[go: up one dir, main page]

JP2577246B2 - 加工耐食性の優れた塗装下地用表面処理鋼板の製造方法 - Google Patents

加工耐食性の優れた塗装下地用表面処理鋼板の製造方法

Info

Publication number
JP2577246B2
JP2577246B2 JP11357088A JP11357088A JP2577246B2 JP 2577246 B2 JP2577246 B2 JP 2577246B2 JP 11357088 A JP11357088 A JP 11357088A JP 11357088 A JP11357088 A JP 11357088A JP 2577246 B2 JP2577246 B2 JP 2577246B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amount
steel sheet
plating
corrosion resistance
heat treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11357088A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01287280A (ja
Inventor
宏明 河村
芳樹 武居
恒夫 乾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Kohan Co Ltd
Original Assignee
Toyo Kohan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Kohan Co Ltd filed Critical Toyo Kohan Co Ltd
Priority to JP11357088A priority Critical patent/JP2577246B2/ja
Publication of JPH01287280A publication Critical patent/JPH01287280A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2577246B2 publication Critical patent/JP2577246B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は絞りしごき缶(Drawn & Ironed Can、DI
缶)、絞り再絞り缶(Drawn & Redrawn Can、DRD缶)
絞り缶および缶蓋など厳しい加工を受ける缶用素材とし
て適した加工耐食性の優れた塗装下地用表面処理鋼板の
製造方法に関する。
[従来の技術] Snめっき鋼板、いわゆるぶりきは飲料缶用のDI缶素材
として広く使用されている。飲料缶用のぶりきDI缶は成
形加工後、成形に用いた潤滑油を脱脂し、リン酸塩処理
などを施し、水洗乾燥後、缶内面には2回のスプレー塗
装が施されている。近年、飲料缶の分野にはアルミニウ
ムの進出が著しく、ぶりきDI缶に対するコストダウンの
要求が激しい。そのため、ぶりきに使用する鋼板の板厚
減少およびSnめっき量の減少などが検討されているが、
これらの対策ではぶりきの絞りしごき加工性を低下さ
せ、かつ、DI缶成形加工後の缶胴の鋼板素地の露出面積
が増加し、塗装後の飲料に対する耐食性を低下させるこ
とになり、2回施されているスプレー塗装をアルミニウ
ムDI缶のように1回にすることもできず、ぶりきDI缶の
コストダウンは鋼板自体のコストダウンに頼っているの
が現状である。一方、上層がクロム水和酸化物層、下層
が金属Cr層の二層構造の皮膜で被覆された鋼板、いわゆ
るティン・フリー・スチール(Tin Free Steel、TFS)
は魚肉缶用のDRD缶として使用されている。DRD缶はTFS
の内外面に塗装、印刷した後、絞り再絞り加工によって
成形される。したがって用いるTFSには塗布した塗料の
優れた加工密着性が要求され、さらに塗装後、これらの
食品に対する優れた耐食性も要求されている。市販のTF
Sは優れた塗料密着性は有しているが、塗装後の耐食性
が十分とはいえず、限定された食品用に使用されている
のが現状である。すなわち、ぶりきDI缶およびTFSのDRD
缶における問題点は塗装後の耐食性にあることは共通し
ている。耐食性を改良する一方法として、製鋼時にCrな
