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JP2503517B2 - 塗装仕上げ法 - Google Patents

塗装仕上げ法

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Publication number
JP2503517B2
JP2503517B2 JP18321287A JP18321287A JP2503517B2 JP 2503517 B2 JP2503517 B2 JP 2503517B2 JP 18321287 A JP18321287 A JP 18321287A JP 18321287 A JP18321287 A JP 18321287A JP 2503517 B2 JP2503517 B2 JP 2503517B2
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JP
Japan
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resin
component
coating
parts
film
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JP18321287A
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English (en)
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JPS6427669A (en
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顕雅 中畑
勝 三辻
泰弘 藤井
勝也 世羅
祐三 宮本
栄作 中谷
忠義 龍野
政文 久米
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Priority to KR1019880005073A priority patent/KR930002048B1/ko
Priority to US07/189,167 priority patent/US4981759A/en
Priority to DE3814853A priority patent/DE3814853A1/de
Publication of JPS6427669A publication Critical patent/JPS6427669A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、省資源、公害対策上有利な塗装方法に関
し、その目的は、平滑性、耐候性、鮮映性、肉持感がす
ぐれ、かつ特徴的光輝感を示す美粧塗膜を、簡略された
塗装工程で形成することにある。
従来の技術及びその問題点 従来、美粧的外観が重要視される自動車、二輪車、電
気製品等の外面の上塗塗装は、平滑性、鮮映性、耐候性
などに優れた塗膜を形成する有機溶剤希釈型熱硬化性塗
料で仕上げ塗装されている。またこの上塗塗装はその着
色方法において、ソリッドカラー仕上げと、光輝感を示
すメタリックカラー仕上げとに大別でき、このうち、後
者のメタリックカラー仕上げには、光輝感を示すための
色材としてアルミニウム等の金属粉やマイカが通常配合
されている。
そして、これらの塗装工程は通常、防食性付与のため
のカチオン電着塗料を塗装し加熱硬化した後、耐候性を
確保するための中塗塗料を塗装し加熱硬化したのち、さ
らに上塗塗装として、着色顔料および/またはメタリッ
ク顔料を配合した有機溶剤希釈型熱硬化性エナメル塗料
(以下「ベースコート」と略す)を塗装し、風乾後有機
溶剤希釈型熱硬化性透明クリヤー塗料を塗り重ねてか
ら、該両塗膜を同時に加熱硬化させる2コート1ベイク
方式からなっていることが多い。
ところが近年に至って、塗装仕上がり外観、例えば平
滑性、鮮映性、肉持感などの外観向上の要求が一層強く
なり、さらに美粧性においても、単に色彩だけでなく、
個性的な特徴のある光輝感を有するものが望まれてお
り、しかも、省資源や公害対策、さらには塗装コストも
低くすることも要求されている。
このうち、メタリック塗膜は、塗膜中に含有せしめた
リン片状のメタリック顔料に外部からの入射光が反射し
てキラキラと輝き、該塗膜に各種色調と相俟って変化に
富んだ美粧性にすぐれた独特な外観を呈し、特に自動
車、オートバイなどの外板に多く施されている。このよ
うなメタリック塗膜を形成せしめる方法として種々ある
が、被塗物に直接もしくは硬化した中塗塗膜面に、メタ
リック顔料を配合してなるメタリック塗料を塗装し、そ
れを加熱硬化せしめまたは硬化せずに、さらに透明塗膜
を形成するクリヤー塗料を塗り重ね、加熱硬化する2コ
ート2ベイク方式(2C1B)または2コート1ベイク方式
(2C1B)が、塗装工程数、仕上りメタリック外観、塗膜
性能などを総合的に判断して、最も多く採用されてい
る。これらのメタリック塗料には光輝感を示すための色
材としてアルミニウム等の金属粉やマイカが通常配合さ
れている。また、これら金属粉やマイカの表面に着色材
やチタン白をコーティングすることにより、干渉色を呈
し、その結果色相を有する輝きを持たせることができる
が、濃彩色系塗膜で美粧性のある輝きは得られないとい
う欠陥がある。また仕上り外観については、特に平滑
性、鮮映性、肉持感などは劣り、これらは各種レオロジ
ーコントロール剤の添加や、中塗塗膜の研磨などにより
対処されているが十分でなく、一方、公害対策上から開
発されたハイソリッド型塗料を利用することもあるが有
機溶剤使用量削減に限界があり好ましくない。
また、塗膜の光輝感は、一般に含有する光輝色材(メ
タリック顔料)の粒子径を大きくすれば向上するが、塗
装されたベースコートの表面に光輝性色材に起因する凹
