、[I]一般式
る。本発明の冷凍機油組成物の基油は、[I]一般式
【化3】 で表わされるポリオキシアルキレングリコールモノエー
テルである。式中、R1は炭素数1〜18の直鎖あるい
は分枝状のアルキル基を示し、aは5〜70となる整数
をそれぞれ示している。またR2 は炭素数2〜4のアル
キレン基を示している。R1 としては具体的には例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル
基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル
基、ヘプタデシル基、オクタデシル基などが挙げられ、
その中でもメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
オクタデシル基がより好ましい。
テルである。式中、R1は炭素数1〜18の直鎖あるい
は分枝状のアルキル基を示し、aは5〜70となる整数
をそれぞれ示している。またR2 は炭素数2〜4のアル
キレン基を示している。R1 としては具体的には例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル
基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル
基、ヘプタデシル基、オクタデシル基などが挙げられ、
その中でもメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
オクタデシル基がより好ましい。
【0017】またR2 としては、具体的には例えば、
【化3】 などが挙げられ、その中でもエチレン基、プロピレン
基、ブチレン基、テトラメチレン基がより好ましい。
基、ブチレン基、テトラメチレン基がより好ましい。
【0018】さらに本発明におけるポリオキシアルキレ
ングリコールモノエーテルにおいては一分子中に炭素数
が異なるアルキレン基が存在しても良く、すなわち炭素
数が異なるオキシアルキレン基がランダム共重合または
ブロック共重合したものであってもよいが、一分子中の
(R2 がエチレン基である−OR2 −基の数)/aの比
率(α)が0〜0.8であることが必要である。αの値
が0.8を超える場合には、冷凍機油が常温で固体とな
ってしまうか、またはその流動点が高くなってしまうた
め好ましくない。
ングリコールモノエーテルにおいては一分子中に炭素数
が異なるアルキレン基が存在しても良く、すなわち炭素
数が異なるオキシアルキレン基がランダム共重合または
ブロック共重合したものであってもよいが、一分子中の
(R2 がエチレン基である−OR2 −基の数)/aの比
率(α)が0〜0.8であることが必要である。αの値
が0.8を超える場合には、冷凍機油が常温で固体とな
ってしまうか、またはその流動点が高くなってしまうた
め好ましくない。
【0019】また、本発明におけるポリオキシアルキレ
ングリコールモノエーテルは流動点が−10℃以下、好
ましくは−20〜−50℃であり、かつ100℃におけ
る動粘度が5〜(30+100α)cSt、好ましくは
8〜(30+100α)cStの範囲であることが必要
である。流動点が−10℃を超える場合は低温時に冷凍
システム内で冷凍機油が固化する恐れがあるため好まし
くない。また100℃における動粘度が5cSt未満の
場合は圧縮機の密封性を保つことができなくなり、一方
動粘度が(30+100α)cStを超える場合には冷
媒である1,1,1,2−テトラフルオロエタンとの溶
解性が悪くなり、低温下で二層分離するためそれぞれ好
ましくない。
ングリコールモノエーテルは流動点が−10℃以下、好
ましくは−20〜−50℃であり、かつ100℃におけ
る動粘度が5〜(30+100α)cSt、好ましくは
8〜(30+100α)cStの範囲であることが必要
である。流動点が−10℃を超える場合は低温時に冷凍
システム内で冷凍機油が固化する恐れがあるため好まし
くない。また100℃における動粘度が5cSt未満の
場合は圧縮機の密封性を保つことができなくなり、一方
動粘度が(30+100α)cStを超える場合には冷
媒である1,1,1,2−テトラフルオロエタンとの溶
解性が悪くなり、低温下で二層分離するためそれぞれ好
ましくない。
【0020】また、本発明におけるポリオキシアルキレ
ングリコールモノエーテルとしては、圧縮機の密封性を
より向上させる点および高温下における冷媒との二層分
離温度を上昇させる点から、数平均分子量が300以
上、2000未満、好ましくは500以上、1500以
下のものであることが必要である。
ングリコールモノエーテルとしては、圧縮機の密封性を
より向上させる点および高温下における冷媒との二層分
離温度を上昇させる点から、数平均分子量が300以
上、2000未満、好ましくは500以上、1500以
下のものであることが必要である。
【0021】さらに、本発明におけるポリオキシアルキ
レングリコールモノエーテルとしては、重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
