JP2543288Y2 - 細胞凍結装置 - Google Patents
細胞凍結装置Info
- Publication number
- JP2543288Y2 JP2543288Y2 JP9761088U JP9761088U JP2543288Y2 JP 2543288 Y2 JP2543288 Y2 JP 2543288Y2 JP 9761088 U JP9761088 U JP 9761088U JP 9761088 U JP9761088 U JP 9761088U JP 2543288 Y2 JP2543288 Y2 JP 2543288Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tube
- cells
- container
- refrigerant
- liquid nitrogen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は受精卵などの細胞や、細胞融合や遺伝子導入
などの処置を施した細胞を凍結して保存するための装置
に関するものである。
などの処置を施した細胞を凍結して保存するための装置
に関するものである。
(従来の技術) 細胞を凍結する際、徐々に冷却していくと細胞内に含
まれている水分が結晶化し、その結晶が成長して核や細
胞膜を破壊し、細胞を死滅させてしまう。そこで、細胞
を凍結する際には急速に冷却し、細胞内の水分の結晶が
成長しないようにすることが重要である。
まれている水分が結晶化し、その結晶が成長して核や細
胞膜を破壊し、細胞を死滅させてしまう。そこで、細胞
を凍結する際には急速に冷却し、細胞内の水分の結晶が
成長しないようにすることが重要である。
細胞を急速に凍結するために、ほぼ液化温度(4.2K)
まで冷却したHe(ヘリウム)ガスの噴流の中に細胞を吹
き飛ばして冷却している。
まで冷却したHe(ヘリウム)ガスの噴流の中に細胞を吹
き飛ばして冷却している。
他の方法として細胞の大きさに比べて太い内径をもつ
プラスチックチューブに細胞を生理食塩水などの溶液と
ともに吸い込み、そのプラスチックチューブを液体窒素
などの冷媒に入れて凍結保存している。
プラスチックチューブに細胞を生理食塩水などの溶液と
ともに吸い込み、そのプラスチックチューブを液体窒素
などの冷媒に入れて凍結保存している。
(考案が解決しようとする課題) Heガスで細胞を直接凍結する方法では、高価な液体He
の消費が多くなり、運転コストが高くなるうえ、細胞の
吹込み時や回収時に細胞に損傷を与える問題がある。
の消費が多くなり、運転コストが高くなるうえ、細胞の
吹込み時や回収時に細胞に損傷を与える問題がある。
細胞を太いチューブに入れて冷却すると細胞の周りに
溶液が存在するため、チューブ内壁と溶液間の熱の伝達
係数が低く、熱伝達が悪くなり、かつ、熱容量が大きく
なって細胞の凍結速度が遅くなり、氷の成長を十分に防
ぐことができず、細胞の生存率が低くなる。そこで、チ
ューブ内壁と溶液間の熱の伝達をよくするために、本考
案者は、凍結保存しようとする細胞をその細胞と同等又
はそれよりも内径の細いチューブに装填して細胞をチュ
ーブの壁面に直接接触させることを提案した(特願昭63
−108032号)。チューブは熱伝導のよい金属チューブが
好ましいが、ガラスやプラスチックも使用することがで
きる。
溶液が存在するため、チューブ内壁と溶液間の熱の伝達
係数が低く、熱伝達が悪くなり、かつ、熱容量が大きく
なって細胞の凍結速度が遅くなり、氷の成長を十分に防
ぐことができず、細胞の生存率が低くなる。そこで、チ
ューブ内壁と溶液間の熱の伝達をよくするために、本考
案者は、凍結保存しようとする細胞をその細胞と同等又
はそれよりも内径の細いチューブに装填して細胞をチュ
ーブの壁面に直接接触させることを提案した(特願昭63
−108032号)。チューブは熱伝導のよい金属チューブが
好ましいが、ガラスやプラスチックも使用することがで
きる。
細胞をチューブに装填して冷凍保存する場合の次の課
題は、冷媒によってチューブ自体をいかに急速に冷却す