凸を生じ、このため、2コート1ベイク方式では十分な
仕上り外観を得られない、という欠点がある。また、ハ
イソリッド型塗料には、有機溶剤の削減におのずと限界
がある。また、十分な仕上り外観を得るために3コート
2ベイク方式で上塗り塗膜を形成することは、省工程の
観点からみてもトータル生産コストが高くつく、という
欠点があった。
問題点を解決するための手段 そこで、本発明者らは、前述した種々の欠陥を解消
し、塗装工程が簡略化され、塗膜の仕上り外観が顕著に
向上し、かつ省資源、公害対策上極めて有利であって、
しかも、特殊な光輝感を有する塗装仕上げ方法の開発を
目的として鋭意研究を重ねた結果、耐候性良好な特定組
成のカチオン電着塗料を塗装し、その硬化塗面に、メタ
リック顔料として、リン片状グラファイト粒子を含有す
る塗料を用いて着色ベースコート層を形成させ、次い
で、該メタリックベースコート層上に着色剤を含まない
粉体塗料を用いてクリヤーコート層を形成させることに
より、中塗塗料を使用することなく、かつ、クリヤ層を
2回形成させることなく、上記目的を達成でき、本発明
を完成するに到った。
すなわち、本発明は、 (i)(A)表面張力が40〜60dyne/cmであり且つ酸で
中和することによって陰極に電着可能な水性浴を形成し
うるエポキシ系カチオン電着性樹脂、及び (B)表面張力が25〜45dyne/cmである非イオン系被膜
形成性樹脂を、 樹脂(A):樹脂(B)=60:40〜98:2の範囲内の重量
比で含有し且つ樹脂(A)の表面張力が樹脂(B)の表
面張力より大きい複層膜形成用カチオン電着塗料を塗装
し、加熱硬化後、 (ii)該電着塗面に、第1上塗りとしてリン片状のグラ
ファイト粒子を含有する水性もしくは有機溶剤系塗料を
塗装し、 (iii)更に、第2上塗りとして着色剤を含まない粉体
塗料を塗装する ことを特徴とする塗装仕上げ法に関する。
本発明の特徴は、上記(i)〜(iii)の塗料を順次
塗装するところにある。その結果、耐候性、平滑性、鮮
映性、肉持感などが顕著に向上し、かつ、特異な光輝性
を示す塗膜を形成できた。
すなわち、本発明で用いる上記(i)のカチオン電着
塗料は、一回の電着塗装により、下層部(金属基体表面
側。以下同じ)に主として防食性樹脂が分布し且つ上層
部に主として耐候性樹脂が分布するような濃度勾配を有
する複層膜を形成することができる。さらに具体的に
は、該カチオン電着塗料は、エポキシ樹脂系カチオン電
着性樹脂中に耐候性の優れたアクリル系樹脂、ポリエス
テル系樹脂等の非イオン系被膜形成性樹脂を分散させた
ものを結合剤成分とするカチオン電着塗料であって、該
非イオン系被膜形成性樹脂粒子がエポキシ樹脂によって
極めて安定に分散され、貯蔵安定性に優れ、また、前記
エポキシ系カチオン電着性樹脂と非イオン系被膜形成性
樹脂とを特定割合で配合し且つこれらの樹脂成分の表面
張力を特定範囲に限定し、しかも前者の表面張力を後者
のそれより大きくしてあるため、それから形成されるカ
チオン電着浴を用いて電着塗装した塗膜は、焼付乾燥す
ると表面張力の差によって非イオン系被膜形成性樹脂が
上層部に浮上し、他方、エポキシ樹脂は金属基体表面
側、すなわち下層部に移行し、その結果上層部を主とし
て非イオン系被膜形成性樹脂が占め、下層部を主として
エポキシ樹脂が占めるような濃度勾配を有する複層膜を
形成する。その結果、1回の電着塗装及び焼付により、
防食性および耐候性のすぐれた複層塗膜を形成すること
ができる。
そのため本発明の方法では、該カチオン電着塗料の焼
付硬化塗膜面に、中塗塗装工程を省略し、上記(ii)及
び(iii)の上塗り塗膜を直接施しても、耐候性ハガレ
(上塗り塗膜を透過した光により、下塗り塗膜が光劣化
をおこし、屋外バクロ中に、下塗り塗膜と上塗り塗膜の
層間でハクリがおこる現象)が発生することは皆無とな
ることが判明した。しかも、本発明の方法によれば、中
塗り塗装工程が省略されるので塗装工程が簡略化され、
塗装コストが低くできるという利点がある。
本発明で用いる成分(i)のカチオン電着塗料塗膜は
耐候性がすぐれており、具体的には、該塗料の硬化塗膜
単独を、1100K.Juole/m2・hrの光線を40時間照射した後
の60度鏡面反射率の保持率が通常、50%以上であり、好
ましくは60%以上でありうる。
上記(ii)のグラファイト粒子は、アルミニウム粉末
やマイカ粉末などに比べて、金属様光沢が著しくすぐれ
てキラキラと輝き隠ぺい性も高いので、明度や彩度が高
くてもこれまでにない独特のキラキラとしたメタリック
塗膜を形成することができる。
また、(ii)の塗料としては、公害防止および省資源
の観点からみて有機溶剤を全くもしくは殆ど含まない水
性塗料を用いることが好ましいが、有機溶剤系であって
も、中塗り塗料およびその塗装工程が省略され、粉体上
塗り塗料の使用などによって、トータル的にみると従来
の塗装工程に比べてコスト低下である。
さらに、(ii)の塗料において、水性系を用いると、
一般に低固形分濃度であるため、被塗面に塗着時と乾燥
(又は硬化)状態との体積収縮率が大きくなり、リン片
状グラファイトが被塗面に対して平行に配向しやすく、
光輝感のすぐれたメタリック塗膜が形成される。
さらに、該(ii)の塗料の塗面に塗装する上記(ii
i)の粉体塗料は、有機溶剤を全く含んでいないので、
省資源、公害防止に特に有効であり、しかも、80μ以上
の厚膜に塗装できるので、(ii)の塗面に凹凸が発生し
ていても肉持感、平滑性、鮮映性などの仕上がり外観に
すぐれた塗面に仕上げることができるという特徴があ
る。
次に、本発明の塗装仕上げ方法についてさらに具体的
に説明する。
成分(i):(A)表面張力が40〜60dyne/cmであり且
つ酸で中和することによって陰極に電着可能な水性浴を
形成しうるエポキシ系カチオン電着性樹脂、及び (B)表面張力が25〜45dyne/cmである非イオン系被膜
形成樹脂を、 樹脂(A):樹脂(B)=60:40〜98:2の範囲内の重量