が1.00〜1.20であることが、高温下における冷
媒との二層分離温度をより上昇させる点から必要であ
る。
レングリコールモノエーテルとしては、重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
が1.00〜1.20であることが、高温下における冷
媒との二層分離温度をより上昇させる点から必要であ
る。
【0022】本発明のカーエアコン用冷凍機油組成物に
対して、その性能をさらに高めるため、必要に応じて従
来より公知の冷凍機油添加剤、例えばジ−tert−ブ
チル−p−クレゾールなどのフェノール系、フェニル−
α−ナフチルアミン、N,N’−ジ(2−ナフチル)−
p−フェニレンジアミンなどのアミン系の酸化防止剤、
ジチオリン酸亜鉛、塩素化パラフィン、脂肪酸、硫黄系
などの耐荷重添加剤、シリコーン系の消泡剤、ベンゾト
リアゾールなどの金属不活性化剤、グリシジルメタクリ
レート、亜りん酸エステル系などの塩化水素捕捉剤など
を単独で、または数種組み合わせて配合することも可能
である。
対して、その性能をさらに高めるため、必要に応じて従
来より公知の冷凍機油添加剤、例えばジ−tert−ブ
チル−p−クレゾールなどのフェノール系、フェニル−
α−ナフチルアミン、N,N’−ジ(2−ナフチル)−
p−フェニレンジアミンなどのアミン系の酸化防止剤、
ジチオリン酸亜鉛、塩素化パラフィン、脂肪酸、硫黄系
などの耐荷重添加剤、シリコーン系の消泡剤、ベンゾト
リアゾールなどの金属不活性化剤、グリシジルメタクリ
レート、亜りん酸エステル系などの塩化水素捕捉剤など
を単独で、または数種組み合わせて配合することも可能
である。
【0023】本発明の1,1,1,2−テトラフルオロ
エタンを冷媒として使用するカーエアコン用の冷凍機油
組成物は回転式(ロータリー式)の圧縮機を有するカー
エアコンに特に好ましく用いられるものであるが、その
他の往復動式や遠心式の圧縮機を有するカーエアコンに
も好ましく用いることができる。
エタンを冷媒として使用するカーエアコン用の冷凍機油
組成物は回転式(ロータリー式)の圧縮機を有するカー
エアコンに特に好ましく用いられるものであるが、その
他の往復動式や遠心式の圧縮機を有するカーエアコンに
も好ましく用いることができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明の内
容をより具体的に説明する。実施例1〜9および比較例1〜13 実施例および比較例に用いた冷凍機油の基油の性状を表
1〜2に示す。
容をより具体的に説明する。実施例1〜9および比較例1〜13 実施例および比較例に用いた冷凍機油の基油の性状を表
1〜2に示す。
【0025】本発明に係わる冷凍基油(実施例1〜9)
と冷媒との低温分離性を測定するために、冷媒である
1,1,1,2−テトラフルオロエタンに実施例1〜9
の基油を10、20、30、40、50および70重量
部配合した混合液をつくり、この混合液を室温から徐々
に冷却していき、混合液が白濁または二層に分離した時
の温度、すなわち低温側の二層分離温度を求めた。な
お、室温ですでに白濁あるいは二層分離している場合に
は、徐々に加熱して白濁あるいは二層分離がなくなった
温度を求め、これを低温側の二層分離温度とした。それ
らの結果を表3〜4に示した。
と冷媒との低温分離性を測定するために、冷媒である
1,1,1,2−テトラフルオロエタンに実施例1〜9
の基油を10、20、30、40、50および70重量
部配合した混合液をつくり、この混合液を室温から徐々
に冷却していき、混合液が白濁または二層に分離した時
の温度、すなわち低温側の二層分離温度を求めた。な
お、室温ですでに白濁あるいは二層分離している場合に
は、徐々に加熱して白濁あるいは二層分離がなくなった
温度を求め、これを低温側の二層分離温度とした。それ
らの結果を表3〜4に示した。
【0026】また本発明に係わる冷凍基油(実施例1〜
9)と冷媒との高温分離性を測定するために、上記と同
様の冷媒に実施例1〜9の基油を3、10および30重
量部配合した混合液をつくり、得られた混合液を室温か
ら徐々に加熱していき、混合液が白濁または二層に分離
した時の温度、すなわち高温側の二層分離温度も求め
た。なお、室温ですでに白濁あるいは二層分離している
場合には、徐々に冷却して白濁あるいは二層分離がなく
なった温度を求め、これを高温側の二層分離温度とし
た。それらの結果を表3〜4に示した。また比較のた
め、本発明の範囲外である比較例1〜13の基油につい
ても実施例1〜9と同様の方法で低温側の二層分離温度
を求めた。その結果も表3〜4に併記した。
9)と冷媒との高温分離性を測定するために、上記と同
様の冷媒に実施例1〜9の基油を3、10および30重
量部配合した混合液をつくり、得られた混合液を室温か
ら徐々に加熱していき、混合液が白濁または二層に分離
した時の温度、すなわち高温側の二層分離温度も求め