どを添加する方法(特開昭61-6293、特開昭62-3089
6)、鋼板表面にNiめっきを施し、熱処理によって鋼板
にNi拡散層を形成させる方法(特開昭57-200592、特開
昭60-155685)、鋼板表面にSnめっきあるいは、Sn-Ni合
金めっきを施し、熱処理によって鋼板にSnあるいはSnと
Niの拡散層を形成させる方法(特開昭60-5894、特開昭6
0-89594)、また、Crを先にめっきし、その上にNiをめ
っきして熱処理を施し、CrとNiを鋼中に拡散させる方法
が検討されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
特開昭62-30896などに示される製鋼時にCrを添加する
方法は鋼板自体の耐食性を改善するが、Cr添加による鋼
板のコストアップだけでなく、熱間圧延後の脱スケール
性、Snなどのめっき性、製缶加工製などに問題を生じ、
安価なぶりき、TFSの素地鋼板に適した素材といいがた
い。また、特開昭57-200592などに示されるNiを鋼板表
面に拡散させた素地鋼板を用いたぶりき、TFSは加工を
受けるとNi拡散層にクラックが入りやすく、この状態で
果汁などの飲料中に浸せきされると、Ni拡散層の割れ目
に露出している鋼は、Ni拡散層のカソードによってアノ
ード溶解を起こしやすく、孔食の危険性がある。さら
に、特開昭60-5894、特開昭60-89594に示される、Snあ
るいはSnとNiの拡散層を形成させる方法はSnのみでは十
分な耐食性を示さず、また、SnとNiを拡散させたものは
未加工時には耐食性は改善されるものの加工した場合、
Niを拡散させた鋼板と同様に飲料中でSn、Ni拡散層の割
れ目に露出している鋼はアノード溶解を起こしやすく、
缶用表面処理鋼板の素地鋼板として十分なものでない。
また、Cr、Niを鋼中に拡散させる目的は同一であって
も、手法の異なる方法として、Crめっきを施した後、Ni
めっきを施し、熱拡散させる方法は、製造方法も簡単
で、また、Crの拡散率も高い。しかし、2ステップ法で
あるために、設備費、保全費が高くなる欠点に加え、現
状ラインに組込む場合、スペースが取れないことも起こ
りうる。これらの問題点を解決し、安価で、特に加工耐
食性に対して効果があり、かつ冷間圧延以降の工程にお
いて特別な問題点を生じない製缶用表面処理鋼板の製造
方法について、表面処理される素地鋼板の面から種々検
討を重ねた結果、本発明に至ったものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は主として冷間圧延、電解クリーニング後の鋼
板表面にCr-Ni合金めっきを施した後、鉄の非酸化性雰
囲気中で熱処理を施し、鋼板の表面層にCr、Niの熱処理
拡散層を形成させた後、SnめっきあるいはTFS処理を施
した加工後の耐食性に優れた塗装下地用表面処理鋼板を
提供することにある。特に、Snめっきした本発明の表面
処理鋼板はぶりきDI缶用材料として、TFS処理した本発
明の表面処理鋼板は塗装後加工されるDRD缶用材料とし
て適した缶用材料である。
以下、本発明の方法について具体的に説明する。冷間
圧延、電解クリーニング後の鋼板表面にCr量3〜150mg/
m2、Ni量20〜500mg/m2、かつCr/Niの重量比が0.05〜0.2
0であるCr-Ni合金めっきを施した後、鉄の非酸化性雰囲
気中で熱処理を施し、鋼板の表層にめっきしたNi量の95
%以上およびめっきしたCr量の1mg/m2以上を含む熱処理
拡散層を形成させた鋼板上に公知の方法で1.5〜5.6g/m2
のSnめっきを施すか、あるいは公知の1ステップ法また
は2ステップ法によりTFS処理を施し、上層がCrとして
2〜30mg/m2のクロム水和酸化物層、下層が30〜200mg/m
2の金属CrからなるTFS処理皮膜を形成させるものであ
る。まず、冷間圧延、電解クリーニング後の鋼板に施さ
れるCr-Ni合金めっきについて説明する。Cr-Ni合金めっ
き中のCr量が3mg/m2以下であると、熱処理後施されるSn
めっきあるいはTFS処理に支障をきたすことはないが、
熱処理によって1mg/m2以上のCrを鋼板表層に拡散させる
ことができず、素地鋼板にSnめっきあるいはTES処理を
施しても、本発明の目的とする加工耐食性の優れた塗装
下地用表面処理鋼板は得られない。金属Crは非常に酸化
されやすく、めっきされたCrの一部は鉄の非酸化性雰囲
気中での熱処理によって酸化Crになる。めっきされたCr