比で含有し且つ樹脂(A)の表面張力が樹脂(B)の表
面張力より大きい複層膜形成用カチオン電着塗料。
エポキシ系カチオン電着性樹脂(A成分)としては、
従来からカチオン電着塗料分野において使用されている
アミン付加エポキシ樹脂のようなポリアミン樹脂、例え
ばポリエポキシドと第1級モノ及びポリアミン、第2級
ポリアミン又は第1級、第2級混合ポリアミンとの付加
物(例えば米国特許第3,984,299号参照);ポリエポキ
シドとケチミン化された第1級アミノ基を有する第2級
モノ及びポリアミンとの付加物(例えば米国特許第4,01
7,438号参照);ポリエポキシドとケチミン化された1
級アミノ基を有するヒドロキシ化合物とのエーテル化に
より得られる反応物(例えば特開昭59−43013号公報参
照)などが用いられる。これらのポリアミン樹脂はアル
コール類でブロックしたポリイソシアネート化合物を用
いて硬化させることができ電着塗膜を形成する。
また、ブロックイソシアネート化合物を使用しないで
硬化させることが可能なアミン付加エポキシ樹脂も使用
することができ、例えばポリエポキシドにβ−ヒドロキ
シアルキルカルバメート基を導入した樹脂(例えば特開
昭59−155470号公報参照);エステル交換反応によって
硬化しうるタイプの樹脂(例えば特開昭55−80436号公
報参照)などを用いることもできる。
樹脂(A成分)の製造に使用される前記したポリエポ
キシドとしては、例えば、ポリフェノールをアルカリの
存在下にエピクロルヒドリンと反応させることにより製
造することができるポリフェノールのポリグリシジルエ
ーテルが包含され、価格と防食性の点から特に好適なも
のは、数平均分子量が少なくとも約380、好適には約800
〜2,000の範囲内、及びエポキシ当量が190〜2,000、好
適には400〜1,000の範囲内のポリフェノールのポリグリ
シジルエーテルである。
成分(i)のカチオン電着塗料のエポキシ系カチオン
電着性樹脂(A成分)は、表面張力が40〜60dyne/cm、
好適には45〜55dyne/cmの範囲内にあることが必要であ
る。表面張力が40dyne/cmより低いと、非イオン系被膜
形成性樹脂(B成分)との相溶性が良好になりすぎて所
望の濃度勾配を有する複層膜を形成させ難くなり、しか
も該塗膜が耐候性、防食性ともに劣るものになりやす
い。他方、表面張力が60dyne/cmを超えると、濃度勾配
が極端に進み、樹脂(A成分)と樹脂(B成分)とが完
全に2層に分離するようになり、前記樹脂(A成分)と
樹脂(B成分)の層間付着性が劣る結果となりやすい。
本明細書において、エポキシ系カチオン樹脂(A成
分)及び後記する非イオン系被膜形成性樹脂(B成分)
についていう「表面張力」は次のようにして測定したも
のである: 樹脂(A成分)または樹脂(B成分)を溶剤で希釈
し、脱脂した平滑なブリキ板上にバーコーターにより乾
燥塗膜で10μmになるように塗装する。塗膜を室温で1
日風乾し、さらに50℃/0.1気圧で1時間乾燥した後、室
温で10分後に次の測定を行なう。
脱イオン水を滴下して、上記乾燥樹脂との接触角
(θ)を測定する。
ついで、SellとNeumannの実験式 式中、γ:水の表面張力 (72.8dyne/cm)、 γ:樹脂(A成分)または樹脂(B成分)の
表面張力(dyne/cm) により樹脂(A成分)または樹脂(B成分)の表面張力
を求める。
成分(i)のカチオン電着塗料で使用される非イオン
系被膜形成性樹脂(B成分)は、本発明の目的から特に
耐候性の優れた樹脂であれば熱硬化性樹脂および熱可塑
性樹脂のいずれでもよく、就中アクリル系樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリエステル変性樹脂及びシリコン変性樹
脂が好適に使用される。この樹脂(B成分)は非イオン
系であること、すなわち酸中和によってカチオン性基を
生じるような官能基を有さないことが重要であり且つ不
可欠である。すなわち、樹脂(B成分)がイオン性であ
ると、その表面張力が大きくなるため、本発明の目的と
する理想的な濃度勾配を有する複層塗膜を得るためには
樹脂(B成分)の骨格部(非イオン性部)を表面張力の
小さいものに設計しなければならず、その結果として形
成される複層塗膜は層間付着性および耐食性に劣ったも
のとなりやすい。
該アクリル系樹脂は数平均分子量が約3,000〜約100,0
00、好ましくは約4,000〜約50,000の範囲内のものが適
している。また、該アクリル系樹脂は官能基として水酸
基を含有せしめた場合には、樹脂(A成分)の架橋剤で
あるポリイソシアネート化合物と反応して架橋硬化せし
めることができる。
また、樹脂(B成分)として、前記したアクリル系樹
脂とポリエステル樹脂をブレンドしたものやポリエステ
ル変性(グラフト)アクリル樹脂、アクリル変性(グラ
フト)ポリエステル樹脂も用いられる。
さらにまた、樹脂(B成分)として用いられる非イオ
ン系シリコン変性樹脂には、基体樹脂、例えば前記した
アクリル系樹脂またはポリエステル樹脂、或いはアルキ
ド樹脂等を、シリコン樹脂で変性したものが包含され、
シリコン樹脂の使用量は樹脂全体の50重量%以下、好ま
しくは3〜45重量%の範囲内が適している。
基体樹脂を変性するために用いるシリコン樹脂は、通
常、数平均分子量が好ましくは約500〜約2,000の範囲内
で、分子中に水酸基、アルコキシ基のような反応性基を
2個以上有するオルガノポリシロキサン樹脂があげられ
る。
シリコン変性樹脂は、上記したシリコン樹脂と水酸基
および/又はカルボキシル基を有する基体樹脂、例えば
アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等を上記した使用割
合で、それ自体公知の方法で共縮合させることによって
製造することができる。
樹脂(B成分)は、表面張力が25〜45dyne/cm、好適
