JP2581824B2 - 金属物品の製造法及びそれに用いる一方向凝固鋳型 - Google Patents
金属物品の製造法及びそれに用いる一方向凝固鋳型Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な一方向凝固金属物品の製造法及びそ
れに用いる一方向凝固鋳型に関する。
れに用いる一方向凝固鋳型に関する。
金属物品の単結晶は、粒界が無いことから、従来の普
通鋳造品には、みられない優れた特性を示すことが知ら
れている。その1つの例として、Ni基超合金の単結晶が
ある。Ni基超合金は高温特性、特に高温クリープ強度に
優れており、航空機用ジエツトエンジンの動翼として既
に使用されている。
通鋳造品には、みられない優れた特性を示すことが知ら
れている。その1つの例として、Ni基超合金の単結晶が
ある。Ni基超合金は高温特性、特に高温クリープ強度に
優れており、航空機用ジエツトエンジンの動翼として既
に使用されている。
また、もう一つの例として、ステンレス等の耐食合金
がある。オーステナイト系ステンレス鋼や、フエライト
とオーステナイトからなる2相ステンレス鋼は、耐応力
腐食割れ性が高い材料であるが、更に応力腐食割れ性を
高めるために、特開昭62−180038号に示すように単結晶
で使用しようとする状況にある。
がある。オーステナイト系ステンレス鋼や、フエライト
とオーステナイトからなる2相ステンレス鋼は、耐応力
腐食割れ性が高い材料であるが、更に応力腐食割れ性を
高めるために、特開昭62−180038号に示すように単結晶
で使用しようとする状況にある。
上記単結晶の大部分は、特開昭53−51102号,特公昭6
2−43777号,特開昭60−44168号に示される一方向凝固
法で製造されている。この方法は、加熱した炉の中から
鋳型を下方に引き出し、下端から上方に漸次凝固させる
方法である。
2−43777号,特開昭60−44168号に示される一方向凝固
法で製造されている。この方法は、加熱した炉の中から
鋳型を下方に引き出し、下端から上方に漸次凝固させる
方法である。
航空用ジエツトエンジンに用いられる動翼は長さが10
cm位でシヤンク部の横断面積も大きくて10cm2であり、
また本体の横方向に張り出したプラツトホームの突出寸
法も小さいため全体に小型であり、翼形状の鋳物を上記
方法で一方向凝固させることで、単結晶を製造すること
が可能であつた。また、ステンレス鋼等の耐食性に優れ
た材料も、単結晶の形は単純な丸棒や平板形状であり、
実際に使用する場合には、ボルトやフツク等の形状に機
械で加工していた。したがつて、耐食合金を上記方法で
一方向凝固させることで、単結晶を製造することが可能
であつた。
cm位でシヤンク部の横断面積も大きくて10cm2であり、
また本体の横方向に張り出したプラツトホームの突出寸
法も小さいため全体に小型であり、翼形状の鋳物を上記
方法で一方向凝固させることで、単結晶を製造すること
が可能であつた。また、ステンレス鋼等の耐食性に優れ
た材料も、単結晶の形は単純な丸棒や平板形状であり、
実際に使用する場合には、ボルトやフツク等の形状に機
械で加工していた。したがつて、耐食合金を上記方法で
一方向凝固させることで、単結晶を製造することが可能
であつた。
しかし、上記従来技術は、断面積15cm2以上ある大型
物品或いは、凝固進行に対して横方向に大きく張り出し
た部分を有する物品については配慮されておらず、横方
向に大きく張り出した部分を有する物品を従来と同じ方
法で一方向凝固を行つても、鋳物全体を単結晶化するこ
