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JP2539189B2 - 有機体の同定および特徴づけ方法 - Google Patents

有機体の同定および特徴づけ方法

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JP2539189B2
JP2539189B2 JP59502061A JP50206184A JP2539189B2 JP 2539189 B2 JP2539189 B2 JP 2539189B2 JP 59502061 A JP59502061 A JP 59502061A JP 50206184 A JP50206184 A JP 50206184A JP 2539189 B2 JP2539189 B2 JP 2539189B2
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organism
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
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    • C12Q1/6827Hybridisation assays for detection of mutation or polymorphism
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、細菌,植物および動物のような前核細胞お
よび真核細胞有機体を含む有機体を迅速且つ正確に特徴
づけおよび固定する方法に関するものである。
生きている有機体の分類は伝統的に、多かれ少かれ任
意で、いくらか人為的な線に沿って行われてきた。例え
ば生物の世界は二つの界に分けられている:植物(Plan
tae)および動物(Animalia)。この分類は一般に知ら
れている有機体に対しては都合がよいが、単細胞生物の
ような有機体(例えば、緑鞭毛虫類,細菌,藍藻類)に
対しては困難となる。なぜならばこれらは基本的には
「植物」および「動物」とは違うからである。
有機体をその細胞の内部構造によって単純に分けるこ
とが提案された。このやり方では、すべての細胞生物は
前核性(prokaryotic)か真核性(eukaryotic)かのど
ちらかである。前核生物(prokaryotes)は真核生物(e
nkaryotes)ほど複雑でなく、それらには、単位膜組織
による内部の仕切りがなく、明瞭な核を欠いている。前
核細胞の遺伝情報は2本鎖の環状DNAにのって細胞質に
運ばれる。その他のDNAは細胞中に存在しない(フアー
ジ,細菌性ウイールス,および自律的複製のできる環状
DNAプラスミツドが存在する場合は除く)。他方、真核
生物には、多種多様の単位膜組織があり、これは多くの
機能成分を特殊化され孤立化された領域に分離する役目
をもっている。例えば、遺伝情報(DNA)は明瞭に仕切
られた核の中に見出され、小器官である糸粒体(ミトコ
ンドリア)および(光合成有機体では)葉緑体中にも見
出される。真核細胞のゲノムの複製,転写および翻訳
は、細胞内の二又は三個所の別個の部位,核細胞質部
分,糸粒体および葉緑体でおこる。
しかしながら、前核生物と真核生物との差は、前核細
胞で糸粒体および葉緑体の比較を行う時、打砕かれる。
これらの細胞小器官は今日ではフリーリビング(free-l
iving)前核生物に由来するものと考えられており、そ
のフリーリビング前核生物は原始的真核生物と、内共生
(endosymbiotic)関係に入り、究極的に宿主細胞の構
造と密接に統合され、独立的存在が不可能になったもの
である(参照例,Fox,G.E.et al.「Science」209;457-46
3(1980)p.462;Stanier,R.Y.et al.「The Microbial W
orld」第4版,Prentice-Hall社発行,1976,p.86)。例え
ばリボソームRNA遺伝子領域を担うマウスL細胞糸粒体
から得たDNAは大腸菌(Escherichia coli)リボソームR
NAとの顕著な配列相同性を示すことが証明され、内共生
モデルを強く支持している(Van Etten,R.A.et al,「C
ell」22:157-170(1980))。また、とうもろこし(Zea
mays)葉緑体の23S型リボソームDNAのヌクレオチド配
列は、大腸菌の23S型リボソームDNAと71%の相同性を有
することも示されている(Edwards,K.& Kossel,H.,「N
ucleic Acids Research」9:2853-2869(1981);その他
の関連研究も(Bonen,L.& Gray,M.W.,同上8:319-335
(1980))。更にその一般概念を支持している。
このモデルでは真核細胞は、性質からみると明らかに
前核性である小器官部分をもった、系統発生的「キメ
ラ」である。「前核性−真核性」二分法もまた広い分類
の方法としてすら欠点がある。
有機体の分類が科学的課題以上のものとなるのは、交
雑および育種(breeding)の目的で植物か動物を同定し
ようとする場合、およびいわゆる「より高等な」有機体
又はその他の媒体に感染するかも知れない微生物を、正
確且つ信頼をもって同定しようとする場合である。例え
ば植物栽培者,家畜飼育者又は魚飼育者は異種および異
型株を同定する迅速且つ信頼できる方法を得たいと思う
だろう。獣医,医師又は園芸家は、試験植物、および動
物組織中の感染性有機体(寄生虫,菌類,細菌等)およ
びウイールスを正確に同定したいと思うだろう。これら
有機体およびウイールスの種の正しい同定は特に重要な
ことである。
この問題は、細菌の同定について説明すると最も良く
わかる。細菌種の名前は、多くの菌株をあらわすのが普
通であり、一菌株は一個の細胞から派生する集団と考え
られる。細菌種は、種の菌株の典型例における属性の等
質性と多様性の程度を述べることにより、一般に定義さ
れる。細菌種の、正確な定義を表現することは、種の境
を設けるために、種内の菌株の多様さに対し境界を定め
ることが必要であるため難かしい(Buchanan,R.E.,「In
ternational Bulletin of Bacteriological Nomenclatu
re and Taxonomy」,15:25-32(1965))。種の定義を未
知の細菌菌株の同定に実際に応用するには表現型の属性
を検出するための基質および条件のような適切なプロー
ブの選択、および同種からの放射性物質で標識化された
DNAが必要である。細菌種の多様性の故に、スクリーニ
ング法は菌株の同定のための古典的、進歩的方法におい
て使用される最初の道具である。スクリーニング法の結
果はどこの研究室の方法及び試薬が菌株の定義的な同定
に適切であるかを予想するのに用いられる。同定は結
局、未同定菌株と特徴づけられた種の間の一定の表現型
と遺伝子型の類似点に基づいている。挑戦していること
は、種の境界を厳密に定めることであり、好ましくは、
種に特異的な情報を与える標準プローブを使ってこれを
行うことである。そうすることにより種の定義づけが未
知の菌株の同定に直接、且つ等しく適用できる。
バージーのマニユアル・オブ・デターミネテイブ・バ
クテリオロジー(Buchanan,R.E.and Gibbons,N.E.編集,
1974,第8版,Williams & Wilkins社,バルチモア)は
最も理解し易い細菌分類法、特に命名法、基本型菌株、
関連文献等について示してある。しかしながら、これは
種の同定の出発点に過ぎないものである。なぜならば、
特にこれは時代遅れであり、スペース的に限られるため
種についての記述が簡単すぎるためである。(参照例;
ブレンナーD.J(Brenner D.J)「Manual of Clinical M
icrobiology」第3版,米国微生物学会,ワシントンD.
C.,1980,1−6頁)。
細菌に用いた場合「種」という語は、或る他と区別で
きる特徴をもった、有機物の異なった種類として、又、
本質的な有機体組織の特徴において、一般に相互に近い
類似性をもった有機体の一群と定義されてきた。これら
の定義の問題点は、それらが主観的であるということで
ある(Brenner,同上,p.2)。又、種は単に宿主の範囲,
病原性,或る糖の発酵の際にガスを生産するかしない
か、糖発酵が速いか遅いかのような基準に基づいて定義
されたこともあった。
1990年代には数的細菌分類法(コンピユーター分類法
又は遺伝的表現型分類法とも呼ばれる)が広く用いられ
るようになった。数的分類法は、有機体の遺伝能力(po
tential)をできるだけ多く試験することに基づいてい
る。多数の特性に基づいて分類することにより、一定程
度の相似性をもった菌株のグループを形成することがで
き、これらを種と考えることができる。しかしながら、
或る一つの種を特徴づけるのに有効なテストが次の種の
ために役立つとは限らないので種のこの定義法は未知の
菌株の同定に直接的且つ実際的に適用できない。たとえ
これが種に特異的であると思われる属性を選ぶことによ
って、これらの属性が未知の菌株の確認のために用いら
れ、部分的に克服できるとしても、この種の定義法は間
接的に応用されているに過ぎない(Brenner,同上,p.2−
6参照)。その上一般的方法は、これを種を定めるため
の唯一の根拠として用いた場合、いくつかの問題をかか
えており、それらの中には用いるべき試験の数および性
質、その試験をどの程度評価すべきか関連性を反映させ
るためにはどのようにして、どの位の程度の類似性を選
ぶべきか、同じ類似性の基準がすべての群に適用できる
かどうか等がある。ヒユーR.H(Hugh,R.H)およびギリ
アージG.L(Giliardi,G.L)著「「Manual of Clinical
Microbiology」第3版,米国微生物協会,ワシントン,
D.C.,1974,p.250-269,には、ゲノムのフラクシヨンを使
用して細菌の種を定める手段としての最少の表現型の特
質が列挙してある。一つの種の中から多数のそしてラン
ダムに選ばれた菌株試料を研究することによって、最も
高度に保存されているか又は非常に多くの菌株に共通で
ある属性を選びだし、種を定義することができる。最少
特性を使用するようになったことは進歩であり、菌株を
仮に同定するためのスクリーニング法から始め、適当な
追加の培地が選択できるようにする。次いでその菌株が
最少の特性のほとんどを有することを予想しながら当該
種に保存されている既知の属性を調べる。最少特性の中
のいくつかは当該種のすべての菌株にあらわれるわけで
はない。これに関連した考え方としては、その属の種の
タイプ、ネオタイプ又は確認済みの対照菌株の比較研究
がある。各研究室によって培地および方法が異なるか
ら、この照合は必要であり、菌株こそ種の標準(standa
rd)であって方法ではないのである。
細菌分類への分子レベルでのアプローチは二つのゲノ
ムをDNA-DNA再対合(reassociation)によって比較する
ことである。種の遺伝的定義には種の菌株が70%以上関
連しているという仮定が含まれる。DNA-DNA再対合で菌
株が同定できるのは、放射性標識DNAプローブと未知のD
NAが同じ種のものである場合のみである。しかしこの70
%種−定義の実際的適用は、適切なプローブを選択しな
ければならないことによって制限される。これは、再対
合群と相互関係がありそうにみえる表現型属性を選択す
ることにより一部は克服されるかもしれないが、これら
が単独で用いられた場合、DNA-DNA再対合による種の定
義はやはり間接的に適用されるにとどまる。
ブレンナー、前出、第3頁は、細菌の種を確認する理
想的手段は、遺伝子を分離し、直ちに当該菌株中の核酸
配列をあらゆる既知の種の何か(species-something)
の標準パターンと比較する、質量分光光度法分析に似て
いる「ブラツクボツクス」であると述べている。
しかしながらブレンナーは分離された遺伝子の一般的
配列を決めるための制限エンドヌクレアーゼ分析をする
ことはできるけれども、「我々は適切なブラツクボツク
ス、特に臨床研究室で使用するために適したブラツクボ
ツクスは手に入りそうもない。」と認めている。彼の言
葉は有機体のあらゆる種に等しくあてはめられる。
先行技術のこの短かい再検討から、未知の細菌および
その他の有機体を同定し、それを速かに分類し、特に病
原性有機体又は利用できる生化学反応をおこす有機体を
同定するための迅速、正確且つ信頼できる方法が今必要
であるとの結論に達する。その方法は臨床研究室で普遍
的に、そして容易に利用できるものでなければならない
し、行った試験の数や、臨床医の主観的偏見に依存して
はならず、又、過去の、偶発的又は必然的試行錯誤法
(Triai and error method)に依存してもいけない。更
に、いかなる生きている有機体の属および種の同定およ
び区別にも役立ち、獣医,植物栽培者,毒物学者,動物
飼育者,昆虫学者によって、又そのような同定が必要な
他の関連領域において容易に且つ信頼性をもって使える
方法であることも必要である。
従って本発明の目的は有機体、これに限定するもので
はないが特に微生物を、客観的に同定する迅速,正確且
つ信頼できる方法を提供することである。
本発明のもう一つの目的は細菌のような有機体を、有
機体のゲノムを利用して同定する方法を提供することで
ある。
本発明のもう一つの目的は、動物又は植物の病気の原
因を特徴づけ同定することができるように臨床研究室に
おいて病原性有機体の種および属を特徴づけ、同定する
方法を提供することである。
本発明の今一つの目的は、以上に述べた分類法に有用
な種々の生産物を提供することである。
本発明のこれらおよびその他の目的は、以下において
より容易に判明するように、次の方法を提供することに
より達せられた。すなわち、未知の有機体の種を特徴づ
ける方法にして、(当該未知有機体から得られる、既知
プローブ有機体からの、又はその有機体に由来するリボ
ソームRNA情報−含有核酸とハイブリツド形成又は再対
合した制限エンドヌクレアーゼー消化DNAのクロマトグ
ラフ−パターンを決定することによる方法でなく)未知
有機体の遺伝子材料中の制限エンドヌクレアーゼ切断部
位の既知の位置と対応して該未知有機体の遺伝子材料の
進化的な保存配列の一部又は全部の位置を決定し、それ
により該未知有機体の同定のための遺伝子的特徴づけを
得、そして当該保存配列由来の同定のための遺伝子特徴
づけの少なくとも2つの組(既知の有機体を定義してい
る該対の各々)からの情報と当該特徴づけとを比較する
ことよりなる方法である。
本発明の又別の目的は次の方法を提供することにより
達せられた。
或るサンプル中の病原性の有機体感染を診断する方法
で、当該サンプル中の有機体を上述の方法により同定す
ることからなる方法。
本発明のよりよい理解のために、また本発明がいかに
効果を表わすものであるかを示すために、図面と共に参
考例を示す。
第1図はシユードモナス・アエルギノーザ(Pseudomo
nas aeruginosa)の菌株から分離したDNAのEcoR I制限
エンドヌクレアーゼ消化を示す。プローブとして大腸菌
の16S型および23S型リボソームRNA(r RNA)に対するc
DNAを用いた。
第2図はシユードモナス・アエルギノーザ(P.aerugi
nosa)菌株から分離したDNAのPst I制限エンドヌクレア
ーゼ消化を示す。プローブとして大腸菌の16S型および2
3S型r RNAに対するc DNAを用いた。
第3図はグルコース−非発酵性 グラム−陰性桿菌種
から分離したDNAのEcoR I制限エンドヌクレアーゼ消化
を示す。プローブとして大腸菌の16S型および23S型r RN
Aに対するc DNAを用いた。
第4図はグルコース−非発酵性 グラム−陰性桿菌種
から分離したDNAのPst 制限エンドヌクレアーゼ消化を
示す。プローブとして大腸菌の16S型および23S型r RNA
に対するc DNAを用いた。
第5図は種々のバシルス・スブチリス(Bacillus sub
tilis)菌株から分離したDNAのEcoR I制限エンドヌクレ