には28〜40dyne/cmの範囲内にあることが必要である。
表面張力が25dyne/cmより小さいと、形成される塗膜と
上塗り塗膜との層間付着性が低下し、また樹脂(A成
分)と樹脂(B成分)が完全に2層に分離し層間付着性
も悪くなる。他方、表面張力が45dyne/cmを超えると、
樹脂(A成分)との相溶性が良好になりすぎ所望の濃度
勾配を有する複層膜が形成され難くなり、しかも塗膜の
耐候性、腐食性がともに劣る結果となる。
成分(i)のカチオン電着塗料において、前記した樹
脂(A成分)及び樹脂(B成分)の表面張力がそれぞれ
前記特定範囲にあって且つ樹脂(A成分)の表面張力が
樹脂(B成分)の表面張力より大きければ、濃度勾配の
ある複層膜を形成することができるが、好適には樹脂
(A成分)と樹脂(B成分)の表面張力の差が5dyne/cm
以上、より好ましくは10〜20dyne/cmの範囲内になるよ
うに両成分を選択して組合わせることが、複層膜の形成
が容易で且つ迅速であり実用的である。
また、複層膜の形成をさらに容易にするには、樹脂
(A成分)と樹脂(B成分)間の相溶性が不相溶もしく
は難相溶の関係にある組合せからなるものを選択すれば
よい。樹脂(A成分)と樹脂(B成分)間の相溶性が
「不相溶」もしくは「難相溶」とは次のことを意味す
る。すなわち、樹脂(A成分)及び樹脂(B成分)を等
重量部の割合で混合した後有機溶剤などに溶解せしめ、
テフロン板に約70ミクロンの膜厚になるように均一にエ
アースプレーし、ついで160〜220℃の間の一定の温度で
且つ15〜60分の間の一定の時間で焼付け、放冷し、得ら
れる単離皮膜について光線透過率を測定したとき、紫外
線の光線(波長約300ミリミクロン)ならびに可視部の
光線(波長約500ミリミクロン)についての透過率がそ
れぞれ0〜約70%の値を示すことを意味する。
成分(i)の電着塗料は、以上述べた樹脂(A成分)
及び樹脂(B成分)をそれ自体既知の方法で水中に分散
及び/又は溶解させることにより調製することができ
る。例えば、樹脂(A成分)及び樹脂(B成分)を水
混和性有機溶剤中に溶解させた状態で水及び酸(例えば
酢酸、ギ酸、乳酸、リン酸、硫酸などの水溶性有機酸又
は無機酸)と混合し中和して水性浴を形成するか、樹
脂(A成分)を水性媒体中に分散させ、酸で中和して水
性浴を形成し、その水性浴中に樹脂(B成分)の水混和
性有機溶剤溶液をホモジナイザー等を用いて強制分散せ
しめる等の方法で調製することができる。前記及び
のいずれの方法によって得られる組成物においても、樹
脂(B成分)の粒子は樹脂(A成分)の中和物によって
水中に極めて安定に分散され、長期間にわたって優れた
貯蔵安定性を示す。
成分(i)の電着塗料の調製にあたって、樹脂(A成
分)及び樹脂(B成分)はそれぞれ単独又は2種以上組
合せて使用することができる。樹脂(A成分)と樹脂
(B成分)の使用割合は、 (A成分):(B成分)=60:40〜98:2、 好ましくは70:30 〜95:5 の範囲内にすることが必要である。
前記した範囲外の配合割合では効果的な濃度勾配を有
する複層膜が得られず、耐候性又は防食性が劣る結果と
なる。
成分(i)には、前記した樹脂(A成分)及び(B成
分)成分の他に、適宜必要に応じて、通常塗料分野で用
いられている着色顔料、防食顔料、体質顔料、添加剤な
どを添加することもできる。
さらに、樹脂(A成分)として、硬化剤との併用によ
って硬化するタイプのエポキシ系カチオン電着性樹脂を
用いる場合には、該組成物に、硬化剤としてポリイソシ
アネート化合物、例えばイソホロンジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートなどのブロ
ック化物を所定量配合することができる。
成分(i)のカチオン電着塗料と被塗物に電着塗装す
る方法及び装置としては、従来から陰極電着塗装におい
てそれ自体使用されている公知の方法及び装置を使用す
ることができる。その際、被塗物をカソードとし、アノ
ードとしてはステンレス又は炭素板を用いるのが望まし
い。用いうる電着塗装条件は、特に制限されるものでは
ないが、一般的には浴温:20〜30℃、電圧:100〜400V
(好ましくは200〜300V)、電流密度:0.01〜3A/dm2、通
電時間:1〜5分、極面積比(A/C):2/1〜1/2、極間距
離:10〜100cm、撹拌状態で電着することが望ましい。
カソードの被塗物上に析出した塗膜は、硬化塗膜に基
いて10〜50μ、特に20〜40μの膜厚が好ましく、この析
出した塗膜を洗浄後、約150〜約230℃で約10〜30分間焼
付けて硬化させることができる。この硬化処理により金
属基体に接する部分にはエポキシ系樹脂(A成分)が、
プライマー層の表面部分には被膜形成性樹脂(B成分)
が優先的に分布した多層構造が形成される。これは加熱
溶融状態で両樹脂が主として表面張力の差で層分離をす
るように作用するためと考えられる。
かくして形成される電着塗膜層が多層分布構造を有し
ている事実は、塗膜を金属基体方向(厚さ方向)に向か
って最上層、中間層及び最下層の3層に分割し、この分
割層における樹脂(B成分)の分配率(含有重量%)を
求めることにより確認することができる。成分(i)の
カチオン電着塗料から形成される電着プライマー層にお
いては、一般に最上層では樹脂(B成分)の分配率が50
%以上、好ましくは70〜95%であり、最下層においては
樹脂(B成分)の分配率は10%以下、好ましくは5%以
下である。
成分(ii):リン片状のグラファイトを含有せしめてな
る水性もしくは有機溶剤系塗料。
これは、加熱硬化した成分(i)のカチオン電着塗膜
面に塗装する第1上塗り塗料であり、基体樹脂、硬化
剤、リン片状のグラファイト、水および/または有機溶
剤を主要成分とし、必要に応じて各種顔料などを配合し
てなる熱硬化性塗料である。
基体樹脂は、成分(ii)による塗膜の主成分であり、