とができなかつた。この理由は以下のように考えられ
る。横方向に大きく張り出した部分があると一方向凝固
を行つても、横方向に張り出した部分では、鋳物の外周
部からも凝固が始まる。外周部から凝固した部分は、鋳
物本体とは全つたく関係なく凝固しているため、鋳物本
体の結晶方位とは異なつた結晶方位を持つことになる。
したがつて凝固が更に進み、両方の結晶がぶつかると、
その面が結晶粒界となり単結晶が得られない。
物品或いは、凝固進行に対して横方向に大きく張り出し
た部分を有する物品については配慮されておらず、横方
向に大きく張り出した部分を有する物品を従来と同じ方
法で一方向凝固を行つても、鋳物全体を単結晶化するこ
とができなかつた。この理由は以下のように考えられ
る。横方向に大きく張り出した部分があると一方向凝固
を行つても、横方向に張り出した部分では、鋳物の外周
部からも凝固が始まる。外周部から凝固した部分は、鋳
物本体とは全つたく関係なく凝固しているため、鋳物本
体の結晶方位とは異なつた結晶方位を持つことになる。
したがつて凝固が更に進み、両方の結晶がぶつかると、
その面が結晶粒界となり単結晶が得られない。
上記の理由により、横方向に大きく張り出した部分を
有する治具やボルト等の金属物品を全体にわたり単結晶
組織にすることはできなかつた。
有する治具やボルト等の金属物品を全体にわたり単結晶
組織にすることはできなかつた。
本発明の目的は、引つ張り強度,クリープ強度又は熱
や応力に対する耐疲労強度の優れた単結晶金属物品の製
造法及びその製造に用いる一方向凝固鋳型を提供するこ
とにある。
や応力に対する耐疲労強度の優れた単結晶金属物品の製
造法及びその製造に用いる一方向凝固鋳型を提供するこ
とにある。
本発明は、後述する製造法により、また一方向凝固鋳
型を用いることにより、凝固方向に対して垂直な断面に
おける断面積が異なる金属物品、特にその断面積が15cm
2以上である部分に該断面積より大きい断面積を有する
部分が一体に形成された金属物品において、該金属物品
の少なくともマトリツクス組織が単結晶であり、前記大
きい断面積を有する部分がそれより小さい断面積の部分
より後に凝固させた金属物品を得ることができる。
型を用いることにより、凝固方向に対して垂直な断面に
おける断面積が異なる金属物品、特にその断面積が15cm
2以上である部分に該断面積より大きい断面積を有する
部分が一体に形成された金属物品において、該金属物品
の少なくともマトリツクス組織が単結晶であり、前記大
きい断面積を有する部分がそれより小さい断面積の部分
より後に凝固させた金属物品を得ることができる。
前記大きい断面積を有する部分の突出したテーパ角が
10度以下であり、該突出距離が1cm以上であること、金
属物品はNiを主成分とするNi基合金又はオーステナイト
鋼であり、γ相が単結晶であること又は、フエライト又
はオーステナイト鋼であり、基地のフエライト又はオー
ステナイト相が単結晶であることが、好ましい。
10度以下であり、該突出距離が1cm以上であること、金
属物品はNiを主成分とするNi基合金又はオーステナイト
鋼であり、γ相が単結晶であること又は、フエライト又
はオーステナイト鋼であり、基地のフエライト又はオー
ステナイト相が単結晶であることが、好ましい。
本発明は螺子部と頭部を有するボルトにおいて、該ボ
ルトはNi基合金又はステンレス鋼よりなり、前記螺子部
より頭部に向つて一方向に凝固しており、γ相が単結晶
であるボルトを得ることができる。
ルトはNi基合金又はステンレス鋼よりなり、前記螺子部
より頭部に向つて一方向に凝固しており、γ相が単結晶