はこのように自己酸化して鉄の酸化を防ぐとともに、鋼
板中に含まれるCの表面濃化を防止するが、そのままで
は耐食性を改良する効果も少なく、さらに、その後施さ
れるTFS処理時にTFS処理皮膜の均一性およびTFS処理皮
膜の析出効率を悪くする。酸化Crは小量の場合TFS処理
の前に施される電解クリーニングで容易に除去でき、結
果的には素地鋼板表面の清浄化に寄与しているが、Cr-N
i合金めっき中のCr量が150mg/m2以上であると、そのま
ま使用する場合、耐錆性は改良されるが、熱処理時に形
成される酸化Crの量も増加し、電解クリーニング後も残
存し、SnめっきあるいはTFS処理時に支障をきたすので
好ましくない。したがって、Cr-Ni合金めっき中のCr量
は3〜150mg/m2の範囲が好ましいが、より好ましくは10
〜70mg/m2の範囲である。Cr-Ni合金めっき中のNiは鉄の
非酸化性雰囲気中での熱処理によって鋼板中へ容易に拡
散する元素であり、Cr-Ni合金めっき中のNi量が20mg/m2
以下であると、本発明の目的とする加工耐食性の優れた
塗装下地用表面処理鋼板は得られず、またNi量が500mg/
m2以上であると、熱処理後でさえ鋼板表面に金属Niとし
て残存し、鋼板の孔食を促進する危険性がある。したが
って、Cr-Ni合金めっき中のNi量は20〜500mg/m2の範
囲、より好ましくは50〜200mg/m2の範囲が本発明におい
て適している。さらに、Cr-Ni合金めっき中のCr/Niの重
量比も、本発明において非常に重要な要因である。すな
わち、Cr-Ni合金めっきにおいてCr/Niの重量比が0.05以
下であると、熱処理拡散層を形成後、Snめっきあるいは
TFS処理を施した後、塗装加工した時、耐食性は改良さ
れず、また、その比が0.20以上であると、鋼板自体の耐
食性はいくらか改良されるが、熱処理拡散層上にCrの酸
化物が残りやすくなり、その後施されるSnめっきあるい
はTFS処理で形成される皮膜の均一性を低下させるので
好ましくない。したがって、熱処理拡散層中のCr/Niの
重量比は0.05〜0.20の範囲が好ましい。
このCr-Ni合金めっきには、硫酸塩浴、塩化物浴、硫
酸塩−塩化物混合浴が浴管理、薬品コストなどの点で適
している。Cr/Niの重量比が0.05〜0.20であるCr-Ni合金
めっきは第1図に示すようにCr-Ni合金めっき浴中の三
価クロムイオンとニッケルイオンの濃度比(Cr3+/N
i2+)を0.45〜1.50の保ち、緩衝剤としてホウ酸、クエ
ン酸ソーダなどを添加し、pHを1.8〜3.5に、浴温度を30
〜60℃にコントロールし、第2図に示すように、20〜60
A/dm2の電流密度で電解することによって得られる。ク
ロム塩には硫酸クロム、硫酸クロムカリウム、硫酸クロ
ムアンモニウムまたは塩化クロムなどが、ニッケル塩に
は硫酸ニッケル、塩化ニッケルなどを用いればよい。本
発明の方法はCr-Ni合金めっき後、鉄の非酸化性雰囲気
中で熱処理が施されるが、本発明の方法で得られる表面
処理鋼板はDI缶、DRD缶などの素材であり、優れた加工
耐食性のほかに、製缶性のよい機械的特性も兼ね備えて
いることが必須の条件である。したがって、通常のぶり
きおよびTFSなどの缶用鋼板の素地鋼板と同様な熱処理
条件を施すことによって、鋼板表層にCr、Niの熱処理拡
散層を形成させることが本発明の前提である。すなわ
ち、例えば、水素6%、窒素94%の鉄の非酸化性雰囲気
中で500〜750℃の温度で15〜30000秒間の熱処理を施す
ことによって、めっきしたNiの95%以上およびめっきし
たCrの1mg/m2以上を含む熱処理拡散層を鋼板表層に形成
させることが本発明において不可欠である。例えば、ぶ
りきなどの素地鋼板の製造工程である連続焼鈍の設備を
用い、めっきしたCrとNiを含む熱処理拡散層を形成させ
る場合、均熱時間が15〜60秒と短い。この熱処理条件で
は、めっきしたNiのほとんどは素地鋼板表層に拡散する
が、めっきしたCrの50%以上を拡散させることはむずか
しく、めっきしたCrの約5〜35%が拡散されるにすぎな
い。したがって、鋼板表層に拡散させようとするCr量の
少なくとも3倍程度のCr量を含むCr-Ni合金めっきを施
すことが必要である。めっきしたCrを十分拡散させるに
は、高温度で熱処理することが好ましいが、あまり高温
度で熱処理を施すと、鋼板の形状が悪くなったり、缶用
材料に要求される性質をもつ鋼板が得られないので、最
高温度は約750℃に限定される。箱型焼鈍炉を用い、熱