るかである。例えば液体窒素を冷媒として用いた場合、
十分な沸騰熱伝達量を確保するには、細胞を装填したチ
ューブと冷媒との間に十分に速い相対速度を与えない
と、チューブの周りに蒸発した窒素ガスが溜り、窒素ガ
スによって伝熱が妨げられる結果、冷却速度を十分に速
くすることができない。
題は、冷媒によってチューブ自体をいかに急速に冷却す
るかである。例えば液体窒素を冷媒として用いた場合、
十分な沸騰熱伝達量を確保するには、細胞を装填したチ
ューブと冷媒との間に十分に速い相対速度を与えない
と、チューブの周りに蒸発した窒素ガスが溜り、窒素ガ
スによって伝熱が妨げられる結果、冷却速度を十分に速
くすることができない。
本考案は細胞を装填したチューブを急速に冷却するこ
とのできる装置を提供することを目的とするものであ
る。
とのできる装置を提供することを目的とするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本考案は、冷媒を収容する容器と、この容器を回転さ
せる回転機構と、細胞が装填されたチューブを前記容器
中で移動している冷媒中に突出させて挿入する突出機構
とを備えた細胞凍結装置である。
せる回転機構と、細胞が装填されたチューブを前記容器
中で移動している冷媒中に突出させて挿入する突出機構
とを備えた細胞凍結装置である。
(作用) 細胞が装填されたチューブを突出機構で冷媒中に挿入
すると、チューブは常温から冷媒温度に向かって急速に
冷却される。このとき、チューブと接触した冷媒が蒸発
するが、冷媒は容器とともに回転しているので、チュー
ブの周りに発生した冷媒のガスはその回転による相対速
度で取り除かれる。
すると、チューブは常温から冷媒温度に向かって急速に
冷却される。このとき、チューブと接触した冷媒が蒸発
するが、冷媒は容器とともに回転しているので、チュー
ブの周りに発生した冷媒のガスはその回転による相対速
度で取り除かれる。
(実施例) 第1図は一実施例を表わす。
1はモータであり、その回転軸には容器2が取りつけ
られ、容器2を回転させる。容器2の回転速度は、その
周速が数十m/秒程度となるように設定されている。容器
2は冷媒3を収容し、上部からサンプル保持台4が挿入
できるように上部に開口が設けられ、上記の縁には冷媒
3が飛び出すのを防ぐためのつば部2aが設けられてい
る。
られ、容器2を回転させる。容器2の回転速度は、その
周速が数十m/秒程度となるように設定されている。容器
2は冷媒3を収容し、上部からサンプル保持台4が挿入
できるように上部に開口が設けられ、上記の縁には冷媒
3が飛び出すのを防ぐためのつば部2aが設けられてい
る。
4はサンプル保持台であり、容器2の開口から容器2
内に降ろされる。サンプル保持台4には冷凍保存しよう
とする細胞が装填されたチューブ9を水平方向に突出さ
せる突出機構が設けられている。
内に降ろされる。サンプル保持台4には冷凍保存しよう
とする細胞が装填されたチューブ9を水平方向に突出さ
せる突出機構が設けられている。
突出機構は、サンプル保持台4に組み込まれたソレノ
イド5、ソレノイド5の通電による磁界で移動するアー
マチュア6、アーマチュア6とともに水平方向に移動
し、その先端にチューブ9を保持するシャフト7とから
構成されている。シャフト7の先端にはチューブ9を止
めネジ又はチャックにより保持する機構が取りつけられ
ている。
イド5、ソレノイド5の通電による磁界で移動するアー
マチュア6、アーマチュア6とともに水平方向に移動
し、その先端にチューブ9を保持するシャフト7とから
構成されている。シャフト7の先端にはチューブ9を止
めネジ又はチャックにより保持する機構が取りつけられ
ている。
チューブ9の一例を第2図に示す。
チューブ9は金属製、ガラス製又はプラスチック製で
ある。細胞8を装填する部分の内径は細胞8の直径と同
等又はそれ以下であり、チューブ9の一部にくびれ部10
が設けられている。
ある。細胞8を装填する部分の内径は細胞8の直径と同
等又はそれ以下であり、チューブ9の一部にくびれ部10
が設けられている。