であるボルトを得ることができる。
本発明は第1の鋳型に該第1の鋳型の凝固方向に垂直
な断面の断面積より大きい断面積を有する第2の鋳型が
一体に形成されたメーン鋳型と、前記第1の鋳型と第2
の鋳型とに連通し前記メーン鋳型に対し別個に設けられ
たバイパス鋳型とを有することを特徴とする一方向凝固
鋳型にある。
な断面の断面積より大きい断面積を有する第2の鋳型が
一体に形成されたメーン鋳型と、前記第1の鋳型と第2
の鋳型とに連通し前記メーン鋳型に対し別個に設けられ
たバイパス鋳型とを有することを特徴とする一方向凝固
鋳型にある。
本発明は、第1の鋳型に該第1の鋳型の凝固方向に垂
直な断面の断面積より大きい断面積を有する第2の鋳型
が一体に形成されたメーン鋳型と、前記第1の鋳型と第
2の鋳型とに連通し前記メーン鋳型に対し別個に設けら
れたバイパス鋳型とを有し、前記メーン鋳型及びバイパ
ス鋳型を加熱炉に設置するとともに前記メーン鋳型とバ
イパス鋳型に金属の溶湯を注入し、前記メーン鋳型及び
バイパス鋳型を前記加熱炉で加熱保持しながら前記加熱
炉から徐々に引き出し該溶湯を前記第1の鋳型より第2
の鋳型に向って一方向凝固させることを特徴とする金属
物品の製造法にある。
直な断面の断面積より大きい断面積を有する第2の鋳型
が一体に形成されたメーン鋳型と、前記第1の鋳型と第
2の鋳型とに連通し前記メーン鋳型に対し別個に設けら
れたバイパス鋳型とを有し、前記メーン鋳型及びバイパ
ス鋳型を加熱炉に設置するとともに前記メーン鋳型とバ
イパス鋳型に金属の溶湯を注入し、前記メーン鋳型及び
バイパス鋳型を前記加熱炉で加熱保持しながら前記加熱
炉から徐々に引き出し該溶湯を前記第1の鋳型より第2
の鋳型に向って一方向凝固させることを特徴とする金属
物品の製造法にある。
本発明に係る製造法は、鋳造品本体と別個にバイパス
を設けた鋳型を用いてともに一方向凝固させるので、鋳
造品本体の結晶方位とバイパスを通じて凝固した断面積
が急激に大きくなる突起部分の結晶方位とが一致し、突
起を含めて全体が単結晶となる。
を設けた鋳型を用いてともに一方向凝固させるので、鋳
造品本体の結晶方位とバイパスを通じて凝固した断面積
が急激に大きくなる突起部分の結晶方位とが一致し、突
起を含めて全体が単結晶となる。
本発明に係る高強度金属物品は、断面積が15cm2以上
の部分にこれより断面積が大きくなる突起を有する大型
の複雑形状のものが単結晶組織が得られるため、異結晶
のもの同士の結晶粒界が存在するものより強度が向上す
る 本発明で用いられるオーステナイト鋼は重量%で、C
≦0.15,Si≦1.0,Mn≦2.0,Cr:15〜25,Ni:18〜30、残部が
Feのものが挙げられ、特にC<0.08,Si≦1.0,Mn≦2.0,C
r:16〜18.5,Ni:9〜15,Mo:1〜3がよい。フエライト+オ
ーステナイト鋼は重量%で、C≦0.15,Si≦1.0,Mn≦2.
0,Cr:15〜25,Ni:4〜12、残部がFeのものが挙げられる。
C量はいずれも0.001〜0.02%が好ましい。
の部分にこれより断面積が大きくなる突起を有する大型
の複雑形状のものが単結晶組織が得られるため、異結晶
のもの同士の結晶粒界が存在するものより強度が向上す
る 本発明で用いられるオーステナイト鋼は重量%で、C
≦0.15,Si≦1.0,Mn≦2.0,Cr:15〜25,Ni:18〜30、残部が
Feのものが挙げられ、特にC<0.08,Si≦1.0,Mn≦2.0,C
r:16〜18.5,Ni:9〜15,Mo:1〜3がよい。フエライト+オ
ーステナイト鋼は重量%で、C≦0.15,Si≦1.0,Mn≦2.
