JP2548096B2 - カドミウムを含む廃水の処理方法 - Google Patents
カドミウムを含む廃水の処理方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は鉱山廃水や工場廃液のように、鉄、銅、
鉛、アルミニウムの外に、特に亜鉛やカドミウムを含む
廃水の合理的、経済的な処理方法に関する。
鉛、アルミニウムの外に、特に亜鉛やカドミウムを含む
廃水の合理的、経済的な処理方法に関する。
従来から、カドミウムを含む廃水の処理手段としては
種々の方法が利用されているが、中でも廃水中に苛性ソ
ーダや消石灰、或いは炭酸ソーダを相当量添加し、廃水
中の重金属を水酸化物として沈降分離する方法が最も一
般的であった。
種々の方法が利用されているが、中でも廃水中に苛性ソ
ーダや消石灰、或いは炭酸ソーダを相当量添加し、廃水
中の重金属を水酸化物として沈降分離する方法が最も一
般的であった。
しかしこの場合、カドミウムを排水基準の0.1mg/l以
下に保持するにはpHを10.5以上にする必要があったか
ら、上記苛性ソーダ、消石灰または炭酸ソーダ等の薬剤
費が高くなる上、pHを10.5とした処理水を排水基準のpH
8.6以下にするために逆中和が必要となり、その為の逆
中和設備の建設や硫酸など中和剤の消費が避けられなか
ったのである。
下に保持するにはpHを10.5以上にする必要があったか
ら、上記苛性ソーダ、消石灰または炭酸ソーダ等の薬剤
費が高くなる上、pHを10.5とした処理水を排水基準のpH
8.6以下にするために逆中和が必要となり、その為の逆
中和設備の建設や硫酸など中和剤の消費が避けられなか
ったのである。
更にこの処理法によれば、pH10.5で再溶解したアルミ
ニウム等がpH8.6に逆中和される際に析出し、その処理
等も必要となる他、沈澱した水酸化物の安定容積が極め
て大きく(40%)、いきおい脱水費用が嵩むなど種々の
問題点が見られたものである。
ニウム等がpH8.6に逆中和される際に析出し、その処理
等も必要となる他、沈澱した水酸化物の安定容積が極め
て大きく(40%)、いきおい脱水費用が嵩むなど種々の
問題点が見られたものである。
このような事情に鑑み、本発明者らは鋭意、実験研究
を重ねた結果、カドミウム等を含む重金属溶存廃水を、
まず炭酸カルシウムで中和することにより、廃液中に溶
存する鉄、銅、鉛、アルミニウムの略、全量および亜鉛
の大部分が沈降して液中から除かれると同時に、生成さ
れた沈澱物は、その安定容積が苛性ソーダ等の薬剤によ
る場合の澱物の安定容積の数分の1に止まり、脱水性が
極めて良好であるという事実を究明した。
を重ねた結果、カドミウム等を含む重金属溶存廃水を、
まず炭酸カルシウムで中和することにより、廃液中に溶
存する鉄、銅、鉛、アルミニウムの略、全量および亜鉛
の大部分が沈降して液中から除かれると同時に、生成さ
れた沈澱物は、その安定容積が苛性ソーダ等の薬剤によ
る場合の澱物の安定容積の数分の1に止まり、脱水性が
極めて良好であるという事実を究明した。
しかし上記中和液中には未だ亜鉛、カドミウムが残留
するので、その液中に更に苛性ソーダ等を加えてpH8〜
8.6にpH調整することにより、上記亜鉛の全量及びカド
ミウムの大部分を沈澱させ、なお該液中に残留する僅か
なカドミウムの除去に対しては、前記pH調整によって生
成した沈澱物を固液分離した上で、その上澄水中に少量
のキレート樹脂またはキレート剤を添加して、これを補
促するようにし、上記廃水のpH並びに溶存するすべての
重金属を排水基準以下に抑えた処理水を経済的に得るこ
とに成功したものである。
するので、その液中に更に苛性ソーダ等を加えてpH8〜
8.6にpH調整することにより、上記亜鉛の全量及びカド
ミウムの大部分を沈澱させ、なお該液中に残留する僅か
なカドミウムの除去に対しては、前記pH調整によって生
成した沈澱物を固液分離した上で、その上澄水中に少量
のキレート樹脂またはキレート剤を添加して、これを補
促するようにし、上記廃水のpH並びに溶存するすべての
重金属を排水基準以下に抑えた処理水を経済的に得るこ
とに成功したものである。
尚、この場合、pH調整後に固液分離された上澄水中の
カドミウムは極めて微量であるので、キレート剤の消費
は極めて少量である。
カドミウムは極めて微量であるので、キレート剤の消費
は極めて少量である。
以上要するに本発明の処理方法は、先ずカドミウムを
含む廃水を炭酸カルシウムによってpH6程度に中和し、
次に該中和液を苛性ソーダによってpH8〜8.6に調整す