アーゼ消化を示す。プローブとして大腸菌の16S型およ
び23S型r RNAに対するc DNAを用いた。
第6図は第5図と同じ菌株に対して、同じプローブを
用いて得られたPst Iデータを示す。
第7図は第5図および第6図と同じ菌株に対して同じ
プローブを用いて得られたBgl IIデータを示す。
第8図は第5−7図と同じ菌株に対して、同じプロー
ブを用いて得られたSac Iデータを示す。
第9図はB.スブチリスおよびB.ポリミカ(B.polymyx
a)から分離したDNAのEcoR I制限エンドヌクレアーゼ消
化を示す。プローブとして大腸菌からの16S型および23S
型r RNAに対するc DNAを用いた。
第10図は第9図と同じ菌株に対して、同じプローブを
用いて得られたPst Iデータを示す。
第11図は第9図および第10図と同じ菌株に対して同じ
プローブを用いて得られたBgl IIおよびSac Iデータを
示す。
第12図はプローブとして大腸菌からの16S型および23S
型r RNAに対するc DNAを用い、感染マウス組織から、Ec
oR I消化DNA中のストレプトコツカス・ニユーモニエ(S
treptococcus pneumoniae)の検出を示す。
第13図はムス・ムスキユラス・ドメステイカス(Mus
musculus domesticus)(マウス)の細胞質リボソーム
からの18S型および28S型r RNAに対するc DNAを用い、哺
乳類の組織から分離したDNAのPst I消化を比較すること
によるマウス種の同定を示す。
第14図はムス・ムスキユラス・ドメステイカス28S型r
RNA,c DNAプローブとハイブリツドを形成したマウスお
よび猫組織からのEcoR I消化DNAを示す。
第15図はムス・ムスキユラス・ドメステイカス18S型
および28S型r RNA,c DNAプローブとハイブリツド形成し
た哺乳類組織からのSac I消化DNAを示す。
第16図はムス・ムスキユラス・ドメステイカス18S型
および28S型r RNA,c DNAプローブとハイブリツド形成し
た哺乳類組織および細胞培養からのEcoR I消化DNAを示
す。
本発明は、もし種が共通の種属形成事象に関連づけら
れる個々に分離した菌株の集合体であるならば、分散化
にもかかわらず、客観的に種の境界を定める、菌株が共
有する類似性があるはずであり、種の菌株はそれらの共
通の根源を探る手がかりとなる構造情報をもっているは
ずであるという発明者の認識に基づいている。有機体の
過去の歴史は最も多くセマンタイド(semantides)、DN
AおよびRNAの中に残っている(Zuckerkandle,E.およびP
auling,L,「Journal of Theoretical Biology」第8巻:
357-366(1965)。
ヨーロツパ特許出願(EP−A−)No.0076123(参考文
献としてここに加えた)の中で、発明者は、リボソーム
RNA(r RNA)に含まれている情報を利用する有機体の種
の定義と特徴づけについてのシステムを記載した。リボ
ソームRNAは蛋白合成に構造的並びに機能的役割を有し
(Schaup,「Journal of Theoretical Biology」第70巻:
215-224(1978))、そしてr RNA-DNAハイブリツド化の
研究から得られた一般的結論は、リボソームRNA遺伝子
の基本的配列は他の大多数の遺伝子に比べて進化の過程
で変化を受けにくく、より保存されるらしいということ
である(Moore,R.L.著,「Current Topics In Microbio
logy and Immunobiology」,64巻,105-128(1974),Spri
ng-Verlag社,ニユーヨーク)。例えば、多数の細胞種
から得られる16S型r RNAの一次構造は、オリゴヌクレオ
チツド分析から推定された(Fox,G.E.et al著,「Inter
national Journal of Systematic Bacteriology」,第2
7巻:44-57(1977))。大腸菌の数菌株の16S型オリゴマ
ーカタログには無視できる程の差がある(Uchida T.et
al著;「Journal of Molecular Evolution」,3巻:63-77
(1974))が、種間の実質的な差は細菌系統学的分類表
作成のために用いることができる(Fox,G.E.「Scienc
e」209巻:457-463(1980))。或る一細菌種の異なる菌
株は、かならずしも同一ではなく、制限酵素地図は、異
なるEcoR Iサイトが大腸菌の二菌株のr RNA遺伝子中に
生ずることを示している(Boros,I.A.et al著,「Nucle
ic Acids Research」第6巻:1817-1830(1979))。細
菌は保存r RNA遺伝子配列を共有しているようにみえ、
そしてその他の配列は変化し得る(Fox,1977,同上)。
かくして本発明者は、DNAの制限エンドヌクレアーゼ
消化物は、或る種の有機体(例えば細菌)の菌株では相
似するが、他の種の有機体の菌株では異なる保存配列を
含む断片の組み合わせをもっていること、即ち菌株の変
異にもかかわらず、高い発生頻度をもち、最小遺伝子型
特質をもつ制限断片の、酵素の特異的組み合わせが種を
決定することを見出した。これが、EP−A−0076123に
記載の発明の本質であり、ここに記載の本発明の本質で
もある。
本発明はEP−A−0076123にて開発された概念を拡張
するものであり、さらにr RNAの配列に加えて、進化を
通じて高度に保存された配列が存在することが発見され
たのであり、それは、同定システムとしてはr RNA配列
と同じく有用であろう。いいかえれば、本発明はr RNA
ではなく、保存されたプローブを使うことによって、EP
−A−0076123の同定と特徴づけ技術を実行する方法を
提供することにある。
本発明はまた、同定プロセスで使用されるであろう方
法の追加実施例をも提供する。本発明者はこの方法が、
分類学(古典的)において同一であるか異なっているか
を問わず前核細胞性,真核細胞性を問わず同定しようと
する有機体以外の有機体からの保存された核酸プローブ
を用い、前核および真核DNA両方に適用できるという点
で一般的であることをも見出した。
本発明は、制限エンドヌクレアーゼ部位のような既知
の位置に対応するDNAあるいは他の遺伝子材料の保存配
列に基づいて有機体を定義する客観的方法を提供する。
保存配列を含む制限断片の検出は、DNA切片をプローブ
有機体からの保存配列情報を含む核酸とハイブリツド化
又は再対合させることによって行われる。
本発明の工程によって特徴づけられる「有機体」(こ
の言葉は「同定する」を含むと解釈される)という語に
よって、定義によりそのゲノム中にDNAまたはRNAを含む
事実上すべての有機体を意味する。この点に関して参考
のために伝統的分類表にふれておくことが有用である。
モネラ(Monera)界、植物(Plantae)および動物(A
nimalia)に属するすべての有機体が含まれる。例えば
モネラ(Monera)界には、ミコバクテリウム(myxobact
eria),スピロヘータ(spirochetes),ユーバクテリ
ア(eubacteria),リケツチヤー(rickettsiae)綱の
分裂品(細菌)および藍藻類:サイアノフイータ(cyan
ophytha)を挙げることができる。植物界には、ユーグ
レノイド類(Euglenophta),緑藻類:クロロフイータ
(Chlorophyta),クロロフイセエ(Chlorophyceae)お
よびカロフイセエ(Charophyseae)綱,クリソフアータ
(chrysophta)類キサントフイセエ(xanthophycea
e),クリソフイセエ(chrysophyseae),バシラリオフ
イセエ(bacillariophyceae)綱;ピロフイータ(pyrro
phyta)類デイノフラゲラータ(Dinoflagellates),褐
藻類:フアオフイータ(phaeophyta);紅藻類:ロドフ
イータ(Rhodophta);粘菌類:ミコマイコフイータ(M
yxomycophyta),ミコマイセタ(myxomycetes),アク
ラシエ(acrasiaes),プラズモデイオホレエ(plasmod
iophoreae),ラブリンタリエ(labyrinthuleae)綱;
ユーマイコフイータ:真菌類(Eumycophyta),フイコ
ミセタ(phycomycetes),アズコミセタ(ascomycete
s),バシドミセタ(basidomycetes)綱;蘚苔類,ヘパ
テイエ(hepaticae),アントセロテ(anthocerota
e),ムスシ(musci)綱;維管束植物トラケオフイータ
(Tracheophyta),プシイロシダ(psilopsida),リコ
サイダ(lycopsyda),スヘノプシダ(sphenopsida),
プテロプシダ(pteropsida),スペルモプシダ(spermo
psida)亜類,サイカデ(cycadae),ジンクゴエ(gink
goae),コニヘレ(coniferae),グネテ(gneteae)お
よびアンギロスペルマエ(angiospermae)綱,デコチレ
ドネエ(dicotyledoneae),モノコチロエドネ(monoco
tyloedoneae)亜綱が記載される。動物界には、原生動
物亜界,原生動物門プロトゾア(protozoa),プラスモ
ドロマ(plasmodroma)亜門,フラゲラータ(flagellat
a),サルコデナ(sarcodina)およびスポロゾア(spor
ozoa)綱;シリオフオーラ(ciliophora)亜門,シリア
タ(ciliata)綱;側生動物亜界,ポリヘラ(海綿動物
門porifera),カルカレ(calcarea)綱,ヘキサチネー
リダ(hexactinellida)綱およびデスモスポギエ(desm
ospongiae)綱;中生動物亜界,中生動物門;後生動物
亜界ラデイアタ(Radiata)部門,コレンテラタ(coele
nterata)門,ヒドロゾア(hydrozoa),シフオゾア(s
cyphozoa),ウトゾア(authozoa)綱,ステノフオラ
(ctenophora)門,テンタクラータ(tentaculata)お
よびヌダ(nuda)綱;プロトストミ(protostmia)部門
扁形動物門プラチエルミンタ(platyhelmintes),ツベ
ルラナ(tubellana),トレマトーダ(trematoda)およ
びセストダ(cestoda)綱;ネメルチナ(nemertina)
門,アカントセフアラ(acanthocephala)門;アシエル
ミンタ(aschelmintles)門,ロチヘラ(rotifera),
ガストロトリカ(gastrotricha),キノリンカ(kinorh
yncha),プリアプリダ(priapulida),ネマトーダ(n
ematoda)およびネマトモルフア(nematomorpha)属;
エントプロクタ(entoprocta)門;エクトプロクタ(ec
toprocta)門;ギムノレーマタ(gymnolaemata)および
フイラクトレマータ(phylactolaemata)綱;フオロニ
ダ(phoronida)門;ブラチオポダ(braciopoda)門,
イナルチクラタ(inarticulata)およびアルチクラータ
(articulata)綱;モルスカ軟体動物(mollusca)門,
アムフイニユーラ(amphineura),モノプラコフオラ
(monoplacophora),ガストロポーダ(gastropoda),
スカフオポーダ(scaphopoda),ペレサイポーダ(pele
cypoda)およびセフアロポーダ(cephalopoda)綱;シ
プンクリダ(sipunculida)門;エチウリーダ(echiuri
da)門,アネリダ(annelida)門,ポリケータ(polych
aeta),オリゴケータ(oligochaeta)およびヒルデイ
ネア(hirudinea)綱;オニコフオラ(onychophora)
門;タルデイグラダ(tardigrada)門;ペンターストイ
ミダ(pentastoimida)門;アルソロポーダ(arthropod
a)門;トリロビータ(trylobita)門,ケリセラータ
(chelicerata)亜門,キフオスラ(xiphosura),アラ
キミダ(arachmida),ピクノゴミダ(pycnogomida)
綱,マンデブラタ(mandibulata)亜門,クルスタエ(c
rustacea),チロポダ(chilopoda),デイプロポーダ
(diplopoda),ポロポーダ(pauropoda),シンフイラ
(symphyla)綱,コレンボラ(collembola),プロチユ
ラ(protura),デイプルラ(diplura),チサヌラ(th
ysanura),エフエメリダ(ephemerida),オドナタ(o
donata),オルトプテラ(orthoptera),デルマプテラ
(dermaptera),エンビニア(embiania),プレコプテ
ラ(plecoptera),ゾラプテラ(zoraptera),コロデ
ンテイア(corrodentia),マルロフアガ(mallophag
a),アノプルラ(anoplura),チサスノプテラ(thysa
snoptera),ヘミプテラ(hemiptera),ノイロプテラ
(neuroptera),コレオプテラ(coleoptera),ヒメノ
プテラ(hymenoptera),メコプテラ(mecoptera),シ
ホナプテラ(siphonaptera),デプテラ(diptera),
トリコプテラ(trichoptera)およびレピドプテラ(lep
idoptera)目の昆虫類;デンテロストミア(Denterosto
mia)部門の動物,ケトグナタ(chaetognatha)門,エ
チノデルマタ(echinodermata)門,クリノイデア(cri
noidea),アストロデア(asterodea),オフイウロイ
デア(ophiuroidea),エチノイデア(echinoidea)お
よびホロツロイデア(holoturoidea)綱,ポゴノフオラ
(pogonophora)門,ヘミコロデータ(hemichordata)
門,エンテロノイスタ(enteropneusta)およびプテロ
ブランキア(pterobranchia)綱;コルデータ(chordat
a)門,ウロコルデータ(urochordata)亜門,アシデア
シエ(ascidiaciae),タリアセエア(thaliaceae),
ラルバセア(larvacea)綱;セフアロコルデータ(ceph
alochordata)亜門,ベルテブラータ(vertebrata)亜
門,アグナタ(agnatha),コンドリキチエ(chondrich
thyes),オステキチス(osteichthyes),サツコテイ
ジ(saccopteiygii)亜綱,クロソプテリジ(crossopte
rygii)およびデイプノイ(dipnoi)目,アンフイビア
(amphibia),レピチリア(repitilia),アベス(ave
s)およびマンマリア(mammalia)綱,プロトテリア(p
rototheria)亜綱,テリア(theria)亜綱,マルサピア
リス(marsupialis),インセクテイボラ(insectivor
a),デルモプテラ(dermoptera),チロプテラ(chiro
ptera),プリマチス(primates),エデタタ(edentat
a),フオリドータ(pholidota),ラゴモルフア(lago
morpha),ロデンテイア(rodentia),セタセエ(ceta
ceae),カルニボラ(carnivora),ツブリデンタータ
(tubulidentata),プロボシデア(probosicdea),ヒ
ラコイデア(hyracoidea),シレニア(sirenia),ペ
リソダクチラ(perissodactyla)およびアルチオダチラ
(artiodactyla)目を挙げることができる。目の下には
まだ科、族、属、種および亜種まであり、亜種外の分類
群、株又は個体があることが知られている。その上、培
養細胞(植物又は動物)も、ウイールスと同様同定する
ことができる。これらの分類はこの出願において説明的
目的のためにのみ用いられ、限定的に使用されるもので