0,Cr:15〜25,Ni:4〜12、残部がFeのものが挙げられる。
C量はいずれも0.001〜0.02%が好ましい。
本発明は、これらの鋼にTi,Nb,Al,Zr,V,Ta,Wを各2%
以下、Mg,希土類元素を0.2%以下含有することができ
る。Ni基超合金では、重量%で、C0〜0.16%,Si0〜0.5
%,Mn0〜1.4%,Cr5〜30%,Co0〜30%,Mo0〜15%,W0〜15
%,Ti+Al1〜10%,残部Niが好ましい。更に、これにN
b,Zr,V,Ta,Hfを各5%以下、Mgを希土類元素を0.2%以
下含むことができる。
以下、Mg,希土類元素を0.2%以下含有することができ
る。Ni基超合金では、重量%で、C0〜0.16%,Si0〜0.5
%,Mn0〜1.4%,Cr5〜30%,Co0〜30%,Mo0〜15%,W0〜15
%,Ti+Al1〜10%,残部Niが好ましい。更に、これにN
b,Zr,V,Ta,Hfを各5%以下、Mgを希土類元素を0.2%以
下含むことができる。
本発明は、オーステナイト系,フエライト系,オース
テナイト+フエライト系ステンレス鋼を溶融し一方向か
ら凝固させること、又は更にその後均質化熱処理を施し
たオーステナイト相又はフエライト相が単結晶である鋼
によつて構造用部品を製造することにより達成される。
この場合、該ステンレス鋼の場合、溶融は、温度1500〜
1650℃,真空度3×10-3Torr以下または不活性ガス雰囲
気で行い、さらに一方向からの凝固は水冷チル上の鋳型
加熱炉内にセツトし、鋳型を1500〜1650℃に加熱後、上
記ステンレス鋼の溶湯を1500〜1650℃で鋳型に鋳込んで
数分保持した後、鋳型を鋳型加熱炉から徐々に引き出
す。この時の雰囲気は真空度2×10-3Torr以下または不
活性ガス中を採用し、凝固速度を1〜50cm/hで行う。そ
の後の均質化処理は1200〜1350℃で1回以上、例えば13
00℃で5h保持し続いて1100℃で1hアルゴンガス雰囲気で
保持した後水焼入れする方法によつて行われる。鋳造
後、鋳物本体からバイパス部分は切断される。
テナイト+フエライト系ステンレス鋼を溶融し一方向か
ら凝固させること、又は更にその後均質化熱処理を施し
たオーステナイト相又はフエライト相が単結晶である鋼
によつて構造用部品を製造することにより達成される。
この場合、該ステンレス鋼の場合、溶融は、温度1500〜
1650℃,真空度3×10-3Torr以下または不活性ガス雰囲
気で行い、さらに一方向からの凝固は水冷チル上の鋳型
加熱炉内にセツトし、鋳型を1500〜1650℃に加熱後、上
記ステンレス鋼の溶湯を1500〜1650℃で鋳型に鋳込んで
数分保持した後、鋳型を鋳型加熱炉から徐々に引き出
す。この時の雰囲気は真空度2×10-3Torr以下または不
活性ガス中を採用し、凝固速度を1〜50cm/hで行う。そ
の後の均質化処理は1200〜1350℃で1回以上、例えば13
00℃で5h保持し続いて1100℃で1hアルゴンガス雰囲気で
保持した後水焼入れする方法によつて行われる。鋳造
後、鋳物本体からバイパス部分は切断される。
実施例1 第1図は、第1表に示す組成(重量%)の合金からな
るM40の単結晶ボルトを示し、第2図は本発明の鋳型を
用いて、前記ボルトの製造方法の概略を示したものであ
る。
るM40の単結晶ボルトを示し、第2図は本発明の鋳型を
用いて、前記ボルトの製造方法の概略を示したものであ
る。
第2図において、最初、水冷銅チル1の上に本発明に
係る鋳型2を固定し、それを鋳型加熱ヒーター3の中に
セツトし、鋳型2を鋳造合金の融点以上に加熱する。次
に溶解した合金を鋳型2の中に鋳込み、その後水冷銅チ
ル1を下方に引き出し、一方向凝固させる。一方向凝固
させると、最初鋳型2下端のスタータ4では多くの結晶
が発生するが、360℃旋回させるセレクタ5を凝固が進
行する過程で1つの結晶に絞られ単結晶となる。更に拡
大部6で大きな単結晶と成り、鋳物のボルトネジ部7及
びボルト頭部8へと凝固が進行する。鋳造条件は第2表
のとおりである。セレクタ5は屈曲又はラセン状とする
ことにより得られるものである。
係る鋳型2を固定し、それを鋳型加熱ヒーター3の中に
セツトし、鋳型2を鋳造合金の融点以上に加熱する。次
に溶解した合金を鋳型2の中に鋳込み、その後水冷銅チ
ル1を下方に引き出し、一方向凝固させる。一方向凝固
させると、最初鋳型2下端のスタータ4では多くの結晶