た。なお、室温ですでに白濁あるいは二層分離している
場合には、徐々に冷却して白濁あるいは二層分離がなく
なった温度を求め、これを高温側の二層分離温度とし
た。それらの結果を表3〜4に示した。また比較のた
め、本発明の範囲外である比較例1〜13の基油につい
ても実施例1〜9と同様の方法で低温側の二層分離温度
を求めた。その結果も表3〜4に併記した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】表3〜4の二層分離温度の結果から明らか
な通り、本発明に係わる実施例1〜9の冷凍基油は、冷
媒である1,1,1,2−テトラフルオロエタンと−2
0〜−30℃程度の低温においても非常に良好な相溶性
を示している。また、低温のみならず60〜80℃程度
の高温においても上記冷媒と非常に良い相溶性を示して
いる。それに対して比較例9〜11の鉱油やアルキルベ
ンゼン、およびポリグリコール油であっても比較例12
のようなジエーテル、および比較例13のようにモノエ
ーテルであっても本発明の粘度範囲以外のものの場合
は、低温下で、特に比較例9〜12においては常温です
ら冷媒と二層分離を起こしてしまい、実用に供すること
はできない。また、平均分子量またはMw/Mnが本発
明の範囲外である比較例1〜8などの濃度においても、
高温側の二層温度が実施例1〜9より劣るものである。
な通り、本発明に係わる実施例1〜9の冷凍基油は、冷
媒である1,1,1,2−テトラフルオロエタンと−2
0〜−30℃程度の低温においても非常に良好な相溶性
を示している。また、低温のみならず60〜80℃程度
の高温においても上記冷媒と非常に良い相溶性を示して
いる。それに対して比較例9〜11の鉱油やアルキルベ
ンゼン、およびポリグリコール油であっても比較例12
のようなジエーテル、および比較例13のようにモノエ
ーテルであっても本発明の粘度範囲以外のものの場合
は、低温下で、特に比較例9〜12においては常温です
ら冷媒と二層分離を起こしてしまい、実用に供すること
はできない。また、平均分子量またはMw/Mnが本発
明の範囲外である比較例1〜8などの濃度においても、
高温側の二層温度が実施例1〜9より劣るものである。
【0032】
【発明の効果】以上説明の如く、本発明の組成物は冷媒
として1,1,1,2−テトラフルオロエタンを用いる
カーエアコンに使用するのに適した、低温のみならず高
温において冷媒と分離せずさらに潤滑性、密封性および
安定性のよいカーエアコン用冷凍機油組成物である。
として1,1,1,2−テトラフルオロエタンを用いる
カーエアコンに使用するのに適した、低温のみならず高
温において冷媒と分離せずさらに潤滑性、密封性および
安定性のよいカーエアコン用冷凍機油組成物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 40:30 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10M 107/34 C10M 105/18 C10N 20:00 C10N 20:02 C10N 20:04 C10N 40:30
Claims (1)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 [式中、R1 は炭素数1〜18のアルキル基を示し、a
は5〜70の整数を示し、またR2 は炭素数2〜4のア
ルキレン基を示し、かつ一分子中の(R2 がエチレン基
である−OR2 −基の数)/aの比率(以下αとする)
が0〜0.8である]で表わされ、流動点が−10℃以
下で、100℃における動粘度が5〜(30+100
α)cStであり、数平均分子量が300以上2000
未満で、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比(Mw/Mn)が1.00〜1.20であ
るポリオキシアルキレングリコールモノエーテルを基油
ととすることを特徴とする、1,1,1,2−テトラフ
ルオロエタンを冷媒として使用するカーエアコン用冷凍
機油組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8219135A JP2785185B2 (ja) | 1988-04-22 | 1996-08-02 | カーエアコン用冷凍機油組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9837888 | 1988-04-22 | ||
JP63-98378 | 1988-04-22 | ||
JP8219135A JP2785185B2 (ja) | 1988-04-22 | 1996-08-02 | カーエアコン用冷凍機油組成物 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1038360A Division JP2595346B2 (ja) | 1988-04-06 | 1989-02-20 | カーエアコン用冷凍機油組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0920898A JPH0920898A (ja) | 1997-01-21 |