処理を施す場合は加熱時間が長いので、比較的低温で
も、めっきしたNiのみならず、めっきしたCrもかなり拡
散される。本発明の方法はこの熱処理後、通常のぶりき
およびTFSの製造と同様に調質圧延が施され、その後Sn
めっきあるいはTFS処理が施される。まず、Snめっきす
る方法について示す。Snめっきには通常のぶりきの製造
に用いられる公知のSnめっき浴を用いればよい。すなわ
ち、フェロスタン浴、ハロゲン浴などの浴が適してい
る。Snめっき量は1.5g/m2以下であると、絞り成形加工
性を低下させるだけでなく、成形加工後、塗装しても耐
食性が低下するので、好ましくない。Snめっき量の増加
とともに絞り成形加工性、耐食性は向上するので、Snめ
っき量が5.6g/m2以上でも特性上の問題はないが、経済
性の観点からSnめっき量の上限を5.6g/m2に限定した。S
nめっき後のSnの溶融処理はFe-Sn合金層の生成により金
属Sn量の減少をともない、DI缶成形加工性の点から好ま
しくないが、金属Sn量を約1.0g/m2以上確保すれば、Sn
の溶融処理を施しても成形加工性に特に支障をきたさな
いので、本発明の方法では、Snめっき後のSnの溶融処理
の有無は特に限定しない。その後、表面Snの酸化を防止
するため、一般に重クロム酸塩溶液を用いて処理される
が、陰極電解処理より浸漬処理の方がDI成形加工性の点
から好ましい。しかし、本発明のSnめっきした表面処理
鋼板を塗装後絞り加工する用途に用いる場合には、重ク
ロム酸塩溶液で処理する方法より少量の硫酸、ふっ素化
合物を含むクロム酸溶液中で陰極電解し、表層に金属Cr
とクロム水和酸化物からなる皮膜を形成する方法が好ま
しい。したがって、本発明の方法で得られるSnめっきし
た表面処理鋼板におけるSnめっき後のクロム酸処理方法
は用途により適当に選択すればよい。
つぎに、TFS処理する方法について示す。TFS処理には
二つの方法があることは公知である。一つは適量の硫
酸、ふっ素化合物を含む100g/l以下のクロム酸浴を用
い、金属Cr層とクロム水和酸化物層からなる皮膜を同時
に形成させる1ステップ法であり、他の一つは高濃度の
クロム酸浴を用いCrめっき後、低濃度のクロム酸浴をも
ちいクロム水和酸化物層を形成させる2ステップ法であ
る。本発明のTFS処理する表面処理鋼板の製造には、こ
の両者の方法を用いることができる。このTFS処理によ
って形成される二層皮膜の下層である金属Cr層が薄く、
例えばCr量として30mg/m2以下であると、たとえCr、Ni
の熱処理拡散層を鋼板の表層に形成させても、加工後の
耐食性は向上しない。また、金属Cr量の増加とともに耐
食性は向上するが、その量が200mg/m2以上となると、加
工時に金属Cr層にクラックが生じる危険性が増加し、量
の増加による効果が少ない。したがって、金属Cr量は30
〜200mg/m2の範囲が本発明において適している。上層の
クロム水和酸化物層の量はCr量として2〜30mg/m2の範
囲が適している。その量が2mg/m2以下であると、塗料の
加工密着性が低下し、塗装後加工し、さらに100℃以上
の温度の水蒸気でレトルト処理した時、塗膜が剥離する
ことがあり好ましくない。その量が30mg/m2以上になる
と、クロム水和酸化物層の着色が大になり、かつ塗装後
加工した後、金属Cr層とクロム水和酸化物層との界面で
剥離する危険性が増加するので好ましくない。Cr-Ni合
金めっき、熱処理後SnめっきあるいはTFS処理を施す本
発明の表面処理鋼板はすでに記したように優れた塗装下
地表面処理鋼板であるが、このようにSnめっき等の処理
を施す前のCr、Ni熱拡散処理層を有する表面処理鋼板も
優れた耐食性、塗料密着性をもっているので、厳しい耐
食性を要求しない用途には、塗装を施す缶用材料として
使用することが可能である。
[実施例] 以下、本発明を実施例で具体的に説明する。
実施例1 板厚0.28mmの冷延鋼板を4%オルソケイ酸ソーダ水溶
液中で、温度90℃、電流密度20A/dm2、電解時間5秒の
条件で、圧延油の脱脂処理を施し、水洗後、(イ)に示
す条件でCr-Ni合金めっきを施し、水洗乾燥した。この
試料を鉄の非酸化性雰囲気(水素6%、窒素94%)中で
温度640〜680℃で30秒の熱処理を施した。さらに2%の
調質圧延を施した後、(ロ)に示す条件でSnめっきを施
し、水洗後、温度40℃の3%重クロム酸ソーダ溶液中に
5秒浸漬し、水洗乾燥した。