が発生するが、360℃旋回させるセレクタ5を凝固が進
行する過程で1つの結晶に絞られ単結晶となる。更に拡
大部6で大きな単結晶と成り、鋳物のボルトネジ部7及
びボルト頭部8へと凝固が進行する。鋳造条件は第2表
のとおりである。セレクタ5は屈曲又はラセン状とする
ことにより得られるものである。
メーン鋳型2はネジ山を形成する部分を下方とし、ボ
ルト全体を垂直軸に対して15゜傾けた。そして、ボルト
頭部8の一番下端部分とボルト下方20mmの位置とを内径
4mmのバイパス鋳型9で接続した。
ルト全体を垂直軸に対して15゜傾けた。そして、ボルト
頭部8の一番下端部分とボルト下方20mmの位置とを内径
4mmのバイパス鋳型9で接続した。
鋳物本体を形成する鋳型の型部分と異なるバイパス9
の取り付け位置は、セレクタ法ではセレクタ5より上
方、種付法では種結晶より上方でボルト頭部の位置より
下方であれば、どこでも良いが、単結晶鋳造後、そのバ
イパス部分を除去する必要があるので、セレクタ5又は
種結晶より上方で鋳物本体部すなわち、第2図で言えば
ボルトネジ部7より下方の拡大部6の位置が望ましい。
の取り付け位置は、セレクタ法ではセレクタ5より上
方、種付法では種結晶より上方でボルト頭部の位置より
下方であれば、どこでも良いが、単結晶鋳造後、そのバ
イパス部分を除去する必要があるので、セレクタ5又は
種結晶より上方で鋳物本体部すなわち、第2図で言えば
ボルトネジ部7より下方の拡大部6の位置が望ましい。
従来の方法では、ボルト頭部8で形状が拡大するとき
に別な結晶が発生し、ボルト形状の単結晶が製造できな
かつたが、本発明の方法により、ボルト形状の単結晶が
容易に製造できた。
に別な結晶が発生し、ボルト形状の単結晶が製造できな
かつたが、本発明の方法により、ボルト形状の単結晶が
容易に製造できた。
本実施例で得られるボルトは軽水炉の上部格子板,炉
心支持板に用いられるボルトとして用いられる。
心支持板に用いられるボルトとして用いられる。
本実施例ではネジは機械加工で行つた。加工後焼鈍を
行うのがよい。
行うのがよい。
実施例2 実施例1と同じ一方向凝固法で、第3図に示す軽水炉
々心支持板に用いられるアイボルトを鋳造した。鋳造条
件及び合金組成は実施例1の第1表及び第2表と同じで
ある。
々心支持板に用いられるアイボルトを鋳造した。鋳造条
件及び合金組成は実施例1の第1表及び第2表と同じで
ある。
アイボルトの拡大部10とセレクタ5からアイボルト本
体11への拡大部6との間にバイパス9を90゜間隔で4本
設けた。バイパスの形状は直径3mmの線状である。
体11への拡大部6との間にバイパス9を90゜間隔で4本
設けた。バイパスの形状は直径3mmの線状である。
本発明の方法により、アイボルト拡大部10で多結晶化
することなく単結晶が得られた。
することなく単結晶が得られた。
バイパス鋳型9の数は、2本以上が好ましいが、通常
は四方から凝固させるために4本程度が良い。また1本
でも良いが、この場合には実施例1で示したように、本
体をバイパス鋳型がある方にやや傾ける。拡大部10の一
番下方に接続する必要がある。
は四方から凝固させるために4本程度が良い。また1本
でも良いが、この場合には実施例1で示したように、本
体をバイパス鋳型がある方にやや傾ける。拡大部10の一
番下方に接続する必要がある。
実施例3 Ni基合金として、重量で6.5%Cr−4.3%Mo−7.3%W
−5.1%Al−7.3%Ta残部Niを用いて、厚さ10mmのT字型
の平面物品を鋳造した。従来は、横方向に張り出した部
分で単結晶成長しなかつたため、第4図に示した如く拡
大部12にテーパ角13を設け、単結晶成長後機械加工する
必要があつた。第5図は凝固速度を10cm/hとしたときの
テーパ角θと単結晶成長する張出し部の距離との関係を
示すが、テーパ角θが約10゜以内で、横方向への張出し
距離が1cm以上では、単結晶成長させることができなか
つた。このようなT字型鋳物14を第6図に示す鋳型2を
用いて第2表と同条件で一方向凝固を行うことにより、
テーパ角をつけることなく、単結晶成長させることがで
きた。このような具体的な製品として第7図に示すジエ
ツトエンジン用ブレードがあり、翼部15側より一方向に
凝固させるとともにプラツトフオーム16に対してバイパ
ス鋳型を設けプラツトフオーム16の翼部側と外側とから
同時に凝固させ、次いでシヤンク7及びダブテイル8へ
と凝固させることによつて単結晶ブレードが製造でき