このチューブ9に細胞8を装填するには、チューブ9
の一端から細胞8を溶液とともに吸引し、又は細胞8を
溶液とともに注入することにより、細胞8は変形されて
チューブ9内に入り、チューブ9の壁面と直接接触した
状態で、くびれ部10で止まる。
の一端から細胞8を溶液とともに吸引し、又は細胞8を
溶液とともに注入することにより、細胞8は変形されて
チューブ9内に入り、チューブ9の壁面と直接接触した
状態で、くびれ部10で止まる。
次に、本実施例の動作について説明する。
容器2に冷媒3として例えば液体窒素を入れ、モータ
1により容器2を回転させる。液体窒素3には遠心力が
働き、液体窒素3は図のように容器2の外周部にへばり
付いた状態になる。容器2の上部にはつば部2aが設けら
れているので、液体窒素3は容器2から飛び出さずに保
持される。液体窒素3はモータ1の回転によって例えば
数十m/秒の周速をもつ。
1により容器2を回転させる。液体窒素3には遠心力が
働き、液体窒素3は図のように容器2の外周部にへばり
付いた状態になる。容器2の上部にはつば部2aが設けら
れているので、液体窒素3は容器2から飛び出さずに保
持される。液体窒素3はモータ1の回転によって例えば
数十m/秒の周速をもつ。
一方、突出機構のシャフト7の先端には細胞が装填さ
れたチューブ9が保持され、突出機構はサンプル保持台
4によって容器2内に降ろされ、第1図の状態になる。
れたチューブ9が保持され、突出機構はサンプル保持台
4によって容器2内に降ろされ、第1図の状態になる。
次に、ソレノイド5に通電すると、アーマチュア6が
吸引され、それとともにシャフト7が水平方向で液体窒
素3の方向に突出し、チューブ9を短時間のうちに液体
窒素3中に浸漬させる。この突出機構によるシャフト7
の移動は、移動開始から終了までを数ミリ秒程度で終る
ようにし、チューブ9のうち細胞8が装填されている部
分が液体窒素3に浸漬し初めてから完全に浸漬し終るま
での時間が1ミリ秒〜数ミリ秒程度で終るようにするこ
とが望ましい。
吸引され、それとともにシャフト7が水平方向で液体窒
素3の方向に突出し、チューブ9を短時間のうちに液体
窒素3中に浸漬させる。この突出機構によるシャフト7
の移動は、移動開始から終了までを数ミリ秒程度で終る
ようにし、チューブ9のうち細胞8が装填されている部
分が液体窒素3に浸漬し初めてから完全に浸漬し終るま
での時間が1ミリ秒〜数ミリ秒程度で終るようにするこ
とが望ましい。
これにより、細胞が装填されたチューブ9が液体窒素
3中に急激に浸漬され、チューブ9は急激に冷却される
と同時に、液体窒素3の移動によってチューブ9と液体
窒素3の間には液体窒素3の移動速度の相対速度が発生
するので、チューブ9の周りには液体窒素3の蒸発によ
って発生したガスが留まることはなく、熱伝達が良好に
行なわれてチューブ9及び細胞8が急速に冷却される。
3中に急激に浸漬され、チューブ9は急激に冷却される
と同時に、液体窒素3の移動によってチューブ9と液体
窒素3の間には液体窒素3の移動速度の相対速度が発生
するので、チューブ9の周りには液体窒素3の蒸発によ
って発生したガスが留まることはなく、熱伝達が良好に
行なわれてチューブ9及び細胞8が急速に冷却される。
チューブ9に細胞8を装填するには、第2図のように
くびれ部10をもったチューブを用いる場合に限らず、第
3図に示されるようにくびれ部のないチューブ9aを用い
ることもできる。チューブ9aの内径も細胞8の直径と同
等又はそれ以下である。チューブ9aを用いる場合もチュ
ーブ9aに吸引又は注入により細胞8を装填し、チューブ
9aの一端を冷却して溶液を凍結させて封止部11としてお
けばよい。
くびれ部10をもったチューブを用いる場合に限らず、第
3図に示されるようにくびれ部のないチューブ9aを用い
ることもできる。チューブ9aの内径も細胞8の直径と同
等又はそれ以下である。チューブ9aを用いる場合もチュ
ーブ9aに吸引又は注入により細胞8を装填し、チューブ
9aの一端を冷却して溶液を凍結させて封止部11としてお
けばよい。
第1図の実施例では突出機構にソレノイド5を使用し