耐候性および透明性などが良好で、水又は有機溶剤に溶
解もしくは分散しうる塗料用樹脂が好適であり、例え
ば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂な
どがあげられる。
まず、これらの基体樹脂の水溶性化もしくは水分散化
は、原則的には、水溶性化もしくは水分散化するのに十
分な量の親水性基、例えばカルボキシル基(−COOH)、
水酸基(−OH)、メチロール基(−CH2OH)、アミノ基
(−NH2)、スルホン基(−SO3H)、ポリオキシエチレ
ン結合CH2CH2Onなどを導入、含有させることであ
るが、最も一般的なものはカルボキシル基を含有させる
ことである。導入したカルボキシル基を中和してアルカ
リ塩を作ることにより水溶性化もしくは水分散化するこ
とができる。カルボキシル基の量は特に制限されず、水
分散化もしくは水溶化の程度に応じて任意に選択できる
が、具体的には、酸価に基いて約10以上、好ましくは30
〜200であって、アルカリ性物質例えば水酸化ナトリウ
ム、各種アミンなどで中和することによって水溶性化も
しくは水分散にすることができる。ウレタン樹脂として
は、上記アクリル樹脂、もしくはポリエステル樹脂にジ
イソシアネート化合物を反応させて高分子量化したもの
が挙げられ、これは主として水分散性樹脂として用いら
れる。
また、上記樹脂の水分散化は、上記モノマー成分を界
面活性剤や水溶性樹脂の存在下で乳化重合せしめること
によっても達成される。さらに上記樹脂を例えば乳化剤
などの存在下で水中に分散することによっても得られ
る。この水分散化において、基体樹脂中は前記親水性基
を全く含んでいなくてもよく、或いは上記水溶性樹脂よ
りも少なく含有することができる。
該アクリル樹脂の水分散液は、多段重合法によって得
られるものが好ましい。即ち、最初にα,β−エチレン
性不飽和酸を全く含まないか或いは少量含んだ単量体を
重合し、次いでα,β−エチレン性不飽和酸を多量に含
んだ単量体を共重合することによって得られる多段重合
エマルジョンは、中和剤を用いて中和することによって
増粘するので塗装作業性の面から好ましいものである。
該水分散液中のアクリル樹脂は、その機械安定性、貯
蔵安定性等の性能面からは分散粒子を架橋した方が有利
である。
また、有機溶剤系は、有機溶剤に上記基体樹脂(カル
ボキシル基は特に必要としない)を溶解もしくは分散さ
せることによって得られる。有機溶剤としては、塗料に
通常用いられているものが適用できる。
有機溶剤系塗料の形態としては、溶液型、ハイソリッ
ド型、非水分散液型などがある。
硬化剤は、上記基体樹脂を加熱により三次元的に架橋
硬化させるためのものであり、具体的には、メラミン、
ベンゾグアナミン、尿素などとホルムアルデヒドとの縮
合もしくは共縮合または、さらに低級1価アルコールで
エーテル化するなどによって得られるアミノ樹脂が好適
に用いられる。また、ポリイソシアネート化合物もしく
はブロックポリイソシアネート化合物も好適に使用でき
る。
リン片状のグラファイトは光輝性顔料で、黒色の特殊
な輝きを有しており、その形状は長手方向寸法が5〜50
μ、短手方向寸法が1〜30μが好ましく、具体例とし
て、チバガイギー社製商品名、「GRAPHITAN6154」があ
げられる。
成分(ii)では、明度や色相を調整するため、さらに
必要に応じて、他のメタリック顔料、着色顔料や体質顔
料などから選ばれた1種以上を併用できる。配合しうる
他のメタリック顔料としては、例えばアルミニウムフレ
ーク、銅ブロンズフレーク等を挙げることができ、ま
た、着色顔料としては、例えば二酸化チタン、酸化鉄、
酸化クロム、クロム酸鉛、クロムチタンエロー、コバル
トブルー、カーボンブラック等の如き無機顔料;フタロ
シアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾー
ルバイオレット、アントラピリミジン、アゾオレンジ、
イエロー、フラバンスロンイエロー、イソインドリンイ
エロー、アゾエロー、インダスロンブルー、ジブロムア
ンザスロンレッド、ペリレンレッド、アゾレッド、アン
スラキノンレッド、キナクリドンレッド、バイオレッド
等の如き有機顔料を挙げることができ、体質顔料として
タルク、バリタ、シリカ、カオリン等を配合することが
できる。これらは粒径が1μ以下であることが好まし
い。
特に、成分(ii)では、前記グラファイトと共に雲母
粉末を酸化チタンおよび(または)酸化鉄で被覆した透
明パールマイカ、着色マイカ、干渉マイカなどのパール
マイカ(約5〜60μの長手方向寸法と約0.25〜1μの厚
さを有する)を併用すると、外部から入射する光がパー
ルマイカ顔料においては真珠様光沢を発し、一方、リン
片状グラファイト顔料によって独特の金属様光沢を発し
て、この二者の光がたがいに干渉して、パールマイカ顔
料の真珠様光沢はより多彩なキラメキをみせ、尚且つ深
み感のある、変化に富んだ美粧性にすぐれた独特のパー
ル調メタリックに仕上げることができ、しかも、従来よ
りもより高明度の色彩の塗料を容易に塗装し得るのであ
る。
成分(ii)における上記各成分の比率は、目的に応じ
任意に選択できるが、例えば、基体樹脂と硬化剤とは、
該両成分の合計重量にもとずいて、前者が60〜90重量
%、特に70〜85重量%、後者が40〜10重量%、特に30〜
15重量%の範囲内が好ましい。さらにグラファイトは、
所望の色調等に応じて適宜の量配合すれば良く、該両成
分を合計した樹脂固形分100重量部に対して通常1〜40
重量部程度配合するのが適当であり、グラファイト粒子
が1重量部より少なくなると、特殊な光輝感が失われ、
メタリックカラーとしての特徴が発揮できなくなる、と
いう難点を生ずる。また逆に40部より多くなると、平滑
性が著しく損なわれる結果、形成された塗膜の仕上がり
外観を十分確保できないという難点を生ずるほか、塗膜