る。
−5.1%Al−7.3%Ta残部Niを用いて、厚さ10mmのT字型
の平面物品を鋳造した。従来は、横方向に張り出した部
分で単結晶成長しなかつたため、第4図に示した如く拡
大部12にテーパ角13を設け、単結晶成長後機械加工する
必要があつた。第5図は凝固速度を10cm/hとしたときの
テーパ角θと単結晶成長する張出し部の距離との関係を
示すが、テーパ角θが約10゜以内で、横方向への張出し
距離が1cm以上では、単結晶成長させることができなか
つた。このようなT字型鋳物14を第6図に示す鋳型2を
用いて第2表と同条件で一方向凝固を行うことにより、
テーパ角をつけることなく、単結晶成長させることがで
きた。このような具体的な製品として第7図に示すジエ
ツトエンジン用ブレードがあり、翼部15側より一方向に
凝固させるとともにプラツトフオーム16に対してバイパ
ス鋳型を設けプラツトフオーム16の翼部側と外側とから
同時に凝固させ、次いでシヤンク7及びダブテイル8へ
と凝固させることによつて単結晶ブレードが製造でき
る。
実施例4 重量で、C0.08%以下,Cr14〜20%,Fe10%以下,Al0.4
〜1.0%,Ti2〜3%,Nb0.5〜1.5%,残部Niよりなる合金
組成を有するものの一例として、C0.02%,Cr15.6%,Fe
8.0%,Ti2.5%,Al0.8%,Nb1.0%,Cu0.3%,残部Niより
なる実施例1に示す方法により原子炉炉心に使用される
ボルトを製造した。鋳造のままの組織は大きな共晶γ′
相が形成されているが、これを1,200〜1,350℃×2〜10
hで溶体化処理し、単結晶のγ相とし、次いで650〜750
℃で時効処理することにより微細なγ′相を析出させ強
化した。本実施例によるものは耐応力腐食割れ性に優
れ、0.2%耐力70kg/mm2以上、伸び率20%以上有するす
ぐれたものであつた。
〜1.0%,Ti2〜3%,Nb0.5〜1.5%,残部Niよりなる合金
組成を有するものの一例として、C0.02%,Cr15.6%,Fe
8.0%,Ti2.5%,Al0.8%,Nb1.0%,Cu0.3%,残部Niより
なる実施例1に示す方法により原子炉炉心に使用される
ボルトを製造した。鋳造のままの組織は大きな共晶γ′
相が形成されているが、これを1,200〜1,350℃×2〜10
hで溶体化処理し、単結晶のγ相とし、次いで650〜750
℃で時効処理することにより微細なγ′相を析出させ強
化した。本実施例によるものは耐応力腐食割れ性に優
れ、0.2%耐力70kg/mm2以上、伸び率20%以上有するす
ぐれたものであつた。
本実施例においてはネジは機械加工によつて形成させ
たが、鋳造によつて得ることが表面に残留応力を形成さ
せない点で好ましい。加工後は焼鈍を行うのがよい。
たが、鋳造によつて得ることが表面に残留応力を形成さ
せない点で好ましい。加工後は焼鈍を行うのがよい。
本発明によれば、凝固進行方向に対して横方向への張
り出し部の結晶方位を、鋳物本体の結晶方位と同じにす
ることができるので、大型の単結晶金属物品を効率よく
製造することができる。
り出し部の結晶方位を、鋳物本体の結晶方位と同じにす
ることができるので、大型の単結晶金属物品を効率よく
製造することができる。
また、本発明によって得られる一方向凝固金属物品は
高強度ボルト等に用いることができ、強度が向上してい
る。
高強度ボルト等に用いることができ、強度が向上してい
る。
また本発明による鋳造品の製造方法によれば、従来の
鋳造法では製造できなかつた複雑形状な部材の単結晶化
も容易である。その場合、鋳造材料は、鉄,コバルト,
ステンレス,アルミニウム,銅など溶解可能な材料であ
れば全て適用できる。
鋳造法では製造できなかつた複雑形状な部材の単結晶化
も容易である。その場合、鋳造材料は、鉄,コバルト,
ステンレス,アルミニウム,銅など溶解可能な材料であ
れば全て適用できる。
第1図は本発明に係る単結晶ボルトの平面図、第2図は
第1図のボルトの製造方法を示す鋳型の断面図、第3図
は実施例で製造したアイボルトのバイパスを付けた説明
図、第4図はT字型金属物品の正面図、第5図はテーパ
面と張り出し距離と結晶組織との関係を示す図、第6図
はT字型金属物品を鋳造する方法を示す鋳型の縦断面
図、第7図はジエツトエンジン用ブレードの斜視図であ
る。 2……メーン鋳型、8……ボルト頭部、9……バイパス
鋳型、10……アイボルト拡大部。