ているが、チューブ9を保持した部分を突出させる機構
は、ソレノイド以外にも例えばバネ力を利用したもの、
油圧や空気圧を利用したもの、又はラックピニオンによ
る方式のものなどでもよい。
ているが、チューブ9を保持した部分を突出させる機構
は、ソレノイド以外にも例えばバネ力を利用したもの、
油圧や空気圧を利用したもの、又はラックピニオンによ
る方式のものなどでもよい。
また、容器2を回転させるためにモータ1を使用して
いるが、モータ1に代えて例えば羽根を取りつけ、圧縮
空気を吹きつけて容器2を回転させるようにすることも
できる。
いるが、モータ1に代えて例えば羽根を取りつけ、圧縮
空気を吹きつけて容器2を回転させるようにすることも
できる。
(考案の効果) 本考案では、冷媒を容器に収容して回転させ、移動し
ている冷媒中に、細胞が装填されたチューブを保持して
突出させて挿入するようにしたので、細胞が装填された
チューブを急激に冷却することができ、凍結の際の氷の
結晶成長を防ぐことができて、細胞の生存率を上げるこ
とができる。
ている冷媒中に、細胞が装填されたチューブを保持して
突出させて挿入するようにしたので、細胞が装填された
チューブを急激に冷却することができ、凍結の際の氷の
結晶成長を防ぐことができて、細胞の生存率を上げるこ
とができる。
また、冷媒として液体窒素を使用することができるの
で、高価な液体ヘリウムを使用する方法に比べて運転コ
ストが低くなる。
で、高価な液体ヘリウムを使用する方法に比べて運転コ
ストが低くなる。
第1図は一実施例を示す断面図、第2図及び第3図は同
実施例で冷却されるチューブの例を示す断面図である。 1……モータ、2……容器、3……液体窒素、4……サ
ンプル保持台、5……ソレノイド、6……アーマチュ
ア、7……シャフト、8……細胞、9,9a……チューブ。
実施例で冷却されるチューブの例を示す断面図である。 1……モータ、2……容器、3……液体窒素、4……サ
ンプル保持台、5……ソレノイド、6……アーマチュ
ア、7……シャフト、8……細胞、9,9a……チューブ。
Claims (1)
- 【請求項1】冷媒を収容する容器と、この容器を回転さ
せる回転機構と、細胞が装填されたチューブを前記容器
中で移動している冷媒中に突出させて挿入する突出機構
とを備えた細胞凍結装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9761088U JP2543288Y2 (ja) | 1988-07-21 | 1988-07-21 | 細胞凍結装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9761088U JP2543288Y2 (ja) | 1988-07-21 | 1988-07-21 | 細胞凍結装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0217099U JPH0217099U (ja) | 1990-02-02 |
JP2543288Y2 true JP2543288Y2 (ja) | 1997-08-06 |
Family
ID=31323190
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9761088U Expired - Lifetime JP2543288Y2 (ja) | 1988-07-21 | 1988-07-21 | 細胞凍結装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2543288Y2 (ja) |
-
1988
- 1988-07-21 JP JP9761088U patent/JP2543288Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0217099U (ja) | 1990-02-02 |
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