(イ) Cr-Ni合金めっき条件 浴組成 Cr2(SO43・5H2O 80g/l NiCl2・6HO 80g/1 H3BO3 40g/l クエン酸ソーダ 40g/l pH 2.5 浴温度 50℃ 陰極電流密度 40A/dm2 Cr-Ni合金めっき中のCr量 6mg/m2 Cr-Ni合金めっき中のNi量 55mg/m2 (ロ) 熱処理、調質圧延後のSnめっき条件浴組成 SnSO4 60g/l フェノールスルホン酸(硫酸として) 15g/l エトキシ化α−ナフトール 5g/l 浴温度 45℃ 陰極電流密度 20A/dm2 Snめっき量 2.7g/m2 実施例2 実施例1と同様の冷延鋼板を実施例1と同様の前処理
を施した後、実施例1の(イ)に示す条件で電解時間を
かえてCr-Ni合金めっきを施し、水洗乾燥した。つい
で、実施例1と同じ非酸化性雰囲気中で、温度520〜560
℃で、8時間箱型焼鈍炉を用いて熱処理を施した。さら
に、2%の調質圧延を施し、実施例1の(ロ)に示す条
件で電解時間をかえて、Sn量4.5g/m2のSnめっきを施
し、実施例1と同じ条件でクロム酸処理を施した。
実施例3 実施例1と同様の冷延鋼板を実施例1と同様の前処理
を施し、実施例1の(イ)に示す条件でCr-Ni合金めっ
きを施し、水洗乾燥した。ついで、実施例1と同じ非酸
化性雰囲気中で、温度640〜680℃で20秒の熱処理を施し
た。さらに2%の調質圧延を施し、実施例1の(ロ)に
示す条件で電解時間をかえて、Sn量1.8g/m2のSnめっき
を施し、水洗後、実施例1と同じ条件でクロム酸処理を
施した。
比較例1 実施例1と同様な冷延鋼板を実施例1と同様な前処理
を施した後、Cr-Ni合金めっきを施さずに、実施例1と
同じ条件で熱処理を施した。ついで、2%の調質圧延を
施した後、実施例1の(ロ)に示す条件で電解時間をか
えてSn量4.5g/m2のSnめっきを施し、水洗後、実施例1
と同じ条件でクロム酸処理を施した。
実施例4 実施例1で得られたSnめっき前の試料に(イ)に示す
条件でTFS処理を施し、水洗乾燥した。
(イ) 熱処理、調質圧延後のTFS処理条件 浴組成 CrO3 60g/l NaF 3g/l H2SO4 0.3g/l 浴温度 55℃ 陰極電流密度 30A/dm2 形成された皮膜における金属Cr量 110mg/m2 形成された皮膜におけるクロム水和酸化物量(Crとし
て) 18mg/m2 実施例5 実施例2で得られたSnめっき前の試料に実施例4の
(イ)に示す条件で電解時間をかえてTFS処理を施し、
水洗乾燥した。
形成された皮膜における金属Cr量 75mg/m2 形成された皮膜におけるクロム水和酸化物量(Crとし
て) 8mg/m2 実施例6 実施例3で得られたSnめっき前の試料に(イ)に示す
条件でCrめっきを施し、水洗後、(ロ)に示す条件でク
ロム水和酸化物皮膜を形成させ、水洗乾燥した。
(イ) 熱処理、調質圧延後のCrめっき条件 浴組成 CrO3 180g/l Ns2SiF6 3.5g/l H2SO4 1.5g/l 浴温度 50℃ 陰極電流密度 40A/dm2 (ロ) クロム水和酸化物皮膜形成条件 浴組成 CrO3 30g/l NaF 1.2g/l 浴温度 40℃ 陰極電流密度 25A/dm2 両処理によって析出した金属Cr量は135mg/m2、クロム
水和酸化物量はCr量として15mg/m2であった。
比較例2 実施例1と同様な冷延鋼板を実施例1と同様な前処理
を施した後、Cr-Ni合金めっきを施さずに、実施例1と
同じ条件で熱処理を施した。ついで、2%の調質圧延を
施した後、実施例4の(イ)に示す条件でTFS処理を施
し、水洗乾燥した。
以上の方法で得られた試料の表面皮膜組成および熱処
理拡散層中Cr量、Ni量を次の(1)および(2)に示す
方法で測定後、実施例1〜実施例3および比較例1で得
られた試料は(3)に示す方法で、実施例4〜実施例6
および比較例2で得られたTFS処理した試料は(4)に
示す方法で加工耐食性を調査した。その結果を第1表に
示す。
(1) 熱処理拡散層中のCr量およびNi量の測定Snめっ
きあるいはTFS処理する前の試料の熱処理拡散層中のCr
量は試料の全Cr量を螢光X線法で測定後、1N NaOH溶液
中で、電流密度5A/dm2で、陽極電解、陰極電解をそれぞ
れ30秒行った後、残留したCr量を拡散したCr量とした。
拡散したNi量は試料の全Ni量を螢光X線法で測定後、光
電子分光計を用い、試料の表層からArスパッターした
時、NiとFeの面積強度比がNi/Fe>1のNiスパッター量