る。
含む廃水を炭酸カルシウムによってpH6程度に中和し、
次に該中和液を苛性ソーダによってpH8〜8.6に調整す
る。
これによって生成された沈澱物を固液分離した後、そ
の上澄水中に僅かに残留するカドミウムをキレート剤等
によって補促することを特徴としたカドミウムを含む廃
水の処理方法である。
の上澄水中に僅かに残留するカドミウムをキレート剤等
によって補促することを特徴としたカドミウムを含む廃
水の処理方法である。
叙上の処理方法によれば、廃水中和の際、鉄、銅、
鉛、アルミニウム等の化合酸によって、その大部分が消
費されるアルカリ量を安価な炭酸カルシウムに置換し、
苛性ソーダ等のアルカリ剤を亜鉛とカドミウムの沈澱除
去に利用するようにしたことにより、主として薬剤価格
の低減並びに生成沈澱物の安定容積の減少を計り得ると
いう顕著な作用を奏するものである。
鉛、アルミニウム等の化合酸によって、その大部分が消
費されるアルカリ量を安価な炭酸カルシウムに置換し、
苛性ソーダ等のアルカリ剤を亜鉛とカドミウムの沈澱除
去に利用するようにしたことにより、主として薬剤価格
の低減並びに生成沈澱物の安定容積の減少を計り得ると
いう顕著な作用を奏するものである。
以下、本発明方法を一つの実施例に従って更に具体的
に述べと、使用した試験装置は容量16lの中和槽からな
る通常の曝気式中和装置であり、また処理原液としては
鉄20mg/l、銅250mg/l、アルミニウム230mg/l、亜鉛350m
g/lおよびカドミウム10mg/lを含むpH3.5の人工廃水を使
用した。
に述べと、使用した試験装置は容量16lの中和槽からな
る通常の曝気式中和装置であり、また処理原液としては
鉄20mg/l、銅250mg/l、アルミニウム230mg/l、亜鉛350m
g/lおよびカドミウム10mg/lを含むpH3.5の人工廃水を使
用した。
この処理原液10lを上記曝気式中和槽に投入し、先ず
炭カル粉2460mg/lを添加して12.6l/minの空気量で60分
間曝気攪拌してpH6.3とし(中和工程)、上記原液中に
溶存する鉄、銅、アルミニウムの大部分及び亜鉛の相当
量を沈澱させる。
炭カル粉2460mg/lを添加して12.6l/minの空気量で60分
間曝気攪拌してpH6.3とし(中和工程)、上記原液中に
溶存する鉄、銅、アルミニウムの大部分及び亜鉛の相当
量を沈澱させる。
次いで、上記沈澱物をそのまゝの状態で苛性ソーダ40
0mg/lを加えて10分間攪拌し、pHを8.44とした(pH調整
工程)。この場合、鉄、銅、アルミニウムは勿論、前記
中和工程で比較的多量に残存していた亜鉛のほゞ全量と
カドミウムの大部分の沈降が見られた。こゝで中和槽内
の固液を分離し、その沈澱物はこれを取り出して脱水後
棄却するのであるが、この場合の沈澱物の安定容積(24
時間後)は8%で前に述べた従来の一般的処理法による
最終沈澱物の安定容積40%に比較して5分の1の値とな
り、これにより脱水性の大幅な向上が期待出来るのであ
る。
0mg/lを加えて10分間攪拌し、pHを8.44とした(pH調整
工程)。この場合、鉄、銅、アルミニウムは勿論、前記
中和工程で比較的多量に残存していた亜鉛のほゞ全量と
カドミウムの大部分の沈降が見られた。こゝで中和槽内
の固液を分離し、その沈澱物はこれを取り出して脱水後
棄却するのであるが、この場合の沈澱物の安定容積(24
時間後)は8%で前に述べた従来の一般的処理法による
最終沈澱物の安定容積40%に比較して5分の1の値とな
り、これにより脱水性の大幅な向上が期待出来るのであ
る。
他方、上記固液分離によって得られた上澄水には、更
にキレート剤(例えば商標名「アロンキレートS−1」
東亜合成化学工業製)を5mg/l添加して5分間攪拌し
(キレート処理工程)、これを砂濾過槽を通して急速濾
過(濾過工程)したところ、該処理水のpH8.40、鉄0.01
mg/l、銅0.01mg/l、アルミニウム0.3mg/l、亜鉛0.11mg/
l、カドミウム0.006mg/lとなり、特にカドミウムの排水
基準0.1mg/lを大きく下廻る処理水を得たものである
(表−1参照)。
にキレート剤(例えば商標名「アロンキレートS−1」
東亜合成化学工業製)を5mg/l添加して5分間攪拌し
(キレート処理工程)、これを砂濾過槽を通して急速濾
過(濾過工程)したところ、該処理水のpH8.40、鉄0.01
mg/l、銅0.01mg/l、アルミニウム0.3mg/l、亜鉛0.11mg/
l、カドミウム0.006mg/lとなり、特にカドミウムの排水