ない。同定する有機体は既知のものでも未知のものでも
よいが最も普通には未知のものである。
機能的には、本発明の目的のためにはすべての有機体
を真核細胞群と前核細胞群に分けるのが便利である。前
核有機体を同定する場合には、DNAは細胞の中、又は区
画されていない染色体中に存在するものである。真核有
機体を同定する場合には、核DNA又は小器官内DNA(糸粒
体DNA又は葉緑体DNA)を用いればよい。
簡単に言うと、保存配列(および、多分種レベル以下
の分類又は亜種以下の小分類(infrasubspecific subdi
vision)を作り出すために用いることができる配列)を
分析するために、高分子量DNAおよび/又は小環状DNAが
有機体から分離され同定されるのである。DNAは当業者
には周知の方法により抽出される。
DNAは 1)保存配列の存在と位置及び 2)エンド
ヌクレアーゼ制限部位に関する位置の両者を確かめるた
めに分析されるのである。保存配列の存在を分析するた
めの最も簡便な方法は、保存DNA配列でハイブリツド化
できるポリヌクレオチドプローブを利用することであ
る。しかし、化学的配列測定や分析により得られるよう
な直接的配列情報も利用される。EP−A−0076123にお
いて利用されたプローブは、r RNA情報含有プローブで
あったが、この場合には、保存配列を有する他のいかな
るプローブも使用可能である。類似の方法において、エ
ンドヌクレアーゼ制限部位の与えられた一組を見いだす
最も簡便な方法は、適当な制限酵素でDNAを切断するこ
とである(実際、これはEP−A−0076123で教えられ、
実施された方法である)。しかし、既知の制限部位配列
と連結された配列情報あるいは、切断および部分的配列
の如き他の方法も使用されうる。
最も一般的には、DNAは特殊な部位で制限エンドヌク
レアーゼによって断片に切断されるのである。その断片
は、クロマトグラフシステムで大きさによって分離され
る。EP−A−0076123では、ゲルクロマトグラフイーが
有用なクロマトグラフシステムの例として使用された。
しかし、高圧液体クロマトグラフイー、キヤピラリーゾ
ーン電気泳動、あるいは他の分離技術のような他のシス
テムも使用可能である。ゲルクロマトグラフイーを使用
する場合、断片を分離し、当業者が周知の方法で、ゲル
を染色し、大きさが既知の断片で作った標準曲線を用い
て、断片の大きさについて標準化する。次いで分離した
断片をサウザーン(Southern)のスポツト法(Souther
n,E.M.「Journal of Molecular Biology」,38:503-517
(1975),ここに参照として挿入されている)により、
亜硝酸セルローズ紙に移し、加熱によりそこに共有結合
させる。保存配列を含む断片はそれから、保存配列情報
を含む核酸プローブとハイブリツド化する能力によって
位置が定められる。また、ハイブリツド化が消化後分離
前に生ずるか、あるいは制限切断がハイブリツド化後に
生じ、その後断片が分離されてもよい。
核酸プローブは、非放射性物質で標識化されるか、又
は、好ましくは放射性物質で標識化される。放射性物質
で標識化する場合、プローブはRNAでもよいし、逆転写
によって合成されるか、例えば切り込み翻訳(nick tra
nslation)によって標識化され得るクローン断片上に含
まれる、RNAに相補的なDNA(c DNA)でもよい。また、
合成オリゴデオキシリボヌクレオチドは標識化ヌクレオ
チドから合成されてもよい。
よく定義されているプローブは、後で見るように任意
に選ばれた有機体から得られるか、または一致した配列
から得られてもよい。一度ハイブリツド化がおこった
ら、ハイブリツドを形成した断片は、二重鎖の核酸を選
択的に検出することにより検出するか(非放射性標識化
プローブ)、又は例えばラジオオートグラフ法によって
目に見えるようにする(放射性標識化プローブ)。ハイ
ブリツドを形成した各断片の大きさは、制限部位に関係
しており、既述の標準曲線を用いて、移動距離から決め
られる。ハイブリツド化量、ハイブリツド化パターン、
ハイブリツドを形成した断片の大きさは、制限部位に関
係しており、個々に、又は組み合わせて有機体を同定す
るのに使用される。
この技術からあらわれる遺伝子特徴づけは、少なくと
も二個、さもなければ多数の既知の標準有機体、属又は
種から得られた同等の特徴づけと容易に比較できる。予
備的な広い分類が(例えば古典的分類法を用いて)既に
行われた後で、視覚による検査および適当なクロマトグ
ラフパターンとの照合により、(EP−A−0076123の如
く)ハイブリツド化された制限断片の大きさの比較によ
り、バンド強度(ハイブリツド化量)により、又はこれ
らを組み合わせることによって比較をおこなうことがで
きる。理想的にはポイント−オブ−セール(point-of-s
ale)処理に用いられるような、一次元コンピユーター
−パターン認識装置によって比較するのがよい。
発明者は前記の方法を用いる時は、同じ種の有機体の
遺伝子特徴づけは、非常に似ており、わずかな差は、菌
株の変化による亜種間の差にとどまるが、種間の差およ
び属間の差(そしてもっと高レベルの分類においても)
は非常に大きい。
或る一つの種の株間において酵素−特異的断片の変異
のあることを利用して、種々の目的、例えば細菌の場
合、疫学的目的のために株をタイプ分けすることができ
る。実際、制限酵素は種内の株を区別することができる
ものを選ぶことができる。
本研究に用いられる「プローブ有機体」(そしてそれ
から核酸プローブが得られる)は、上に挙げた有機体の
どれでもよく、真核有機体でも前核有機体でもよい。唯
一の制限は、保存配列−含有プローブが、未知の有機体
のDNAと最大にハイブリツド化しなければならない、と
いう事実によって与えられる。
保存配列情報−含有プローブに4種類ある:1)前核プ
ローブ(特に細菌から得られた)、2)真核糸粒体プロ
ーブ、3)真核葉緑体プローブ、4)真核非−小器官性
プローブ。
DNA(エンドヌクレアーゼで消化される)の出所も4
種類ある:1)前核細胞DNA、2)真核糸粒体DNA、3)真
核葉緑体DNA、4)真核細胞核DNA。
斯くして次のハイブリツド化表が作られた(第1
表)。
表は、一般にどのプローブが未知の有機体のDNAと最
大にハイブリツド形成することができるかを示してい
る。例えば、或る真核有機体を同定するためには、種−
特異的糸粒体又は葉緑体DNAを抽出し、それをエンドヌ
クレアーゼで消化し、この消化物を前核プローブか又は
小器官から抽出した真核プローブとハイブリツド化すれ
ばよい。同様にして、前核有機体を同定するためには、
種−特異的細胞DNAを抽出し、エンドヌクレアーゼでこ
れを消化し、消化物を前核プローブ又は小器官から抽出
した真核プローブとハイブリツド化すればよい。又、種
−特異的核DNAを抽出、消化し、これを非−小器官性の
真核プローブとハイブリツド化することによっても、真
核有機体を同定することができる。真核細胞は、核、糸
粒体、又は若干の場合では葉緑体系の中の一つ又は何ら
かの組み合わせによって定めることができた。これらの
交叉ハイブリツド化は、真核小器官由来の核酸が前核核
酸からの進化的な保存配列と広い相同性をもっている
が、核−抽出真核DNAと、前核DNAとの間では当該相同性
は一般にそのように広くは存在しないという事実に基づ
いている。
消化すべきDNAおよびこれに付随するプローブの対の
選択は任意であり、同定するべき有機体によるであろ
う。即ちそれは問われた問題によるだろう。例えば、感
染物質を検出し、同定する目的で、真核細胞(例えば動
物又は植物)中あるいは一緒に存在する前核細胞の種
(例えば細菌)を検出する場合は、前核プローブを選
び、小器官由来のDNAは抽出されないか、最小限量抽出
される条件で処理すればよい。このやり方を用いれば、
小器官由来のDNAと前核DNAとの干渉は最小であると確信
することができる。真核種(それは前核細胞によっては
感染されない)を前核プローブで同定する場合、例えば
核から小器官を分離し、次いで小器官のDNAのみを抽出
するというようにして、小器官由来のDNAの濃度を最大
にするのが最も良い。前核有機体の感染を受けた真核有
機体を同定したい場合は、非−小器官、非−前核細胞由
来のプローブを用いるのが最良である。なぜならばこの
プローブは前核細胞からのDNAとは一般に十分にハイブ
リツドを形成しないからである。
同じ界、又は同じ亜界、又は同じ部門、又は同じ門、
又は同じ亜門、又は同じ綱、又は同じ亜綱、又は同じ
目、又は同じ科、又は同じ族、又は同じ属からの一対
(DNAおよびプローブ)を用いるのが好ましい。前核DNA
とハイブリツドを形成させるためには前核細胞プローブ
(例えば細菌のプローブ)を用いるのが特に好ましい。
このやり方で、前核有機体の属、種および株を検出し、
定量し、そして同定することができるだろう。最も好ま
しい前核プローブの1つは細菌から得られるもので、そ
の中でも特に、使い易く、手に入り易いという点で大腸
菌からのものがよい。大腸菌から得たプローブは、いか
なる有機体にも、特にすべての前核有機体の同定に用い
ることができ、あらゆる細菌の菌株の同定のために最も
好ましい。他の、特に好ましい実施態様は、或る与えら
れた科に由来する真核プローブを用いて、同じ科の真核
細胞有機体を同定することである(例えば哺乳類有機体
を確認するために哺乳類プローブを用いる)。最も好ま
しいのは同じ亜科および/又は目および/又は族の有機
体から得たプローブとDNAを用いることである(例えば
マウスの或る種を同定する場合には、マウス由来のプロ
ーブを用いるのがよい)。
最も鋭敏で有効な対の系は、プローブの出所と未知DN
Aの出所との間が進化的にあまり距離がないか又は分散
がより少い、という系である。
本発明において、「進化的に保存された遺伝子材料配
列」という語句は、植物、動物又は微生物のうちの少な
くとも2つの相違する種の間で相同性を示す遺伝子材
料、例えばDNAの配列を表わすのに使用される。2つの
保存された配列の間の相同性とは、もしもそのようなDN
A分子の配列の一方が検出可能なように標識化されてい
れば、2つの単鎖DNA分子若しくは断片が互いにハイブ
リツド条件下に置かれた場合に十分ハイブリツド化若し
くはアニーリングが生じ、それによって標準的な方法
(即ち、放射性標識、酵素標識等)により検出可能な程
十分安定な2重鎖を生ずることである。
EP−A−0076123において例示された進化的な保存配
列は、リボソームRNA遺伝子のそれであった。これは今
でも高度に望ましい遺伝子配列である。しかしながら、
進化的距離を越えて十分に保存された有用な遺伝子配列
が他にも存在することが発見された。
そのような付加的な配列の例は、参考文献としてここ
に入れたDayhoffの“Atlas of Protein Sequence and S
tructure",Volume 5,Supplement 3,1978,NBR,1979,page
s 9−24に、同超科(Superfamily)同科(Family),好
ましくは同副科(Subfamily)あるいは同門(Entry)に
属するものとして示されている転移RNAあるいは蛋白を
コード化している遺伝子や部分の配列である。蛋白の科
というのは、それらの配列の50%以下のアミノ酸残基に
よっていずれの二個の蛋白も各々区別されるものであ
る。蛋白の副科というのは、配列の20%以下のアミノ酸
残基によっていずれの二個の蛋白も区別されるものであ
る。門は、配列の5%以下のアミノ酸残基によっていず
れの二個の蛋白が区別されるものである。
使用されうる遺伝子配列又はその適当な部分の特殊な
例は、チトクロームC関連遺伝子、チトクロームc3
連遺伝子、チトクロームc1関連、チトクロームb5
連、フエロドキシン関連、リブレドキシン関連、フラボ
ドキシン関連、アルコールデヒドロゲナーゼ関連、ペル
オキシダーゼ関連、アデニレートキナーゼ関連、ホスフ
オリパーゼA2関連、トリプトフアンオペロン関連、カ
ルボキシペプチダーゼ関連、サブチリシン関連、ペニシ
リナーゼ関連、プロテアーゼインヒビター関連、ソマト
トロピン関連、コルチコトロピン関連、リポトロピン関
連、グルカゴン関連、蛇静脈毒素(snake venom toxi
n)関連、植物毒素(plant toxin)関連、抗微生物毒素
(antibacterial toxin)関連、免疫グロブリン(immun
oglobulin)関連遺伝子、リボソームRNA以外のリボソー
ム関連遺伝子、ヘムキヤリヤー(heme carrier)遺伝
子、染色体蛋白(chromosomal protein)遺伝子、線維
性蛋白(fibrous protein)遺伝子などである。
これらの付加的なDNA配列のうちいくつかのものの保
存は、リボソームRNA(r RNA)遺伝子の場合ほど動物、
植物または微生物界を通じて普及しているものではな
い。(かくして、依然r RNAの使用が好ましい)。しか
し、これは、より制限された範囲又は亜界内で、有機体
を同定又は特徴づけするために付加的な配列を利用でき
るかもしれないので、その使用に対し重大な障害を構成
するものではない。たとえば、trp D微生物プローブを
発生させ、それから微生物界内で試験するためこのプロ
ーブを使用するために、微生物由来のtrp D配列を利用
することが可能である。事実、同じ種、科又は属のtrp
Dプローブをさらに狭い界(例えば、エンテロバクター
(Enterobacteriaceae)又はバチルス(Bacillus)等の
存在に関する試験)内でtrp Dプローブを使うことは可
能である。従って、付加的プローブ配列のいくつかの適
応範囲は、r RNAプローブほど広いものではないが、そ
の適応性はやはり狭い界内で極めて効果的であろう。
保存DNA配列情報を含むプローブは、EP−A−0076123
で例示されたr RNA情報含有プローブの製法と同様の操
作で製造される。かくしてプローブは、RNA、DNAまたは
c DNAなどであってよい。
その技術に含まれる個々のステツプを、真核細胞およ
び前核細胞(適用できる場合)の両方に言及しつつ、又
は技術的に何らかの相異がある場合には、細胞の各々の
タイプについて別々に、述べるつもりである。
第一段階は未知有機体からのDNAの抽出である。真核
細胞からの核DNAは当業者には既知の標準的方法によっ
て選択的に抽出することができる(例としてDrohan,W e
t al著,「Biochem.Biophys.Acta」,521(1978),1−1
5,ここには参考文献として挿入されている)。小器官DN
Aは小さくて環状であるからスプーリング(spooling)
法が、非環状核DNAを、環状、小器官由来のDNAから分離
するのに役立つ。結果として、スプーリングされなかっ
た物質は、小器官由来のDNAを含み、これは密度勾配遠
心法によって個々に分離することができる。もう一つの
方法として、糸粒体(又は葉緑体)を、打ち砕いた細胞
の混合物から分離し、精製した糸粒体(又は葉緑体)フ
ラクシヨンを小器官由来のDNAの調製に用い、精製した
核フラクシヨンを核DNAの調製に用いる。(例としてBon
en L.and Gray M.W著「Nucleic Acids Research」8:319
-335(1980)参照)。
前核DNA抽出も当業者には良く知られている。例え
ば、工業的発酵懸濁液、寒天培地、植物又は動物組織又
は試料その他のような媒質中に存在する未知の細菌を、
高分子量DNAを抽出するように設定された周知の条件下
で処理する。例えば、未知の有機体の細胞を抽出緩衝液
に懸濁し、リゾチームをこれに加え、この懸濁液をイン
キユベートする。細胞破壊は、洗浄剤の添加および/又
は温度上昇によって一層促進することができる。プロテ
アーゼ消化後クロロホルム/フエノール抽出およびエタ
ノール沈澱を行ないDNAの抽出は完了する。フエノール
/クロロホルム抽出よりずっと早いもう一つの抽出法
は、エタノール沈澱を用いてDNAを速やかに分離する方
法である。この方法はDNAを直接コロニー、又は少量の
液体培地から分離するために好んで使われる。この方法
はDavis,R.W et al著「A Manual for Genetic Engineer