第1図のボルトの製造方法を示す鋳型の断面図、第3図
は実施例で製造したアイボルトのバイパスを付けた説明
図、第4図はT字型金属物品の正面図、第5図はテーパ
面と張り出し距離と結晶組織との関係を示す図、第6図
はT字型金属物品を鋳造する方法を示す鋳型の縦断面
図、第7図はジエツトエンジン用ブレードの斜視図であ
る。 2……メーン鋳型、8……ボルト頭部、9……バイパス
鋳型、10……アイボルト拡大部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 年旦 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 加藤 隆彦 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−180029(JP,A) 特開 昭62−180037(JP,A) 特開 昭62−180038(JP,A) 特開 昭59−85360(JP,A) 特開 昭59−207895(JP,A) 特開 昭59−54695(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】第1の鋳型に該第1の鋳型の凝固方向に垂
直な断面の断面積より大きい断面積を有する第2の鋳型
が一体に形成されたメーン鋳型と、前記第1の鋳型と第
2の鋳型とに連通し前記メーン鋳型に対し別個に設けら
れたバイパス鋳型とを有し、前記メーン鋳型及びバイパ
ス鋳型を加熱炉に設置するとともに前記メーン鋳型とバ
イパス鋳型に金属の溶湯を注入し、前記メーン鋳型及び
バイパス鋳型を前記加熱炉で加熱保持しながら前記加熱
炉から徐々に引き出すことによって前記溶湯を前記第1
の鋳型より第2の鋳型に向って一方向凝固させることを
特徴とする金属物品の製造法。 - 【請求項2】第1の鋳型に該第1の鋳型の凝固方向に垂
直な断面の断面積より大きい断面積を有する第2の鋳型
が一体に形成されたメーン鋳型と、前記第1の鋳型と第
2の鋳型とに連通し前記メーン鋳型に対し別個に設けら
れたバイパス鋳型とを有することを特徴とする一方向凝
固鋳型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2092227A JP2581824B2 (ja) | 1990-04-09 | 1990-04-09 | 金属物品の製造法及びそれに用いる一方向凝固鋳型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2092227A JP2581824B2 (ja) | 1990-04-09 | 1990-04-09 | 金属物品の製造法及びそれに用いる一方向凝固鋳型 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10492096A Division JP2820114B2 (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 単結晶金属物品及びその用途 |
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2092227A Expired - Fee Related JP2581824B2 (ja) | 1990-04-09 | 1990-04-09 | 金属物品の製造法及びそれに用いる一方向凝固鋳型 |
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JPS62180029A (ja) * | 1986-02-03 | 1987-08-07 | Daido Steel Co Ltd | 応力腐食割れ特性に優れた単結晶ボルト用高強度Ni基超合金 |
JPS62180037A (ja) * | 1986-02-03 | 1987-08-07 | Daido Steel Co Ltd | 耐応力腐食割れ性に優れたオ−ステナイト系合金 |
-
1990
- 1990-04-09 JP JP2092227A patent/JP2581824B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH03291333A (ja) | 1991-12-20 |
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