を未拡散Ni量とし、残りのNi量を拡散し たNi量とし、この両者からNiの拡散率を求めた。
(2) 熱処理、調質圧延後のSnめっき量、金属Cr量お
よびクロム水和酸化物量の測定 試料のSnめっき量は螢光X線法で測定した。また、試
料のクロム水和酸化物量は全Crを螢光X線法で測定後、
温度95℃の7.5N NaOH溶液に試料を1分浸漬し、水洗
後、再度Crを螢光X線法で測定し、その差をクロム水和
酸化物中のCr量とした。金属Cr量は7.5N NaOH溶液に浸
漬後、測定したCr量とTFS処理前に測定したCr量の差よ
り求めた。
(3) 熱処理、調質圧延後Snめっきした試料の加工耐
食性 試料を直径125mmの円板にポンチで打ち抜き、直径53m
m、高さ134mmのDI缶に成形加工を施し、弱アルカリ性の
溶液で潤滑油を除去し、水洗乾燥した。このDI缶にビー
ルをリパックした後、7日間室温で放置し、溶出Fe量を
原子吸光法で測定した。
(4) 熱処理、調質圧延後TFS処理した試料の加工耐
食性 試料表面に60mg/dm2(乾燥重量)のフェノール・エポ
キシ系塗料を塗布し、210℃で10分キュアーした後、ポ
ンチで直径80mmの円板に打ち抜き、塗装面を内面とし
て、絞り比2.0で絞り加工を施した。このカップに0.4%
CH3COOH溶液を30ml入れ、2週間室温で放置し、溶出Fe
量を原子吸光法で測定した。
[発明の効果] 本発明の方法で得られた表面処理鋼板、特にCr、Niを
含む熱処理拡散層の上にSn量1.5〜5.6g/m2のSnめっきを
施した表面処理鋼板はDI缶成形加工後の耐食性に優れ、
ぶりきのSnめっき量の低減に効果があり、通常のぶりき
に代わるDI缶用材料として使用可能である。さらに、Sn
めっき後、塗料密着性の優れたクロム酸処理と併用する
ことによって、塗装加工後の優れた材料ともなり、缶用
材料として広い用途に使用可能であり、産業上きわめて
有用なものである。またCr、Niを含む熱拡散処理層上に
TFS処理した表面処理鋼板も塗料の加工密着性が優れて
いるだけでなく、塗装加工後の耐食性が優れ、DRD缶な
どのような塗装後、絞り加工を施す缶用材料として非常
に優れた素材であり、用途の拡大が可能なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は一定条件下におけるCr-Ni合金めっき浴中のCr
3+/Ni2+比率に対するCr-Ni合金めっき中のCr/Ni重量比
率を示す線図である。 第2図は一定条件下におけるCr-Ni合金めっき時の陰極
電流密度に対する、Cr-Ni合金めっき中のCr/Ni重量比率
を示す線図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板表面に片面当り、Cr量が3〜150mg/
    m2、Ni量が20〜500mg/m2、かつCr/Niの重量比が0.05〜
    0.20であるCr-Ni合金めっきを施し、引き続き鉄の非酸
    化性雰囲気中で熱処理を施し、めっきしたNi量の95%以
    上およびめっきしたCr量の1mg/m2以上を含む熱拡散処理
    層を形成させ、該熱拡散処理層上に下層が30〜200mg/m2
    の金属Cr層、上層がCr量として2〜30mg/m2のクロム水
    和酸化物層からなる皮膜を形成させることを特徴とする
    加工耐食性の優れた塗装下地用表面処理鋼板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】鋼板表面に片面当り、Cr量が3〜150mg/
    m2、Ni量が20〜500mg/m2、かつCr/Niの重量比が0.05〜
    0.20であるCr-Ni合金めっきを施し、引き続き鉄の非酸
    化性雰囲気中で熱処理を施し、めっきしたNi量の95%以
    上およびめっきしたCr量の1mg/m2以上を含む熱処理拡散
    層を形成させ、該熱処理拡散層上に下層が1.5〜5.6g/m2
    のSnめっきを施したことを特徴とする加工耐食性の優れ
    た塗装下地用表面処理鋼板の製造方法。