ing,Advanced Bacterial Genetics」(今後は「デービ
ス」と記す)、Cold Spring Harbor研究所,Cold Spring
Harbor,ニユーヨーク,1980,p.120-121(ここに参考文
献として記入)に記載されている。
DNA(前核細胞又は真核細胞の(核又は核以外の))
は次の段階のために生理的緩衝液に溶解される。
希望するDNAの単離後につづく可能なステツプには多
様性がある。これらのステツプのうちのひとつがエンド
ヌクレアーゼ消化である。
抽出されたDNAの消化は制限エンドヌクレアーゼ酵素
で行う。どんな制限エンドヌクレアーゼ酵素でも用いる
ことができる。確認しようとするものと同じ種の有機体
から得たものでないほうが好ましい。そうでなければDN
Aは完全無傷のまま残るであろう。(このことが、結局
は有機体を同定することになるだろう。なぜならば酵素
がそれ自身の起源である種から得られたDNAを切断する
とは思われないからである)。特徴づけるべき有機体種
は未知であろうから、断片の消化物を得るには最少量の
試行錯誤が課されるが、これは熟練した当業者が不必要
な実験を行わずに日常的に実行できる程度の仕事であ
る。可能性のある制限エンドヌクレアーゼ酵素の例は、
Bgl I,BamH I,EcoR I,Pst I,Hind III,Bal I,Hga I,Sal
I,Xba I,Sac I,Sst I,Bcl I,Xho I,Kpn I,Pvu II,Sau
IIIa,その他である。Davis,同上,p.228-230もみよ、
(ここに参考文献として記入)一種類以上のエンドヌク
レアーゼ混合物も消化のために用いることができる。普
通は、DNAとエンドヌクレアーゼは適当な緩衝液中で一
緒に、適当な時間(1〜48時間の範囲内、温度範囲は25
℃−65℃で、好ましくは37℃)インキユベートする。
その結果得られる同定用遺伝子特徴づけは、用いた1
又はそれ以上のエンドヌクレアーゼのタイプに依存する
だろうし、エンドヌクレアーゼに特異的であるだろう。
従って消化のためにどの酵素(1種類か又は数種類)を
用いたかに注意する必要がある。なぜならば、カタログ
に用いられる比較用特徴づけは、同じ酵素又は酵素類を
用いて作られていなければならないからである。
別のステツプは、所望のDNA分子を消化することな
く、例えば、配列化及び制限部位ライブラリーを参照す
ることによって所望のDNA分子上のエンドヌクレアーゼ
部位を明らかにすることである。明らかに、消化はその
部位を示すのにより効果的な方法ではあるが、これに限
定されるべきものではない。発明の本質は、エンドヌク
レアーゼ制限部位の位置に関連するDNAに沿った保存配
列の位置が、各々の種々に特徴的な組み合せ(set)を
構成しているという発見にある。従って、希望する情報
(部位の位置と遺伝子の位置との関連)を得るための技
術は、すべて発明において有用であろう。
さらに、DNA分子に沿った保存配列の位置は、ハイブ
リツド化プローブを使用することによって最もよく示さ
れる。このプローブは、未知のDNAの制限断片をアニー
リングさせる。しかし、配列化のような、保存DNA配列
の決定をさせる他の方法も有用である。ハイブリツド化
プローブを使用する場合、大きさに従ってDNA断片を最
初に消化、分離し、それから、分離された断片をハイブ
リツド化することが好ましい。しかし、最初に消化し、
過剰モルのプローブおよび/またはプローブに補足的な
配列でDNAをアニーリングしてから、混合物を分離する
こともできる。例えば、未知のDNAは、制限エンドヌク
レアーゼ消化され、変性され、液体中で小さい探知可能
なラベル化DNA断片、又は、興味のある保存配列の一部
又は全部に補足的な合成オリゴデオキシリボヌクレオチ
ドの一つあるいはそれ以上の過剰モルでハイブリツド化
されうる。大多数の制限酵素はDNAにおいて全くまれに
切断するので、多くの場合、ハイブリツドの1つあるい
は複数の二重鎖領域は制限断片の大きさに比べて少ない
であろう。ハイブリツド化反応は、オリゴデオキシリボ
ヌクレオチドのみがハイブリツド化するような条件下
で、行なわれる。単鎖DNA断片のような未反応物および
ハイブリツド化したオリゴデオキシヌクレオチドを含む
DNA断片は、伝統的なクロマトグラフ技術によって分離
される。ラベル化されたDNA断片は、予想どおり大きさ
で分類した分画に現われるであろう。最初に過剰モルの
プローブでDNAをアニーリングし、次いで消化し、それ
から混合物を分離することも可能である。溶液を短時間
又は低いC0tでインキユベートする時、制限部位はハイ
ブリツド化又は二重鎖領域に限定されるであろう。溶液
を長時間又は高いC0tでインキユベートする時は、未知
のDNAはアニールし、制限エンドヌクレアーゼ切断の起
こりやすい標識化二重鎖を生ずるであろう。組み換えの
ない単鎖末端は、S1のようなヌクレアーゼによって除去
される。対になっていない延期はDNAポリメラーゼIま
たはT4ポリメラーゼを使って充填される。
また、保存配列情報(例えば20−,30−,又は50個)
の中に、プローブとして選択された保存領域の残部より
も高度に保存された副配列を認めることがある。それら
の「短かい」配列は、所望により合成的あるいは酵素的
につくられ、標識化ヌクレオチドを組み入れてもよい。
未知物質由来の単鎖、前消化されたDNAは、これらの短
かく、高度に保存された断片でインキユベートされ、そ
れにハイブリツド化されうる。それから分離は、短かい
標識化プローブに対して、部分的にアニーリングされた
断片を含む消化混合物で行なわれる。(従って、分離は
ハイブリツド化後に発生する)。すべての実用的な目的
のために消化混合物は、本質的に単鎖の断片の混合物の
ようにふるまうので、分離は液体クロマトグラフイーで
行なわれる。
指摘したように、好ましい方法は最初に消化し、次に
分離し、それからハイブリツド化することである。従っ
て、エンドヌクレアーゼ消化後、種々の大きさの断片を
含むインキユベーシヨン混合物は適当なクロマトグラフ
イー法によって分離されるのが好ましい。ハイブリツド
化が直前のステツプである場合、核酸消化物を大きさに
よって分離することができて、その後の核酸プローブと
のハイブリツド化を可能とする方法ならなんでも用いる
ことができる。例えば、ゲル電気泳動、高圧液体クロマ
トグラフイー又はキヤピラリーゾーン電気泳動を用いる
ことができる。(Jorgenson,J.W.,J.of HRC and CC,4:2
30-231(1981))。
現在、好ましいのはゲル電気泳動法であり、特に好ま
しいのは、アガロース・ゲル電気泳動法である。この装
置では、DNA消化物は、普通は適当な緩衝液中で電気泳
動にかけられ、ゲルは普通は、臭化エチジウム溶液に浸
され、多分加えられる標準マーカー断片が見えるように
するためにUV−光−箱に置かれる。検出用に標準化され
た標準マーカー断片を用いることもできる。
分離し、目で見えるようにした後、そのDNA断片をサ
ウザーン法によりニトロセルローズ濾紙又は荷電修飾ナ
イロン膜(charge-modified nylon membranes)に移す
(「Journal of Molecular Biology」38:503-517(197
5))。この移し換えは、変性および中和段階後に行う
ことができ、普通は長時間かけ(約10-20時間)るか又
は電気的力をかけて、ゲルから濾紙へと移される。ゲル
から濾紙への移動を促進する機器は市販されている。受
けとったニトロセルローズ濾紙は次いでDNAを濾紙に結
合するため高温(60-80℃)で数時間加熱される。
また、Purrello,M.ら(Anal.Biochem.,128:393-397
(1983))の直接ハイブリツド化に関する最近の方法を
用いることによって、転移がさけられる。
濾紙に結合したDNA消化断片のハイブリツド化に利用
されるプローブは、核酸プローブであり、或る与えられ
たよくわかっている有機体又は既知の塩基配列から得ら
れたものであることが望ましい。
また、プローブ配列には自然の相対物(counterpar
t)を有さないものがよい。すなわち、プローブ配列は
異種間で、多くの同一配列の残基が最も一般的に存在す
るそれぞれの部分で、塩基が同一配列であるかもしれな
い。その同一配列は、どんな自然におこる配列のうちの
一つよりももっと安定なハイブリツドを一般に形成し得
る。プローブは予定した配列に、個々のヌクレオチドを
共有結合することによってつくられた合成オリゴデオキ
シリボヌクレオチド分子であってもよい。合成分子は、
例えば、合成におけるトリホスフエート法(Alvarado-O
rbina et al,Science 214:270-274(1981))で調製さ
れる。プローブ分子はどんな大きさでも有用であり、プ
ローブ溶液中に一配列以上あればよい。例えば、数個の
20塩基配列はr RNA遺伝子で高度に保存された数個の部
分を検出するのに用いられる。それは検出可能なように
標識化されているか、又は標識化されていないかのどち
らかであるが、検出可能なように標識化されているもの
が望ましい。この場合には、核酸プローブは検出可能な
標識化RNA、好ましくは切り込み翻訳標識化DNA、クロー
ンDNA又はプローブ有機体からのRNAに相補的である検出
可能なDNA(c DNA)のいずれかであり、高度に保存され
たDNA配列情報を含むものすべてである。合成オリゴデ
オキシヌクレオチドは検出可能な標識化ヌクレオチドで
調製されるので、その分子は、標識化ヌクレオチド残基
を組み入れることにより標識化される。組合せの選択に
よって、プローブは前核細胞からのものでも真核細胞
(細胞質由来、又は小器官由来)からのものでもよい。
最も好ましいのは、検出可能な標識が放射性燐のような
放射性標識であることである(例、32P,3H又は
14C)、か又はビオチン/アビジンに基づく(biotin/a
vidin-based)システムである。核酸プローブは金属原
子で標識化してもよい。例えば、ウリジンおよびシチジ
ンヌクレオチドは共有結合水銀誘導体を形成することが
できる。水銀と結合したヌクレオシド・三燐酸は逆転写
酵素を含む多くの核酸ポリメラーゼの良い基質である
(Dale et al,「Proceedings of the National Academy
of Sciences」70:2238-2242,1973)。天然核酸の直接
的共有結合による水銀化が報告された。(Dale et al,
「Biochemistry」14:2447-2457)。水銀化重合体のリア
ニーリング(reannealing)性は、対応する水銀のない
重合体のそれと似ている(Dale and Ward,「Biochemist
ry」14:2458-2469)。金属標識化プローブは、例えば光
−聴音スペクトロスコピー、X線スペクトロスコピー、
例えばX線螢光、X線吸収又は光子スペクトロスコピー
によって検出することができる。
所望の保存DNA配列含有プローブの単離と調製は当業
者の技術内である。例えば、真核細胞および前核細胞か
らのr RNAの分離は、当業者にはよく知られている。従
って、真核細胞質リボソームからr RNAを調製するため
には、RNAを全細胞又はリボソームから抽出し、スクロ
ース勾配遠心法により分離することができ、18S型およ
び28S型フラクシヨンを分子量既知のマーカーを用いて
集めることができる(例えばPerry,R.P.およびKelly,D.
E.,著「28Sおよび18SリボソームRNAの生産が少量のアク
チノマイシンDによって阻害される時の5SRNAの持続性
合成」J.Cell.Physiol.,72:235-246(1968)、ここに参
考文献として記されている)。当然の結果として、小器
官由来r RNAは、同様な方法で、小器官フラクシヨンか
ら分離され精製される(例えばVan Etten R.A.et al,
「Cell」22:157-170(1980)、又はEdwards,K.et al,
「Nucleic Acids Reserch」9:2853-2869(1981))。
もし放射性標識化プローブを用いるならば、このもの
は、適当な放射能をもつ化合物を含んだ栄養物、又はそ
のような化合物を含む培養培地中で、生育又は培養され
たプローブ有機体から分離される。プローブが相補性DN
Aである場合(c DNA)、このものは、プローブ有機体か
ら分離されたRNAを放射性ヌクレオシツド・三燐酸(例
えば、32P−ヌクレオシド又は3H−ヌクレオシド)の
存在下、逆転写することによって作られる。
標識化プローブは、又切り込み翻訳DNA分子、特に小
器官由来の全環状DNAから得られたものであってもよ
い。具体的には、葉緑体又は糸粒体の環状DNAが、放射
性標識の存在下切り込み翻訳されることによって標識化
DNAプローブが得られる。葉緑体標識化プローブは、葉
緑体DNAと最も良くハイブリツド化し、糸粒体標識化プ
ローブは、糸粒体DNAと最も良くハイブリツド化するで
あろう。葉緑体(又は糸粒体)の切り込み翻訳標識化プ
ローブは、糸粒体(又は葉緑体)DNAと2番目に良くハ
イブリツド化するであろう。それは、一般的にあまり好
ましくない形ではあるが、全植物(又は動物)のDNAと
もハイブリツド化するだろう。プローブは、実用性を考
慮した場合はこの方法が良いとはいえないとしても真核
細胞の核DNAからも切り込み翻訳によって得られるかも
知れない。これを実現するより有用なアプローチは、真
核細胞の核DNAから高度保存遺伝子を切りとり(制限酵
素により)、断片を分け、遺伝子配列を同定し(ハイブ
リツド化によって)、そしてその遺伝子配列を分離する
(電気泳動法によって)ことである。次いで分離した配
列はプラスミツド又は他のベクターに再結合され、適当
な宿主の形質転換(transformation)後32P−含有媒質
中でクローニングを行えばよい。もう一つの方法は、形
質転換宿主を増殖し、次いでDNAを分離し、切り込み翻
訳によってそれを標識化するか、又はDNAを分離し、配
列を切りとり、次いで標識化する。得られたリボソーム
プローブはc DNAと同じ状態でハイブリツド化する(後
記参照)。
好ましい核酸プローブは、プローブ有機体からのRNA
に相補的な、放射性標識化DNAである。そのRNAは普通、
保存遺伝子を解読しているメツセンジヤーRNAであり、
実質的に運搬DNA(t RNA)又は(r RNAが使われるので
なければ)リボソームRNA(r RNA)のような他のRNAは
含まない。もしr RNAが使用されれば、前核細胞r RNAは
普通は3種類のサブグループを含む。いわゆる5S,16S,
および23S−断片である。c DNAへの逆転写は3種類すべ
ての混合物で行われるか、さもなければ16Sおよび23S断
片の混合物で行われる。これらr RNA成分のうち一つだ
けで逆転写を行うのは、或る状態では可能であるとはい
え、あまり好ましくない。真核r RNAは、普通は2種類
のサブグループ、18S型および28Sを含む。そしてc DNA
への逆転写は18Sおよび28S断片の混合物か、これらの中
の各々によって行われる。
他の種類のRNAをほとんど含まない純粋のr RNAを、c
DNAに逆転写することのできる逆転写酵素と共にインキ
ユベートする。この場合より好ましいのは、仔牛甲状腺
DNA加水分解物のようなプライマーの存在下において、
鳥骨髄芽球症ウイールス(AMV)からの逆転写酵素とイ
ンキユベートすることである。混合物は適当なデオキシ
ヌクレオシド三燐酸を含んでいなければならず、そのヌ
クレオシドのうち少くとも一つは、例えば32Pによっ
て、放射性標識化されている。例えば、デオキシシチジ
ン5′−(32P)、デオキシチミン5′−(32P)、デ
オキシアデニン5′−(32P)、又はデオキシグアニジ
ン5′−(32P)・三燐酸が放射性ヌクレオシドとして
用いられる。30分〜5時間、25℃−40℃でインキユベー
トし、クロロホルムおよびフエノールによる抽出および
遠心分離並びにクロマトグラフイー後、放射性標識化フ
ラクシヨンを合一し、c DNAプローブとする。実質的に
は純粋な型の保存DNA情報を含む放射性標識化c DNAプロ
ーブ、即ち非標識化分子がなく、他の型のRNAに相補的