基準0.1mg/lを大きく下廻る処理水を得たものである
(表−1参照)。
表−1 尚、上記実施例における試験結果を同一の人工原液を使
用して行った従来方法による試験結果と比較して上掲の
表−1に示す。
用して行った従来方法による試験結果と比較して上掲の
表−1に示す。
以上、本発明の方法によれば、中和澱物の安定容積が
従来法の数分の1と極めて小さく、その結果として脱水
性の良い沈澱物とすることが出来るので、脱水設備及び
脱水費が大幅に節減出来る。
従来法の数分の1と極めて小さく、その結果として脱水
性の良い沈澱物とすることが出来るので、脱水設備及び
脱水費が大幅に節減出来る。
更に又、大部分の中和を安価な炭酸カルシウムによる
低pH中和としたゝめ、逆中和を行わずに済むので従来方
法に比較して逆中和による酸の消費と、その際に生成さ
れるアルミニウム沈澱物の処理等を不要として、全体的
な沈澱物の処理費や中和剤費の著しい節減が可能となる
等、その合理性、経済的効果は極めて顕著である。
低pH中和としたゝめ、逆中和を行わずに済むので従来方
法に比較して逆中和による酸の消費と、その際に生成さ
れるアルミニウム沈澱物の処理等を不要として、全体的
な沈澱物の処理費や中和剤費の著しい節減が可能となる
等、その合理性、経済的効果は極めて顕著である。
Claims (1)
- 【請求項1】カドミウムを含む廃水を曝気下において、
炭酸カルシウムによりpH6程度にする中和工程と、該中
和水を苛性ソーダによりpH8〜8.6にするpH調整工程を経
て生成された水酸化物を沈澱させる固液分離工程と、該
工程で得られた上澄水をキレート剤に吸着させるキレー
ト処理工程と、該液を濾過する濾過工程とからなるカド
ミウムを含む廃水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62259080A JP2548096B2 (ja) | 1987-10-13 | 1987-10-13 | カドミウムを含む廃水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62259080A JP2548096B2 (ja) | 1987-10-13 | 1987-10-13 | カドミウムを含む廃水の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0199688A JPH0199688A (ja) | 1989-04-18 |
JP2548096B2 true JP2548096B2 (ja) | 1996-10-30 |
Family
ID=17329037
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62259080A Expired - Fee Related JP2548096B2 (ja) | 1987-10-13 | 1987-10-13 | カドミウムを含む廃水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2548096B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07100154B2 (ja) * | 1988-01-11 | 1995-11-01 | 川崎製鉄株式会社 | 重金属含有廃液処理装置の制御方法 |
JP5246678B2 (ja) * | 2007-04-17 | 2013-07-24 | 太平洋セメント株式会社 | 土壌洗浄廃水の処理方法 |
JP2010099552A (ja) * | 2008-10-21 | 2010-05-06 | Mitsubishi Materials Techno Corp | 廃水の処理方法 |
JP5136800B2 (ja) * | 2009-04-02 | 2013-02-06 | 住友金属鉱山株式会社 | 水溶液からのカドミウムの分離方法 |
JP5985959B2 (ja) * | 2012-11-07 | 2016-09-06 | 水ing株式会社 | 重金属含有廃液の処理方法及び装置 |
-
1987
- 1987-10-13 JP JP62259080A patent/JP2548096B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0199688A (ja) | 1989-04-18 |
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