の耐衝撃性等の物理的性能に難点を生ずる傾向となる。
着色顔料の量としては、使用される着色顔料の種類等
により異なり一概には言えないが、樹脂成分100重量部
当り通常50重量部程度以下とするのがよい。より具体的
には、例えばチタン白を使用する場合には樹脂成分100
重量部当り10重量部程度以下が好ましく、0.1〜5重量
部程度が特に好ましい。またカーボンブラックを使用す
る場合には樹脂成分100重量部当り5重量部程度以下が
好ましく、0.1〜2重量部程度が特に好ましい。更に有
彩色顔料を使用する場合には樹脂成分100重量部当り20
重量部程度以下が好ましく、1.0〜10重量部程度が特に
好ましい。また、マイカの量としては、樹脂成分100重
量部当り通常15重量部程度以下が好ましい。
成分(ii)は、上記基体樹脂、硬化剤および各種顔料
を通常の方法に従って、脱イオン水及び(または)有機
溶媒、必要に応じ顔料、増粘剤、消泡剤等の添加剤を加
えて、固形分10〜40重量%程度、粘度800〜5000cps/6rp
m(B型粘度計)程度に調整して得られる。2コート1
ベイク方式で塗装する場合のベースコートして極めて好
適に使用できる。しかして、前記(i)によるカチオン
電着加熱硬化塗膜面に、成分(ii)を例えば10〜50μ程
度の硬化膜厚になるように、例えば、エアースプレー、
エアレススプレー、静電塗装などによって塗装される。
成分(iii):粉体塗料 該粉体塗料は、成分(ii)塗膜面に塗装することので
きる、熱硬化性のそれ自体既知の粉体塗料であることが
でき、原則として、成分(ii)の着色塗膜を透視できる
ような透明塗膜を形成しうる粉体塗料であって、染料・
着色顔料およびメタリック顔料などの着色剤を含んでお
らず、基体樹脂と硬化剤とを主成分とするものである。
基体樹脂は成分(iii)の粉体塗料の塗膜形成のため
の主要成分であって、例えば、水酸基、カルボキシル
基、グリシジル基などから選ばれる1種またはそれ以上
の架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、およびこれらの変性体
(例えば、グラフト重合体)などがあげられるが、これ
は単なる例示であり、これらのみに限定されるものでは
ない。該基体樹脂はガラス転移温度が一般に50℃以上、
特に60〜120℃であることが好ましく、また、組成およ
び分子量などは目的に応じて任意に選択でき、特に限定
されない。
硬化剤は、上記基体樹脂を加熱により三次元的に架橋
硬化させるための成分であり、例えば、アルコキシメチ
ロールメラミン、ブロックポリイソシアネート化合物、
エポキシ化合物、イソシアヌレート化合物および脂肪族
二塩基酸などが使用できる。
基体樹脂と硬化剤との比率は、基体樹脂中の上記官能
基と硬化剤中の官能基とのモル比がほぼ等モルになるこ
とが最も好ましい。
成分(iii)の粉体塗料には、さらに流動調整剤、紫
外線吸収剤、光安定剤などの塗料添加物を必要に応じて
配合してもさしつかえない。
成分(iii)の粉体塗料は、通常、上記各成分を溶融
混練し、冷却後、粉砕することによって得られ、これら
の工程および粒径などは通常のとおりでよい。
また、該成分(iii)の塗料は、前記成分(ii)の塗
料を塗装し、加熱硬化させることなく、該塗膜中に含ま
れている水分や溶剤の殆どもしくはすべてを除去するた
めに常温もしくは100℃以下で風乾したのち、該成分(i
i)の塗料による未硬化の塗膜面に塗装される。さら
に、該成分(ii)の塗料による塗膜を、例えば、120〜2
00℃に加熱して硬化したのちに(iii)の粉体塗料を塗
装することもできる。これらの塗装方法は特に制限され
ず、静電噴霧塗装、流動浸漬法など任意の粉体塗装方法
を用いることができる。
成分(iii)の粉体塗料の塗装膜厚は特に制限される
ものではないが、一般には、例えば40〜200μの範囲が
適しており、なかでも、仕上がり塗膜の平滑性、鮮映
性、光沢、肉持感などを良好にするためには、60〜120
μの肉厚に塗装することが好ましい。
そして、上記(ii)および(iii)の両塗料を塗装
後、例えば120〜200℃に加熱して両塗膜を同時にもしく
は(iii)の塗膜を硬化させる。
以上に述べた本発明の方法は、塗装工程が簡略化さ
れ、しかも塗膜の仕上がり外観が極めてすぐれ、かつ省
資源、公害対策上有利な塗装方法であり、自動車、二輪
車、電気製品などの塗装において広く利用することがで
きる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具
体的に説明する。なお実施例中、「部」および「%」は
「重量部」及び「重量%」である。
I試料の調製 成分(i)のカチオン電着塗料: (A)エポキシ系カチオン電着性樹脂の調製 ビスフェノール型エポキシ樹脂(チバガイギー社製
「アラルダイト♯6071」) 930部 ビスフェノール型エポキシ樹脂(チバガイギー社製
「アラルダイトGY2600」) 380〃 ポリカプロラクトンジオール(ダイセル社製「プラク
セル♯205」) 550〃 ジメチルベンジルアミン酢酸塩 2.6〃 p−ノニルフェノール 79〃 モノエタノールアミンのメチルイソブチルケトンケチ
ミン化物 71〃 ジエタノールアミン 105〃 ブチルセロソルブ 180〃 セロソルブ 525〃 成分〜を一緒にし150℃で2時間反応させた後、
成分〜を配合し、80〜90℃で3時間反応させ、固形
分75%の樹脂溶液を得る。この樹脂の表面張力は53dyne
/cmである。
(B)非イオン系被膜形成性樹脂の調製 (B−1)の製造: ブチルセロソルブ 26部 80%ポリエステルモノマー(ダイセル社製「FM−3
X」) 37.5〃 スチレン 40〃 ヒドロキシエチルメタクリレート 25〃 n−ブチルメタクリレート 5〃 AIBN(アゾビスイソブチロニトリル) 4〃 ブチルセロソルブ 5〃 アゾビスジメチルバレロニトリル 0.5〃 セロソルブ 23〃 成分を130℃に加熱し、130℃で成分〜を5時間
かけて滴下後、130℃で2時間維持し、130℃で2時間か
けて成分、を滴下し、更に130℃で2時間維持し、
次いで成分を添加して冷却する。
かくして、固形分62%で数平均分子量約5,000及び表
面張力40dyne/cmの樹脂溶液を得る。
(B−2)の製造: ブチルセロソルブ 26部 80%ポリエステルモノマー(ダイセル社製FM−3X) 87.5〃 スチレン 25〃 ヒドロキシエチルアクリレート 5 AIBN(アゾビスイソブチロニトリル) 4〃 ブチルセロソルブ 5〃 アゾビスジメチルバレロニトリル 0.5〃 セロソルブ 23〃 成分を130℃に加熱し、130℃で成分〜を5時間
かけて滴下した後、130℃で2時間維持し、130℃で2時
間かけて成分、を滴下し、更に130℃で2時間維持
し、次いで成分を添加して冷却する。かくして、固形
分62%で、数平均分子量約5,000及び表面張力35dyne/cm
の樹脂溶液を得る。
エマルジョンの製造 樹脂溶液混合物((A)および(B)成分を後記第1
表に示した割合からなる組成樹脂)固形分として82.6部 4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートのエチレ
ングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルジブロッ
ク 5.0〃 イソホロンジイソシアネートのメチルエチルケトンケ
トオキシムジブロック 12.4〃 ポリプロピレングリコール4000 0.5〃 酢酸鉛 1.0〃 10%酢酸 9.3〃 脱イオン水 187.75〃 成分〜を均一に混合し、成分〜を加えてさら
に均一に混合し、次いで成分を加えて均一に撹拌混合
して、不揮発分32%(120℃〜1Hr.)のエマルジョンを
得る。
顔料ペーストの製造: 60%第4級塩化エポキシ樹脂(分散媒) 5.73部 チタン白 14.5〃 カーボン 0.54〃 体質顔料(クレー) 7.0〃 ケイ酸鉛 2.3〃 ジブチルチンオキサイド 2.0〃 脱イオン水 27.49〃 からなる不揮発分50%(120℃〜1Hr.)なる顔料ペース
トを得る。
カチオン電着塗料の製造 上記(A成分)および(B成分)を第1表に示す混合
比(樹脂重量固形分比)に基づいて得られるエマルジョ
ン317.2部、顔料ペースト59.56部及び脱イオン水279.64
部を混合してカチオン電着塗料浴(固形分20%)を得
る。
成分(ii): アクリル樹脂水分散液(W−1) 反応容器内に、脱イオン水140部、30%Newcol 707SF
2.5部および下記の単量体混合物(1)1部を加え、窒
素気流中で攪拌混合し、60℃で3%過硫酸アンモニウム
3部を加える。ついで80℃に温度を上昇せしめた後、下
記の単量体混合物(1)79部、30%Newcol 707SF 2.5
部、3%過硫酸アンモニウム4部および脱イオン水42部
からなる単量体乳化物を4時間かけて定量ポンプを用い
て反応容器に加える。添加終了後1時間熟成を行なう。
さらに、80℃で下記の単量体混合物(2)20.5部と3
%過硫酸アンモニウム水溶液4部を同時に1.5時間かけ
て反応容器に並列滴下する。添加終了後1時間熟成し、
30℃で200meshのナイロンクロスで過した。このもの
にさらに脱イオン水を加えジメチルアミノエタノールで
pH7.5に調整し、平均粒径0.1μ、Tg(ガラス転移温度)
46℃の不揮発分20%アクリル樹脂水分散液W−1を得
た。
単量体混合物(1) メタクリル酸メチル 55部 スチレン 10 アクリル酸n−ブチル 9 アクリル酸2−ヒドロキシエチル 5 メタクリル酸 1 単量体混合物(2) メタクリル酸メチル 5部 アクリル酸n−ブチル 7 アクリル酸2−エチルヘキシル 5 メタクリル酸 3 30%Newcol 707SF 0.5 (注) 30%Newcol 707SFは日本乳化剤社製界面活性剤 アクリル樹脂水溶液(W−2) 反応容器にブチルセロソルブ60部およびイソブチルア
ルコール15部を加え窒素気流中で115℃に加温する。115
℃に達したらアクリル酸n−ブチル26部、メタクリル酸
メチル47部、スチレン10部、メタクリル酸2−ビドロキ
シエチル10部、アクリル酸6部およびアゾイソブチロニ
トリル1部の混合物を3時間かけて加える。添加終了後
115℃で30分間熟成し、アゾビスイソブチロニトリル1
部とブチルセロソルブ115部の混合物を1時間にわたっ
て加え、30分間熟成後50℃で200メッシュナイロンクロ
スで過する。
得られた反応生成物の酸価は48、粘度Z4(ガードナー
泡粘度計)、不揮発分55%、Tg45℃であった。このもの
をジメチルアミノエタノールで当量中和し、さらに脱イ
オン水を加えることによって50%アクリル樹脂水溶液
(W−2)を得た。
成分(ii)(水性)の製造 (ii)−1 アクリル樹脂水分散液W−1 275部 アクリル樹脂水溶液W−2 40 サイメル350(三井東圧化学社製、アミノ樹脂) 25 リン片状グラファイト(チバガイギー製グラフィタン61
54) 20 ブチルセロソルブ 20 脱イオン水 253 を混合し、チクゾールK−130B(共栄社油脂化学工業社
製増粘剤)を添加して、B型粘度計(ローター回転数6r
pm)で3000cpsに調整してメタリック水性塗料(ii)−
1を得た。不揮発分約19%。
(ii)−2 アクリル樹脂水溶液W−2 40部 カーボンブラック(三菱化成カーボンMA−100) 1.0 フタロシアニンブルー(BASF製パリオゲンブルーL6975
F) 6.0 をスチールボールミルにて5μ以下に分散し、 アクリル樹脂水分散液W−1 275 サイメル350 25 脱イオン水 253 を加え、前項同様に粘度を2500cpsに調整してなる水性
塗料を作成し、これを前項(ii)−1/本品比が4/1にな
るように混合して不揮発分約18.0%の(ii)−2を得
た。
(ii)−3(有機溶剤系) 50%アクリル樹脂液(注1) 140部 88%サイメル370(注2) 34 グラフィタン 25 ホワイトパールマイカ(注3) 5 ジブチルアシッドホスフェート 0.3 上記の混合物を、トルエン30部、イソブチルアルコール
20部、セロソルブアセテート30部及びブチルセロソルブ
20部からなる混合溶剤で粘度13秒(フォードカップNo.4
/20℃)に調整した。
(注1)50%アクリル樹脂液: メチルメタクリレート30部、エチルアクリレート59
部、ヒドロキシエチルアクリレート10部及びアクリル酸
1部を重合開始剤α,α′−アゾビスイソブチロニトリ
ルを用いてキシレン/n−ブタノール=70/30の混合溶剤
中で重合せしめてなる重量平均分子量25000、樹脂固形
分50%のアクリル樹脂液。
(注2)88%サイメル370: 三井サイアナミド社製の商品名、メトキシ基及びメチ
ロール基の両者からなるメトキシ化メチロールメラミン
の1核体を固形分に基いて55%含有。
(注3)ブライトホワイト139X、マールコーポレーショ
ン 成分(iii) (iii)−1 フラスコにメタクリル酸メチル40部、アクリル酸−2
−エチルヘキシル30部、メタクリル酸グリシジル30部、
スチレン10部およびt−ブチルパーオキサイド(重合開
始剤)1部、オレイン酸カリ石鹸(界面活性剤)2部を
仕込み懸濁重合法により加熱重合を行ない得られた粒子
状共重合体(ガラス転移温度約60℃)を乾燥した。得ら
れた共重合体100部、デカメチレンジカルボン酸25部、
塗面調整剤1部を加熱ニーダーを用いて120℃で10分間
溶融混練した。ついで混練物を冷却後粉砕機をもちいて
粉砕を行なって粒径20〜150μ程度のクリヤー粉体塗料
を得た。
II実施例および比較例 リン酸亜鉛処理した鉄板製品(被塗物)を陰極として
カチオン電着塗料浴[成分(i)]中に浸漬し、対極で
ある陽極との間に、焼付後の膜厚が20μとなる電圧で3
分間通電し、水洗後、二酸化窒素濃度が10ppmである雰
囲気において170℃に加熱し20分加熱して該電着塗膜を
硬化させた。次に、この電着塗面に第1上塗りとして成
分(ii)をスプレーガン(デビルビスJGA502)を用いて
25℃、湿度70%の雰囲気で、硬化膜厚が15〜20μになる
ように塗装し、次いで、80℃で5分間乾燥したのち、該
塗面に第2上塗りとして粉体塗料[成分(iii)]を静
電粉体塗装法により、硬化塗膜厚が80〜100μになるよ
うに塗装し、150℃で30分加熱して成分(ii)と成分(i
ii)の両塗膜を硬化させた。これらの塗装工程およびそ
の評価も第1表に示す。
第1表において、 (*1)(A)成分と(B)成分との配合比率は重量%
である。
(*2)前記成分(i)のうち、(A)成分のみで、
(B)成分を配合しないで製造したカチオン電着塗料。
(*3)アミノ・アルキド樹脂系有機溶剤型中塗り塗
料。
(*4)(ii)−3の塗料における顔料をアルミニウム
フレーク顔料に代替した塗料。
(*5)有機溶剤型熱硬化性アクリル樹脂系クリヤー塗
料で、有機溶剤シンナーで稀釈しエアスプレー法で塗装
した。
(*6)電着塗膜の光沢保持率は、電着塗料を上記のご
とく塗装し、加熱硬化した塗板をサンシャインウエザオ
メーター(光量は1100K Juole/m2・hr)で40時間促進ば
くろし、ばくろ前との光沢(60°鏡面反射率)変化率
(%)を調べた。初期及び40時間照射後の光沢測定に
は、ディジタル光沢計GM−26D型(発売元:村上色彩技
術研究所)を用いた。光沢保持率の次の計算式による。
(*7)上塗り塗装まで行なった塗板を(*6)と同様
にして4000時間促進ばくろした後、40℃温水に20時間浸
漬してから、素地に達するように塗膜をクロスカット
し、テープハクリを行う。電着塗面上でのハクリがない
ものは○、あったものは×とする。
(*8)鮮映性測定器JCRI−PGD−166型cd計(発売元:
日本色彩研究所)を用いた。
(*9)肉持感、メタリック感、色彩的意匠性などを目
視評価した。
○ 良好 × 不良 (*10)目視評価。
○ 良好 × 不良 (*11)経済性は、塗料を塗装後加熱硬化を必要とする
回数で示す。この回数が少ないほど、生産コストは下が
り経済性は良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 祐三 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 中谷 栄作 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 龍野 忠義 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 久米 政文 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 審査官 城所 宏

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)(A)表面張力が40〜60dyne/cmで
    あり且つ酸で中和することによって陰極に電着可能な水
    性浴を形成しうるエポキシ系カチオン電着性樹脂、及び (B)表面張力が25〜45dyne/cmである非イオン系被膜
    形成性樹脂を、 樹脂(A):樹脂(B)=60:40〜98:2の範囲内の重量
    比で含有し且つ樹脂(A)の表面張力が樹脂(B)の表
    面張力より大きい複層膜形成用カチオン電着塗料を塗装
    し、加熱硬化後、 (ii)該電着塗面に、第1上塗りとしてリン片状のグラ
    ファイト粒子を含有する水性もしくは有機溶剤系塗料を
    塗装し、 (iii)更に、第2上塗りとして着色剤を含まない粉体
    塗料を塗装する ことを特徴とする塗装仕上げ法。
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