なc DNAもなく、蛋白性物質もなく、膜、小器官等の細
胞成分もない放射性標識化c DNAプローブも、本発明の
一面を構成する。好ましいプローブは前核細胞の標識化
c DNAで、最も好ましいのは細菌の標識化c DNAである。
プローブの種は、細菌性微生物、例えばエンテロバクテ
リアセア(Enterobacteriaceae)、ブルセラ(Brucell
a)、バシルス(Bacillus)、シユードモナス(Pseudom
onas)、ラクトバシルス(Lactobacillus)、ハエモフ
イルス(Haemophillus)、ミクロバクテリウム(Microb
acterium)、ビブリオ(Vibrio)、ネイセリア(Neisse
ria)、バクトロイデス(Bactroides)科に含まれる
種、およびその他の嫌気性群、例えばレジオネラ(Legi
onella)等が使われる。本出願において前核細胞の実施
例は、細菌性前核プローブ有機体としての大腸菌の使用
に限られているとはいえ、決してこの微生物に限られる
ものではない。プローブとして放射性標識化型のc DNA
の使用は、DNAのハイブリツド化中の安定性がより大き
いので放射性標識化RNAの使用より好ましい。
標識科c DNAプローブがRNAの忠実なコピーでなければ
ならないこと、即ち合成が行われるあらゆる時に鋳型RN
Aの全ヌクレオタイド配列が転写されたものであること
を認識することが重要である。プライマーの使用はこの
点で必須である。c DNAが忠実なコピーであるというこ
とは、ハイブリツド化後にこれが二つの特性をもってい
るという事実によって証明することができる: 1.c DNAは標識化r RNAの100%をリボヌクレアーゼ消化
から保護しなければならない;そして 2.標識化c DNAは、S1ヌクレアーゼに対する抵抗によっ
てわかるように、r RNAに特異的にアニールしなければ
ならない。
ベルジヤンスキーM.Mらの「C.R.Acad Sc Paris」t28
6,シリーズD.p.1825-1828(1978)には大腸菌r RNAに由
来する3H−放射性標識化c DNAについて記載されてい
る。この研究におけるc DNAは、本発明のようにプライ
マーの存在下逆転写酵素で調製したものではなく、リボ
ヌクレアーゼU2を用いてあらかじめ分割しておいたr R
NAを鋳型として用いDNAポリメラーゼIで調製したもの
である。ベルジヤンスキーらのr RNA消化産物(RNA se
U2による)は、最初のr RNAと異なる塩基比を有し、塩
基および/又は短かい断片が失なわれたことを示してい
る。このようにして得られたc DNAは忠実なコピーでは
ない。その上ベルジヤンスキーが用いたDNAポリメラー
ゼIの使用は、r RNAのヘテロ重合転写に対するホモ重
合転写の優位に拍車をかけることが知られている(参
照、Sarin P.S.et al,「Biochem,Biophys,Res.Comm.」,
59:202-214(1974))。
これらをまとめると、プローブは、a)例えば遺伝子
のように、保存配列を含むゲノムDNAから、クローニン
グおよび/又は切り込み翻訳によって、b)RNAそれ自
身から、又はc)c DNAから、RNAの逆転写によって得ら
れる。
標準的には、本発明工程の次の段階は、未知有機体か
らの分離DNA消化物の、標識化していないか又は(好ま
しくは)放射性標識化したRNA又はDNAプローブとのハイ
ブリツド化である。ハイブリツド化は未知有機体からの
共有結合的に標識化されたDNA消化物を含有する紙を、
プローブを含むハイブリツド化混合物と接触することに
よって行われる。インキユベーシヨンは加温下(50-70
℃)長時間かけて行い、その後、濾紙を洗って結合して
いない放射能を除去し(必要な場合)、次いで空気乾燥
し、検出の用意をする。もう一つの、上記方法より遥か
に迅速にできる、非常に好ましいハイブリツド化は、コ
ーンD.E(Kohne,D.E)らの「Biochemistry」16:5329-53
41(1977)に参考文献として記載の、室温フエノール乳
濁液再対合法である。
ハイブリツド化後、この方法では適当にハイブリツド
形成した断片の選択的検出が必要である。この検出は、
ハイブリツド形成した断片が二重鎖構造であることを利
用し、これによる選択的方法(非標識化プローブの場
合)、ラジオオートグラフ法又はコンピユーター化され
ていてもされていなくてもよく、これにより検出スピー
ドを増すのであろう適当な放射線スキヤナー法(標識化
プローブの場合)によって行うことができる。これらの
方法は熟練せる当業者にはよく知られており、この点で
これ以上記すことはないだろう。
この方法の最終産物は、特定の位置に種々の強度のピ
ークおよび谷、あるいは好ましくは明および暗領域をも
った、クロマトグラフ帯パターンのような同定用遺伝子
特徴づけである。これらの位置はEcoR I消化λバクテリ
オフアージDNAのようなマーカーの分離法にかけること
によって、特定の断片サイズ(キロベース対)に容易に
照合させることができる。このようにして帯相互の相対
的位置も各帯の絶対的大きさも容易に確かめることがで
きる。未知有機体の同定用遺伝子特徴づけをカタログ又
はライブラリーにある特徴づけと比較する。カタログ又
はライブラリーには少くとも2から、ほとんど無限とい
ってよい程の数の確定せる種々の有機体の属および種の
特徴づけを掲載する本からなっていても良い。例えば人
の病気を発生させる病理学的に関係のある細菌は約100
と推定され、そのため、病原細菌の標準カタログは50〜
150のそのような特徴づけを含むだろうと推定される。
疫学的判定システムのための細菌菌株の型のカタログも
また含まれていても良い。
特徴づけは選んだエンドヌクレアーゼ酵素のタイプ又
はタイプ群に依存し、多分放射性標識化プローブの出所
(プローブ有機体)として用いられた特定の有機体に、
そして又プローブ調製のために利用した保存DNA配列情
報核酸の組成(例えば前核細胞の5S、16S又は23S型サブ
タイプか、16Sおよび23S型のみかまたは一致配列等)に
依存するだろう。こうして、カタログは各プローブ毎
に、記録された帯サイズおよび相対的強度をもった、種
々の酵素−特異的特徴づけを含むかも知れない。濾紙に
結合した結合DNAの濃度が減るにつれて、最も強い帯の
みが見えるようになり、この又はこれらの帯のサイズで
種を確認することができる。
叙上の変化又は順列は、勿論、全てライブラリーに利
用される。その上真核有機体については、ライブラリー
は一つのタイプのDNA、又は小器官および/又は核−DNA
の組み合わせを用いることにより生じる諸パターンを含
むかも知れない。各DNA消化物のパターンは、プローブ
組成に依るであろう。カタログは、もし1種類以上の株
又は種が、抽出サンプル中に存在していて、プローブに
よって検出される場合、それから生ずる特徴づけを解釈
できるように整理されている。
ユーザーは、得られた特徴づけ、例えば帯パターンを
視覚的に比較することもできるし、パターン認識用にプ
ログラムされた一次元のコンピユーター式デジタルスキ
ヤナーによっても比較することもできる。これらのコン
ピユータースキヤナーは、タイム−オブ−セール(time
-of-sale)処理(一般に利用される「スパーマーケツ
ト」チエツクアウトバーコードまたはパターン読みとり
装置)の当業者にはよく知られている。理想としては、
ライブラリー又はカタログは複数の有機体の相対的特徴
づけと、断片の分子量又はサイズの絶対値とでコンピユ
ーターメモリーの中に入っているべきである。そうなれ
ば、カタログ比較は、貯蔵情報要素の一つ又は両方(相
対的特徴づけおよび/又は絶対的サイズ要素)によっ
て、未知の特徴づけをライブラリーに存在する特徴づけ
の一つと照合することによって行われる。標準と比較し
た時の各帯の強度は、ハイブリツド化した結合DNAの量
をあらわすこともできるので有機体の存在の程度、例え
ば真核細胞中の前核細胞の存在の程度を推定するのに用
いることができる。
もしもユーザーが与えられた有機体の性質を確認し、
同定を更に進めたいと思うならば、そのようなユーザー
は、未知の有機体を第二の異るエンドヌクレアーゼで消
化し、得られた特徴づけを、二番目に選んだエンドヌク
レアーゼの場合の有機体のカタログ特徴づけと比較すれ
ばよい。この過程は、正確な同定を行うために必要なだ
け何回も繰返すことができる。しかしながら、普通は単
一プローブで一回分析をすれば大低の場合は十分であ
る。
本発明およびその変法は無数に応用できる。本発明は
植物栽培者又は動物飼育者が彼等の対象物を正しく確認
するために用いてもよいし、臨床および微生物学研究室
で、真核細胞も含む何らかの媒体中に存在する細菌、寄
生虫又は菌類を同定するために用いてもよい。この後者
の場合は、この方法は標準微生物検定法として用いられ
る。なぜならば微生物の分離および増殖の必要がないか
らである。試験管内(in vitro)増殖および特徴づけ
は、現在、マイコバクテリウム・レプラ(Mycobacteriu
m leprae)(ライ病の病原菌)のような若干の微生物に
とっては不可能であり、必常的細胞内細菌(例えばリケ
ツチヤー、グラミジア等)のような若干の微生物は標準
培地上では不可能であるか、不可能でなくても非常に危
険である(例えばB.アントラシス(B.anthracis)(炭
疽病の病原菌)。本法は核酸の単離に基づいており、そ
れは従来の細菌分離および特徴づけを行わないから、こ
れらの問題を排除することができる。この方法はこれま
で正式には記載のなかった微生物を検出することができ
ると思われる。その上本法は、種の異なる菌株を見分け
ることができ、これは、例えば細菌学における疫学的類
型化に役立つ。この方法は犯罪捜査で植物又は動物組織
を正しく、はっきりと同定するために、法医学実験室で
用いることができる。又作物被害の性質を確かめる場
合、昆虫学者が昆虫の種を速かに同定するためにも用い
られる。
更にこの方法を亜種以外の分類群(例えば植物根の窒
素酵素遺伝子;参照:Hennecke H 291「Nature」354(19
81))の同定と結びつけることによって、この方法論は
個々の菌株の遺伝子型を調査し、同定するために用いる
ことができる。
この発明の方法は、微生物が見出されるあらゆる場所
で、微生物の同定に好ましく使用される。これら微生物
は生理学的物質中にも非生理学的物質中にも見出される
だろう。それらは工業的増殖培養基、培養肉汁等の中に
見出され、そして例えば遠沈法によって濃縮させられる
だろう。微生物が生理学的培地に見出されるのが好まし
いし、それが感染した動物源に見出されるのが最も好ま
しい。この後者の具体例では本法は動物、特に好ましい
のはヒトにおける細菌感染を診断するのに用いられる。
前核プローブによる細菌DNAの検出および同定は高度に
選択的で、動物(例えば哺乳類)DNAの存在においてさ
え障害なしにおこなえる。もし前核プローブを用いるな
らば、糸粒体DNAとのハイブリツド化を最小にする条件
を選ぶか、糸粒体の帯を当該パターンから差し引くこと
ができる。このようにしてこの技術は臨床研究室、菌寄
託機関、工業的発酵研究室等において用いることができ
る。
特に興味深いことは感染微生物の種および菌株の同定
に加えて、微生物の中に何らかの特殊な遺伝子配列の存
在を発見できる可能性のあることである。例えば、薬剤
耐性を仲介する伝達性プラスミツドR因子上に見出され
る抗生物質耐性配列の存在を検出することができる。標
識化R因子DNA又はクローン標識抗生物質耐性配列をハ
イブリツド化混合物に加えることによって、その有機体
の抗生物質耐性の有無を正しく決めることができる(正
規でない一本又は数本の帯があらわれる)。又、加えた
抗生物質耐性配列プローブ(1又は数種)の存在下で一
度ハイブリツド化した濾紙を再ハイブリツド化してもよ
い。又別の方法として、未知のDNAをアリコートに分
け、第一のアリコートを同定のために、第二のアリコー
トを薬剤耐性配列の存否のために、第三のアリコートを
毒素遺伝子のために用いるというように試験することも
できる。又別の方法として、一放射線核種(例えば
32P)で標識化した保存遺伝情報を含むプローブを別の
放射線核種(例えば3H又は14C)で標識化したR−因
子プローブを加えたハイブリツド化混合物中で用いるこ
ともできるだろう。ハイブリツド化後、未知DNA中のR
−因子DNAの存在を、二種類のスキヤナーによる走査で
テストすることができる。一つは種および菌株同定のた
めであり(例えば32P)、他の一つは薬剤耐性等のため
のものである(例えば3H又は14C)。この方法で実験
者は、微生物の分離および特徴づけをする必要なしに、
属および種を同定、菌株をタイプ分け、薬剤耐性、毒素
生産若しくはその他の特性、又は標識核酸配列若しくは
プローブで検出しうる種レベル以下の分類群のテストの
すべてを、一つの実験で行うことができる。
R−因子は普遍的で、種の境界と交差しているので、
同定は、いかなる細菌属又は種においても、同じR−因
子プローブで行うことができる(参照:Tomkins,L.S.et
al.J.Inf.Dis.,141:625-636(1981))。
更に、真核細胞又は前核細胞におけるウイールス又は
ウイールス関連配列の存在も本発明の方法を結合して検
出および同定することができる。「Manual of Clinical
Microbiology」第三版(発行者Lennette,E.H,Amer.So
c.Microb.,1980,774-778)に掲載されているすべてのウ
イールスを同定することができる。例えば、ピコルナヴ
イリデ(picornaviridae)、カリシヴイリデ(calicivi
ridae)、レオヴイリデ(reoviridae)、トガヴイリデ
(togaviridae)、オルトマイコヴイリデ(orthomyxovi
ridae)、パラマイコヴイリデ(paramyxoviridae)、ラ
ブドヴイリデ(rhabdoviridae)、レトロヴイリデ(ret
roviridae)、アレナヴイリデ(arenaviridae)、コロ
ナヴイリデ(coronaviridae)、ブニアヴイリデ(bunya
viridae)、パブオヴイリデ(parvoviridae)、パポバ
ヴイリデ(papovaviridae)、アデノビリデ(adenoviri
dae)、ヘルペスヴイリデ(herpesviridae)、ヴイドヴ
イリデ(vidoviridae)およびポキシヴイリデ(poxviri
dae)等。
A) ウイールス性ゲノムが宿主DNAに組み込まれてい
る場合(DNAウイールス例えばパポバヴイリデメンバ
ー、RNAウイールス例えばレトロヴイリデメンバー)
は、高分子量DNAを組織から抽出し、制限酵素によって
消化する。全体的手順は細菌の場合と同様である。ウイ
ールス性プローブの選択は、この場合も求められている
課題次第であり、「プローブウイールス」および検出す
べきウイールス関連配列間の相同性の程度に依存する。
都合よい配列相同性を得るためには、プローブおよび組
織の配列がウイールスの同じ科属又は種に関係している
ことが必要だろう。保存された配列の程度に加えて、ウ
イールスプローブが宿主DNAのウイールス関連配列とハ
イブリツドを形成するかしないかは、ハイブリツド化の
条件、例えばストリンジエント条件であるかリラツクス
条件であるかによって決まるだろう。ハイブリツド化の
結果は、宿主DNAに組み込まれたウイールス性配列があ
ることを示す一本の帯又は帯パターンであるだろう。こ
の情報は、発癌の予測に役立つ。クローン化ウイールス
配列を含む標識化相補性核酸プローブのいずれをもプロ
ーブとすることができる。RNAウイールスの場合には、
例えばウイールスRNAを用いて逆転写酵素でDNAを作るこ
とができ、DNAウイールスの場合には、例えば切り込み
翻訳によって標識化したウイールスDNAを用いることが
できる。ここでも複数のプローブ、特に、異なる標識を
したプローブを用いることができる。
同じ一般的特徴がDNAおよびRNAウイールスに等しくあ
てはまる。ウイールスのゲノムは相対的に小さく、沈降
核酸は遠心分離によって集めるのが好ましい。全操作を
核酸全部を用いて行ってもよいし、種々の操作を別々に
行ってもよい。遠心分離する前に、細胞DNAをスプーリ
ングで、取り除くことにより、ウイールス核酸を濃縮す
ることができると考えられる。これは、ウイールスゲノ
ムが組み込まれているかどうかを調べるためにも用いる
ことができる。
ウイールスプローブをハイブリツド化するためには、
そのプローブが未知有機体と同じ科、属又は種であるこ
とが必要だし、少くとも最も好ましい。反応条件、スト
リンジエントかリラツクスかが、与えられたプローブと
関連性の低いゲノムとがハイブリツドを形成するか否か
を決める。プローブは、標識化されたクローンウイール
ス配列であるかも知れないし、完全なゲノム又はその一
部であるかも知れない。
前記したサウザーンに記載の方法は、大きいDNA断片
(約0.5キロベース以上)を、アルカリ変性後、ニトロ
セルロース紙に移し換えるために有用である。この方法
はDNAウイールスの場合には有用で、RNAウイールスの場
合には役に立たないかも知れない。RNAを活性化セルロ
ース紙(ジアゾベンジルオキシメチル紙)に移して共有
結合で結合させ、そしてこれをRNAウイールスのために
用いることができる。サウザーン法のトーマスによる変
法(Thomas,P.,「Proc.Nat.Acad.Sci」USA 77:5201-520
5(1980))は、RNAおよび小さいDNA断片を、ハイブリ
ツド化のために、ニトロセルロース紙に効率的に移すの
に用いることができる。RNAおよび小DNA断片を、グリオ
キザールおよびジメチルスルフオキシドで変性し、アガ
ロースゲル中で電気泳動にかける。この操作で、100〜2
000ヌクレオタイドであるDNA断片、及びRNAは効率的に
移動し、ハイブリツド化中ニトロセルロース紙上に残留
する。これは、小さいリボソームDNA断片に対しても有
用である。そこで、最も好ましいのは制限酵素によって
消化された標本を分割し、その一部の核酸をグリオキザ
ールで変性することである。サウザーンおよびトーマス
操作法は、最大量の情報を与えるであろう。
B) DNAウイールスの場合、二重鎖(DS)ウイールスD
NAで制限分析を行うことによって存在するウイールスを
同定することができる。単鎖(SS)DNAウイールスは種
々異る長さのゲノムを有するだろう。ハイブリツドを形
成するプローブ(配列情報はDS-DNAに変換され得る)、
ハイブリツドを形成した断片のパターンおよび/又は1
若しくは複数のサイズはウイールスの同定に使用でき
る。ここでも又、相補性核酸プローブを得る多数の方法
がある。例えば、DS-DNAの場合は、切り込み翻訳を用い
ることができ、SS-DNAの場合には、DNAポリメラーゼがc
DNA合成のために用いられる。
C) RNAウイールスの場合、RNAは制限エンドヌクレア
ーゼによって消化されない(配列情報はDS-DNAに変換さ
れたかも知れない)。異るRNAウイールスのゲノムは異
る大きさをもち、若干のRNAウイールスのゲノムには1
分子以上の分子がある。このことにより、或るプローブ
又は合一プローブによって検出された塩基配列に沿っ
て、RNAウイールスを同定することができる。プローブ
の1例は、ウイールスRNAを用いて合成したc DNAであ
る。
標本中の感染性病原菌を探す場合、その標本から核酸
を抽出することにより、又は先づ培地又は細胞で培養し
て病原菌の数をふやすこと、又は遠心法のような濃縮過
程を用いること又はすべてのアプローチを試みることに
よって直接的に探すことができる。
本発明から、その方法を実行するために必要な要素を
含む「キツト」を作成することは容易である。そのよう
なキツトは、試験管又はバイアルのような1個以上の容
器をその中にきっちりと詰められるように仕切られたキ
ヤリヤーからなるものであろう。上記容器の一つは、非
標識化核酸プローブ又は例えば有機体プローブからのRN
Aに対する放射性標識化c DNAのような検出可能に標識さ
れた核酸プローブ(細菌を確認するためのキツトの場合
は、前核細胞のc DNAが一層好ましい)を含んでいて良
い。標識化核酸プローブは、凍結乾燥の形か又は必要な
らば適当な緩衝液中に存在するだろう。1又はそれ以上
の容器は未知有機体からのDNAの消化に利用される一種
類かそれ以上のエンドヌクレアーゼ酵素を含むだろう。
これら酵素はそれだけで、又は混合物として、凍結乾燥
形か、適当な緩衝液溶液となって存在する。キツトに採
用される酵素類は、そのためのカタログが用意されてい
るような酵素であることが理想的である。しかしユーザ
ーが実験時に自分達自身の比較標準を作ることを妨げる
ものは何もないので、もしユーザーが、或る未知のもの
が実際に、与えられた属又は種のものであることを疑う
ならば、その人は既知のものの同定されている特徴づけ
を作り、それを未知のものの特徴づけと比較すればよ
い。このように、キツトはこのサブプロセスを行うのに
必要なすべての要素を含んでもよい。これらの要素と
は、1以上の既知有機体(細菌のような)又は既知有機
体から分離されたDNAを含む。その他に、キツトは、広
く小冊子、又は本又はパンフレツトと定義される「カタ
ログ」又はコンピユーターテープ又はデイスク、又はコ
ンピユーターアクセスナンバー等々を含み、これらは植
物の種、哺乳類の種、細菌の種、特に病理学的に重要な
細菌、昆虫の種等のような或る群の種々の有機体の同定
された特徴づけを内蔵する。このようにしてユーザーは
未知有機体の特徴づけを用意し、これをカタログ内の特
徴づけと視覚的に(又はコンピユーターで)比較するだ
けでよい。キツトは又、一つの容器中にはプローブ合成
のためのプローブRNAを、もう一つの容器中には放射性
標識化デオキシリボヌクレオシツド・三燐酸を、そして
もう一つの容器にはプライマーを含んでいても良い。こ
のようにしてユーザーは自分自身のプローブc DNAを作
ることができる。
最後に、キツトは、緩衝液、増殖培地、酵素、ピペツ
ト、プレート、核酸、ヌクレオシツド・三燐酸、濾紙、
ゲル原料、移し換え材料、オートラジオグラフイー補充
品のような、本発明の技術を行うために必要な付加的要
素のすべてを含んでいても良い。それは又、抗生物質耐
性配列プローブ、ウイルスプローブ又はその他の特異的
性質をもつプローブも含んでいても良い。
これまで本発明を一般的に述べてきたが、本発明は一
定の参考実験と実施例を参照することによりより良く理
解されるであろう。なお、実施例は単に説明の目的のた
めにのみ記載されたものであり、特記しない限り本発明
を制限する意図はない。
材料および方法 A.細菌 高分子量DNAの抽出 細菌肉汁培養物を遠沈し、細胞を冷食塩水で洗った。
その細胞を、詰め込んだ(packed)細胞のグラム重量の
約10倍のml容量の抽出緩衝液(0.15M塩化ナトリウム、
0.1M EDTA、0.03MトリスpH8.5)に懸濁させた。リゾチ
ーム10mg/mlを最終濃度0.5mg/mlとなるように加えた。
懸濁液を37℃で30分間インキユベートした。細胞破壊
は、25%、SDSを最終濃度2.5%になるように加え、温度
を10分間60℃に上げることによっておこなった。水浴中
で冷却後、メルカプトエタノールを最終濃度1%になる
ように加えた。プロナーゼ 20mg/ml 0.02Mトリス緩衝
液(pH7.4)を37℃で2時間予備消化し、それから最終
濃度1mg/mlになるように加えた。その溶液を37℃で18時
間インキユベートした。フエノールは再蒸留したフエノ
ール1、二回蒸留した水2.5l、飽和トリス塩基270m
l、メルカプトエタノール12ml及び最終濃度10-3Mにな
るような量のEDTAを混合し、4℃でその混合物を分離せ
しめることにより調製した。そのフエノールを洗浄用緩
衝液(10-1M塩化ナトリウム、10-3M EDTA、10mMトリス
pH8.5)で洗った。それから等量の新鮮緩衝液を加え
た。メルカプトエタノールを最終濃度0.1%になるよう
に加えた。溶液を混合し、4℃で貯蔵した。調製したフ
エノール半容量とクロロホルム半容量を溶菌細胞溶液に
加えた。これを約10分間振とうし、3400×gで15分間遠
沈した。水相を25mgガラスピペツトで除去した。境界に
ほとんど沈澱物がなくなるまでこの抽出操作を繰返し
た。1/9容量の2N酢酸ナトリウム(pH5.5)を水相に加え
た。2倍容量の−20℃95%エチルアルコールをフラスコ
の壁面に沿ってゆっくりと注いだ。パスツールピペツト
の先端を溶融して閉じ、沈降DNAをスプールするために
用いた。高分子量DNAは緩衝液中に溶解した(10-3M EDT
A、10-2MトリスpH7.4)。DNA濃度は、換算係数として
吸光度1単位について30μgを用い、260nmにおける吸
光度により測定した。
DNAの制限エンドヌクレアーゼ消化 EcoR I制限エンドヌクレアーゼ反応は、0.1Mトリス−
HCl pH7.5、0.05M NaCl、0.005M MgCl2および100μg/ml
仔牛血清アルビミン中で行われた。EcoR I反応混合物は
DNA/μgにつき5単位の酵素を含んでおり、これを37℃
で4時間インキユベートした。PST I制限エンドヌクレ
アーゼ反応は0.006Mトリス−HCl pH7.4、0.05M塩化ナト
リウム、0.006M塩化マグネシウム、0.006M 2−メルカプ
トエタノール、および100μg/ml仔牛血清アルビミン中
で行われた。PST I反応混合物はDNA/μgにつき2単位
の酵素を含み、これを37℃で4時間インキユベートし
た。通常、10μgのDNAは最終容量40μlに消化され
た。10倍濃度の緩衝液を加えた。滅菌蒸溜水をDNA容量
に応じて加えた。λ−バクテリオフアージDNAは、断片
の大きさ決定のためのマーカー帯を作るため、EcoR Iで
制限された。普通2μgλDNAは20単位のEcoR Iで消化
されて最終容量20μlになった。
ゲル電気泳動法およびDNA転移 DNA消化物に約20%までのグリセロールおよびブロモ
フエノールブルー色素を加えた。λDNA消化物の場合
は、1×EcoR I緩衝液20μlを各20μl反応混合物に加
えた。普通は75%グリセロール15μlおよび0.5%ブロ
モフエノール色素5μlを各40μl反応混合物に加え
た。
消化した細菌DNA 10μgおよび消化したλDNA 2μg
をパー・ウエル(per well)に入れ溶かしたアガロース
で表面をおおう。消化物を0.02M酢酸ナトリウム、0.002
M EDTA、0.018Mトリス塩基、および0.028MトリスHCl pH
8.05を含む0.8%アガロース中、35Vで、色素が13〜16cm
泳動するまで電気泳動をおこなった。その後ゲルをエチ
ジウムブロミド(0.005mg/ml)に浸し、λ断片を見える
ようにするためにUV光箱に置いた。DNAを上述のサウザ
ーンの方法でニトロセルロース濾紙に移した。ゲルは、
振動台上で20分間、変性溶液(1.5M塩化ナトリウム、0.
5M水酸化ナトリウム)で処理した。変性溶液を中和溶液
(3.0M水酸化ナトリウム、0.5MトリスHCl pH7.5)に置
き代え、40分後、そのゲルをpH紙でチエツクした。中和
後、ゲルを6×SSC緩衝液(SSC=0.15M塩化ナトリウ
ム、0.015Mクエン酸ナトリウム)で10分間処理した。ゲ
ルと、ニトロセルロース紙を通し、6×SSCを、ペーパ
ータオルの束で15時間吸引することによりDNA断片をゲ
ルからニトロセルロース紙に移した。3mmクロマトグラ
フ紙2枚の間にフイルターを置き、アルミホイールで、
光った側を外側にして包み、真空オーブン中80℃で4時
間乾かした。32 PリボソームDNA相補性DNAの合成(32P−r RNAとDNA 大腸菌R−13 23Sおよび16S型リボソームRNAに相補的
32P−標識DNAを、鳥骨髄芽球症ウイールス(AMV)か
らの逆転写酵素を用いて合成した。反応混合物は、5μ
lの0.2Mジチオトレイトール、25μlの1MトリスpH8.
0、8.3μlの3M塩化カリウム、40μlの0.1M塩化マグネ
シウム、70μgのアクチノマイシン、14μlの0.04M dA
TP、14μlの0.04M dGDP、14μlの0.04M dTTP、および
96.7μlの水を含んでいた。次のものをプラスチツク製
チユーブに加えた:137.5μlの反応混合物、15μlの仔
牛胸線プライマー(10mg/ml)、7μlのH20、3μlの
r RNA(40μg/OD単位濃度を用いると、2.76μg/μlと
なる)、40μlのデオキシシチジン5′−(32P)三燐
酸(10mCi/ml)、および13μlのAMVポリメラーゼ(6,9
00単位/μl)。酵素反応を37℃で1.5時間行なった。
その後、その溶液を5mlづつのクロロホルムおよび調製
フエノールで抽出した。遠心分離後(JS13,600 RPM)、
水相を直接セフアデツクス G−50カラム(1.5×22c
m)上に積層した。プラスチツク製の10mlピペツトをカ
ラムとして用いた。小さいガラスビーズ1個を先端に置
き、ピンチ金具をつけたゴム管が装着され、1晩0.05%
SDSに浸して膨潤した脱気G−50を加えた。水相を壁に
沿って直接G−50に流し込み、それから0.05%SDSで溶
出した。0.5mlずつの20フラクシヨンをプラスチツク製
バイアルに集めた。ピークフラクシヨンを含むチユーブ
は、3H−識別器を用いて各試料毎に0.1分間計数を行
い、全カウントを記録するセレンコフ計測法で発見し
た。ピークフラクシヨンを合一した。アリコートをアク
エゾル (市販で入手可)に加え、1ml当りの32PのCPM
(毎分カウント)をシンチレーシヨン計数器によって測
定した。
ハイブリツド化およびオートラジオグラフイー リボソームRNA遺伝子配列を含む断片を、フイルター
上のDNAを32P−r RNA c DNAにハイブリツド化した後、
オートラジオグラフイーによって検出した。
フイルターを、ハイブリツド化混合液(3×SSC、0.1
%SDS、100μg/ml変性および超音波処理した犬DNAおよ
びダインハルト溶液(それぞれ0.2%の仔牛血清アルブ
ミン、フイコール(Ficoll)、およびポリビニールピロ
リジン))中に、68℃で1時間浸した。32P r RNA c DN
Aを4×106CPM/mlの割で加え、ハイブリツド化反応液を
68℃で48時間インキユベートした。それからフイルター
を3×SSCで洗い、次いで0.1%SDSで15分間隔で2時間
又は洗浄溶液が約3,000cpm32P/mlを含むようになるまで
洗った。フイルターを空気乾燥し、プラスチツクラツプ
で包み、コダツクX−OMATRフイルムで−70℃で約1時
間オートラジオグラフイーを行った。
B.哺乳類実験。
ムス・ムスキユラス・ドメステイクス(マウス)のr
RNAプローブを18Sおよび28S型および28S型だけのr RNA
から合成した。核酸をマウス肝から抽出し沈澱させた。
高分子量DNAをスプールし、除去した。残った核酸を遠
沈法により集め、50mM MgCl2および10mMトリスpH7.4の
緩衝液に溶かした。DNAse(RNAseは含まず)を濃度50μ
g/mlになるまで加えた。混合物を37℃で30分間インキユ
ベートした。生成したRNAを再抽出し、エタノール沈澱
し、1mM燐酸ナトリウム緩衝液pH6.8に溶解した。0.1Mト
リスpH7.4および0.01M EDTAの5〜20%スクロース勾配
溶液を用意した。試料を加え、その勾配をSW40回転子で
7時間、35K RPMで回転させた。フラクシヨンを光学密
度により集めた。既知の分子量マーカーとの比較により
18Sおよび28Sフラクシヨンを選んだ。
すべての哺乳類実験で、リラツクス(relaxed)ハイ
ブリツド化条件を用いた。54℃。洗浄処理は54℃で行
い、0.05%SDSを加えた3×SSCで15分間ずつ3回別々に
洗った。
参考実験1〜8に、r RNA情報含有プローブにて実施
した実験を記載する。実施例1〜3には、ヒストン遺伝
子情報含有プローブ、トリプトファンオペロンtrp D遺
伝子情報含有プローブ、そしてα−フェトプロティン遺
伝子情報含有プローブを利用したコンピュータシミュレ
ーションをそれぞれ記載する。
参考実験1 細菌の種は、リボソームRNA遺伝子の制限エンドヌク
レアーゼ分析によって定められる。
本実験例に用いられたP.アエルギノーザの数種の菌株
は、種を同定する最少の表現型特性を有する(Hugh R.
H.,et al.「Manual of Clinical Microbiology」第2
版,ASM,1974,pp,250-269)(第2表)。他に3つのシュ
ードモナスおよび2つのアシネトバクターの(Acinetob
acter)菌株を選び、種および属を比較した(第3
表)。
シュードモナスおよびアシネトバクター種の比較のため
に用いた菌株は第3表に列挙する。
アシネトバクター種を属を比較するために選んだの
は、それらが一定の属性を多くのシュードモナス種と共
有するからである。
EcoR I消化物中の断片の大きさ(キロベース対)はP.
ストウツエリ(P.stutzeri)16.0、12.0、9.4;P.フルオ
レッセンス(P.fluorescens)16.0、10.0、8.6、7.8、
7.0;P.プチダ(P.putida)24.0、15.0、10.0、8.9;A.ア
ニトラタス(A.anitratus)20.0、15.0、12.5、9.8、7.
8、6.1、5.2、4.8、3.8、2.8(最も小さい3断片の大き
さは計算しなかった);A.ルオッフィ(A.lwoffii)12.
0、10.0、9.1、7.0、6.4、5.7、5.5、5.3、4.8、4.4、
3.6、3.2、2.9(最も小さい3断片の大きさは計算しな
かった)である。PST I消化物中の断片の大きさ(キロ
ベース対)を次に示す;P.ストウッゼリ6.7、6.1、5.5:
P.フルオレッセンス10.0、9.4、7.8、7.0;P.プチダ10.
5、9.9、6.8、6.3、4.4;A.アニトラタス36.0、28.0、2
0.5、12.0、10.0、5.8、3.7、2.6、2.4;A.ルオッフィ9.
9、8.7、7.2、5.7、4.0、3.2、2.7。
P.アエルギノーザの7菌株から得られたハイブリッド
を形成した制限断片を比較すると、この種は、10.1、9.
4、7.6および5.9キロベース対(KBP)の、r RNA遺伝子
配列を含む断片のEcoR I−特異的組み合わせによって定
められる、という結論に達する(第1図)。
7.6KBP EcoR I断片は、この試料では7菌株中4菌株
にあらわれる。同様な情況が種の菌株のいくつかの表現
型特性の中にもおこる。7菌株からの断片のEcoR I組み
合わせがその菌株を2群に分けるために用いられるとい
う事実は、P.アエルギノーザの最少表現型特性をもつ2
つの種があるという推論をひき出す。DNAをPST Iで消化
した実験結果(第2図)から、EcoR I 7.6KBP断片によ
って示される菌株の変異は種内の変異を表わす、という
結論を導く。なぜならば、PST I断片の1つの保存組み
合わせ、9.4、7.1、6.6および6.4KBPがあって、それが
その種を定めているからである。9.4および6.6KBPのPST
I断片は、P.アエルギノーザの7菌株中6菌株にあらわ
れる;7.1および6.4KBP PST I断片は試料とした菌株のす
べてにあらわれる。PST I断片の変異は、EcoR I 7.6KBP
断片を含まない菌株におこる;RH151は10.1および8.2KBP
断片をもち、RH809は9.4KBP断片を含まないで、6.0KBP
断片をもっている。そしてタイプ菌株のRH815は6.6KBP
断片を含まない。ハイブリッドを形成した断片のパター
ンは、酵素に特異的な保存組み合わせが種の決定に用い
られ得る、という結論を支持する。一つの種の菌株は多
分多数の断片を保存組み合わせとしてもっているのであ
ろう。若干の菌株に断片の変異があっても、それは同定
化を妨害するものではなく、疫学的研究に役立つことを
証明するものと言える。
P.アエルギノーザ菌株におけるEcoR I 7.6KBP断片の
変異発生は、他のシュードモナス種のタイプ菌株に見出
されるハイブリッド形成EcoR I断片を試験することによ
って展望的に考えられるかも知れない(第3図)。P.ス
トウツエリ、P.フルオレッセンスおよびP.プチダのタイ
プ菌株は7.6KBP断片を含まないが、同じ大きさのEcoR I
断片を共通してもっている;P.アエルギノーザおよびP.
ストウツエリは9.4KBP断片を有し、P.ストウツエリおよ
びP.フルオレッセンスは16KBP断片を有し、P.フルオレ
ッセンスおよびP.プチダは10KBP断片をもっている。一
般に断片の大きさは4つのシュードモナス種のタイプ菌
株各々に特有なものである;そして各々の種のタイプ菌
株はそれぞれ異なるサイズ範囲の断片を有する。これら
の一般的説明はPST I消化物についても言える(第4
図)。
4つのシュードモナス種および2つのアシネトバクタ
ー種のそれぞれの断片パターン又はそのI菌株を比較す
る場合、各属の種は似ているが、属同志は異なると結論
づけることができる。2つのアシネトバクター種は4つ
のシュードモナス種に比べて、ハイブリッド形成断片サ
イズの範囲がより大きい。
大腸菌、バシルス・スリンジネンシス(Bacillus thu
ringiensis)およびB.スブチリス(B.subtilis)で得ら
れるような制限酵素地図の助けがなければ、どこで酵素
がr RNA遺伝子を切るのか、1ゲノムあたりのコピーの
数および複数の遺伝子又は不均質遺伝子間に非相同性フ
ランキング部(flanking regions)があるのかを予想す
ることは不可能である。大腸菌のr RNA c DNAプローブ
はr RNA遺伝子配列を含む若干の制限断片とはハイブリ
ッドを形成しないかも知れないし、もしそうならば、こ
れは試験有機体と大腸菌との間に進化的距離又は分散が
あることを反映している。r RNAの保存性質を用いてこ
れがその場合にあたらないと論ずることができる。しか
しながらこれらは未知のいかなる種にも等しく適用でき
る標準プローブがあるという利点に比べれば小さい問題
である。
参考実験2 制限分析と、DNA-DNA液体ハイブリッド化の比較: 本研究に用いた菌株は第4表および第5表に列記す
る。
高分子量DNAが各々の菌株から分離された。RH3021お
よびRH2990の標識化DNAを用いて液体DNA-DNAハイブリダ
イゼーションデータを集めた。結果を第6表に示す。
このデータは二つのハイブリッド化群があることを示
す。同様なデータが、B.スブチリスについて文献に報告
されている(Seki et al,「International Journal of
Systematic Bacteriology」25:258-270(1975))。こ
れら2群をRH3021およびRH2990によって代表させること
ができる。リボソームRNA遺伝子の制限エンドヌクレア
ーゼ分析が行われる時EcoR I消化物(第5図)は2群に
分けることができた。RH3021によって代表される群は二
つの強くハイブリッド化する断片を有する(2.15および
2.1KBP)。RH2990によって代表される群は二つの強くハ
イブリッド化する断片(2.6および2.5KBP)を有する。E
coR Iデータを用いてB.スブチリス菌株をDNA-DNAハイブ
リッド化群の適当な所に置くことができる。DNA-DNAハ
イブリッド化70%ルールによれば、B.スブチリスは実際
には二つの種である。しかしながら、PST Iデータ(第
6図)を考慮すれば、それらのグループを、共通の祖先
又は種属形成事象にかかわった二つの分散する集団と考
えることができる。B.スブチリスは1つの種であるとす
る結論は表現型データと相関している。第5表に並べた
菌株は、ゴードンR.Eら著の「The Genus Bacillus」Agr
iculture Handbook No 427(アメリカ農務省、農業リサ
ーチサービス ワシントンD.C.)p36-41でB.スブチリス
と同定されている。制限分析は、DNA-DNAハイブリッド
化データに匹敵するデータを用意することができるし、
又、適切な酵素を選ぶことによって、制限分析は分散に
もかかわらず種を十分に定めることができる。RH3061は
PST Iサイトを失った。しかしながらEcoR Iデータは、
その菌株がB.スブチリスであることを示唆する。同じこ
とがBgl IIデータ(第7図)およびSac Iデータ(第8
図)から結論づけられる。
参考実験3 制限分析の安定性パターン及びその他 バシルス ポリミカ(Bacillus polymyxa)実験 B.スブチリスおよびB.ポリミカは、EcoR Iデータ(第
9図)、PST Iデータ(第10図)Bgl IIデータ(第11図
左)およびSac Iデータ(第11図右)によって区別する
ことができる。PST I帯パターンにおける大きい差か
ら、バシルス・ポリミカは間違った属に入っていると結
論づけることができる。両方の種は共に胞子を生成する
が、それらは表現型的には似ていない。ATCCおよびNRRL
両方の培養コレクションのB.ポリミカのタイプ菌株は同
じ帯パターンをもつことは確かである。しかし重要なデ
ータは無胞子性突然変異体が同定できるということであ
る。もしそれらが胞子を作ることができないならばバシ
ルス種を同定することは非常にむずかしく、多分不可能
だろう。
参考実験4 マウス組織中の細菌種を分離せずに同定する スイスマウス、ムス・ムスキュラス・ドメスティクス
(Mus musculus domesticus)(同系交配株)にストレ
プトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoni
ae)RH3077(ATCC6303)の混濁懸濁液0.5mlを腹腔内に
接種した。マウスが瀕死の状態になった時、心臓、肺、
肝を摘出した。高分子量DNAをこれら組織、S.ニューモ
ニエRH3077およびスイスマウス器官から分離し、DNAを
消化するためのEcoR Iを用いて、r RNA遺伝子の制限エ
ンドヌクレアーゼ分析の操作を行った。フィルターを3
×SSCで洗う以外に、2×15分間0.3×SSCおよび0.05%S
DSで洗った。オートラジオグラフィーを48時間行った。
データ(第12図)は、S.ニューモニエが7ケのハイブリ
ッド形成断片によって定められることを示した(17.0、
8.0、6.0、4.0、3.3、2.6および1.8KBP)。この細菌のc
DNAプローブは2つのマウスDNA断片(14.0および6.8KB
P)とはあまりハイブリッド化しない。ハイブリッド形
成断片は感染組織におけるS.ニューモニエの存在を知ら
せるものである。心臓DNA抽出物中には7帯すべてが見
られる。肝DNA抽出物中ではそれらの強度はより小さい
が、オートラジオグラフィーにより全部を見ることがで
きる。肺DNA抽出物中には6.0KBP帯のみがあらわれる。
肺に細菌の数が少いのは、そのマウスが肺炎よりむしろ
敗血症にかかっているためと説明することができる。肺
は培検で固質化を示していなかった。この検定の感度を
調べるために、細菌DNAをマウスDNAで稀釈し、電気泳動
にかけた。0.1μg細菌DNAを用いると、7つの帯すべて
をオートラジオグラフで見ることができた。10-3μg細
菌DNAでは、17.0、8.0および6.0KBP帯が見られた。10
6S.ニューモニエ細胞あたり5×10-3μg DNAという数字
を用いると(Biochem Biophys Acta 26:68)、10-1μg
は2×107細胞に相当する。本法はこの感度レベルで感
染症の診断に役立つものである。
この参考実験も、細菌プローブがマウスに特異的なEc
oR I断片とハイブリッド化することを示している(第9
図参照、14.0および6.8KBPを持つ断片)。これらの断片
はマウス18Sおよび28S型リボソームRNAプローブによっ
て検出されたEcoR I断片に対応する(第14図、前記は6.
8KBP断片が28S型r RNA配列を含むことを示す。)細菌プ
ローブは、哺乳類リボソームRNA遺伝子配列とはあまり
よくハイブリッド化しないので、帯は強度がより小さ
く、細菌プローブおよび核哺乳類DNAの系は感度がより
小さく、感染している前核細胞のDNAに対する選択性が
はっきりあらわれる。細菌プローブをレーン(lane)当
り10μg消化細菌DNAにハイブリッド化させた実験で、
細菌の帯は明らかに見えた時でも1レーン当り10μg消
化ヒト又はマウスDNAに対するハイブリッド形成は発見
されなかった。
参考実験5−8 哺乳類実験 これらの参考実験は、r RNA制限分析によって有機体
を確認するという概念が、細菌のみならず複雑な真核有
機体にも成功裡に適用されることを説明するものであ
る。
第13図は哺乳類の属がムス・ムスキュラス・ドメステ
ィクス18Sおよび28S型r RNAプローブで確認できるこ
と、およびムスのいくつかの種が区別できることを示
す。この図では、酵素はPST Iで、対象物およびそれぞ
れの帯は次のようである。
1.ムス・ムスキュラス・メロスイナス(Mus musculus m
elossinus)(マウス)14.5、13.5、2.6 2.ムス・ムスキュラス・ドメスティクス(マウス)13.
5、2.6 3.カニス・ファミリアリス(Canis familiaris)(犬)
12.0 4.カビア・ポルセルス(Cavia porcellus)(モルモッ
ト)17.0、14.0、13.0、8.8、5.7、4.7および3.0以下の
帯1個 5.クリセトウラス・グリセウス(Cricetulus griseus)
(ハムスター)25.0、4.7 6.ホモ・サピエンス(Homo sapiens)(ヒト)15.0、5.
7 7.フェリス・カタス(Felis catus)(猫)20.0、9.7 8.ラタス・ノルベジカス(Ratus norvegicus)(ラッ
ト)12.5 9.ムス・ムスキュラス・ドメスティクス(マウス)13.
5、2.6 10.ムス・セルビコロー・セルビコロー(Mus cervicolo
r cervicolor)(マウス)14.0、2.7 11.ムス・セルビコロー・パペウス(Mus servicolor pa
peus)(マウス)13.5、2.6 12.ムム・パハリ(Mus pahari)(マウス)13.0、3.7 13.ムス・コッキィー(Mus cookii)(マウス)13.5、
2.6 第14図はマウスおよび猫DNAが、28S型r RNA c DNAの
みによって区別できること、およびハイブリッド化した
帯のパターンがプローブ配列の構成に依存することを示
す。第14図では酵素はEcoR Iで、対象物および帯は次の
ようである。
1.ムス・ムスキュラス・ドメスティクス(マウス)6.8K
BP 2.フエリス・カタス(猫)8.3KBP 第15図では酵素はSac I、対象物および帯は次のよう
である。
1.エリスロセバス・パタス(Erythrocebus patas)(パ
タス猿)8.5、3.7、<3.0 2.ラタス・ノルベジカス(ラット)25.0、9.5、3.6、<
3.0 3.ムス・ムスキュラス・ドメスティカス(マウス)6.
8、<3.0 4.フェリス・カタス(猫)9.5、5.3、4.0、<3.0、<3.
0 5.ホモ・サピエンス(ヒト)10.5、<3.0 6.マカカ・ムラッタ(Macaca mulatta)(レーザス猿)
9.8、<3.0 第15図(Sac 1消化)をその他の哺乳類の図と比較す
る時、ハイブリッド形成パターンが酵素に特異的である
ことがわかる。
第16図は霊長類(primates)の動物が区別できること
を示す。培養細胞は、その元の種の組織と共通した帯を
有し、異なるヒト培養細胞は帯が加わったり欠けたりす
ることによって区別することができる。この図では、酵
素はEcoR Iで、対象物および帯は次の通りである。
1.エリスロセバス・パスタ(パタス猿)>22.0、11.0、
7.6、2.6 2.マカカ・ムラッタ(レーザス猿)22.0、11.5、7.6 3.ホモ・サピエンス(ヒト)>22.0、22.0、16.16.0、
8.1、6.6 4.M 241/88(ランガー猿 培養細胞)14.0、7.2、5.7 5.HeLa(ヒト培養細胞)>8.1、6.0 6.J96(ヒト培養細胞)>22.0、22.0、16.0、11.0、8.
1、6.6 7.AO(ヒト培養細胞)22.0、16.0、8.1、6.6 8.X−38.1(レーザス猿)22.0、11.5、7.6 実施例1 H4ヒストン遺伝子プローブの使用 二つの動物種(うにとマウス)の同定と特徴づけに関
するコンピュータシミュレーションをH4ヒストン遺伝子
から得た保存DNA配列を用いて実施した。
うに(Psammechinus miliaris)に関するヒストンH4
遺伝子配列を以下に示す。ここで、A,T,C,Gは既知のヌ
クレオチドで表わし、Nは現在知られていない部位を表
わす(788塩基対)。
類似したマウスH4遺伝子配列を以下に示す(968塩基
対)。
両者の前述の配列に関する相同の領域を以下に示す。
ここで、アステリスクは相同部位でないことを表示して
いる。示した領域中、最初の118塩基対は80.5%の相同
性を有し、この実施例で保存DNA配列プローブとして用
いられる(うに(上段)の塩基部分は449〜567番目を、
マウス(下段)の塩基部分は257〜375番目に示した)。
制限エンドヌクレアーゼ切断部位を二つの配列から決
定した。うにとマウスの配列における切断部位の一覧を
以下に示す。カツコ内に部位名がなければ、数字は切断
部位の5′側を示し、認識部位のみは既知であることを
示す。
うにとマウスの配列は、Hha I(GCGC)と既述のプロ
ーブ配列間で比較される。ウニ配列は202塩基対(bp)
断片をつくるように、295と497番目の部位に切断部位を
有しており、変性すればプローブ配列とハイブリッド化
する。マウス配列のHha I(GCGC)部位(166、304、311
および380の部位)は、69と138の断片がプローブ配列で
検出できることを示している。このように、うにの遺伝
的特徴づけは202であり、マウスの場合は69と138であ
る。
実施例2 プローブとしてトリプトファンオペロンのtrp D遺伝子
の使用 プローブとしてtrp D遺伝子を使って、実施例1と同
様にコンピュータシミュレーションを実施した。これ
で、大腸菌(E.coli)とサルモネラティフィムリウム
(Salmonella typhimurium)が保存配列を含む制限断片
で識別され得るという結論を与える。
684塩基対(bp)の大腸菌(E.coli)trp D遺伝子を以
下に示す。
683塩基対のサルモネラティフィムリウムtrp D遺伝子
を以下に示す。
両配列間の相同領域を次に示す。ここで、上段の配列
は大腸菌であり、下段の配列はサルモネラティフィムリ
ウムである。
両配列の制限部位を以下に示す。
大腸菌(E.coli) HpaII(CCGG) 187 229 254 272 283 443 463 502 506 592 HphI (GGTGA) 177 552 HphI (TCACC) 285 597 MboI (GATC) 135 564 サルモネラ ティフィムリウム(S.typhimurium) HpaII(CCGG) 187 248 253 283 443 463 50
6 HphI (GGTGA) 177 552 MboI (GATC) 135 204 317 564 MnlI (CCTC) 417 大腸菌配列は135と564にMbo I(GATC)部位を有して
いる。領域1と2のプローブで検出されうる429塩基対
断片が存在する。同じ酵素は、サルモネラ ティフィム
リウムの135、204、317および564の位置にもある。二つ
の相同領域のプローブは69、113および247塩基対断片を
検出する。
このように、このプローブと酵素による大腸菌の同定
遺伝的特徴づけは429であり、サルモネラ ティフィム
リウムのそれは69、113、247である。
実施例3 プローブとしてα−フェトプロティン遺伝子の使用 この実施例はヒトとラットのα−フェトプロテイン遺
伝子配列の中の相同領域(エンドヌクレアーゼMnl I(G
AGG)の使用を示すものである。
ヒトのα−フェトプロテインメッセージc DNA(1578
塩基対)は以下の如くである。
ラットのα−フェトプロティン3′エンドc DNAは以
下の如くである(540塩基対)。
両者の相同性の領域は以下の如くである(ヒト:上
段,ラット:下段)。
ヒトとラット両者間の制限部位は以下の如くである。
ヒト MboII(GAAGA) 108 261 328 1066 1069 123
0 MboII(TCTTC) 881 916 1361 1449 MnlI (CCTC) 273 574 1190 1200 1219 124
5 1439 MnlI (GAGG) 44 47 358 449 653 8
87 1070 1162 1250 1274 1378 1402 1436 15
44 ラット MboII(GAAGA) 435 MboII(TCTTC) 168 MnlI (CCTC) 100 159 323 MnlI (GAGG) 39 98 122 267 357 384 41
2 保存配列部分を含む断片(24,34,104および108塩基
対)が、ヒトDNAを記述するものであることは計算でき
る。また、断片24,59,90および145塩基対はラットDNAを
記述する。一方、両配列は24塩基対断片を含み、それ
は、重要な断片の組み合せ(set)(分類学上の特徴)
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウエブスタ−,ジヨン エ−.,ジユニ ヤ アメリカ合衆国 01821 マサチユ−セ ツツ,ビレリカ,アパ−トメント 21, ビルデイング 5,ケンマ−ドライブ 5 (56)参考文献 J.Mol.Biol.98(1975) p.503〜517 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,78(1981)p.5081〜5085 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,78(1981)p.450〜453 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,77(1980)p7328〜7332 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,77(1978)p.5631〜5635 Am.J.Hum.Genet.,32 (1980)p.314〜331 Int.J.Syst.Bacter iol.,30(1980)p.547〜556, p.7〜27,p.106〜122 Int.J.Syst.Bacter iol.,28(1978)p.154〜168

Claims (38)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a) 未知有機体のDNA中の進化的保存配
    列(リボソームRNA情報−含有核酸中に現われる進化的
    保存配列を除く)と、当該未知有機体の進化的保存配列
    にハイブリダイズし得る保存DNA配列情報−含有核酸を
    含むプローブとをハイブリダイズさせ; b) 当該未知有機体中のDNA中の制限エンドヌクレア
    ーゼ切断部位に対応する未知有機体中の当該保存配列の
    位置を決定し、それにより当該未知有機体の遺伝的特徴
    づけを得; c) ステップb)で得られた特徴づけと、 当該未知有機体の種を決定するのに充分な数の追加の遺
    伝的特徴づけであって、既知の有機体のDNA中の進化的
    保存配列(リボソームRNA情報−含有核酸中に現われる
    進化的保存配列を除く)と、当該既知有機体の進化的保
    存配列にハイブリダイズし得る保存DNA配列情報−含有
    核酸を含むプローブとをハイブリダイズさせ、次いで当
    該既知有機体中のDNA中の制限エンドヌクレアーゼ切断
    部位に対応する既知有機体中の当該保存配列の位置を決
    定することによって得られた追加の遺伝的特徴づけとを
    比較し;そして d) 当該未知有機体の種を同定することを特徴とする
    未知有機体の種の同定方法。
  2. 【請求項2】プローブ有機体又はそれ由来の又は一致配
    列の保存DNA配列情報含有核酸とハイブリッド化又は再
    対合している未知有機体からの制限エンドヌクレアーゼ
    消化DNAのクロマトグラフパターンと、少なくとも2つ
    の異なる既知有機体の種の相当するクロマトグラフパタ
    ーンを比較することよりなる請求の範囲第1項の方法。
  3. 【請求項3】保存DNA情報含有核酸が検出可能なように
    標識化されたものである請求の範囲第2項の方法。
  4. 【請求項4】保存DNA情報−含有核酸が放射性標識化又
    は金属標識化されたものである請求の範囲第3項の方
    法。
  5. 【請求項5】保存DNA情報−含有核酸プローブが、RNAプ
    ローブである請求の範囲第2,3または4項のいずれかの
    方法。
  6. 【請求項6】保存DNA情報−含有核酸プローブが、RNAと
    相補的なDNAである請求の範囲第2,3または4項のいずれ
    かの方法。
  7. 【請求項7】保存DNA情報−含有核酸プローブが、RNAと
    相補的な切り込み翻訳またはクローン化DNAによって得
    られるDNAである請求の範囲第2,3または4項のいずれか
    の方法。
  8. 【請求項8】特徴づけされる未知有機体が試験管内培地
    中の菌株の1個の細胞又は複数の細胞である請求の範囲
    第1項又は2項いずれかの方法。
  9. 【請求項9】特徴づけされる未知有機体およびプローブ
    有機体が両方共、界、亜界、類、亜類、門、亜門、綱、
    亜綱、目、科、族又は属からなるものである請求の範囲
    第1項又は2項のいずれかの方法。
  10. 【請求項10】特徴づけされる未知有機体および当該プ
    ローブ有機体が共に真核有機体である請求の範囲第2項
    の方法。
  11. 【請求項11】特徴づけされる未知有機体およびプロー
    ブ有機体が共に前核有機体である請求の範囲第2項の方
    法。
  12. 【請求項12】特徴づけされる未知有機体が真核有機体
    で、プローブ有機体が前核有機体である請求の範囲第2
    項の方法。
  13. 【請求項13】種のランク以下の分類群又は亜種以下の
    細分を生ずる1又は複数の核酸配列の存在を検出するこ
    とをも含む請求の範囲第10または12項の方法。
  14. 【請求項14】特徴づけされる未知有機体が前核性で、
    かつ、当該プローブ有機体が真核性である請求の範囲第
    3項の方法。
  15. 【請求項15】特徴づけされる前核有機体が、真核有機
    体の存在下で選択的に検出される請求の範囲第11または
    14項の方法。
  16. 【請求項16】前核有機体が細菌である請求の範囲第15
    項の方法。
  17. 【請求項17】特徴づけされる真核有機体のDNAが核DNA
    で、真核プローブ有機体からの保存DNA情報−含有核酸
    が糸粒体又は葉緑体由来のものではない請求の範囲第10
    項の方法。
  18. 【請求項18】特徴づけされる真核有機体のDNAが糸粒
    体DNAで、真核プローブ有機体の保存DNA情報−含有核酸
    が糸粒体又は葉緑体由来のものである請求の範囲第10項
    の方法。
  19. 【請求項19】特徴づけされる真核有機体のDNAが葉緑
    体DNAで、真核プローブ有機体の保存DNA情報−含有核酸
    が糸粒体又は葉緑体由来のものである請求の範囲第10項
    の方法。
  20. 【請求項20】特徴づけされる真核有機体のDNAが糸粒
    体DNA由来のものである請求の範囲第12項の方法。
  21. 【請求項21】特徴づけされる真核有機体のDNAが葉緑
    体DNA由来のものである請求の範囲第12項の方法。
  22. 【請求項22】保存DNA情報−含有核酸プローブが糸粒
    体又は葉緑体由来のものである請求の範囲第14項の方
    法。
  23. 【請求項23】更に特徴づけされる未知真核有機体の中
    の、ウイールス又は種のランク以下の分類群を作り出す
    ウイールス由来のDNAを確認することをも含む請求の範
    囲第10又は12項のいずれかの方法。
  24. 【請求項24】a) 未知細菌のDNA中の進化的保存配
    列(リボソームRNA情報−含有核酸中に現われる進化的
    保存配列を除く)と、当該未知細菌の進化的保存配列に
    ハイブリダイズし得る保存DNA配列情報−含有核酸を含
    むプローブとをハイブリダイズさせ; b) 当該未知細菌のDNA中の制限エンドヌクレアーゼ
    切断部位に対応する未知細菌中の当該保存配列の位置を
    決定し、それにより当該未知細菌の遺伝的特徴づけを
    得; c) ステップb)で得られた特徴づけと、 当該未知細菌の種を決定するのに充分な数の追加の遺伝
    的特徴づけであって、既知の細菌のDNA中の進化的保存
    配列(リボソームRNA情報−含有核酸中に現われる進化
    的保存配列を除く)と、当該既知細菌の進化的保存配列
    にハイブリダイズし得る保存DNA配列情報−含有核酸を
    含むプローブとをハイブリダイズさせ、次いで当該既知
    細菌中のDNA中の制限エンドヌクレアーゼ切断部位に対
    応する既知細菌中の当該保存配列の位置を決定すること
    によって得られた追加の遺伝的特徴づけとを比較し;そ
    して d) 当該未知細菌の種を同定することを特徴とする未
    知細菌の種の同定方法。
  25. 【請求項25】プローブ細菌又はそれ由来又は一致配列
    の転換DNA配列情報含有核酸とハイブリッド化又は再対
    合している未知細菌からの制限エンドヌクレアーゼ消化
    DNAのクロマトグラフパターンと、既知細菌の相当する
    クロマトグラフパターンを比較することからなる請求の
    範囲第24項の方法。
  26. 【請求項26】未知細菌が発酵培地又は分泌−又は排出
    産物中に存在するものである請求の範囲第24項の方法。
  27. 【請求項27】未知細菌が真核組織の中、又は真核組織
    と共に存在する請求の範囲第24項の方法。
  28. 【請求項28】当該細菌が動物又は植物細胞の中、又は
    細胞と共に存在する請求の範囲第27項の方法。
  29. 【請求項29】当該細菌がヒト細胞の中、若しくはヒト
    細胞と共に存在するか、又は植物根細胞と共に存在する
    請求の範囲第27項の方法。
  30. 【請求項30】プローブ細菌からの保存DNA情報−含有
    核酸が検出可能なように標識化されたものである請求の
    範囲第25〜29項のいずれかの方法。
  31. 【請求項31】標識が放射性標識か又は金属標識である
    請求の範囲第30項の方法。
  32. 【請求項32】プローブ細菌からの核酸がRNAである請
    求の範囲第30項の方法。
  33. 【請求項33】プローブ細菌からの核酸が、RNAに相補
    的なDNAである請求の範囲第30項の方法。
  34. 【請求項34】未知細菌が植物又は動物に対して病原的
    である請求の範囲第25〜29項のいずれかの方法。
  35. 【請求項35】更に種のランク以下の分類群、又は亜種
    以下の細分を作り出す1又は複数の核酸配列の存在を検
    出することを含む請求の範囲第25〜29項のいずれかの方
    法。
  36. 【請求項36】1又は複数の核酸配列がバクテリオファ
    ージゲノムの全部又は一部である請求の範囲第35項の方
    法。
  37. 【請求項37】1又は複数の核酸配列が、染色体外遺伝
    因子、プラスミド、又はエピソームの全部又は一部であ
    る請求の範囲第35項の方法。
  38. 【請求項38】1又は複数の核酸配列が、抗生物質耐性
    トラスファー因子(R−因子)又は抗生物質耐性因子を
    コードするものである請求の範囲第35項の方法。
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