JP2785185B2 true JP2785185B2 (ja) | 1998-08-13 |
Family
ID=26439559
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8219135A Expired - Lifetime JP2785185B2 (ja) | 1988-04-22 | 1996-08-02 | カーエアコン用冷凍機油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2785185B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4092780B2 (ja) | 1997-10-17 | 2008-05-28 | ダイキン工業株式会社 | 冷凍・空調装置 |
JP2010085067A (ja) * | 2008-10-02 | 2010-04-15 | Denso Corp | 冷凍サイクル装置 |
JP6736910B2 (ja) * | 2016-02-25 | 2020-08-05 | ダイキン工業株式会社 | 冷凍装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0662977B2 (ja) * | 1988-04-08 | 1994-08-17 | 株式会社共石製品技術研究所 | フロン圧縮機用冷凍機油 |
-
1996
- 1996-08-02 JP JP8219135A patent/JP2785185B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0920898A (ja) | 1997-01-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2514090B2 (ja) | 冷凍冷蔵装置用潤滑油組成物 | |
US4948525A (en) | Lubricating oil compositions for refrigerators | |
EP0336171B1 (en) | Use of lubricating oil compositions for refrigerators | |
KR100859616B1 (ko) | 냉장고 윤활제 조성물 | |
US4971712A (en) | Compositions for compression refrigeration and methods of using them | |
KR100287584B1 (ko) | 냉동기유 조성물 | |
JP2595346B2 (ja) | カーエアコン用冷凍機油組成物 | |
US6106740A (en) | Non-azeotropic refrigerant composition of CO2, R-125, R-143a and R-22 | |
JPH0823030B2 (ja) | カーエアコン用冷凍機油組成物 | |
JPH0819430B2 (ja) | 冷凍冷蔵装置用冷凍機油組成物 | |
JPH01259093A (ja) | カーエアコン用フロン圧縮機用潤滑油 | |
EP1192240B1 (en) | Refrigerator lubricant composition comprising an aliphatic substituted naphthalene with carbon dioxide as refrigerant | |
JPH11511190A (ja) | 冷媒組成物 | |
JP2785185B2 (ja) | カーエアコン用冷凍機油組成物 | |
JPH08269473A (ja) | カーエアコン用冷凍機油組成物 | |
JPH11511192A (ja) | 冷媒組成物 | |
JP2595346C (ja) | ||
JPH0333193A (ja) | 冷凍機油 | |
JP2514090C (ja) | ||
JP2962677B2 (ja) | 冷凍装置 | |
JPH08259975A (ja) | 冷凍装置 | |
JPH08240362A (ja) | 冷凍装置 | |
JPH08239677A (ja) | 圧縮機 | |
JPH08240351A (ja) | 冷凍装置 | |
JPH05140571A (ja) | 圧縮式冷凍システムの潤滑方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090529 Year of fee payment: 11 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090529 Year of fee payment: 11 |