JP11357088A 1988-05-12 1988-05-12 加工耐食性の優れた塗装下地用表面処理鋼板の製造方法 Expired - Fee Related JP2577246B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11357088A JP2577246B2 (ja) 1988-05-12 1988-05-12 加工耐食性の優れた塗装下地用表面処理鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11357088A JP2577246B2 (ja) 1988-05-12 1988-05-12 加工耐食性の優れた塗装下地用表面処理鋼板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01287280A JPH01287280A (ja) 1989-11-17
JP2577246B2 true JP2577246B2 (ja) 1997-01-29

Family

ID=14615597

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11357088A Expired - Fee Related JP2577246B2 (ja) 1988-05-12 1988-05-12 加工耐食性の優れた塗装下地用表面処理鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2577246B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107429378B (zh) * 2015-04-14 2019-12-03 日本制铁株式会社 镀覆钢板及其制造方法
KR102201135B1 (ko) * 2019-02-27 2021-01-12 주식회사 수영프리텍 내부식성 및 수명 향상을 위한 금속 체결구의 표면 도금방법
CN116555702A (zh) * 2023-04-24 2023-08-08 北方民族大学 一种高温合金表面金属陶瓷复合梯度涂层及制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01287280A (ja) 1989-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1102272A (en) Heating thin tin-plated steel sheet to form alloy and electrolytically treating with chromate
JP2577246B2 (ja) 加工耐食性の優れた塗装下地用表面処理鋼板の製造方法
JPH0154437B2 (ja)
KR100614025B1 (ko) 수지피복강판, 그것을 이용한 카트리지캡 및 카트리지몸통부
JPS6250554B2 (ja)
JPH0472091A (ja) 2ピース缶用表面処理鋼板及びその製造方法
JPS616293A (ja) 高耐食性snメツキ鋼板の製造法
JPH0649925B2 (ja) 耐食性の優れた製缶用めっき素地鋼板の製造方法
JPH0826477B2 (ja) 塗料密着性に優れたSn系多層めっき鋼板の製造法
JP2726008B2 (ja) 耐食性、溶接性と塗装密着性にすぐれた高性能Sn系多層メッキ鋼板
JPS6366399B2 (ja)
JP3124233B2 (ja) 耐糸錆性および耐塗膜下腐食性に優れた溶接缶用表面処理鋼板およびその製造方法
JPH0660387B2 (ja) 加工耐食性の優れた製缶用表面処理鋼板の製造方法
KR0146874B1 (ko) 고내식성을 갖는 아연-크롬/아연 합금이층도금강판의 제조방법
JPH0431039B2 (ja)
JPS5938315B2 (ja) 極薄鉄錫合金被覆鋼板の製造法
JPS60145380A (ja) 耐食性に優れたΝiメツキ鋼板
JPH01191772A (ja) 加工耐食性の優れた製缶用めっき素地鋼板の製造方法
JPH059780A (ja) 耐食性と外観に優れた容器用表面処理鋼板
JPS61104088A (ja) 耐食性、溶接性と塗装密着性にすぐれた高性能Sn系多層メツキ鋼板
JPS5989784A (ja) 塗装後の耐食性にすぐれた溶接缶用鋼板の製造方法
GB2148324A (en) Plated steel products
JPH0544078A (ja) 耐錆性と外観性の優れた容器用表面処理鋼板
JPS62256991A (ja) 溶接缶用表面処理鋼板の製造方法
JP2000008194A (ja) 錫系めっき鋼板の化学処理法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees